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#3519 数学の授業時間数を増やせ!:B中学校とC中学校2年生学力テストデータ比較 Mar.8, 2017 [データに基づく教育論議]

<更新情報>
3月8日午前11時15分 <結論>追記

<修理記録>3月10日午後
 内容:11月28日のC中のテストデータは学力テストではなくて2
学期期末テストです、B中はOKです。削除して数字を出しなおして、本文を書き改めます、少しお待ちください。(3/10午後4時半)
 
午後5時、表は修正済み
 午後5時10分、本文数値修正完了

 今回は#3517「授業進捗管理の陥穽」の続編である。B中とC中の1年間の学力テストデータを比較することで見えてくるものがある。たとえば、B中の学力向上策とその成果や「読み・書き・計算」という基礎学力三要素が学力の伸び代に大きく影響するということなど。
 整理したデータをご覧いただこう。


2016年度2年生学力テスト学年平均点の推移
C中2年
科目4月13日8月26日11月9日2月2日sumaverage
国語47.855.453.059.10 215.353.8
社会41.835.740.736.60 154.838.7
数学30.037.930.336.80 135.033.8
理科49.443.945.838.30 177.444.4
英語56.552.550.047.00 206.051.5
五科目計225.5225.4219.8217.80 888.5222.1
B中2年
科目4月13日8月26日11月9日2月2日sumaverage
国語58.2 62.769.90 190.863.6
社会36.4 51.447.30 135.145.0
数学34.8 43.151.30 129.243.1
理科46.5 42.636.90 126.042.0
英語49.1 46.444.90 140.446.8
五科目計225.0 0246.2250.30 721.5240.5
       

 
 B中とC中は国語の平均点に大きな開きがある「読み・書き」の基本三技能のうち2つがB中の生徒のほうが高いと見ていいのだろう。この2技能は数学の文章題の読解にも関係してくるから数学の点数にも年間平均値で見て4.9点9.3差が出ている。「読み・書き」能力が低ければ、「基礎計算」能力も低くなる傾向がると仮定してデータをみるとうなずける。
 B中の数学の点数が、回を追うごとにアップしている。これは年間105時間の割り当てに対して、15時間増やしたことが関係している。そして毎回授業のときに前回の復習を入れるという工夫の相乗効果と見てよい。何より授業時間数増量という「物量」が決定的に大事な要素だということ。1年間でこれだけ学力テストの平均点を上げる先生は珍しい。15年間データを見ているが数学でははじめてみた。4月の学力テストでは、C中が30点、B中が34.8点で差が4.8点だが、2月の学力テストではそれぞれ36.8点、51.3点、差が14.5へと大きく開いた。

 年度末テスト前に確率の章を半分しかやれなかったことはミスだが、点数アップの工夫と努力は評価すべきだ。B中の来年の課題は2月中に教科書を全部終了し、復習を入れることだろう。

 C中の数学の平均点の低迷は、この学年の生徒たちの「読み・書き・計算」能力が低いことや、工夫が足りなかったことが関係しているように見える。「読み・書き・計算」の基本技能に問題のある生徒が多い場合には、授業時間数を増やすというのは効果のある対策である。「特別活動」35時間、「総合学習」70時間から20時間ほど振り替えたら学力下位層の半数を救えるのではないか?
 2月学力テストデータでみると、C中は30点以下が50人中20人(40%)が30点以下である。B中は56人中9人(16.1%)のみ。高校なら30点以下は赤点、高校統廃合で根室高校1校になるから、そういう生徒が全員根室高校へ合格できる。根室高校の数学の授業レベル低下は避けようがない。12年前には1月21日から1年生は授業で数Ⅱを開始していたが、今年の1年生はまだ数Ⅰをやっている。すでにレベル低下は起きており、それがもう一段後退するということ。

 4月と2月の学力テストデータを比較することで、さらにはっきりするものがある。

 4月13日C中対B中比較
科目C中B中
国語47.858.210.4
社会41.836.4-5.4
数学30.034.84.8
理科49.446.5-2.9
英語56.549.1-7.4
五科目計225.5225.0 -0.5
2月2日C中対B中比較
科目C中B中
国語59.10 69.90 10.8
社会36.60 47.30 10.7
数学36.80 51.30 14.5
理科38.30 36.90 -1.4
英語47.00 44.90 -2.1
五科目計217.80 250.30 32.5
<年平均値比較>
科目C中B中
国語53.83 63.60 9.8
社会38.70 45.03 6.3
数学33.75 43.07 9.3
理科44.35 42.00 -2.4
英語51.50 46.80 -4.7
五科目計222.13 240.50 18.4


 
 4月の学力テストでは、B中のほうが平均点の高かったのは国語と数学だけだった。五科目合計点では差が1点未満だ。ところが2月の学力テストではB中のほうが高い科目が3科目に増えた。理科と英語はB中の追い上げがあり、差が縮まっている。数学の差が4.8点から14.5点に拡大した

 年間平均点比較では、国語の差が13.2 9.8点と大きい

 これらの結果から、「読み・書き・計算」の基礎技能の高い方が学力テストの平均点が高くなると共に、点数の伸び代が大きいことが言えそうだ。そして、数学の配当時間数を年間15時間増やすことは、数学の平均点アップに有効だということも言える。
 「読み・書き・計算」能力が低いというのは、国語指導の力量の差が反映していることのほかに、C中の同じ学区の小学校に問題があることを示唆している。根室市教育長は元花咲小学校長のようだから、このデータをみてマネジメント上の責任を感じるのではないか。校長の仕事には権限と責任が伴っている。今度は教育長としてこのデータを生かす政策を立案して実行に移してもらいたい。
 花咲小学校は道東では歴史が一番古い、わたしの母校でもある。当時は1学年6クラス360人、全校生徒数は約2000人。ここ数年新入生が30人前後のようだ。このような規模の学校では、校長は職員室に机を置いてマネジメントするのが当然だ。「校長室」は「応接室」に変えたらよい。

< 学力上位層の枯渇現象 >
 どちらの学校も五科目合計点で450点超の生徒は一人しかいない。400-450点の階層がゼロである。五科目合計点が400点というのは高学力層には入らない。高校で受ける進研模試で偏差値48相当である。
 どちらの中学校も学力上位層の枯渇現象が起きている

< 結論 >
 データを並べて論じて最後に気がついたが、B中学校は年度当初から学力向上戦略があったと考えられる。初任2年目の教科担当だけで数学の年間配当時間数を15時間も増やせるわけがないから、教頭や校長が一緒になって取り組んだのだろう。
 B中もC中も教頭は数学を教えていた先生、数学の学力向上に取り組むには好都合だ。来年これら2校がどのような学力向上戦略を立案しどれほどの成果を挙げるか注目したい。
 同じ学区の小学校に変化が現れるだろうか?「読み・書き・計算」能力が低いままだと、中学校の先生たちがたいへんだ。国語と算数の時間数増量を含めて具体的な取り組みを望む。


*#3617 授業進捗管理の陥穽 Mar. 4, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-03-04


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#3518 加速する病院崩壊:星槎大教授上昌広 Mar. 6, 2017 [医療四方山話]

<更新情報>
3/11 午後7時追記 < 民間総合病院の採算悪化の事実はあるか? > 


 標題は3月3日にNHKラジオ番組「社会の見方・わたしの視点」で放送された。上先生は血液内科医で医療ガバナンスの専門家である。
 彼の意見によれば、病院問題は地方だけでなく、首都圏の私大付属病院が赤字になりつつあり、このまま放置すれば次々に経営破綻していくという。日医大や東京女子医大の附属病院の採算が悪化していると具体例を挙げる。
 他方、日本の病院の1割が医師一人で365日やって地域医療を支えており、院長が死亡すると廃院になるクリニックが増えている。これも今後10-20年ぐらいの間に医療環境をがらりと変えかねない変化である。
 人口減少が急速に進んでいる地方の病院が患者数の減少によって経営が成り立たなくなるというのはよくわかるが、首都圏の私大付属の大病院までが経営が成り立たなくなるというのはわたしには驚きだ。
 病院はコストカットのために常勤医や常勤看護師を減らして対応しているから、労働が長時間となり、効率化も求められるからきつくなっている

 たとえば、市立根室病院は135ベッドで、毎年15-17億円の赤字を出しているが、一般会計から繰り出し金で赤字の補填をして何とか維持している。私大付属病院ではそういうことができないから、赤字が続けば経営破綻=廃院となる。

 病院崩壊の原因が八つ挙げられている、黒丸は首都圏と地方共通、白丸は首都圏固有のもの。

●人口減少による患者数の減少
●2年に一度行われる診療報酬改定(切り下げ)
●消費税が8%になりその負担が病院経営を圧迫している。今後も消費税は増税されていく。
○首都圏では看護師が少なく人件費が高騰している
○私大附属総合病院や民間の総合病院の経営が圧迫されているのは採算が悪い診療科もそろえなければならないから
○土地が高いから不動産への投資の金額が大きくなり、それも経営を圧迫する⇒過大投資
○高額の最新設備の導入も大きな負担になっている⇒過大投資になりがち
○産科や小児科のように患者数が減少している診療科はやっていけない
  聖路加病院が赤字になっている。

 私大付属病院ではコスト削減のために医師給与を下げている。40歳代の医師の給与は手取り30万円あるかなしかで、アルバイトして稼がないと食べていけない。労働強化と労働時間が長くなることで医師は疲れている。そうした背景事情が製薬メーカと医師の癒着や医療事故増大の一因となっている。
 診療報酬は全国一律だから、コストの高い首都圏は経営上不利になる。
 首都圏の医大附属病院が赤字なのに対して、たとえば岩手医大附属病院は利益率が高い。


<上教授の処方箋>
 このままだと首都圏の期間病院の多くが崩壊し、高齢化社会が破綻してしまうから、コスト削減と患者の負担増の両方を同時にやる必要がある。
くる
(1)遠隔診療や人工知能を用いた新技術の導入
(2)海外で育成された医師の導入
  フィリピンの看護師の給与は月収6万円、医師は20万円。手術室や検査室は患者とのコミュニケーションの必要がないから、フィリピン看護師や検査技師をいれても大丈夫な領域と考える。
(3)患者負担は、一律にやるのか、金持ちに負担してもらうのか国民的コンセンサスをつくる必要がある。

< ebisuの意見 >
 首都圏の機関病院である民間総合病院や私大附属病院が相次いで経営破たんで閉院になれば、首都圏では医師が失業するような事態が起きる。地方の自治体病院は低コストで医師確保のできる時代が来るということか。
 民間企業の経営管理手法を導入しても採算が成り立たないということだろう。総合病院で診療科別損益計算をすると、不採算診療部門から切っていくことになるが、それでは総合病院の機能を維持できぬ。赤字の診療科はそれぞれいくらの赤字が出ているのかがわかれば、診療科の組合せで大雑把な損益シミュレーションができる。総合病院における診療科別の損益シミュレーション用標準モデルもつくることができるだろう。それと比較することで、各総合病院は経営改善がどの程度できるか計測可能になる。

 市立根室病院は135ベッドだが、赤字補填のための国基準の繰入金は約10億円である。実際の赤字額は年額15-18億円。すべて根室市の一般会計予算の繰り出し金で穴埋めしている。民間総合病院にこのような補助はないから、競争条件をそろえるためにも民間病院への国からの補助金制度があるべきなのだろう。だが、やりかたを間違えると、病院経営者が私腹を肥やすことに使われる。補助金制度を設けるとしても、どういう基準でやるのが公正か、なかなかむずかしそうだ。
 議論の前提にどの診療科の外来で、そしてどの診療科の入院病棟でどれくらいの損失が出ているのか、実データを検討しなければならない。
 こういう作業は厚生労働省では無理で、ワンクッションおいた機関で大病院や中小病院の診療科別損益計算データを集めて、規模別に議論する必要がある。民間企業では常識だが、部門別損益計算システムをもっている病院はあるのだろうか、そしてそうしたデータを集められるのはどこ?

 KさんがNPO法人VHJ機構の専務理事であることを最近知った。VHJ機構は会員の民間総合病院が経営情報データベース構築に参加し、相互にそれらの情報を利用するプラットホームを提供しているようだ。
 Kさんは医師で元厚生省のお役人、そして一部上場会社の社長をやり、ある県の医局長を数年やっていた。こうして並べると華麗で稀な職歴である。(笑)
 久々にメールをいただき、近々、会ってお酒を飲むことになっている。首都圏の民間総合病院の経営の現況と未来について話を聴いてみたい。時間があっというまに過ぎそうだ。
 左側のカテゴリー欄に「養老牛温泉夜話」があるが、Kさんと地域医療や教育について2009年11月に養老牛温泉で語り合ったことが載せてある。


*VHJ機構
http://vhj.jp/


< 経営情報統合データベース >
 診療科別損益計算は、間接費や共通事務部門費などの配賦基準は各総合病院で独自にやれるようにしておき、経営情報統合データベース上では「その都度の統一配賦基準」で配賦処理できるような柔軟なデザインが望ましそうだ。臨床病理学会と臨床検査大手六社で数年にわたって共同作業をして実現した日本臨床検査項目標準コードはそういう設計思想でつくった。VHJがどういう設計思想で統合データベースをつくっているのか興味津々。 


< 余談:ごちそう >
 隣の人から大きな鰈を2尾いただいた。ひとつは腹の周囲に黄色い色がついたもので、とってもおいしい鰈だそうだ。さっそく黄色い方を煮付けにして食べた。箸で突くと厚い身が割れる、煮汁をつけて口にほおると鰈の濃い味が広がった。こんなにおいしい鰈を食べるのは7年ぶりくらいだろうか。ふるさと根室の魚はとってもおいしい。もう片方は内臓を処理して冷凍した。

< 民間総合病院の採算悪化の事実はあるか? > 3/11追記
 民間総合病院は決算を外部へ公開していないから、上教授の論は一部の私大附属病院の経営悪化を根拠に民間総合病院全体の経営悪化が進行していると類推したもののように見える。首都圏の専門家に意見を訊いたら、首都圏の民間総合病院の経営が悪化している事実はないという。東京女子医大については経営悪化の理由が別のところにあるという。
 民間総合病院では、診療科別の損益計算制度を導入しているところがない、そういうパッケージシステムすら存在しないらしい。民間総合病院は丼勘定で十分経営していける状況にある。経営が悪化すれば、経営改善のために診療科別・入院病棟別損益計算制度が導入されるだろう。そうしたパッケージソフトすら国内に存在しないようでは、民間総合病院の経営悪化を主張するのは無理があるだろう。


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#3617 授業進捗管理の陥穽 Mar. 4, 2017 [さまざまな視点から教育を考える]

<更新情報>
3/6 午前0時 投稿欄から転載
3/6 23時  < B中2年生の過去3回の学力テスト数学の平均点の推移 >


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陥穽:①おとしあな。わな。「人もわれも尤も忌み嫌へる死は、ついに忘する可からざる永劫の陥穽なることを知る/虞美人草 漱石」・・・大辞林より
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 特定の学校の特定の教科を採りあげ、担当教員と学校管理職の仕事のありようの問題を分析してみます。こういうことは根室市内の中学校ではごく普通にあると受け取ってくださって結構です。2校を採りあげていますが、1校はデータがないので書いていないだけで、状況が2校より良いかどうかはわかりません。
 特定の先生をつるし上げる意図はないので、その点は誤解のないようにお読みください。授業内容のチェックや授業の進捗管理にシステマティックな問題があることに注目していただきたい。同じ問題が来年再び起きないことを願いつつ書きます。

 C中学校は1・2年生の学年末テストを3/3に終了し、B中学校は3/7・8に実施される。
 C中は2年生数学のテスト範囲から、最後の章「第6章 確率」が除かれていた。156-174ページまで19ページ。B中もC中も2月末で教科書を終わっていない。
 4月から2月末まで11ヶ月だが、夏休みと冬休みを合計2ヶ月とすると賞味9ヶ月で、8-155ページの148ページをやったことになるから、月平均16.4ページである。確率の章は19ページだから、比例計算すると1.2ヶ月かかるのだが、そこをたったの「3時間」でやったことにしてしまうのがB中学校の先生。C中学校の先生は年度末テストが終わってからやるのだろう、2週間ほどだ。かくして、2年の総復習期間はゼロ。四月の学力テストで1次関数や確率の問題の正答率が低くなるのは当然である。そこだけで終わればいいが、根室高校普通科1年生の数Aで「順列・場合の数・確率」が再度でてくるが、中学校の授業の進捗管理がいい加減なので、ほとんど全員が苦手科目となっている。理由はもうおわかりだろう。中学校の授業の進捗管理の拙(つたな)さと手抜き授業が主要な原因である。

 B中では数学担当の先生が確率の章を3時間でやると生徒に伝え、月曜日に予定されている1時間で計3時間で19ページをやるようだ。すでに2時間やっているが、定期テストが90点を越えている生徒でも、学校の準拠問題集にある解説を読んでも理解できない問題がいくつも出てくる。最近行われた学力テストで80点に近い得点の生徒(80点以上は学年にたった5人)も同様である。わずか3時間で終了と聞き、理解できるわけがないので生徒を呼んで今日(3/4土曜日)補習した。確率は教えるのがむずかしい章です。成績上位生には数Aの内容まで踏み込んで教えます。その方が理解が慥かですから。
 
(3月6日13時45分追記:B中学校の数学担当の先生は確率の章の前半部分156-164ページを3時間でやり、残りは試験が終わってから消化するつもりのようです。)

 数学の授業がこんなことになっているなんて、教頭先生も校長先生もご存じないというのが学校というところ。民間会社なら上司へ報連相があり、適切に処理されるから、このような事態はあまり起きない。B中学校の管理職はテスト範囲表に「確率の章」が入っているから、まさか19ページを3時間でやったことにするなんてことは知りようがない。C中学校は範囲表をちゃんと見ていたら気がつくはずだが、気がついた気配がない。事前に気がついたら、教頭先生や校長先生から教科担当に叱責があるはずで、放課後補習を組んでもちゃんと年度末テスト範囲に確率の章を入れたはず。それが学校管理職としてかれらの重要な仕事、それが機能していない、わたしの言っていること間違っていますかね?言っている事はきついですが、言わないと来年も同じことになるので、あえて書いています。本音はこんなことは書きたくない。
 
 ついでだから、どこの学校とは言わぬが英語についても書いておきます。2年生の「プログラム8」が冬休みに宿題にされた。「新しい文法事項が出てこないので」という理由で宿題にしただけで、すっ飛ばした。2年の教科書には「Extensive Reading」が4ページ載っているが、やらないようだ。英語はたくさんの文を読むことで力がつくから、授業で端折ってはいけないところだとわたしは思う。
 3年生の教科書には同じものが3本、11ページ載っている。ページ数は1割だが、ボリウムは2割ほどある。どの学校もここをやらない。10年前はちゃんとやっていた。いつのまにかルーズになっている。どうして英語授業がこんなにルーズになったのだろう。道立高校入試英語問題がこの4年間ほど難易度が急低下したことと相関がありそうな気がしてならない。ルーズな授業でも入試問題が解けてしまう。水と同じでは困る、教育は高い方に向かって流れるべき。

 年間授業スケジュールを作成して管理職がチェックしているのではないかと思うが、現実はその後のチェックが有効になされず、教科担当に任されっぱなしになっているのではないか。民間企業では簡単にできることが学校ではひどくむずかしいようだ。どうすれば学校で内部牽制がシステマティックにできるのだろう。

 授業の進捗管理や授業内容が教科担当に全面的にまかされて、学校管理職が管理していないように見えること、あるいは管理のしようがないことの他に、勤労観が大きく影響しているように思えてならぬ。
 教師が「教育労働者」だと定義すると、自分を労働力商品として時間で売っていることになる。授業の手を抜けば抜くほど、時間当たりの賃金が相対的に高くなるのは、インテリの先生たちは先刻ご存知だろう。無意識にそうしている。このような不健全な勤労観をもっていたら、まじめに、精魂こめて授業をすればするほど、損をするような気がするのではないか?どれほど一生懸命にやっても給料やボーナスが同じだから、手を抜けば抜くほど得になるような気がするのは自然なことだ。
 日本人には本来、「労働」という概念はない、あるのは「仕事」である。労働はイコール苦役である。苦しいだけで楽しくないし、なるべくしたくないことというのが労働。江戸時代の文献に「労働」という用語は見つからないと思う。
 斉藤秀三郎著『熟語本位英和辞典』は84年前、1933年が初版である。そこにlabourの訳語が載っている。
-----------------------------------
labour:<名詞>労働。労力。労役。(より)労力を要する事業。骨の折れる仕事 ②資本に対する労働 ③生みの苦しみ。分娩。陣痛。いきみ。
<動詞>労働する。②働く。尽力する。労力する。骨を折る。努める。勤労する。 ③苦しむ。悩む。憂うる。辛苦する。
-----------------------------------

 何が言いたいかというと、「労働」なる語は、labourの訳語として生まれたということ。その原意は「苦役」である。「教育労働者」と自己限定すると、授業は苦役であり、楽しくないもの、忌むべきものになる。
 日教組や北教組のいう「教育労働者」という教員の定義はまことに罪が深い。
 仕事は「職人仕事」にみられるように、自己の持つ最高の技倆を発揮することで成し遂げられる。授業の職人であるという自覚と仕事観をもっていたら、こういうルーズな仕事ができるだろうか?

 根室の先生たちのおよそ半数は「教育労働者」として労働しているから授業内容や授業の進捗管理がルーズになるのではないかというのがわたしの假説だ。もちろんちゃんとした授業、進捗管理をしている先生はいる(たとえばC中学校、別海中央中学校長(学力テスト全国平均クリア)、もちろん他にも何人もいらっしゃるだろう)のだが、とても半数にはならない。市街化地域の3中学校で授業参観を8回したわたしの感想だ。
 B校とC校は学力テストの平均点が下がっている、その低さは「危機的」と言ってよい。具体的なデータは弊ブログをググれば出てきますので、関心のある方はご覧ください。

 反論があればどうぞ投稿欄へ書き込んでください。オープンな議論を歓迎します。

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仕事:①するべきこと。しなければならないこと。②生計を立てるために従事する勤め。
  ・・・大辞林より
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 学校の先生とは「教育の職人」である。
 日々自分が教える科目の専門知識の更新を怠らず、広い教養を身につけ、生徒の指導に当たる、なかなかたいへんな仕事です。初心はそうだった先生が少なくないのでは?

     「初心忘るべからず」

 いい言葉です。

*<この記事の閲覧期間は3月6日午後10時までと今のところ考えています。必要な方はコピーをとってください。再アップは一ヵ月後の4月4日を予定しています。>

 閲覧停止措置の必要がなくなりましたので、このままにしておきます:3月6日22時53分追記

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< 3/6 午前0時 投稿欄から転載 >
 もう14本も投稿がありました。気がついたことがあり、データも一緒に書き込んだので本欄へ転載します。(一部加筆)
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2年生だと多項式の加減乗除、連立方程式の計算問題のあたりに時間を掛けすぎるのは、生徒たちの基礎計算能力が低いからなのでしょう。時間をかけざるをえない。そのあとは連立方程式の応用問題、1次関数、三角形の合同、平行線と多角形、確率と内容がずっと難しくなります。生徒の学力が低くて教えきれなくなるのでしょう。学力テストの得点分布をみると、そうした傾向が読み取れます。

2月の学力テストの数学の平均点はB中が51.3点、C中が36.8点ですから、平均点で14.5点も差があります。五科目合計点ではB中250.3点、C中216.1点、差が34点も開いています。B中は数学と国語が顕著にあがりましたC中は30点以下が48人中17人で、3人に1人の割合でいます。B中は56人中9人のみ
B中がテスト範囲に確率の章が入っていて、C中はテスト範囲から除外となったのは、こういうことも影響しているようです。

学力テスト数学の平均点が40点以下だと生徒の学力が低すぎて、部活を停止して強制的に放課後補習でもしない限り、教科書の内容を2月末までにすべて消化するのは無理だということかもしれません。

それならそうと学力テスト結果をモニターして、それなりの対策を打てばよいだけです。

普段の学力テストデータすらモニターしていない根室市教委の仕事に対する甘さ、怠慢が対策を遅らせています。モニターすべきでしょう。
平均点が40点を下回ったら、学校と市教委が具体策を協議すべきかもしれませんよ。

根室の町の発展はの鍵は教育です。根室に残る子どもたちの学力が長期にわたって低迷していたら、地元企業は生き残りが困難になります。
by ebisu (2017-03-05 23:54)
========================

 < B中2年生の過去3回の学力テスト数学の平均点の推移 >

 4月  34.8
 11月 43.1
 2月  51.3

 初任2年目の先生だそうですが、根室に戻って開塾してから15年目、1年間でこれほど平均点を上昇させた先生は初めてです、ほめたいと思います。来年は年度末テストの前に教科書全部を終わらせてください。やれるでしょう。


< 必見! >
*#3519 数学の授業時間数を増やせ!:B中学校とC中学校2年生学力テストデータ比較 Mar.8, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-03-07


#3516 『アトランティス』佐々木君紀著:語彙を増やせ! Mar. 3, 2017 [本を読む]

  小説を一冊も読んだことがないというレアな中3の生徒に、1990年に読んだ佐々木君紀著『アトランティス』全8巻をあげた。ジャンルは古代ファンタジー。
 歴史が好きな生徒なので、2セットもっている『戦略の歴史』の下巻もあげたが、こちらは読むのに骨が折れるだろう。上巻は他の中3の生徒にプレゼントした。友人の遠藤利国さんの翻訳である。
 春休みがもうすぐだ、本を読んで語彙を増やせ!

 SRL学術開発本部で仕事していたときに、若くて背の高い女性社員がおり、仕事が終わって家に帰ってから小説を書いているといっていた。何かおススメの小説があるかと訊いたら、『アトランティス』を挙げた。半年くらいして、小説を書くことに没頭したいと会社を辞めた。身長が172cmだといっていたような気がする。サイズの合う皮製のかわいい靴が売ってないと笑いながら話し、いつもスニーカーを履いていた。名前が思い出せない、どうしているかな?何か本を書いていれば読みたい。


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アトランティス〈1 上巻〉

アトランティス〈1 上巻〉

  • 作者: 佐々木 君紀
  • 出版社/メーカー: リム出版
  • 発売日: 1990/07
  • メディア: 単行本
アトランティス〈1 下巻〉

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  • 作者: 佐々木 君紀
  • 出版社/メーカー: リム出版
  • 発売日: 1990/07
  • メディア: 単行本

戦略の歴史(下) (中公文庫)

戦略の歴史(下) (中公文庫)

  • 作者: ジョン・キーガン
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/02/21
  • メディア: 文庫

#3515 トランプ米国大統領軍事予算を540億ドル拡大要求 Mar. 3, 2017 [時事評論]

 トランプ米国大統領は2月27日、国防予算を540億ドル増強すると発表した。
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*http://jp.reuters.com/article/usa-trump-budget-defense-idJPKBN1661V2 

[ワシントン 27日 ロイター] - トランプ米大統領は27日、国防費の「歴史的な拡大」を求める一方、他の支出を減らして国防費の増額分を相殺する考えを示した。州知事との会談で述べた。

ホワイトハウスの予算当局者によると、トランプ氏は国防総省予算を540億ドル増額すると同時に、海外援助など非防衛関連の支出を同額削ることを提案する見通し。
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 軍艦や航空機やミサイルをたくさん作るのだろう。
 劣化ウラン弾の使用は放射性廃棄物である劣化ウランを大量に使うから、原子力発電所運転で大量に出てくる放射性廃棄物処理にはもってこいだ。イラク戦争では砂漠に大量に劣化ウランがばら撒かれた。千年も2千年も砂漠の民の遺伝子を傷害し続けるのだろう。こういう兵器は常に異民族・異宗教徒に対して使用される。
 ドローンはすでに暗殺用に常用されており、軍事用ロボットの高性能化と実戦投入がなされようとしている。実戦投入データがなければさらに高性能な戦闘ロボットの開発ができない。

 武器在庫を大量に積み上げるとそれらはいずれ消費される。540億ドルの軍事予算増強は「生産・流通・消費」サイクルの最初のところでアクセルを踏むことだ。地球上で消費されない武器は核ミサイルだけだが、それも北朝鮮の核ミサイル開発が進んでどうなるか危うい状況にある。

 在庫の大量消費は武器の場合戦争である。2003年3月20日米国がイラク侵攻を開始した。ブッシュ米国大統領はイラクが「大量破壊兵器の開発をしているという」情報操作して戦争を起こした。各国はろくに検証もせずに米国に追随して兵士を送った。自衛隊の海外派遣に法的な歯止めのあった日本は、兵士を送る代わりに正当性のない戦争に10億ドルの資金拠出をした。
 あれからまだそう年月がたっていない。そしてイラク戦争の総括も行われていない。
 状況は変わった、いまは安保法制があり、自衛隊の前線への派遣が可能になったから、この次に同様の事態が起きたら米国の自衛隊派遣要請を断れない。
 大きな戦争が起こらぬことを祈る。


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