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#4021 異分野の四人の対話 Jun. 18, 2019 [1. 理系分野の方たちとの対話]

 FB上で分野の異なる方と様々な議論をしている。その中から今日は一つ取り上げてみる。対話をしている四人のバックグラウンドを素描してから、議論の内容を紹介したい。
 やっているほうはじつに愉しい。内容がお気に召すかどうかは読者個々人の判断、異分野コミュニケーションは読んでもおもしろいかも?

 さて、各人のバックグラウンドの紹介から行こう。
 「スーパーコンピュータ京」の空調設備を設計した理化学研究所勤務の優秀なエンジニアSさん物理学者で首都圏の国立大学元教授Nさん、MARCHのある大学で教えている工学博士の現職教授Kさん、そして経済学と会計学が専門分野で、数社の上場企業で経営企画・管理をやってきたebisuの四人による異分野コミュニケーション(FB上の対話)です。根室でこういうメンバーでパネルディスカッションできたら高校生にはごちそうかも。(笑)

 エンジニアのSさんは土日に各地で小中高生対象に科学実験授業をしています。その中の一つ、今回は珍しくデンソー学園で先生たち対象の授業のツボの講演をしたときの様子を写真とともにアップしてくれました。半袖Tシャッツに首にタオルを巻いての笑顔いっぱいの講演、他の人には真似できません、その講演写真を眺めながら議論が始まります。
(デンソーはトヨタ系列の最大の自動車部品会社で、連結決算ベースで5兆3628億円の売上規模の巨大会社です。技術者を育てるためにデンソー学園という学校をもってます。)
*https://www.denso.com/jp/ja/about-us/facts-and-figures/

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 物理学者 そういえば、デンソーさんは「リバネス」の研究展開(という教育)活動にも協力されています。
*
リバネス事業概要:https://lne.st/about/

エンジニア 真っ当に儲かってる会社は社会貢献にも熱心ですね!

ebisu  民間企業は儲けなければ本業以外での社会貢献ができませんからね。社会貢献に熱心な民間企業は儲かっているということ。マネジメント次第です。

 物理学者 実情に疎いものですが、社会貢献と儲けをわけずに、社会貢献が儲けとはならないものでしょうか?リバネスのいろんなイベントはそれを目指しているように思えます。


ebisu 社会貢献が儲けとなるなら、リバネス型の企業が増殖するでしょう。リバネス型の事業モデルの企業がニョキニョキ出てきます。特殊な例で終わるのではないかと感じます。特殊な例でも巨大企業に成長すれば話は別ですが、さてどうでしょう。
儲かっている企業は、合理的な理由があれば、社内手続きに従って利潤の中からお金を拠出できますから、担当部門が稟議書を上手に書けばいいだけ。そういう一部上場企業は世の中に1700社あるし、出せる金額の桁が違います。
企業の社会貢献活動を運動として担う機関ができれば広く浸透するでしょうね。
(CSRに力を入れている企業は多い。たとえば、釧路のアイスホッケーチームがスポンサーがいなくなり消滅の瀬戸際にあったが、パチンコひまわりなどのCSRに熱心な企業が応援して、何とか存続できるようになっている。)
*https://kotobank.jp/word/CSR-3863
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CSR
企業は大規模になるほど、株主の私的所有物から社会の所有物、すなわち社会的存在という性格を強める。このことから、企業は株主ばかりでなく、顧客、従業員、取引相手、さらには地域住民といった利害関係者の利益を実現することが求められるようになる。従って、経営者は企業をそうした社会的存在として運営していく責任、すなわち経営者の社会的責任を負っている。単なる法令順守という意味以上に、様々な社会のニーズを、価値創造、市場創造に結びつけ企業と市場の相乗的発展を図ることがCSRである。CSRは企業の信頼構築、競争力を向上させるほか、株価の上昇にも影響を与える。
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工学博士 社会貢献(社会課題の解決)をビジネスにすることを、私がたずさわっている「日本生産性本部イノベーションデザインコース」は狙っています。詳しくは「」内の言葉で検索(出来の悪いCMみたい)。

物理学者 皆さん貴重なご意見をありがとうございます。リバネスの強みは最優秀な人材集団を持っていることだと思います。簡単に増殖するほど最優秀人材はいないように思います。----というか、物理学専攻理学博士、分子生物学専攻理学博士のような最優秀の人材を大切にする社会になってほしいです。







物理学者 優良企業からの資金調達の仕事に適した人材というのも不足している気がします。経済・経営学・法律から理工系物理学分野にまで明るくないといけません----準ビルゲイツ級かな?

 エンジニア ぼくは、真っ当に儲ける=社会貢献、とシンプルに考えています。社会貢献=freeは誤った考えだと思います。

物理学者 はい、そう思います。社会貢献=freeは誤った考えです。そこで、社会貢献=真っ当に儲ける、という面はどうでしょう。千葉ソゴーデパートが長年の実績があった「ソゴー美術館」を閉鎖する、ときいた時、「(特に用のない人をデパートの最上階まで誘いこむという)大変うまい儲けの道を閉ざすことになる。『社会貢献こそ儲けだ』」と言ったのですが。閉鎖になりました。そして、どんどん客数を減らしていきました。-----現場に疎いものの意見ですみません。

エンジニア 直接的利益にならないようなことを無思慮に切り捨てることほど、現場に疎いってことですよねえ。

物理学者 デパートには不思議な体験があります。京都駅構内伊勢丹。駅に着いて、電動ヒゲそりを忘れたことに気がついた。どうせ、伊勢丹が駅のコースに向かって旅行用品小物コーナーを作っているだろうからそこで買おうと思いました。でも、念のためホテルから伊勢丹へ電話して場所をききました。ところが、全然わからず、30分も経ってやっと返事があって、奥の方の片隅の売場に6千円のものが一つありますということ!驚いた。
 伊勢丹の方の反論、歓迎です。
★デンソーサイエンススクールの話からすっかりそれました!すみません。

ebisu 臨床検査会社のSRLでは毎日3000項目の検査をしていますが、そのうち儲かっているのは1割以下の200-300項目です。残りの2700-2800項目は不採算ですが、ニーズがあります。儲かっている会社は儲かっていない商品を社会的ニーズにこたえるために売って毎日損しています。だが、200-300項目のもたらす利益で他の十数倍の項目が出す損失をカバーして余りあります。
原価計算システムが検査項目別の採算資料をアウトプットしてくれますから、どの項目が不採算かは一目瞭然です
。不採算項目を次々に切っていったら、採算項目の受注量は確実に減り、全体が赤字となります。
原価計算と利益の関係に疎い人が社長をやると、利潤を増やしたくて不採算項目を切り始めます。結果は夏目先生ご指摘の通りとなります。これでつぶれる企業は案外多いのです。経営している人が何が何だかわからないうちにダメになります。
儲かっている企業は本業でもっとも大きな社会貢献=不採算項目の受注をしています。


ebisu  何が言いたかったかというと、本業で社会貢献しているのはリバネス型のニュービジネスだけではないということです。

物理学者 わかってます。わかっていないのはマスコミかも----富士通がコンピュータシステム導入で「一円入札」をした時、「けしからん」と報道しました。広く社会貢献しておいて、最後の一部を将来の利益にする、ことをマスコミは理解出来なかったのです。

ebisu
なるほど、わたしもその件は記憶にありますが、社会貢献とは思っていませんでした。ユニークな事例を挙げてくれました。商売のことをよくご存じな稀有な物理学者です。(失礼しました)


物理学者 はい、本当は「社会貢献」だけとは言い切れません。ある地方自治体で実績を作ると、他の自治体の役人の「無難に済ませたい」という意識で、同じものを選んでくれますから。

ebisu なんといおうかな、この呼吸が楽しい。(笑)


物理学者 うーん、地方で水道工事店という零細企業をしていた父親と話をしている感覚です。

ebisu  工学博士のKさんへ:検索してみました。その中に「多視点的構想力共感価値実現力主体的革新力」、必要な能力を三つにまとめた図がありました。
その通りだと思いますが、こういう能力は講習会ではえられないと思います。その人自身が企画したプロジェクトをやらせてあげる、あるいはこれらすべての能力が必要なプロジェクトを目標を明確にしてすべて任せてやらせることでしか、能力が身につかないのではないでしょうか。
というのは、法隆寺最後の棟梁の西岡常一さんが、弟子の小川三夫を育てるときに、あるていど技倆がついたところで、依頼の
あった仏閣の建立をまるごと任せたことが書いてありました。できなければ仕事を受けた西岡棟梁の責任です。そういう重い仕事を、何も注文つけずに弟子に丸ごと任せる。弟子の小川三夫ははじめての経験ですから自分にこの仕事をやるだけの能力があるか否か自問自答しながら仕事をやり遂げます。西岡棟梁が任せてくれたのだから、自分に必要な力はあるはず。やり遂げることで自信もつきます。いい仕事を一つまた一つこなすことでしか、全体をマネジメントする能力が育たないから、大きな仕事をやれせて能力が開花するのを待つ。
こうしたよい仕事を抜きにして、講習会で人が育つという考えには危うさを感じます。現場に出したらアウトではないでしょうか。
わたしは松下政経塾にも同じものを感じていました。30代で責任のある仕事を任されてやり遂げないと三つのスキル「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」は身につけられないのではないというのはわたしの仮説にすぎませんがいかがでしょう。
参考にしたサイト:
https://k-academy.jp/


工学博士 検索ありがとうございます。実は、耳慣れないキーワードだなあと思っていましたら、「経営アカデミー」の方ですね。私たちの「イノベーションデザインコース」は経営アカデミー内にあることになっていますが、このコースだけ組織内異分子です(笑)。それはともかく、コースでは、関口さんが子どものサイエンス教室に原則として保護者を同席させるように、派遣元の関与を重視しています。特に熱心なのが日立で、コース全般に行動を共にし、コース終了後、受講者が社に戻ったあとフォローアップし、しかるべきプロジェクトをプロデュースさせます。現在、「イノベーションデザインコース」のプログラムコーディネーターのひとり東氏は、JTから派遣された第一期生で、社内で活躍されたあと、現在では独立しています。

ebisu  工学博士のK さん:そうでしたか。派遣元企業は大企業ですね。
それぞれ赤字の子会社・関連会社がたくさんありますから、そこへ有望な人材を投入してすきかってに業務改善させてみたらいいのです。現場はそれぞれ事情も課題も違いますから、課題と具体的な改善案を創り上げるまでが第一段階、実務を理解したうえで、柔軟な思考が試されます。たとえばシステム能力や実務デザイン力がなければ実務の改善はできませんし、簿記や経営管理の専門知識がなければ、経営分析に基づく財務構造の改善や収益性の向上という具体的な目標設定ができません。製
品ラインの理解や新製品の開発、ものを作っていたりサービスを提供しているなら、それらにかかわるルーチン業務の理解も大事な項目です。
その次に要求されるのはリーダーシップでしょうね。社長や管理職そして社員をまとめて引っ張っていけるかどうかやらせてみたらいい。これらの能力はどれも受験勉強の対極のもの、あるいはまったく別の能力です。これらの能力には職位はまったく関係ありませんから、社長が必要な権限を付与してやれば平社員にだってやれます。
講習会では永遠に身につかぬもの。だから、派遣元企業は講習会のあとでスキル養成のために社内プロジェクトを用意する。
みなさん分かっているのですよ。現場投入してやらせるのがベストであることは。でも、それでやり切れる人材は限りなくゼロに近い、だから、こういう講習会をやるのでしょうが、松下政経塾のように、同じ理由で効果はない。勘違い人間を増やすだけ。
企業のマネジメントスキルは、実際にマネジメントをすることでしか磨けないのです。赤字の子会社を任せるのが手っ取り早い。
ほんとうは親会社の経営改善が一番大きな課題です。日立だって、ソニーだって、東芝だって同じことです。
そういう複合スキルをもった人材が親会社本社エリートのなかにすら稀です。だから、どの企業も業績がじり貧になっています。
以上はわたしの独断と偏見に基づく日本企業感です。(笑)

ebisu 受験勉強では培うことのできない三つの能力「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」が必要なのに、日立もソニーも東芝も本社エリートは難関大学出身者という受験エリートがほとんど、だから日本の大企業がダメになるのはモノ道理。
「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」の高い人材をみつける方法も、育てる方法もわかっていないのかも。

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 大企業は本社管理部門に一流大卒ばかり取らずに、2流3流大学のトップレベルからも半分は人材を採用すべきです。中高生の時代に受験勉強ばかりしていたのでは、これからの時代に必要な「多視点的構想力・共感価値実現力・主体的革新力」の三つの能力は身につきません。大学生になってからとか社会人になってからでは遅いのです。こういう能力は中高生の時代に出来上がってしまいます。その育て方がわからない、それぞれ特殊な環境下で育つことだけはたしかですが、共通項が見えてきません。ハラリの『ホモデウス<上>』から拾ってあえていえば、「霊的な旅」を経験した者の中にこれら三つの能力を兼ね備えた人材がでてきます。
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ほとんどに人にとっては学業は霊的な旅ではなく取り決めだ。なぜなら、年長者や政府や銀行に承認された、あらかじめ定められた目標へとわたしたちを導くからだ。「四年間勉強して試験に受かり、学士号を取得して、給料のよい職を確保しよう」という具合に。ただし学業は、途中で出遭った大きな疑問のせいで道を逸れ、最初はろくに想像すらできなかった予想外の目的地へ向かうことになれば、霊的な旅にかわりうる。同書227頁
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 受験勉強を放棄して道を逸れてしまう中高生がいます、霊的な旅にでてしまうのです。そういうなかにこれら三つの能力を揃えた人材が現れます。

 四人の年齢の関係を記しておきます。
  工学博士
の大学教授<優秀な現職エンジニア<ebisu<元国立大教授の物理学者

  50、60、70、74くらいかな。



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#3754 世界最高性能の時間周波数標準機開発とビジネスチャンス Jun. 14, 2018 [1. 理系分野の方たちとの対話]

 6月10日に千葉大学で「世界の標準時と原子時計最先端」をテーマにシンポジウムがありました。それに参加した物理学者N先生がFBに内容をアップしていたので、閲覧して、思うところをコメント欄に書き込みました。N先生からタイムラインのほうに書き込むように要請があり、そちらに書き込んだので、ここに転載します。

 ④の比喩がわかりやすいので、セシウム光格子原子時計の精度がどれくらいかご覧ください。むずかしい話が中学生でもわかるように3種類の比喩を提示してくれているところにお人柄が現れているようです。
 どうやら世界ナンバーワンの精度の時間周波数標準機が誕生しそうです。

(先生のお名前をイニシャルで表記する必要はないのだろうと思いますが、いまはイニシャルにしておきます。)
 なお、⑧は本稿のために追記しました。

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①<ebisu>
この分野でわたしが知っているのは
1983年までです。

当時はルビジウムやセシウム、水素メーザの周波数標準機を扱う輸入商社で仕事してました。その会社は産業用エレクトロニクス・メーカ欧米50社の日本総代理店でその中にオシロクォーツ社がありました。元々は初代がスタンフォード大学出でHP社の創業者二人と一緒に学んでいたから、戦後HP社の総代理店からスタートした会社でした。
(わたしは経営管理と統合システム開発を担当していました。経済学の専門家ではあっても理系の専門家ではありませんので、あらかじめお断りしておきます。)
千葉大学でのシンポジウムに関するN先生のFB記事を読んで驚きました。日本製の世界最高性能の原子時計が誕生しそうです。オシロクォーツやHP社の製品をしのぐ日本製品をぜひメーカを選定してタイアップし開発・発売してもらいたい。
SEIKO
社は興味があるでしょうね。10^-17の時間周波数標準機はアカデミックな世界だけでなく産業界にも需要が大きいと思います。

 

時間周波数標準機の分野は世界市場をオシロクォーツ社HPが世界市場を2分してきました。ここに日本企業が割り込めたら、たいへんなことです。国策で、補助金を出して製品化してもらいたいくらいですが、米国からもEUからもすぐにクレームがつきそうです。
TPP
ISD条項で縛られているから、オシロクォーツ社から巨額賠償請求訴訟が起こされます。


TPP
は先に世界市場を2分して支配している巨大企業2社にとっては、競争相手の芽を摘み取る便利な装置です。日本は参加してはいけなかった。
すでに手遅れのようですから、補助金なしで、開発・製品化する必要があります。

 

ああ、大事なことを思い出しました。SEIKO社は亀戸駅前に広い工場跡地をもっていました。1988年ころのことですが、臨床検査最大手のSRLで機器担当をしていた時のことですが、SEIKO社の腕時計の組み立て工場を見学したことがあります。結石分析の前処理工程にアームロボットを使いたくて、SEIKO社に見学をお願いしました。精密な作業になるので、当時はSEIKOのアームロボットが予定される作業に向いていたからです。1年ほどで開発したので、いまでもSRL八王子ラボで結石分析前処理専用ロボットが動いているでしょう。
腕時計の組み立てにアームロボット十数台が1ラインになっている完全自動化工場でした。パーツフィードに工夫がありました。4ラインくらいあったかな。工場に行く途中で、亀江戸駅前の工場跡地の話を聞きました。いまでも所有しているのでは?あれを処分すれば、増資せずとも製品化するぐらいの資金は用意できるはずです。それくらいの覚悟があれば、世界の最先端を走る巨大企業が生まれる可能性があります。(笑)
産学共同で世界市場を支配している2社にチャレンジしてもらいたい。


産学協同と言えば、SRLの学術営業部長をしていた窪田氏が、ペプチドリームというベンチャーを立ち上げ、東証1部に上場しています。日本ナンバーワンのベンチャー企業に成長しました。あの会社は東大の先生と一緒に興したベンチャーでした。
(わたしは2年間ほどSRL学術開発本部で仕事していたことがあり、学術営業部(担当S君)と研究部(多変量解析担当F君)そしてRI検査部と共同して、ある大学産婦人科のドクターと産学協同研究プロジェクトに携わったことがあります。SRL側でプロジェクト全体の調整・キックオフそしてコントロール役をしてました。)

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②<N先生>

貴重なご意見を伺えました。香取さんの「光格子時計」のノーベル物理学賞受賞はいつ頃かな?という物理屋的な呑気な考えより、ずっと大変な問題があるようです。経済学・世界戦略に強い皆さんからのコメントをいただけますと幸いです。


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③<N先生>

10^-17の時間周波数標準というのは「新しい物理学世界が広がる」というアカデミックなテーマだけではなく、先端技術そのものへの貢献が大きいという認識は必要と思います。


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④<N先生>
16桁から17桁の精度というのは、宇宙年齢136億年に対して、ミリ秒を相手にするようなものです。
長さで言うと、地球を一回り(4万km)してきて,水分子一個分を相手にするようなものです。
経済ネタだと日本の総資産は8000兆円だそうなので、その議論の精度を1円でしようと言うようなもの。ランチ的話題です。

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⑤<ebisu>
産学協同の一例を挙げておきます。
臨床検査大手6社でスタートしたコード標準化委員会へ臨床病理学会の臨床検査項目コード検討委員会の櫻林委員長(当時)に出席いただいて、四年間の産学共同検討作業を経て学会のほうから臨床検査項目コードを発表いただきました。
現在全国の病院で使われている臨床検査項目コードはその時の産学協同プロジェクトの成果です。いまでもSRLが事務局となって新規臨床検査項目コードのメンテナンスと、インターネットを通じた配信をしています。2年に一度、保険点数の改定があるからです。

産学協同はそれぞれ単独ではなしえない大きな成果を生みます。産と学とをまとめる人材が見つかると話は速い、見つからなければこれはと思う企業に持ち込めばいいのです。話くらいは聞いてくれます。
一番有力なところから話してみるべきです。

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⑥<ebisu>
SEIKO社がメリットを感じるとしたら、時間周波数標準機分野への進出は、消費者市場から産業用機器市場への橋頭堡が築けるということでしょうね。大化けする可能性があるということです。製品になるときには用途に応じて何タイプにも分かれることになります。そして、その販売チャンネルから、製品の改良や次の開発テーマに関する情報が流れ込みます。新規事業のチャンスです。
現在産業用向け製品でもっているのはアームロボットだけかな、他にもなにかあるかもしれません。何しろあれから30年たっています。
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⑦<ebisu>
産学協同の一例を挙げておきます。
臨床検査大手6社でスタートしたコード標準化委員会へ臨床病理学会の臨床検査項目コード検討委員会の櫻林委員長(当時)に出席いただいて、四年間の産学共同検討作業を経て学会のほうから臨床検査項目コードを発表いただきました。
現在全国の病院で使われている臨床検査項目コードはその時の産学協同プロジェクトの成果です。いまでもSRLが事務局となって新規臨床検査項目コードのメンテナンスと、インターネットを通じた配信をしています。2年に一度、保険点数の改定があるからです。

産学協同はそれぞれ単独ではなしえない大きな成果を生みます。産と学とをまとめる人材が見つかると話は速い、見つからなければこれはと思う企業に持ち込めばいいのです。話くらいは聞いてくれます。
一番有力なところから話してみるべきです。

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⑧<ebisu>
 セシウム光格子時間周波数標準機は産業用の応用範囲の広い機器なのです。いままで想像すらできなかったようなアプリケーションが生まれます。いわば高性能エンジンのようなものなのでそれを載せるアプリケーションを考えだせばいい。
 でもエンジン専用メーカという選択肢もあります。30年前でも国内の電機メーカなどに周波数標準機が売れていました。どういう種類の製品の製造や品質管理に使われているのか専門家ではないわたしにはそのあたりのことはわかりません。

 東大の研究所や理化学研究所では製造技術をもっていません。だから、民間企業で製造技術をもったところとタイアップすれば、いまは予想もできない製品群がうまれる可能性があります。
 試作段階ではマッピング、見通しがつくとプリント基板製作が通常の電子機器の「試作⇒製造ライン」ですが、そんなに簡単にはいきそうもありません。カスタムIC開発も必要になるのでしょうね。そうすると回路設計能力がある程度あって仕様書ぐらいは書けないといけませんね。そうした技能があれば製造に必要な部品の外注ができます。振動が影響するかどうかわかりませんが、あるとしたら載せる台は大理石でしょうね、何か仕掛けがいるのかもしれません。
 必要なカスタムICの開発という点から考えると、富士通、東芝、日本電気、日立製作所などもタイアップの相手に数えられます。日本の先端産業にとってビジネスチャンスです。日本人の様々な分野の技術者が協力して、ドキドキワクワクしてもらいたい。

 (
香取教授のインタビュー記事のURLを貼り付けておきますので、興味があればお読みください。少し長いですがとっても面白くて内容の濃いインタビューですから、ぜひ1ページ目から全文をお読みいただきたい。)
================================


*「研究の醍醐味は未踏の荒野を探し当てること」東大香取教授
https://www.adcom-media.co.jp/remark/2013/04/25/12320/4/

 抜粋引用

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 “時空のゆがみ”の探索については,東大と理化学研究所(理研)で開発する18桁の光格子時計を,設置し2地点を光ファイバーでつなぎ,計測時間が比較できるように準備を進めています。18桁の時間比較では,東大の時計の高さと理研の時計の高さを1?単位まで測定することができます。逆に,15?も離れた時計の高さを1?の精度で,従来手法で測量する方が大変です。例えば,東大付近の水準点から東大の地下の実験室まで三角測量をしていかないといけないでしょう。そんなことをするよりは,時計の進む速さの差を見る方が簡単そうです。こうして光格子時計は“高さを決めるツール”に進化します。これまでの時計は皆で同じ時間を共有するためのツールでしたが,光格子時計はこんな用途を想定すると “時空計”となるわけです。
----------------------------------------------

<ebisu注記>
 「1?単位」「15?」「1?」は距離の単位ですが、元資料が文字化けしているのでそのまま表示いたします。
 ピコ(pico) 10^-12
 フェムト(femto)10^-15
 アト(アト)10^-18
 
 東大の時計の高さと理研の時計の高さを「1atto」単位で…
 東大と理研(埼玉県和光市)の距離は約「15km」


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