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#3779 オウム地下鉄サリン事件:被害者の脳幹や延髄が溶けていた July 10,2018 [8. 時事評論]

 オウム真理教の教祖の死刑が執行された。昨日東京府中で骨になったがその引き取り先でもめているようだ。
 地下鉄サリン事件で13人が死亡しているが、脳幹や延髄がドロドロに溶けていたという。検死解剖をした元東大教授石山昱夫氏から直接聞いた話を、(遠い昔に東大野球部員だった)甥のkoderaさんがブログにアップしている。

 サリンという神経ガスが体のどこにダメージを与えたのか、わたしは今まで知らなかったし、ほとんどの人が知らないだろう。オウム真理教の教祖と幹部の信徒たちはサリンを70トン*作って東京の空からばらまく計画であった。ウィキペディアによればそのための薬品材料はすでに手に入れていた。

*地下鉄サリン事件 ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/地下鉄サリン事件

 koderaさんのブログの当該記事のURLを貼り付けるので、ご覧いただきたい。
*「オウムの被害者を想う」
https://blog.goo.ne.jp/badmintonmusume/e/0207fa0e519f75beb3798cbecc2e1b72

<脳震盪は脳幹に傷をつけ、認知症の発症素因となる>
 彼が叔父さんの石山氏から聞いたことで、聞き逃してはならぬことがある、それは脳震盪に関する下記の記述である。
彼曰く、脳幹の障害はMRIで見つからないほどの微かな傷でも、酷い認知症をすぐに発生するそうです。遺体解剖でしか、その傷は見えないそうです。短い脳震盪ですら脳は傷ついている可能性があり、認知症の発生の可能性を高めるため、危ないそうです。
 ボクシングで顔面を殴られると衝撃でその都度脳震盪を起こす。頭部の骨格が揺れるのと脳が揺れる速度が異なるからだろう。ボクサーは老年まで生き延びられたら、認知症を起こすということ。知らずにやっている人ばかりではないだろか。フルコンタクトの空手もあふない。

<余談:科学鑑定と臨床検査>
 鑑定にはさまざまな理化学測定機器が用いられており、この『科学鑑定』にのそれらの測定方法や技術が紹介されている。DNA検査だけでも電気泳動法白血球の血液型による方法(HLA検査)サザンブロット法PCR(Polymerase Chain Reaction)法などが紹介されている。最初の2つはずっと以前からSRL八王子ラボでやっていた検査法だが、後者2つは1980年代後半に導入している。ちょうどその時期にラボの機器購入担当をしていたので記憶がある。
 HLA主要組織適合抗原、いわゆる白血球の血液型)検査は免疫に関する検査であり、クラスⅠ抗原、クラスⅡ抗原、クラスⅢ抗原に分かれ、それぞれが数個から40ほどのタイプに分岐するので、その組み合わせは数万を超える。だからDNA検査が世に普及するまではこれが個人の特定に最強の検査だった。臓器移植や白血病治療のための骨髄移植の際にドナーとレシピアントの組織適合性判断に使われていた。1980年代終わりごろのSRLのこの検査分野の国内シェアーは8割ほどあった。米国でこの検査は親子鑑定に数千件需要があったが、日本では親子鑑定が目的でSRLに検査依頼があったことは一度もなかった。米国からのラボ視察に訪れたドクターにそう説明したら、びっくりしていた。文化が違うのである、育てたら自分の子どもであるというのが千数百年前からの日本人に共通した価値観だった、じつにおおらか。

 万葉集802に「瓜食(は)めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲(しの)はゆ いづくより 来りしものそ まなかひに もとなかかりて 安眠(やすい)しなさぬ」「銀(しろかね)も 金(くがね)も玉も なにせむに 優れる宝 子にしかめやも」(山上憶良)とある。育てることで愛情がわいてくる、子に優る宝はないというのが日本人の情緒である。種が誰であろうと育てりゃ自分の子どもという感覚は今の日本人には理解しがたいかもしれぬが、この感覚は日本人の伝統的な性風俗と分かちがたく結びついていた。

 HIV(Human Immunodeficiency Virusいわゆるエイズ)検査はスクリーニング検査と確定検査の2段階でなされていた。スクリーニング検査で陽性反応が出るとウェスタンブロット法で確認検査をしていた。スクリーニング検査には擬陽性が含まれているので、確定検査が必要だった。あの当時で毎日1-2検体(年間500)の割合で陽性が出ていた。検査報告書は封緘されて病院へ届けられて、ドクターと患者本人以外は見ることができないようになっていた。封筒に検査報告書をいれて封をするのは単調な作業なので、この検査の報告書のためだけにフェニックスというメーカの自動封緘機を導入した。「エイズ検査室」は陰圧になっており、室外に空気が出ないようになっていた。空気感染はしないが、ワンランク上の安全装備をするというのがSRLのラボではあたりまえの思想だった。エイズ検査室では陽性検体が混ざっているという前提で取り扱っていたから、そこで働く社員たちは「ここが一番安全」と言っていた。HIV検査のための検体でなくても、その中にはHIV陽性のものが混ざっているかもしれないのである。他の検査室はHIV陽性の検体があるという感覚で検体を取り扱ってはいない、漠然とした不安はあったかもしれぬが。とにかく、検体の取り扱いは標準作業手順書に従って安全にそして慎重に行わなければならない。HIV検査を受託しだしたのは1987年ころのことである。
 サザンブロット法とウェスタンブロット法の2つがあるが、HIVの確認検査に使用されていたのはウェスタンブロット法である。ノーザンブロットとかイースタンブロット法というのは当時は耳にしたことがなかったが、いまはノーザンブロット法がある。元々は開発者の名前にサザンに由来する。そのうちにイースタンブロット法も出現するのだろう、ネーミングから検査方法を想像することはできない。(笑)
 PCR法は温度を一定時間上げ下げしてDNAを数時間で1,000,000倍に増幅する方法であるが、検査機器はいたってシンプル、温度を精度よくコントロールできればいいだけの装置である。1980年代後半とは事情がだいぶ違っているようで、性能のよいDNAポリメラーゼが開発され最近の装置では増幅時間はわずか2時間。

 統合システム開発が84年12月に8か月で終了、並行して予算編成と予算管理と固定資産管理を担当していた。1986年11月に検査試薬の価格交渉で社内出向、その後1月1日付で購買課に異動辞令がでて、機器購入担当となり、仕事柄ラボ内検査課へはしょっちゅう出向くから、すべての検査室にフリーパスで出入りができるようになった。用事があるついでに現場の係長クラスにいろいろ質問して、その人の担当している検査の要点を現物を前にしながらヒアリングしていた。使用している機械のカタログを集め目を通したし、取引業者に頼んで関連論文の写しをもってこさせた。現場で説明を聞く利点はある、モノがあると理解しやすいし、何しろ具体的な作業の様子がわかる。ラボは検査課あるいは検査係ごとに専門の職人で構成されており、検査の種類が多い(3000項目)から、検査課を横断したコミュニケーションは使う言語(専門用語)が異なるので少なくなる。だから縄張り意識も強くなり、他の検査課に立ち入ることができない。入れば、「何の用ですか?」とぶぜんとした表情でとがめられること必定、しかし、機器担当のわたしだけは例外で、どの検査課とも機器購入で購入協議書の内容を確かめたり、時に書き直しの文案を作成してあげているから。現場まで出向いて、用途やニーズを確かめたり、設置に立ち会ったり、トラブルがあると業者との間に入って調整するから重宝がられていた。検査機器開発の失敗のしりぬぐいもいくつかやってあげた。本社で統合システム開発と予算編成を担当する傍ら、固定資産台帳も担当して、自分の手で本社とラボの設備と機器の実地棚卸をして、検査管理部のH間さんに協力してもらって固定資産分類コードをつくり、投資案件も入力できるように固定資産管理システムを全面的に作り直した。ラボへ異動する前に検査機器と設備は固定資産台帳と突き合わせて全点チェックがすんでいた。固定資産台帳に5000万円で載っている特注の検査機器にブルーシートがかぶっているなんて例があった。使い物にならなかったのである。上場前に不良資産は全部処分する方針を本社経理担当役員に説明して了解をもらって、廃棄協議書を提出させて全部処分した。ラボ副所長がかかわっているものがいくつかあった、現場の担当者は大迷惑。使わない危機が狭い検査室にどんと置かれたままになって困っていた。仕様書も書かずに口答だけでやっていたら大きな案件は失敗することになる。RI部と染色体検査課に失敗した機器があった。ラボ側は本社側に失敗の報告をしたくない、開発案件に失敗はつきものだが、ちゃんとした仕様書も取り交わさずに数千万円単位の開発に着手してしまう杜撰さは上場準備上解消しておかなくてはならなかった。ちゃんとして手続きを踏んでやっていたら失敗してもいいのである。そのままでは上場審査で資産管理の不手際が問題になりかねない。購入協議書を整備し、決裁権限を定め、責任の所在を明確にした。たくさん儲けていれば、開発費に資金を潤沢に投入できる、そのころのSRLは売上高経常利益率が12%の高収益会社だったから、開発に失敗しても責任を問われることがなかった。失敗は構わぬが、上場企業に濫費は許されぬ。
 ニコンの子会社との染色体がぞ解析装置の開発は見込みがないので2000万円ほど投入したところだったが中止させた。その直後に英国の企業が染色体画像解析装置を入初して虎の門病院に導入されたという話を検査管理部の機器担当者O形さんが聞き、業者を通じて染色体課長I原さんと一緒にサンプルを持ち込み実機でテスト察せてもらった。開発目標にしていた1検体10分がクリアされていた。5検体を20分で処理できたのである。レンズにこだわったのが間違いだった、CCDカメラで画像で取り込むと後処理が簡単なようで、なんと自作のボードコンピュータ3枚ほどでデータ処理していた。ニコンは日本で最高の技術をもつレンズメーカであるからレンズにこだわり、レンズで画像を取り込み、当時画像解析用のミニコンでは最高性能のDECの製品を使い試作機を作ろうとしていた、開発は最初の構想から隘路に入り込んでいたのだ。英国メーカIRSの染色体画像解析装置に採用されていたプリンターも品質の高いものだった。染色体を大きさの順に自動的に並べ替えて印刷する。二十数種類のプリンタをテストして、これがベストだったとスコットランドなまりの強い英語でエンジニアが説明してくれた。自作のボードコンピュータを見て、このエンジニアの技術レベルがすぐに判断がついた、こういう人材がニコンの子会社にはいなかった。産業用エレクトロニクスの輸入商社で勤務していた時にマルチチャンネルのマイクロ波計測器の販売価格が2000万円もするので技術部で開発しようということになった。N中さんという優秀な技術者がいたのでかれに白羽の矢が立った。半年余りをかけて半田ごてでマッピングして試作機が完成すると、2台目からはプリント基板に変更、製造原価は200万円ほどに低下した。販売価格が1000万円ならマルチチャンネルアナライザーは市場を席捲できる。半田ごてで線をつないでいくマッピングでは手間がかかるから、製造はプリント基板でやるのがあたりまえ。スコットランド人のエンジニアがN中さんと同じレベルのコンピュータ技術者だと感じた。製品への信頼度がそれで一気に固まった。ドイツ人が話すようなごつごつした英語だったので余計に親しみがわいたのかもしれない。(笑)


 メーカが新しい検査機器を開発すると早い段階で教えてくれるという特別なルートも数本あったから日本初導入の機器をいくつか扱った。会社の上層部に貸しのできたところは外部にまだオープンになっていない新製品開発情報を教えてくれた。だから市販予定の大型検査機器の最終調整を八王子ラボでやってやる代わりに、半年間の独占使用を認めさせる交渉もできたし、していた。半年間の独占使用権で一気にその分野の外注検査シェアを確保してしまう。1987年ころだったと思うが、ラテックス凝集法の大型分析器LX3000の開発情報を入手できたので、市販前の問題点の確認とクリアを目的としてSRLでのインスタレーションテストをメーカ側に提案した。半年間の独占使用が条件である。快く受け入れてくれた。
 従来の方法で測定済みの検体を流してデータ比較をするとともに、電源投入直後の立ち上がりから1時間に同じ検体を再度測定してデータの再現性もチェックする。LX3000 はデータの再現性に問題を生じ、暗礁に乗り上げ、使えないという話が現場から聞こえてきたので、間に入って調整することにした。輸入商社にいたときにオシロクォーツ社の時間周波数標準機が火入れしてから1か月しないと規定の精度がでないという話を思い出した。ヒアリングしたら朝立ち上がり1時間ぐらい再現性が悪いということだったので、検査2時間前にタイマーで電源を入れてスタンバイするように変更をお願いしたら、問題がなくなった。立ち上がりの精度の悪い機械だったのである。その間にできた3か月ほどの時間を使って再現性の問題を根本的に解決するようにメーカ側にお願いした。どのように根本的に解決したのかは聞いていないが、栄研化学はSRLで数か月のインスタレーションテストでえられたデータから、問題点をすべてクリアした信頼性の高い新製品を予定通りに市販している。同じタイプだが病院で導入できるような小型のものもシリーズで出し、ずいぶん売れたようだ。RI標識の検査に比べてラテックス凝集法は特別な管理区域で実施する必要がないし、検査精度が飛躍的にアップする。検査データを利用して診断しているドクターたちとその恩恵にあずかる患者のためにも、精度の高い検査の導入努力を日々怠ってはならない。業界ナンバーワンのラボはそういうことに積極的に協力する社会的な義務を負っていると考えていた。
 栄研化学から取引契約書を取り交わしたいと申し入れがあった、何年も取引していて急な要請で、すぐに上場準備中だとわかった。同じ作業をSRLも3年前にやっていたからだ。「上場準備中だから、契約書が必要だろう?」そう告げると、「顔色を変えて、外部に言ってはいけないことになっています」と慌てていた。そのご上場準備でなにか困ったことが持ち上がり、話が聞けた。解決策を教えてあげたら、それからあとは新製品開発に関する情報が入手できるようになった。だから、インスタレーションテストを提案できた。試験が終わった後3台導入した。数年たってからラボに用事があって各検査部をまわって歩いたら、LX3000が7台くらい並んでいた。大型検査機械であれだけの台数が一つの検査室に並んでいるのはめったにない。人工透析患者に必要な血中アルミニウムの測定に使われていた原子吸光高度計とRIA検査室のRIカウンターくらいなもの。RIカウンターはアロカ社のものがそろえられていたが、ファルマシアLKBに日本仕様(10×10ラックあるいは5×20ラックだったかも、とにかく100本/ラック)のRIカウンターを製造・市販するように勧めたら、すぐに作ってくれた。SRLの社内規格(100本ラック)が実質的な日本標準規格であった。HP社の社内規格である双方向のインターフェイスバスHP-IBが国際規格GP-IBになったケースと似ている。LKBの製品はデザインがとっても見栄えのするものだった。1台だけ入れたが、数年後に見たら、全部LKBのRIカウンターに置き換えられていた。真っ白で余分な飾りのないデザインが、機能美の極致を表現しているようで美しかった。こういう美的感覚もラボの機器選定には大事な要素なのである。性能がよくて美しいものがいい、年間数千人のラボ見学者を受け入れているのだから。日本製品はこういうシンプルで美しいというところへの配慮に乏しい。

 話をLX3000に戻すが、製薬メーカ単独でこういう密度の高いインスタレーションテストは不可能である。従来の精度の低い方式での測定と新製品での並行テストを大量にやり、問題が起きるかどうかを見守ることができる。そして問題が発生すれば市販前にそれらをクリアできるのだ。メーカと国内最大手の臨床監査会社のラボとの間には共同で大きな成果を上げられるプロジェクトがいくらでも見つかる。市販してからトラブルが続出したら、次に新製品を出すときにユーザが二の足を踏む。信頼性の高い機器を発売するというのはメーカにとって重要なマーケティング戦略なのであるそこを理解して交渉すればいいだけ。もちろん機械の原理、測定方法の要点は資料見て話を聞いただけで理解できる力がなけらばならない。産業用エレクトロニクス輸入商社で五年間欧米50社の世界最先端の製品の技術的説明(海外メーカのエンジニアによる英語での新製品説明会)を毎月2製品ほど聞き続けたからできるのである。最新のマイクロ波計測器の測定原理についても技術営業向けの社内講習会が東北大学の助教授がきて毎月1回開かれていた。予算編成、経営分析と経営改革、そして統合システム開発を同時に担当していたが、面白そうなので新製品や計測技術に関する社内講習会には片っ端から参加した。そのときの専門知識の蓄積がSRLで臨床検査機器の理解にたいへん役に立った。ラボの職人さんたちとはそれぞれ数回コミュニケーションしただけで、お互いの専門知識の程度がわかってしまうので、とってもやりやすかった。
 とくに予算がらみになると、わたしがOKだすと、本社の予算管理担当役員I本さんも管理担当副社長のY口さんも「ebisuがOKを出したのなら」と一度もダメと言ったことがなかった。本社からラボへ異動したときにラボ部門の仕事が理解できない本社役員がわたしを自分たちの目や耳の代わりに利用したのである。原価低減のために検査試薬の価格交渉が必要で、ラボの購買課に任せていても埒(らち)が明かないので、価格交渉を提案すると3か月間という「社内出向」で価格交渉担当として派遣された。予定通りの価格交渉をやって検査試薬原価をカットして見せたら、そのまま異動辞令が出された。本社側の意向通りにラボを動かすには便利だったのだろう。わたしのほうも利用した、「予算についての話は本社に通しておくから任せてくれていい、通常通り検査管理部を通してやってください、そちらにも根回しはしておきます」と検査課長たちに言い切れた。金額に応じて決裁権限に差がつけられているが、このように設備投資予算や予備費からの予算振替の実質的な権限があったから、本社とラボの風通しがよくなった。ラボ側にとってはありがたいことだっただろう。


 3年間ラボの機器購入とメーカとの検査機器共同開発を担当した後に学術開発本部に異動した。本部スタッフとして開発部の製薬メーカとの検査試薬のとの共同開発案件2つを担当する傍ら、学術情報部のラボ見学のうち海外からのお客様を担当したから、その時にもラボツアーの都度、見学希望の検査課をお客様を連れて回って解説しており「門前の小僧習わぬ経を読む」のに慣れていたのである。八王子ラボで仕事をした四年半はとってもたのしく、好奇心を満たしてくれた。
 ラボの後は社内公募された新設部署である関係会社管理部へ異動したが、このときは公募の書類を人事に送付した翌日に本社から副社長のY口さんが八王子ラボまで来て「話がある」と応接室へ誘う。Y口さんは管理部門担当の副社長だから、八王子ラボには年に一度来るか来ないかの人。応接室は社内の打ち合わせに使わない、取引業者はお客様との打ち合わせのためにある、そこで話があるというのだ、異例のことだった。学術開発本部担当役員のI神さんが異動に強硬に反対して、異動できないことになるので人事異動が公表されるまで絶対に報告するなとキツイお達し。あとで公示直前に人事部門からの通知で知ることになったI神さんからキツイお叱りを受けた。副社長から口止めされていましたとは言えない。「すみません」としか言いようがなかった。学術開発本部には開発部と学術情報部と精度保証部の三つの部門があったのだが、開発部の検査試薬開発のマネジメントをできる任癌がいなかった。属人的な仕事になっていたが、PERT chartを利用して、仕事の手順を標準化して相互に進捗具合が確認できるように変えた。慶応大学病院のドクター数人と出生前検査MoMの日本人基準値の共同研究のマネジメントもしていたし、臨床病理学会の櫻林先生と検査項目コードの日本標準制定のプロジェクトにも異動の前からかかわっていた、かかわっていたというよりも、臨床診断システム事業化案をつくり、10個のプロジェクトに分解、そのうちのひとつが臨床検査項目コードの日本標準制定で、臨床病理学会の臨床検査項目コード検討委員長の櫻林先生を大手6社の項目コード検討会に引っ張り出したのはわたしだった。海外のお客様のラボ見学対応もあったから、これらの仕事を一人でできる人材がいなかった。だから、副社長は上司のI神取締役に社内公募に応じたと話してはならないと口止めしたのである。この新設部門である関係会社管理部への公募については別途経緯があるが、別のところで書いた。やむにやまれぬ事情がわたしのほうにはあった。
 新設部署にとってわたしのスキルは二つの点で重要だった。一つは経営管理系情報システムの開発経験者としてのスキル、もう一つは経営分析と経営改革スキルだった。この部署へ異動してから子会社の経営分析と臨床検査会社の買収や資本提携のための資料分析と経営改革案作成と実際の交渉を担当して、資本提携先へ役員出向することになるのである。このときは5ディメンション25経営指標のレーダチャートによる総合偏差値評価方式を開発して、画期的な子会社業績評価システムを作った。一つの経営改革モデルと言って差し支えないだろう。関係会社管理部にいたおかげで千葉の子会社のラボシステム開発も親会社側という立場で担当できた。生産性を2.5倍にアップする目標をクリアした。システム開発スキルと経営計画のシミュレーションスキルがこの仕事で役に立った。この経験を通して国内の赤字の臨床検査会社はどこでも黒字化できるノウハウが身についた。生産性を3倍にアップできたら業績は劇的に改善できる。赤字会社は高収益会社へ化ける、実績が出るとボーナスが跳ね上がるからそれを手にした社員のやる気もまるで変ってしまう。こういう時は5年の長期計画シミュレーションを稟議書に添付しており、実績が初年度からそれを上回るので、社員に自信と安心感が生まれる。
 関係会社管理部で北陸の臨床検査会社の買収と福島県の臨床検査会社への資本提携交渉を担当し、福島県の会社へ役員出向することになった。3年の約束のはずが、黒字化の経営改革案をつくって親会社社長と副社長の了解をとり実行しようとしたら、15か月で本社に呼び戻された。F田社長は福島県の臨床検査会社を高収益会社にしたくなかったのである。そうなれば子会社化してその会社の社長をSRL本社役員に据えなければならなくなる、それが嫌だったのだろう。毛色が違っていた。出向解除と引き換えに異例の3部署(社長室、経営管理部経営管理課、資材部)兼務異例が出た。後にも先にもほかに3部署兼務の例はなかった。意に添わぬ人事があったので、半年ほどで無理やり本社勤務を解いてもらい、一番古い子会社東京ラボへ出向した。本社の仕事が楽すぎてつまらなかったこともある。SRL東京ラボへは経理部長として出向したが、すぐに経営企画の仕事も兼務することになった。ラボ建物が老朽化していて危険だったのでラボ移転を計画し、親会社を含めたラボの再編構想を練り、あと3か月ほどで具体案に練りあがってから東京ラボのM輪社長と一緒に親会社のK藤社長に相談に行こうとしていたところだった。そこへ突然の異動発令があった。帝人との合弁会社の立ち上げが新聞公表スケジュール通りにいかなくなったので、担当しろと本社社長のK藤さんから直接の指示。東京ラボのM輪社長、社長室にわたしを呼んで「K藤社長の直接の指示だからノーと言えない」とがっくりした様子。東京ラボの移転も親会社を含む首都圏のラボ再編構想も雲散霧消となった。
 そういう経緯で11月から合弁会社立ち上げのプロジェクトに参加することになった。帝人との合弁会社は1月のスタート・スケジュールだったから立ち上げまで3か月。半年前からプロジェクトが走っていたが、暗礁に乗り上げ、メンバーの一人、W辺が、「スケジュール通りにやれるのは社内にはebisuさんしかいない」と発言したと本人、それでお鉢が回ってきたらしい。「そういうときは事前に相談しろ」と叱っても手遅れ、「SRLグループ企業全体の未来を左右する大きな構想の仕事が走っていたんだ」と笑うしかなかった。臨床治験の合弁会社で、帝人と出資比率は半々、役員も半々、K藤社長の指示は三つ、じつに明快だった。
 ①赤字部門の合弁会社だからその黒字化、そして②帝人の臨床検査子会社の買収、③合弁解消しSRL100%とするという三項目、これを3年間でやり遂げること。「やれるか」と念を押すので、「合弁会社経営に関して全権をいただきやりかたを任せていただけるなら、期限内にクリアします」と応えると「わかった、任せる」と二つ返事。これが最初のプロジェクトミーティングに参加するために本社建物のエレベータ前で外出しようと出てきたK藤社長との会話である、決断の速い人だった。
 そういうわけで11月にプロジェクトに参加、両社の保管しているファイル資料の棚卸をすぐにやりながら、不動産会社に物件を大急ぎで探してもらって、予定通り1月に日本橋本町のビルに本社と検体の分離ラボを設置、稼働した。3年の約束だったが、これも期限前(二年目)にすべてクリアした。合弁解消の時に、帝人のI川常務から「いままで合弁会社がうまく行ったためしがなかった、赤字が膨らんで帝人側が引き取っていた、こんなケースは始めてだよ、次の社長はebisuさんがやれ」と言われた。わたしは帝人の本社役員からいくらか経営手腕を買われていたようだ。
 三つ目標をクリアしてすることがなくなった、あとは誰でもできる、そういう時に、再度誘いを受けた。以前から老人介護・医療に興味があり、病院を中心に老健施設・ナースステーション・有料老人ホームなどを配置したシームレスな介護を夢見ていたので、首都圏の300ベッドの老人病院の病棟建て替えの仕事を依頼されたのを機会に、常務理事として10年間仕事をする契約で引き受けた。年収1800万円で10年契約、転職に当たっては契約書を取り交わした。16年間のSRLでの仕事にこうして終止符を打った。人生の残りの1/3は儲け仕事ではなくて、故郷に戻ってなにかするつもりであったが、まだきっかけがなかった。人生を勉学の時期、一生懸命に働く時期、社会的な貢献の時期と漠然と三つにわけていたから、50歳くらいで故郷に戻るようなきっかけがでてくるような気がしていた。それは少し遅れてやってきた。

 SRLでのスタートは上場準備のための統合システム開発担当と全社予算編成と管理の実務担当責任者だった。こういう一見してめちゃくちゃな異動は前にも後にもない。3分野あるいは4分野にわたる専門家は社員が千人いても一人しかいない。そして現実の経営上の難問題はつねにいくつもの領域にまたがっている。難易度の高い仕事がしたかったら、いくつもの専門分野をもて!

 実際の科学鑑定はつねにあたらしい検査方法と技術の習得との戦いでもあり、そういう視点でこの本『科学鑑定』を読むのも楽しい

*サザンブロット法
https://ja.wikipedia.org/wiki/サザンブロッティング

 PCR法 ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポリメラーゼ連鎖反応

 HLA検査 SRL検査案内より
http://test-guide.srl.info/hachioji/test/detail/01284A101
 HLA検査 ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヒト白血球型抗原



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 石山昱夫著『科学鑑定』文春新書


科学鑑定―ひき逃げ車種からDNAまで (文春新書)

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  • 作者: 石山 いく夫
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  • 発売日: 1998/11
  • メディア: 新書



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#3760 トホホな話:KKR札幌医療センター1億円の消耗品横流し Jun. 20, 2018 [8. 時事評論]

<更新情報>
6/22朝7:41 末尾に翌日の新聞記事詳報に関する追記
6/22 18時40分 在庫管理システムについて追記


KKR札幌医療センターで3年間で1.1億円もの事務用消耗品横流し発生。
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病院側の事件告知
https://www.kkr-smc.com/web/news/details/post_13.html
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 上場企業ではこういう杜撰な管理は考えられません。部門別・費目別・月別に予算管理しているので、数十万円単位で異常があればすぐにピックアップできます、たくさんの株主からお金を預かって運営しているのですから、あたりまえですね。
 おそらくそういうシステムがなかったのでしょう。事務用消耗品の在庫棚卸も毎月やるので、こちらの点からもすぐに発見できます。大きな差異が見つかれば消耗品在庫管理担当部門は報告義務があります。1年にもわたって棚卸差異が続くようなことになれば、翌年は担当責任者が変更になります。
 この事件から見えるのは、病院運営管理の杜撰さです。

 病院会計システムは入院病棟別・外来診療部門別予算管理の仕組みをもったものがあるのかな?ふつうはコスト管理上必須のアイテムなのであるはずですが、この事例を見るとあやしい。
各自治体病院も同じことが言えるかも。釧路市立病院や根室市立病院は大丈夫かな?

<道新ニュース>
備品盗んだ疑い、元病院職員の男逮捕 被害額1億円超 札幌豊平署
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/201212


 株式会社の上場審査基準は会社として当たり前の項目が並んでいるだけ。たとえば、こういう横流しが発生しても年度をまたいで繰り返されることがありませんし、月別・部門別・費目別の予算制度も求められます。事務用品の在庫金額が大きい場合には毎月実地棚卸が求められるので、たとえばトナーカートリッジが10本棚卸差異があると、すぐに調査がなされ、適切な対処がなされます。予算と実績値に大きな差異が生じたら、その部門の責任者は予算管理部門へ報告義務があります。報告がなければ、予算管理部門から調査報告を上げるように指示がなされます。

 410ベッド、職員数786人の立派な総合病院ですが、いったいどういう管理しているのでしょう?
経営面のマネジメントがお留守になるのは、赤字になってもその分の埋め合わせがなされる経営形態の病院に共通しているかもしれません。
 この病院の経営母体は国家公務員共済組合連合会です。

 病院会計システムについて知識のある方は投稿欄に情報提供お願いします。予算制度がどのように仕組まれているのか実際のところを知りたいのです。⇒ 書き込みがありましたので投稿欄をご覧ください

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<6/21 午後3時追記>
今朝(6/21)の道新によれば、消耗品は業者が都度納入して請求しているだけで、在庫管理がなされていなかった。推測通りでした。取材して記事を書いた記者さん、お手柄、いい記事でした。

在庫管理がなくても、月別・部門別・費目別の予算管理がなされたいたら、すぐに気がつきます。両方が欠落した場合にこういう事故あるいは犯罪が生まれます。ちゃんと管理していたら犯罪者を生み出さずにすむのです。
結論を言うと、この病院マネジメントがまったくのお留守です。病院会計に関するパッケージ・システムの問題(月別・部門別・費目別予算管理の仕組みの欠如という問題)なら、釧路市立病院も根室市立病院も同じ問題を抱えているでしょう。
受入と払出の記帳と毎月月末に実地棚卸で帳簿残数量を確認すればこのような不祥事は簡単に防げます。ようするに消耗品の在庫管理を徹底するということ。並行して予算制度もチェックしたほうがよろしい。

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<在庫管理用パッケージシステム>
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100万円以下で在庫管理システムがありますね。
300ベッド以上なら、こういうものを消耗品管理用に導入すればいい。パッケージに何も加えずにそのまま使うのがコツ。むずかしいことはありません。
在庫管理担当者を決めて、在庫保管室には鍵をかける。出し入れは在庫管理担当者だけが行う。払出票を使って行い、月に一度実地棚卸をする。

<在庫管理システムのランキング>
https://it-trend.jp/award/2017/inventory_control?utm_source=yahoo&utm_medium=search&utm
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#3759 ブロック塀倒壊と圧死について:無関心と想像力の欠如について: Jun. 19, 2018 [8. 時事評論]

<大阪北部を震源とする直下型地震で塀が倒壊>
 M6.1、震度6弱の地震でブロック塀が倒壊し小学生が圧死した、なぜ?

 無関心と想像力の欠如、過剰なコスト意識の三つが招いた人災といってよいのだろう。

 昨日(6/18)道新夕刊の1面に倒壊現場、高槻市立寿栄小学校プール脇のブロック塀の写真が載っていた。2mほどのコンクリート塀の上に8段のブロック塀がつぎ足されていたようだ。塀の高さは3.5mある。建築基準法違反だそうだ。
 グリーンで舗装された歩道に覆いかぶさるようにつぎ足されたブロック塀が倒れているが、ブロック最下段には10㎝ほどの長さの鉄筋がたくさん見えている。既存の鉄筋コンクリート塀に穴をあけて鉄筋を埋め込みその上にブロックを載せて工事したのだろう。おそらくその鉄筋はブロック最上部まで延びている。わずか10㎝、既存の塀の上部に穴をあけて鉄筋を埋め込んだだけで地震があったらもつわけはないことは、施工業者も発注した側も、当時の小学校の先生だって朝工事現場を通って校門をくぐるのだからわかったはず。なのに、だれも指摘しなかった。
 まともなことを指摘するとヘン奴と思われかねない風潮があるのは事実だろう。しかし、ほんとうのところは、だれもそうした地震による倒壊と自分のところのブロック塀を関連付けて考えなかった、最悪の事態を想像できなかったということではあるまいか。そして安く済ませようとした

<鉄筋コンクリート製の頑丈な塀にした経緯>
 30年前にオヤジが家を郊外に建てた。店舗と住宅を別にしたいとおふくろの従来からの希望だった。
建てたのはいいが、角地だから庭を中学生や高校生が横切って歩くので、オヤジが塀を回すという。たまたま東京から帰省した時にそんな話をするので、通学路なのでブロック塀は地震に弱くて危険だからダメという話をした。地震でブロック塀が倒壊したというニュースを何度か目にしていたからである。オヤジも知っていた。
 オヤジはすぐに聞き入れてくれて「鉄筋コンクリート製の倒壊しない丈夫な塀」を大工さんに造ってもらった。高さ140㎝の塀だが、下に同じくらいの深さまで基礎が埋まって太い鉄筋が縦横にしっかり入れてある。家が倒壊しても塀は大丈夫だ。もちろん相応のお金をかけた。こういうところをケチってはいけない。家は中学校の前、小学生の通学路にもなっている。

<小中学生へのオヤジの特別な思い>
 元落下傘部隊員だったオヤジは還暦を迎えて一輪車に乗り始めた、本を取り寄せて独習して乗りこなせるようになり、孫たちや小学生に教え始めたが、体協の資格がないとダメと言われて、試験を受けて体協指導員の資格を取った。数人の先生たちが応援してくれた。市街化地域の2小学校にそれぞれ一輪車を十台くらいずつ寄付して、子どもたちに一輪車の乗り方を教えたようだ。
 だから、「通学路だから地震に弱いブロック塀はダメ」というわたしの意見ににっこり頷いて、すぐに大工さんに手配したのである。他人(ひと)にはやさしいオヤジだった。祖父が飲む・打つ・買うの三拍子で、明治の終わりごろに50万円もあった財産を使い果たした。そして住む家さえ失い、長屋住まい、貧乏のどん底で苦労したからだろう。苦労は人を磨く。

<四百年に一度の根室沖巨大地震と津波は明日かもしれない>

根室は四百年に一度の大津波を伴う地震の危険期間に入っている。根室沖を震源とするM9クラスの地震がいつ来ても不思議ではない。
 大阪で直下型地震、高槻市の小学校のプールの塀が歩道側に倒れて、小学生が下敷きになり心肺停止状態、なんと悲しいことよ、予防は可能だったはず、抜いてはいけないところの手を抜くからこういうことになる。事故でも天災でもない、人災である。
 こうしたことが根室沖巨大地震ではないことを願う。

<ふるさと納税は全額災害に備えて積み立てよう>

 ふるさと納税はあぶく銭である。根室沖巨大地震はいずれ起きる。その時に備えて資金をためなくてはならない。1円も使ってはならぬ。9月に市長選挙があるが、災害に備えて全額備蓄するという候補者があれば、応援したい

*「大阪震度6弱:ブロック塀危険性 外部専門家が2度指摘」6/22
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/大阪震度%EF%BC%96弱ブロック塀危険性-防災教室講師が%EF%BC%92度指摘/ar-AAyZiDn?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp#page=2


 *写真はポインターを写真において、左クリックしたまま左右どちらへ引っ張っても全画面がでます。

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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180621-00000111-asahi-soci.view-000




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#3753 何億年もの命の連鎖とマイクロプラスチック問題 Jun. 10, 2018 [8. 時事評論]

 ペットボトル、レジ袋、様々なプラスチック容器とプラスチック製品が溢れている。生産されたものは捨てられ、川を通じて海へ流れつき、紫外線で劣化してバラバラになり5mm以下のマイクロプラスチックへ、そして海を漂い、様々な生物がそれを呑み込み死んでいっている。波に揺られ紫外線によってさらに微小化が進み、小魚の体内へ蓄積され、それを中型の魚が食べ、大型の魚がさらに捕食する。最後は人間が食べて自らの体内へ蓄積することになる。

 微小化が進めばマイクロプラスチックがいずれ腸壁を通過して血管へ入り込むことになる、細胞に取り込まれたら何が起きるのか誰もわからない、脳の毛細血管を塞ぎ脳梗塞を起こす可能性だってある。ベンゼン環をもつ化学部質が体内へ取り込まれたら内分泌攪乱物質として作用し、遺伝子を破壊して癌を発生させるということは、結果が出るまで人類はわからなかった。マイクロプラスチックも人間の体内に取り込まれたときにどのような作用を及ぼすかはまったく分かっていない。

 人の情緒へは影響がないだろうか?人間の心のセンターである情緒が壊れているのではと思わせるような事件が続発している。福島第一原発事故でばらまかれた放射能の影響だとしても、誰もその因果関係を証明することができない。
 5歳の船戸結愛ちゃん虐待殺人、新幹線でいきなり刃物で赤の他人に切りかかる人、障碍者施設へ侵入し十数人を殺害した人。頻度がだんだん大きくなっているような気がするのはわたしだけだろうか?


 原発事故による放射能汚染、マイクロプラスチック汚染の進行、人類は自らを被験者として壮大な実験をしている。

 月の兎という仏教童話がある。旅の僧がひもじい思いをして焚火にあたっている。そこへ兎がやってきて焚火に身を投ずるのである。なにも供養をするものがないから、どうかわたしを食べてくださいと言い残して火の中へ。僧侶の命は兎の命をいただくことでつながれる。
 生物は何億年のときをかけて、こうして他の生物の命をいただくことでつながってきたのである。壮大な命の連鎖に思いをはせるとき、その連鎖を根底から破壊しかねない放射能汚染やマイクロプラスチックの脅威に日本人はいま何をすべきなのか、考え抜き、やるべきことを見出し、迷うことなくやらなければならない。
 日本人は鎮守の森を守り、周囲の生物と調和しながら1万2千年もの間、日本列島で暮らしてきた。そうした伝統的な生活スタイルに立ち戻るべきではないのか?環境負荷を極限まで小さくするようなライフスタイルは江戸時代にはあった。現在の技術を使えば、別次元でそうしたライフスタイルを再設計し再構築できるのではないか。

 ガラス瓶に関する標準規格を制定し、ペットボトルや缶の飲料をリターナブルなガラス瓶で置き換えることぐらいは2年の準備期間があれば実現できるだろう。50年前にはペットボトルなんてなかった、飲料はガラスの瓶で売られていた。レジ袋だって廃止できる。人間は便利さを追い求めすぎた。当代のわたしたちにできることから始めるべきだ。
 そういうことを一つ一つ進めながら、50年後に人口が半分になったときを想定して、さまざまなインフラを縮小し、社会の仕組みを再デザインし、現実のものとするぐらいの叡智はわたしたちにはまだある。

*https://www.msn.com/ja-jp/news/national/日本の海が危ない%ef%bc%81-日本の海を覆い尽くす世界の27倍もの「マイクロプラスチック」問題/ar-AAyr1IY#page=2

*#2349 七夕の朝の朗読 「月とウサギ」(仏典童話より) July 7, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-07-07


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#3752 白銀も金も珠も...:幼児虐待殺人事件と万葉の心  Jun. 10, 2018 [8. 時事評論]

 5歳の幼児虐待殺人事件が起きた。殺された子どもは連れ子、再婚相手の男が虐待を繰り返して殺してしまった。死に至るまでの経緯がテレビでもなんども報道されている。男と女がくっつくのは自然の摂理だ、誰もそれをとがめられぬ。
 女に子どもがいたら、その子も愛してやるのが男の器量であり、人としての優しさである。血のつながった父親と会えない悲しさを胸に秘めた子を愛せないような男なら、セックスの相性がよくても女はその男と一緒に暮らすべきではない。憐憫の情さえもてぬ男と一緒になって幸せがあるだろうか?

 白銀(しろかね)も 金(くがね)も珠(たま)も なにせむに 優れる宝 子にしかめやも
(銀も、金も珠玉も、どうして、子に優る宝といえよう 子に及ぼうか)
  803 山上憶良

 1300年前の日本人の魂には子どもに対する無条件の慈しみがあったし、それに共感する人々が多かったからこそ、このような短歌が万葉集に載せられたのだろう。日本人の代表的な情緒のひとつであり、そうした情緒をわたしたちは受け継ぎ守り育ててきたはずだった。

 
血のつながった自分の子さえかわいい、ましていま愛している女の連れ子がかわいくないはずがあろうか、そういう心になれないならセックスの相性がよくても男は結婚してはならぬ。幸せの訪れるはずがない。

 死に至らぬまでも、虐待を受け、声を上げられずにいる子どもたちが数百人単位でいることをこのニュースはわたしたちに知らせ、警鐘を鳴らしている。
 周りの大人に悲しみを訴えられずに、助けてと声も上げられずに亡くなった幼子へ思いをはせよう。

毎日新聞ニュースより(一部分転載)
https://mainichi.jp/articles/20180609/k00/00e/040/258000c
------------------------------------------
 東京都目黒区のアパートで両親に虐待された末に死亡した船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5歳)は、ひらがなの書き取り帳に「反省文」を残していた。衰弱した小さな体で、何を思い書いたのだろう。その文章が多くの人の心を揺さぶっている。…

<日付不明>  ママ、もうパパとママにいわれなくてもしっかりと じぶんからきょうよりか もっともっとあしたはできるようにするから もうおねがいゆるしてゆるしてください おねがいします ほんとうにもうおなじことしません ゆるして

<日付不明> きのう ぜんぜんできてなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす

 これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだからやめるので もうぜったい ぜったいやらないからね わかったね ぜったいのぜったいおやくそく あしたのあさは きょうみたいにやるんじゃなくて もうあしたは ぜったいやるんだぞとおもっていっしょうけんめいやって パパとママにみせるぞというきもちで やるぞ 

------------------------------------------

 幼子は親に愛されたくて、愛してほしくて、必死に努力していた。どうしてこの思いをうけとめられなかったのか。いまあの男と女が心の底から悔いていると信じたい。


<余談:人の生き方を問う仏教説話>
 お馴染みの月と兎のお話です。

*#2349 七夕の朝の朗読 「月とウサギ」(仏典童話より) July 7, 2013
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#3747 ソクラテスの裁判と森友文書改竄事件 May 31, 2018 [8. 時事評論]

 佐川元理財局長以下、38名の財務省職員が不起訴処分になった。公文書は一文字たりとも変えてはいけない、手を加えたら公文書偽造にあたるが、300か所も手を入れても「国に損害を与えたとは言えないので」大阪地検は罪に問えないという。損害の有無ではなく、改竄や偽造があったかなかったかが要件ではないのか、不思議なことがまた起きた。理を外れた弁に聞こえる。

 この国の裁判制度がどういうレベルか、2400年以上前に古代アテナイの都市国家でなされたソクラテスの裁判と比較してみたい。
 『百%の真善美 ソクラテスの裁判』の著者である遠藤利國さんは、本の末尾の「エピローグ ソクラテスの遺したもの」にこの本を書いた2番目の理由を次のように述べている。
---------------------------------------

 第二の理由は、この裁判の持つ今日的な意味である。この裁判の経過について多少なりとも通じている人は、その自由で開かれた裁判の在り方に驚嘆の思いを抱くことだろう。これが二千四百年以上も前に行われた裁判なのである。今日国連加盟国は二百カ国ほどあるだろうが、、その中で裁判制度がこのレベルに達している国がどれほどあるだろうか?おそらくその1割、つまり二十カ国にも満たないのではないだろうか。
 内戦に明け暮れしている発展途上国、宗教やイデオロギーが支配する独裁政権は無論のこと、安全保障理事会の常任理事国の中にさえ、古代アテナイの裁判のレベルに遠く及ばない国があるのが、今日の世界の現状なのである。もっとも、そういう我が国も、百年前の大逆事件を例にとるまでもなく、太平洋戦争の敗戦で消滅した大日本帝国時代の裁判のレベルは古代アテナイに遠く及ばず、先進国並みの裁判制度の透明性を維持できるようになったのは、近々数十年の話なのである。
 では、なぜ及ばないのか。何が異なるのか。
 古代アテナイの民主性も、後の共和制ローマも、貴族と市民が王を追放して、成立させた政治制度である。つまり、それは社会正義の在り様を特定の王やその取り巻き集団の利 interest ではなく、社会の多数が納得できる理 reason をもとにして追求しようとする社会であった。詳しくは『漫言翁福沢諭吉ー時事新報に見る明治』(未知谷)の第二章を参照していただきたいが、そうした社会正義の在り様が大小さまざまな社会制度の違い、ひいては国としての発展の基礎となって現れるのであって、先に述べたアテナイの裁判のレベルをクリアした先進国と、それ以下の後進国との違いはこの社会正義のとらえ方の違いに基づくともいえるのである。p.145


---------------------------------------

  後段の太字の部分はそのまま今日の日本、大阪地検の「嫌疑不十分」を理由とする不起訴処分に重なる。

<余談>
 この本は150頁ある。文体が語り口のように流暢で、とても読みやすい。遠藤さんは哲学者である。国学院大学で15年間ソクラテスの裁判をテーマに毎年講義を繰り返した成果がこの本。かれは早稲田大学大学院哲学研究科、樫山ゼミ出身である。読めばわかるが、視点の置き所がユニークで異色のライターといってよいだろう。院生時代の彼は一風変わっていた。哲学をやるのにギリシア語の勉強をしていた。ギリシア哲学の基礎概念は日本語や英語では理解できない部分がある。あの時代の院生でそこまで徹底する者はいなかった。
 専修大学の哲学の教授をしている伊吹氏は市倉ゼミの同期である。かれは哲学のほうの本ゼミ、わたしは学部を超えた「一般教養ゼミ」、三年間市倉先生に学んだ。
 当時早稲田大学大学院樫山ゼミでテクストに取り上げたのが市倉宏佑教授の翻訳『ヘーゲル精神現象学の生成と構造』上下の2冊本である。あれを読みこなすせるのは哲学科の学生でも一握りのトップレベルの層のみ、なかなかたいへんな研究書です。別の意味でもっと大変なのが毎日出版文化賞を受賞した『アンチオイディプス』、この本は哲学の素養だけでは翻訳できないでしょう、哲学と経済学の両分野に渡っています。そういう意味では4年間だけ存在した学部を超えた理想郷「一般教養ゼミ」の延長線上のお仕事だったのではないかと思います。『資本論』全巻とグルントリッセ(『経済学批判要綱』1-3分冊)を読みました。
 学部の午後からのゼミの時に、市倉先生が眠そうな顔をしていたことがあったので訊いたら、「イポリットの著作の翻訳作業をしていたら朝になっていた」とおっしゃった。

 わたしは商学部会計学科から大学院経済学研究科へ進学したから、遠藤さんは渋谷駅前にあった進学教室の三年間はわたしが哲学者の市倉先生のゼミだとは知らなかった。ブログを書き始めてから遠藤さんがメールをくれて、お付き合いが復活した、メールで樫山ゼミで市倉先生が翻訳した『ヘーゲル精神現象学の生成と構造』を読んだと聞いて、「わたしは学部時代は3年間市倉ゼミです」と言ったら驚いていた。かれは青春の熱い時代を共有した旧友なのである。
 東京渋谷駅前にあった進学教室で一緒に三年間だけ専任講師のバイトをしていた。授業のない時間の「職員室」はまるで梁山泊だった。専門分野の異なる専任講師たち数人で雑談や議論していることがよくあった。大学院では経済学研究科はその分野の専門家だけが集まり、他科との交流はない。哲学研究科もそうだ。ところが、その塾の専任講師には様々な分野の人がいた。理系の大学院生や東工大出の1級建築士など、実に多彩だった。ああいう空間がいまはもっと必要なのではないか?

*#2006 Eさんの新刊書『漫言翁 福沢諭吉 時事新報コラムに見る明治』 July 10, 2012
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-10

 #2044 『漫言翁 福沢諭吉 時事新報コラムに見る明治』 (2)  Aug. 8, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-08-08

 #2254 『漫言翁 福沢諭吉・・・』 (3) Apr. 2, 2013 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-02

*#1823 激烈な競争から這い上がれ:団塊世代の友人からの手紙 Jan. 31

*#1025 『明治廿 五年九月の ほととぎす 子規見参』 遠藤利國著 May 10, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-10

  #1030 『nationalism とpatriotism』 May 17, 2010
  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17


  #1362  『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む:パイオニア 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30-2

  #1366 『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む (2) : 学問の楽しさ Feb. 2, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

  #1368 『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む (3) : 学問の楽しさ Feb. 3, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03-1

 #1823 激烈な競争から這い上がれ:団塊世代の友人からの手紙 Jan. 31, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-31

  #1972 "Not a mimute too soon" :掛詞 June 12, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-12-1

  #1993 掛詞(2) 子規は? July 1, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-01-1



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百%の真善美―ソクラテス裁判をめぐって

百%の真善美―ソクラテス裁判をめぐって

  • 作者: 遠藤 利國
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2013/02
  • メディア: 単行本

 

漫言翁 福沢諭吉―時事新報コラムに見る明治

漫言翁 福沢諭吉―時事新報コラムに見る明治

  • 作者: 遠藤 利國
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2012/07
  • メディア: 単行本

続 漫言翁福沢諭吉―時事新報コラムに見る明治 政治・外交篇

続 漫言翁福沢諭吉―時事新報コラムに見る明治 政治・外交篇

  • 作者: 遠藤 利國
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2014/09
  • メディア: 単行本

ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈上巻〉

ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈上巻〉

  • 作者: イポリット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1972/10/30
  • メディア: 単行本
ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈下巻〉

ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈下巻〉

  • 作者: イポリット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1973/05/30
  • メディア: 単行本

アンチ・オイディプス

アンチ・オイディプス

  • 作者: ジル・ドゥルーズ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1986/05
  • メディア: 単行本


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#3723 ジャズの街PR推進委員募集について:私の意見 Apr. 15, 2018 [8. 時事評論]

<最終更新情報>
4/16朝8:50追記 
    11時 #3724のURL貼り付け


 真夜中から雪に変わった。8時の気温は0.5度、積雪深5㎝である。根室は春の雪に見舞われている。五月の連休に雪が降る年もたまにあるから、やっかいだ。冬タイヤを外すタイミングに迷う人が多いだろう。週明けに夏タイヤに変えるつもりだ。

 根室市が「ジャズの街PR推進委員」を募集している。ジャズが根室の文化遺産だからそれを継承する必要があるので、PR推進委員を募集していると北海道新聞に2度載った。理由は拠点となっているサテンドールの経営者が高齢となって店を閉めるから
 昨夜ある方からメールをいただいた。かりにAさんとしておこう。わたしの記事への異論が書かれていたので紹介したい。並べてみることでまた違った全体像が見えてくることがある。
 喫茶店を継承するかしないかは応募者の選択に任されているというのがAさんの異論である。Aさんは北海道新聞根室地域版の記事を読めない地域に住んでいるから、募集要綱を見ての判断だろうと考えた。言っていることが新聞に載っていた記事とはずいぶんニュアンスが違うので、念のために市役所ホームページの応募要項を確認した。
 「事業の背景説明」は次のようになっている。
*http://www.city.nemuro.hokkaido.jp/material/files/group/2/bosyuu.pdf


-----------------------------------------
…そんな根室の文化の一つがジャズです。「ジャズの街・根室」とも言われ、日本を 代表するジャズプレイヤーを招いてコンサートを開くなど、その活動を支えるネ ムロ・ホット・ジャズ・クラブの活動拠点となっている老舗ジャズ喫茶「Satin Doll サテンドール」は、1978 年の創業以来、全国のジャズファンにスイングと潮風の コラボレーションを届けてきました。日本ではかつて多くのジャズ喫茶が営業し ていましたが徐々に姿を消し、数々の歴史を刻んできた「最東端の街・根室」の ジャズ喫茶も 40 年を経た現在、店主の高齢化により事業の継続が困難となってき ました。  本事業は、存続の危機にあるジャズ文化発信拠点とその文化的価値を遺し伝え るため、ジャズ文化の承継や根室への移住を望む起業希望者を「地域おこし協力 隊員(根室市 Jazz の街 PR 推進員)」として全国から募るとともに、「クラウドフ ァンディング型ふるさと納税」を活用し、この取組みに共感する全国の方からふ るさと納税を募り、起業希望者に対し事業立ち上げの初期投資経費等を支援しま す。
-----------------------------------------

 最初に書いてある「事業」は喫茶店サテンドールの経営のことだが、あとのほうの「本事業」はPR推進活動のこと。北海道新聞の取材記事では初年度の予算総額は737万円(4/3北海道新聞)でその中にレコード・レンタル料を180万円用意していると書いてあった。
 この「事業背景説明」を素直に読むと、サテンドールの継承はやってもいいしやらなくてもいいと解釈可能だ。なるほどAさんが主張する通りである。
 最近、根室の町の唯一の自転車専門店が閉店したから、自転車屋さんでもいいし、ヘアー・カットの店でもいいことになる。サイクリング・ファンもジャズファンくらいはいる。

 ところがレコードのレンタル料を本年度予算で180万円確保していることから、市役所が提案した「本事業」は喫茶店経営を想定しているという風に読める。ようするに文章があるいは書いてあることがつぎはぎそしてあいまいなのである。こういうところに本音があらわれる。文章丹念に読んでいけばものごとの本質はつかまえれれる、ようするに市役所総合政策部はサテンドールを継続したいのである。「ジャズの街PR活動」はそのために設定された「理由」である、だから、これが絶対要件だろう。

 まさか、自転車専門店やヘアーカットのお店で、ジャズをかけたらそれがPR推進活動だということではないだろう。こうした事実をつなぎ合わせると、「本事業」は喫茶店の経営継続とレコードレンタル料の180万円はジャズ喫茶を維持してもらって収入を得たいという現店主の要望に沿う条件を付けくわえたと考えるのが妥当なようだ。だれが喫茶店の経営継続を望んでいるのか?それは常連メンバーのうちの市役所幹部職員か市役所の幹部職員に個人的な強いコネをもっている者だろう。わたしにはそれが誰かはわからぬ、しかし、いろんな関係者がご存知のようだ。ガラシャさんというハンドルネームで投稿してくれた方がいるが、そういうラインを示唆している。
 募集要項なのだからこんなにあいまいな表現は避けるべきで、はっきり、サテンドールの事業継続が条件だと書けばいいのである。だが、ストレートに本音を書けば公費を投入することに矛盾が生ずる。「本事業」の担当部署である市役所総合政策部は本事業の矛盾を意識している。

 一喫茶店の継続に公費を使うのはどう考えても恣意的に過ぎるから、サテンドールの継承は外すべきだったし、誤解を避けるためにレコードレンタル料を予算に入れるべきではなかったこんなに恣意的な募集要項では全国の人たちから根室が笑われる。根室市役所も「加計学園のえこひいき」のような政策を推し進めていると公言しているようなもの。

 活動内容の記載もあるが「2」は具体的だが「1」は具体性を欠いている。
-----------------------------------------
【活動内容】
1 Jazz の街 PR 推進員としての基本的活動
(1)存続の危機にあるジャズ文化発信拠点の再興を目指し、Jazz の街・根室 を広く全国に PR すること。
(2)ジャズイベントや地域行事の応援、ジャズ文化の発信、メディアを使っ た情報発信等を行うこと。

2 本市への定住・定着に向けた活動
(1)本市への就職、起業等に関する活動
(2)設置要綱第2条第5号に規定する活動
(3)その他定住・定着に向けて必要な活動 

-----------------------------------------


 大事な要件が二つある。一つ目は次のようになっている。

-----------------------------------------
① 都市圏をはじめとする都市地域等に現に住所を有する方、もしくは、「地域お こし協力隊」であった方(同一地域における活動2年以上、かつ解職1年以内) で、3大都市圏外又は3大都市圏内の条件不利地域に現に住所を有する方
② ジャズをこよなく愛する方
③ 本市に定住しようとする意思のある方
④ 心身が健康で、かつ、地域協力活動に意欲及び情熱を持っている方
-----------------------------------------

 これを素直に読めば、①~④までは&条件である。地域おこし協力隊制度がその地域に定住することを補助金の要件としているからだ。現住所についての縛りが明記されている。「都市圏をはじめとする都市地域等に現に住所を有する方」もあいまいだ。政令指定都市なのか、夕張市でもいいのかさっぱりわからぬが、常識的な理解では「市」はすべて都市と考えられるし、行政用語上もそうなっている。
 「もしくは」というのはOR条件だから、地域おこし協力隊経験者でかつ「3大都市圏外または3大都市の不利地域の現に住所を有する方」もOKということ。この追加説明から、最初の「都市圏」というのは3大都市をさしているということがわかる。論理的にはそう読むほかないのだが、応募者たちは文意を読み取っただろうか、文章を書いた方もわかっているのだろうか、わかりづらい文章だ。
 結論を言うと、3大都市に居住している人以外は地域おこし協力隊経験者のみが応募条件に適合する道内に住んでいる人なら、応募資格のある人は地域おこし協力隊経験者のみということ。おかしな制限だ、地域おこし協力隊で3年間公費を使って成功しなかった人に「敗者復活戦」を用意したということか。こういう応募者に甘い審査が重なれば2度目の失敗をやるだけ。
 事業改革の評価に関しては根室市の総合政策部はダメダメの折り紙付き、市立根室病院では経営を管理する課長職を新設しても、業者に経営改善を委託しても、市役所のやった企画のどれも大失敗だった。何年たっても市立根室病院の業績が回復しない。年間赤字額は以前の8億円前後から17億円に拡大したまま、なすすべがない。地方公営企業法全部適用に経営形態を変更したが、これもまったく効果なしだ。重要な企画で当たったためしがない。必要なスキルをもった人材がいないからだろう。

 次に、活動に投下する時間が決められている、これが厄介である。
-----------------------------------------
 概ね週 29 時間
-----------------------------------------

 週29時間なら一日8時間とすると週4日である。半分以上をシャズPR推進活動につぎ込まなければならない
。そして根室に住み生活していかなければならない。喫茶店を継承せずに別事業を起こす場合は、この条件が一番厳しい。ほとんど不可能な条件である。そこからみても、喫茶店の事業継承が絶対要件であることがわかる。喫茶店でジャズをかけ、ブログやツイッターで情報発信していれば、ジャズPR推進活動をした時間にカウントできる。「営業時間=ジャズPR推進活動時間」となり、週29時間の要件もクリアできる。それ以外はやらせないということ。
 この条件を満たすには、自転車専門店だってヘアーカット店では不可能である。本業に身が入らないで客がつくわけがない、ジャズ喫茶を継承するしかないのである。
 応募者は週3日で生活できる具体的で現実的な事業計画をもってこなければならない。
 根年金生活者を除き、根室市内で週3日働いて生活できる人がいるだろうか?若い人で週3日働いて独立して生活を営んでいる人がいるだろうか?いないのに募集しているなら、都会に住んでいるどなたかが、そんな夢のような実行案をもってきてくれることを当てにしていることになる。北方領土返還運動とまったく同じ構造がここにもある。お金も人も出して自分たちでやろうとしない、他人を当てにしている無責任さが見える。ジャズ愛好者の集まりなら、なぜ自分たちでお金を出し合って活動を支えようとしないのだろう?
*#3724 ジャズの街PR推進委員募集(2):愛好家とは何か Apr. 16, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-16


 北海道新聞には「ジャズは根室の文化遺産」だと書かれていた。関係者への取材の結果の記事だ。
 根室の文化遺産というなら、前にも挙げたが金刀比羅神社の例大祭や歯舞地区のお祭りのお面をつけた踊りならわかる。百年を超えて根室に根付いた文化である。これらは伝統的な文化だから、そこに住んでいる多くの市民や歯舞地区の人々が人とお金の両面で支えている。だがジャズはそうではない、ごく一部の人たち(数十人程度)の趣味にすぎない
 だから、ジャズが根室の文化遺産というのは無理がある。おまけに高齢化していると募集要項にも書いてある。だから後継者が欲しい。20年もすれば現在のジャズ愛好家の大半が天国で演奏を楽しんでいるだろう。
 わずか数十人のジャズファンしかいないのでは、拠点の維持はとっくに不可能であるということ。サテンドールの常連客が全部ジャズが大好きだとして、事業採算がよいなら、地域おこし協力隊制度の利用なんか必要なしだろう。愛好家が少なすぎるから自分たちで維持できない。自分たちで何とかしようではなくて、補助金頼み、根室の悪い癖だ。北方領土返還運動も最近にわかにやりだしたホタテの養殖にも同じ構図が見える。事業のほとんどは補助金で賄っている。

 「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」日本国憲法第15条より

 根室のジャズを文化遺産と屁理屈をつけ、一部のジャズの愛好家のために地域おこし協力隊制度を利用するのは一部の者へ奉仕する行為であって、全体への奉仕者としての仕事ではない。根室市総合政策部は日本国憲法に謳われている公務員の役割に忠実な仕事をすべきだ。

 以上がわたしの意見である。異論のある方は投稿欄へ書き込まれよ。


*#3722 朝方の地震:震源地は根室半島南東沖 Apr. 14, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-14

*#3720 根室の人口減少『広報ねむろ4月号』より:14か条の課題 Apr. 12, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-04-11-1

*#1782 北海道大震災:根室・釧路沖 400年に一度の巨大地震の可能性あり Dec.25, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24



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#3716 経営面から見た「北野オフィスお家騒動」 Apr. 5, 2018 [8. 時事評論]

 北野オフィスからビートたけしが去り、「たけし軍団」が残された。森社長とビートたけしの喧嘩別れのようで、毎日のようにテレビ報道で採り上げられている。
 この数年間の売上規模は24-25億円だが、初めて赤字を計上したらしい。ビートたけしにしてみれば、こんなに稼いでいるのに何で赤字なんだ、経営がヘンだ、そういう思いだったようだ。
 映画のイベント用のNPO法人の代表を社長の森氏がやっており、年間4000万円がそちらに流れているという。社長の役員報酬も多すぎるとか、株がいつの間にか森社長が6割握っていたなど、不信の種が多いようだ。

 売上規模が20億円を超えたら個人経営から会社経営に切り換えなければならない。経理規程や業務規程、給与規定、退職金規程などの基本諸規程を整備して、規定通りの運用をやり、決算を社員に公表するようなオープン経営に切り換える時期である。閉鎖的な経営は利害関係者に不信を生む基本諸規定を整備し、会社経営に切り換えができれば、売上規模が100億円になっても経営は健全に行える
 この時期に会社経営に切り換えられない企業のほとんどが、規模拡大とともに経営がおかしくなり、経営破綻に追い込まれる

 森氏はADの出身だから、会社経営は素人。芸人のたけしとウマが合って規模が小さいうちはいいが、規模が大きくなれば、そうはいかなくなる。いくら稼いでも(社長の森氏に)赤字と言われたら、「それはないだろう?なにかおかしい」(ビートたけし)とこうなる。
 社長の森氏がNPO法人の代表を務め、そこに4000万円ものお金を毎年流せば、「利益相反取引」に該当することは経営の常識である。所定の手続きにしたがって、事前に取締役会にかけて、株主総会の承認をとっておかなければならない。経営のイロハだが、そんなこともご存じなかったようだ。

 わたしはSRLに16年間勤務したことがあるが、学術営業部長だった窪田氏が会社を辞めて起業し、一度目は失敗、二度目に成功している。ペプチドリームという創薬に関係したベンチャー企業だが、東証一部上場を果たし、健全経営をしている。彼に経営の才能があったとは思わないが、あの会社には経営能力に秀でた人材がいるようだ。自分にない才能で必要不可欠なものは探せばいい、必要な能力をもつ人材を採用できたら会社経営は安泰だ。
 平成18年の創業、従業員数67名、昨年度の売上48億円。東証一部上場企業でこんなに売上規模の小さい会社は他にはない。小さくたって、いい企業はいい。
*ペプチドリーム
http://peptidream.com/index.html

 1970年代はアパレル関係ベンチャー企業の勃興期であった。売上規模が20-30億円規模に達したときに、個人経営から会社経営に切り換えられなかった有力なベンチャーが、売上規模拡大が急速過ぎて資金が追い付かず経営破綻する例が多かった。基本諸規程を整備してオープン経営に切り換えられた企業は100億円を超す企業へと成長を果たしている。

 個人経営からオープンな会社経営へ、こういうことは業界を超えていまでも同じだ。売上規模が20億円を超えるようになったら、オープン経営への切り替えを急いだほうがいい。会社の基本諸規定を整備して、予算や決算を社員に開示すべきだ。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」を旨として経営しよう。もちろん、「従業員よし」も入っている。
 ようするに「ホワイト企業」を目指せということ。閉鎖的な会社は経営破綻のリスクを大きくするだけだ。

<類似の暗部は根室市政にもある>
 民間企業ではないが根室市政も閉鎖的で「ブラック」だ。一民間喫茶店のサテンドールの維持に700万円を超える補助金を交付するのだから、あきれてものがいえぬ。「ジャズは根室の文化遺産」、どんなに理屈をつけても屁理屈は屁理屈、一部の者たちが市政を壟断*(ろうだん)している。
 残念だがこういう例は枚挙にいとまがない、弊ブログで具体例をいくつも取り上げている。もう10件以上になるのではないか。
 こういう恣意的な市政を一つ一つ改めなければ、根室の町の活性化はないし、高校を卒業すると若者たちは都会へ進学し、そのまま就職して故郷に戻ってこない。このままだと、22年後の2040年には根室の人口は現在の2.6万人から1.6万人にまで減少してしまうだろう。
 今年9月に行われる根室市長選挙が試金石だ。この選挙で具体的な政策を掲げた新人が出てこなければ、なるようになるだけ。

*壟断(ろうだん):①丘の高く切り立ったところ ②〔ある男が丘から市場を見まわし、品物を売るのに適した場所を探して利益を独占したという「孟子 公孫廿下」の故事から〕利益を独り占めすること。 『大辞林第三版』より

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#3665 道東に四百年に一度のM9級の地震が近づいている Dec. 20, 2017 [8. 時事評論]

 学術的な地質学調査による巨大地震と、15-20mの津波の痕跡が道東の沿岸部の地層に15層の砂の層になって刻み込まれていることが6年前に判明している。なんでいまごろ急にこういうことを政府が言い出すのだろう?簡単な話だ、政治がらみの理由が透けて見える。

 政府地震調査委員会が標記の巨大地震の警戒警報を鳴らした。釧路と根室に甚大な被害が予測される、とくに海から原野部へと平地が続く釧路市は市街化地域の大半が15mの津波に押し流されて逃げる暇もないだろうから、壊滅的な打撃をこうむる。地震が起きてから津波到達まで20-30分あるというが、計算は正しいのか?半分しかないとしたら、避難計画も被害も実にシビアなものになってくる。具体的な避難計画を策定して、現実に近い形で何度もトレーニングしておくべきだろう。
 被災予想地根室市は人口の1/3強の9,258人、釧路市は人口の7割の123,000人が居住している

 発端は2011年に日経サイエンスが掲載した地質学的アプローチからの巨大地震の痕跡調査記事にある。弊ブログ#1782で取り上げて解説しているので、ご覧あれ。

*産経ニュース
http://www.sankei.com/affairs/news/171219/afr1712190029-n1.html
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千島海溝巨大地震、400年前に24メートルの津波

 北海道東部に残る痕跡で推定


地震調査委員会が19日公表した長期評価は、北海道東部を襲う超巨大地震の津波の高さを示していないが、北海道大の地震学者らは「約400年前に最大高さ約24メートルの大津波が道東に押し寄せた」と計算している。

 道東では、この津波で内陸に運ばれた砂などが沿岸から最大4キロ先で確認された。太平洋に面する大樹町では高さ18メートルの崖からも見つかった。

 北大の谷岡勇市郎教授(地震学)らは、砂などの分布を説明するような津波を計算で再現。沖合にある長さ300キロの断層が25メートルずれて、マグニチュード(M)8・8の地震が起きるケースが、ぴったりだと分かった。プレート境界である千島海溝での超巨大地震だ。

 津波は大樹町の生花苗沼で海抜24メートルに達し、釧路市などでも同15メートル以上と推計されている。
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 弊ブログでは6年前の12月25日に#1782で、そして昨年「#3270 根室も四百年に一度の大地震が近い:熊本大地震は他人事ではない Apr. 15, 2016」というタイトルで、日経サイエンスの記事を引用して解説している。
 もう一度お読みいただきたい。

*「巨大地震、北海道東方沖が要注意 日経サイエンス
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2101D_R21C11A2000000

*#3270 根室も四百年に一度の大地震が近い:熊本大地震は他人事ではない Apr. 15, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-15

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<熊本大地震:九州で大地震はないと思っていた住民>
 昨日(4月14日)21時26分、震度7の熊本大地震が発生した。震源域が浅かったので震度が大きく被害が大きかった。被災地の状況は夜が明けてから判明しはじめた。
(16日午前1時25分にM7.3の地震があり、気象庁はこれを本震と認定した。したがって14日のM6.4は本震の前兆ということになった。)

<南海大地震経験者の証言>
 1972年ころ紳士服の製造卸の会社勤務をしていたときのことだが、ベテラン裁断師の浦田さんが1946年12月21日に発生した南海大地震の経験談を話してくれたことがあった。四国中村市(現・四万十川市)で起きた大地震はMj8.0、死者1443名、家屋全壊11,591戸の大災害だった。浦田さんがいうには、地震には通り道があるというのである。帯状に全壊家屋が並んでおり、そこを10mも外れた家屋は倒壊を免れていたという。
 今回の熊本大地震でも同じことが起きている。

<高潮被害は根室半島の沈下が原因>
 さて、2012年12月23日の日経サイエンス誌によれば、わがふるさと根室はこの百年間毎年1cm沈み込んでいるという
 団塊世代が小学校のころに比べて、根室市は60cm沈み込んでいることになる。小学生のころ、豪雨があれば、緑町と汐見町は洪水を繰り返したが、高潮の被害は一度もなかった。地球温暖化で高潮被害が起きているのかと勘違いしている人がいるかもしれないが、根室は60年前に比べて60cmも地盤沈下が起きているのだから、爆弾低気圧で高潮被害が起きるのはあたりまえ。

 あと40年もすればさらに40cm沈むから合計で1mにもなる、緑町や汐見町やハッタリなどの低地帯は「海あるいは入り江」になるのだろう。人口が加速的に減少しているから、低地を選んで住居や店舗を建設する必要はないだろう。防潮堤などつくらずに自然に任せて海と化していいのではないか?

<根室半島沈下は巨大地震の前兆現象>
 問題なのは、加速的に沈みこむことで、地殻に巨大な歪が蓄積していること。根室半島の地層分析によれば、北海道東部海岸は5500年間に15回の巨大地震を起こして津波被害を受けてきた平均すると400年に1度の割合で根室東方沖巨大地震と大津波に見舞われてきた。最後に起きたのは17世紀だそうだから、それからすでに400年が経っている。そろそろ危険な期間に突入したと考えるべきだろう。熊本大地震は根室の住人にとって他人事ではないのである。
 60cm沈み込んだ根室半島は、20mの津波を伴う巨大地震が起きれば隆起するから、そのときになれば防潮堤は無用の長物と化す。自然相手に戦う必要はなく、逃げたらいい、逃げるしかないのである。高さ20mの津波でも壊れない建物はコストがかかりすぎるから「避難所」以外は不要である。中国のことわざに、「三十六計逃げるにしかず」というではないか。

*「巨大地震、北海道東方沖が要注意 日経サイエンス
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2101D_R21C11A2000000/

 1994年10月4日22時22分に発生した北海道東方沖大地震では根室で倒壊家屋があったが、あれを上回る巨大地震が根室半島に迫っているのは事実のようだ。産業技術研究所と北大の平川特任教授の地層調査によれば20mの丘陵にまで到達した津波の痕跡があるという。根室市街地で一番高いのは浄水所のあった光洋町の44mである。光洋町のセブンイレブンと光洋中学校の間の丘が一番高い。太平洋側にある花咲港や浜松地区、桂木浜、歯舞などは壊滅する。
 たとえば、全国一のサンマの水揚げを誇る花咲港や歯舞港の市場が流されれば、すぐにも再建しなければ魚の水揚げすらできないことになる。だから、それが可能なように、復興資金を積み立てておくことが肝要なのである。そういうときに返すべき借金があったらとても持ちこたえられない。

 根室半島で20m以下のところが太平洋からオホーツク海まで続いている部分があれば、そこだけは津波が太平洋からオホーツク海へと通り抜ける。四百年に一度の大津波に備えるために、標高10mごとに地域を色分けした地図を作製・配布して、市民へ周知徹底する必要があるのだろう。
 徒歩10分以内に30mの高台のない地区もあるから、そこには津波が来たときに避難できる鉄筋コンクリートの避難施設を用意する必要がある。ふだんはまったく必要がない無用の長物だが、命を救うために必要である。大津波が来ても命が助かり復興資金の積み立てがあればなんとかなる。子や孫のために当代のわたしたちがなすべきことは山ほどある

(数日前の北海道新聞根室地域版は、大津波の最大高は太平洋側で32m、オホーツク海側で4.9mと報じていた。 4/21追記)

<釧路根室管内巨大地震対策共同プロジェクト構想>
 根室よりも、海岸部の低地に市街化地域の広がる釧路の方が甚大な被害が出る。浜中町、厚岸町、羅臼町や別海町と一緒に対策を検討したらよろしい。釧路根室管内初の共同プロジェクトにしてコミュニケーションをよくしたらいいではないか?
 浜中農協の石橋組合長をプロジェクト・メンバーに加えたら、何かよいアイデアを出してくれるにちがいない。

<大災害に備えて借金を減らし、復興資金をいまから積み立てよ>
 根室市は病院の建て替えに市が招聘したコンサルタント提案の2倍、70億円ものお金をかけた。新築後の病院事業は最大11億円の赤字のはずが10年前の2倍の赤字(年額17億円)を出し続け、明治公園を40億円もかけて再開発する計画を進めている。その結果、この12年間で人口が5000人も減少したにもかかわらず、市債の残高が減っていない。
 本来なら、借金をなくして、来るかもしれない大災害に備えて資金を積み立てておくべきだが、そういうビジョンは現在の長谷川市長にはまったくないが、市の幹部職員や一般職員に志の高い者が数名いることを期待したい。構想と具体的な仕事の手順を温めておいてもらいたい、使うときが来る。

 国も同じことだが、富士山の大噴火や関東大震災に備えて、首都機能移転構想を練り、200兆円ほどの資金を蓄積しておくべきときに放漫財政でお金を浪費している、まことに愚かな話である。
 先を見通して、ビジョンを提示し、先手を打てる市議や国会議員がいるだろうか?
 志の高さが問われている。健全な保守主義を標榜する市議や道議、そして国会議員がいてもらいたい
 首長の中に消極的な者がいるなら、各市町議会長の連絡会議で事を起こせばいい。釧路市議会長の月田さんは協力を惜しまないだろう。来月「釧路の教育を考える会」の年次総会が予定されているから、その後の飲み会で話してみたい。根室の市議会議長も月田さんをよくご存知だ。道東の道議も「丹頂の会」とかいう集まりがあったのではないか。ふるさとのためである、いろいろなレベルでプロジェクト発足に協力したらいい。

 孫たちにこう言われてみたいとは思わないか?
「家(うち)のおじいちゃん市議(あるいは道議ないしは国会議員)だったけど、立派な仕事をしておいてくれた、地震と津波の大災害があったけど、大きな積み立て資金があったのでずいぶん助かった」

 深刻な被害が予想される漁業者や漁業協同組合も津波による塩害が予想される酪農家や農業協同組合も、復興資金の積み立てを厚くしておくべきではないのかね。
 「備えあれば憂いなし」


*#1782 北海道大震災:根室・釧路沖 400年に一度の巨大地震の可能性あり Dec.25, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24

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#3647 日馬富士に遠慮があるのでは?:論理と情のはざまで Nov. 25, 2017 [8. 時事評論]

  日本人の横綱が傷害事件を起こしたら、自ら引退するのは当然だと日本人の誰もが思うのではないか。
  マスコミは日馬富士や白鳳がモンゴル人の横綱だから遠慮しているようにみえる。そういうところに遠慮が働いてしまうのが日本人の特性の一つだ。
  ところが、横綱が大酒を飲んで平幕力士をたたいて頭部を10針もホッチキスで止めなければならないような傷害事件を起こしたら、さっさと引退するのが筋だという正論が日本人は言いにくい。惻隠の情というやつがあり、論理で割り切れないのが日本人。「論理」よりも「情」を重んじる国民性がある。

  10針のケガかどうかを確認できたら、日本相撲協会は毅然と対応すればいい。白鳳の優勝が今日(11/25)決まったが、祝う気になれぬのはなぜか。間髪入れずに日馬富士をとめなかったからだ。

  相撲の原点は神事にあるが、日馬富士はそのあたりが理解できていないのでは?
  日本人横綱ならどうかという視点から見ると、この傷害事件で横綱がとるべき態度は考える余地もないほど単純である。

  横綱は強く、それにふさわしい品格を備えているからこそ横綱、品格を欠いたらその瞬間にただの人である。それが相撲道というものではないのか、そうあってもらいたい。
  論理の季節風が北西から吹き、情の嵐が南からやってきてぶつかっている、八角丸はそのはざまで大揺れに揺れ、難破しそうだ。相撲協会の体質は6年前のまま、何も変わっちゃいないということ。

*#3643 医療用ホッチキス10針 Nov. 22, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-11-22

 #1369 根室出身、道内唯一の力士若天狼に八百長疑惑 Feb. 4, 2011
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-04

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<12/2追記>
  ブログ仲間のオータムリーフさんが、様々なメディア情報を整理して、独自の解説をしてくれています。是非お読みください。モンゴル力士会を舞台に八百長疑惑が持ち上がりつつあります。
2009年夏場所で持ち上がった八百長疑惑を次のように書いています。
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立ち合いであっさり下手を許した白鵬には、テレビ解説をしていた元横綱・北の富士が「(白鵬が自ら日馬富士を)引っ張り込んでいた」と疑問を呈し、当の白鵬も、取り組み後に記者たちに囲まれると「いろいろ勉強になった。また勉強して頑張る。はい終わり」と、さっさと背を向けたのである。
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 こういう下地があって、モンゴル力士会とは距離を置き続けてきた貴ノ岩への傷害事件が起こされた。これが事実なら、相撲は国技ではなくなったと言ってよいでしょう。

*日馬富士暴行は八百長問題に発展するか
http://blog.goo.ne.jp/autumnleaf100/e/2c6b4832aea7b82783a4f06f484b026e



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