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#1757 教育再考 根室の未来 第4部④:小中一貫教育(北海道新聞) Nov. 30, 2011  [64. 教育問題]

11月30日の北海道新聞根室地域版に載った第4部4回目の記事を紹介する。

 皆さんに根室の教育の現状を知ってもらうためによき材料としてドウシンさんの記事を利用させていただいて、議論をさらに深めることができれば幸いである。
 北海道新聞根室支局の記者が代を継いでこの問題を4度もシリーズで採り上げてくれていることについて読者の一人として深甚の謝意を捧げたい。

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教育再考 根室の未来
  小中一貫
   「9年視点」で子ども育成
 根室市内で最も児童が少ない10人の温根元小に17日、29人の子供たちが集まり、体育館はにぎやかになった。

統合への下準備
 歯舞地区の華岬(児童46人)、珸瑤瑁(32人)、共和(21人)、温根元小の4学校の児童が参加した合同授業。2013年4月の統合に向け、将来机を並べる子供たちの交流を深める狙い。温根元小では3,4年生が顔を合わせた。
 ウレタン製の円盤を投げあうゲームに30分間汗を流し、最初照れていた子供たちの心の距離はぐっと縮まった。華岬小3年のNJ君(8)は「新しい友達ができた」と笑顔。珸瑤瑁小のSK教諭(54)は「小学校では5,6年生として引っ張る立場になるが、いい学校になりそう」と期待する。
 2年後、4校を統合してできる歯舞小は、歯舞中(生徒数73人)の南側に小学校を併置し、中学校の併置校となる。児童、生徒は計164人に上る予定。過疎化や少子化に伴ってできた道内に約50ある小中併置校のうち最大の「マンモス小中学校」が誕生する。
 「併置校」は学校施設などを一部共用するが、小学と中学を形式上分け、指導の基本となるカリキュラム(教育課程)も別々になっている。

4・3・2に3分
 実はこの垣根をできるだけ取り払い、9年間を系統的・一体的に指導して子どもの能力を伸ばそうとするプロジェクトが市内で動いている。海星小中学校(児童48人、生徒21人)が来年度以降に実施を目指す「小中一貫教育の推進」の取り組みだ。6・3年生は維持しつつ、9年間を「4・3・2」に3分し①小1~4は学習・生活面の「躾(しつけ)」重視の指導②小5~中1は思考力・判断力の基礎定着③中2,3年は応用力向上―を重点指導する。さらに、小6から国語、算数、社会、理科に中学の教科担任制を部分導入することなどが目玉だ。

東京をモデルに
 モデルとしたのは海星と同様に学校施設が一体型の東京都品川区や港区の小中一貫校。視察して計画をまとめる海星小のUH教頭(43)は「多くの教師が9年間で育てる視点で子供にかかわれるメリットは大きい」と語る。
 品川区立「伊藤学園」は4年前から小中一貫校になり、小学5年から全教科で教科担任制を実施。「中学の先生が小学校に入ることで、つまずきの芽を早く摘める」(中嶋英雄副校長)などと利点を説明する。
 道内では学校施設が別々でも小中一貫校に取り組み、成果をあげる三笠市の例もある。
 市教委は長中一貫教育を海星小中、新歯舞小中と導入していく方針。
 市内では、市街地の学校などで、小学校段階で授業が成立しなかったクラスの児童がそのまま進学してくることで中学校の低学力を招いたと指摘され、小中一貫に期待する保護者もいる。
 小中が連携して確かな学力をどう育むか。ようやく始まった海星小中の挑戦が試金石になる。


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【ebisuの辛口コメント】
 小中一貫校の成立の経緯をみると二つのタイプがあることがわかる。品川区の例のように学力強化を目的とする"経営改善型統合"と根室の海星小中学校やまもなくスタートする歯舞小中学校のような"経営破綻型統合"である。
 これらを同列に論ずることはできない。海星小中学校を例にとれば論点がわかりやすいだろう。小学生48名+中学生21名である。1学年平均7.7人である。以前はこれが小学校2校、東和田中学校1校の3校だった。単純計算では1学年2~3人でありとても独立して経営できる状態ではなかった。つまりは"経営破綻型統合"だったのだ。少子化が進めばいずれ海星小中学校は"経営破綻"し、市街化地域の北斗小学校と柏陵中学校に統合されることになりはしないか?1学年10人を切っているのだから開校当初から"破綻"しているとみるべきだろう。

<わずか10分の距離に市街化地域の中学校と小学校あり> 
 海星小中学校から車で10分の地域に市街化地域の柏陵中学校がある。道路事情が良いから、海星小中学校は元々必要がなく、北斗小学校と柏陵中学校に統合すべきだった。問題の先送りで生まれた小中一貫校だったのである。それと学力向上を旗印に掲げた品川区の小中一貫校を同列に論ずることはできぬというのがebisuの論だ。
 同じだというなら、学力強化を旗印の掲げて、市街化地域の3小学校(花咲・北斗・成央)と3中学(光洋・柏陵・啓雲)校を統合するのが先だろう。3校は要らぬ、2校で十分である。市教委さん、ぜひ統廃合と小中一貫校への編成替えをやってもらいたい。来年度予定している5億円の小学校耐震工事費もやり方次第でいらなくなる。

<生徒一人当たり年間200万円のコスト(試算値)をご存知か?>
 もうひとつ付け加えておこう。たったの69人の小規模校に小学校の部と中学校の部に分けて二人教頭先生がいるようだが、こんな小規模校に校長の他に二人も教頭が必要なのか?規模から考えて職員数は十数名だろう。民間会社なら一つの課にすぎぬ。管理職は一人で十分というのが民間の感覚である。
 給与は北海道庁、現住所(人事権)は各市町村教委というおかしなカタチがこういう採算度外視の学校配置を生み、統廃合が進まない。
 法律改正や予算措置の改正を伴うが、各市町村教委が教員の人事権をもつなら教職員の給与も各市町村の負担とすべきというのが筋論だろう。
 海星小中学校規模だと生徒一人の教育に年額200万円のコストがかかっているはずだ。小中9年間で一人当たり1800万円、こんなに多額のコスト負担をして、学校存続を望む住民はほとんどいないだろう。道路事情が良いのだから無料の送迎バスをだせば統廃合しても問題は起きない。
 学校維持にかかっている過去5年間のコストと生徒数の推移を学校ごとに公表すればいい。学力テスト結果の公表をはじめとして、学校教育に関わるいろんな情報を隠蔽するから議論がまともなところからズレてしまうのだろう。

 生徒一人当たり経費の試算根拠を明らかにしておく。何も資料がないので次の假定で試算した。(市教委へ取材して事実(実績値)を掲載してもらいたい。品川区ではこのような法外なコストをかけていない。だから経営強化型と経営破綻型の小中一貫教育は同列には扱えぬというのだ。)
①教職員数15名
②人件費比率70%
③一人当たり人件費=690万円

 690万円*15名/0.7/69人=214.3万円 (生徒一人当たりコスト/年)

 こういう計算は、ざっくり、大雑把でいい。
(プロはことあるごとに頭の中でこういう大雑把なシミュレーションをして当たりをつけているもの)

【12月1日夜11時50分追記】
 市教委に本気でやる気があるなら、泥縄式の経営破綻型統廃合は取りやめて、郡部の小中学生を市街化地域の学校へ集め、一番荒れている光洋中学校と成央小学校を小中一貫校に統合して教育改革実験を試みるという案はどうだろう?
 改革は大胆に!
  

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*#1756 教育再考 根室の未来 第4部③(北海道新聞) Nov. 30, 2011
  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-30

  #1753 「教育再考 根室の未来 第4部②(北海道新聞)」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-27-1

 「#1750 教育再考 根室の未来 第4部連載開始(北海道新聞) Nov. 25, 2011 」
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2011-11-25


 #1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

  #1306 教育再考 根室の未来 第2部 低学力③:若手多く指導に苦戦も
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19

  #1304 教育再考 根室の未来 第2部 低学力②:「学ぶ意味」尊重されず 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-17

  ◎#1253 教育再考 根室の未来(5):第1部⑤高校統廃合(北海道新聞)
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-24

  ◎#1251 教育再考 根室の未来(4):第1部④高校統廃合(北海道新聞) 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-22

 ◎#1250 「教育再考 根室の未来(3):第1部③高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-21

 ◎#1249 「教育再考 根室の未来(2):第1部②高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-20

 ◎#1248 「教育再考 根室の未来(1):第1部①高校統廃合(北海道新聞)」
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-10-19


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コメント 4

ZAPPER

お役所仕事の見本のような手法ですね。2013年の4月へと問題を先送りしたとしか思えません。今、目の前にいる中学生達は見捨てられて終わりです。捨てられたOSであるWindows Meを見る思いがします。本気度がまるで見えてきませんね。大人は行動で子ども達に示したいものですね。
by ZAPPER (2011-12-01 14:45) 

ebisu

仰るとおり、お役所仕事の見本です。
学力向上のための小中一貫校ではなくて、もうやっていけないほど生徒が減ってしまって遅すぎる統合です。
そして小規模校同士を統合しても規模は対して大きくならずジリ貧です。

10人の温根元小学校だってマイクロバスで20分もあれば市街化地域の花咲小学校へ通うことができます。珸瑤瑁小だって25分で市街化地域の成央小学校へ通わせることができます。華岬小から成央小学校までは20分くらいでしょう。共和小にいたっては10分の距離です。

小さい学校同士を集めても規模はさして大きくならず、ジリ貧です。一人当たり教育コストはびっくりするほどかかります。
そろそろこういう投資対効果を無視した施策はやめるべきです。
道路事情が良いので、市街化地域の規模の大きい学校へ生徒を集めて、集団の中で育成すべきとebisuは考えています。
by ebisu (2011-12-01 23:46) 

もやしさんま

お金の事を考えれば一か所にまとめるか、それぞれの集落の町内会館での寺子屋形式になるかのどっちかになると思う。寺子屋でも定期的に集まれればいいような。素人考えでした


by もやしさんま (2011-12-02 11:59) 

ebisu

一人当たり年間200万円もかける値打ちがあるのかという問題もありますが、いろんなタイプの任癌が混在する規模の大きい集団の中で競争させた方が子供たちのためにもなります。
同級生の数が少ないと、関係が固定化しやすいのです。クラス替えもありませんから。

地域で定期的に子供たちが集まるというのは良いですね。
歯舞はお祭りに生徒たちは強制参加のようですから、お祭りの練習が地域の一体感を育んでいるようです。いいですね。
by ebisu (2011-12-02 22:34) 

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