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#3896 「50!はゼロがいくつつくのか?」 Jan. 8, 2018 [52-2 生徒の質問]

<最終更新情報>
1/10朝 問題を3個追加 100!、150!、200!の3個です。そして「拡張(個別)」と「一般化(=抽象化)」

 標記の数1の問題について生徒から質問があった。受験間際の看護学校志望の生徒であるが、解答を見てもよくわからなかったという。解答を見たが5の倍数が2の倍数よりも多いこと、5の倍数は10個、「50÷5^2=2」で合計12個という風な簡便な説明があっただけ。なるほどこれではわかる生徒はほとんどいないだろうと思った。実際の解説に脚色しつつ説明してみたい。
 10×10=100
 10×10×10=1000
 10^n=1のあとに0がn個並ぶ

 ここまではだれでもわかっている。
 次は50!である。
 50!=1×2×3×4×…×49×50

 これも数学が赤点でない限り知っている、この生徒は数学の点数が上位だからもちろん知っている。もう一つ数字を並べてみよう。50!には次の数字が含まれている。
① 10×20×30×40×50=1×2×3×4×5×10^5
 となるから、ゼロが5個つくのは自明だ。

ここからがちょっとジャンプしなければならない箇所だ。2の倍数と5の倍数を因数に含む数字も10の倍数となる。
②2×5=10
 4×15=60
 6×25=150
 8×35=280
 12×45=540
 これらを全部かけたらゼロは5個。

 他にはないだろうか?一度使った数字は使えないという制約がある。5の倍数で使ったものをチェックしてみる。
 5, 10, 15, 20, 25, 30, 35, 40, 45, 50
  全部使いきっている。他に5を約数に含む数はない。

 答えは12個だったはず、何を落としているだろう?

 念のために、1~50までの数字を並べてみる。
1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13 , 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20 ,21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30, 31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40, 41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50

  10の倍数を青色、10の倍数以外の5の倍数を緑色、②で使った偶数を赤色で表字してみよう。

1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10,
11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20
21, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 28, 29, 30 
31, 32, 33, 34, 35, 36, 37, 38, 39, 40
41, 42, 43, 44, 45, 46, 47, 48, 49, 50


 これら太字&青・緑・赤で表示した数字以外で、積が10の倍数になる数があるだろうか、なさそうだね。
  いやあった、25は5^2だから二つに分解できる。50も2×5^2と変形できるから要注意だ。25と50に●をつけてみる。
2×5=10
 4×15=60
 ●6×5=150
 ●8×5=40

 12×35=420
 14×45=630
 ●16×5=80
 ●(5×2)=10


 色のついていない数字を掛け合わせても末尾が0になる組み合わせは一つもないから、50!を計算したら連続してならぶゼロは「10+4-2=12個」ということ。問題集の解答はあっていた。


  手持ちの科学技術計算用計算機HP-35sには階乗のファンクション・キーがあるので計算してみます。
 50!=3.0141409320×10^64
 65桁の数字、ずいぶん大きいな、65桁の末尾12桁がゼロということ。この計算機の計算精度は12桁である。桁が12桁を超えると科学表記モードに切り替わり、整数部が1ケタ小数部が11桁、指数部3桁の表示形式になる。指数部が(10^)999を超えるとオーバーフローを起こしエラー表示となる。科学標記モードは化学の計算に便利である。整数部が一桁、あとは指定された桁数での小数部の表示と10の累乗で計算結果を返してくれる。工学表記では指数部が3桁単位で切り替わるから、(g, kg, t)(mm, m, km)(ml, l, kl)などの計算に便利。たった1万円で買える、数学の好きな高校生は正月の小遣いで買ったらいかが?いい道具をもつことは学習効率とスキルを上げることにつながる。

 さて、整理しておこう。
 5!は1~50までの連続数の積だから、ゼロが何個つくのかという問題は、①10の倍数と②10の倍数ではない5の倍数と偶数のセットで10の倍数になるものを抜き出せばいいという風に置き換えられる。注意しなければならないのは25(5^2)と50(2×5^2)の二つの数字の処理である。
 ②と③は偶数の小さい方から順にピックアップしていったが、昇順ではなくて降順(大きい方からとる、たとえば、48,46,44、…)でもいいし、14からとってもいい。ランダムに抜くのはやめたほうがいいことはわかるね。整理整頓がだいじなことは社会人になったらうるさいほど言われる。「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾 の頭の文字をとったもの)」という奴だ、いまから慣れておこう。(笑)

 遊んでみましょう。数学の好きな生徒ならここからさらに一歩踏み込むはず。みなさんもお付き合いください。
 「100!にはゼロが何個つくでしょう?」
 「150!にはゼロが何個つくでしょう?」
 「200!にはゼロが何個つくでしょう?」

 これが「拡張」です。そしてそれらを高いところから眺めることで、「一般化」できます。さあ、チャレンジしてください。こういう操作を繰り返すことが思考力を育てます。「個別具体⇒一般化&抽象化」という思考様式、機能的推論を育てるのです。授業を通じて「思考様式」をそして「勉強=遊び」であることを伝えたい。
 
 個別指導だから同じ授業時間帯(クラス)には中2や中3そして高1もいる。同じ学年でも自分の課題に合わせて使う問題集を自分で選ぶから、質問が出るのは看護学校を受験する生徒だけではない。次々に質問を裁かなければならないことがある。センター試験目前の高3の生徒からは河合塾の講習でやった問題の質問が二つあった。いままでやった問題集の総復習をしているのだろう。2次関数に関する問題だが、大問に問1、問2、問3とあるとすると問3の問題。最初から見て条件を抜き出していかないといけないので、問3は解説に時間がかかります。(笑) xの定義域が「a<x<a+3」となっていたのと、二次関数の式に定数としてaとkが含まれてました。問題文を全部覚えていたらいいのですが…細部は忘れました。
 もう一つは、質問のあった問題文を読みながら条件を抜き出して黒板に書いて行ったら、生徒が「その条件見落としていました、やってみます」、そして5分もしないうちに「できました!」。余計な解説は邪魔なだけ、成績上位層の生徒への解説は必要最小限でいい。もっとも、同じクラスで5-7人の同時個別指導では学力の高い生徒に余計な解説をしている暇はありません。生徒が「わかった!できそう!」というところでやめることになる、あとは独力でやったらいい。学力の低い生徒にはわかりやすく丁寧な解説が必要です。だから、学力の高い生徒の数倍手間をかけます、ここで手を抜いてはいけません、それが仕事ですから。

<勉強しよう!>
 よく生徒に言いますが、塾長も一緒。複素数の世界の全貌が知りたくて、リビングに机を一つ増やしてL字形に配置しました。一つはパソコンが置いてあります、もうひとつの机の上には複素解析の本が開いておいてあります。暇を見つけてちょこちょこやれます。そういうわけで1月3日から複素解析を勉強中、定理と例題をもれなくトレースしてます。ノートと鉛筆でせっせとやらないと数学はわかりません。このあたりは生徒の皆さんと一緒です。ブログの更新は3か月間ほど頻度が落ちるでしょう、いやすでに落ちてますね、悪しからず。
 オイラーの公式「e^iΘ=cosΘ+isinΘ」、どうしてこんな等式を考えついたのかわかりませんね。Θをπに置き換えると、「e^iπ=1」これを変形すると「e^iπ-1=0」、自然対数の底(ネイピア数)であるeと円周率のπと数字の基本の1とゼロがみごとに一つの等式に組み込まれています。こんなに美しい等式は他にはありません。
 そしてオイラーの公式は、実関数では単調増加関数にすぎない指数関数が、複素関数上では周期関数である三角関数に置き換えできるということを意味しています。つまり、実関数では単調増加関数であったはずの指数関数が複素関数では周期関数に化けてしまう、違う世界に迷い込んだ感じがします、眩暈(めまい)が…
 実関数でそれぞれマクローリン展開してcosΘとsinΘを無限級数に置きなおすと、シンプルに証明できます。いま不思議な世界をのぞいていますが、科学技術計算用のHP-35sがとっても役に立ってます。HP社のこの手の計算機は1978年から4台使用していますが、このためだったようです。(笑)
<本を読もう!>
 試験勉強だけではいけませんよ((笑))、たくさん本を読んだらいい。受験に忙しいから本を読む時間がないなんて言い訳しないようにしましょう。男子は自分の好奇心の応ずるままに読み漁る傾向があり、女子は誰かが読んでいるから読むという傾向があるそうですが、わたしは小学4年生の時から北海道新聞のコラム卓上四季と社説を辞書を引きながら読み始めました。母親がススメてくれました、ありがたいことでした。3か月もしたら使われる語彙に慣れますから辞書を引かずとも読めるようになります、それが語彙力や読解力の成長というものでしょう。毎日読むから、政治や経済に興味が湧いたのは自然なことでした。読解力や語彙力の成長は胃袋が大きくなるようなものです。インプットの質と量の向上を要求します。中学校ではSF小説を読み漁り、高校では公認会計士二次試験講座の簿記論・会計学・原価計算論・商法・監査論・経済学・経営学7科目の受験参考書を読みました。パールバックの『大地』も中3の時に読みました。根室高校商業科は定員の2倍でしたが受験勉強の必要はありませんでしたから、気の向くままに本が読めました。読むことが習慣になっていたといった方が正確かもしれません。読むもののレベルを上げていくのが心地よかった。高校2年生の時に原価計算論と経済学にとくに強い興味が生まれ、近代経済学から始めてマルクス『資本論』やヘーゲル哲学まで手を広げました。最初のうちは2~3割分かれば十分、高校生でも読み進むうちに専門用語に慣れ、理解が進むので半分以上はわかるようになってきます。だから、思いっきり背伸びしたらいいのです。そうすると、あら不思議、ほんとうにニョキニョキと背が伸びてきます。語彙拡張や精神の成長には「旬」があります、思春期に濫読しておきましょう。(笑)
 小学生、中学生、高校生の時期に背伸びして大量の本を読むことは、ときにその人の人生を大きく変える力をもちます。昨年読んだ本を紹介します、『できる子に育つ 魔法の読み聞かせ』(シム・トレリース著 鈴木徹訳)、ぜひお読みください。

*5S活動
http://www.kconsulting.jp/leteer/100801_what_is5s.html
 釧路の明光義塾は市内に3教室あるが、5Sが徹底している。とくに清掃だ。塾の周りも教室内も見事なものです。経営者とそれぞれの教室長が一生懸命です。
 ニムオロ塾は乱雑、本がどこに入れてあるのかわからなくなることあり。経済学、会計学、システム開発、構造言語学、医学など様々な分野の専門書を中心に4000冊あると行方不明がときどきあります。そんなわたしでも家の前の雪かきだけはせっせとしてます、これだけは自慢。(笑)

<HP35s> いい計算機を使おう!
*HP社の科学技術用計算機は元々マイクロ波計測器の機器制御やデータ加工用に開発されたもの。それをハンドヘルドにしたのが科学技術計算用の計算機だから、キーや仕組みにその名残がある。電卓に関数機能を付加した日本の「関数電卓」とはまったく設計思想が異なるということ。HP社の科学技術計算用計算機は理化学機器の制御やデータ処理用に開発された小型コンピュータをハンドヘルドに凝縮したもの。1970年代後半の製品には汎用インターフェイスバスがあった。パソコンにエンター・キーがあるようにHP社の計算機には大きめのエンターキーがついている。スタックが4段あるのは科学技術計算に使われる大型コンピュータの機能そのもの。RPNモードはスタックを駆使してなされるのでなれたらとっても使い勝手がよい。四段あるスタックx、y、z、tにそれぞれどの数字が入っているのかすぐにわかるようになる。xレジスターとyレジスターへデータを入力(エンターキーを押す)して二つのレジスター間でそのあとに押される演算子キーに応じた計算が行われる。四則演算子のほかに数十個の関数演算子がある。
 買うなら日本語マニュアルのついているものがおススメ。わたしの購入したものには英文マニュアルと日本語マニュアルの本が付属していました。11000円ほどです。アマゾンで8000円台のものがありますが、本になったマニュアルがついていません。PDF版で画面で見るのは使い勝手が悪いでしょう。こういう使い勝手にかかわるところはお金をケチらない、たった3000円の差ですから。
 それから、HP-35sはRPNモードとALGモード(代数記法:お馴染みの代数式がそのまま使えます)の二つあります。わたしは40年間RPNモードに慣れ親しんできたのでそちらの方がいいですが、慣れていない人はALGモードに切り替えて使えばいい。
 いい道具は学習作業効率を上げると同時にスキルアップを促します。(笑)

*RPN:Reverse Polish Notation
https://kotobank.jp/word/逆ポーランド記法-2692

<HP-35s使い方解説サイト>
https://www.bing.com/videos/search?q=hp-35s&view=detail&mid=226EC40DF498FCCA0F96226EC40DF498FCCA0F96&FORM=VIRE


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① 昨年9月に出たばかりの本です。釧路のイオンに熊沢書店がありますが、数冊しかない数学専門書コーナーにありました。奇跡ですね。
 この本の90頁の「w平面」の図が間違っています。2π/9と8π/9の位置が違います。それぞれ40度と160度ですから右側のほうが高い位置になければいけませんが逆になっています。

高校生からわかる複素解析

高校生からわかる複素解析

  • 作者: 涌井 良幸
  • 出版社/メーカー: ベレ出版
  • 発売日: 2018/09/12
  • メディア: 単行本

② こちらは一昨年11月に出た本です。例題と解説が多いので助かります。①の本とは章立てがまったく異なります。こういう性格の異なる本が初学者にはありがたい。指数関数の実関数でのグラフとZ平面そしてw平面での動きはこの本の解説のほうが優れています。だれにでも理解できるように書いてあります。オイラーの公式の説明のところで触れています。170-172頁をご覧ください。
道具としての複素関数

道具としての複素関数

  • 作者: 涌井 貞美
  • 出版社/メーカー: 日本実業出版社
  • 発売日: 2017/11/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

③ こちらは参考程度にながめてます。
なっとくする複素関数 (なっとくシリーズ)

なっとくする複素関数 (なっとくシリーズ)

  • 作者: 小野寺 嘉孝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/04/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

できる子に育つ 魔法の読みきかせ (単行本)

できる子に育つ 魔法の読みきかせ (単行本)

  • 作者: ジム トレリース
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/03/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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コメント 3

JIRO

50!に0が何回続くか以外に、
(1)2で何回割り切れるか
(2)3で何回割り切れるか
(3)4で何回割り切れるか
(4)6で何回割り切れるか
を考えてみるのもよいと思います。
一般化は床関数、ガウス記号を高校では学習しないので、余裕のある方のみ高校の図書室や図書館で「整数論」の専門書があれば読んでみると宜しいかと思います。
by JIRO (2019-01-21 09:16) 

ebisu

JIROさん

投稿ありがとう。
根室高校の生徒で読んでいる人がいたら、図書室に整数論の専門書があるか探してみてください。
まずは探すことからです。
見つけたら著者名と題名を投稿してね。

十五年ほど前に、根室高校進路指導部の先生とFM根室で対談したことがあり、その折に図書室を見せていただきました。
NEDがあったはずと探したのですが、違いました。5分冊ほどの英英辞典がありました。うんと古くて使えるような英英辞典もなかった。
英字新聞はスチューデントタイムズ、週刊新聞だったかな、日本語解説入りのもの。Japan Timesはありませんでした。
予算が少ないのか、貧弱だったので驚きました。根室には大学がないので、根室高校が「根室の最高学府」です。もっと図書に予算と投じて、高校の範囲を超える専門書を揃えてもらいたい。

組織上の管轄は道の教育局でしょうが、根室市で根室高校に図書予算を投じたっていいじゃありませんか。教育にちょっとはお金を使いましょうよ。市長の趣味のジャス喫茶の維持に市の予算を何百万も投ずるなんていうのはセンスが悪い。個人的な趣味にはかかわりがなくても、根室の未来を担う若者の知的レベルを上げるために根室市の予算を使ってもらいたい。
●古典
●数学の専門書
●英語の専門書
●簿記や会計そして原価計算の専門書
●経済学の専門書
●コンピュータ、ネットワーク、システム関係の専門書
●科学雑誌、たとえば日経サイエンス
●雑誌『エコノミスト』
●Japan Times
●英英辞典
など。思いつくまま挙げてみました。

もちろん、本の選定協力ぐらいはします、根室高校は母校ですから。
by ebisu (2019-01-21 10:12) 

ebisu

JIROさん

お願いがあります。
整数論の本でおススメがありましたら、書き込んでいただけないでしょうか?
by ebisu (2019-01-24 12:27) 

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