So-net無料ブログ作成

#3980 夕張市資産売却に関する疑惑(1) May 2, 2019 [8. 時事評論]

 残念なニュースです。

 東京都の職員から夕張市へ派遣されてきて、そして夕張市長、そして先月の道知事選で北海道知事へ、見事なサクセスストーリですが、鈴木直道夕張市政には大きな瑕(きず)ががあったようです。
 経歴から推測するに仕事の仕方がわからなかったのではないでしょうか。中国企業に手玉に取られて、まるで子ども、無邪気としかいいようがありません。普通の大人はこんな杜撰な仕事はしません。
 健全な保守主義は、正直で誠実に仕事をする人たちによって支えられるのだろうと思います。
*「 自民推薦の鈴木知事に中国系企業への利益供与疑惑 」ハーバービジネスオンライン
https://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e5%8c%97%e6%b5%b7%e9%81%93%e7%89%88%e2%80%9c%e3%83%a2%e3%83%aa%e3%82%ab%e3%82%b1%e4%ba%8b%e4%bb%b6%e2%80%9d-%e8%87%aa%e6%b0%91%e6%8e%a8%e8%96%a6%e3%81%ae%e9%88%b4%e6%9c%a8%e7%9f%a5%e4%ba%8b%e3%81%ab%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e7%b3%bb%e4%bc%81%e6%a5%ad%e3%81%b8%e3%81%ae%e5%88%a9%e7%9b%8a%e4%be%9b%e4%b8%8e%e7%96%91%e6%83%91/ar-AAAMGTB?ocid=spartanntp

------------------------------------------------

◆夕張市観光施設を格安で中国系企業に売却、その企業は転売で巨額利益!?

「北海道知事選(4月7日投開票)」で当選した鈴木直道・前夕張市長(自民・公明・新党大地推薦)に、中国系企業への利益供与疑惑が浮上している。

 鈴木知事が夕張市長時代の2017年2月に、夕張市所有の観光4施設(スキー場やホテルなど)を約2億4000万円で中国系企業「元大グループ(元大夕張リゾート)」に売却。それがわずか2年後の今年3月末、15億円でに香港系ファンドに転売されてしまった。

 売却額と転売額の差は10億円以上。もし元大グループを通さずに香港系ファンドに直接売却していれば、はるかに高値の売却収入を市は得ていた計算になる。しかも夕張市は、元大グループの固定資産税の免除もしていた。...

◆中国系航空会社が10億円で購入を希望も、市長は面談を拒否
 その後、取材を進めると「なぜ、10億円で購入する可能性のあった中国系航空会社とは面談しなかったのか」という疑問も浮上してきた。新千歳空港に乗り入れている中国系航空会社が2017年当時、市所有の観光4施設を現地視察した上で購入を検討、10億円を準備していたというのだ。中国系航空会社の関係者はこう話す。

「中国系航空会社の専務が現地視察をして、2017年1月に夕張市役所の担当者とも面談しています。市の公募参加資格に入っていた『日本国内に登記されている法人』という条件が障害になっていたので、直接交渉をしようと市長面談を申し入れた。ところが『別の企業と交渉中』を理由に拒否されました。なぜ、資本金100万円のペーパーカンパニーにしか見えない元大グループに売却が決まったのか。桁違いに資本金が多い大企業が見向きもされなかったのか、理解できない」

------------------------------------------------

 何人かの自民党道議が鈴木候補擁立に強く反対していましたね。その人たちは人を見る目が合ったということかもしれません。しかし最終的には中央の決定ということで従ってました。反対を貫いてほしかった、まことに残念です。
 鈴木氏擁立には菅官房長官の強いバックアップがあったと言われています。中央の意向は絶大です。強すぎて迷惑です。

*#3981 夕張市資産売却に関する疑惑(2) May 3, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-05-03



にほんブログ村


nice!(0)  コメント(2) 

#3967 リスク評価がない:夕張石炭博物館火災と原発事故 Apr. 21, 2019 [8. 時事評論]

 夕張市の石炭博物館の炭鉱坑内で火災が発生した。まだ、鎮火の宣言が出ていない。
*北海道新聞ニュース 4/19
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/297891
----------------------------------------
「言葉失う」市民ぼうぜん 改修後に来館者増加 夕張石炭博物館火災
【夕張】模擬坑道からは19日午前も煙が上がり続けた。火災が続く夕張市石炭博物館は、財政再生団体の夕張市が地域再生を象徴する施設として総額7億5千万円を投じ大規模改修を昨年に終えたばかり。2018年度の来館者数は予想を大きく超えた。マチの一筋の光明となっていた施設の火災に、市民らは衝撃と落胆に包まれた。…

----------------------------------------

  昨年7.5億円もかけて改修したとあるが、夕張市は財政再建団体に指定されているので、自主財源はゼロ、だから100%補助金ということ。鈴木前市長が書類を決裁したのだろう、道知事の関連書類決裁もいるし、何より政府が関与している。官邸の了解でもあったのだろうか、とにかくびっくりだ。普通は財政再建団体に石炭博物館改修の許可しないでしょ。維持できなければ消滅でいいのです。取り壊し費用を政府がもてばいいことでした。観光客が来なくていいのです。第3セクターを作り箱物とイベントにうつつを抜かして観光客を集め、財政破綻したのではなかったか。でも、言いにくいものです、「懲りたでしょ、取り壊すなら補助金降ろします」、そうではないですか。言いにくいことを言うべき人が言う。この場合なら、夕張市長、そして北海道知事、そして主管の官庁です。夕張市議会議員も道議会議員も協力したのでしょう。だれも異を唱えられなかった。戦時中、大日本報国会を組織して戦争協力した文化人たちとよく似ています。(⇒「余談」に追記しました)

 夕張市は箱物政策やイベント政策をやり放題の末に財政破綻したのにまた同じことをやっていた、それが今回の火災事故で明らかになった。

 こういう事業をやるときに、都合のよい仮定ばかり並べて、書類上では利益が出るようになっているからゴーサインがだされる。インチキですよ。改修した坑道に火災リスクがあるなんて石炭博物館の改修案には記述がなかったのだろう。あれだけ箱物行政で失敗したのに、前町長はまったく同じことをやっていたのか、性懲りもなく…。
 人口8000人の夕張市から人口5,500,000人の北海道知事にめでたくご栄転されたようだが、行政能力が町長時代と同じでは一生懸命に仕事してさらに大きな災いを引き起こします。仕事のできない者が一生懸命に仕事をしたときほど悲惨な結果はない、いくら善意でも結果はご覧の通りとなります。一部上場企業に勤務していた16年間に自分の眼で見たことがあります。マネジメント能力の低い管理職や取締役に、分に過ぎた大きな仕事を任せると100%失敗をします、あたりまえですね。失敗の責任をとって降格させざるを得なくなります。行政の失敗は首長を選出した地域の選挙民がとることになります。それを承知したうえで自民党と公明党は鈴木弘道という神輿を担いだのでしょうか?4年後の選挙ではもっと慎重に人選びをしてもらいたい。

 純真無垢という言葉の意味を考えてみます。英語でも純真無垢(inocent)というのは「世間知らずのお馬鹿さん」という意味がありますから、日本語と同じです。北海道の選挙民は「純真無垢のお馬鹿さん」だからこんな手合いにころっと騙されました。石炭博物館改修のリスク評価ができなかった新知事に、もっと大きな差し迫ったリスク、泊原子力発電所のリスク評価ができるはずがないのです。
 鈴木新知事は原発に利害をもつ者たちに囲まれて、石炭博物館のときと同じリスク無視の判断をします。選挙の時も泊原発については、はっきりしたこと言わなかったでしょう。選挙の結果に責任をもつのは道民です、推薦をした自民党でも公明党でもありません、党の方針が決まったとたんに鈴木候補になびいた道議会議員でもありませんよ、何か起きたときに被害を受けるのは道民なんです。選挙の時に鈴木道知事候補に投票した人にも、他の候補に投票した人にも、投票所に行かなかった40%を超える人にも、災害はひとしく訪れます。自然災害は、人間の思惑には関係がない、無慈悲なものです。

 いま四百年に一度の巨大地震と高さ20mの津波が根室沖でいつ起きるかわからない状態です。北海道太平洋沿岸では地質学調査でも過去5500年間に13回の巨大津波の痕跡が確認されています。東北で起きた11年前の巨大地震は、あいにくとだれも予測していませんでした。自然にはわからないことがたくさんありますが注意深くみると、海岸近くの地層には巨大地震が引き起こした津波の痕跡が砂の地層となって刻まれています。
 人間の智慧の及ぶ範囲はわずかなものですから、予想外のことが常に起きます。胆振中東部地震はCCS実験によるもので一部の学者が予測した通りでした。人為的に引き起こされる地震は予測のつくものがあります。しかり、自然が起こす地震は予測のできないものが多いのです。そして、予測街の巨大地震が起きたときには後の祭り、福島第一原発のように原子力発電所の大規模な事故へと繋がったらふるさとは元に戻らない。

 石炭博物館事業と同じことが北海道電力泊原子力発電所にも言えます。福島第一原発並みの事故が起きたときのリスク評価も具体的な避難計画もない。使用済み核燃料の廃棄方法すら確立されていないのに、そうしたリスクが評価されていません。十万年単位の使用済み核燃料保管コストを耐用年数40年の運転期間へ適正に配分したら、民間事業として採算の成り立つはずがありません。現在公表されているコストの百倍では済まないでしょうね。
 使用済み核燃料については電気事業会計規則で貯蔵品勘定で処理されているようで、廃棄に関する超長期の保管費用の引当計上の規定が同規則には規定がありません。とんでもないダブルスタンダードです。上場企業に適用されている企業会計基準や財務諸表規則にこういう抜け穴はないから、同様の処理をすれば適正な費用の引当形状がなされていないので粉飾決算になります。会計学者はこういうインチキ会計基準制定に協力してはいけません。会計学会として意見表明すべきです。参考までに電気事業会計規則のURLを書いておきますので、ご覧ください。
*http://roppou.mark-point.jp/条文/電気事業会計規則.html

 事故が起きたときの避難計画もないから、その面でもリスクは評価されていません。札幌190万市民はどこへどうやって避難するのか?子どもたちは放射能感受性が大きいから一両日中に避難を完了する必要がある。放射生物質で子どもたちの遺伝子に瑕がつけば、ありとあらゆる病気になりえます。避難が遅れたら取り返しがつかないのです。ロシアですら、バスを2000台用意して3日間で被災地域住民の避難を完了させました。いったいどこへどういう手段と経路で運ぶのでしょう?狭い国土の日本で200万人が避難できる場所なんてありません。多くの札幌市民がそのまま住み続けるしかないでしょう。妊婦も子どもも毎日内部被爆し続けます。肺から吸い込んだら放射生物質は取り除けません。肺胞にくっついて、放射線を出し続け、遺伝子を壊します。生殖細胞の遺伝子に瑕がつけば、不妊が増えます。
 自分の子や孫が内部被爆することをありありと想像してください。鼻血や下痢、慢性的な疲労感、そして数年たつと放射性ヨウ素の被爆でまず小児甲状腺癌が多発します。遺伝子が障害されたことで、さまざまなホルモン異常や精神疾患が思春期に置き、そして成人してから癌におびえなければならない。どういう癌になるかは全く予測がつきません。癌になって臓器を摘出すれば、そのあとの生活はたいへんです。同じ仕事を継続することもそして低下した体力に見合った仕事に就くこともできない。平均寿命のはるか前で寿命が尽きる人が続出します。なってからでは、後の祭りです。

 森林、畑、住宅地、川、海洋などの放射能汚染リスクも評価されていません。石狩平野はいうに及ばず、日高山脈を越えて十勝平野や根釧原野に大量の放射能が降り注ぎ、稲作も畑作も酪農も壊滅的な打撃を受けます。陸地へ降り注いだ放射性物質は川へ流れ、海を汚染していきますから、沿岸漁業もまた無事ではいられません。
 今月行われた道知事選挙で道内の農業団体と漁業協同組合がこぞって泊原発即時廃炉宣言をださなかったのがわたしには不思議です。かれらは深刻な原発事故が起きたときには甘んじてそれを受け入れるのでしょう。福島の農民も漁民も泣いてます。原発を誘致したこと自体が間違いだったと故郷を失った人たちが後悔しています。できることなら、時間を原発誘致前に戻して誘致に反対したいでしょう。

 北海道の食料自給率は200%と言われていますが、そこが壊滅的な打撃を受けたら、日本人の食糧確保はどうなるのでしょう? 米やジャガイモ、玉葱、生乳の価格は暴騰します。道内産生乳のシュアは50%を超えています。品不足から牛乳500円/Lなんてことになりかねません。
 そして200~300万人の道産子がふるさとを失うリスクがあります。わたしはいやですね。

 事故があってからの廃炉はほとんど不可能ですから、事故が起きる前に廃炉しなければいけません、福島第一原発は事故後8年たっても原子炉内の燃料デブリの処理も目途もついていないし、スケジュールすら立てられません。取り出す具体的な方法すら見つかっていません。

 道産子は、鈴木新知事を選んだことで、どういうリスクを背負いこんだのか、理解できていない。
 夕張の石炭博物館火災は道民への警鐘です、道産子のみなさん、目の前にある巨大なリスクに「ぼーっとしてんじゃないよ!」ってチコちゃんに叱られます。

<余談-1:戦時中の文化人の戦争協力と戦後の沈黙>
 櫻本富雄が戦時中の文化人の戦争賛美の文筆活動を告発しています。かれは数人にインタビューを試みていますが、共通しているのはあの時代には仕方がなかった、心にもないことを書いた。書かなければ生活が成り立たなかったというようなものです。戦争反対の発言ができなかったと当時を悔いた法学者の家永三郎を除いてどなたも反省を口にされることはなかった。「少国民」であった櫻本自身がそういう本を読み耽って航空兵(神風特攻隊)に志願しようとしました。著名な文化人の手になる文を熱心に読んで心の底から航空隊に志願しようとした自分はなんと純真で愚かだったのだろうとこのビデオの最後のところで涙をぬぐっています。有名な文化人たちが口をそろえたように政府の要請にこたえて戦争賛美の文筆活動をした、何を書いたか覚えていないと、戦後はみなさん申し合せたように口をつぐんでいます。何を書いたかまるで覚えていないという人までいました。家永三郎を例外として、みなさん口をつぐんだまま死んでいきました。家永三郎は何もできなかったことを反省して、戦後は教科書検定裁判に挑みます。
 戦時中にドイツの戦時宣伝を見習って日本では大日本報国会が組織され、文学者が戦争宣伝に協力します。菊池寛、武者小路実篤、驚いたことに与謝野晶子の名前もあります。櫻本さんは収集した戦時中の出版物を開いて紹介しています。佐々木信綱、高村光太郎、小説宮本武蔵で有名な吉川英治、児童文学者の与田準一、国民的漫画「フクちゃん」の横山隆一、女性運動家の市川房江、『橋のない川』の住井すゑも戦時中は児童文学者として戦争賛美の文筆活動をしていました。ビデオのURLを書いておくので見てください。
 哲学者市倉先生もその著『特攻の記録 縁路面に座って』の冒頭で「
海に出て木枯らし帰るところなし」という誓子の俳句を引用して特攻兵の心情を汲んだものではないと批判しています。市倉先生自身も特攻兵であり、同期の戦友たちが次々と飛び立っていったのを見送っています。市倉先生は山口誓子が少年を特攻隊志願へと煽る句を読み戦時宣伝に協力していたことを知らなかったのではないかと思います。それでも、うさん臭さをかぎ分けています。
 大政翼賛会文化部出版の『軍神に続け』という本に誓子は次のように書いています。

「山川に 泳ぎてのちの 軍神(いくさがみ)
 軍神と伊勢の青嶺いや継ぎて 神々の若木の梅のごとく散らむ」

<余談-2:靖国神社と軍神>
 軍神とはお国のために戦って死に、靖国神社に祭られることです。
 落下傘部隊員だったebisuの父は訓練地だった宮崎県の港から戦友たちが船に乗ってどこかへ行くのを、左手で敬礼して見送っています。右手は複雑骨折してあげられなかったのです。落下傘部隊は秘密部隊でした。「空の神兵」とか神話になぞらえて「高千穂降下部隊」と言われてました。だから、どこの前線へ行くのかすら同じ部隊の戦友でも伝えることは許されません。戦後、オヤジは自衛隊に勤務する義理の弟から本を贈られて、自分の部隊、戦友たちがどこで戦死したのか知ることになります。田中健一著『沖縄の空に欠ける墓標 帰らぬ空挺部隊』(原書房 1976年刊)、戦後26年も過ぎるまで知る由もありませんでした。
 見送ったのは加藤隼戦闘隊という戦時宣伝映画での降下訓練中の事故で右手複雑骨折して療養中の時期でした。だれも戻ってきませんでした。別れの挨拶は「靖国で会おう」だったそうです。
 オヤジは大腸癌の手術をした翌年に、はじめて靖国神社におふくろと一緒に参拝しています。お袋は兄が侵攻してきたソ連軍と戦って満州の荒野で亡くなっています。桜の咲くころでした、わたしは二人からどこか厳かな感じが漂ってくるような気がして靖国神社についていきませんでした。
 翌年、癌が再発して全身転移、9月に亡くなっています。癌の告知はしてませんでしたが、死期を悟って「ずいぶん待たせたな、もうすぐいく」と報告したのでしょう。
 「戦友は誰も帰ってこなかった、結婚もせずに、子どもも残さず逝った、だからあいつらの分もしあわせになり、靖国で会う。俺は女房ももらったし子どもも3人いる、幸せだ」そんなことを長男のわたしだけに何度か言い残しました。「命の要らないもの集まれ!」と落下傘部隊の募集要項に書いてあったそうです。「どうせ散るならぱっと散りましょ」と応募したそうです。合格してから部隊員には長男がひとりもいないことに気がついたそうです。軍上層部には家を継ぐ長男は落下傘部隊員に採用しないという方針があったのでしょう。
 「靖国で会おう」という一言に、命懸けの訓練を、そして寝食を共にした戦友のきずなが伝わってきました。オヤジが戦後どういう思いで暮らしてきたのかよくわかりました。

*櫻本富雄 
https://ja.wikipedia.org/wiki/桜本富雄
*櫻本富雄が戦時中に戦争賛美した文化人へのインタビュードキュメント
https://www.youtube.com/watch?v=8-dC55hmhbc&feature=youtu.be&fbclid=IwAR3uwGCyhj1oGnxYCiICzw_QmiifPZgkrY22RVwTH_nwQSRfmeaTEVPekq4

*住井すゑ『橋のない川』
https://ja.wikipedia.org/wiki/橋のない川
*与田準一
https://ja.wikipedia.org/wiki/与田凖一

**弊ブログに全文掲載 市倉宏祐著『特攻の記録 縁路面に座って』

https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/archive/c2306180343-1

*#3903 市倉宏佑著『特攻の記録 縁路面に座って』(2) : Jan. 23, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-01-23-1

*#3904 市倉宏佑著『特攻の記録 縁路面に座って』(3):「2.誓子と特攻隊」 Jan. 23, 2019

https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-01-23-2

*#3905 市倉宏佑著『特攻の記録 縁路面に座って』p.10~12 Jan. 24, 2019
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2019-01-24



にほんブログ村


帰らぬ空挺部隊―沖縄の空にかける墓標 (1976年)

帰らぬ空挺部隊―沖縄の空にかける墓標 (1976年)

  • 作者: 田中 賢一
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 1976
  • メディア: -



nice!(1)  コメント(0) 

#3946 部分最適は全体最適にあらず:カルロス・ゴーン保釈劇 Mar. 07, 2019 [8. 時事評論]

 作業着でご変装、ご丁寧にオレンジ色の反射材までついていた。弁護団の判断で、自宅を突き止められたくなかったのでやったようだ。ご本人も承諾したのだろう。背が小柄なうえに、あの変装ではまるで人間が小さく見えてしまった。スーツ姿で堂々と記者会見して自宅へ向かえば、住所は知れても、都落ちしてしまった印象はぬぐえたのでは。
 弁護士さん、すこしは頭のよい人が交代したのかと思ったら、あんな愚かな作戦を思いついて実行してしまった。それを了承したゴーンさん、もう判断力が正常じゃなさそうです。まともな経営者なら拘置所からあんな出方はしません。ビジネススーツで顔を晒して堂々と出る。
 こういうのを、「部分最適は全体最適にあらず」というのだろう。  元日産会長の威厳無し、最悪の作戦選択。
 従業員42000人の首を切り、私腹を肥やすことに一生懸命だった者の末路は哀れ。

*朝日新聞電子版より
https://www.asahi.com/articles/DA3S13922135.html
---------------------------------------------

マスク、眼鏡、作業着――。6日に保釈された日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(64)はカリスマ経営者の面影を隠すかのように、手の込んだ変装をほどこしていた。軽ワゴン車に乗り込み、逮捕から108日間を過ごした東京・小菅の東京拘置所をあとにした。
---------------------------------------------

**毎日電子版
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/ゴーン前会長、鋭い視線変わらず-変装理由は「マスコミに住居知られたくない」/ar-BBUriLJ?ocid=spartandhp#page=2



にほんブログ村


nice!(1)  コメント(2) 

#3779 オウム地下鉄サリン事件:被害者の脳幹や延髄が溶けていた July 10,2018 [8. 時事評論]

 オウム真理教の教祖の死刑が執行された。昨日東京府中で骨になったがその引き取り先でもめているようだ。
 地下鉄サリン事件で13人が死亡しているが、脳幹や延髄がドロドロに溶けていたという。検死解剖をした元東大教授石山昱夫氏から直接聞いた話を、(遠い昔に東大野球部員だった)甥のkoderaさんがブログにアップしている。

 サリンという神経ガスが体のどこにダメージを与えたのか、わたしは今まで知らなかったし、ほとんどの人が知らないだろう。オウム真理教の教祖と幹部の信徒たちはサリンを70トン*作って東京の空からばらまく計画であった。ウィキペディアによればそのための薬品材料はすでに手に入れていた。

*地下鉄サリン事件 ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/地下鉄サリン事件

 koderaさんのブログの当該記事のURLを貼り付けるので、ご覧いただきたい。
*「オウムの被害者を想う」
https://blog.goo.ne.jp/badmintonmusume/e/0207fa0e519f75beb3798cbecc2e1b72

<脳震盪は脳幹に傷をつけ、認知症の発症素因となる>
 彼が叔父さんの石山氏から聞いたことで、聞き逃してはならぬことがある、それは脳震盪に関する下記の記述である。
彼曰く、脳幹の障害はMRIで見つからないほどの微かな傷でも、酷い認知症をすぐに発生するそうです。遺体解剖でしか、その傷は見えないそうです。短い脳震盪ですら脳は傷ついている可能性があり、認知症の発生の可能性を高めるため、危ないそうです。
 ボクシングで顔面を殴られると衝撃でその都度脳震盪を起こす。頭部の骨格が揺れるのと脳が揺れる速度が異なるからだろう。ボクサーは老年まで生き延びられたら、認知症を起こすということ。知らずにやっている人ばかりではないだろか。フルコンタクトの空手もあふない。

<余談:科学鑑定と臨床検査>
 鑑定にはさまざまな理化学測定機器が用いられており、この『科学鑑定』にのそれらの測定方法や技術が紹介されている。DNA検査だけでも電気泳動法白血球の血液型による方法(HLA検査)サザンブロット法PCR(Polymerase Chain Reaction)法などが紹介されている。最初の2つはずっと以前からSRL八王子ラボでやっていた検査法だが、後者2つは1980年代後半に導入している。ちょうどその時期にラボの機器購入担当をしていたので記憶がある。
 HLA主要組織適合抗原、いわゆる白血球の血液型)検査は免疫に関する検査であり、クラスⅠ抗原、クラスⅡ抗原、クラスⅢ抗原に分かれ、それぞれが数個から40ほどのタイプに分岐するので、その組み合わせは数万を超える。だからDNA検査が世に普及するまではこれが個人の特定に最強の検査だった。臓器移植や白血病治療のための骨髄移植の際にドナーとレシピアントの組織適合性判断に使われていた。1980年代終わりごろのSRLのこの検査分野の国内シェアーは8割ほどあった。米国でこの検査は親子鑑定に数千件需要があったが、日本では親子鑑定が目的でSRLに検査依頼があったことは一度もなかった。米国からのラボ視察に訪れたドクターにそう説明したら、びっくりしていた。文化が違うのである、育てたら自分の子どもであるというのが千数百年前からの日本人に共通した価値観だった、じつにおおらか。

 万葉集802に「瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲(しの)はゆ いづくより 来りしものそ まなかひに もとなかかりて 安眠(やすい)しなさぬ」「銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も なにせむに 優れる宝 子にしかめやも」(山上憶良)とある。育てることで愛情がわいてくる、子に優る宝はないというのが日本人の情緒である。種が誰であろうと育てりゃ自分の子どもという感覚は今の日本人には理解しがたいかもしれぬが、この感覚は日本人の伝統的な性風俗と分かちがたく結びついていた。

 HIV(Human Immunodeficiency Virusいわゆるエイズ)検査はスクリーニング検査と確定検査の2段階でなされていた。スクリーニング検査で陽性反応が出るとウェスタンブロット法で確認検査をしていた。スクリーニング検査には擬陽性が含まれているので、確定検査が必要だった。あの当時で毎日1-2検体(年間500)の割合で陽性が出ていた。検査報告書は封緘されて病院へ届けられて、ドクターと患者本人以外は見ることができないようになっていた。封筒に検査報告書をいれて封をするのは単調な作業なので、この検査の報告書のためだけにフェニックスというメーカの自動封緘機を導入した。「エイズ検査室」は陰圧になっており、室外に空気が出ないようになっていた。空気感染はしないが、ワンランク上の安全装備をするというのがSRLのラボではあたりまえの思想だった。エイズ検査室では陽性検体が混ざっているという前提で取り扱っていたから、そこで働く社員たちは「ここが一番安全」と言っていた。HIV検査のための検体でなくても、その中にはHIV陽性のものが混ざっているかもしれないのである。他の検査室はHIV陽性の検体があるという感覚で検体を取り扱ってはいない、漠然とした不安はあったかもしれぬが。とにかく、検体の取り扱いは標準作業手順書に従って安全にそして慎重に行わなければならない。HIV検査を受託しだしたのは1987年ころのことである。
 サザンブロット法とウェスタンブロット法の2つがあるが、HIVの確認検査に使用されていたのはウェスタンブロット法である。ノーザンブロットとかイースタンブロット法というのは当時は耳にしたことがなかったが、いまはノーザンブロット法がある。元々は開発者の名前にサザンに由来する。そのうちにイースタンブロット法も出現するのだろう、ネーミングから検査方法を想像することはできない。(笑)
 PCR法は温度を一定時間上げ下げしてDNAを数時間で1,000,000倍に増幅する方法であるが、検査機器はいたってシンプル、温度を精度よくコントロールできればいいだけの装置である。1980年代後半とは事情がだいぶ違っているようで、性能のよいDNAポリメラーゼが開発され最近の装置では増幅時間はわずか2時間。

 統合システム開発が84年12月に8か月で終了、並行して予算編成と予算管理と固定資産管理を担当していた。1986年11月に検査試薬の価格交渉で社内出向、その後1月1日付で購買課に異動辞令がでて、機器購入担当となり、仕事柄ラボ内検査課へはしょっちゅう出向くから、すべての検査室にフリーパスで出入りができるようになった。用事があるついでに現場の係長クラスにいろいろ質問して、その人の担当している検査の要点を現物を前にしながらヒアリングしていた。使用している機械のカタログを集め目を通したし、取引業者に頼んで関連論文の写しをもってこさせた。現場で説明を聞く利点はある、モノがあると理解しやすいし、何しろ具体的な作業の様子がわかる。ラボは検査課あるいは検査係ごとに専門の職人で構成されており、検査の種類が多い(3000項目)から、検査課を横断したコミュニケーションは使う言語(専門用語)が異なるので少なくなる。だから縄張り意識も強くなり、他の検査課に立ち入ることができない。入れば、「何の用ですか?」とぶぜんとした表情でとがめられること必定、しかし、機器担当のわたしだけは例外で、どの検査課とも機器購入で購入協議書の内容を確かめたり、時に書き直しの文案を作成してあげているから。現場まで出向いて、用途やニーズを確かめたり、設置に立ち会ったり、トラブルがあると業者との間に入って調整するから重宝がられていた。検査機器開発の失敗のしりぬぐいもいくつかやってあげた。本社で統合システム開発と予算編成を担当する傍ら、固定資産台帳も担当して、自分の手で本社とラボの設備と機器の実地棚卸をして、検査管理部のH間さんに協力してもらって固定資産分類コードをつくり、投資案件も入力できるように固定資産管理システムを全面的に作り直した。ラボへ異動する前に検査機器と設備は固定資産台帳と突き合わせて全点チェックがすんでいた。固定資産台帳に5000万円で載っている特注の検査機器にブルーシートがかぶっているなんて例があった。使い物にならなかったのである。上場前に不良資産は全部処分する方針を本社経理担当役員に説明して了解をもらって、廃棄協議書を提出させて全部処分した。ラボ副所長がかかわっているものがいくつかあった、現場の担当者は大迷惑。使わない危機が狭い検査室にどんと置かれたままになって困っていた。仕様書も書かずに口答だけでやっていたら大きな案件は失敗することになる。RI部と染色体検査課に失敗した機器があった。ラボ側は本社側に失敗の報告をしたくない、開発案件に失敗はつきものだが、ちゃんとした仕様書も取り交わさずに数千万円単位の開発に着手してしまう杜撰さは上場準備上解消しておかなくてはならなかった。ちゃんとして手続きを踏んでやっていたら失敗してもいいのである。そのままでは上場審査で資産管理の不手際が問題になりかねない。購入協議書を整備し、決裁権限を定め、責任の所在を明確にした。たくさん儲けていれば、開発費に資金を潤沢に投入できる、そのころのSRLは売上高経常利益率が12%の高収益会社だったから、開発に失敗しても責任を問われることがなかった。失敗は構わぬが、上場企業に濫費は許されぬ。
 ニコンの子会社との染色体がぞ解析装置の開発は見込みがないので2000万円ほど投入したところだったが中止させた。その直後にIRSという英国企業が染色体画像解析装置を開発して虎の門病院に導入されたという話を検査管理部の機器担当者O形さんが聞き、業者を通じて染色体課長I原さんと一緒にサンプルを持ち込み実機でテストさせてもらった。開発目標にしていた1検体10分がクリアされていた。5検体を20分で処理できたのである。レンズにこだわったのが間違いだった、CCDカメラで画像で取り込むと後処理が簡単なようで、なんと自作のボードコンピュータ3枚ほどでデータ処理していた。ニコンは日本で最高の技術をもつレンズメーカであるからレンズにこだわり、レンズで画像を取り込み、当時画像解析用のミニコンでは最高性能のDECの製品を使い試作機を作ろうとしていた、開発は最初の構想から隘路に入り込んでいたのだ。英国メーカIRSの染色体画像解析装置に採用されていたプリンターも品質の高いものだった。染色体を大きさの順に自動的に並べ替えて印刷する。二十数種類のプリンタをテストして、これがベストだったとスコットランドなまりの強い英語でエンジニアが説明してくれた。自作のボードコンピュータを見て、このエンジニアの技術レベルがすぐに判断がついた、こういう人材がニコンの子会社にはいなかった。産業用エレクトロニクスの輸入商社で勤務していた時にマルチチャンネルのマイクロ波計測器の販売価格が2000万円もするので技術部で開発しようということになった。N中さんという優秀な技術者がいたのでかれに白羽の矢が立った。半年余りをかけて半田ごてでマッピングして試作機が完成すると、2台目からはプリント基板に変更、製造原価は200万円ほどに低下した。販売価格が1000万円ならマルチチャンネルアナライザーは市場を席捲できる。半田ごてで線をつないでいくマッピングでは手間がかかるから、製造はプリント基板でやるのがあたりまえ。スコットランド人のエンジニアがN中さんと同じレベルのコンピュータ技術者だと感じた。製品への信頼度がそれで一気に固まった。ドイツ人が話すようなごつごつした英語だったので余計に親しみがわいたのかもしれない。(笑)


 メーカが新しい検査機器を開発すると早い段階で教えてくれるという特別なルートも数本あったから日本初導入の機器をいくつか扱った。会社の上層部に貸しのできたところは外部にまだオープンになっていない新製品開発情報を教えてくれた。だから市販予定の大型検査機器の最終調整を八王子ラボでやってやる代わりに、半年間の独占使用を認めさせる交渉もできたし、していた。半年間の独占使用権で一気にその分野の外注検査シェアを確保してしまう。1987年ころだったと思うが、ラテックス凝集法の大型分析器LX3000の開発情報を入手できたので、市販前の問題点の確認とクリアを目的としてSRLでのインスタレーションテストをメーカ側に提案した。半年間の独占使用が条件である。快く受け入れてくれた。
 従来の方法で測定済みの検体を流してデータ比較をするとともに、電源投入直後の立ち上がりから1時間に同じ検体を再度測定してデータの再現性もチェックする。LX3000 はデータの再現性に問題を生じ、暗礁に乗り上げ、使えないという話が現場から聞こえてきたので、間に入って調整することにした。輸入商社にいたときにオシロクォーツ社の時間周波数標準機が火入れしてから1か月しないと規定の精度がでないという話を思い出した。ヒアリングしたら朝立ち上がり1時間ぐらい再現性が悪いということだったので、検査2時間前にタイマーで電源を入れてスタンバイするように変更をお願いしたら、問題がなくなった。立ち上がりの精度の悪い機械だったのである。その間にできた3か月ほどの時間を使って再現性の問題を根本的に解決するようにメーカ側にお願いした。どのように根本的に解決したのかは聞いていないが、栄研化学はSRLで数か月のインスタレーションテストでえられたデータから、問題点をすべてクリアした信頼性の高い新製品を予定通りに市販している。同じタイプだが病院で導入できるような小型のものもシリーズで出し、ずいぶん売れたようだ。RI標識の検査に比べてラテックス凝集法は特別な管理区域で実施する必要がないし、検査精度が飛躍的にアップする。検査データを利用して診断しているドクターたちとその恩恵にあずかる患者のためにも、精度の高い検査の導入努力を日々怠ってはならない。業界ナンバーワンのラボはそういうことに積極的に協力する社会的な義務を負っていると考えていた。
 栄研化学から取引契約書を取り交わしたいと申し入れがあった、何年も取引していて急な要請で、すぐに上場準備中だとわかった。同じ作業をSRLも3年前にやっていたからだ。「上場準備中だから、契約書が必要だろう?」そう告げると、「顔色を変えて、外部に言ってはいけないことになっています」と慌てていた。そのご上場準備でなにか困ったことが持ち上がり、話が聞けた。解決策を教えてあげたら、それからあとは新製品開発に関する情報が入手できるようになった。だから、インスタレーションテストを提案できた。試験が終わった後3台導入した。数年たってからラボに用事があって各検査部をまわって歩いたら、LX3000が7台くらい並んでいた。大型検査機械であれだけの台数が一つの検査室に並んでいるのはめったにない。人工透析患者に必要な血中アルミニウムの測定に使われていた原子吸光高度計とRIA検査室のRIカウンターくらいなもの。RIカウンターはアロカ社のものがそろえられていたが、ファルマシアLKBに日本仕様(10×10ラックあるいは5×20ラックだったかも、とにかく100本/ラック)のRIカウンターを製造・市販するように勧めたら、すぐに作ってくれた。SRLの社内規格(100本ラック)が実質的な日本標準規格であった。HP社の社内規格である双方向のインターフェイスバスHP-IBが国際規格GP-IBになったケースと似ている。LKBの製品はデザインがとっても見栄えのするものだった。1台だけ入れたが、数年後に見たら、全部LKBのRIカウンターに置き換えられていた。真っ白で余分な飾りのないデザインが、機能美の極致を表現しているようで美しかった。こういう美的感覚もラボの機器選定には大事な要素なのである。性能がよくて美しいものがいい、年間数千人のラボ見学者を受け入れているのだから。日本製品はこういうシンプルで美しいというところへの配慮に乏しい。

 話をLX3000に戻すが、製薬メーカ単独でこういう密度の高いインスタレーションテストは不可能である。従来の精度の低い方式での測定と新製品での並行テストを大量にやり、問題が起きるかどうかを見守ることができる。そして問題が発生すれば市販前にそれらをクリアできるのだ。メーカと国内最大手の臨床監査会社のラボとの間には共同で大きな成果を上げられるプロジェクトがいくらでも見つかる。市販してからトラブルが続出したら、次に新製品を出すときにユーザが二の足を踏む。信頼性の高い機器を発売するというのはメーカにとって重要なマーケティング戦略なのであるそこを理解して交渉すればいいだけ。もちろん機械の原理、測定方法の要点は資料見て話を聞いただけで理解できる力がなけらばならない。産業用エレクトロニクス輸入商社で五年間欧米50社の世界最先端の製品の技術的説明(海外メーカのエンジニアによる英語での新製品説明会)を毎月2製品ほど聞き続けたからできるのである。最新のマイクロ波計測器の測定原理についても技術営業向けの社内講習会が東北大学の助教授がきて毎月1回開かれていた。予算編成、経営分析と経営改革、そして統合システム開発を同時に担当していたが、面白そうなので新製品や計測技術に関する社内講習会には片っ端から参加した。そのときの専門知識の蓄積がSRLで臨床検査機器の理解にたいへん役に立った。ラボの職人さんたちとはそれぞれ数回コミュニケーションしただけで、お互いの専門知識の程度がわかってしまうので、とってもやりやすかった。
 とくに予算がらみになると、わたしがOKだすと、本社の予算管理担当役員I本さんも管理担当副社長のY口さんも「ebisuがOKを出したのなら」と一度もダメと言ったことがなかった。本社からラボへ異動したときにラボ部門の仕事が理解できない本社役員がわたしを自分たちの目や耳の代わりに利用したのである。原価低減のために検査試薬の価格交渉が必要で、ラボの購買課に任せていても埒(らち)が明かないので、価格交渉を提案すると3か月間という「社内出向」で価格交渉担当として派遣された。予定通りの価格交渉をやって検査試薬原価をカットして見せたら、そのまま異動辞令が出された。本社側の意向通りにラボを動かすには便利だったのだろう。わたしのほうも利用した、「予算についての話は本社に通しておくから任せてくれていい、通常通り検査管理部を通してやってください、そちらにも根回しはしておきます」と検査課長たちに言い切れた。金額に応じて決裁権限に差がつけられているが、このように設備投資予算や予備費からの予算振替の実質的な権限があったから、本社とラボの風通しがよくなった。ラボ側にとってはありがたいことだっただろう。


 3年間ラボの機器購入とメーカとの検査機器共同開発を担当した後に学術開発本部に異動した。本部スタッフとして開発部の製薬メーカとの検査試薬のとの共同開発案件2つを担当する傍ら、学術情報部のラボ見学のうち海外からのお客様を担当したから、その時にもラボツアーの都度、見学希望の検査課をお客様を連れて回って解説しており「門前の小僧習わぬ経を読む」のに慣れていたのである。八王子ラボで仕事をした四年半はとってもたのしく、好奇心を満たしてくれた。
 ラボの後は社内公募された新設部署である関係会社管理部へ異動したが、このときは公募の書類を人事に送付した翌日に本社から副社長のY口さんが八王子ラボまで来て「話がある」と応接室へ誘う。Y口さんは管理部門担当の副社長だから、八王子ラボには年に一度来るか来ないかの人。応接室は社内の打ち合わせに使わない、取引業者はお客様との打ち合わせのためにある、そこで話があるというのだ、異例のことだった。学術開発本部担当役員のI神さんが異動に強硬に反対して、異動できないことになるので人事異動が公表されるまで絶対に報告するなとキツイお達し。あとで公示直前に人事部門からの通知で知ることになったI神さんからキツイお叱りを受けた。副社長から口止めされていましたとは言えない。「すみません」としか言いようがなかった。学術開発本部には開発部と学術情報部と精度保証部の三つの部門があったのだが、開発部の検査試薬開発のマネジメントをできる任癌がいなかった。属人的な仕事になっていたが、PERT chartを利用して、仕事の手順を標準化して相互に進捗具合が確認できるように変えた。慶応大学病院のドクター数人と出生前検査MoMの日本人基準値の共同研究のマネジメントもしていたし、臨床病理学会の櫻林先生と検査項目コードの日本標準制定のプロジェクトにも異動の前からかかわっていた、かかわっていたというよりも、臨床診断システム事業化案をつくり、10個のプロジェクトに分解、そのうちのひとつが臨床検査項目コードの日本標準制定で、臨床病理学会の臨床検査項目コード検討委員長の櫻林先生を大手6社の項目コード検討会に引っ張り出したのはわたしだった。海外のお客様のラボ見学対応もあったから、これらの仕事を一人でできる人材がいなかった。だから、副社長は上司のI神取締役に社内公募に応じたと話してはならないと口止めしたのである。この新設部門である関係会社管理部への公募については別途経緯があるが、別のところで書いた。やむにやまれぬ事情がわたしのほうにはあった。
 新設部署にとってわたしのスキルは二つの点で重要だった。一つは経営管理系情報システムの開発経験者としてのスキル、もう一つは経営分析と経営改革スキルだった。この部署へ異動してから子会社の経営分析と臨床検査会社の買収や資本提携のための資料分析と経営改革案作成と実際の交渉を担当して、資本提携先へ役員出向することになるのである。このときは5ディメンション25経営指標のレーダチャートによる総合偏差値評価方式を開発して、画期的な子会社業績評価システムを作った。一つの経営改革モデルと言って差し支えないだろう。関係会社管理部にいたおかげで千葉の子会社のラボシステム開発も親会社側という立場で担当できた。生産性を2.5倍にアップする目標をクリアした。システム開発スキルと経営計画のシミュレーションスキルがこの仕事で役に立った。この経験を通して国内の赤字の臨床検査会社はどこでも黒字化できるノウハウが身についた。生産性を3倍にアップできたら業績は劇的に改善できる。赤字会社は高収益会社へ化ける、実績が出るとボーナスが跳ね上がるからそれを手にした社員のやる気もまるで変ってしまう。こういう時は5年の長期計画シミュレーションを稟議書に添付しており、実績が初年度からそれを上回るので、社員に自信と安心感が生まれる。
 関係会社管理部で北陸の臨床検査会社の買収と福島県の臨床検査会社への資本提携交渉を担当し、福島県の会社へ役員出向することになった。3年の約束のはずが、黒字化の経営改革案をつくって親会社社長と副社長の了解をとり実行しようとしたら、15か月で本社に呼び戻された。F田社長は福島県の臨床検査会社を高収益会社にしたくなかったのである。そうなれば子会社化してその会社の社長をSRL本社役員に据えなければならなくなる、それが嫌だったのだろう。毛色が違っていた。出向解除と引き換えに異例の3部署(社長室、経営管理部経営管理課、資材部)兼務異例が出た。後にも先にもほかに3部署兼務の例はなかった。意に添わぬ人事があったので、半年ほどで無理やり本社勤務を解いてもらい、一番古い子会社東京ラボへ出向した。本社の仕事が楽すぎてつまらなかったこともある。SRL東京ラボへは経理部長として出向したが、すぐに経営企画の仕事も兼務することになった。ラボ建物が老朽化していて危険だったのでラボ移転を計画し、親会社を含めたラボの再編構想を練り、あと3か月ほどで具体案に練りあがってから東京ラボのM輪社長と一緒に親会社のK藤社長に相談に行こうとしていたところだった。そこへ突然の異動発令があった。帝人との合弁会社の立ち上げが新聞公表スケジュール通りにいかなくなったので、担当しろと本社社長のK藤さんから直接の指示。東京ラボのM輪社長、社長室にわたしを呼んで「K藤社長の直接の指示だからノーと言えない」とがっくりした様子。東京ラボの移転も親会社を含む首都圏のラボ再編構想も雲散霧消となった。
 そういう経緯で11月から合弁会社立ち上げのプロジェクトに参加することになった。帝人との合弁会社は1月のスタート・スケジュールだったから立ち上げまで3か月。半年前からプロジェクトが走っていたが、暗礁に乗り上げ、メンバーの一人、W辺が、「スケジュール通りにやれるのは社内にはebisuさんしかいない」と発言したと本人、それでお鉢が回ってきたらしい。「そういうときは事前に相談しろ」と叱っても手遅れ、「SRLグループ企業全体の未来を左右する大きな構想の仕事が走っていたんだ」と笑うしかなかった。臨床治験の合弁会社で、帝人と出資比率は半々、役員も半々、K藤社長の指示は三つ、じつに明快だった。
 ①赤字部門の合弁会社だからその黒字化、そして②帝人の臨床検査子会社の買収、③合弁解消しSRL100%とするという三項目、これを3年間でやり遂げること。「やれるか」と念を押すので、「合弁会社経営に関して全権をいただきやりかたを任せていただけるなら、期限内にクリアします」と応えると「わかった、任せる」と二つ返事。これが最初のプロジェクトミーティングに参加するために本社建物のエレベータ前で外出しようと出てきたK藤社長との会話である、決断の速い人だった。
 そういうわけで11月にプロジェクトに参加、両社の保管しているファイル資料の棚卸をすぐにやりながら、不動産会社に物件を大急ぎで探してもらって、予定通り1月に日本橋本町のビルに本社と検体の分離ラボを設置、稼働した。3年の約束だったが、これも期限前(二年目)にすべてクリアした。合弁解消の時に、帝人のI川常務から「いままで合弁会社がうまく行ったためしがなかった、赤字が膨らんで帝人側が引き取っていた、こんなケースは始めてだよ、次の社長はebisuさんがやれ」と言われた。わたしは帝人の本社役員からいくらか経営手腕を買われていたようだ。
 三つ目標をクリアしてすることがなくなった、あとは誰でもできる、そういう時に、再度誘いを受けた。以前から老人介護・医療に興味があり、病院を中心に老健施設・ナースステーション・有料老人ホームなどを配置したシームレスな介護を夢見ていたので、首都圏の300ベッドの老人病院の病棟建て替えの仕事を依頼されたのを機会に、常務理事として10年間仕事をする契約で引き受けた。年収1800万円で10年契約、転職に当たっては契約書を取り交わした。16年間のSRLでの仕事にこうして終止符を打った。人生の残りの1/3は儲け仕事ではなくて、故郷に戻ってなにかするつもりであったが、まだきっかけがなかった。人生を勉学の時期、一生懸命に働く時期、社会的な貢献の時期と漠然と三つにわけていたから、50歳くらいで故郷に戻るようなきっかけがでてくるような気がしていた。それは少し遅れてやってきた。

 SRLでのスタートは上場準備のための統合システム開発担当と全社予算編成と管理の実務担当責任者だった。こういう一見してめちゃくちゃな異動は前にも後にもない。3分野あるいは4分野にわたる専門家は社員が千人いても一人しかいない。そして現実の経営上の難問題はつねにいくつもの領域にまたがっている。難易度の高い仕事がしたかったら、いくつもの専門分野をもて!

 実際の科学鑑定はつねにあたらしい検査方法と技術の習得との戦いでもあり、そういう視点でこの本『科学鑑定』を読むのも楽しい

*サザンブロット法
https://ja.wikipedia.org/wiki/サザンブロッティング

 PCR法 ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポリメラーゼ連鎖反応

 HLA検査 SRL検査案内より
http://test-guide.srl.info/hachioji/test/detail/01284A101
 HLA検査 ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒト白血球型抗原



     70%       20%      
 日本経済 人気ブログランキング IN順 - 経済ブログ村教育ブログランキング - 教育ブログ村

 石山昱夫著『科学鑑定』文春新書


科学鑑定―ひき逃げ車種からDNAまで (文春新書)

科学鑑定―ひき逃げ車種からDNAまで (文春新書)

  • 作者: 石山 いく夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1998/11
  • メディア: 新書



nice!(1)  コメント(4) 

#3760 トホホな話:KKR札幌医療センター1億円の消耗品横流し Jun. 20, 2018 [8. 時事評論]

<更新情報>
6/22朝7:41 末尾に翌日の新聞記事詳報に関する追記
6/22 18時40分 在庫管理システムについて追記


KKR札幌医療センターで3年間で1.1億円もの事務用消耗品横流し発生。
--------------------------------
病院側の事件告知
https://www.kkr-smc.com/web/news/details/post_13.html
--------------------------------

 上場企業ではこういう杜撰な管理は考えられません。部門別・費目別・月別に予算管理しているので、数十万円単位で異常があればすぐにピックアップできます、たくさんの株主からお金を預かって運営しているのですから、あたりまえですね。
 おそらくそういうシステムがなかったのでしょう。事務用消耗品の在庫棚卸も毎月やるので、こちらの点からもすぐに発見できます。大きな差異が見つかれば消耗品在庫管理担当部門は報告義務があります。1年にもわたって棚卸差異が続くようなことになれば、翌年は担当責任者が変更になります。
 この事件から見えるのは、病院運営管理の杜撰さです。

 病院会計システムは入院病棟別・外来診療部門別予算管理の仕組みをもったものがあるのかな?ふつうはコスト管理上必須のアイテムなのであるはずですが、この事例を見るとあやしい。
各自治体病院も同じことが言えるかも。釧路市立病院や根室市立病院は大丈夫かな?

<道新ニュース>
備品盗んだ疑い、元病院職員の男逮捕 被害額1億円超 札幌豊平署
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/201212


 株式会社の上場審査基準は会社として当たり前の項目が並んでいるだけ。たとえば、こういう横流しが発生しても年度をまたいで繰り返されることがありませんし、月別・部門別・費目別の予算制度も求められます。事務用品の在庫金額が大きい場合には毎月実地棚卸が求められるので、たとえばトナーカートリッジが10本棚卸差異があると、すぐに調査がなされ、適切な対処がなされます。予算と実績値に大きな差異が生じたら、その部門の責任者は予算管理部門へ報告義務があります。報告がなければ、予算管理部門から調査報告を上げるように指示がなされます。

 410ベッド、職員数786人の立派な総合病院ですが、いったいどういう管理しているのでしょう?
経営面のマネジメントがお留守になるのは、赤字になってもその分の埋め合わせがなされる経営形態の病院に共通しているかもしれません。
 この病院の経営母体は国家公務員共済組合連合会です。

 病院会計システムについて知識のある方は投稿欄に情報提供お願いします。予算制度がどのように仕組まれているのか実際のところを知りたいのです。⇒ 書き込みがありましたので投稿欄をご覧ください

-------------------------------------------------
<6/21 午後3時追記>
今朝(6/21)の道新によれば、消耗品は業者が都度納入して請求しているだけで、在庫管理がなされていなかった。推測通りでした。取材して記事を書いた記者さん、お手柄、いい記事でした。

在庫管理がなくても、月別・部門別・費目別の予算管理がなされたいたら、すぐに気がつきます。両方が欠落した場合にこういう事故あるいは犯罪が生まれます。ちゃんと管理していたら犯罪者を生み出さずにすむのです。
結論を言うと、この病院マネジメントがまったくのお留守です。病院会計に関するパッケージ・システムの問題(月別・部門別・費目別予算管理の仕組みの欠如という問題)なら、釧路市立病院も根室市立病院も同じ問題を抱えているでしょう。
受入と払出の記帳と毎月月末に実地棚卸で帳簿残数量を確認すればこのような不祥事は簡単に防げます。ようするに消耗品の在庫管理を徹底するということ。並行して予算制度もチェックしたほうがよろしい。

-------------------------------------------------

<在庫管理用パッケージシステム>
-------------------------------------------------
100万円以下で在庫管理システムがありますね。
300ベッド以上なら、こういうものを消耗品管理用に導入すればいい。パッケージに何も加えずにそのまま使うのがコツ。むずかしいことはありません。
在庫管理担当者を決めて、在庫保管室には鍵をかける。出し入れは在庫管理担当者だけが行う。払出票を使って行い、月に一度実地棚卸をする。

<在庫管理システムのランキング>
https://it-trend.jp/award/2017/inventory_control?utm_source=yahoo&utm_medium=search&utm
-------------------------------------------------


にほんブログ村

nice!(1)  コメント(7) 

#3759 ブロック塀倒壊と圧死について:無関心と想像力の欠如について: Jun. 19, 2018 [8. 時事評論]

<大阪北部を震源とする直下型地震で塀が倒壊>
 M6.1、震度6弱の地震でブロック塀が倒壊し小学生が圧死した、なぜ?

 無関心と想像力の欠如、過剰なコスト意識の三つが招いた人災といってよいのだろう。

 昨日(6/18)道新夕刊の1面に倒壊現場、高槻市立寿栄小学校プール脇のブロック塀の写真が載っていた。2mほどのコンクリート塀の上に8段のブロック塀がつぎ足されていたようだ。塀の高さは3.5mある。建築基準法違反だそうだ。
 グリーンで舗装された歩道に覆いかぶさるようにつぎ足されたブロック塀が倒れているが、ブロック最下段には10㎝ほどの長さの鉄筋がたくさん見えている。既存の鉄筋コンクリート塀に穴をあけて鉄筋を埋め込みその上にブロックを載せて工事したのだろう。おそらくその鉄筋はブロック最上部まで延びている。わずか10㎝、既存の塀の上部に穴をあけて鉄筋を埋め込んだだけで地震があったらもつわけはないことは、施工業者も発注した側も、当時の小学校の先生だって朝工事現場を通って校門をくぐるのだからわかったはず。なのに、だれも指摘しなかった。
 まともなことを指摘するとヘン奴と思われかねない風潮があるのは事実だろう。しかし、ほんとうのところは、だれもそうした地震による倒壊と自分のところのブロック塀を関連付けて考えなかった、最悪の事態を想像できなかったということではあるまいか。そして安く済ませようとした

<鉄筋コンクリート製の頑丈な塀にした経緯>
 30年前にオヤジが家を郊外に建てた。店舗と住宅を別にしたいとおふくろの従来からの希望だった。
建てたのはいいが、角地だから庭を中学生や高校生が横切って歩くので、オヤジが塀を回すという。たまたま東京から帰省した時にそんな話をするので、通学路なのでブロック塀は地震に弱くて危険だからダメという話をした。地震でブロック塀が倒壊したというニュースを何度か目にしていたからである。オヤジも知っていた。
 オヤジはすぐに聞き入れてくれて「鉄筋コンクリート製の倒壊しない丈夫な塀」を大工さんに造ってもらった。高さ140㎝の塀だが、下に同じくらいの深さまで基礎が埋まって太い鉄筋が縦横にしっかり入れてある。家が倒壊しても塀は大丈夫だ。もちろん相応のお金をかけた。こういうところをケチってはいけない。家は中学校の前、小学生の通学路にもなっている。

<小中学生へのオヤジの特別な思い>
 元落下傘部隊員だったオヤジは還暦を迎えて一輪車に乗り始めた、本を取り寄せて独習して乗りこなせるようになり、孫たちや小学生に教え始めたが、体協の資格がないとダメと言われて、試験を受けて体協指導員の資格を取った。数人の先生たちが応援してくれた。市街化地域の2小学校にそれぞれ一輪車を十台くらいずつ寄付して、子どもたちに一輪車の乗り方を教えたようだ。
 だから、「通学路だから地震に弱いブロック塀はダメ」というわたしの意見ににっこり頷いて、すぐに大工さんに手配したのである。他人(ひと)にはやさしいオヤジだった。祖父が飲む・打つ・買うの三拍子で、明治の終わりごろに50万円もあった財産を使い果たした。そして住む家さえ失い、長屋住まい、貧乏のどん底で苦労したからだろう。苦労は人を磨く。

<四百年に一度の根室沖巨大地震と津波は明日かもしれない>

根室は四百年に一度の大津波を伴う地震の危険期間に入っている。根室沖を震源とするM9クラスの地震がいつ来ても不思議ではない。
 大阪で直下型地震、高槻市の小学校のプールの塀が歩道側に倒れて、小学生が下敷きになり心肺停止状態、なんと悲しいことよ、予防は可能だったはず、抜いてはいけないところの手を抜くからこういうことになる。事故でも天災でもない、人災である。
 こうしたことが根室沖巨大地震ではないことを願う。

<ふるさと納税は全額災害に備えて積み立てよう>

 ふるさと納税はあぶく銭である。根室沖巨大地震はいずれ起きる。その時に備えて資金をためなくてはならない。1円も使ってはならぬ。9月に市長選挙があるが、災害に備えて全額備蓄するという候補者があれば、応援したい

*「大阪震度6弱:ブロック塀危険性 外部専門家が2度指摘」6/22
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/大阪震度%EF%BC%96弱ブロック塀危険性-防災教室講師が%EF%BC%92度指摘/ar-AAyZiDn?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp#page=2


 *写真はポインターを写真において、左クリックしたまま左右どちらへ引っ張っても全画面がでます。

DCF00006-1.jpg

DCF00007-1.jpg

      70%       20%      
 日本経済 人気ブログランキング IN順 - 経済ブログ村教育ブログランキング - 教育ブログ村

<>
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180621-00000111-asahi-soci.view-000




nice!(0)  コメント(2) 

#3753 何億年もの命の連鎖とマイクロプラスチック問題 Jun. 10, 2018 [8. 時事評論]

 ペットボトル、レジ袋、様々なプラスチック容器とプラスチック製品が溢れている。生産されたものは捨てられ、川を通じて海へ流れつき、紫外線で劣化してバラバラになり5mm以下のマイクロプラスチックへ、そして海を漂い、様々な生物がそれを呑み込み死んでいっている。波に揺られ紫外線によってさらに微小化が進み、小魚の体内へ蓄積され、それを中型の魚が食べ、大型の魚がさらに捕食する。最後は人間が食べて自らの体内へ蓄積することになる。

 微小化が進めばマイクロプラスチックがいずれ腸壁を通過して血管へ入り込むことになる、細胞に取り込まれたら何が起きるのか誰もわからない、脳の毛細血管を塞ぎ脳梗塞を起こす可能性だってある。ベンゼン環をもつ化学部質が体内へ取り込まれたら内分泌攪乱物質として作用し、遺伝子を破壊して癌を発生させるということは、結果が出るまで人類はわからなかった。マイクロプラスチックも人間の体内に取り込まれたときにどのような作用を及ぼすかはまったく分かっていない。

 人の情緒へは影響がないだろうか?人間の心のセンターである情緒が壊れているのではと思わせるような事件が続発している。福島第一原発事故でばらまかれた放射能の影響だとしても、誰もその因果関係を証明することができない。
 5歳の船戸結愛ちゃん虐待殺人、新幹線でいきなり刃物で赤の他人に切りかかる人、障碍者施設へ侵入し十数人を殺害した人。頻度がだんだん大きくなっているような気がするのはわたしだけだろうか?


 原発事故による放射能汚染、マイクロプラスチック汚染の進行、人類は自らを被験者として壮大な実験をしている。

 月の兎という仏教童話がある。旅の僧がひもじい思いをして焚火にあたっている。そこへ兎がやってきて焚火に身を投ずるのである。なにも供養をするものがないから、どうかわたしを食べてくださいと言い残して火の中へ。僧侶の命は兎の命をいただくことでつながれる。
 生物は何億年のときをかけて、こうして他の生物の命をいただくことでつながってきたのである。壮大な命の連鎖に思いをはせるとき、その連鎖を根底から破壊しかねない放射能汚染やマイクロプラスチックの脅威に日本人はいま何をすべきなのか、考え抜き、やるべきことを見出し、迷うことなくやらなければならない。
 日本人は鎮守の森を守り、周囲の生物と調和しながら1万2千年もの間、日本列島で暮らしてきた。そうした伝統的な生活スタイルに立ち戻るべきではないのか?環境負荷を極限まで小さくするようなライフスタイルは江戸時代にはあった。現在の技術を使えば、別次元でそうしたライフスタイルを再設計し再構築できるのではないか。

 ガラス瓶に関する標準規格を制定し、ペットボトルや缶の飲料をリターナブルなガラス瓶で置き換えることぐらいは2年の準備期間があれば実現できるだろう。50年前にはペットボトルなんてなかった、飲料はガラスの瓶で売られていた。レジ袋だって廃止できる。人間は便利さを追い求めすぎた。当代のわたしたちにできることから始めるべきだ。
 そういうことを一つ一つ進めながら、50年後に人口が半分になったときを想定して、さまざまなインフラを縮小し、社会の仕組みを再デザインし、現実のものとするぐらいの叡智はわたしたちにはまだある。

*https://www.msn.com/ja-jp/news/national/日本の海が危ない%ef%bc%81-日本の海を覆い尽くす世界の27倍もの「マイクロプラスチック」問題/ar-AAyr1IY#page=2

*#2349 七夕の朝の朗読 「月とウサギ」(仏典童話より) July 7, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-07-07


      70%       20%      
 日本経済 人気ブログランキング IN順 - 経済ブログ村教育ブログランキング - 教育ブログ村

nice!(0)  コメント(0) 

#3752 白銀も金も珠も...:幼児虐待殺人事件と万葉の心  Jun. 10, 2018 [8. 時事評論]

 5歳の幼児虐待殺人事件が起きた。殺された子どもは連れ子、再婚相手の男が虐待を繰り返して殺してしまった。死に至るまでの経緯がテレビでもなんども報道されている。男と女がくっつくのは自然の摂理だ、誰もそれをとがめられぬ。
 女に子どもがいたら、その子も愛してやるのが男の器量であり、人としての優しさである。血のつながった父親と会えない悲しさを胸に秘めた子を愛せないような男なら、セックスの相性がよくても女はその男と一緒に暮らすべきではない。憐憫の情さえもてぬ男と一緒になって幸せがあるだろうか?

 白銀(しろかね)も 金(くがね)も珠(たま)も なにせむに 優れる宝 子にしかめやも
(銀も、金も珠玉も、どうして、子に優る宝といえよう 子に及ぼうか)
  803 山上憶良

 1300年前の日本人の魂には子どもに対する無条件の慈しみがあったし、それに共感する人々が多かったからこそ、このような短歌が万葉集に載せられたのだろう。日本人の代表的な情緒のひとつであり、そうした情緒をわたしたちは受け継ぎ守り育ててきたはずだった。

 
血のつながった自分の子さえかわいい、ましていま愛している女の連れ子がかわいくないはずがあろうか、そういう心になれないならセックスの相性がよくても男は結婚してはならぬ。幸せの訪れるはずがない。

 死に至らぬまでも、虐待を受け、声を上げられずにいる子どもたちが数百人単位でいることをこのニュースはわたしたちに知らせ、警鐘を鳴らしている。
 周りの大人に悲しみを訴えられずに、助けてと声も上げられずに亡くなった幼子へ思いをはせよう。

毎日新聞ニュースより(一部分転載)
https://mainichi.jp/articles/20180609/k00/00e/040/258000c
------------------------------------------
 東京都目黒区のアパートで両親に虐待された末に死亡した船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)は、ひらがなの書き取り帳に「反省文」を残していた。衰弱した小さな体で、何を思い書いたのだろう。その文章が多くの人の心を揺さぶっている。…

<日付不明>  ママ、もうパパとママにいわれなくてもしっかりと じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください おねがいします ほんとうにもうおなじことしません ゆるして

<日付不明> きのう ぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす

 これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだからやめるので もうぜったい ぜったいやらないからね わかったね ぜったいのぜったいおやくそく あしたのあさは きょうみたいにやるんじゃなくて もうあしたは ぜったいやるんだぞとおもっていっしょうけんめいやって パパとママにみせるぞというきもちで やるぞ 

------------------------------------------

 幼子は親に愛されたくて、愛してほしくて、必死に努力していた。どうしてこの思いをうけとめられなかったのか。いまあの男と女が心の底から悔いていると信じたい。


<余談:人の生き方を問う仏教説話>
 お馴染みの月と兎のお話です。

*#2349 七夕の朝の朗読 「月とウサギ」(仏典童話より) July 7, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-07-07


      70%       20%      
 日本経済 人気ブログランキング IN順 - 経済ブログ村教育ブログランキング - 教育ブログ村

nice!(0)  コメント(2) 

#3747 ソクラテスの裁判と森友文書改竄事件 May 31, 2018 [8. 時事評論]

 佐川元理財局長以下、38名の財務省職員が不起訴処分になった。公文書は一文字たりとも変えてはいけない、手を加えたら公文書偽造にあたるが、300か所も手を入れても「国に損害を与えたとは言えないので」大阪地検は罪に問えないという。損害の有無ではなく、改竄や偽造があったかなかったかが要件ではないのか、不思議なことがまた起きた。理を外れた弁に聞こえる。

 この国の裁判制度がどういうレベルか、2400年以上前に古代アテナイの都市国家でなされたソクラテスの裁判と比較してみたい。
 『百%の真善美 ソクラテスの裁判』の著者である遠藤利國さんは、本の末尾の「エピローグ ソクラテスの遺したもの」にこの本を書いた2番目の理由を次のように述べている。
---------------------------------------

 第二の理由は、この裁判の持つ今日的な意味である。この裁判の経過について多少なりとも通じている人は、その自由で開かれた裁判の在り方に驚嘆の思いを抱くことだろう。これが二千四百年以上も前に行われた裁判なのである。今日国連加盟国は二百カ国ほどあるだろうが、、その中で裁判制度がこのレベルに達している国がどれほどあるだろうか?おそらくその1割、つまり二十カ国にも満たないのではないだろうか。
 内戦に明け暮れしている発展途上国、宗教やイデオロギーが支配する独裁政権は無論のこと、安全保障理事会の常任理事国の中にさえ、古代アテナイの裁判のレベルに遠く及ばない国があるのが、今日の世界の現状なのである。もっとも、そういう我が国も、百年前の大逆事件を例にとるまでもなく、太平洋戦争の敗戦で消滅した大日本帝国時代の裁判のレベルは古代アテナイに遠く及ばず、先進国並みの裁判制度の透明性を維持できるようになったのは、近々数十年の話なのである。
 では、なぜ及ばないのか。何が異なるのか。
 古代アテナイの民主性も、後の共和制ローマも、貴族と市民が王を追放して、成立させた政治制度である。つまり、それは社会正義の在り様を特定の王やその取り巻き集団の利 interest ではなく、社会の多数が納得できる理 reason をもとにして追求しようとする社会であった。詳しくは『漫言翁福沢諭吉ー時事新報に見る明治』(未知谷)の第二章を参照していただきたいが、そうした社会正義の在り様が大小さまざまな社会制度の違い、ひいては国としての発展の基礎となって現れるのであって、先に述べたアテナイの裁判のレベルをクリアした先進国と、それ以下の後進国との違いはこの社会正義のとらえ方の違いに基づくともいえるのである。p.145


---------------------------------------

  後段の太字の部分はそのまま今日の日本、大阪地検の「嫌疑不十分」を理由とする不起訴処分に重なる。

<余談>
 この本は150頁ある。文体が語り口のように流暢で、とても読みやすい。遠藤さんは哲学者である。国学院大学で15年間ソクラテスの裁判をテーマに毎年講義を繰り返した成果がこの本。かれは早稲田大学大学院哲学研究科、樫山ゼミ出身である。読めばわかるが、視点の置き所がユニークで異色のライターといってよいだろう。院生時代の彼は一風変わっていた。哲学をやるのにギリシア語の勉強をしていた。ギリシア哲学の基礎概念は日本語や英語では理解できない部分がある。あの時代の院生でそこまで徹底する者はいなかった。
 専修大学の哲学の教授をしている伊吹氏は市倉ゼミの同期である。かれは哲学のほうの本ゼミ、わたしは学部を超えた「一般教養ゼミ」、三年間市倉先生に学んだ。
 当時早稲田大学大学院樫山ゼミでテクストに取り上げたのが市倉宏佑教授の翻訳『ヘーゲル精神現象学の生成と構造』上下の2冊本である。あれを読みこなすせるのは哲学科の学生でも一握りのトップレベルの層のみ、なかなかたいへんな研究書です。別の意味でもっと大変なのが毎日出版文化賞を受賞した『アンチオイディプス』、この本は哲学の素養だけでは翻訳できないでしょう、哲学と経済学の両分野に渡っています。そういう意味では4年間だけ存在した学部を超えた理想郷「一般教養ゼミ」の延長線上のお仕事だったのではないかと思います。『資本論』全巻とグルントリッセ(『経済学批判要綱』1-3分冊)を読みました。
 学部の午後からのゼミの時に、市倉先生が眠そうな顔をしていたことがあったので訊いたら、「イポリットの著作の翻訳作業をしていたら朝になっていた」とおっしゃった。

 わたしは商学部会計学科から大学院経済学研究科へ進学したから、遠藤さんは渋谷駅前にあった進学教室の三年間はわたしが哲学者の市倉先生のゼミだとは知らなかった。ブログを書き始めてから遠藤さんがメールをくれて、お付き合いが復活した、メールで樫山ゼミで市倉先生が翻訳した『ヘーゲル精神現象学の生成と構造』を読んだと聞いて、「わたしは学部時代は3年間市倉ゼミです」と言ったら驚いていた。かれは青春の熱い時代を共有した旧友なのである。
 東京渋谷駅前にあった進学教室で一緒に三年間だけ専任講師のバイトをしていた。授業のない時間の「職員室」はまるで梁山泊だった。専門分野の異なる専任講師たち数人で雑談や議論していることがよくあった。大学院では経済学研究科はその分野の専門家だけが集まり、他科との交流はない。哲学研究科もそうだ。ところが、その塾の専任講師には様々な分野の人がいた。理系の大学院生や東工大出の1級建築士など、実に多彩だった。ああいう空間がいまはもっと必要なのではないか?

*#2006 Eさんの新刊書『漫言翁 福沢諭吉 時事新報コラムに見る明治』 July 10, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-10

 #2044 『漫言翁 福沢諭吉 時事新報コラムに見る明治』 (2)  Aug. 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-08

 #2254 『漫言翁 福沢諭吉・・・』 (3) Apr. 2, 2013 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-02

*#1823 激烈な競争から這い上がれ:団塊世代の友人からの手紙 Jan. 31

*#1025 『明治廿 五年九月の ほととぎす 子規見参』 遠藤利國著 May 10, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-10

  #1030 『nationalism とpatriotism』 May 17, 2010
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17


  #1362  『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む:パイオニア 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30-2

  #1366 『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む (2) : 学問の楽しさ Feb. 2, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

  #1368 『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む (3) : 学問の楽しさ Feb. 3, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03-1

 #1823 激烈な競争から這い上がれ:団塊世代の友人からの手紙 Jan. 31, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-31

  #1972 "Not a mimute too soon" :掛詞 June 12, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-12-1

  #1993 掛詞(2) 子規は? July 1, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-01-1



      70%       20%      
 日本経済 人気ブログランキング IN順 - 経済ブログ村教育ブログランキング - 教育ブログ村


百%の真善美―ソクラテス裁判をめぐって

百%の真善美―ソクラテス裁判をめぐって

  • 作者: 遠藤 利國
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2013/02
  • メディア: 単行本

 

漫言翁 福沢諭吉―時事新報コラムに見る明治

漫言翁 福沢諭吉―時事新報コラムに見る明治

  • 作者: 遠藤 利國
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2012/07
  • メディア: 単行本

続 漫言翁福沢諭吉―時事新報コラムに見る明治 政治・外交篇

続 漫言翁福沢諭吉―時事新報コラムに見る明治 政治・外交篇

  • 作者: 遠藤 利國
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2014/09
  • メディア: 単行本

ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈上巻〉

ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈上巻〉

  • 作者: イポリット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1972/10/30
  • メディア: 単行本
ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈下巻〉

ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈下巻〉

  • 作者: イポリット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1973/05/30
  • メディア: 単行本

アンチ・オイディプス

アンチ・オイディプス

  • 作者: ジル・ドゥルーズ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1986/05
  • メディア: 単行本


nice!(0)  コメント(0) 

#3723 ジャズの街PR推進委員募集について:私の意見 Apr. 15, 2018 [8. 時事評論]

<最終更新情報>
4/16朝8:50追記 
    11時 #3724のURL貼り付け


 真夜中から雪に変わった。8時の気温は0.5度、積雪深5㎝である。根室は春の雪に見舞われている。五月の連休に雪が降る年もたまにあるから、やっかいだ。冬タイヤを外すタイミングに迷う人が多いだろう。週明けに夏タイヤに変えるつもりだ。

 根室市が「ジャズの街PR推進委員」を募集している。ジャズが根室の文化遺産だからそれを継承する必要があるので、PR推進委員を募集していると北海道新聞に2度載った。理由は拠点となっているサテンドールの経営者が高齢となって店を閉めるから
 昨夜ある方からメールをいただいた。かりにAさんとしておこう。わたしの記事への異論が書かれていたので紹介したい。並べてみることでまた違った全体像が見えてくることがある。
 喫茶店を継承するかしないかは応募者の選択に任されているというのがAさんの異論である。Aさんは北海道新聞根室地域版の記事を読めない地域に住んでいるから、募集要綱を見ての判断だろうと考えた。言っていることが新聞に載っていた記事とはずいぶんニュアンスが違うので、念のために市役所ホームページの応募要項を確認した。
 「事業の背景説明」は次のようになっている。
*http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/material/files/group/2/bosyuu.pdf


-----------------------------------------
…そんな根室の文化の一つがジャズです。「ジャズの街・根室」とも言われ、日本を 代表するジャズプレイヤーを招いてコンサートを開くなど、その活動を支えるネ ムロ・ホット・ジャズ・クラブの活動拠点となっている老舗ジャズ喫茶「Satin Doll サテンドール」は、1978 年の創業以来、全国のジャズファンにスイングと潮風の コラボレーションを届けてきました。日本ではかつて多くのジャズ喫茶が営業し ていましたが徐々に姿を消し、数々の歴史を刻んできた「最東端の街・根室」の ジャズ喫茶も 40 年を経た現在、店主の高齢化により事業の継続が困難となってき ました。  本事業は、存続の危機にあるジャズ文化発信拠点とその文化的価値を遺し伝え るため、ジャズ文化の承継や根室への移住を望む起業希望者を「地域おこし協力 隊員(根室市 Jazz の街 PR 推進員)」として全国から募るとともに、「クラウドフ ァンディング型ふるさと納税」を活用し、この取組みに共感する全国の方からふ るさと納税を募り、起業希望者に対し事業立ち上げの初期投資経費等を支援しま す。
-----------------------------------------

 最初に書いてある「事業」は喫茶店サテンドールの経営のことだが、あとのほうの「本事業」はPR推進活動のこと。北海道新聞の取材記事では初年度の予算総額は737万円(4/3北海道新聞)でその中にレコード・レンタル料を180万円用意していると書いてあった。
 この「事業背景説明」を素直に読むと、サテンドールの継承はやってもいいしやらなくてもいいと解釈可能だ。なるほどAさんが主張する通りである。
 最近、根室の町の唯一の自転車専門店が閉店したから、自転車屋さんでもいいし、ヘアー・カットの店でもいいことになる。サイクリング・ファンもジャズファンくらいはいる。

 ところがレコードのレンタル料を本年度予算で180万円確保していることから、市役所が提案した「本事業」は喫茶店経営を想定しているという風に読める。ようするに文章があるいは書いてあることがつぎはぎそしてあいまいなのである。こういうところに本音があらわれる。文章丹念に読んでいけばものごとの本質はつかまえれれる、ようするに市役所総合政策部はサテンドールを継続したいのである。「ジャズの街PR活動」はそのために設定された「理由」である、だから、これが絶対要件だろう。

 まさか、自転車専門店やヘアーカットのお店で、ジャズをかけたらそれがPR推進活動だということではないだろう。こうした事実をつなぎ合わせると、「本事業」は喫茶店の経営継続とレコードレンタル料の180万円はジャズ喫茶を維持してもらって収入を得たいという現店主の要望に沿う条件を付けくわえたと考えるのが妥当なようだ。だれが喫茶店の経営継続を望んでいるのか?それは常連メンバーのうちの市役所幹部職員か市役所の幹部職員に個人的な強いコネをもっている者だろう。わたしにはそれが誰かはわからぬ、しかし、いろんな関係者がご存知のようだ。ガラシャさんというハンドルネームで投稿してくれた方がいるが、そういうラインを示唆している。
 募集要項なのだからこんなにあいまいな表現は避けるべきで、はっきり、サテンドールの事業継続が条件だと書けばいいのである。だが、ストレートに本音を書けば公費を投入することに矛盾が生ずる。「本事業」の担当部署である市役所総合政策部は本事業の矛盾を意識している。

 一喫茶店の継続に公費を使うのはどう考えても恣意的に過ぎるから、サテンドールの継承は外すべきだったし、誤解を避けるためにレコードレンタル料を予算に入れるべきではなかったこんなに恣意的な募集要項では全国の人たちから根室が笑われる。根室市役所も「加計学園のえこひいき」のような政策を推し進めていると公言しているようなもの。

 活動内容の記載もあるが「2」は具体的だが「1」は具体性を欠いている。
-----------------------------------------
【活動内容】
1 Jazz の街 PR 推進員としての基本的活動
(1)存続の危機にあるジャズ文化発信拠点の再興を目指し、Jazz の街・根室 を広く全国に PR すること。
(2)ジャズイベントや地域行事の応援、ジャズ文化の発信、メディアを使っ た情報発信等を行うこと。

2 本市への定住・定着に向けた活動
(1)本市への就職、起業等に関する活動
(2)設置要綱第2条第5号に規定する活動
(3)その他定住・定着に向けて必要な活動 

-----------------------------------------


 大事な要件が二つある。一つ目は次のようになっている。

-----------------------------------------
① 都市圏をはじめとする都市地域等に現に住所を有する方、もしくは、「地域お こし協力隊」であった方(同一地域における活動2年以上、かつ解職1年以内) で、3大都市圏外又は3大都市圏内の条件不利地域に現に住所を有する方
② ジャズをこよなく愛する方
③ 本市に定住しようとする意思のある方
④ 心身が健康で、かつ、地域協力活動に意欲及び情熱を持っている方
-----------------------------------------

 これを素直に読めば、①~④までは&条件である。地域おこし協力隊制度がその地域に定住することを補助金の要件としているからだ。現住所についての縛りが明記されている。「都市圏をはじめとする都市地域等に現に住所を有する方」もあいまいだ。政令指定都市なのか、夕張市でもいいのかさっぱりわからぬが、常識的な理解では「市」はすべて都市と考えられるし、行政用語上もそうなっている。
 「もしくは」というのはOR条件だから、地域おこし協力隊経験者でかつ「3大都市圏外または3大都市の不利地域の現に住所を有する方」もOKということ。この追加説明から、最初の「都市圏」というのは3大都市をさしているということがわかる。論理的にはそう読むほかないのだが、応募者たちは文意を読み取っただろうか、文章を書いた方もわかっているのだろうか、わかりづらい文章だ。
 結論を言うと、3大都市に居住している人以外は地域おこし協力隊経験者のみが応募条件に適合する道内に住んでいる人なら、応募資格のある人は地域おこし協力隊経験者のみということ。おかしな制限だ、地域おこし協力隊で3年間公費を使って成功しなかった人に「敗者復活戦」を用意したということか。こういう応募者に甘い審査が重なれば2度目の失敗をやるだけ。
 事業改革の評価に関しては根室市の総合政策部はダメダメの折り紙付き、市立根室病院では経営を管理する課長職を新設しても、業者に経営改善を委託しても、市役所のやった企画のどれも大失敗だった。何年たっても市立根室病院の業績が回復しない。年間赤字額は以前の8億円前後から17億円に拡大したまま、なすすべがない。地方公営企業法全部適用に経営形態を変更したが、これもまったく効果なしだ。重要な企画で当たったためしがない。必要なスキルをもった人材がいないからだろう。

 次に、活動に投下する時間が決められている、これが厄介である。
-----------------------------------------
 概ね週 29 時間
-----------------------------------------

 週29時間なら一日8時間とすると週4日である。半分以上をシャズPR推進活動につぎ込まなければならない
。そして根室に住み生活していかなければならない。喫茶店を継承せずに別事業を起こす場合は、この条件が一番厳しい。ほとんど不可能な条件である。そこからみても、喫茶店の事業継承が絶対要件であることがわかる。喫茶店でジャズをかけ、ブログやツイッターで情報発信していれば、ジャズPR推進活動をした時間にカウントできる。「営業時間=ジャズPR推進活動時間」となり、週29時間の要件もクリアできる。それ以外はやらせないということ。
 この条件を満たすには、自転車専門店だってヘアーカット店では不可能である。本業に身が入らないで客がつくわけがない、ジャズ喫茶を継承するしかないのである。
 応募者は週3日で生活できる具体的で現実的な事業計画をもってこなければならない。
 根年金生活者を除き、根室市内で週3日働いて生活できる人がいるだろうか?若い人で週3日働いて独立して生活を営んでいる人がいるだろうか?いないのに募集しているなら、都会に住んでいるどなたかが、そんな夢のような実行案をもってきてくれることを当てにしていることになる。北方領土返還運動とまったく同じ構造がここにもある。お金も人も出して自分たちでやろうとしない、他人を当てにしている無責任さが見える。ジャズ愛好者の集まりなら、なぜ自分たちでお金を出し合って活動を支えようとしないのだろう?
*#3724 ジャズの街PR推進委員募集(2):愛好家とは何か Apr. 16, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-16


 北海道新聞には「ジャズは根室の文化遺産」だと書かれていた。関係者への取材の結果の記事だ。
 根室の文化遺産というなら、前にも挙げたが金刀比羅神社の例大祭や歯舞地区のお祭りのお面をつけた踊りならわかる。百年を超えて根室に根付いた文化である。これらは伝統的な文化だから、そこに住んでいる多くの市民や歯舞地区の人々が人とお金の両面で支えている。だがジャズはそうではない、ごく一部の人たち(数十人程度)の趣味にすぎない
 だから、ジャズが根室の文化遺産というのは無理がある。おまけに高齢化していると募集要項にも書いてある。だから後継者が欲しい。20年もすれば現在のジャズ愛好家の大半が天国で演奏を楽しんでいるだろう。
 わずか数十人のジャズファンしかいないのでは、拠点の維持はとっくに不可能であるということ。サテンドールの常連客が全部ジャズが大好きだとして、事業採算がよいなら、地域おこし協力隊制度の利用なんか必要なしだろう。愛好家が少なすぎるから自分たちで維持できない。自分たちで何とかしようではなくて、補助金頼み、根室の悪い癖だ。北方領土返還運動も最近にわかにやりだしたホタテの養殖にも同じ構図が見える。事業のほとんどは補助金で賄っている。

 「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」日本国憲法第15条より

 根室のジャズを文化遺産と屁理屈をつけ、一部のジャズの愛好家のために地域おこし協力隊制度を利用するのは一部の者へ奉仕する行為であって、全体への奉仕者としての仕事ではない。根室市総合政策部は日本国憲法に謳われている公務員の役割に忠実な仕事をすべきだ。

 以上がわたしの意見である。異論のある方は投稿欄へ書き込まれよ。


*#3722 朝方の地震:震源地は根室半島南東沖 Apr. 14, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14

*#3720 根室の人口減少『広報ねむろ4月号』より:14か条の課題 Apr. 12, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-11-1

*#1782 北海道大震災:根室・釧路沖 400年に一度の巨大地震の可能性あり Dec.25, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24



     70%       20%      
 日本経済 人気ブログランキング IN順 - 経済ブログ村教育ブログランキング - 教育ブログ村



nice!(1)  コメント(0)