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#3523 切磋琢磨:3ヶ月で五科目125点アップ Mar. 14, 2017 [ちょっといい話]

 12月に入塾した中1の生徒がいる。英語のテストの点数がガンガン下がってきたのでニムオロ塾の門を叩いた。1年生の英語は2学期に入ると、be動詞と一般動詞の使い分け、do、doesの使い分け、will、canなどの助動詞、現在進行形、過去形、WH疑問文など、文法事項が急増するから、ここで落ちこぼれてしまう生徒が少なくない。そして英語が苦手になってしまい、三年間ずっとその状態が続くという、リスクの大きな時期なのである。ここが無事に乗り切れたら、英語は三年間大丈夫だ。
 英語の点数が低い生徒は教科書を音読させてチェックしてみることにしている。案の定、読みが下手だったので、3ヶ月間週1回の割合で音読中心の補習授業をやった。子音の発音とリエゾンに注意しながらやるが、なるべく1対1でやる。他の人がいると声が出ない生徒が多いからだ。音読ができるようになったらディクテーションを数回やり、ほとんどできるようになれば、自分で1文を3回読ませて書かせる。手間がかかるが効果が大きい。いったんこじらせてしまったら、治すのに手間がかかるのは病気と同じだ。(笑)
 根がまじめで、ある程度努力ができるこの生徒が先週の学年末テストで前回2学期・期末テストに比べて五科目合計点で125点アップして、いきなりクラス2番に躍り出た。文武両道を貫く姿はすがすがしい。
 言われたことをちゃんとやれる生徒だ。3ヶ月間だけ何をどれくらいやるのか具体的に指示した。投稿欄を通じてさまざまなことを議論した英語の達人、「Hirosuke」さんと「後志のおじさん」の勉強法の受け売りをした。部活から帰ってきてやってる箇所の音読3回、食事したあとでさらに3回、寝る前に3回、それを3ヶ月続けること。3ヶ月続けたら習慣になる、狙いはそこ。ときどき「昨日やった?」と訊いてみたが、やりましたと返事が返ってきたのは3度に1度くらいなものだった。(苦笑) 
 じつは11月に入塾した別の中学校の1年生にも同じ補習をして、同じ注文をつけた。こちらはもっとやっていないように感じた。水曜日の補習は半分程度しか生徒側の時間の都合がつかなかった。なかなか、習慣を変えることはむずかしいものだと思う。それでもこの生徒(アップは50点超)ほどではないが、英語の点数はかなりあがったことは事実。Hirosukeさんと後志のおじさんに感謝だ。生徒が喜んでいました、ありがとう。

 数英が高いレベルでバランスが取れたことがうれしい。この両科目がアップの半分を占めるが、苦手の社会がアップしたのは何か原因があるはず、「勉強の仕方を変えないとこんなに上がらないけどどう?何か試してみた?」、そう訊いてみた。仲の良い友人と放課後問題を出し合って社会の勉強を一緒にしたという。
 「いい友達がいるね、だいじにしたらいい。ところで学年1番は何点だった?」
 「470点を超えています」
 「2学期期末テストでは450点を越えた生徒がいなかったから、20点以上アップしたということか、それはたいしたものだ。」
 「その生徒が一緒に勉強した友人です!」

 ライバルに恵まれたというか、這い上がってなんとかライバルになれたというか、ハッピーな関係だ。他の学校で2年間学年トップを取り続けた生徒が足元によじ登ってくるライバルがいることをうらやましがっていた。
 各中学校には学力テストで400点を越える生徒が1学年に1-2くらいしかいない。競い合って学力を上げてもらいたい。12年前に比べると学力テストで五科目合計点が400点を越える生徒が1割になってしまった。各学校に二桁いたのである。
 125点アップした生徒の将来希望は聞いているので、その友人がどういう職業に興味があるのか訊いてみた。なんと大工さんだ、わたしも小学生のころ大工さんになりたかった。一流の大工(棟梁)には頭がよくて辛抱強くなくてはなれない。宮大工の棟梁の本を2冊選んで生徒に託した。この2冊は97年に読んだ本だ。弟子入りを認めてもらうのに一苦労、弟子入りしたら、新聞は読まなくていい、テレビも見なくていい、ひたすら鉋の刃を研げ、そう言われたそうだ。切れる刃物がなければいい仕事はできぬ。砥石に鉋の刃が吸い付くようになるころに大工の仕事がどういうものかすこしわかってくる。仕事が終わり、夕食が済むとひたすら鉋の刃を研ぎ続ける。毎日毎日精魂こめてやっているうちにじんわりと研ぎの技術が上がってくる。半端じゃない修業に感心した。修業するなら一流の親方の下で修業したらいい。
 一生懸命に勉強して社会に出たら一流の仕事人となれ!

木のいのち木のこころ〈天〉

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  • 作者: 西岡 常一
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 1993/12
  • メディア: 単行本
木のいのち木のこころ〈地〉

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 文庫本で3冊がひとつにまとまった。
木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)

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#3522 4月からCA(客室乗務員)になります! Mar. 12, 2017 [進路]

 3月10日、2年ぶりくらいで元塾生が来た。ドアを開けるとニコニコしている。
「CAになるんだって?」
「え、どうして知ってるんですか?」
「○○さんから聞いていました」
「学校の先生になるって言ってたので、(予定変更の)報告に来ました」
「うれしいね、あいかわらずいい笑顔だ」

 「O先生(中学校の担任)のところへ報告に行ったか?」と訊いたら、報告してきましたと即答。O先生も喜んだだろう。
 予定通り、教員免許もとったという。
 笑顔の多い生徒だった。中・高と女子バレー部、文武両道だったが、すこし部活の方に比重がかかっていたかな。
 中学時代に毎日一緒に通学していた二人とは進路が別になった。高校へ入学すると、釧路江南高校へ合格した小学校のときの同級生が根室へ「転校」、入学式は出ていないから転校でもないのだろうが、高校入学と同時に入塾してきた。初日は不機嫌な顔、江南に合格したのに親の転勤で根室へ戻ってきたのが不満だった。2回目に来たときに鉢合わせ、「おまえなんでここにいるの」とびっくりしていた。中学校は釧路管内の学校へ転校していたから、3年ぶりの顔合わせ。中学時代は主要五科目オール5だと豪語していたが、それほどの力はなさそうに見えたのだが、試験の3日前になると「先生、先生、数学がわかんない」と大きな声で叫び毎回慌てて来るのだが、4時間も勉強すると、「わかった」と落ち着きを取り戻し、常に90点前後の成績、2年間最上位のガンマクラスを通した。飲み込みの速い生徒だった。当の生徒は試験2-3週間前から計画的に勉強していた。吹奏楽部と女子バレー部、勉強の仕方も対照的な二人だったが、息が合って机を並べて仲良くやっていた。

 大学へ入学してから英語の教員になるためにそれなりに勉強したのだろう。CAは半分冷やかしで受けたのだろうが、受かってしまった。笑顔で得したかもしれない、客商売は笑顔が大切、こころの底からこぼれでる笑顔はすばらしい。

 先生になって女子バレー部を指導したいとずっと言っていた。人生何が起きるかわからないもの。5年くらいCAをやったら、教員になるのもいい。元CAの英語の先生なら、たくさんの男子生徒が英語好きになるだろう。(笑)
 そんな将来のことは考えずに、CAの仕事を徹底的にやってみたらいい。
 根高女子バレー部で初のCAだろう、後輩たちの励みになる。

「大学で来年のパンフレットに写真のっけてくれるのでは?」
「撮りました!」
 やっぱり、大学も宣伝になる。

 中学生のときに毎朝一緒に通学していた同期のシホとリナも元気にやっているのだろう、いいコンビだった。雪をかいていると、「先生、おはようございます」と元気な挨拶、うれしかった。どの生徒もめんこい。

< 余談 >
 CAになりたいという生徒には、非正規雇用で年収200-250万円前後で不安定な職だから、それでもいいならなればいいし、他に選択肢があるならそちらを薦めますと9年前には言っていた。
 この数年で状況が変わりつつある。航空各社はCAを正規雇用に切り替えつつある。いい時代に大学を卒業した、おめでとう。


*CA:cabin attendant 客室乗務員 昔はスチュワーデスと言った。


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#3521 数学のセンス(7):他科目(英語)への拡張 Mar. 12, 2017 [数学のセンス]

 思い込みが生じると正解への経路が閉ざされることがあり、そういう場面では「思い込み」をリセットしなければならない。そのやりかたを解説してきたが、同じことは英語の問題でも生じるので、具体例を挙げて説明する。数学で培った技が英語へ応用が利くのである。

 平成15年ころのものではないかと思うが、生徒がやっていた道立高校入試の過去問である。
----------------------------------------
問題5:北海道の高校で、農業をテーマにパネルディスカッション。Mr.Kingが司会、未来、宅、陸の3名が発表した内容です。

Mr. King: Now let's talk about "agriculture," one of the import industries of Hokkaido. What can we do to develop agriculture in Hokkaido? What do you think, Mirai?
Mirai: I think famers in Hokkaido should try to produce delicious products. My parents are farmers. We raise a cows and produce milk. Sometimes tourists visit us and drink our milk. They ofte say, "Wow, delicious! The milk I drink (different / are / and / every day / likes / this milk / very. )"
This always makes me happy but I didn't know why our milk was so special. I didn't know why our milk was so special. I asked my father about it. He answered, "Because the cool climate in Hokkaido is very good for raising cows. Cows eat a lot when it's cool. This makes milk delicdious."
----------------------------------------

 問題は青字の部分を並び替えろというものだ。わたしは「The milk I drink」が主語だと早とちりしてしまったから、動詞は三人称単数現在形のlikesしか選択肢がない。

 The milk I drink likes ...

  日本語では「牛乳が好きだ」とはいうが、そういう意味なら「I like milk」だからlikesを選択肢から外さざるを得ない。そこで、「The milk I drink=主語」から焦点を外してみる。likesがつかえないとなるとつかえる動詞はareだけである。「The milk I drink every day」は単数だから「are」は動詞の選択肢となりえない。隘路に行き着いたときは絞り込んだ焦点をぼかしてみる。気をそらすために後の方の文を読んでみたら、前後関係から文意とシーンに推察がついた、後は簡単だった。
 主語が二つだったのである。「the milk」と 「this milk」が主語、実に単純な文だった。
   A and B are different.
  Aの部分が関係節を伴っており、複文である。目的格の関係代名詞は消去変形が働く。修飾関係を[]で括ると次のようになる。

   The milk [I drink every day] and this milk are different.

 こんな簡単な問題でも、主語が単数であると思い込むと、正解経路から外れてしまうから、思い込みをリセットする必要があることは数学と同じだ。並行して文脈読みするところは日本語の文の読解と同じ。
  数学のセンスで採りあげた、「思い込みのリセット」が英語問題でもつかえることがわかる。少ないスキルで分野の異なる問題が解けたら便利この上ないから、汎用性の高いスキルをドントンためて、使って、磨こう。数学の分野で培ったスキルを他の科目へ拡張してみるとよい。使える科目と使えない科目があるから、試してみないとその限界がわからない。技の適用限界を知るためにも「拡張」は必要だ。

 さて、次回は7回書いた数学のセンスとその周辺にあるものをまとめてみるが、数学のセンスの正体が見えるだろうか?

   帰納的分析⇒総合
   
 これも数学的思考法だから、こういうことを通して数学のセンスを磨こう。


< 余談:失敗談 >
 日本語の文をたくさん読んでいる生徒ほど、文意の把握が早いことは当たり前、そのスキルが英語にも応用が利く。
 英語が大嫌いな生徒がいた。教科書はつまらないから嫌だと言い、本棚においてあった Gone with the Wind (1448ページの大著)をやりたいというのでやってみたが長続きしなかった。文学作品はむずかしいから小説がいいと今度はDarren Shan 'Vampaire Blood'を読みたいというので付き合ったがこれも十数ページでダウン。50ページ我慢してくれたら、ずいぶん読むのが楽になるのだがその手前で2度あえなく白旗。一冊読み通したら英語の力は格段につくのにもったいない。彼女の本棚にはいまも2冊英語の小説が並んでいるのだろう。いつか読むことになる、それでいい。
 勉強しないから定期テストの点数は悪いが、全国模試の英語は妙に点数が良くて、根室高校普通科で学年十番台のことが何度もあった。点数が取れるから、「わたし模試は点数いいから」と余計に勉強しなくなる。ニコニコして、これ読みたいというのだが、思い通りに行かないフラジャイル(取り扱い要注意)な生徒だった。本棚からいろんなジャンルの本を引引っ張り出しては「先生、これ貸して」と哲学からグリム童話まで読んでいた。東野圭吾はこの生徒が読んだものを次々にわたしに「これ面白かったから、先生も読んだら」と貸してくれた。
 小説が好きで、たくさん読んでいるから、日本語だとやたら読書スピードが大きい。この生徒は英語の長文問題の文意を知っている単語をつなぐだけでなんとなく正確に読めてしまう。文法語法問題はからっきしダメ、長文が得意、英語のベースは日本語だということがよくわかる事例だった。

< 余談-2:成功談 短期間での飛躍的な学力アップ >
 昨年12月に入塾した中1の生徒がいる。英語がわからなくなって点数が回を追うごとに下がったので何とかしたくて来たようだ。教科書を読ませたらまるで英語になっていないので、毎週1回90分、音読を中心に英語の補習授業を組んだ。3ヶ月やって前回の定期テストに比べて53点アップ、年度末テストは数学だけまだ返却されていないが試験の直前に『シリウス』の平面図形と空間図形の複合問題で8割の正解だったから90点は楽に超えただろう。五科目合計点は2学期期末テストに比べて130点前後アップしているようだ。苦手だった社会科の点数も飛躍的にアップしている。英語と数学の勉強を通じて、勉強の仕方がわかったようだ。いきなり学年3番以内に躍り出る。部活をやっている生徒である。文武両道。
 中学生にはこういうふうに短期間で劇的に点数をアップさせる者がいるから、学年トップはいつでも交代しうる。個別指導は相手を観察しながら、教え方を変えていくから、たまにこういうことが起きる。生徒の潜在能力が高かったのだろう。4月からは2年生だ、次の目標は学年トップ。ここまで点数が上がれば楽しいし、実績は自信を生み、根拠のある自信は大きな成果を生むものだ。


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#3520 数学のセンス(6):思い込みのリセット Mar. 10, 2017 [数学のセンス]

 数学の問題を解くときに、書いてある条件の一つでも読み落としたら正解への道が閉ざされるから、問題文の読解には細心の注意が必要である。文を「読む」スキルが身についていないとアウトである。数学の問題を解くには「読み・書き・計算」の内、「計算」スキルと「読み」のスキルの二つが要求される。読みには汎用の読解スキルと数学問題文固有の読解スキルがある。数学の語彙とその使い方には慣用的なものがあるから、慣れる必要はあるだろう。完全に読めたとして次のハードルは「思い込み」と「思い込みのリセット」である。誰でもよくやることだから、具体例を挙げて2回にわたって説明したい。1回目は数学の問題で、2回目は英語の問題(道立高校入試過去問)をとりあげる。一つの科目で習得した技は他の科目にも応用が利くものがあるから、利用しない手はない。「技」を使うシーンの拡張である。数学がよくできれば、そこで培った技は英語へも応用できるものがあるということ。少ない技で異なる教科の問題を効率よく解く生徒は英語も数学もよくできる。

 チャート式問題集の『青チャート』をやっていた1年生から質問が出た。問題には図がついていたが、問題文を読み描いてみてほしい。
------------------------------------------------
 △ABCがある。辺AB上に点Dをとり、辺AC上に点Eをとる。Eから辺DCに平行な線を引き、辺ACとの交点をGとする。点DからBEに平行な線を引き、辺ACとの交点をFとするとき、GF//BCであることを証明せよ。
------------------------------------------------

 図を描いてみるとわかるが、2組の平行線が交わり、三角形内部に平行四辺形ができる。だから平行四辺形の性質を利用して証明できるのかなと考えて、正解手順を組み立てる。
 平行であることを証明するには、①錯角あるいは同位角が等しい、②同側内角の和が180度になることを示せばよい。

 5分間考えたが最後のところで、平行であることを前提にしないと錯角が等しいといえない、アウトであった。こういうときはリセットが大事だ。「他の証明法は何があるか?」、頭の中をサーチしてみると、平行であることを証明するには三角形の相似条件からもやれそうだ。△ABCと△AGFの相似を証明できれば∠B=∠Gから、同位角が等しいので平行だと証明できる。
 中学数学では辺の比で相似を証明するときには、必ず辺の長さが条件で示されているから、質問した生徒は辺の長さが問題文の条件にないので、辺の比で相似を証明できるという選択肢が思い浮かばなかったようだ。初めてのパターン、「初見」であった。
 中学2年のときに平行線で辺の比の計算問題をたくさんやっているから気がついてもいいのだが、問題にはすべて辺の長さが記載されていた。長さが記載されていないと辺の比が求められないという「思い込み」が生じていた。

 あるラインを手繰って攻めていって問題が解けないときは、いままでの線を捨てて、視点を変えて虚心に問題文を見る必要がある。頭の中からいまトライした方法を追い出すのはなかなか厄介である。ある箇所に集中していた意識を分散させる。目が三角形の中の平行四辺形にどうしてもいってしまうが、視点を切り替えるためにそれを消す。意識の焦点を特定のところに当てないのである。全焦点で「見る」。座禅の瞑想トレーニングでそういう脳の使い方をトレーニングできる。慣れたら歩いていてもできるようになる。呼吸に意識を置けばいい。数回ゆっくり丹田呼吸をして脳をリラックスさせる。
 意識を切り替えて、焦点を絞らないことが数学のセンスの一つなのかどうかはわからないが、問題を解くセンスに関係はある。センスというよりも一つの技と言った方が当を得ている。複数で議論するときでも、こういう思考法は案外威力を発揮する。

< 正解 >
DC//GEより、
 AG/AD=AE/AC ・・・①
BE//GEより、
 AD/AB=AF/AE ・・・②
①と②の辺々をかけて整理すると
 AG/AB=AF/AC
△ABCと△AGFの辺の比が等しいので、
 △ABC∽△AGF
よって、対応する∠B=∠G、
 同位角が等しいので、
  BC//GF


 こんな簡単な問題でも、視点があるところに固定してしまうと、容易にリセットできず時間切れとなる。数学の問題は正解があることがあらかじめ前提されているから、正解手順を絞り込むのはそうむずかしいことではない。社会人となったときに、複雑な仕事にぶつかったときには正解手順があるかどうかすら定かではない。そういう問題に比べると、正解手順が受験数学は単純なのである。だから、いくら受験数学ができても、仕事ができる保障にはならない。
 仕事では別な能力が試される。基礎学力*、文書力、企画力、遂行力、複数分野の専門知識と経験値、統率力、コミュニケーション能力、調整力等、それはそれでまた別なシリーズが書けそうだ。

*仕事に関する「基礎学力」とは「仕事で必要な専門書を独力で読むことができる程度の学力」と定義したい。

*#3507 数学のセンス(1):数字に表れる美への感動がセンスを育てる Feb. 16, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-15-1

 #3509 数学のセンス(2):「同型性」と「拡張」⇒どのように考えるのか Feb. 19, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-19

 #3511 数学のセンス(3):授業時間数減少、数量、平面図形 Feb. 24, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-23

 #3512 数学のセンス(4):空間図形 イメージ操作 Feb. 26, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-26

 #3514 数学のセンス(5):空間図形と論理的思考 Mar. 2, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-03-02

 #3514 数学のセンス(5):空間図形と論理的思考 Mar. 2, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-03-02

 
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#3519 数学の授業時間数を増やせ!:B中学校とC中学校2年生学力テストデータ比較 Mar.8, 2017 [データに基づく教育論議]

<更新情報>
3月8日午前11時15分 <結論>追記

<修理記録>3月10日午後
 内容:11月28日のC中のテストデータは学力テストではなくて2
学期期末テストです、B中はOKです。削除して数字を出しなおして、本文を書き改めます、少しお待ちください。(3/10午後4時半)
 
午後5時、表は修正済み
 午後5時10分、本文数値修正完了

 今回は#3517「授業進捗管理の陥穽」の続編である。B中とC中の1年間の学力テストデータを比較することで見えてくるものがある。たとえば、B中の学力向上策とその成果や「読み・書き・計算」という基礎学力三要素が学力の伸び代に大きく影響するということなど。
 整理したデータをご覧いただこう。


2016年度2年生学力テスト学年平均点の推移
C中2年
科目4月13日8月26日11月9日2月2日sumaverage
国語47.855.453.059.10 215.353.8
社会41.835.740.736.60 154.838.7
数学30.037.930.336.80 135.033.8
理科49.443.945.838.30 177.444.4
英語56.552.550.047.00 206.051.5
五科目計225.5225.4219.8217.80 888.5222.1
B中2年
科目4月13日8月26日11月9日2月2日sumaverage
国語58.2 62.769.90 190.863.6
社会36.4 51.447.30 135.145.0
数学34.8 43.151.30 129.243.1
理科46.5 42.636.90 126.042.0
英語49.1 46.444.90 140.446.8
五科目計225.0 0246.2250.30 721.5240.5
       

 
 B中とC中は国語の平均点に大きな開きがある「読み・書き」の基本三技能のうち2つがB中の生徒のほうが高いと見ていいのだろう。この2技能は数学の文章題の読解にも関係してくるから数学の点数にも年間平均値で見て4.9点9.3差が出ている。「読み・書き」能力が低ければ、「基礎計算」能力も低くなる傾向がると仮定してデータをみるとうなずける。
 B中の数学の点数が、回を追うごとにアップしている。これは年間105時間の割り当てに対して、15時間増やしたことが関係している。そして毎回授業のときに前回の復習を入れるという工夫の相乗効果と見てよい。何より授業時間数増量という「物量」が決定的に大事な要素だということ。1年間でこれだけ学力テストの平均点を上げる先生は珍しい。15年間データを見ているが数学でははじめてみた。4月の学力テストでは、C中が30点、B中が34.8点で差が4.8点だが、2月の学力テストではそれぞれ36.8点、51.3点、差が14.5へと大きく開いた。

 年度末テスト前に確率の章を半分しかやれなかったことはミスだが、点数アップの工夫と努力は評価すべきだ。B中の来年の課題は2月中に教科書を全部終了し、復習を入れることだろう。

 C中の数学の平均点の低迷は、この学年の生徒たちの「読み・書き・計算」能力が低いことや、工夫が足りなかったことが関係しているように見える。「読み・書き・計算」の基本技能に問題のある生徒が多い場合には、授業時間数を増やすというのは効果のある対策である。「特別活動」35時間、「総合学習」70時間から20時間ほど振り替えたら学力下位層の半数を救えるのではないか?
 2月学力テストデータでみると、C中は30点以下が50人中20人(40%)が30点以下である。B中は56人中9人(16.1%)のみ。高校なら30点以下は赤点、高校統廃合で根室高校1校になるから、そういう生徒が全員根室高校へ合格できる。根室高校の数学の授業レベル低下は避けようがない。12年前には1月21日から1年生は授業で数Ⅱを開始していたが、今年の1年生はまだ数Ⅰをやっている。すでにレベル低下は起きており、それがもう一段後退するということ。

 4月と2月の学力テストデータを比較することで、さらにはっきりするものがある。

 4月13日C中対B中比較
科目C中B中
国語47.858.210.4
社会41.836.4-5.4
数学30.034.84.8
理科49.446.5-2.9
英語56.549.1-7.4
五科目計225.5225.0 -0.5
2月2日C中対B中比較
科目C中B中
国語59.10 69.90 10.8
社会36.60 47.30 10.7
数学36.80 51.30 14.5
理科38.30 36.90 -1.4
英語47.00 44.90 -2.1
五科目計217.80 250.30 32.5
<年平均値比較>
科目C中B中
国語53.83 63.60 9.8
社会38.70 45.03 6.3
数学33.75 43.07 9.3
理科44.35 42.00 -2.4
英語51.50 46.80 -4.7
五科目計222.13 240.50 18.4


 
 4月の学力テストでは、B中のほうが平均点の高かったのは国語と数学だけだった。五科目合計点では差が1点未満だ。ところが2月の学力テストではB中のほうが高い科目が3科目に増えた。理科と英語はB中の追い上げがあり、差が縮まっている。数学の差が4.8点から14.5点に拡大した

 年間平均点比較では、国語の差が13.2 9.8点と大きい

 これらの結果から、「読み・書き・計算」の基礎技能の高い方が学力テストの平均点が高くなると共に、点数の伸び代が大きいことが言えそうだ。そして、数学の配当時間数を年間15時間増やすことは、数学の平均点アップに有効だということも言える。
 「読み・書き・計算」能力が低いというのは、国語指導の力量の差が反映していることのほかに、C中の同じ学区の小学校に問題があることを示唆している。根室市教育長は元花咲小学校長のようだから、このデータをみてマネジメント上の責任を感じるのではないか。校長の仕事には権限と責任が伴っている。今度は教育長としてこのデータを生かす政策を立案して実行に移してもらいたい。
 花咲小学校は道東では歴史が一番古い、わたしの母校でもある。当時は1学年6クラス360人、全校生徒数は約2000人。ここ数年新入生が30人前後のようだ。このような規模の学校では、校長は職員室に机を置いてマネジメントするのが当然だ。「校長室」は「応接室」に変えたらよい。

< 学力上位層の枯渇現象 >
 どちらの学校も五科目合計点で450点超の生徒は一人しかいない。400-450点の階層がゼロである。五科目合計点が400点というのは高学力層には入らない。高校で受ける進研模試で偏差値48相当である。
 どちらの中学校も学力上位層の枯渇現象が起きている

< 結論 >
 データを並べて論じて最後に気がついたが、B中学校は年度当初から学力向上戦略があったと考えられる。初任2年目の教科担当だけで数学の年間配当時間数を15時間も増やせるわけがないから、教頭や校長が一緒になって取り組んだのだろう。
 B中もC中も教頭は数学を教えていた先生、数学の学力向上に取り組むには好都合だ。来年これら2校がどのような学力向上戦略を立案しどれほどの成果を挙げるか注目したい。
 同じ学区の小学校に変化が現れるだろうか?「読み・書き・計算」能力が低いままだと、中学校の先生たちがたいへんだ。国語と算数の時間数増量を含めて具体的な取り組みを望む。


*#3617 授業進捗管理の陥穽 Mar. 4, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-03-04


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