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#3880 センター試験過去問+看予備冬期講習テキスト:5人のクラスの個別指導 Dec. 12, 2018 [62-1 個別指導の実際]

 12日夜、外は4時過ぎから吹雪いている。気温は零度付近だから大きな雪が北風に舞っている。朝までに20㎝ほど積もるのだろうか?

 塾用問題集は『シリウス』を使用しているが、学力に応じて、その時のそれぞれの生徒の課題に応じて、自分で問題集を選んでいい。坦々と問題を解き、質問があれば挙手して声をあげる。そういう方式でやっているから、一クラス5-7人くらいまでは丁寧に個別指導が可能だ。
 月曜日(12/10)の7時半から9時までの授業には高3が2人、高1が2人、中2が1人、5人の個別指導だった。高3の一人は、看予備の冬期講習のテキストが届いたので、その英語長文問題をやっている。講習の前に予習しておこうというわけだ。長文と文法語法問題の複合問題で、センター試験長文問題に比べてずっと難易度が高く看護学校受験直前講習には疑問符のつく問題である。たとえば国立看護大学は英文の量はめちゃくちゃ多いが、文自体は平明に書かれていて読みやすい。受験する看護学校の英語の問題はやさしいからこういうレベルの問題をやる必要はないが、納得がいくまでとことんやる意気込みはりっぱ、それでいいと思う。数学のほうが得意だから、数学で高得点をあげることが狙いだ。
 その生徒の質問を捌きながら、もう一人の高3の生徒がセンター試験過去問をやっているので、質問を二つばかり片付けた。10月いっぱいで部活を引退し、翌11月だったかな、高校の先生と相談して専門学校から地方の国立大学へ進学先を変更、そこから学力アップに渾身の力で取り組んでいる。本気でやれば学力がさらにアップすると高校の先生も判断したようだ。どこまで伸びるのか見届けたい。
 中2の生徒の質問がそれらの間に入ってくる、証明問題をやっていた。数学の学力が中位の生徒には証明問題は10題ぐらい選ばせて、繰り返し書かせる。「型」を覚えてしまえば楽になるからだ。塾でやるだけでは身につかない、家庭学習でも何度も繰り返さなければならない。それがこの生徒の課題だ。部活が忙しいのとスマホに時間をとられて家庭学習時間がほとんどとれていない。スポーツで言うと基本メニューを繰り返しやってそれぞれの「型」や技を身につけるのと同じである。ビリヤードでも基本メニューを毎日繰り返しやって、基本技を身につけることが上達の近道である。勉強もスポーツも遊びも、とことんやるとどこかで同じものになってくる。それぞれ上達が実感できて楽しいのである。家庭学習習慣をつけなければ学力がアップできないので、生徒ともお母さんとも話し合ってスマホ使用に制限をつけることにした。家に帰ってきたら親にスマホを預ける、そして数学と英語の勉強をそれぞれ30分間やり終えたらスマホを受け取る。3か月間のトライアルである。
 
 授業の終わり5分前に高3の生徒から2013年度の数Ⅰの問題で質問がでた。問3の問題である。問題文を読みながら黒板に図を描いたら、最初の問題は中3でもできるものだった。どこがわからないの?と訊いたら、作図のところで躓いたとのこと。本文を読みながら描いていったので、作図と最初の問題はOK。ODの長さの求め方を概略説明して、終わりにした。車で迎えに来ているので、あとは家にか行ってからやってみて、わからなければ次回にやろうということにした。
 翌日に授業の途中で同じ問題を高1の生徒にやらせてみたら、すらすら作図して軽快に解いていく。最後の問題の内接円の半径「チ/ツ」のところで手間取っていた。そこまで15分くらい。センター試験レベルなら満点とれるところまで最近4か月で学力が伸びている。
「先生、あとは家でやってくる」
「面積から方程式を作ってやればいい、標準問題だから、1月の進研模試用のトレーニングになるよ」
 センター試験の問題は、基本を問う問題が多いので良問が多い。進研模試の前に数年分解いて、知識をもう一度整理しておいた方がいい。

 この生徒は塾用問題集『シリウス数Ⅰ』と『シリウス数A』を独力で予習方式でやらせている。章ごとに1頁か2頁の解説が載っているが、独力でわからないときだけ質問してくる。学力が高い生徒ほど質問の数が減っていく。問題はひとつもスキップさせない、全問解かせている。センター試験レベルはこの問題集で十分である。いま数Ⅱをやっている。

 学力に問題があって塾へ来る生徒もいる。教科書の問題を全部解説するとか、準拠問題集の問題の7割を3か月ほど解説しなければならないケースもある。そうしても、家庭学習習慣がゼロだと成績が横ばいになる。家庭学習がゼロだと、一週間後にはほとんど忘れて、また一からやり直し、根気がいる。(笑)

 ネットを検索したら、問題と解説が出てきたので、URLと問題を貼り付けておく。
http://examist.jp/legendexam/2013-center/

 左クリックして、ドラッグすると全画面をみることができます。

2013center3q
*看予備冬期講習
http://www.kanyobi.ac.jp/training/college_winter1.html



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<答>

ア 1

イ 0

ウ 3
エ 1
オ 0
カ 5

キ 4
ク 5
ケ 2
コ 4
サ 5

シ 2
ス 1
セ 6
ソ 2
タ 5
チ 6
ツ 5
テ 1
ト 2
ナ 5
ニ ②
ヌ 6
ネ 1
ノ 0
ハ 5
ヒ 1
フ 0
ヘ 5
ホ ②



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#3879 長文読解:生徒からの質問(2) Dec. 11, 2018  [62-1 個別指導の実際]

<最終更新情報>
12/12夕方 太宰治の古典のリライト物に関する追記
      同時進行で中3と中1の数学解説が始まる


 高1の生徒が4時15分に来た。いつもより早いので、何か質問ができたのだろうとピンときた。土日にやったZ会の英語長文問題をもってきて質問があるという。問題本文はB5版に1ページの分量、さっぱりわからないという。じゃあ、一緒に読んでみようかと言って、理解できないところに焦点を当てながら読み始めた。1896年開催の第1回アテネオリンピックが題材。

 例えば、こんな文の意味が分からないという。
 The game was nearly over.

 どうしてか問うと、nearlyの意味がわからないからと答えた。知らない単語に焦点が合って、それ以外の知っている単語、簡単な文全体が見えなくなっている様子、試しにnearlyをカットして、黒板に書いた。
 The game was over.
  こうするとわからない単語は一つもない。付き合っていた女が男にあるいは男が女に別れを告げる場面をわたしは想像してしまうが、生徒が脳裏に描いたのはぜんぜん違ったシーンだろう。すぐに意味がわかったのである。わたしはnearlyを外しただけ。
 大人の恋をしたことのある人とそうでない人はこの文を読んだ時に湧き上がる情感やシーンがまるで違うだろう。高1でも女の子たちの1割は大人の恋の領域に踏み込んでいるが、男の生徒は子どもた多い。テレビ観戦していたサッカーの試合が終わった場面を思い浮かべるくらい。(笑)
 つぎに、nearの意味を訊いた。この生徒は先週行われた定期テストで英語は2科目とも満点だから、もちろんよく知っている。
 
中2の教科書Sunshineの11頁に、「We visited the Korean Folk Village near Soul.」という文がでてくる。家で教科書の音読を徹底していたからしっかり覚えている。

 nearly=near+ly

 水分子が水素と酸素に分解できるようなものだ。文意は「オリンピックゲームは終わりに近かった」である。すでに終りに近づいているのに、開催国のギリシアには金メダルがまだなかった。ギリシア国民は残念で、悔しくて、地団太を踏んでいるのである。ギリシア国民の一人になったつもりで読むと、共感できる。つねに登場人物になったつもりで読むとたのしくなる。

 lyは副詞語尾、形容詞にlyをつけると副詞になる。
 具体例を挙げていく。
  beautiful+ly
  bright+ly(明るく、輝いて、鮮明に)
  dark+ly(暗く、黒ずんで、陰気に)
  wise+ly(賢明に、ぬけめなく)
  clear+ly(はっきりと、疑いなく、わかりやすく)
  sad+ly(悲しそうに、悲し気に、残念なことには)
  silent+ly(静かに、黙って)
  noisy+ly=noisely(大きな音をたてて、騒々しく)
  convenient+ly(便利よく、好都合に)
  light+ly(軽く、ちょっと)
  heavy+ly=heavily(激しく、多量に、重そうに、濃密に)
      fluent+ly(流暢に、すらすらと)
  complete+ly(完全に)
  extreme+ly(極端に、とても)
  absolute+ly(完全に、まったく、絶対に)
  honest+ly(誠実に、まじめに
  un+healthy+ly=unhealthily
   彼は不健康な暮らしをしている⇒He lives unhealthily.

 よく知った単語ばかりだろう。副詞語尾lyに限らず一つの単語に接頭辞や接尾辞を付加することで一群の派生語が生ずることについては何度も解説しているが、長文試験問題のなかに組み込まれたときに、にわかにわからなくなるようだ。知っているのであるが、使えない。どうすれば使えるようになるのか、これらの知識を実践で使うトレーニングが足りないだけ、つまり長文をたくさん読めばいいだけのこと。

 この文章に限っては、次のセンテンスを読めば、コンテキスト(前後関係)からも意味が類推できる。文脈読みができるようになると、なんてことはないのだ。

 もう一つ事例を紹介しよう。この文はアテネの羊飼いスピリドン、そして沿道で応援しているアテネの村人になったつもりで共感しつつ読んでもらいたい。スピリドンの高揚感や応援するアテネの農民のドキドキ感が伝わってきたらすばらしい。

 Several minutes later, Spyridon Loues jogged by. Small and thin, Spyro was a 25 year-old shepherd from the hills near Athens. "Faster!" the anxous villagers urged him on. "The foreigners are far ahead." he said calmly.

  どこが理解できないのか訊いてみた。最初の文のbyがどうしてここに置かれているのか理解できないという。思考の焦点がbyにあってしまって、他が見えないのである。文意をつかむことが二の次になってしまっている。#3877で書いたが、一度焦点が絞られると、その周辺が見えなくなる、そういうときはbyへの焦点を外してしまうのがいい、「消す」のである。これも黒板に次のように書き換えて意味がわからないか訊いてみた。

  Spyridon Loues jogged by Several minutes later

 語順を元に戻して見せただけである。「S+V+...+場所+時間」が英語の基本語順、この文は時間を表す句が倒置された文なのだ。この文をみればbyの正体がはっきりわかる。
 byのこの用法は英字新聞ではよくお目にかかる。株価が24000円から24200円にアップすると「200円だけ」あがったという言い方をする。'by 200 yen' である。スピリドン・ルイスは数分遅れで走ってきたのである。runを使わずjogを使っているところにも注目してほしい。スピリドンは落ち着いてマイペースで悠然と走っている、この時点で勝利を確信していることがrunではなくてjogを使ったことで明確になる。このように書き手は言葉を選んでいる。そこも英文を読む楽しみの一つである。

 2番目の文はすんなり読んだ。3番目の文の「the anxous」が訳せないという。簡単な名詞句をつかまえそこなっていた。「the villagers」という名詞句に形容詞 anxious が挟まっただけ。定冠詞はvillagersを限定している。アテネ近郊の農民である。農民は都市の市民の奴隷だった。日本のような自作農はいない、村も自治権がない。スピリドンもそうした農民の一人である。優勝は名誉、農民たちはおらが村のスピリドンに何が何でも優勝してもらいたい。先頭をフランス人が走っており、2番手には外国人3人が続いていた。スピリドンはその数分あとを走っているのである。

"Faster!" the anxous villagers urged him on. "The foreigners are far ahead." he said calmly.

 この文中の「urged him on」のonは圧力のonである。台の上に丸い大石が載っている場面を想像してもらいたい。重くて天板が曲がり始めている、そういう「圧力」がonである。村人たちは「もっと頑張れ、急げ!なにがなんでも優勝してくれ!」ち絶叫している。ギリシアにはそれまで金メダルがひとつもない。スピリドンは声援に応える、「外国人たちはずっと前を走っている」と。勝ちを確信して冷静なのである

 芥川龍之介は日本の古典文学を題材にしてリライトしている作品がいくつもある。語彙が豊かで文章が上手だから、原典よりも良い。『鼻』は宇治拾遺物語巻第二「七 鼻長き僧のこと」がオリジナルである。「昔、池の尾に善珍内供といふ僧住みける。…」ではじまるが、芥川のほうがずっとたのしい。吸血鬼女『クラリモンド』も一人称を「わしが…」と繰り返し訳出しているのには閉口するが、それをのぞくと文はすばらしくいい。フランス語原典をラフカディオ・ハーンが英訳したものを学生時代の芥川が翻訳したようだ。それで、学生っぽい翻訳だと感じたわけだ。
 太宰治にも古典のリライト物がある。『御伽草子』から「瘤取り」「浦島」「カチカチ山」「舌切り雀」の4編が『太宰治全集7』(昭和33年筑摩書房初版)に収載されている。空襲のさなか、防空壕に退避して子どもたちに即興で昔話をするという、趣向である。これが傑作で、リライト物というよりも太宰のオリジナル物と言ってもよいぐらいに改作されている。文庫でも出ているだろうから、一度読んでみたらいい。この太宰全集は根室の古書市で手に入れたものである。「定価290円」と印刷してあり、ボランティアで運営している古書市だから定価の1割の価格で販売していた。安すぎるので数千円寄付させてもらった。最終日に古書市をのぞいたのだが、太宰全集が売れ残っていた。全集がわたしを呼んでいるような気がして、全部抱えてレジ担当のところへ運んだ。古書市の収入は市立図書館の書籍購入代の足しになる。2度、本を持ち込んだ。単行本の時代小説を50冊ほど処分した。数年のうちに3000冊くらい処分しなければならない。
 文豪も高校生も、文意を理解したら、自分の語彙の中から言葉を選んで文を作る、ようするに語彙の豊かさと作文の巧さが訳文に明瞭に出てくるのである。だから、英文を読むには日本語語彙が豊かな方が、いいにきまっている。世界文学全集で英米文学者の訳した作品がしっくりこないのは、その多くがものかきのプロではないからだ。

 半ばまで一緒に読んだところで、4時45分に中3と中1の生徒、そして高1の生徒がもう一人現れ、それぞれ数学の問題をやり始める。中3の生徒が顔をあげてニコニコしているのは、質問のサインだ。11月から来ている、円周角と中心角、そして平行線と相似の問題をやっているのだが、苦手だから、3題に2題は解説の必要がある。こうしてやっているうちに独力でやれる問題が増えていく。学校の授業が分かるようになってきたと嬉しそう。わからない授業を聴くのはつらい、勉強がつらいものになったら、成績は負のスパイラルで下降し始める。結局、内容が理解できて、独力で問題が解けるようになれば勉強は楽しいものだと体験させてあげることが塾先生の役割。
「質問した問題はチェックマークつけるの忘れないように、マークを付けた問題は今日か明日、必ずやってみて、一週間後にさらにもう一度ね。そこまでやれば試験でできるようになっているから。」
 中1の生徒にも質問がないか訊く、
「質問はあるかな?」
「ありません」
 作図問題をやっているので、3タイプの作図法(①角の二等分線、②線分の垂直二等分線、③点Pから直線lへの垂線、それと正三角形の作図)を解説しておく。基本を繰り返しやらせて完璧にしておくのが第一段階の狙いである。学力テスト問題は二つ組み合わせて解く問題が多い。だから、3種類の作図は考えなくてもやれるようにしておく、頭でなくて手で覚える。頭はどのやり方を組み合わせたらいいのかに使えと伝える。
 あとから来た高1の生徒は三角比の問題をやっている。単位円での一般角の解説はまだ学校の授業ではやっていない段階、この生徒はまだ慣れないので昨日質問のあった問題の類似問題で再度質問あり。辺の長さを計算する問題だが、準拠問題集の解説通りだとピンとこない生徒が多いので、方程式にしてしまうと、考えないで簡単に計算できるので、再度、黒板でやって見せる。この段階だと、三平方の定理を使いたくなるが、三角比でsin、cosになれなければならない。2年生でやる三角関数の序曲なのだから。この生徒はピアノの名手である。11月の進研模試では偏差値を大幅にあげた。予定していたライン(全国偏差値50)へなんとかとどいたが、さらに同じだけ偏差値をアップしたい。2段階でそこまでもっていくというのが、生徒との約束だ。1月に進研模試がある。冬休みは苦手の英語の勉強で大わらわになる。やった分だけ結果となってでてくる。

 他の生徒の質問に答える合間に、Z会の長文問題をもってきた高1の生徒に言う。
「残りは自分でやってみたらいい、やれそうだろう?」
「はい、できそうです、やってみます」
 いい返事だ。(笑)
 べったり教えてはいけないのだ。依存心を植えつけることになる。目標は独力で予習し、難易度の高い問題を考え抜くことができるようになること。

 長文読解を通じてこの生徒につかんでもらいたいことが三つある。
①すでに知っている知識を使うことに慣れること
②意味不明の時は焦点を外し、もう一度先入見なしに文を眺めること、そしてわからなければ先を読み進むこと
③登場人物に共感をもって読むこと

 この生徒は小説や文学作品の類はつまらないと言って読まない。たとえばこういうこと。
 「枯れ枝に 烏の止まりたるや 秋の暮」
 この芭蕉の句を読んでも、「それで?」という反応なのである。秋の夕暮れに葉っぱを落とした枯れ枝に真っ黒いカラスが一羽とまっている、そういう日本的情景に感受性がない。自然の移ろいに共感するという日本的情緒が薄いのである。
(短歌や俳句や古典文学、古典芸能にになじみが薄くなっている。落語、講談、人形浄瑠璃、能、浪花節、こういったものから子どもたちがどんどん離れている。60年前とは世の中がまるで変ってしまった。テレビがある、コンピュータが個人で使える、スマホがある。団塊世代が10歳のころは、ゲルマニウムラジオで落語や講談、浪花節を聴いていた。人情噺で日本的情緒に包まれるようにして心が育った。いまは一つもなくなってしまったが、映画館が根室に6つもあって、よく見に行った。8割は時代劇だった。朝日館、北映、根室劇場、中央劇場、銀映、東映の6つ。朝日館では小学生の時にベンハーをみた。ヒッチコック作品に怖いシーンが記憶に残っている。階段につけられた昇降用の電動椅子がスーッと降りてきて1階で止まると、その瞬間に首がゴロンと床に転がったシーンは衝撃だった。「愛と死を見つめて」は根室劇場、彗星が地球に向かっているので、地球の軌道を変えるために南極に巨大ロケット噴射装置をつくるなんてSFは宝田昭主演で、北映に来て上演前に挨拶していた。60年で日本はまったくかわってしまった。だれもいまを想像できなかっただろう。)

 この生徒は5年間で12冊の音読トレーニングを消化しているから、論説文読解には大学生並みの読解力があるが、なにぶん読んでいる量が少ない。
(最近は福沢諭吉『福翁自伝』を読み終わり、山本義隆『近代日本150年』を読み始めた。一流の物理学者である山本のこの著作は、知の職人としての著述の技術を如何なく発揮したものである。)
 登場人物に共感をもって文学作品や小説を読むようになればと思いながら、文を味わえるように英語長文の解説をしている。楽しみ方がわかれば英文も日本語で書かれた文学作品も同じであるのだが、こちらの思ったようにはならぬ、それでいいのである。塾先生は折に触れ、機会をとらえて文章の楽しみ方、味わい方を伝授するのみ。

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原文と現代語訳と注釈が同じページに三段組になっていて、参照しやすい。値段は高いが、古典に親しむことのできる企画である。こういう企画の古典全集を期待していた。


新編日本古典文学全集 (50) 宇治拾遺物語

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1996/06/20
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羅生門・鼻 (新潮文庫)

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  • 作者: 芥川 龍之介
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/10
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  • 作者: 太宰 治
  • 出版社/メーカー: 電子本ピコ第三書館販売
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太宰治全集〈7〉 (ちくま文庫)

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  • 作者: 太宰 治
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1989/03/01
  • メディア: 文庫

 筑摩書房から10000円ほどで太宰治全集がでているので、これを買って読んだらいい。第7巻だけでも10000円の値はある。

太宰治全集 全10巻セット (ちくま文庫)

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  • 作者: 太宰 治
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1994/03/01
  • メディア: 文庫

 未就学児への読み聞かせ、あるいは音読のお手本として利用してみたらいかが?

太宰治作品集〈8〉お伽草紙 〈瘤取り〉 (文芸カセット 日本近代文学シリーズ)

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  • 作者: 太宰 治
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1988/06/06
  • メディア: 文庫



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#3877 個別指導の実際:英語 生徒の疑問 Dec. 9, 2018 [62-1 個別指導の実際]

 今朝(12/9)の最低気温は-7.2度だった、もちろん今冬一番の寒さだ。二日連続でやった雪かき作業は完了、いい運動になった。観光バスが家の前にとまってバス停のために除雪したところから乗客を降ろす。しばらくすると東根室駅まで歩いて行って写真を撮って戻ってくる。観光バス会社やツアー客のみなさんも、かまわないからどんどん利用してください(笑)

 ニムオロ塾は一クラス7人までの個別指導、生徒の学力に応じた指導を心がけている。学力だけでなく性格や思考タイプも多少は考慮する。生徒が本来もっているものがあるので、そこになるべく手は入れない。伸びる力は生徒自身の中にある。
 前置きはこれぐらいにして、本題に入ろう。
 学力の高い高校1年生に9月から、高校2年生の英語の教科書「VividⅡ」を使って読解トレーニングをしているのでやりかたの説明から始めたい。そのあとで具体的な事例を紹介する。
 「ノートA」に左側に英文を視写して、右側のページに和訳を書かせている。試写するときに1行ごとに空欄をつくってもらう。ときどき重要単語のマーキングや意味の書き込み、読みにくい単語に仮名を振る、連語にマーキングする、SVOCを記入する、修飾語に波線を引く、識別番号を付番するなど、必要に応じて書き込むための余白を確保したいからである。「ノートB」も用意させている、構文や文法や単語解説が書き切れないことがあるからそのための補助ノート。「ノートA」に識別番号をつけて、それに対応する番号を「ノートB]にもつける。相互参照できるようにしておく。
 英文和訳なんて古臭いと思うだろう、その通りである。福沢諭吉「適塾・英語指導方式」と似ているからうんと古臭い。『福翁自伝』を読んでもらえば福沢がやったオランダ語と英語の指導法がわかる。
 英文が読めているかどうかをどのような方法でチェックしたらいいかという問題があるが、書かれた訳文を見たら一目瞭然である。自分で訳文を書いてみないとあやふやな部分が明確にならぬ。だから、訳文を書かせて読解力の向上度合をチェックする。こなれた日本語の文にするには作文能力も要求される。英語の単語をそのまま日本語にして並べても、日本語の文章にはならない。辞書に載っている言葉では適切な日本語にならない場合が結構な頻度で出てくる。自分の語彙の中から最も適切と思える言葉を選んで文章にしてみる。こうして脳内のイメージをノートに対象化することで、読解力がはっきりあらわれる。
 書き手は脳内のイメージを言葉に紡ぎだすから、読み手がそれを自分の脳に正確に再現できてはじめてその文章を理解できたと言える。発信されたイメージと受像したそれが著しく異なっていたら、書き手の書き方がまずいか、読み手の誤解のいずれかである。

 具体例で示したほうが早い。Lesson 10 に小惑星探査機はやぶさの話が載っている、そのPart-3の最後の段落部分の意味がわからないと、質問があった。書きかけの訳文をみたがなるほど頓珍漢、数回書き直してみたようだ。自分でどの英文が理解できていないかわかっているだけでも、普通の学力レベルの大学生よりはましかもしれぬ。この生徒は、独力で英文和訳をやって、おかしいと思う箇所だけを質問する、それでいい。がんがん自分で読んで、理解したことを日本語作文してみたら腕が上がる。(会話文の音読トレーニングは、家でやったらいい。それはそれでやるべし)

 Only three months before Hayabusa's returen, three of the four ion engines stopped. The probe didn't have enough power! It seemed to be unable to return to Earth. The members solved this problem again. Hayabusa had the good parts of each ion engine combined, and it could keep going.

 この段落の最後の文が問題だった。
 はやぶさは2003年5月に打ち上げられた小惑星探査機(probe)である。標的の小惑星は「いとかわ」、2007年に地球へ戻ってきて大騒ぎになったから記憶している人も少なくないだろう。しかし、高校1年生にとっては4歳か5歳の時の話だから知っているわけがない。
 数々の故障を乗り越えて標的である小惑星からサンプルを採取して地球へ帰還した物語は感動的である。技術者がお利口だった。不測の事態を予測して特別な仕掛けをしておいたのである。 そういう周辺知識があれば意味をつかむのたすけになる。

  Hayabusa had the good parts of each ion engine combined,
 
 生徒はこの部分が何を言っているのかわからないという。細かくいうとhadとtheとpartsとcombinedのところで混乱していた。「had ... combined」だと思い込んでしまったことが混乱の第一歩。はて、ドイツ語は教えた覚えがないのだが…、そこに思考の焦点があってしまうともうほかのところが見えなくなる、ダメなときは頭の中の黒板の文字を消すように、考えていることを消してみたらいい。どうやってやるのかって?慣れたらできるようになる。集中よりもそれを解除するのは難しい技だが、これを習得できたら脳の使い方が違うから、たいていの問題はなくなる。先入見を外して文章を読むことができる。数学の問題でも同じ脳の使い方ができる。こういう脳の使い方に習熟すると学力は飛躍的にあがる。
 息をゆっくり吐き切ることに意識をおいて数回呼吸すればいい、そうすれば消せるようになる。それでだめなときには、翌朝もう一度見たらいい、この場合は消すのではなくて、リラックスすることで「消える」のです、焦点がどこにもあっていない状態といえばわかるかな、そうだよ、ぼーっとしているときの状態。「集中」と「ぼーっとしている」状態を、意識して切り換えるトレーニングをしてみたらいい。間をつないでいるのは呼吸だよ。呼吸に意識を集中することで切り換えることができるようになる。だれかと議論しているときにも試してみたらいい。

 この文章はとっても簡単で、骨格は、次の二つだけ。

 Hayabusa had the good parts.(やはぶさには故障していない部品があった)
 The good parts of each ion engine [was] combined. (各イオンエンジンの故障していない部品)はつながっていた)

 こうして simple sentences に分解すれば中学生でもわかる。parts 以下は parts の説明をしているだけ。 combined は前にある名詞の ion engine の説明にすぎない。後に続くものは前のものの補足説明である。たくさん読めばそういうことが自然にわかってくる。意味がとりやすいようにスラッシュを入れてみる。

   Hayabusa had the good parts /of each ion engine/ combined,

 こうは読んだが、この文は二通りの読み方ができる。
   1.the good parts of each ion engine [was] combined,
   2.each ion engine [was] combined,

 つながっているのは4基のイオンエンジンの故障していない部品なのか、4基のイオンエンジンそのものなのかということ。わたしは「1.」で読んだ。大した違いはないので、ここではどちらでもいい。
 細かいことを言うと、 the parts は定冠詞がついていて複数だから、はやぶさのイオンエンジンの数ある部品の内の生きている部品、つまり故障していない部品を指している。そしてこれらの部品をつないでいるものを遠隔操作することで、止まっているエンジンの内の一つを動かす。abcdの四つのイオンエンジンのaが生きているとして、bとcの故障していない部品をdのエンジンにつなぐというようなことをやったのだろう。四基のイオンエンジンがどのようにつながれているのかには本文には言及がない。専門的ない合いようだから端折ったと思われる。
 この段落で書き手が伝えたいことは、帰還の3か月前に「はやぶさ」のイオンエンジン4基の内3基が故障し、推力不足で地球へ帰還できない事態が発生した、なんとしても故障したイオンエンジンの一つは動かさなければならないのだが、それを3人の技術者が解決した。故障していない部品を何かを経由して使うことで停止していた1基のエンジンを稼働させ、2基のイオンエンジンの推力ではやぶさ帰還を成功に導いたということ。
 「4基のイオンエンジンをつなぐ回路が組み込まれており、3基のイオン・エンジンの故障していない部品を組み合わせて1基動かしたのである。だから and it could keep going(飛び続けることができるようになった)。この段落の文意はそういうこと。」
 「この文章だけから解釈できるのはそういうことだが、的を外していたらいけないから確認してみたら?」
 「…」
 「スマホではやぶさを検索してどうやって帰還したのか調べてごらん?」
 「やってみます」

 すぐに調べて、「わかった、そういうことだったんだ」と納得していた。こういう時にスマホは便利がよい。検索キーをインプットしてすぐに必要な情報をみつけて読んでいた。
 4基のエンジンをつなぐクロス回路があって、1基のエンジンに他のエンジンの回路をつなげて動かしたのである。2基のエンジンが動けば、地球へ帰還する推力が確保できる。しかし、推力は当初予定よりも小さくなるので飛行時間がかかることになる。
 英文を読んで理解したとして、それが正鵠を射たものであるかどうかをネットで調べて確認するというスキルも身につけてほしいと思う。大学生になってからも、社会人になってからも不可欠なスキルである。こういう指導は、マンツーマンでなければでなかなかむずかしい。教師には学習上の相談に乗って、生徒自身の能力やスキルを伸ばすというメンターの役割もある。

 ほかには問題がなかったのか念のために訊いてみたら、もう一つ疑問があった、この段落の冒頭の文である。
 Only three months before Hayabusa's returen, three of the four ion engines stopped.

 生徒はこの段落の冒頭の句が意味不明だといった。英文を読みながら、時間軸上に様々な事実が出てくる都度、正確に事実を並べなければならない。この句は4基のイオンエンジンの内3基がその機能を停止したのがいつなのかを説明しているのだが、それは「はやぶさの帰還のわずか3か月前」と書いてある。これをライターがこの文を書いている3か月前と理解して、なんだかわけがわからないといっていた。解釈が外れているから脈絡が頓珍漢になる。2003年5月の打ち上げから、2007年の回収予定まで4年間のスケジュールの最後の3か月に生じたのである。論理的に文を読むことに慣れないといけない。たくさん読むうちに、時間に関する情報を頭の中で整理しながら読めるようになる。

 ウィキペディアの説明を転載する。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/はやぶさ_(探査機)
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はやぶさは2003年5月に内之浦宇宙空間観測所よりM-Vロケット5号機で打ち上げられ、太陽周回軌道(他の惑星と同様に太陽を公転する軌道)に投入された。その後、搭載する電気推進イオンエンジン)で加速し、2004年5月にイオンエンジンを併用した地球スイングバイを行って、2005年9月には小惑星「イトカワ」とランデブーした。 約5か月の小惑星付近滞在中、カメラやレーダーなどによる科学観測を行った[注釈 2]。次に探査機本体が自律制御により降下・接地して、小惑星表面の試験片を採集することになっていた。 その後、地球への帰還軌道に乗り、2007年夏に試料カプセルの大気圏再突入操作を行ってパラシュートで降下させる計画であったが、降下・接地時の問題に起因する不具合から2005年12月に重大なトラブル[注釈 3]が生じたことにより、帰還は2010年に延期された。 2010年6月13日、サンプル容器が収められていたカプセルは、はやぶさから切り離されて、パラシュートによって南オーストラリアのウーメラ砂漠に着陸し、翌14日16時8分に回収された[4]。はやぶさの本体は大気中で燃えて失われた。 カプセルは18日に日本に到着し、内容物の調査が進められ、11月16日にカプセル内から回収された岩石質微粒子の大半がイトカワのものと判断したと発表された[5][注釈 4][注釈 5]
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 高校2年生の教科書だから、文は平易に書かれており、使われる単語も基本単語に限定されている。高校3年生の教科書を読んでも語彙力の飛躍的な拡張は望めない。基本単語で書かれているからだ。
 英字新聞なら、ライターは科学の専門家だから、クロス回路の解説がかならず書かれるだろうし、イオンエンジンの仕組みも詳しい解説が載る。使用語彙も範囲がはるかに広くなる。

 ネット検索で調べてみたら、古いデータだが、根室高校が使っている第一学習社の「Vivid」シリーズは3冊で使用語彙数1917語下記論文p.74参照である。ちなみに英英辞典のLongmanは2200語の語彙数で各項目が定義されている。高校英語に比べると英字新聞で使われる語彙数は圧倒的に多い、掲載記事の各分野の専門家が執筆するから出てくる語彙数は数万ある。
*高等学校英語教科書の語彙 2007年
http://www5d.biglobe.ne.jp/~chujo/data/Koukoutext.pdf

  この高1の生徒は12月中に2年生の教科書を読み終わり、正月から3年生の同じシリーズの教科書をやるスケジュールだ。予定通りやりきるだろう。4か月で高3の教科書を同じ方式でやるつもりだ。語彙が多少増えるだけだから問題なしだろう。
 英文を読んでつくりあげたイメージを適切な日本語語彙を選んで文章にする、こなれた日本語に「作文」させる。電子辞書を引いて訳語を並べても「日本語の文」にはならない、最近はずいぶんこなれた日本語が書けるようになってきた。
 英文を理解しているかどうかは、英文和訳した日本語の文を見ないと判定がつかない。読みの深さも書かれた日本語の文にはっきりでる。こうして精読ができるようになれば、あたまから英文を速読するトレーニングへ移行できる。いい加減な読みで速読訓練したって、文章のレベルがあがればとたんに読めなくなる。
 高校3年生用の教科書が終わったら、1000-2000語レベルの簡単な読み物を利用した速読トレーニングと語彙数を増やすためにジャパンタイムズ紙の精読トレーニングを併行してやる。大学院入試でも通用する英語読解力をものにすることが目標である。すべての生徒がこういうわけにはいかない。それぞれの生徒の学力に応じた指導になる。同じものを使っても解説は違ったものになる。

 この生徒は英文を日本語の文に置き換える作業を通して、日本語語彙が多くないとこなれた訳文にならないことを痛感している。ときどき「大和言葉落とし」を命ずることがある。辞書の訳語にとらわれず、なめらかな日本語にするのは、なれるまでは脳みそを絞り出すように和訳を推敲しなければならない。
 中学時代は定期テストでも学力テストでも英語が100点のことはなかったが、高校生になって今回の定期テストでは英語が2科目とも100点である。だが、進研模試の英語は語彙数と読解速度が追い付いていない。半年先にはセンターレベルの問題量と難易度なら9割以上の得点になるだろう。しかし、そんなところが目標ではない。
 この生徒は10月下旬に初めて漢字検定を受験、いきなり2級である。ハードルは高いが、良書12冊をとりあげて五年間音読トレーニングしたから、読める語彙はとっくに2級レベルと判断した。あとは書けるかどうかだった。2級用漢字検定問題集を2回やるように指示しただけ。一月でやり切り、178点で合格している。根室高校全学年で今回5名が2級合格したという。こんなに多いのは珍しいらしい。11月3日の進研模試では数学の全国偏差値が85を超えた。生活時間の使い方がとっても上手になったところが中学生の時とはっきり違う。

*小惑星探査機「はやぶさ」イオンエンジンの仕組みについては下記のURLをクリックしてごらんください。
http://cosmolibrary.com/宇宙探査/イオンエンジン/ 

 イオンエンジンが出てこない場合は「サイト内検索」のボックスに「イオンエンジン」と入力してください。



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