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#1993 掛詞(2) 子規は? July 1, 2012 [44. 本を読む]

 「#1972 "Not a mimute too soon" :掛詞 June 12, 2012 」の中で英字新聞のヘッダーのminuteが掛詞になっていると解説をした際に、ある疑問を書いたのだが、実は翌日にEさんからメールで返事をもらっていた。
 ブログ上での質問でもあり、"秘蔵"したままにするのはもったいないので、公開しておきたい。
 わたしの疑問とEさんの答を並べておく、ブログに書いた翌日に返事が届く、Eさん仕事が速い!

#1972 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-12-1
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 掛詞(かけことば):大辞林にはこのような例が載っている。
 「わが身世にふる ながめせしまに」の「ふる」が「降る」と「経る」、「ながめ」が「長雨」と「眺め」のように

 「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」古今集 小野小町

 9世紀の歌人は言葉遊びがお好きだったようだ。桜と具体的に言わずに「花の色」といい、自分の容色といわずに「花の色」という。歳を経るごとに容色が衰え、絶世の美女だった小町の慨嘆が千二百年の時を越えて聞こえてくる。日本語の新聞のタイトルでこういう「遊び」をみたことがない。新聞以外の他の分野でも同様だ。言葉のセンスの伝統がどこかで切れてしまっている。
 正岡子規の新聞紙上での時評俳句をこういう言葉遊びの観点からチェックしたことはないが、あるのかないのか面白そうだ。目の前にあるものに即して詠んだから、こういう遊びはなかったような気がするが、どうだろう?理由はいろいろ挙げられる。子規について一冊モノにしている友人の意見が聞きたい。
 『明治廿五年九月のほととぎす 子規見参』所収の句を再読してみた。
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子規の場合、頭の働き方がじつに現代的というか今日的なので、掛詞というよりもダジャレに走る傾向が強いようです。
意識的に使うことはあまりなかったようですね。
強いて理由を挙げれば、掛詞となると「歌詠みに与ふる書」でコキおろした古今集や宮中の御用歌人の歌風に近くなるので、それよりも日常語に悪乗りしたダジャレの方が言葉に勢いがあるし、万葉風の活きた句になると思ったのではないでしょうか。
それからもう一点。
子規は「写生」を主張したので当然、視覚を重視することになるわけで、そうなると掛詞という頭脳操作的な作風は排することになるのでしょうね。
もっとも無意識的なものはあったようです。
子規の短歌は「竹の里人」という号で詠まれたものですが、こちらの方には掛詞は散見されたように記憶しています。
俳句では、時事俳句にしても、その他でも、圧倒的にダジャレですね。
子規の同級生で、一緒に落第した南方熊楠はアメリカやロンドンでは在留邦人を都々逸でコキおろして顰蹙を買っていましたが、それはダジャレを徹底的に織り込んだものでした。
その他、民権運動の演説でもダジャレで官憲の目を誤魔化しました。
明治のダイナミズムには掛詞よりもダジャレの方が合っていたようです。
私は現在、来月10日頃に出る新作の著者校第3稿に時間を取られていて、頭に浮んだことを書く程度のことしか出来ないのが残念です。
あと二週間程すれば落着くと思うので、その頃にでもまた考えましょう。
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*#1025 『明治廿 五年九月の ほととぎす 子規見参』 遠藤利國著 May 10, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-10

明治廿五年九月のほととぎす―子規見参

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  • 作者: 遠藤 利國
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2010/03
  • メディア: 単行本

  #1029 『現代語訳 帝国主義』幸徳秋水著・遠藤利國訳 May 16, 2010 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-16

帝国主義―現代語訳

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  • 作者: 幸徳 秋水
  • 出版社/メーカー: 未知谷
  • 発売日: 2010/05
  • メディア: 単行本

 #1030 『nationalism とpatriotism』 May 17, 2010
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-05-17


  #1362  『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む:パイオニア 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30-2

  #1366 『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む (2) : 学問の楽しさ Feb. 2, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-02

  #1368 『「漢委奴国王」金印誕生時空論』を読む (3) : 学問の楽しさ Feb. 3, 2011 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03-1

 #1823 激烈な競争から這い上がれ:団塊世代の友人からの手紙 Jan. 31, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-01-31


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