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#2761 嘆かわしいのは上司の腹の細さ:笹井氏自殺  Aug. 7, 2014 [42. STAP細胞に関する話題]

  度量が大きいことを腹が太い、太っ腹という。

 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)副センター長である笹井芳樹氏の自殺の報が5日に流れた。
*「笹井氏自殺:2カ月前から研究室メンバーの就職先探し」8/6毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20140806k0000m040143000c.html
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 自らの研究室のある建物で自殺した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長(52)。理研関係者によると、自らの研究室の閉鎖を覚悟し、約2カ月前からメンバーの再就職先を探していた。若手の研究環境改善にかねて身を砕いてきた笹井氏だが、心身とも疲れ果てた様子で就職先探しも半ばに自ら命を絶った。

 笹井氏は「器官発生研究グループ」のリーダーも務め、研究員や大学院生ら若手約20人の研究を指導していた。脊椎(せきつい)動物の脳の発生過程などを研究テーマにし、レベルの高さで知られる。だが、笹井氏は今年4月、STAP論文の研究不正を調査した理研調査委に「責任は重大」と指摘され、懲戒処分を受ける見込みとなった。
 複数の関係者によると、笹井氏は約2カ月前から研究室メンバーの就職先を探し、「研究室を閉めるから行き先を探すように」とも指示した。実績があれば他の研究室に移りやすいため、それまでの研究を論文にまとめさせたり、学会発表の準備をさせたりしたという。・・・
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 3月にセンター長へ辞表を出していたようだ。その月に心療内科へ入院していたという追加報道があった。どういう精神状態だったかはセンター長は承知していたのだろう。
 小保方さんへ宛てた遺書には「あなたのせいではない」「STAP細胞をかならず再現してください」と書かれてあるという。遺書はまだ警察にあり、小保方さんの代理人である弁護士の手元に届いていない。

 調査委員会からCDBの解体勧告がだされたことが辛かったに違いない。自分の現在の地位がなくなることは3月の時点で受け入れていた。都落ちはするが笹井氏にはほかにいくらでも就職先はあっただろう。気になるのは小保方さんと自分の下に集まってくれた直属の部下達の今後の就職。2ヶ月前から論文をまとめさせたりして再就職の足しになるように具体的な指示をしていたという。上司として責任のある適確な動きだ。
 精神薬を飲みながら、こうした仕事をこなし、最後のほうは2週間ほど人と話もできないほど精神的なダメージが大きく疲れ切っていたという。わたしが上司なら、「君の部下の就職斡旋は私がやるから、しばらく入院加療をしろ」と命じただろう。

 理研には10のセンターがあり、それぞれにセンター長がいる。CDBセンター長は3月の時点でなぜ辞表を受け取らなかったのだろう?心療内科へ入院していたというから、病気療養を理由とした休暇届も提出していたはずだし、上司の決裁が必要だ。
 仕事に関して部下が首がかかるほどの窮地にたったときには自分が責任をとるという覚悟が必要だ。それがなければ一緒に仕事はできない。

 神風特別攻撃隊の話しを思い出した。特攻隊の少年兵は学業抜群の成績そして運動神経のよい者がえりすぐられた。死ぬことを前提に志願、訓練に参加したのである。上官が少年兵に特攻出撃を命ずるときに自分もあとから必ず逝くという腹がなければできるものではない。多くの上官がそうした。終戦になってから飛び立って米空母に突っ込んで散った中将すらいた。特攻の生みの親である大西中将の同期の宇垣中将である。搭乗機の準備を命じられた部下が上官一人では死なせないと二十数人「お供」している。共に武人としての死に場所を選んだ。こういう情緒は次の世代へしっかり伝えなければならない。戦国時代以来ずっと受け継がれてきた男の生き様、死に様がここにある。
*『日本人はなぜ特攻を選んだのか』黄文雄著・徳間書店(2013年11月刊)
 特攻を提案した大西中将は特攻隊編成に当たり隊員達に次のように話している。
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 大西中将は特攻隊編成直後に、「特攻は統率の外道である」と涙ながらに語った。だが、それに続けて、次のように語った。
「しかし、特攻により、敵を追い落とすことができれば、7分3分の講和ができる。そのためにはフィリピンを最後の戦場にしなければならない。しかしこれは九分九厘、成功の見込みはない。ではなぜこのような強行、愚行をするのか?ここに信じてよいことがある。いかなる形の講和になろうとも、日本民族がまさに滅びんとする時に当たって、身をもって防いだという若者達がいたという歴史が残る限り、500年後、1000年後の世に、必ずや日本民族は再興するであろう」P.43

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 敗戦時に割腹した大西瀧治郎中将は、1万4000人にのぼる殉国隊員に向け、次のような遺言を残している。
特攻隊の英霊に曰(モウ)す/善く戦ひたり深謝す/最後の勝利を信じつつ肉弾として散華せり/然れども其の信念は遂に達成し得ざるに至れり/吾死を以て旧部下の/英霊と其の遺族に謝せんとす」p.45
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 仕事は権限と責任と報酬がセットになっている。
 仕事で潔く責任をとるのは男子の本懐、センター長にはそういう覚悟がなかったのではないだろうか。このようなありさまで日本人は大丈夫か、昭和が遠くなったことに慨嘆せざるを得ない。

「笹井君、たしかに君は仕事で甘いところがあったかもしれない、しかし、それは理研という組織のためであり、小保方さんのSTAP細胞研究論文仕上げ手伝うように君にこの仕事を命じたのは私だ。私が責任をとるとき申し訳ないがあなたにも累が及ぶが、そのときまで辞表は預らせてもらう、しばらく辛抱してくれ、すまぬ」

 理研のセンター長を任されたらこういうことが言えるくらい太っ腹であってほしい。
 日本的情緒を心の中心に色濃く宿していなければ有能な部下の上司は務まらないのである。笹井氏の弁明を扱った弊ブログ#2646とあわせてお読みいただけたらありがたい。

 有能な学者の一人である笹井芳樹氏のご冥福をお祈りして筆を擱く。


*#2687 『日本人はなぜ特攻を選んだのか』①黄文雄著 May 26, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-25-3

 #2651 STAP細胞狂想曲(2): 大きな利権の存在 Apr. 20, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-20-1

 #2646 STASP細胞狂想曲 笹井芳樹氏の弁明  Apr. 17, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-17

*#2644 Obokata says STAP cell discovery not fabrication Apr. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-15

 #2639 STAP細胞報道‐2 : 「200回作製した」 Apr. 11, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-10-1

 #2638 STAP細胞報道:未熟で何が悪い&ポスドクの悲哀  Apr. 10, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-10

 #2581 世紀の大発明 STAP細胞: Cell reprogramming advances (ジャパンタイムズより)  Feb. 2, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-02


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