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#3665 道東に四百年に一度のM9級の地震が近づいている Dec. 20, 2017 [8. 時事評論]

 学術的な地質学調査による巨大地震と、15-20mの津波の痕跡が道東の沿岸部の地層に15層の砂の層になって刻み込まれていることが6年前に判明している。なんでいまごろ急にこういうことを政府が言い出すのだろう?簡単な話だ、政治がらみの理由が透けて見える。

 政府地震調査委員会が標記の巨大地震の警戒警報を鳴らした。釧路と根室に甚大な被害が予測される、とくに海から原野部へと平地が続く釧路市は市街化地域の大半が15mの津波に押し流されて逃げる暇もないだろうから、壊滅的な打撃をこうむる。地震が起きてから津波到達まで20-30分あるというが、計算は正しいのか?半分しかないとしたら、避難計画も被害も実にシビアなものになってくる。具体的な避難計画を策定して、現実に近い形で何度もトレーニングしておくべきだろう。
 被災予想地根室市は人口の1/3強の9,258人、釧路市は人口の7割の123,000人が居住している

 発端は2011年に日経サイエンスが掲載した地質学的アプローチからの巨大地震の痕跡調査記事にある。弊ブログ#1782で取り上げて解説しているので、ご覧あれ。

*産経ニュース
http://www.sankei.com/affairs/news/171219/afr1712190029-n1.html
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千島海溝巨大地震、400年前に24メートルの津波

 北海道東部に残る痕跡で推定


地震調査委員会が19日公表した長期評価は、北海道東部を襲う超巨大地震の津波の高さを示していないが、北海道大の地震学者らは「約400年前に最大高さ約24メートルの大津波が道東に押し寄せた」と計算している。

 道東では、この津波で内陸に運ばれた砂などが沿岸から最大4キロ先で確認された。太平洋に面する大樹町では高さ18メートルの崖からも見つかった。

 北大の谷岡勇市郎教授(地震学)らは、砂などの分布を説明するような津波を計算で再現。沖合にある長さ300キロの断層が25メートルずれて、マグニチュード(M)8・8の地震が起きるケースが、ぴったりだと分かった。プレート境界である千島海溝での超巨大地震だ。

 津波は大樹町の生花苗沼で海抜24メートルに達し、釧路市などでも同15メートル以上と推計されている。
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 弊ブログでは6年前の12月25日に#1782で、そして昨年「#3270 根室も四百年に一度の大地震が近い:熊本大地震は他人事ではない Apr. 15, 2016」というタイトルで、日経サイエンスの記事を引用して解説している。
 もう一度お読みいただきたい。

*「巨大地震、北海道東方沖が要注意 日経サイエンス
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2101D_R21C11A2000000

*#3270 根室も四百年に一度の大地震が近い:熊本大地震は他人事ではない Apr. 15, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-04-15

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<熊本大地震:九州で大地震はないと思っていた住民>
 昨日(4月14日)21時26分、震度7の熊本大地震が発生した。震源域が浅かったので震度が大きく被害が大きかった。被災地の状況は夜が明けてから判明しはじめた。
(16日午前1時25分にM7.3の地震があり、気象庁はこれを本震と認定した。したがって14日のM6.4は本震の前兆ということになった。)

<南海大地震経験者の証言>
 1972年ころ紳士服の製造卸の会社勤務をしていたときのことだが、ベテラン裁断師の浦田さんが1946年12月21日に発生した南海大地震の経験談を話してくれたことがあった。四国中村市(現・四万十川市)で起きた大地震はMj8.0、死者1443名、家屋全壊11,591戸の大災害だった。浦田さんがいうには、地震には通り道があるというのである。帯状に全壊家屋が並んでおり、そこを10mも外れた家屋は倒壊を免れていたという。
 今回の熊本大地震でも同じことが起きている。

<高潮被害は根室半島の沈下が原因>
 さて、2012年12月23日の日経サイエンス誌によれば、わがふるさと根室はこの百年間毎年1cm沈み込んでいるという
 団塊世代が小学校のころに比べて、根室市は60cm沈み込んでいることになる。小学生のころ、豪雨があれば、緑町と汐見町は洪水を繰り返したが、高潮の被害は一度もなかった。地球温暖化で高潮被害が起きているのかと勘違いしている人がいるかもしれないが、根室は60年前に比べて60cmも地盤沈下が起きているのだから、爆弾低気圧で高潮被害が起きるのはあたりまえ。

 あと40年もすればさらに40cm沈むから合計で1mにもなる、緑町や汐見町やハッタリなどの低地帯は「海あるいは入り江」になるのだろう。人口が加速的に減少しているから、低地を選んで住居や店舗を建設する必要はないだろう。防潮堤などつくらずに自然に任せて海と化していいのではないか?

<根室半島沈下は巨大地震の前兆現象>
 問題なのは、加速的に沈みこむことで、地殻に巨大な歪が蓄積していること。根室半島の地層分析によれば、北海道東部海岸は5500年間に15回の巨大地震を起こして津波被害を受けてきた平均すると400年に1度の割合で根室東方沖巨大地震と大津波に見舞われてきた。最後に起きたのは17世紀だそうだから、それからすでに400年が経っている。そろそろ危険な期間に突入したと考えるべきだろう。熊本大地震は根室の住人にとって他人事ではないのである。
 60cm沈み込んだ根室半島は、20mの津波を伴う巨大地震が起きれば隆起するから、そのときになれば防潮堤は無用の長物と化す。自然相手に戦う必要はなく、逃げたらいい、逃げるしかないのである。高さ20mの津波でも壊れない建物はコストがかかりすぎるから「避難所」以外は不要である。中国のことわざに、「三十六計逃げるにしかず」というではないか。

*「巨大地震、北海道東方沖が要注意 日経サイエンス
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2101D_R21C11A2000000/

 1994年10月4日22時22分に発生した北海道東方沖大地震では根室で倒壊家屋があったが、あれを上回る巨大地震が根室半島に迫っているのは事実のようだ。産業技術研究所と北大の平川特任教授の地層調査によれば20mの丘陵にまで到達した津波の痕跡があるという。根室市街地で一番高いのは浄水所のあった光洋町の44mである。光洋町のセブンイレブンと光洋中学校の間の丘が一番高い。太平洋側にある花咲港や浜松地区、桂木浜、歯舞などは壊滅する。
 たとえば、全国一のサンマの水揚げを誇る花咲港や歯舞港の市場が流されれば、すぐにも再建しなければ魚の水揚げすらできないことになる。だから、それが可能なように、復興資金を積み立てておくことが肝要なのである。そういうときに返すべき借金があったらとても持ちこたえられない。

 根室半島で20m以下のところが太平洋からオホーツク海まで続いている部分があれば、そこだけは津波が太平洋からオホーツク海へと通り抜ける。四百年に一度の大津波に備えるために、標高10mごとに地域を色分けした地図を作製・配布して、市民へ周知徹底する必要があるのだろう。
 徒歩10分以内に30mの高台のない地区もあるから、そこには津波が来たときに避難できる鉄筋コンクリートの避難施設を用意する必要がある。ふだんはまったく必要がない無用の長物だが、命を救うために必要である。大津波が来ても命が助かり復興資金の積み立てがあればなんとかなる。子や孫のために当代のわたしたちがなすべきことは山ほどある

(数日前の北海道新聞根室地域版は、大津波の最大高は太平洋側で32m、オホーツク海側で4.9mと報じていた。 4/21追記)

<釧路根室管内巨大地震対策共同プロジェクト構想>
 根室よりも、海岸部の低地に市街化地域の広がる釧路の方が甚大な被害が出る。浜中町、厚岸町、羅臼町や別海町と一緒に対策を検討したらよろしい。釧路根室管内初の共同プロジェクトにしてコミュニケーションをよくしたらいいではないか?
 浜中農協の石橋組合長をプロジェクト・メンバーに加えたら、何かよいアイデアを出してくれるにちがいない。

<大災害に備えて借金を減らし、復興資金をいまから積み立てよ>
 根室市は病院の建て替えに市が招聘したコンサルタント提案の2倍、70億円ものお金をかけた。新築後の病院事業は最大11億円の赤字のはずが10年前の2倍の赤字(年額17億円)を出し続け、明治公園を40億円もかけて再開発する計画を進めている。その結果、この12年間で人口が5000人も減少したにもかかわらず、市債の残高が減っていない。
 本来なら、借金をなくして、来るかもしれない大災害に備えて資金を積み立てておくべきだが、そういうビジョンは現在の長谷川市長にはまったくないが、市の幹部職員や一般職員に志の高い者が数名いることを期待したい。構想と具体的な仕事の手順を温めておいてもらいたい、使うときが来る。

 国も同じことだが、富士山の大噴火や関東大震災に備えて、首都機能移転構想を練り、200兆円ほどの資金を蓄積しておくべきときに放漫財政でお金を浪費している、まことに愚かな話である。
 先を見通して、ビジョンを提示し、先手を打てる市議や国会議員がいるだろうか?
 志の高さが問われている。健全な保守主義を標榜する市議や道議、そして国会議員がいてもらいたい
 首長の中に消極的な者がいるなら、各市町議会長の連絡会議で事を起こせばいい。釧路市議会長の月田さんは協力を惜しまないだろう。来月「釧路の教育を考える会」の年次総会が予定されているから、その後の飲み会で話してみたい。根室の市議会議長も月田さんをよくご存知だ。道東の道議も「丹頂の会」とかいう集まりがあったのではないか。ふるさとのためである、いろいろなレベルでプロジェクト発足に協力したらいい。

 孫たちにこう言われてみたいとは思わないか?
「家(うち)のおじいちゃん市議(あるいは道議ないしは国会議員)だったけど、立派な仕事をしておいてくれた、地震と津波の大災害があったけど、大きな積み立て資金があったのでずいぶん助かった」

 深刻な被害が予想される漁業者や漁業協同組合も津波による塩害が予想される酪農家や農業協同組合も、復興資金の積み立てを厚くしておくべきではないのかね。
 「備えあれば憂いなし」


*#1782 北海道大震災:根室・釧路沖 400年に一度の巨大地震の可能性あり Dec.25, 2011 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-12-24

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相川始

ebisuさん、こんにちは。

地震は怖いですね。
ただ私は地震調査委員会の予知は信じません。
ここ約20年の大地震はすべて予知できてませんからね。

信じない理由は
東京大学のロバート・ゲラー教授(地震学)は「予知できる地震はない。これは鉛筆を曲げ続ければいつかは折れるのと同じことだ。それがいつ起きるのか分からない」と指摘しています。地震は予知不可能であることを率直に国民に告げる時期が来たとし、日本全土が地震の危険にさらされており、地震科学では特定地域でのリスクの度合いを測ることはできない。「地震を予知するのではなく想定外の事態に備えるよう国民と政府に伝え、知っていることと知らないことを明らかにすべきだ」
という点です。

まさにその通りだと私は考えています。
常に私たちは想定外に備えることが必要です。
by 相川始 (2017-12-20 10:25) 

ebisu

相川さん

こんにちは
わたしは地震予知情報だとは思っていません。地質に5500年間に15回大きな津波が襲ったことが、地層に砂の層として刻まれている、つまり400年間の一回の頻度で15-20mもの津波があった、そして前回からすでに400年間が経過しているという事実を事実として受け止めるのみです。
いつどこに地震が来るかなんて、人間にはわかりません。あはは。
海岸近くに住んでいる人は、地震に備えて避難トレーニングをしておくとか、家が流された時のことを考えて御金を蓄えておくとか、そうした準備は必要です。
地方自治体は、インフラに被害が出るので、飲料水の確保やトイレをどうするか、いまから具体的に煮詰め、準備しておかなければ、天災が準備を怠ったところから人災に変わります。

根室は成央小学校のあたりが、昔の造り酒屋「色媛」の水源ですから、あそこに井戸を掘って蛇口を10本ほど用意しておけば飲料水で右往左往することはないでしょう。

by ebisu (2017-12-20 12:32) 

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