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#3928 視写速度格差の学力への影響 Feb. 12, 2019 [47. 語彙力と「読み・書き・そろばん」]

 生徒の「読み・書き・計算」の3技能はどれくらいの格差があるのだろう?
 北海道新聞のコラム「卓上四季」を使ってタイムを測ってみた。文字数は569文字です。

 A: 20分49秒 ⇒ 27.4文字/分
 B: 6分55秒 ⇒ 82.5文字/分

 標準時間はおおよそ15分(38文字/分)である。このケースの時間の比は A:B=3:1である。文章を塊でとらえて書くことができれば速度が上がる。アイ・スパンが広くなるから、視写しながら文意もつかめる。速度が遅い生徒は文章がぶつ切りに読んで書きとるので意味の塊としてとらえられない、つまり、文章を読むときにも障害が生ずる。先読みがほとんどできないから、文章の意味理解ができないし速度が著しく落ちることになる。難易度がそれほど高くないものは読みが速くなればなるほど理解の精度も上がる。だから、音読トレーニングや書かれた文章の視写から得られる学力に関する情報はすくなくない。

 標準速度よりも3割以上も試写が遅いと、国語の学力テストで平均点をとるのははなはだ困難である。文章全体をざっと読み、次いで「段落読み」をする時間が無くなるから、論旨を正確に追えない
 Bの生徒は国語の学力テストでいいときには満点に近い得点が可能だ。でてくる語彙をほとんど知っているからこそ、この速度が出せる。この生徒は圧倒的に速い。

 視写が遅いのは読めない語彙があることも原因の一つに挙げていいだろう。読めない語彙のところではシャーペンがとまるったり、速度がガクンと落ち、リズムが維持できない。速い生徒は一定のリズムでシャーペンの音が途切れることがない。
 語彙力が貧弱だと授業で先生の話す言葉もところどころ理解できないから、話の文脈全体を理解することができなくなる。そういうレベルの生徒が根室の中学生には25%くらい居そうだ。本を読まない生徒は日常生活で読む訓練がなされないし、知らない語彙が頻出して意味が分からなくなるので新聞や本を読まないし、視写速度も遅いということになる。

 「卓上四季」の視写に18分以上かかる生徒は音読トレーニングと視写トレーニングを併用すべきだ。15分が切れるまで毎日やったらいい。たいした時間はかからぬ、音読と視写で30分やれば十分である。
 高校へ入学したら、授業を聴きながら先生の説明を聴きとるには、16分を切らなければむずかしい。分速27文字レベルでは黒板をノートに写しているときは、先生の話が意味のある塊として聞こえていない。黒板の視写をしながら先生の説明を聴くという並列処理ができないのである。

 生徒を観察していると面白いことがわかる。数人が私語し始めたとしよう、並列処理のできる学力の高い生徒は話に混ざりながら手が動いて問題を解いているが、学力の低い生徒は手が止まっている。個別指導だから、問題を解き終わると生徒たちはときどき学校のできごとの情報交換をすることがある。話題に興味のない生徒は黙々と問題を解いている。並列処理はできるようにトレーニングしておいた方がいい。社会人となったときには仕事ではそういう能力も要求される。客先に行って話の要点をメモしている瞬間に、相手の話が聞こえなくなっている。危なくて重要顧客を任せられない。並列処理ができないとはそういうこと。

  これらのデータからわかることは、学校の授業をどんなに上手にやっても、根室市内の中学生の25%ほどはその学力を上げることができないということ。
 これを裏側から見ると、「読み・書き・計算」の基礎技能をアップすれば学力全般を飛躍的に上げることができるということだ。

 読み・書きの基本技能は訓練すれば速度アップができる。時間を5分間測ってやればいい。新書版の本なら何ページ音読できるかスマホのタイマー機能をつかってトレーニングしてみたらいい。口を大きく動かして、最大速度で5分間読んでみよ。
 計算も同じことで、10分間に何題の計算問題ができるかタイムとその時間内にできた問題数を問題集に書き込んだらいい。小学校低学年のうちに珠算を習わせるのが理想的だ。珠算塾では級ごとに乗除算を各10分間、見取算(足し算引き算)を10分間時間を測ってやらせる。計算も音読も視写も、これらの基礎技能は時間を計測してトレーニングすることで速くなる。スポーツと同じである。

 時間を計測してトレーニングしないと速度アップはむずかしい。かならず時間を測って訓練してほしい。

<余談:速度と時間と勉強量>
 だいじなことを書き忘れてました。標準速度の2倍で読め、書けるるということは、標準的な生徒が2時間かかって勉強するところを1時間でできるということです。
 そしてさらに計算速度が標準の5倍の生徒は、他の生徒たちが3時間かかかって解く問題を1時間で解いてしまうということです。そういう生徒が毎日3時間勉強したら、平均的な基礎技能の生徒は6時間勉強しても追いつきませんよ。学力格差は年々拡大してしまうということです。
 基礎技能の速度差は学年が上に進むにつれて学力格差を広げるほうに作用します。
 こんな関係が成り立っているのでしょう。勉強量に2倍3倍の差があったら、それが何年間も続いたら、圧倒的な学力差になって当然です。脳の反応のパターンも違ってきそうです。
 毎日繰り返しやることは、習慣となり、数年続けたら脳の反応に鋳型ができるので、性格形成にまで影響します。あだやおろそかにしてはいけません。 

 勉強量=(読み書き計算速度)×思考速度×時間


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