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データに基づく教育論議 ブログトップ
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#3857 根室高校普通科入学定員1クラス減 Nov. 16, 2018 [データに基づく教育論議]

 根室高校普通科は現在4クラスだが、3月の入試から3クラスになるようだ。根室高校のホームページを見たが1クラス減の記載はなかった。複数の中学校の生徒からの情報である。

*根室高校ホームページ
http://www.nemuro.hokkaido-c.ed.jp/?page_id=13

 入学定員は4クラス160人だったが、応募する生徒が少ないので、現在の1年生普通科は120人、3クラスである。だから1クラス減になっても実質的な影響がない。20-30人が根室の外へ進学するので、1クラス減になっても定員割れするだろう。

 学力テスト総合Cの結果が出た。啓雲中学校の平均点は117点である。前回の学力テスト総合Bより、18点アップしている。生徒が勉強してアップしたのかテストの難易度が低かったのか定かでない。学校の先生たちも学力低下に危機感をもって対応してくれているのだろう。17点アップは難易度だけでは説明がつかない。別海中央が6.4アップだから、啓雲の生徒たちも先生も頑張ったと評価していいのだろう。
 啓雲中学校では模試が2回予定されているが、次回もアップしていてほしい。
(参考:別海中央中学校142.8点、前回の総合Bよりも6.4点アップ)

*学力テスト総合Bの得点通知票には五科目平均点が99.0点と記載されていたが、今日配布された学力テスト総合Bの五科目合計点は100.7点となっている。理由がわからない。科目別にみると各科目丁数第1位の数字がそれぞれアップしている。大きな問題ではないが、なにか理由があるなら、注記してあれば親切である。


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#3854 教育改革試案:根室高校商業科に特設コース新設しよう Nov. 12, 2018 [データに基づく教育論議]

 根室高校普通科定員は、現在4クラス160人だが、40人で十分である。
 2005年3月の入試では普通科が定員オーバーしたが、Fランク・五科目合計点150点で3人が落ちて事務情報科へ回されている。
 今年の根室高校普通科の1年生は、300点満点150点以下の得点層が合格者の2/3を占めているから、合格最低点を150点にすれば、合格できるのは40人以下だろう。180点以上取れないような学力では標準的な普通科の授業についていけるはずもない。高校側は生徒の学力低下に応じて、授業のレベルを下げざるを得ない。じっさいにそうなっている。最近、家庭学習ノートの提出を義務付け、チェックまでしている。まるで小学生ではないか、高校生が幼児化するわけだ。まともに勉強してきてノートを提出する生徒は少数だろう。家庭学習とは言えないようなノートが多くなるだけ。ここまで学力が下がってしまえば、生徒は必要なことでも、勉強というすっかり嫌いになってしまったことはやらない。ほうっておいても自分でちゃんと家庭学習している生徒が、内容のしっかりしたノートを提出しているだけ。開始1か月でそういう状態になっている。学校の対応だけでは解決しない問題がここにある。
 どうしてそういうことになってしまうのかについては稿を改めて思うところを記すつもりだ。家庭教育の在り方、幼児期の親の接し方にも大いに問題がある。無意識に子どもの脳に物理的な損傷を与えている親が多いのが、根室の地域的な特性の一つかもしれない。根室高校を卒業して35年間東京暮らし、そして故郷に戻ってきてなんどかそういうシーンを目撃した。たとえば、コンビニで「てめえ、なにやっているんだ」と母親が子どもを大声で怒鳴るシーンである。あれにはびっくりしたが最近は見かけなくなった。でも、家庭でやはり子どもを怒鳴る母親や父親がいたら、あるいは子どもの前で夫婦げんかをよくしている家庭だったら、最近の学説を稿を改めて紹介するのでお読みいただきたい。子育ては一大事業でほんとうに大変なのである。(笑)
*親の暴言、夫婦げんかが子どもの脳を激しく傷つける
https://www.chichi.co.jp/web/20181105tomoda/?fbclid=IwAR0DNNBfKFXBOE9SLs6WoydnuGzJkb9TkknQj3cGx7MM2RvHnxwB6WSR9GE
*子どもを傷つけるマルトリートメントってなに?
https://meotalk.jp/life/14117?fbclid=IwAR1XjGvmKVfEhz0kJ_o-V306LAImlYhmMv7JxX65iu9xO5PdbTLDX0PDbYQ

 学力別授業編成の数学は、最上位クラスが1月21日からプリントで数Ⅱの授業をしていたが、もう何年も前から年度いっぱい数ⅠAをやるようになった。(最上位の)ガンマクラスですら学力が大幅に低下し10年前のように授業速度でやれない。データは正直で、進研模試の数学の平均点も下がっている。七月に新入生対象の全国模試(進研模試)があるが、今年の学年平均点は20点ぎりぎりである、もちろん百点満点。数年のうちに20点を割るだろう。同じ全国模試で釧路湖陵が60点を超えていると数年前に聞いた。
 普通科は定員80人(現在160人)でも多すぎるくらいだから、とりあえず1学級減らせばいい。
 あとで述べるが、「商業科教育特区申請」がすんで準備ができたら、もう1学級普通科を減らし、2学級にすればいい。最終系では、普通科2学級、商業科(特設コース、レギュラーコース)という4クラス・定員160名編成になる。

 ところで生徒たちはなぜ商業科や事務情報科へ行きたがらず、普通科へ行きたがるのだろう?

 世の中の就職試験は国語・数学・英語でなされるものがほとんどだから、国語と数学と英語の授業時間数が普通科の半分では、就職試験で圧倒的に不利になるという事情が介在していると思う。もちろん、大学入学試験も国語と数学と英語の比重が大きいから、圧倒的に不利だ。

 でも、それらは解決可能な問題だ。根室高校商業科に「特設コース」を設け、授業時間数を7時間、土曜日は4時間とし、増える12時間をそれぞれ国語・数学・英語に4時間ずつ充当、この3教科は教科書も普通科と同じものを使えばいい。教育特区申請しなければ同じ商業化で、2種類の教科書を採用することができないから、教育特区申請は教育改革に不可欠である。

 そんなことは校長の判断ではできないから、教育の地域格差や学力の地域格差を埋める手段として、市議会文教厚生常任委員会と市教委が市議会へ提案して、それを受ける形で根室市長が「職業高校教育特区申請」すればいい。
 北海道庁との交渉もでてくる。日商簿記一級に合格してその上プログラマーやネットワーク技術をもったマルチな人材を育てるには、それぞれの分野の優秀な人材をリクルートする必要があるので、通常の給与のほかに根室市が補填する必要がある。枠を3人として、年収1000万円をだせば必要な能力をもった人材を集められる。
 こういうシステムで人材を鍛えたら、大学進学も有利になるし、一部上場企業の経理・財務部門や経営管理部門、システム部門への就職ができる。民間企業はマルチ能力をもった人材を求めているが、世の中にはそういう人材が稀にしかいないというのが実情で、圧倒的に売り手市場である。

 町の未来は子どもたちの教育とその成果にかかっている。3期12年間の長谷川市政の教育無策で低下し続けた根室の子どもたちの学力を反転させるためには、それなりの具体的な教育政策が必要なことは論を俟(ま)たない。

 市議会文教厚生常任委員会や市教委、市長は具体的な検討をされたら如何?

 全道各地から、優秀な生徒たちが根室高校商業科「特設コース」に集まってくる。偏差値60くらいになれば面白い。力のある先生がそろえば全国区で戦えるようなとんでもない実績をたたき出せる。
 全商検定五科目1級ホルダー生徒数全道一の実績を誇る帯広南商業(偏差値55)を抜き、日商簿記検定1級合格全国一の岐阜商業に迫る、いいね、があって。

 根室高校は戦前は「根室商業高校」で、根室の町の人材の源泉だった。同級生のお父さんである歯科医のT先生は国後島の出身で根室商業を卒業して歯科大学へ進学した方だし、地元に戻って印刷会社を創業し考古学者で文学博士という二足の草鞋を履き続けたK先生も根室商業のご出身である。お二人は根室商業の「同期の桜」。このあたりに、根室の町の活性化のカギがあるような気がする。

<12年間急降下し続けている根室の中学生の学力>
 柏陵中学校の3年生の学力テストの五科目平均点は十数年前には140-160点だったが、10月に行われた学力テスト総合Bでは90.7点、啓雲中学校が99点、光洋中学校が120点台である。釧路の14公立中学校の最低が110点台である。別海中央中136.4点、中春別中145.7。つまり、釧路・根室両管内で根室市の市街化地域の3校が根室管内最低レベルだということ。これが根室の教育の現状である。

*#3850 全国学力テスト結果公表:根室の子どもたちの学力低下の惨状 Nov.8, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-08


#3846 高校1年生進研模試実施日11/3&中学生の学力の現状 Nov. 3, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03



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#3850 全国学力テスト結果公表:根室の子どもたちの学力低下の惨状 Nov.8, 2018  [データに基づく教育論議]

<更新情報>
11/9朝9:54<余談:都市規模別平均正答率>追記

 5月に行われた全国学力テストの結果が公表された。写真は7日付北海道新聞根室地域版の記事である。
 根室管内の実情は「根室管内の小6は全道平均、全国平均とも昨年度より差が広がった」ということ。根室管内がそうなら根室市内はどうだろう?見出しは「根室 小中全て全道下回る」である。根室管内でも根室市がとくに学力が低いのである。10年ほど前には学力テストの平均点が150点を超えたこともある柏陵中学校がとくに学力低下が著しい。10月に行われた学力テスト総合Bの五科目平均点が90.7点(300点満点)で市街化地域3校中最低であった。

SSCN2330.JPG

*北海道教育委員会の分析・レーダチャート・帯グラフ等(根室版)…根室市が悲惨なことになっています、2番目のURLをクリックして根室管内版と比べてみてください。
http://www.curricen2.hokkaido-c.ed.jp/dokyoi/houkoku/H30_438_nemuro.pdf
http://www.curricen2.hokkaido-c.ed.jp/dokyoi/houkoku/H30_86-90_nemuro.pdf


 道内では日高管内、宗谷管内と並んで根室管内は学力がもっとも低い地域に数えられる、そして根室管内でも根室市は最低である
 これでは根室に赴任を嫌がるサラリーマンが増えるのはあたりまえ。学齢期の子どもの教育を考えたら、全道有数の低学力地域の一つである根室には来たくない地域ということになる。地元の教育に見切りをつけて札幌の中学校や高校へ進学させる親たちが増えている。
 もちろん、高校卒業までは根室で勉強させるというしっかりした考えの親たちもいる。全国模試(進研模試)で3科目偏差値78という生徒だって根室高校にはいる、道内一位の進学校である札幌南高校へ転校しても成績上位層だろう。

 さて、根室管内の正答率表が載っているが、根室市のそれは載っていないから、根室市内は別海町や標津町、中標津町、羅臼町よりも学力が高いと勘違いしている大人が多いのではないだろうか。
 根室市の市街化地域の3校が根室管内でもとくに学力が低いということをご存じない生徒や保護者、そして学校関係者が多いだろう。別海中央中学校、西春別中学校、中標津中学校に比べると、根室の市街化地域の3校は三つとも学力が低いのである。10月に行われた学力テスト総合Bで柏陵中学校は五科目平均点が90.7点啓雲中学校は99点光洋中学校が120点台のようだ。弊ブログ#3846にアップしたデータを再掲しておく。
釧路市内の14校中、今年度10月の学力テスト総合Bでビリは111.3点、もう1校110点台があったようです。別海中央中学136.4点中春別中145.7点知床未来中99.1点。)

 根室市教委のコメントはまだ出ていないから、根室教育局のコメントを引用する。

12月から管内の小中学校校長会や市町村教育委員会連合会などと合同で学力支援事業「チーム根室で学力向上を!」に取り組む重点支援校での授業改善などを全面的に支援するもので、教育支援課の冨田直樹課長は「管内の教育関係者が一体となって子どもの学力底上げに理科らを入れたい」と話す。

 
 民間会社で部門を超えた重要な問題がもちあがったときに、部門を超えたプロジェクトチームが編成される。メンバーの選出が重要で、その問題に解決能力のある者が集められる。そういう観点から根室教育局の対策をまな板に載せてみたい。
 管内の小中学校の校長や市町村教委は、生徒たちの学力低下に深くかかわってきた当事者であり、その大半が仕事の責任を問われる立場の者たちである。その者たちに、学力向上の具体策が創れるとは思えない、できるくらいなら現職の時に実績をあげている。
 少数の校長経験者が学力向上に功績があった事実をわたしは知っている。そういう功績のあった校長だけを集めたらいい。学力を低下させた当事者たちをプロジェクトメンバーにしてはならない
 わたしが知っているのは、荒れた学校を立て直した元啓雲中学校長のS・Y先生と、3月に定年退職した元別海中央中学校長A・S先生のお二人である。校長としてマネジメント能力が卓越していた。他にもいるだろうから、そういう先生だけを集めたらいい。
 プロジェクトの成否は、問題解決能力のある人材を集めることができるか否かにかかっている。四方山話に花を咲かせるのではないから、校長職にありながら実績のあげられなかった人たちや問題解決能力のない人たちは要らない、足手まといになるだけ。
 さて、ふだんの学力テストデータすらモニターしていない根室市教委にプロジェクトのメンバーになる資格があるだろうか?

 根室に関して言えば、長谷川市政12年間の教育無策がこどもたちの学力低下を招いた事実は無視できない。「オール根室」を叫びながら根室の未来の芽をせっせと摘んでくれた。新しい市長は副市長として長谷川市長を支えてきたから、根室市の子どもたちの学力低下に大きな責任がある。学力低下を放置してきた市議会文教厚生常任委員会も同類である。
 心を入れ替えて、教育問題に真摯に取り組まれよ。責任ある大人たちがそれぞれの職務に忠実に励み、責任をまっとうすることで根室の未来はまだ変えることができる。未来に住む根室っ子たちのために当代のわたしたちがやれることをやろうじゃないか。無責任仕事とはおさらばしよう。

<余談:学力の地域格差>
 学力テストの平均正答率には人口規模ではっきりした傾向が現れます。
   町村<小規模の市<大規模の都市
 この傾向は今回の学力調査でもはっきり表れています。都市規模別の平均正答率折れ線グラフが載っていますのでご覧ください。
*http://www.curricen2.hokkaido-c.ed.jp/dokyoi/houkoku/H30_93-95_kibobetu.pdf
 
 根室管内を見ると1市4町ですから、都市規模が大きいほど学力が高いなら、根室市が断然トップのはずですが、そうはなっていません。10月の行われた学力テスト総合Bの結果データから判断すると、おそらく羅臼町と似たり寄ったりというところで、別海町や中標津町よりかなり下に位置しています。
 つまり、根室の中学生の学力低下の現状は「異常値」として分類されるということです。


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 このホームページに載せられている様々なコンテンツを読めば、A元校長の力量のほどがわかります。こういう人が根室教育長だったら子どもたちの未来がずいぶん違ってくるでしょうね。
*A元校長の教育に関するホームページ
http://office-aosaka.com/
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#3846 高校1年生進研模試実施日11/3&中学生の学力の現状 Nov. 3, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-03


SSCN2329.JPG





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#3846 高校1年生進研模試実施日11/3&中学生の学力の現状 Nov. 3, 2018 [データに基づく教育論議]

 今日、根室高校1年生が2回目の進研模試を受けている。数学の点数が学力別クラス振り分け材料になるとアナウンスされていたから、生徒たちは気合が入っていた。昨日も5人の高校1年生の内、3人が5時頃に来て9時まで数学の勉強をしていた。二人はガンマ・クラスではないから、2次関数の難易度の高い問題の解説が必要だったからだ。ガンマ・クラスのみテストの前日に試験範囲の2次関数を授業で大急ぎで終了したが、ほかの4クラスは積み残したまま試験日を迎えたことになる。最上位のガンマクラスではない二人が、過去問を見ながら「塾来てなけりゃ独力でやれっこない」と通塾してない生徒たちを気づかっていた。
 そんなことはないのである、いい時代になった、ユーチューブでいくらでも分野別に解説映像が出てくるから、労を惜しまず利用したらいい。これなら授業料がかからない、ただの映像を利用しない手はない。塾に通ってたって、ピンとこないところは利用すればいいのだ。先生によって教え方は違うから、ピンとくるものを選べばいい。

 ところで、10月に行われた中3対象の学力テスト総合Bの五科目合計平均点(300点満点)はA中120点台B中90.7点C中99点である。C中は知床未来中学校99.1点と同じレベル。
 A中は今年は「豊作」の年に当たっているようだ、喜ばしい。しかし、根室に戻ってから16年目だが、学力テストの平均点が100点を切ったのは初めて見た、それも2校同時にである。わたしには衝撃であるが、市教委は関心がない、学力テストデータすらモニターしていない、あきれた状態です。
 根室教育長と根室市教委に仕事に対する責任感があるなら、ふだんの学力テストデータをちゃんとモニターし、分析して、教育政策とぶつけて検証すべきです
 2007年と2013年のB中学校の学力テスト結果データの比較が弊ブログ#2606に載っています。155.9点から106.0点へ50点も下がりました。授業崩壊がきっかけでこうなったのです。
*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1


 16年間通してみると学力低下がすさまじい。16年前は根室高校普通科に入学する生徒の学力テストの平均点は170点付近にあっただ現在の根室高校1年生普通科の合格平均点は120点付近だろう。16年前と同じレベルの教科書を使って標準レベルの授業がやれるわけがないのである。高校統廃合に関する委員会はこうした具体的なデータを無視して議論したようだ。問題解決能力のない人たちが何人集まって議論しても結果はこういう散々なことになる。善意で委員を引き受け、こうした大問題を引き起こしてしまう、ほんとうに情けないし、無責任である。

 一度定員オーバしたときは150点で3人が事務情報科へ回されたことがあった。来年の入試で150点で足切りをすると仮定したら、合格可能な生徒数は30人くらいしかいない。だから根室高校普通科120人のうち、十数年前の普通科の生徒と同じレベルの学力の生徒はわずか30人ということ、それ以外は根室西高校の学力レベルである。「特設コース」の35人だけが10年前の根室高校普通科の生徒と同等の学力をもっている

 根室西高校の廃校が決まり、高校入試が1校体制になってから、学力下位層にまったく勉強しない者たちが現れだした。そして200点を超す学力上位層が激減している。どれくらい減っているかというと、各学校に学年十数人いたのが、いまは1-2人である。
 昨年のデータでは釧路市内公立中学14校で最底辺が120点前後、根室管内をみると別海は140-155点、中標津は130点台だった。根室の3校は釧路根室管内で最底辺を形成している。これでは小中高のこどものいる親たちは、根室への赴任を嫌がるだろう。低学力化を放置していると流入人口が減り、人口減少に拍車がかかる。
(釧路市内の14校中、今年度10月の学力テスト総合Bでビリは111.3点、もう1校110点台があったようです。別海中央中学136.4点、中春別中145.7点、知床未来中99.1点。)

 B中学校とC中学校の現在の3年生は2年のときには学力テストの平均点がドングリの背比べ状態だったのだが、急に差が開いてしまった。こういう時は理由がある。授業崩壊を起こしたから9点も平均点に差がついたのだろう。すごいことになっている、先生たちは放課後補習体制を組んだりして努力はしているのだろうが、もう先生たちに解決できるレベルではないのではないか。地域ぐるみで保護者も一緒になって動かないと、学校でまじめに勉強しようとしている生徒たちの学習権を侵害することになっている現状を変えることはできない
 子どもたちの学力低下をとめることに関心のある市民が自由に参加できるオープンな場で議論すべきだ。
 根室市はなんでも諮問委員会方式で閉鎖的にやってきた。委員会メンバー半数以上が市のほうからの委嘱であった。病院建替に関する委員会、明治公園再開発に関する委員会、高校統廃合に関する委員会、どれも同じ方式だった。

 この16年間は長谷川市政の12年間と重なっている。効果のある教育政策がなかっただけでは説明がつかない、まるで低学力化を積極的に推し進めたかのような惨憺たる結果である。市教委は学力テストの点数すらモニターせず具体的なデータに基づかない、すなわち検証もできないような教育政策を16年間並べると、こういうことになる
 根室高校普通科の平均的な学力の生徒たちが将来の根室を支える人材であることは昔も今も変わらない。成績上位層はそのほとんどが大学進学して地元へ戻ってこない。
 だから、20年後30年後の根室に赤信号が灯り始めたと判断してよい。人口減少、地域医療、子どもたちの学力低下に象徴される教育問題、じり貧となり風前の灯火の北方領土返還運動など問題が山積みになる中で、その山を崩せる人材層が根室にいなくなるということだ

<北海道新聞根室支局の記者の皆さんへのお願い>
 根室支局は2010年と2011年に教育シリーズ記事を載せ、低学力化の進行という教育問題があること、そして学校がどうなっているのか取材して根室市民の教育への関心を喚起してくれました。2010年と2011年のことです、もう一度あのときのような教育シリーズを取り上げてもらえませんか? 


#3845 進研模試数学過去問で苦闘する高1 Nov. 3, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-02

#2386 『学力危機 教育で地域を守れ北海道』 :本の紹介 Aug.29, 2013
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-28-1


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*#2218 論旨の違う新聞報道:市PTA連合会主催講演会 Feb. 19, 2013 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-02-19

 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-14

  #1758 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部⑤:新聞活用(北海道新聞) Dec. 1, 2011
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-01

 #1757 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部④:小中一貫教育(北海道新聞)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-30-1

 #1756 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部③(北海道新聞) Nov. 30, 2011
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-30

  #1753 「教育再考 根室の未来第 シリーズ4部②(北海道新聞)」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27-1

 #1750 教育再考 根室の未来第 シリーズ4部連載開始(北海道新聞) Nov. 25, 2011 」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-25


 #1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 #1306 教育再考 根室の未来 第2部 低学力③:若手多く指導に苦戦も
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19

  #1304 教育再考 根室の未来 第2部 低学力②:「学ぶ意味」尊重されず 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-17

  ◎#1253 教育再考 根室の未来(5):第1部⑤高校統廃合(北海道新聞)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24

  ◎#1251 教育再考 根室の未来(4):第1部④高校統廃合(北海道新聞) 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-22

 ◎#1250 「教育再考 根室の未来(3):第1部③高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-21

 ◎#1249 「教育再考 根室の未来(2):第1部②高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-20

 ◎#1248 「教育再考 根室の未来(1):第1部①高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19



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#3845 進研模試数学過去問で苦闘する高1 Nov. 3, 2018 [データに基づく教育論議]

 昨日高校1年生が5時ころ5人来た、そのうち4人は9時まで進研模試数学の過去問を解いていた。
 根室高校1年生の数学はが学力別に5段階に分かれているのだが、最上位のガンマ・クラスが試験範囲の2次関数の最後のところを「速度違反の授業」でなんとか間に合わそうとしているところだ。
 たとえば、定義域が「a≦x≦a+1」の問題を難なく解けるのは、塾で予習していてセンター試験レベルの難易度の問題をこなせる生徒だけだろう。根室高校普通科1年生にそういう生徒は1~3人しかいない。
 過去問をやった1人が「30分時間が余って98点でした」と言っていた。本番でそんな点数をたたき出したら偏差値が90を超える、できすぎ。もう進研模試の難易度ではかれの学力が測れない、駿台模試か河合塾模試の対象の生徒である。「シリウス数Ⅰ」を9月に全問クリアし、いま「シリウス数Ⅱ」をやっている。難易度の高い問題集で予習勉強していると、進研模試の過去問は「かるーく」感じるようだ。7月の進研模試受験の際には、難易度が高く感じていたはずだから、学力が上がった効果だろう。驚くことではない、生活時間のコントロールと勉強の仕方の違いが大きな学力差を生むという具体例である。残って勉強する必要がないからこの生徒だけ7時で帰った。途中で同級生に解き方を質問されて、背中合わせになっている側の座卓にあるホワイトボードで説明してあげていた。同級生からの要求に応えて、自分が苦労して手に入れたノウハウを惜しげなく開示することのできる人の好い奴だ。
 今日は古典の過去問を解いていた。国語の偏差値を70以上にするには古典で点数を稼がなくてはならない。現代国語のほうは読解力があるので模試レベルは問題がなくなっている。音読授業を半年前までやっていたが、いまは独力で取り組ませている。2週間ほど前に福沢諭吉『福翁自伝』を読み終わって、「次なににしますか?」というので、山本義隆著『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』を指定した。明治期の文献引用が多いこと、使われている語彙が難解なこと、さまざまな文献を渉猟して職人技と思えるほど緻密な論証をしていることなどが、この本の特徴である。ふつうの高校生が読んで理解できるレベルの本ではない。5年間じっくり時間をかけて良書を選んで日本語音読指導をしてきた結果である。
東大学大学院博士課程で物理専攻の学生であった山本義隆は1968年に東大全共闘議長に祭り上げられた、湯川秀樹がノーベル賞がとれる逸材と激賞するほど優秀だったようだ。科学史の分野でさまざまな著作を書いている、当代一流の物理学者であり、「知の巨人」と言ってよい。高校生の時代にそういう知性に触れておくのはよいことだ。)

 ガンマ以外の他のクラスはまだ手もついていないから、過去問を渡されても独力で解くことがかなわない。だからガンマクラスではない3人が2次関数を理解するために9時まで4時間も勉強していたのである。学力別クラス編成の振り分けに進研模試の成績を使うということだから、生徒たちは必至である。上のクラスに入りたい、あるいはガンマの生徒は今のクラスを維持したいと思うのは健全で素直な反応に見える。

 それにしても、根室高校で数学授業の進捗管理が杜撰になっていることが気になる。授業の進捗管理がちゃんとなされないと、生徒の学力(クラス平均点)が低下することは中学校で証明済みである。
 生徒の低学力化を目の前に見て、高校の先生たちも当惑気味だ。宿題ノートをつくり、提出させてチェックするというようなことまでしている。まるで小学生だ。これはこれで自立的な学習習慣の育成を阻害することになる。放課後補習も多くなった。

 中学生の学力低下を阻止しないと、高校の惨状が解決できない。その中学校では、10月に行われた学力テスト総合Bで中3の五科目平均点がB中学校90点C中学校もついに100点を切り99点。A中学校はだけ120点台のようだ。A中は数年に一度5人ほど突出して成績のよいグループが出現する特異性のある学校だから、「豊作」の年かもしれない。A中が3校では一番学力が低いと言われ続けてきたが、今年の3年生は別だ。

 昨年のデータしかないが、根室管内では別海中央中学校が140-155点中標津が130点台だった。釧路市内の14中学校でビリが120点前後であることを考えると、根室の市街化地域の3校の学力低下は目を覆うばかりだ。根室の市街化地域の3校の学力テストの五科目平均点は釧路根室管内で最底辺を形成している。学校も荒れているから、授業が聞こえないことが常態化している。授業中に私語をして先生の話がちょっと聞こえなかっただけで、理解できなくなり学力が低下することはこれもB中で証明済みだ。いきなり学年平均が300点満点で30点も下がったことがある。

 話の文脈を読んで、聞こえなかった部分を補えるのは国語の学力の高い生徒だけである。そういう生徒は60点満点の学力テストでふだん50点をクリアしている。各中学校で学年に1-2人しかいないだろう。

 さて、高校入試は2年前から根室高校1校体制であり、来年3月で根室西高校は廃校になる。根室高校普通科120人の生徒のうち80人は12年前なら根室西高校の生徒の学力である。根室高校普通科が定員オーバーしたのは13年前だったかな、その時はFランク150点で3人が落ちて、事務情報科へ回されている。いま150点で切ったら、市街化地域の3中学校はそれぞれ7-10人程度しか根室高校普通科に進学できないレベルとなっている。

 根室高校の数学担当の先生たちは学力差の大きな生徒たちを同じ教科書で教えなければならないからたいへんだろう。進研模試のスケジュールに合わせた速度、そして過去問が解けるレベルの授業をすればついてこられる生徒は1割以下だろう。
 でも、授業の進捗管理ができないのは問題が大きい。民間会社では仕事のスケジュール管理ができない社員は、上司の叱責を受け、賞与の査定も最低になるのだが、学校では一切そういうことがない。校長に呼ばれてしかられるということがないし、評価が下がる仕組みもない。
 仕事の進捗管理を2年続けてできなかった社員は退職勧告されるのが普通だ。仕事の後ろにはお客様がいて、スケジュール通りにいかなければ、契約違反で損害賠償の対象になるし、なによりその会社の信用を台無しにする。

 中学校でも5科目合計点が100点を切ったことは非常事態である。それぞれ放課後の補習体制を組んで、100点割れが続かないように努力しているようだ。さて、効果があるだろうか、学力テスト総合Cが来週予定されている。

<余談>
 13年前の根室高校普通科の生徒たちの平均的な学力が、五科目合計点で170点付近とすると、現在はそれが120点くらいに下がっているということ。
 20年後、30年後に根室の町を支える主力部隊が根室高校普通科の平均的な学力グループだとすると、中高生の学力低下は看過できないものだろう。
 問題が起きても解決能力がないのはすでにいま現在そういうことになっているから、それがさらに、それも劇的に深刻化するということだ。
 長谷川市政の12年間は教育に関心が薄かった、市街化地域の3校の中学生の学力は一貫して下がり続けた、学力向上に役に立ったと思われる教育政策は一つもない。根室市教育長に道庁の教育局から人をもらう、任期が終わると同時に根室を去る、そういうことが続いている。学力向上に実績を示した中学校長は数人いるがそういう人たちが教育長に推されることはない。根室市政が教育政策を軽視しているからだろう。根室市教育長がたんなる道庁教育局職員の「腰掛」ポストになっている。
 高校統廃合問題で大きな問題が出た。道庁から来た教育長が道教育局の統廃合方針に地元の利益を代弁してあらがうはずがない。高校統廃合は道庁教育局ペースで進められ、その結果ここで述べたように困難な状況が根室高校で現出してしまっている。

 市教委はふだんの学力テスト結果データをモニターし、適切な教育政策を立案し、その結果をふだん行われている学力テストの平均点で検証すべきだ
 市政が教育に関心が薄いのはどうしてだろう?根室市役所に学力上位層がすくなく人材が偏っているからではないのか?


*#3842 良質のテクストと日本語音読指導 Oct. 20, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20




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#3805 高1:7月進研模試全国平均と根室高校平均比較:学年トップの学力は? Aug. 14, 2018 [データに基づく教育論議]

 7月進研模試の全国平均値と標準偏差は#3799でリポートしたので、これに根室高校普通科の平均値を並べてご覧に入れる。
#3799 進研模試の結果データ公開日 Aug. 4, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04-2

   平均点 標準偏差 根室高校平均点 
 国語 42.9  14.46   34.9 (81.4%)
 数学 31.8  18.09   19.1 (60.1%)
 英語 33.7  17.17   19.5 (57.9%)

 ( )は全国平均点を基準とした時の根室高校普通科の平均点の割合を示している。

 昨年は数学の平均点が21.4だったが、中学3年次の学力テストの数学の得点分布や市街化地域の2校の平均点から推計すると、7月進研模試が20点を切る可能性を指摘していたのだが、その通りになった。昨年より2.4点も下がって19.1点となった。根室高校普通科の学力はとめどなく低下している。
 それにしても、英語まで20点を切るとは思わなかった。2006年3月の入試は定員オーバだった、根室高校普通科の合格最低点が150点を超えた。2006年度入学の根室高校普通科の生徒の学力は「特設コース」の生徒たち35人の学力と同じくらいであり、根室高校普通科の下位半数は2006年度の根室西高校の生徒の学力と同等である。根室西高校が来年3月で廃校になるので、根室は昨年から新入生に関しては高校1校体制になった、それが学力の底抜け現象を引き起こしている

<学力の状況>
 高校統廃合に3年先立って高校入試が根室高校1校になった。定員割れしなければ全員が入学できるから、低学力層にまったく勉強しない生徒が増えた。たとえば60点満点の学力テストで数学が10点未満の生徒は計算問題すら半分しか得点できない学力層である。授業を聞いてもほとんど理解できないから、つまらない、そして私語し始める。説明しているときに単語をいくつか聞き落すだけで、成績中位の生徒たちは先生の言うことを理解できなくなる。こうして成績中位の学力層が一段下へシフトする。低学力層の肥大化が進行するのである。英語も同じだ。中3最後の学力テストである「模試2月2日」の結果データでみると、B中には10点以下が6人/56、C中には11人/57いた。両校で17人/113だから、15.0%を占めている。こういう学力レベルの生徒が普通科の数学の教科書を理解できるわけがないし、授業も理解できない。結局、高校生になっても授業中の私語は止まらず、学力はあがらない。60点満点で20点以下の生徒が根室高校普通科数学の授業についていけない層だと仮定すると、B中が27人、C中が31人いる、両校で58名だから51.8%に達する。
 数学はまだ習熟度別に5段階にクラス編成がなされているから成績上位層への被害は小さい。低学力層はいわば「隔離」されているからだ。そういうクラス編成になっていない英語はそうはいかぬ。英語の点数が20点以下の生徒はB中23人、C中28人、両校で51人(45.1%)もいる。高校の授業がどうなっているか想像がつくだろう。
 学力別クラス編成になっているのは数学のみ、他の全教科が非常に学力格差が大きいにも関わらず、同じ教科書を使用し、中3の時に学力テストで10点未満の生徒と50点を超える生徒が混在しているのである。高校の先生たちの努力も暖簾に腕押し。

<対策:とりうる選択肢の一つ

 これから高校統廃合で1校になる地域は、統合のしかたによくよく注意しなければならない。学力格差が大きいので、同じ普通科という枠で括るのは無理があったのだ。同じ教科書が使えないほどの学力差が存在する。「特設コース」ではなくて「科」を分けるしか方法がないと思うのだが…それができなければこういうことになる。

 いったん走り出したものは見直しするのに10年の歳月を要するだろう。市長の諮問委員会で高校統廃合問題検討委員会というのがあったが、中学生の学力分布データすら見ていなかったと言わざるを得ない。データに基づかぬ空理空論を弄していたのではないか?
 この問題は検討委員会だけのせいでもないのである。検討委員会がデータ分析をするには普段の学力テストデータを使わなければならない。これは根室市内7中学校がそれぞれ保管しており、各学校へ依頼を出さなければならない。すぐに個人情報云々が問題になる。個人識別データをはずしたEXCELファイルを渡せばいいし、守秘義務契約を取り交わせばいいだけだが、そういう仕事になれた人がいなかったのだろう。そしてデータを扱うスキルをもった人もまたいなかったと推測される。
 適切なデータ分析には、データデータ分析のスキルが不可欠であることは論を俟(ま)たない。市教委はふだんの学力テストデータをモニターしていないが、モニターすべきだ。ふだんからそうしたことをしていれば検討委員会へデータが渡せたし、データ分析についてもサジェッションできた。データを収集せず、分析もしないからスキルが育たない。だから全国学力調査の都度、頓珍漢なコメントを公表して恥をさらすことになっている。個人識別情報を外した学力テストデータは公共財と考えるべきではないだろうか。市教委がデータを集めて学力テストの都度、ホームページ上で公表することを望む。オープンな町づくりはこういうところからも着手できる。

 閉鎖的な諮問委員会は市立根室病院の建て替えや明治公園再開発に関する委員会などいくつもつくられたが総じてこんな仕事に終始している、それは必要な人材が集められないからだろう
 住みよい町を創るにはオープンな場での議論が欠かせない、中標津町はとっくにやっているよ。だから、中標津町に住み続けたいという町民が多いのだろう。住民意識アンケートにはっきり出ている。町の運営やビジョンづくりに参画しているからそういう意識が生まれるのではないだろうか?

 いまやりうることはある、普通科の合格最低点を90点に、商業科と事務情報科は80点とすることだ。入学してくる生徒の学力が底上げされるのは当然である。勉強しなくても根室高校に入学できるからしないだけで、合格最低点が公表されれば、五科目合計点100点未満の生徒たちは高校へ入学したいから勉強する。インセンティブを与えてやるだけでいい。それに達しない生徒は自宅で1年間勉強してから根室高校へ入学すればいい
 根室高校の入試は裁量問題を採用しているが、生徒たちの学力分布から判断すると必要がない、中学校の授業も学力テストも裁量問題に対応していない。普段の学力テストは標準問題である。
 現在の高校1年生が受けた最後の学力テストで五科目合計点が100点未満はB中21人、C中19人である。両校で40人(35.4%)、おおよそ3人に1人の割合である。

<道外の人の視点>
 弊ブログ#3659をご覧いただきたい。道外の人、ハンドルネーム麒麟さんが中3の学力テスト五科目合計点109点の学校を上位校と比較して論じている。低学力校では授業中私語が多い、生活態度に乱れが見受けられる、教育に対する親の意識が低いなど、際立った特徴がみられる。
指摘通りのことが根室で起きている。学力テストで五科目合計点109点は、学力テスト総合ABCの3回のテストでみるとB中とC中の平均点付近である。低学力の中学校では同じ現象が札幌でも根室でも起きているということ。

**#3659 根室の中学生の学力低下を道外の人はどうみるか?(2) Dec. 12, 2017
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-12-12

***
#3589 進研模試高1数学の平均点は21.4 Aug,21,2017
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-08-21



<余談:学年トップの学力レベル>
 
学年トップ三科目総合偏差値76.7、そしてこの生徒は3科目とも学年トップだった。
  この生徒が入塾してきたのは小5の1月だった。中1の最初の学力テストで、学年2位と五科目合計点が1点差、次のテストは十数点差、三度目が2点差だったが、その後はテストのたびに2位との点差が開いていった。調子のよい時には300点満点の学力テストで280点を超えた。定期テストは難易度が低いので五科目合計点が490点を超えたこともある。学年2位との点差は定期テストと学力テスト共に50点前後にまで拡大した。3年間すべての学力テストと定期テストで五科目合計点で学年トップをとり続けた。
 そしてはじめて受けた全国模試道内153位だった。全国レベルで通用するかどうか心配していたが、進研模試で学力レベルを確認できてほっとしているようだ。
  この生徒はまもなく数英が90点を超すことになるが、そのゾーンにはいれば進研模試を受験する意味がなくなる。ケアレスミスの有無を計測するだけのことになり、学力測定としては意味がなくなる。もっと難易度の高い全国模試、たとえば駿台模試や河合塾模試で学力を測った方がよい。
 5年間と7か月観察していて気がつくことは、生活時間の使い方が上手になったのと、安易に答えを見ないで考える習慣が身についた。最近半年間くらいはわからない問題はヒントを最小限にとどめている、場合によっては「問題の条件をもう一度読み直したら?問題を解くための条件を何か落としていない?」「立体図ではなく断面図のほうが必要な情報を落とさずに簡略化できるから、図何枚か描いて、もう少し考えてみたら?」というような対応をしている。英語の場合は大事なところだけは学年を考慮せずに、大学レベルまで説明が及ぶこともある。砂に水がしみこむようにスーッと吸収している。成績上位層の生徒には学力に応じた問題集の選択と解説をすべきなのだろう。そしてなるべく余計な指導をしないこと、それが生徒の自立と成長を促す
(成績中位層の生徒には丁寧な解説をする、そうしないと理解できないからだ。成績下位層の生徒は既習事項に穴がいくつも開いているから、どこに穴があるのか探しながら教える。生徒を観察しながら既習事項で抜けている個所を突き止め、その部分のフォローが付け加わる。ようするに生徒の学力に応じて三段階くらいに分けた教え方をしているということ。定員7人までの個別指導だからやれる。今日の最後の授業は中3が2人、高1、高2が一人ずつ、高3が二人。高3の二人は一人は数1Aの受験問題集、もう一人はセンターレベルの数1A・ⅡB受験問題集、高2は学校のプリント、高1は塾用問題集(シリウス)、中3の一人はシリウス、もう一人は夏休みの宿題プリント。質問の連続である、ちょっと忙しかった。(笑))
 小5の1月に入塾して、英語は中学生になってから教えた。最近数か月間はおおむね福沢諭吉の「適塾指導」方式で指導している。やり方は『福翁自伝』に載っている、あれを現代風にアレンジしたものだ。弱点だった国語は入塾当初から音読トレーニングをしている。すでに15冊読み終わっている。いま読んでいるのは『福翁自伝』、大学レベルのテクストである。要は勉強の仕方だろう。
 数英2科目総合偏差値は79.4数英は2次試験でこそ実力が如何なく発揮できるだろう。目先の得点をアップするような勉強はしていない、受験勉強の範囲を超えている。だから、3科目総合偏差値が80を超えるのは時間の問題に過ぎぬ。
 夏休みに間に1週間、札幌で開かれた河合塾の夏期講習を受講した。全国トップレベルの予備校の授業を体験してもらいたかった。数学と英語の授業の評価を訊いてみたが、書かないでおく。
 学力アップは生徒の努力が99%、塾先生は問題集を選び勉強の仕方を教えているだけ。生活習慣がしっかりすれば学力は上がる

(中学時代に学年10番以内に入ったことのない生徒が今回の進研模試で20番以内に入ってきた。入試と定期テストで思ったように点数が取れなくて悔しがっていた生徒だ。悔しくて努力した、そして実績を上げた。高校で学年20番以内は中学校ではおおよそ学年5番の成績である。
 部活に力を入れていた生徒は、まだ時間の使い方がうまくいっていないようですこし落としている、文武両道を貫いて偏差値をアップしてもらいたい。)


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#3799 進研模試の結果データ公開日 Aug. 4, 2018 [データに基づく教育論議]

  今日から9日間ニムオロ塾は休みである。いい天気、1時半ころマウンテンバイクで1番川までサイクリングしてきた、往復15㎞。午後2時の気温18.1度、北北東の冷たい風5.1m/s、湿度66%、根室で湿度が70%を切ったのはすくなくとも7/1から一度もなかった、久々にからっとした快適な一日である。

 高校1年生が7月に受けた進研模試の結果データが公開された。ベネッセのホームページを開き、所定の欄に個人別に発行されているパスワードを入力すれば、自分のデータを閲覧できるらしい、便利な時代だ。
 3科目の受験者総数は462,889人。15歳未満の総人口は1559万人*だから、15で割ると104万人である。おおよそ同世代の44.5%が受験していることになる。
*総理府統計局ホームページ
http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2017np/index.html

 平均点が個人票に載っているので標準偏差(SD)を計算してみた。

    平均点 標準偏差
 国語 42.9  14.46
 数学 31.8  18.09
 英語 33.7  17.17

 受験している46万人は日本人だから国語のSDが一番小さいのは当然である。国語で偏差値70を超えるためには、出題者がどのような回答を期待して設問をつくったかが読めなければならぬ。何にポイントをおいて点差をつけた採点をするのか、採点ポイントが読めるようになればいい。しかしだ、これは本文の読解力とは何の関係もないことで、そんなことに慣れるのはあまり感心しない、勉強の本質とはかかわりのないことでくだらないからだ。読みのスキルアップの妨げになるから要注意だ。採点ポイントに意識をおいて設問と本文を比べ読みする癖がつく。
 センターレベルの出題がなされる数学がのSDが一番大きいのはあったりまえだろう、先行して学習し難易度の高い問題に取り組んでいなければ70点以上の得点は困難である。学校の授業レベルの問題集では50点程度がせいぜいだろう。偏差値80を狙うなら、最低でもセンターレベル、あるいはそれより少し難易度が高い問題集を消化できれば効果がある。平均的な学力の生徒に1年次からセンターレベルの問題集は消化不良を起こしてかえってよくない。使う問題集の難易度は生徒の学力とどの程度アップさせるかを測りながら決めている。

 英語は数学に比べてSDが少し小さい。できる生徒にはいままで精読(英文を読み継いで書き写し、英語のまま意味をつかみ、日本語の文章で表現してみる。大事な個所は「大和言葉落とし」までやる読解)を強いてきたが、過去問をやったら時間が足りないというので、長文を速度を上げて読むコツを一週間前の教えておいた。すぐ呑み込めたようだ。週1で2時間速読トレーニングに充てれば3か月で偏差値80をクリアできるだろう。英語の偏差値80は得点でいうと85点付近。

 SDが大きいということはデータのばらつきが大きいということである。テストが終了してすぐ、自己採点させて、全国偏差値を試算していた。数学のSDを17、英語を16、国語を15と仮定しての試算値であった。おおよそが見当付けられたら十分である。
 学力が一番高い生徒は三科目偏差値が75くらいと試算していたが、超えていた。英数2科目だと80に近い、英語は中学生になるまで教えていない。それでも学年トップクラスの成績がとれる、勉強の仕方次第ということ。国語だけが偏差値70を切った、ここに課題がある。文学作品には興味がまったくないので読まない、心に響かないらしい。感覚や心のセンターにある情緒の問題だから、これを変えることはおそらく不可能。古典や漢文で点を落とさないようにすることぐらいしか手はなさそうだ。論説文の読解は日本語音読トレーニングで良質のテクストを選び十数冊読んでいるからできのよい方の大学生レベルの読解力がある。福沢諭吉『福翁自伝』を最初のほうだけ一緒に読んだが、いま独力で読み続けている。読んだ本のリストは音読トレーニング教材として弊ブログで何度か紹介しているので必要なら内部検索してもらいたい。国語については偏差値65くらいのところで様子見だ。
 文武両道を目指している生徒は、中学時代の学力維持にちょっとだけプラスアルファできればいいと考えていたが、予想通りだった。だが、本人は結果に不満があるだろう、道内の理系国立大学狙いだが、何とかなる位置にはいる。部活と勉強を両立させるには時間の使い方や集中力を高める工夫が必要だ。自分で考えろと言ってある。
 メールで報告してきた生徒は三人だが、三人目の生徒が期待値を大きく超えた。全国平均値に近いのだが校内偏差値は60、中学時代の学力テスト結果から考えると伸びに「おどろ木桃の木山椒の木」だ、すぐに電話をして褒めた。「特設コース」に入れなかった生徒だが、一生懸命に勉強していた。そういう生徒の中から急激に学力を伸ばす者が現れる。

 生まれて初めて受けた全国模試で、全国46万人の普通科の受験生の中で自分の学力がどれほどかよくわかっただろう。いまや半数が大学進学をする時代である、いつの日か根室の中学生の希望者全員に市の予算を使って全国模試を体験させてやりたいものだ。中学生の時に全国レベルの模試で自分の学力がどれほどのものなのかを知っておくのは必要なことだ。僻地に住んでいても中学生の時に全国レベル模試で自分の学力を測定できる、そういう環境をつくってあげたい。根室高校普通科で学内偏差値60(上位16%)が全国偏差値では50(真ん中)に過ぎない、根室の子どもたちは同学年の順位を競うことで中学生の時に自分の学力を過大評価している。「根室高校の特設コースに入れたら北大に合格できるんでしょう」なんてことをおっしゃる人も珍しくない。
 9月に根室市長選挙があるが次期市長さん、中学生に全国模試を受けさせる予算措置ができないか?

<余談:根室高校普通科の学力低下>
 ちょっと気になることがある。根室高校の生徒の数学の平均点が20点を切ったのではないかということ。切っていたら初めてだろう。進研模試全国偏差値50は根室高校校内偏差値60付近にあるが、これはどういうことかというと、普通科1年生115人の内、上位18人しか全国偏差値50を超える生徒がいないということ。今回の模試では16人だろう。全国偏差値65を比べリアしている生徒は特設コースの数人のみ、さて、学年2番目の生徒が全国偏差値65を超えられただろうか、先は長い、次の模試で頑張れ。
 12年前だったか定員オーバーでFランク150点で事務情報科へ回されて生徒が複数いたことがある。あのころの根室高校普通科の学力を基準にしたら、「特設コース」の35人だけが当時の普通科の生徒と同等の学力である。それ以外の80名の生徒は普通科に合格できなかった学力層なのである。つまり、「特設コース」とは名ばかりで、12年前の普通科の平均的な学力層だということ。
 根室高校普通科の半数が根室西高校の生徒レベルの学力層だということ、これが高校統廃合の現実である。教える方は普通科内部の生徒たちの学力格差が大きすぎてたいへんだろう。同じ教科書を使うのは無理というレベルの学力格差が存在している。先生たちの中からも現実を踏まえて、いずれ、学科及び「特設コース」の再編成要求が起きてくると予測している。

 現在の高校1年生が中3の時に150点超の生徒が何人いたかは2校の実データに基づいて、#3684で市内全部の推計をしている、おおよそ30-35人である。特設コースで今回の模試で全国偏差値50を超えたのは16人だけ。特設コースの約6割19人が偏差値50以下。推薦入試頼みの傾向がますます強くなる。

*#3684 根室高校入試倍率:定員240人に対して出願者数175人 Jan. 29, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-01-29

 



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#3751 進研模試偏差値と得点の目安 Jun. 7, 2018 [データに基づく教育論議]

 弊ブログ#3750に進研模試偏差値に関するデータの投稿をお寄せいただいたので紹介します。
*#3750 根高前期中間テストの結果 Jun. 6, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-06-06

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進研模試の1科目の平均がおおむね30~35点、標準偏差が14~18なので、70点~80点で偏差値70前半~80前後の偏差値なので、70点~80点で成績中の上の成績だと、学年順位中位で東北大一般学部合格レベルの学力を有している高校では県浦和、都日比谷、都国立、県千葉、湘南クラスです。(湘南高校以外は進研模試を受験してません)
by KK (2018-06-07 19:04)

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 偏差値の計算式は次の通り。 
[(得点-平均点)/標準偏差]×10+50=偏差値

 仮に、全国平均点を33点、標準偏差を16と仮定して、偏差値とそれに対応する得点は次のようになります。

 偏差値80 ⇒ 得点81点 上位0.1%
 偏差値70 ⇒ 得点65点 上位2.3%
 偏差値60 ⇒ 得点49点 上位15.9%
 偏差値55 ⇒ 得点41点 上位30.9%
 偏差値50 ⇒ 得点33点 真ん中50%
 偏差値45 ⇒ 得点25点 下位30.9%
 偏差値40 ⇒ 得点17点   下位15.9%
 偏差値30 ⇒ 得点1点     下位2.3%


 正規分布を前提にすると偏差値60は上位16%です。
  偏差値と百人中の順位表は弊ブログ「#2709 偏差値と「100人(百校)中の順位」対応表 June 22, 2014」をご覧ください。
*http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22

 おおよその目安を示しました、KKさんの標準偏差データ提供に感謝申し上げます。

 ここで計算した得点と偏差値の対応表は、全国平均点を33点、標準偏差を16点と仮定した場合のものです。毎回行われる進研模試の実際の平均点も科目ごとに標準偏差もこれとは異なりますので、その点にご留意ください。でもだいたいのところ(=目安)としては使えるでしょう。

 根室高校の昨年7月の進研模試数学の平均点は21点でした。21点はこの仮定で計算すると偏差値42.5です。昨年度1年生根室高校普通科の学力レベルが全国標準でどのあたりかを表しています。下位23%くらい,

高校が百校だと仮定すると77番目の学力の高校です。根室高校に合格できたと喜んでいる場合ではないのです。全国レベルでは学力下位層の高校なのです。生徒の学力の偏差の大きいことが特徴です。生徒の学力偏差が大きいということは、別の言葉でいうと、学力格差が大きい高校だということです。どの学力レベルに焦点を当てても、そこから外れる生徒のほうが多いので、先生たちはとっても授業がしづらいのです。だから、生徒たちの学力はますます低下します。

 釧路湖陵の数学の進研模試平均点が60点台だと関係者から2年ほど前に聞いた記憶がありますが、それが事実だとすると普通科ではなくて理数科のほうの平均点のようです。

 国立大は数学だけよくても合格できません。まんべんなくほかの科目でも得点しなければならないので合格がむずかしい。数学と理科だけ得意、英語だけ得意、国語だけ得意、社会科が得意という生徒はいますが、これら全部を偏差値70でそろえることが可能な生徒は滅多に現れません。


<余談:中学学力テストとの関連>
 中学校の5科目500点満点の学力テストで、420点付近が高校1年時の進研模試偏差値50-52付近です。400点だと偏差値50に少し届かないでしょう。だから中学1・2年で学力テストの五科目合計点が420点なら、偏差値50以上の大学合格圏内にいることになります。ところで学力テストで五科目合計点が400点以上というのは昨年のB中とC中では学年トップだけです、10年前は市街化地域の3校にそれぞれ十数人いました。根室の市街化地域の3中学校では学力上位層が枯渇化現象を起こしていますが、根室の未来にとって由々しき問題です。
 中学時代は大学入試の厳しさを知らず、学年順位が5番以内ならなんとなくそこそこの大学へ行けるだろうと思った生徒たちは、高校で全国模試を受験して、偏差値に現れた自分の学力に愕然とします。そしてしばらくは何をどうしていいかわからないまま数か月が過ぎ、木枯らしが吹くころに気を取り直して猛然と勉強を始めることになります。そうしなければ偏差値50以上の大学へは合格できないからです。スタートが遅すぎます。首都圏の子どもたちは小学4年生に受験勉強しはじめ、3割ぐらいが中高一貫校を受験しています。この差は大きい。

 偏差値50の大学でも、就職状況は厳しいものがあります。一部上場企業は偏差値60以上の大学から優先的に採用します。だから、偏差値50程度の大学生は「落穂ひろい」をせざるをえません。偏差値45以下(下位1/3)の大学生の就職状況はさらに厳しい。

 たとえば、わたしのいた臨床検査業界最大手のSRLは東証1部上場してから、1万人が応募してきます。書類選考で200人に絞り、試験と面接をして採用は20人、これを潜り抜けて社員採用されるのは、学力とコミュニケーション能力の高い人材です。競争率500倍の難関をくぐりぬけなければなりません。たいへんさがわかるでしょう。
 わたしはSRLが上場準備をしていたときの中途採用6人の中の一人ですから、上場準備作業で社内の人材では間に合わないスキルと経験があればOKでした。上場準備に必要な経理(予算編成・管理等の管理会計分野と経営管理)と原価計算と統合システム開発の専門知識と実務経験がありました。三つの複合分野を渉猟できる専門家は社員が1000人を超える会社でもいないのです。
 他にコンピュータシステムを使った売上債権管理業務も産業用エレクトロニクス輸入商社で1979年に経験がありました。オフィスコンピュータを使った売上債権管理システム導入後、消込作業が旨く行かず、データがぐちゃぐちゃになり経理課長がお手上げ状態になったので、管理部へその仕事を引き取り、女子社員に担当させ、わたしが面倒を見ることになったからです。たいへんでした。
 SRLでは上場要件を満たした売上債権管理システム導入に失敗し、開発に3年もかかりました。請求基準から納品基準へ売上計上基準の変更もあったので担当グループの手に余ったのでしょう。販売会計部長のKuさんは、稼働延期を宣言し、システム要件の見直しました。2年遅れたかな。担当していたのはN課長でした、販売会計部長は開発グループ責任者である販売会計課長の仕事の能力を見切ったのです。Kuさんは10年後くらいに専務取締役になっています。大手ペンキ会社から転職してきた方で、人望と人柄のよさがありました。SRLの部長では出色の人でした。一番大きな子会社の社長となって10年ほど経営に携わっていました。吸収合併だったので軋轢がありましたから適任でした。わたしが福島県郡山の会社に役員出向するときに的確なサジェッションをしてくれました。「1年間は仕事しながらじっとみていたらいい、いろんな人がすり寄ってくる、1年間は人物を観察させてもらえ、評価はそのあとだ」、すごいでしょ。その通りにしました。
 もうひとり、毛色の違った人物がいました。何をもっているのか見えない人でした。学術営業部長のK田さんです。SRLをやめてから、起業しました。一度目は大失敗でしたが2度目に大成功。社員数は小さな会社ですが、東証1部上場企業に成長しました。ペプチドリームの創業社長です。ベンチャー企業のトップを走っています。わたしの眼についたのは、創業社長の藤田さんと藤田さんの後に社長になった近藤さんのお二人です。このお二人は医師ですが、まったくタイプが異なります。臨床検査会社買収で藤田さんとは2回一緒に仕事しました。話の間(ま)のとり方のうまい名優です。話が途切れると圧力がグーンと上がるのがはっきりわかります。JAFCOと交渉事があって二人だけでJAFCO本社へ出かけたことがあります。(笑)
 近藤さんとも一緒に仕事してます。帝人との合弁会社経営と帝人の臨床検査子会社の買収の件で近藤さんの指示で動きました。仕事をやるときは、大事な仕事なら責任重大ですから、事前に話してフリーハンドでやらせてもらいます。たまたま本社へ別件で行ったときにエレベータの前ですれ違って、「話聞いているか?」「聞いています、要件は3点」「できるか?」「本件に関してはわたしにすべてお任せいただけますか?お任せいただければ3点、期限内(3年)を約束します」「任せた」、たったそれだけ。エレベータの前で1分程度の会話で一部上場会社との合弁会社立ち上げを引き受けました。プロジェクトが暗礁に乗り上げて、新聞発表通りに会社の立ち上げが不可能になっていました。新聞発表通りのスケジュールで立ち上げることも仕事の内でした。暗礁に乗り上げてから、メンバーの一人(W邊)が乗り切れるのはeisuさんしかいないと言ってしまったのです。わたしはSRL東京ラボに出向中で、SRLグループ全体のラボ再編のきっかけとなる数百億円をかけた大型自動化ラボ建設案の最終段階でした。全部詰めてから親会社の近藤社長に相談するつもりで、あと一月ぐらいと思っていました。SRL東京ラボ社長のM輪さんから社長室で話があると呼ばれて行くと、下を向いて「本社社長の近藤さんからの指示だから俺は断れない」と告げられました。否やはなしでした。こうして帝人とSRLの臨床治験合弁会社の役員出向が決まりました。一部上場企業との合弁会社はSRLでは初案件でしたから、日経新聞で公表していました。近藤さんが社長に就任してから、初めての合弁会社、それも帝人の臨床検査会社を買収するという計画を含んだ案件でした。わたしは、八王子ラボで検査機器の購入や開発を担当していた87年ころから英国企業が開発した染色体画像解析装置導入を担当して、その筋から帝人の臨床検査子会社と福島県の臨床検査会社が同じ装置の引き合いがあったことを知っていたので、両方の会社がおそらく赤字で黒字転換を狙って導入したのだろうと分析していました。いずれ呑み込むことになると、考えていました。数年後に福島県の会社への資本参加交渉を担当して役員出向し、そのあとまた3年後に帝人との合弁会社を担当し、帝人の臨床検査子会社を買収することになったのです。わたしには一本の線でつながっていた仕事でした。面白いものです。


<余談-2:中学校で平均点の生徒の全国レベルでの学力>
 根室の市街化地域の3中学校で五科目合計点がその学校の平均点だったとしたら、つまり真ん中の成績だとしたら、全国レベルでどれくらいの学力なのでしょう?
 大まかに言えば、根室高校普通科の平均点の生徒だと考えていい。全国レベルでは偏差値42、下位23%です。百人中77番目ということ。全国レベルでは五段階評価2の成績です。

 五段階相対評価の階層ごとの分布は次のようになっています。
5段階評定の場合、5…7%、4…24%、3…38%、2…24%、1…7%が目安
 下位31%以下が評価2です。


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#3726 日本語音読トレーニングのススメ:低下する学力に抗して Apr. 18,2018 [データに基づく教育論議]

<最終更新日時:4/18朝10時>

<序>
 春は新入生の季節である。
 ニムオロ塾は高校生が増えた、塾生の6割を占めている。なんてことはない、環境が変わったせいである。
 理由は二つ、
 ①高校が1校になり、中学生の塾通いが激減した
 ②根室には高校生対象の塾がたった二つしかない
 こうした変化は根室の中学生の著しい学力低下を招いており、都会へ流出せざるをえない子どもたちの将来を危うくし、他方で長期にわたる人材劣化を引き起こして町の未来に甚大な影響を与えることになる。
 未来は変えられる、大人たちがそれぞれの仕事の責任をまっとうすればいいだけ、いま根室の大人たちが自分に課せられた仕事に向き合わずサボタージュすれば未来は変えようがなくなる。

<「中学卒業=根室高校入学」の影響>
 根室西高校が現3年生が卒業する今年度末でなくなるのですでに募集停止入試は昨年度から根室高校1校体制へと変わった実質的に全入だから入試はないも同然。成績が悪い中学生が根室高校に入学したくて勉強から逃げずに取り組むということがなくなったから、中学生の学習塾への通塾率は3年生で2割程度だろう。1・2年生はもっと低い。その結果、低学力層の膨張と底抜け減少が起きている。
 勉強しなくても根室高校に入学できるという状況が中学生の意識を変えてしまった。根室高校への進学率団塊世代のころは4割以下数年前までは7割いま100%。根室高校への進学に努力する必要がなくなった、成績下位層が勉強しなくなってしまった。まことに嘆かわしい。
 以前のシェーマはa、現在のシェーマはbである。

 a:中学卒業 ⇒ 入試 ⇒ 根室高校or根室西高校入学
 b:中学卒業 = 根室高校入学


<普通科の生徒の学力が著しく低下しつつある>
 13年前の根室高校普通科はFランクで五科目合計点150点だと不合格だった。いま、150点を超えて入学している生徒は20-30人に過ぎない。つまり、「普通科特設コース」35人のうち、数人は13年前なら普通科不合格である。160人の定員のところ定員割れで120人ほどしかいないが、90人は標準的な普通科の教科を消化できな学力ということ。普通科の生徒の半数以上が13年前の根室西高校の生徒の学力と判断してよい。そんなに学力格差が大きいのに、根室高校の先生たちは同じ教科書で教えなければならない、できるわけのないことにチャレンジしなければならない状況が生まれている。だから、右往左往している。数学の問題集の選定にそれがあらわれている。
 進学する生徒たちは、低下した授業レベルで3年間すごしたあと、全国レベルで入試競争を勝ち抜かなければならない。だから、偏差値50前後の大学へ進学する生徒たちや競争倍率の高い専門学校へ進学する生徒たちに塾通いが増え始めた。


<学力低下は本人の貧困化と根室の地域経済の衰退を招く>
 高校を卒業して進学するときや就職するときには、学力の低下していないほかの地域の子どもたちと学力競争になるのだから、そこで負ける者が増える。学力格差から貧困化していく者が増えるのである。都会は大企業が多い、学歴と学力がなければ入社すらできない。優良中小企業も多少条件が緩和されるだけで事情は似たようなものだ。学力の低い者は3Kの職場やブラック企業を転々とすることになる。
 困ったことになるのは本人ばかりではない、学力が劣化した「人材プール」から、成績が悪い高卒でも雇用せざるを得ない地元企業が困まる
 団塊世代は、中の上の優秀な高卒がたくさん地元に残った、それでも根室の町の衰退は避けられなかった。いまでも課題は山積みだが、その山を崩せる人材がいない。
 子どもたちの学力の現状を放っておけば、30年後はどうなるのか想像に難くない、地元企業の大半が人材不足と人材劣化から消えている


<学力テストデータに現れている学力低下現象>
 先週、お迎えテストがあり、昨日全国学力テストが実施された。
 中学3年生のお迎えテストは五科目合計点で300点満点、数学の問題の難易度が低かったようで、昨年より平均点が5点も高くなっている。それでもB中学校の五科目合計平均点は95点前後、C中学校は90点前後だろう。わたしの知る限り、2校が同時に100点を割ったことはない。過去20年間で見ても最低を記録したと思わざるをえない。2校で根室の中学生の半数を占める。あとの半分も似たような状況だとしたら、低学力層の底が抜けたようなもの
 比較のために根室管内の他地域のデータを挙げておく。別海の中学校は一番最後の学力テストの五科目平均点が150点を超えたという。釧路では公立中学校14校で昨年実施された学力テストで五科目平均点が100点を割ったところはない。釧路管内と根室管内全域を見渡しても、お話にならないくらい根室の市街化地域の中学生の学力が低いのである。
 昨日実施された全国学力テストでは根室市内の平均正答率は過去最低を記録しただろう


<仕事の責任放棄:根室市教委、教育長、市議会文教厚生委、そして市長>
 四月のお迎えテストの五科目合計点が史上最低を記録するであろうことは、現3年生が2年生の時に受けた学力テストの平均点と得点分布から推計を行い、何度も警告していた。いくら言っても根室市教委はふだんの学力テストの結果データをモニターすらしない。そして具体的なデータを欠いたまったく効果のない教育政策を繰り返すのみだ。そのせいで根室の子どもたちの学力は下がりっぱなしだ。
 根室市教委は有効な教育政策を立案し実行するために、ふだんの学力テストの結果をモニターすべきだ。長谷川市長も子どもたちの学力低下に危機感をもつべきではないのか?


<仕事の責任:小さな努力の積み重ね>
 教育に携わる大人たちが、忠実に仕事の責任を果たせば、子どもたちの学力は飛躍的に上げることができる
 わたしはニムオロ塾に通う子どもたちを指導することで、自分の仕事の責任をまっとうしたい。

 今日は第3水曜日、中3年生と高1の生徒たちに、90分の日本語音読授業をする日である。授業料はとっていないから、読解力を上げて、国語や数学や社会科や理科の予習ができるようになりたい生徒は来たらいい塾生でなくてもやる気があれば3人だけ受け入れ可能だ。音読トレーニングに参加しても入塾を勧めることはありませんからご心配なく。空いている椅子の数がそれだけなので受け入れ人数に制限があるので悪しからず。第1水曜日と第三水曜日の7時20分に来てもらえばいい、9時までノンストップのハードな音読トレーニングだ。

 学校でやる場合は「同期音読トレーニング」がよい。先生が読むのにかぶせる形で音読する。先生は最初はゆっくり読み、次第に速度を上げていく、最後はまたゆっくりに戻す。これなら1クラス30人でもやれるだろう。輪読と組み合わせればうまく回る。
 日本語音読トレーニングは学力向上に大きな効果があるが、とっても手間がかかるから、根室の中学校でやっている学校はない。部活時間を削ってももやるべきだとわたしは思う。現在の中学生はほんとうに本が読めない者が多い。3割は教科書を読めないか、読んでも理解できない、それほど日本語能力が未発達の生徒が増えている。スマホが中学生に普及し始めた6年前がターニングポイントだった。
 読む速度が2倍となり、精度が向上すれば、人の半分の時間で予習が可能になる。国語も数学も社会も理科も教科書は日本語で書かれている。英語の教科書だって解説は日本語でなされている。日本語読解力、日本語語彙力が学力の土台を為していることはだれでも理解できる単純な事実だ。それはトレーニングすることで鍛えられるわたしは基本に忠実に仕事をするだけ

 四月から使っているテクストは、数学者の藤原正彦が2011年に著した『日本人の誇り』(文春新書)である。本は自分で購入してもらうことになっている。地元の本屋であるリライアブルで注文したらいい。
(矢沢永一の同名の本が青春出版社から出されているので、間違えないように。こちらの本も面白い。)

#3640 心情を表す語彙が課題 Nov. 18, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-11-17


 #3607 同期音読トレーニング Sep. 6, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-09-06

 #3509 数学のセンス(2):「同型性」と「拡張」⇒どのように考えるのか Feb. 19, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-19


〈 音読リスト〉
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< 国語力アップのための音読トレーニング >
 中2のトップクラスのある生徒の国語力を上げるために、いままで音読指導をしてきた。読んだ本のリストを書き出してみると、
○『声に出して読みたい日本語』
○『声に出して読みたい日本語②』
○『声に出して読みたい日本語③』
○『坊ちゃん』夏目漱石

○『羅生門』芥川龍之介
○『走れメロス』太宰治
○『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
 『五重塔』幸田露伴
 『山月記』中島敦
●『読書力』斉藤隆
●『国家の品格』藤原正彦
●『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤隆

『語彙力こそが教養である』斉藤隆
●『日本人の誇り』藤原正彦

◎ 『福翁自伝』福沢諭吉

 14年間で14冊読んでいる、現在進行形が2冊で合計16冊。
 これから読むものをどうしようかいま考えている。だんだんレベルが上がってきた。哲学に踏み込むかどうかは生徒の意欲次第。

◎『善の研究』西田幾多郎
◎『古寺巡礼』和辻哲郎
『風土』和辻哲郎
 『司馬遼太郎対話選集2 日本語の本質』文春文庫
 『伊勢物語』

(○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していた。●印の本はふつうの学力の中学生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績がある。◎は大学生レベルのテクストである。音読トレーニング授業はボランティアで実施、ずっと強制だったが2年前から希望者のみに限定している。)
・・・
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日本人の誇り (文春新書)

日本人の誇り (文春新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/04/19
  • メディア: 新書


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#3713 都立進学校「自校作成問題」長文ワード数 Mar. 15, 2018 [データに基づく教育論議]

<更新情報>
3/16 朝11時40分更新

 興味のある論点がいくつも出てきそうなので、随時追記していくつもりである。テーマによっては別稿にするものもでてきそうだ。更新情報は最終更新の日時のみを書いておく。

 K藤さんから3/3日付朝日新聞の切り抜きが今日二つ届いた。都立の進学校は数年前から自校作成問題を入試に使っている。制度が変わったことを私は知らなかった。根室(北海道)にいると日本の動きが見えなくなる。K藤さんはわたしの蒙を啓くために切り抜きを送ってくれたのだろう。m(_ _)m

 送られてきた切り抜きの一つに、東京都立英語入試問題の長文ワード数が載っているので、以下に転載して紹介したい。

<都立高校> 2018年 自校作成問題
  長文語数   英作文① 英作文②
日比谷 2620   20語×3 30語以上
西 3090   40-50語  
国立 2205   15-20語×2  
八王子東 2560   40-50語  
戸山 2645   40-50語  
青山 2320   40-50語  
立川 2330   40-50語  
共通問題 1390   3文  

 長文の総語数だけで見ると、2018年の道立高校入試裁量問題の長文問題は771語である。都立の進学校は軒並み3倍以上の分量である。分量に圧倒的な差がある。
 都立の試験時間はリスニングを入れて50分だから、正味40分で2320~3090語の英文を読み作文問題を解かなければならない。設問の中にも英文が含まれているから、実際には3000~4000語に目を通して理解しなければならないのだろう。道立高校の試験時間は45分間。

 変化したのは長文問題だけではない、英作文もまるで傾向がかわってしまった。この新聞記事によれば、都立八王子東高校の英作文問題はおおよそ次のようになっている。

--------------------------------------------------
将来実現してほしい科学技術を一つ挙げた上で、その理由を40~50語程度の英文で書くように求めた。アイデアそのものは評価の対象としないが、学校側が求める人物像を感じてほしいとの考えから、出題した。受験者の平均点は国語56点、数学55点、英語が69点だった。
--------------------------------------------------

 ふだんから幅の広い読書をして、様々な角度から物事を考えていないとできない種類の英作文問題である。ただ英語ができるだけではむずかしい。
 中高生に人気のあるSAOにはナーブギアというマン・マシン・インターフェイスがでてくるが、そういう技術が確立されたら、膨大な外部記憶を自分の脳に接続できるし、AIによる思考のアシストも可能になるだろう。その反面、AIが人間を支配するツールともなりうるし、AIの脳への侵襲によってアイデンティティ崩壊のリスクも生まれる。こういうことを40-50語の簡単な英作文で答えろということになるのだろう。理系分野に好奇心があって濫読していないととてもできない。文学作品ばかり読んでいたら手も足も出ない。英語長文のトピックスの理系分野へのシフトが近年進みつつある。気がついたところで紹介すると、平成19年度の入試で桐朋高校がAIとロボットのトピックスをとりあげているのが、わたしの知る限りで初出。マーティン・フォード著松本剛史訳『ロボットの脅威』を読んだのは2016年5月(2015年10月初版)だから、それよりもずっと早い。

 都立の進学校が自校作成問題へ方針転換しつつある。都立にはまだ同じ数くらいの進学校が存在するが、順次切り替えをやっていくのだろう。国語の出題は難易度の高い著書からの出題が多くなっている。教科書程度ではとても届かない。たとえば、鷲田清一郎著『哲学の使い方』や長谷川宏著『高校生のための哲学入門』、西田修著『世界史の臨界』、田口茂著『<交差>としての時間』、佐伯啓思著『経済成長主義への訣別』から出題がなされている。レベルを上げて幅広い読書をしていなければ、語彙理解すら追いつかぬ。
 ありていに言えば、出口汪の論理エンジンレベルの読解では到底届かない。あれは2次元読みともいえるもので、虫が文字面を這いずり回るようなもの、そこを離れて3次元空間で鳥瞰するような読みからは程遠い。せいぜいレベルの低い国語教師程度の読解力を育てるだけである。だから、北海道の学力テストで国語が90点台を維持できたら、その生徒の読みが「できの悪い国語教師レベル」で頭打ちになったと理解したほうがいい。ではどういう読みがあるのかというと、林望著『謹訳源氏物語私抄』をお読みいただきたい。高校生なら1年の時に『源氏物語』を古典で読むので、「第二章 女としての当たり前」が参考になる。幅広い教養と人間の心理の観察に支えられた深い読みがどういうものかよくわかる。
 我田引水になるが、ニムオロ塾でやっている音読授業なら教材のレベルも高いからこの程度なら十分対応できるだろう。中2は斉藤孝著『日本人は何を考えてきたのか 日本の思想1300年を読み直す』を先週読了し、中3の生徒には『福翁自伝』の音読トレーニングをしている。次は、今後とり上げるのは和辻哲郎『古寺巡礼』『風土』、京都学派の哲学者西田幾多郎『善の研究』である。根室の中学生で都立進学校が要求するレベルの本を読んでいる生徒は他にはいないだろう。ふつうの公立中学校の国語の先生に哲学入門書や世界史関係の解説書や経済学の本の解説ができるとも思わないから、授業で言及するわけもない、好奇心の及ぶ限りで生徒は独力で読むしかない。そういうレベルの生徒は数年に一人。
 どうやら都立の進学校はお受験勉強のエキスパートではなくて、並外れた才能の生徒を集めたいようだ。

 センター(中央)とペリフェリ(辺縁部)の学力格差がすさまじい勢いで拡大しつつあるようだ

 東京都は都立高校入試にスピーキング導入を検討中で、来年テスト試行が数校を対象になされるようだ。コンピュータでの処理を考えている。首都圏なら試験官はいくらでも確保できるだろう。

 1学年100万人と仮定すれば、英語のエキスパートは1000人もいれば十分である。そのために全部の学生に英語のスピーキングを課すのは学力低下につながらないか?国立情報学研究所の最近の調査でも中学生の四人に一人が、日本語の文の理解が困難である。教科書すら独力で読んで理解できないレベルにある。日本語を置き去りにして、外国語が身につくものだろうか?ほかの科目の教科書はすべて日本語で書かれているから日本語能力の劣化は学力全般の低下に直結することになる

 「英語「話す力」都立高入試でどう問う?」という記事が載っているが、寄稿しているのは瀧沢佳宏・都教委国際教育推進担当課長と根岸雅史・東京外語大教授の二人である。偏ってるね。国家の教育戦略にかかわることだから、英語の専門家だけでは視野が狭いので日本文学者や数学の専門家そして哲学者をいれて議論したらいい。
 Z会進学教室・尾田哲也代表は次のように述べている。
------------------------------------------------
グローバル化が叫ばれる中、今後もますます英語は重要になるでしょう。英文を音読する、英会話番組を欠かさず聞く、中3の後半は英英辞典を使うなど、中学校の学習以上の日ごろの努力が重要になります
------------------------------------------------

 こういうトレーニングは毎日1時間程度やらなければ身につくものではない。そんなことを全部の中学生がしなければならなくなったら、英語のトレーニングにしっかり時間を食われてしまうから、読書量も数学の勉強時間も減っていくだろう。国家の教育戦略として本当にこんなことをしていいのか?
 「読み・書き・そろばん」は学校でやるべきだろう。話すのと聴くのは日本語では学校ではやらない。日本語でコミュニケーションしているからそれがそのまま「話すと聴く」トレーニングになる。英語はそうはいかない、日本で暮らしているのに、99%の中学生に英会話は必要がない。
 日本人が優れている分野は第一に文学、そして数学である。文学は『万葉集』と『源氏物語』を数学は和算を挙げておく、これも別稿で敷衍すべきトピックスである。日本的情緒を心に刻印し、数学に強いことが、日本の物理学や化学や生物学を支えている、なんだかその両方が危うくなるような方向転換に感じた。

<余談:論理エンジンについて>
わたしは好奇心から出口汪(ひろし)氏の著作を読み、面白そうなので小学生に2年間『出口汪の新日本語トレーニング』シリーズ6冊を授業で利用させてもらったことがあるが、一度っきりでその後使っていない。理由は受験テクニックとしては優れているが、深い読みとはまるで次元が違う方法論だからである。入試に自校作成問題を課している都立の進学校にはこれからは通用しないように感じた。
 先に紹介したところで「2次元虫瞰読み」と書いた、幅の広い教養と人間観察に支えられた「3次元鳥瞰読み」とあまりにもかけ離れていて、本の読み方がそういう狭いものではないことを指摘したかった。
 中学校では哲学を教科として入れるべきだし、高校では必修科目として哲学をとりあげてもらいたい。
 教科としての国語は教える側に哲学的な素養がないと読みが浅くなると考えるのはわたしだけだろうか?

<できのよい生徒たちを首都圏の少数の高校に集める危うさ>
 レベルアップした入試で選別して生徒を集め、教育する。それはそれで危うさもある。生物の社会は多様性で安定がえられることは生態学の常識である。地方に学力が高く幅の広い教養を有する人材が枯渇し、都会に集中する弊害は、この50年間の大規模な社会的実験で結論が出ている。
 効率よく学力の高い生徒を集めるにはどうしたらよいかではなくて、集まった多様な生徒たちを、その多様性を維持しながら、どうやって学力が高く教養に富んだ人材に育て上げるかという視点が欠落しているのではないか?



#3309 英語長文words数比較:道立高校<都立高校<開成高校 May 31, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-31


 #3707 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 7, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-07

 3707-2 他都府県の公立高校入試英語ワード数情報 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-08-1

 #3707-3 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 8, 2018
http:
//nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-08-2

 #3708 英語問題ワード数一覧表:7道都県 Mar.8, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-08-4

============================

*#2784 百年後のコンピュータの性能 Aug. 22, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-22

 #2779 『ソードアートオンライン 9 』:量子コンピュータ・オンラインゲームと心  Aug. 17, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-17-1

 #2804 『ソードアート・オンライン14』  Sep. 12, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13

 #2882 ソードアートオンライン007 マザーズロザリオ Nov. 26, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-26

 #3051 『ソードアートオンライン・プログレッシブ』001~003を読む May 31 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-05-31

 #3105 『ソードアートオンライン16』:アリシゼーション・エクスプローディング Aug.16, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-15-1


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ロボットの脅威 ―人の仕事がなくなる日

ロボットの脅威 ―人の仕事がなくなる日

  • 作者: マーティン・フォード
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
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謹訳 源氏物語 私抄――味わいつくす十三の視点

謹訳 源氏物語 私抄――味わいつくす十三の視点

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日本人は何を考えてきたのか――日本の思想1300年を読みなおす

日本人は何を考えてきたのか――日本の思想1300年を読みなおす

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  • 出版社/メーカー: 祥伝社
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新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

  • 作者: 福沢 諭吉
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善の研究 (岩波文庫)

善の研究 (岩波文庫)

  • 作者: 西田 幾多郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/10
  • メディア: 文庫


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