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#3376 高3 受験生の夏 July 24, 2016 [78.高校英語教科書を読む]

 大学受験する高3は、夏休みに入ったら毎日10時間勉強するのが普通だろう。英語が大嫌いな高3の生徒がようやく英語の勉強をはじめた。
 英語の教科書 「BIG DIPPER English Communication Ⅲ」を通して読むトレーニングを7/23から開始。
「どこからやる?いまやっているところからやろうか?」
「最初からお願いします」
 殊勝な申し出だったので、第1章からスタート。2時間半でどれくらいの分量をやれるか計測して、今後の目安にする。

 教科書のサイズはB5版で、高2のものよりも一回り大型で135ページある。25章、本文は38ページある。1~3章の平均値を出して全体の語数を計算する。

 lesson 1 180 words
 lesson 2  197
  lesson 3  197
     合計     574 
     平均     191.3 words

 191.3×38ページ=7,270 words

  都立高校入試の5回分の分量しかない。三年間で3倍だとしても、このような分量で間に合うような大学なら授業内容は知れているから授業料がもったいない。
(高校の3年間、たったこれだけしか読まないような習慣がついてしまったら、大学生になってから癖として身についてしまった「不勉強の垢」を落とすのは容易ではない。社会人になってからも、仕事に必要な勉強をやろうと思ってもやれない性格になってしまっているだろう。)

 ついでだから、高2の教科書のワード数を計算してみよう。
 10章、各4パートで各パートが1ページであるから、
  10章×4ページ×135 words=5400 words

  どうやら、高3のほうが4割ほど分量が多いようだ。1年生は2年生よりもさらに分量が少ないから、3年間で読む英文の分量は、都立高校入試英語長文問題のテクスト13回分、じつに貧弱な量である。高校英語は何を目的としているのだろう?
 成績上位10%には現代国語の教科書程度の分量の英文を授業で読ませたらどういうことになるだろう。
 比較してみよう。高2の『精選 現代国語B』(大修館)は390ページあるから、
   390ページ×135 words=52,650 words
 高校3年生の英語教科書7.2冊分の分量があるが、そんなに多くはない。最低限これくらいやらないとものにはならないということだろう。

 高3のこの生徒は4月から休みが多かった。6月初旬の前期中間テストが終わってからは学校祭が終了する7月初旬まで、ほとんど来なかったので、先週引導を渡した。自覚がなさ過ぎる。
 「何度いってもなにやかやと毎回理由があってほとんど塾へは来られないようだから、数学の授業は打ち切りにする、こういうペースでは数学はもう間に合わない。これからは君が嫌いで逃げ続けてきた英語の授業だけ、次回からは英語教科書を持ってくるように。授業料は英語のみになるので半分になる」

 保護者と3者面談するつもりにしていた。7/23(土)の授業にちゃんと英語の教科書を持ってきて、2時間半かけて苦手の英語を3ページやりきったので、1ヶ月間様子を見ることにした。
 段落ごとに音読してからぶつ切りに日本語にしていく。構文の複雑なものだけは解説して専用ノートにとらせた。家では意味をイメージしながら大きな声で音読。スラッシュ・リーディングで英文のイメージを日本語に置き換える。その後で音読と書き取りを繰り返す。書き取りは1センテンスごとに3回音読して、教科書を見ないで書き取るトレーニングをするように言い渡す。きつい修行を課した。

 来週から夏休みだからちゃんとやり切れたら、9月以降も通塾を認めるが、できなければ8月いっぱいで退塾してもらう。本人にはその旨伝えた。保護者を交えた三者面談は1ヶ月延期。

 歳をとると気が短くなるようで、ちゃんとやらない生徒は今後は退塾してもらうことにする。本人の自覚がいつかは出ると信じてズルズル引き延ばしてもやらない生徒はやらないから、方針を明確にする必要を感じたしだい。
 きちんと勉強する生徒だけ面倒を見る、やらない生徒はニムオロ塾へ通塾する必要はない。塾をやめて、授業料分で本を購入したらいい、ずいぶんたくさん買える。

 成績の良し悪しではない、どんなにいま成績が悪くてもやる気のある生徒、努力する生徒の面倒は見るが、やる気のない生徒の面倒は見切れないということ。
 辛抱しきれなくなったのはひとえに歳のせいです。(笑)

 この高3の生徒は当分の間、1対1の個人レッスンになる、そんな贅沢な授業を私塾でやるところはほとんどない。何年も付き合ってきた生徒だから、やれるところまでやってみる。

 ニムオロ塾を続けられるのはあと数年だと思っている。年々体力の衰えを感じる。今日は午後からサイクリングに行くつもりだったが、午前中にお腹の具合が悪くて体力を消耗したので中止。体調が悪いとすぐに体力を消耗して回復に数日かかる。
 折りよく高校時代の友人(Y口)が、血糖値が低下したときの用心にといって「CHITOSEぶどう糖SOFT」を札幌で手に入れてもって来てくれた。上がってもらい久しぶりに二時間ほど話をした。高校2年からの付き合いだから、もう50年を超えた。日本最東端の造り酒屋の「番頭さん」だ。まっすぐな性格で頑固なところがあるが、還暦をとっくに過ぎてずいぶん丸い物言いが上手になった。(笑)
 友人たちからは「オ○ヤ」と呼ばれている。親しい友人はお互いに名前で呼ぶのがなんとなく習慣になっているから、高校2年生のときからあいつはわたしのことを「トシ」と呼ぶ。高校3年生の秋に、あいつは急性アルコール中毒でぶっ倒れたことがあった。ウィスキーをそのままブランディーグラスに並々と注いで一気飲みしたのである。吐かせて胸を冷やして介抱された。その後で酔いつぶれた数人は抛っておかれた。高校時代にこういうことを経験しておけば、大学や専門学校へ行ってから、急性アルコール中毒で死ぬということはないだろう。どの程度から危険かを知るし、介抱の仕方も心得ることになる。だから、若いときの無茶は適度にしたほうがいいのである、リスクを引いてもそこから学べることのほうがはるかに大きい。

*千歳精糖株式会社ホームページ
http://www.chitose-grp.co.jp/ 

*#3375 高2 英文多読演習にチャレンジ  July 23, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-07-23


< 余談: 大学時代に読んだ英語で書かれたテクスト量 >
 わたしは商学部会計学科の学生だったから、会計学関係の原書購読があった。会計学の専門書の一部をタイピングしてコピーした30ページほどのテクストだったから、量は多くない。3年次に時事英語を履修したので、毎週英字新聞「毎日ディリーニュース」の前日の社説を授業で読んだ。土曜日午前中の授業だったから、金曜日の社説を読んだ。時事英語の授業だけで、高校3年生の1年間分の分量は読んだだろう、ニクソンショックで固定相場制から変動相場制に変わる時期だったから、経済や外国為替の記事が多く、高校教科書とは雲泥の差があった。明治大学大学院卒の担当の先生はしばしば訳に窮して、英語の単語を辞書の訳語のまま並べただけの「珍訳」を披露することになりお気の毒だった。経済用語辞典を引けばよかったのだが、時事英語を担当しているのに、そういう辞書をお持ちではなかったようだ。専門用語はほとんど誤訳だらけ。英文学研究科卒ではとても時事英語は教えられない。社説が扱っているテーマについての専門知識の持ち合わせがなかったのである。
 わたしは経済学の体系構成について興味があり、哲学科の教授の市倉ゼミでマルクス『資本論』と『経済学批判要綱』を研究していた。研究の焦点を絞り込むのは虫観図を描くのに似た作業で、やればやるほど別の視点=鳥観図を描いて点検する必要を感じた。そういう理由で経済学説を広く知る必要があって先輩の薦めもあり経済思想史の本を読んだ。経済学説を広く知ると同時に英語の勉強をしようと、一石二鳥の試みだった。Eric Roll 'A History of economic thought' を300ページほど読んだ。慣れるまで、100ページほどはノートに訳を書いた。
 1ページ当たり366 words あるから、
  366×300ページ=109,800 words
 高校3年生の教科書が7,270 wordsだったから、
  109,800/7270=15.1年

 高校3年生の英語教科書の分量の15年分をこの1冊だけで読んでいる、経済学説史の専門書だから、内容も構文のレベルも高校教科書とは比較にならない、大学とは本来そういう場所なのである。
 必要があって英文を読むとはそういう分量を読むことで、高校時代の「英語のお勉強」とは分量も内容のレベルも比較にならない。
(その後は、英文法の専門書や問題集や言語学の専門書群は英語で書かれたものに重点が移った。)
 マルクス『資本論』も重要と思われる箇所はドイツ語版で読んだ、そうしなければ、判断のつかない箇所が出てくる。フランス語版はマルクス最後の編集だから同じ箇所はそちらもチェックすることになった。学べば学ぶほど疑問が次々に湧いて、読むべき本の範囲が広がるもの。
 そういうときに英語やドイツ語で書かれたオリジナルに直接アクセスできるかどうかは、学問研究では決定的な差を生む。
 


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tsuguo-kodera

「成績の良し悪しではない、どんなにいま成績が悪くてもやる気のある生徒、努力する生徒の面倒は見るが、やる気のない生徒の面倒は見切れないということ。
 辛抱しきれなくなったのはひとえに歳のせいです。(笑)」

 いいえ、歳のせいではありません。それが功徳です。園児の時にそのように扱ってくれる他人がいたら、すでにましな人間になっていた。
 多分、今からでも遅くない。間違いを改めるに遅すぎることはない。
 世の中、甘すぎてスポイルされる人が哀れです。私は当方のバドの秘訣の理由がわかってきました。
by tsuguo-kodera (2016-07-25 04:29) 

ebisu

koderaさん

おはようございます。
意外な面からの指摘に驚くと同時に感謝申し上げます。
このままではこの生徒はダメになる、やむにやまれずのぎりぎりの判断でした。
切捨てをも覚悟した心の痛みを伴う決断、それが功徳でもあるとは意外でした。

--------------------------
功徳: (大辞林より)
良い果報を得られるような善行。普通、供養・布施の類をいう。
--------------------------

> 多分、今からでも遅くない。間違いを改めるに遅すぎることはない。

そう祈ります。

こうして関わる生徒たちの中から、数人の生徒が自分の仕事を通じてわたしの志を継ぐ。さらにその数人の生徒たちの志を継ぐ者が現れるだろう。代をついでそうした者たちが現れたら、いつかこのふるさとの町も、日本も、世界も変わる。
わずかの種を蒔いてから消えることができるのかもしれません、それが叶えば本望です。

<愚公山を移す>、ebisuはふるさとで種を蒔く。
by ebisu (2016-07-25 08:24) 

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