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#734 9月10日実施 学力テスト総合Aにみる学力低下の実情 [71.データに基づく教育論議]

9月10日学力テスト総合Aにみる学力低下の実情

 馴染みのない人にはわかりにくいだろうから、中3の学力テストについて説明しておこう。中学3年生対象に9月以降、学力テストが3回行われる。総合A、総合Bと1月の総合Cである。道立高校入試に準拠したテストだから、全国で実施されている他の府県の学力テストに比べると最もやさしい部類の問題になっている。
(おおよそ85~90%の得点層に属するトップレベルの者たちに1月に東京都立高の過去問をやらせると70~75%程度しかとれないが、5回程度難しい問題をやらせて解説し、なれてくると85%の得点をする者が出始める。このように難しい問題をやらせると学力が上がって来る。頭脳も筋力トレーニングと似たところがあって、筋力の強い者に負荷トレーニングを課すとますます筋力発達するように、頭脳の働きも適度な負荷をかけることでよくなるようだ。学力の高い生徒にはそれ相応の問題でトレーニングしないと能力が伸びないままになる。
 東京の進学塾では、慶応、早稲田、桐朋などの私立難関高校の入試問題から良問を選択して問題を10回分程度作り、やらせていた。トップレベルでも50点程度しか取れないような問題を12月にやらせて、うのぼれを叩いて、さらに一段能力アップを図るためだ。)

 私の母校である市街化地域のある中学校の「総合A」のデータがここにあるが、それによれば5科目合計300点満点で平均点が96.9である。
 数年前までは3校のうちで一番低いところが120点台、一番高いところが145~150点だった。平均点が100点をきったのを見たのは初めてだ。どこの中学校も似たり寄ったりで差が少なくなっている。近年平均点が急激に落ちているのはなぜだろう、下げ止まらない

 数学の点数を見ると平均点は14.0点/60点である。百点満点換算で平均点はたったの23.3点。6点以下が34人/92人いるから、全体の37%が10%未満の得点である30%(18点)未満の得点層をカウントすると59人/92人で全体の64%に達する。受験していない生徒が8人ほどいるようだから実態はさらに悪い。受験していない生徒の中にはインフルエンザで休んだものの他にやる気をなくして試験を受けない生徒がいるだろう。

 比較のために英語を見ておこう。平均点は17.4点で数学よりも3.4点高い。6点以下は22人いる。30%未満の得点層は59人で、数学と同数だ

 数学と英語はどちらも点数の低い方に向かって階段状に人数が増えていく。国語は中央が高く両端が低い正規分布だ。
 200点以上の高得点層が何人いるかみたいが、わからないので196点以上をグラフからカウントするとわずか7人である。2~3年程前には市街化地域の中学校はこの層が20人前後いた。学校によって多少の差はあるだろうが、得点上位層が三分の一にまで激減したといえる。

 他の学校のデータをまだ見ていないがどうなっているだろう。
 このままでは大学進学率と進学する学校のレベルに大きな変化が現れる。根室高校生の学力低下に比例して、3~5年で推薦枠がどうなるか危惧される。2番手の大学でも根室高校から一般入試で入学可能な生徒はわずかだ。

 携帯、ゲーム、インターネットに費やす時間が中3の半数が一日2時間を超えている。半ば中毒症状だから、生徒が自力でここから抜け出すのは難しい。「携帯依存症・ゲーム依存症」心療内科が必要だ。 
 有効な対策は子供から携帯を取り上げることだろうか?それだけでなんとかなるだろうか?

 学校がなしうる有効な対策は、部活を週に2日休みにして、補習を1年間継続的に実施することだろう。親がなしうることは小学生低学年で子供に手をかけて、一緒に勉強し、家庭学習習慣をつけさせることだ。中学生になってしまえば本人が自覚する以外に「携帯依存症」や「勉強しない病」から助けようがない。わかる授業をするために、数学は補習で基礎計算力をつけさせることが有効だ。親は小学校低学年で基礎計算力をつけさせるために珠算塾を見直すべきだ。
 分数や小数の位取りがわかっていない中学生は学習塾に問い合わせてみるといい。1.5時間×4回程度で大半の人がおぼえられるだろう。指定した時間に来てもらうが、やる気があるなら無料で教えてあげる。その後塾に通う義務は一切ないから安心して問い合わせてみたらいい。原則、断らない。
 やりうることはそれぞれにある。やれることをやって、そのうえでまたもっとよい方法を探そう。

 都会に行っても就職は難しい。多くの民間企業が大卒を求人の要件にしている。大地みらい信金に今春採用された者は男子は全員大卒のようだ。団塊世代のころの「根室信金」は根室高校で成績が中位クラスで入れるところだった。成績上位の者たちは進学するか別に就職口があった(私は進学するつもりはまったくなかったので、クラス担任から釧路の日銀受験を薦められた。当時の日銀に高校採用枠があったかどうかは知らない。高卒で就職したら辛い職場だろうなとは考えた、そして仕事をしながら公認会計士受験は無理だろうと判断した)。金融機関なら富士銀行や拓銀、北海道銀行など、漁業組合も成績上位の者たちが就職している。根室市役所へ就職した同期は一人もいないが、当時はよほど魅力のない職場だったのだろうか。
 根室を離れて都会で就職する者にとって学歴は就職戦線を闘い抜く武器のひとつである。それがまもなく危機に瀕しようとしている。

*市街化地域の3校のうち、もう一校は平均点が20点を超えた科目がないという。すべて10点台なら、5科目合計平均点は90点以下だ。いくらなんでもそれはないだろう。国語は25点はいっているはずだから生徒の聞き違いかと思う。それにしても数年前に比べて300点満点で平均点が30点前後は下がっているようだ。
 2009年9月16日 ebisu-blog#734
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コメント 2

クッキー

初めまして、総合Aの記事に興味を持ちましたので書き込みさせて頂きます。

根室地方の情報が書かれていましたが平均点が100点を切ったのですか?
驚きです。
息子の通う学校の平均点も低くて驚きましたが、それよりも低いとは・・・

ちなみに私は胆振地方です。
胆振も低く札幌地方の方に驚かれてしまうでしょうが参考までに・・
A中学で133.2
B中学で128.6
C中学で132.3
でした。

A中学は学年6クラス
B中学は学年3クラス
C中学は学年5クラスの学校です。

ご指摘の様に国語が比較的簡単だったようでどこも平均が30点を超えました。

2年前に兄が総合Aを受験しておりますが当時は平均が168.3でしたので弟の平均には大変驚きました。
裁量問題も影響あって問題の傾向が変わっていますか?
それともレベルが落ちているのでしょうか・・・

これからも辛口コメントお願いします。
更新を楽しみにしています。
by クッキー (2009-09-26 20:17) 

ebisu

クッキーさん、データありがとう。
根室も2年前までは同じようなデータでした。市街化地域の3校は3クラス編成で2校の平均点が120~130、もう1校は140点台でした。
現在、各校は学年2クラスがほとんどで例外的に3クラスの学年があります。80人に達していなくても3クラスにする学校もある。

現象面から見ると、学年2クラスになると学力が低下している。全道のデータを見たいものです。学年2クラスの学校の平均点と学年4クラス以上の学校の平均点を比べれば統計的に有為な差が認められるのかもしれません。
各市町村教委や道教委は普段やっている学力テストデータを公表すべきです。
小規模化することで生徒の学力が落ちるなら、統廃合を急ぐべきです。
学校は生徒のためにある。民主党は学力テストを抽出方式にするといっています。とんでもないことだと思います。データ公開を片方では声高に言っておきながら、学校教育に関してはデータ非公開、それどころか比較可能な個別データの蒐集すらやめてしまうと言うのですから、民主党を支持した選挙民は当選した議員に見直すように主張すべきです。
他の地域のデータもみたいものです。各地のデータが集まるといろんなことが見えてくる。ちょっと期待してみたい。
胆振地方ということですが学校の規模が大きいから根室よりもだいぶ大きな市ですね。若年人口が減少すれば、早晩根室のような学力低下に見舞われるかもしれません。
データに基づいてきちんと予防策を張りたいものです。このままでは全道の中学校の学力が急速に悪化してしまう。
by ebisu (2009-09-27 08:58) 

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