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#3845 進研模試数学過去問で苦闘する高1 Nov. 3, 2018 [データに基づく教育論議]

 昨日高校1年生が5時ころ5人来た、そのうち4人は9時まで進研模試数学の過去問を解いていた。
 根室高校1年生の数学はが学力別に5段階に分かれているのだが、最上位のガンマ・クラスが試験範囲の2次関数の最後のところを「速度違反の授業」でなんとか間に合わそうとしているところだ。
 たとえば、定義域が「a≦x≦a+1」の問題を難なく解けるのは、塾で予習していてセンター試験レベルの難易度の問題をこなせる生徒だけだろう。根室高校普通科1年生にそういう生徒は1~3人しかいない。
 過去問をやった1人が「30分時間が余って98点でした」と言っていた。本番でそんな点数をたたき出したら偏差値が90を超える、できすぎ。もう進研模試の難易度ではかれの学力が測れない、駿台模試か河合塾模試の対象の生徒である。「シリウス数Ⅰ」を9月に全問クリアし、いま「シリウス数Ⅱ」をやっている。難易度の高い問題集で予習勉強していると、進研模試の過去問は「かるーく」感じるようだ。7月の進研模試受験の際には、難易度が高く感じていたはずだから、学力が上がった効果だろう。驚くことではない、生活時間のコントロールと勉強の仕方の違いが大きな学力差を生むという具体例である。残って勉強する必要がないからこの生徒だけ7時で帰った。途中で同級生に解き方を質問されて、背中合わせになっている側の座卓にあるホワイトボードで説明してあげていた。同級生からの要求に応えて、自分が苦労して手に入れたノウハウを惜しげなく開示することのできる人の好い奴だ。
 今日は古典の過去問を解いていた。国語の偏差値を70以上にするには古典で点数を稼がなくてはならない。現代国語のほうは読解力があるので模試レベルは問題がなくなっている。音読授業を半年前までやっていたが、いまは独力で取り組ませている。2週間ほど前に福沢諭吉『福翁自伝』を読み終わって、「次なににしますか?」というので、山本義隆著『近代日本150年 科学技術総力戦体制の破綻』を指定した。明治期の文献引用が多いこと、使われている語彙が難解なこと、さまざまな文献を渉猟して職人技と思えるほど緻密な論証をしていることなどが、この本の特徴である。ふつうの高校生が読んで理解できるレベルの本ではない。5年間じっくり時間をかけて良書を選んで日本語音読指導をしてきた結果である。
東大学大学院博士課程で物理専攻の学生であった山本義隆は1968年に東大全共闘議長に祭り上げられた、湯川秀樹がノーベル賞がとれる逸材と激賞するほど優秀だったようだ。科学史の分野でさまざまな著作を書いている、当代一流の物理学者であり、「知の巨人」と言ってよい。高校生の時代にそういう知性に触れておくのはよいことだ。)

 ガンマ以外の他のクラスはまだ手もついていないから、過去問を渡されても独力で解くことがかなわない。だからガンマクラスではない3人が2次関数を理解するために9時まで4時間も勉強していたのである。学力別クラス編成の振り分けに進研模試の成績を使うということだから、生徒たちは必至である。上のクラスに入りたい、あるいはガンマの生徒は今のクラスを維持したいと思うのは健全で素直な反応に見える。

 それにしても、根室高校で数学授業の進捗管理が杜撰になっていることが気になる。授業の進捗管理がちゃんとなされないと、生徒の学力(クラス平均点)が低下することは中学校で証明済みである。
 生徒の低学力化を目の前に見て、高校の先生たちも当惑気味だ。宿題ノートをつくり、提出させてチェックするというようなことまでしている。まるで小学生だ。これはこれで自立的な学習習慣の育成を阻害することになる。放課後補習も多くなった。

 中学生の学力低下を阻止しないと、高校の惨状が解決できない。その中学校では、10月に行われた学力テスト総合Bで中3の五科目平均点がB中学校90点C中学校もついに100点を切り99点。A中学校はだけ120点台のようだ。A中は数年に一度5人ほど突出して成績のよいグループが出現する特異性のある学校だから、「豊作」の年かもしれない。A中が3校では一番学力が低いと言われ続けてきたが、今年の3年生は別だ。

 昨年のデータしかないが、根室管内では別海中央中学校が140-155点中標津が130点台だった。釧路市内の14中学校でビリが120点前後であることを考えると、根室の市街化地域の3校の学力低下は目を覆うばかりだ。根室の市街化地域の3校の学力テストの五科目平均点は釧路根室管内で最底辺を形成している。学校も荒れているから、授業が聞こえないことが常態化している。授業中に私語をして先生の話がちょっと聞こえなかっただけで、理解できなくなり学力が低下することはこれもB中で証明済みだ。いきなり学年平均が300点満点で30点も下がったことがある。

 話の文脈を読んで、聞こえなかった部分を補えるのは国語の学力の高い生徒だけである。そういう生徒は60点満点の学力テストでふだん50点をクリアしている。各中学校で学年に1-2人しかいないだろう。

 さて、高校入試は2年前から根室高校1校体制であり、来年3月で根室西高校は廃校になる。根室高校普通科120人の生徒のうち80人は12年前なら根室西高校の生徒の学力である。根室高校普通科が定員オーバーしたのは13年前だったかな、その時はFランク150点で3人が落ちて、事務情報科へ回されている。いま150点で切ったら、市街化地域の3中学校はそれぞれ7-10人程度しか根室高校普通科に進学できないレベルとなっている。

 根室高校の数学担当の先生たちは学力差の大きな生徒たちを同じ教科書で教えなければならないからたいへんだろう。進研模試のスケジュールに合わせた速度、そして過去問が解けるレベルの授業をすればついてこられる生徒は1割以下だろう。
 でも、授業の進捗管理ができないのは問題が大きい。民間会社では仕事のスケジュール管理ができない社員は、上司の叱責を受け、賞与の査定も最低になるのだが、学校では一切そういうことがない。校長に呼ばれてしかられるということがないし、評価が下がる仕組みもない。
 仕事の進捗管理を2年続けてできなかった社員は退職勧告されるのが普通だ。仕事の後ろにはお客様がいて、スケジュール通りにいかなければ、契約違反で損害賠償の対象になるし、なによりその会社の信用を台無しにする。

 中学校でも5科目合計点が100点を切ったことは非常事態である。それぞれ放課後の補習体制を組んで、100点割れが続かないように努力しているようだ。さて、効果があるだろうか、学力テスト総合Cが来週予定されている。

<余談>
 13年前の根室高校普通科の生徒たちの平均的な学力が、五科目合計点で170点付近とすると、現在はそれが120点くらいに下がっているということ。
 20年後、30年後に根室の町を支える主力部隊が根室高校普通科の平均的な学力グループだとすると、中高生の学力低下は看過できないものだろう。
 問題が起きても解決能力がないのはすでにいま現在そういうことになっているから、それがさらに、それも劇的に深刻化するということだ。
 長谷川市政の12年間は教育に関心が薄かった、市街化地域の3校の中学生の学力は一貫して下がり続けた、学力向上に役に立ったと思われる教育政策は一つもない。根室市教育長に道庁の教育局から人をもらう、任期が終わると同時に根室を去る、そういうことが続いている。学力向上に実績を示した中学校長は数人いるがそういう人たちが教育長に推されることはない。根室市政が教育政策を軽視しているからだろう。根室市教育長がたんなる道庁教育局職員の「腰掛」ポストになっている。
 高校統廃合問題で大きな問題が出た。道庁から来た教育長が道教育局の統廃合方針に地元の利益を代弁してあらがうはずがない。高校統廃合は道庁教育局ペースで進められ、その結果ここで述べたように困難な状況が根室高校で現出してしまっている。

 市教委はふだんの学力テスト結果データをモニターし、適切な教育政策を立案し、その結果をふだん行われている学力テストの平均点で検証すべきだ
 市政が教育に関心が薄いのはどうしてだろう?根室市役所に学力上位層がすくなく人材が偏っているからではないのか?


*#3842 良質のテクストと日本語音読指導 Oct. 20, 2018
https://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-10-20




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