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#3322 高2の英語授業 : やれば力は飛躍的に上がる June 8, 2016 [授業風景]

 先週土曜日に高2の生徒が教科書を読み始めた話をどこかに書いた。今日が2回目だ。
 前回の授業で「折り紙」の話を読んだ、今日は「ミクロの決死圏」という映画の話だ。1966年の米国映画だから、東京で1967年にこの映画を観たのだが、新宿のどの映画館だったか忘れてしまった。中学生のころ、SF小説が大好きで、母校の光洋中学校図書室(当時の蔵書は昭和42年の火災で焼失)にあったSF小説の数々は「ご馳走」だった。名作も駄作も片っ端から読むことで次第に目が肥えた、いいものだけでは肥やしにならぬ。
 今日、生徒が教科書を読むのに付き合っていて、原題が'Fantastic Voyage'だとはじめて知った。

 辞書を引きながら頭から読んでいき、わからないところ、日本語にしにくいところは生徒から質問がある。質問されたら、どのように頭から読むのかやってみせる、そのあと構文解析をやる。表層構造をシンプルセンテンスに分解して見せるのである。変形生成英文法を簡便に用いるのがいいようだ。
 2回の授業で教科書26ページ分を読み終わった。章と章との間に挟まっている文法問題は本文を理解できたら独力でやれるから、塾の授業でいちいちやる必要がない。学校の授業が復習になるが、多少複雑と思われる構文は全部深層構造に分解して解説してあるから、学校の授業が「お子様ランチ」に見えてくる。

 生徒が言うには「2週間で終わりそう!」、そんなに早くは全部読みきれないだろうが、3週間で教科書1年分は消化できる。
 あとは短編小説か簡単な論説文を教科書の10倍量くらいやれば、進研模試で偏差値60は軽く超えるだろう。英語が嫌いでやりたがらなかった生徒が、塾へ来て1年が経ち、ようやく変わり始めた。真ん中程度の英語の成績の生徒が半年後にどういうことになるのか、教えるほうもドキドキワクワクである。(笑)
 これから1年間でずいぶんな量を読むことになるので、進研模試偏差値70はクリアできるかもしれない。苦手の英語を得意科目に変えて、とりあえず英語の偏差値だけは早慶レベルを超えよう。この生徒は数学が今回最上位のガンマクラスへアップした、ずっこけながら滑り込んだのは運がよいからだろう。危なっかしくてみていられない。
 ここまで持ってくるのがたいへんで、ここから先は楽だ。嫌がる馬に水を飲ませに池まで引いていく必要がなくなったからだ。自分で池まで行って、たらふく水を飲めばよい。


< 余談-1 >
 「折り紙」の章を学校の授業でやりはじめたが、ずいぶん簡単だったと言っていた。内容がちゃんとわかるようになると、授業が楽しくなる。

 努力する ⇒ 実績が出る(成績が上がる) ⇒ 自信がつく ⇒ さらに努力できるようになる ⇒ さらに成績が上がる ⇒ ・・・・・ ⇒ ・・・・・

 こういう好循環過程に突入すればあとは螺旋状の階段を駆け上がることになる。塾の役割はほとんど終わっている。テクニックの伝授だけでよい。受験テクニックではありません、英語の場合はちゃんと英文が読めるまっとうなスキルを育てることです。そのまま国立大の2次試験対策になります。


< 余談-2:個別指導 >
 高2の生徒に教科書の読解指導をしているときに教室にいたのは5人。中2一人、中3一人、高2が二人、高3が一人である。
 中2の生徒が連立方程式の問題をやっていた。中3の生徒は英語のワーク(教科書準拠問題集)と数学のワーク、因数分解の複雑な問題をやっていた。高2の生徒のうち一人は数Ⅱの二項定理の展開問題、もう一人がこの生徒、そして高3の生徒が数ⅠAの問題集をやっていた。質問が次々に飛んでくるから、その合間をみながら、高2の生徒に読解指導。個別指導だからこんなやり方ができる。
 一人、元気のよい中3が昨日入塾、今日が2回目、部活に熱心だが、勉強のほうのガッツもなかなか。2年先輩の帯広南商業へ進学した生徒を髣髴とさせる、昨年学年トップだったそうだ。
 さっさと3年生の問題集を済ませて、数Ⅰと'Grammar in Use' をやりたい。エンジン全開にさせたらどれくらいの速度が出るのか楽しみだ。週2回だが、やる気があり、ちゃんとやる生徒だけ2倍の4日間の出席を認めている。



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#3095 やった、数学の問題集全部解き終わった! July 30, 2015 [授業風景]

〈更新情報〉
7/30 朝6時45分追記: 「11時から6時半まで」「余談-1」「余談-2」

 根室の夏は日本一涼しい。今日の最低気温は高めで15.5度、最高気温は13時の24.6度である。
 中1の生徒の一人からこんな要求があった。
 「夏休みになったら、毎日11時にいっていい?」
 「いいよ」

 この生徒は土日に事情があって家庭学習時間がとれない。首都圏の中学生に比べたら、家庭学習時間は半分である。これは大きなハンディとなっているから、そろそろそうした障害を取り除いておかなければならない。どんなに許容しても後1年間だ。根室で学年一番をとればいいだけなら、それでもいいが、目標としているところが違う。

 私は胃袋と体力がないので、昼寝はしないといけないし、2時間半おきくらいに食事も必要だから、べったりついては教えられない。幸いなことによくできる生徒だから難しい問題にぶつかったときに質問に答えるだけでいい。実績だと7時間半の授業で5回くらいだ。必要と判断したら高校の範囲まで教える。
 (学校の夏休み期間中は生徒はだれでも3時から7時までは来ていいことにしている。7時20分からレギュラーの授業が入っているので、7時までは見てあげられる。レギュラーの授業のある日に来ると3時から9時まで6時間勉強していい。)

 その中1の生徒が、今日「中1数学シリウス」の問題を全問やり終わった。時間の1/4くらいをやさしすぎる学校の宿題処理に充てて、数学の問題集を毎日10~12ページやり抜いた。終わったところで、ガッツポーズ。
 「先生、おわったよ!」
  「なかなかいい追い込みだった、よくやった」
 区切りのよいところで、この生徒は明日から4日間お休み。シリウスシリーズはそれほど難しい問題が載っていない、北海道の塾用教材である。自分の実力が有名私立高校受験でどれくらいのものか、受験用の「難問題集」を一冊やらせて認識させておく。1学年たったの60人では全国レベルを考えると競争はないも同然。
 根室市内に限定しても、10年前なら(学年生徒数90人で)5番以内に入るのも危ぶまれるのが現在の学年トップの生徒たちの実力だ。各中学校は学力テストと定期テストの学年トップ5の五科目合計点数を過去10年分、廊下に張って知らしめたらいい

(ついでにデータを書きとめておくと、私の母校の花咲小学校は当時1学年6クラス360人(全校生と1700人)だったが、昨年の新入生は39人、今年は32人、どちらも2クラス編成になっているから、クラスのサイズは1/3以下、学年生徒数は1割に激減、競争もへったくれもあったものではない。市内の小学校と中学校はさっさと2校に統廃合すべきだ。通学は無料のマイクロバスで送迎してやればいい。費用は道に負担させよう。統廃合は教員削減による人件費負担軽減で、道庁にメリットが大きいから、送迎バスを運行させることぐらい呑むだろう。)

 ニムオロ塾は個別指導だから、生徒の学習速度と進学先に合わせたスケジュールをひいて指導している。
 この生徒の数学の学習スケジュールは、来年3月までに中2の問題集をやり終え、中学を卒業するまでに、数Ⅱをやり終えることにしている。今のペースだと数Bを中3で終えるのは無理があるが、土日に勉強できる体制になれば手が届く。高校1年のときに数Bと数Ⅲをやり終え、あとの2年間は難問集にチャレンジ。2年前になるが、もっと速度の大きい生徒がいた。1年生の3学期には3年生の数学をやっていた。二年になる直前に、転校して行った。こういう生徒たちを同じ学年で競わせてみたい。1学年最低100人の規模を確保しなければ、なかなか成績上位層を競わせることがむずかしい。
 英語は高校1年からジャパンタイムズ記事を教材に使う。科学・医学・経済・健康などの分野の記事をピックアップして精読トレーニングをさせる。大学レベルの授業を予定している。

 問題は国語で、読書があまり好きではない。私の分類法*によれば、nonA∩B∩nonCタイプの生徒である。日本語の文章を読んでもイメージがわかないが、論理的な文章は読める、しかし複雑な概念相互の関係に関するイメージ化能力はまだない。
 英文の読解力の基礎は母国語であり、日本語のかなり難易度の高い本が読めない者に、同様なレベルの英文も読めるわけがない。
 岩波新書や中公新書が専門書の入門書として最適だから、哲学・言語学・医学・健康・経済学・政治学・思想・歴史学などの分野から、10冊程度ピックアップして音読トレーニングに付き合ってあげようかと考えている。いまやっている音読テクストは斉藤隆著『読書力』である。書きなぐったと思われる文章で勢いはあるが、かなり校正が甘い、しかし内容はしっかりしている。それが終われば藤原雅彦『国家の品格』、そして林望『すらすら読める風姿花伝』を予定している。ここまでは他の塾生も一緒だ、速度が違うだけ。そこから先は30冊くらいのリストと本棚にあるものは現物を手にとって生徒自身に選ばせたい。
 嫌々やっても効果はないから、本人にその気がなければやるつもりはない。中学生になっても自覚が生まれず、やらなければならないことに好き嫌いを言い出すようでは見込みはない、我慢する力を鍛えよう。

 この生徒は他の数人の塾卒業生たちとともに、自分の仕事を通じてふるさと根室をある分野でしっかり支えてくれる。団塊世代のebisuは、ふるさとに希望の芽をいくつか残しておきたい。そのために2002年の12月にふるさとに戻って塾を開いた。世のため人のためという希望は意外とかなうもの。将来どこに住んでもいいのだよ、高校を卒業すると同時に根室から出て行った人も、住みついたところで一人ひとりが仕事を通じてその地域と日本を支えたらいい。

(HNふくろうさんが、似た生徒がいるとコメント欄に書き込んでくれている、励みになるでしょう、生徒に伝えます。感謝)

 
*〈余談-1〉
 私の分類法を説明しておく。該当箇所を抜粋しておくので、4つの「イメージの力」の記事を参照してもらいたい。
-----------------------------------------------
 言葉からイメージを創れるタイプをA型、創れないタイプをnon-A型、数直線や図形を頭の中に想い浮かべて処理することができるタイプをB型、それができないタイプをnon-B型と分類したい。
 もう一つ特別なタイプがある。文章を読みながら諸概念を構造物のようにイメージできる能力がそれである。言葉と言葉、異なる専門用語同士の関係を立体構造物を眺めるようにイメージできる能力をもつ者は稀だ。この能力をもつ者は、もたない者としばしば会話が成立たない。なぜか?同じイメージを共有できないからである。

 A型 ⇔ non-A型
 B型 ⇔ non-B型
 C型 ⇔ non-C型

 3組で各組2つだから、全部の組み合わせは2^3=8である。学力の点から言うと、
 non-A & non-B & nonC ⇒ 最弱
 A & B & C ⇒ 最強
-----------------------------------------------

 *#2593 イメージの力(1):ピアニスト&作曲家加古隆の原風景 Feb.14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-14

 #2595 イメージの力(2): 6タイプに分類 Feb.16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-16

 #2597 イメージの力(3):Aとnon-A型について  Feb. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-16-2

 #2734 イメージの力(4):言葉のイメージ化トレーニング July 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-16


*#3041 コミュニケーション能力とは何か?(1) May 10, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-05-10

 #3042 コミュニケーション能力とは何か(2) :<事例-2>  May 12, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-05-11


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<余談-2>
 ポイントの配分割合を変えたので、日本ブログ村の「根室情報」セグメントの順位が3位に下がっています。その代わりに、「日本経済」で6位をキープしています。
 1月に経済学の論文を書いてアップしていますが、この数日、追加記入やらカットやら校正やらと手を入れてます。
 マルクス『資本論』の公理公準を書き換え、日本の伝統的な仕事観に基づいた21世紀の経済学の全容を明らかにしています、興味のある方はご覧ください。カテゴリー「資本論と21世紀の経済学」をクリックすれば出てきます。これからも折に触れて関連記事を付け足していきます。

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*#2935 『資本論』と経済学(1):「目次」 Jan. 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-25

 #2947 『資本論』と経済学(11) : 「労働観と仕事観:過去⇒現在⇒未来」 Jan. 29, 2015     
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-4

  #2948 『資本論』と経済学(12) : 「公理書き換えによる21世紀の経済学の創造」 Jan. 29, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-30

 #2950 『資本論』と経済学(13) : 「経済学体系構成原理は四つ」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-1

 #2951 『資本論』と経済学(14) : 「第1の公理を巡って:マルクスの労働観と日本人の仕事観」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-2

 #2952 『資本論』と経済学(15) : 「対極にあるもの:ヨーロッパ労働観⇔と日本の仕事観」 Feb.1, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-3

 #2953 『資本論』と経済学(16):「日本人の仕事観:仕事は楽しい!」 Feb.1, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-01


#3073 高校生の哲学への関心度 July 5, 2015 [授業風景]

<更新情報>
7/6 朝10時追記 英語の長文読解力の基礎は岩波新書レベルの本の読書量にあり。
7/6 17時追記 脳を使いすぎると筋肉の「炎症」と類似の症状を起こす。若いうちに負荷をかけなかった脳に30歳を過ぎて郷土の負荷をかけるのは危険な場合もある。脳が疲れて心が折れるのである。脳とこころはつながっている。

 土曜日の高校生の授業は学校再準備作業で全員が登校しているから、休むものが多かった。夕方、明治公園で仮装ダンスの練習をしたクラスも少なくなかったようだ。
 生徒は学校の進学講習で使っている英語の問題集をやっていた。最初は文法語法問題、それを終わると長文(?)問題。たったの1ページほどの分量でも「長文」というのだから苦笑い。たくさん読まないと読めるようにはならない。百題くらいピッくアップして辞書を引いて精読し、クリアファイルに保管して何度もやってみたら、長文の出題パターンに慣れる。週にたったの1題解いても2年間で百題になる。これを繰り返せば十分だ。
 「長文」を読むのが辛くなったようなので15分ほど休憩を入れた。3時間ぶっとうしはきついのだろう。
 全力でのめりこむと時間なんて矢のように飛んでいく。脳のエンジンがフルパワーになるとそういう快い「瞬間」が訪れる。周りの音と時間の感覚が消失してしまう。βエンドルフィンが大量に脳から分泌されるのだろう。繰り返すことで、そういう状態を自分の意志で創り出せるようになる。むずかしい問題に集中しているとき、難解な専門書を読んでいるとき、なにか難解な問題を考え続けているときに、プログラミングをやっているときにそうした状態になる。だから、高校生の時期には、自分の現在のレベルを超えるものにチャレンジすべきだ。そうした過程を通して脳の働き方が変わる。脳は質量を持った物理量ではあるが、大事なのはその「働き」である。よい脳は自分で創れるということ、いや自分にしか創れない。難解な問題を考え続けることが脳を鍛える。将棋の7冠王の羽生善治さんは江戸時代の詰め将棋の百題難問集を一月かけて全問を自力で解いたという。大数学者の岡潔も旧制中学の時代に数学の難問題集を解いている。易しい問題ばかりやっていたのでは、脳は鍛えられない。そういう意味では脳は筋肉に似ている。鍛えれば鍛えるほど発達するのである。
(若いうちなら負荷をうんとかけても、脳が柔軟だから受け止められるが、30歳を過ぎる辺りから厳しいかもしれない。使いすぎて「炎症」を起こしたり、筋肉の「断裂」のような現象を起こすことがある。情緒不安定になったり、躁鬱病を発症することがあるようだ。脳が疲れて心が折れた状態だから、そういう時は自然に触れて、脳を休ませなければならない。脳とこころはつながっている。)
 会話文を除いて、センター長文で出てくる文は書き言葉ではあるが、ネイティブの中学生程度のものが大半。高校生の読み物にしては内容は幼いレベルだろう。2次試験は大学の専門課程で読むような本から採録している場合が散見されるので、一般的には内容のレベルが上がる。そのときに重要になるのが、中・高校生の内にそうした専門書または入門書程度の読書をどれだけこなしたか量が問われる。新潮社の百冊は文学だから、まったく不十分で、岩波新書レベルの本は最低50冊は読んでおきたい。そういうレベルの読書経験が内容の濃い長文を読む際に読解力の基礎となっている。
 フランスの高校生は哲学が必修科目であるから、難解な文を読まざるをえない。科学の普遍的な方法を扱ったデカルト『方法序説』は哲学書でありながら国語の教科書に収載されているという。デカルトは「デカルト平面」の考案者であり、数学者でもある。理系だ文系だなどという仕分けをしてしまったら何が起きるのか?『方法序説』は哲学書だから国語のテクストとしては扱えない。デカルトはデカルト平面の考案者で数学者だから、国語の教科書には採録できないなんて馬鹿な話がまかり通ることになる。論理的に文章を読むためには実に重要な示唆が「科学の四つの規則」に含まれているのに、もったいない。ユークリッド『原論』も冒頭部分の解説を国語で扱ったら論理的思考に実に役に立つ。文系・理系の区別が、そうした異分野クロスオーバを阻んでしまう。
 フランスでは成績の良い生徒は哲学という教科を通して文章読解力が鍛えられると説明したら、「哲学の本がありますか」と訊くので、数冊本棚から引っ張り出した。
 ヘーゲル『精神現象学』、デカルト『方法序説』、ヘーゲル哲学の解説書数冊を隣の机の上に積み上げた。生徒は何冊かめくって、パス。ちょっとむずかしいものを出しすぎたようだ。岩波講座哲学は18冊あるが、わたしだって高校生の時にこのシリーズは読んでいない、なにしろこの本の第1巻が発売されたのが1967年11月で、ebisuが根室高校を卒業した半年以上後のことだった。もちろん、新宿紀伊国屋書店で発売と同時に購入した。『精神現象学』を買ったのはさらに数年後のこと。
(解説書のイポリット『ヘーゲル精神現象学の生成と構造』は学部のゼミの指導教授であった市倉先生の翻訳である。朝まで翻訳をしていて、午後の授業で眠そうなことが何度かあった。眠そうですねと訊くと、「イポリットの翻訳をしていたら空が明るくなっていた」なんてことをおっしゃった。)
 今日になって、ずっと軽い哲学入門書があったことに気がついた。「世界で一番やさしい哲学の本」と銘打ったヨースタイン・ゴルデル著『ソフィーの世界』である。これは中学生にも読める哲学の入門書だ。実際に塾生で一人だけ読んだ生徒がいる(現在高校三年生)、今週見せてあげよう。

 哲学は歯が立たぬと思ったか、そりが合わぬと思ったか、生徒は「先生、心理学の本ある?」と訊いてきたので、フロイト『著作集1』を引っ張り出して見せた。これは食いつきがよさそうだった、内容は精神分析の入門書である。顕在意識と潜在意識を分析したもので、夢と神経症の分析が行われている。心理学の古典的名著であり、フロイトによって心理学は精神科学としての自己の領域を確立したといっていいのだろう。フロイトの異端の弟子のW.ライヒの著作が数冊ある。性的エネルギーであるリビドーの抑圧が神経症を生み出す過程が分析されている。社会心理学としてはライヒに『ファシズムの大衆心理』(上・下2巻)があるが、これも本棚に並んでいる。ライヒのこの著作を挙げてエーリッヒ・フロムがかすんで見えるという人もいる。しかし、ライヒの真骨頂はオルゴンエネルギー研究にある。
 「面白そうならフロイト、もっていって家で読んでいいよ」と伝えると、リックサックに入れてもって帰った。
 他に、臨床心理士の「聞く技術」の解説書が数冊ある、ハウツーもので読みやすいので見せたらどういう反応を示すだろう。

 生徒たちが、いつ、何に興味をもつか先生にも生徒自身にも予測がつかない。何気ない話を糸口に、突然哲学や心理学に興味を抱いたり、物理学や数学が面白いと思ったり、古典文学に関心をもったり、コンピュータサイエンスにのめりこんだりする。
 書斎にさまざまな分野の専門書があるというのは、そうした生徒たちにとっては「触発」の機会が増えていい。なにより、そうした生徒たちの興味の広がりを目撃するわたしが楽しい。
 12年前にはじめたこの小さな私塾はようやく思い描いた形に近づいており、ふるさとに存在するだけでも意味があると自負している。体力の限界に突き当たるまではなかなかやめられない。


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フロイト著作集 (1)

フロイト著作集 (1)

  • 作者: フロイト
  • 出版社/メーカー: 人文書院
  • 発売日: 1971/01
  • メディア: 単行本
ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙

ソフィーの世界―哲学者からの不思議な手紙

  • 作者: ヨースタイン ゴルデル
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 1995/06
  • メディア: 単行本
精神の現象学 上 (ヘーゲル全集 4)

精神の現象学 上 (ヘーゲル全集 4)

  • 作者: ヘーゲル
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1971/01
  • メディア: 単行本
ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈上巻〉

ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈上巻〉

  • 作者: イポリット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1972/10/30
  • メディア: 単行本
ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈下巻〉

ヘーゲル精神現象学の生成と構造〈下巻〉

  • 作者: イポリット
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1973/05/30
  • メディア: 単行本

 わたしがもっているのは1967年版の「岩波哲学講座」18巻である。第一巻は「哲学の課題」というタイトルになっている。岩波書店は1987年に哲学講座新版を出しているので、そちらを紹介する。(旧版は入手困難のため)

新・岩波講座 哲学〈1〉いま哲学とは

新・岩波講座 哲学〈1〉いま哲学とは

  • 作者: 大森 荘蔵
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1987/11
  • メディア: 単行本
新・岩波講座 哲学〈2〉経験・言語・認識

新・岩波講座 哲学〈2〉経験・言語・認識

  • 作者: 大森 荘蔵
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1987/12
  • メディア: ハードカバー
新・岩波講座 哲学〈3〉記号・論理・メタファー

新・岩波講座 哲学〈3〉記号・論理・メタファー

  • 作者: 大森 荘蔵
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1986/05/09
  • メディア: 単行本
新・岩波講座 哲学〈4〉世界と意味

新・岩波講座 哲学〈4〉世界と意味

  • 作者: 大森 荘蔵
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1985/10
  • メディア: ハードカバー

 日本人の書いた哲学書を2冊紹介する。和辻哲郎訳の懐奘の書いた『正法眼蔵随聞記』はebisuにも理解できるが、道元の著作は何度読んでも分からない。読んだだけではわからない種類の本で、修行が必要だ。リストに上げた本はすべて本棚にあるから、塾生が手にとって読むことができる。仏教は本来は宗教ではなく、哲学というのが正しいように思える。生・老・病・死からの魂の救済にもなるから宗教であると受け止められたのだろう。
 豆粒よりも米粒よりももっともっと小さい小さい粒の知性の持ち主のebisuが思うに、お釈迦様は人類史上最高の知性の持ち主である。初期仏教経典群を読むと無限に透明な知性の光が感じられる。お釈迦様の智慧の働きには限度がない。スッタニパータ(『ブッダの言葉・スッタニパータ』岩波文庫 中村元訳)やダンマパダや阿含経典などの初期仏教経典群を読むと良く分かる。それらも、本棚に並んでいる。


正法眼蔵随聞記 (岩波文庫)

正法眼蔵随聞記 (岩波文庫)

  • 作者: 和辻 哲郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1982/02
  • メディア: 文庫
正法眼蔵〈1〉 (岩波文庫)

正法眼蔵〈1〉 (岩波文庫)

  • 作者: 道元
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1990/01/16
  • メディア: 文庫
正法眼蔵〈2〉 (岩波文庫)

正法眼蔵〈2〉 (岩波文庫)

  • 作者: 道元
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1990/12/17
  • メディア: 文庫
正法眼蔵〈3〉 (岩波文庫)

正法眼蔵〈3〉 (岩波文庫)

  • 作者: 道元
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1991/07/16
  • メディア: 文庫
正法眼蔵〈4〉 (岩波文庫)

正法眼蔵〈4〉 (岩波文庫)

  • 作者: 道元
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1993/04/16
  • メディア: 文庫
すらすら読める 正法眼蔵

すらすら読める 正法眼蔵

  • 作者: ひろ さちや
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/07/18
  • メディア: 単行本
正法眼蔵〈1〉

正法眼蔵〈1〉

  • 作者: 道元
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 単行本
正法眼蔵〈2〉

正法眼蔵〈2〉

  • 作者: 道元
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1996/07
  • メディア: 単行本
正法眼蔵〈3〉

正法眼蔵〈3〉

  • 作者: 道元
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: 単行本
正法眼蔵〈4〉

正法眼蔵〈4〉

  • 作者: 道元
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1996/10
  • メディア: 単行本
ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1958/01
  • メディア: 文庫
ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)

ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/01/16
  • メディア: 文庫
原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話

原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話

  • 作者: アルボムッレ スマナサーラ
  • 出版社/メーカー: 佼成出版社
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 新書

 わたしの書棚には阿含経典初版の単行本が全冊(6冊)揃って並んでいる。これは手に入りにくいので同じものが文庫になって発売されているので、そちらを紹介する。
阿含経典〈3〉中量の経典群/長量の経典群/大いなる死/五百人の結集 (ちくま学芸文庫)

阿含経典〈3〉中量の経典群/長量の経典群/大いなる死/五百人の結集 (ちくま学芸文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2012/10
  • メディア: 文庫

#3063 緯度・経度・時差の問題 :さて、どう教えようか? Jun. 19, 2015 [授業風景]

 ブログ「情熱空間」のコメント欄に緯度の教え方について載っていたので、私もコメントした。
 市街化地域の中学校は18日が期末テスト(or 前期中間テスト)。1日で終わるところと、2日やるところがある。
 補習時間にテスト勉強しに来た生徒の質問を捌いていたら、時差の問題の質問があった。以下はそのコメントを元に書き直したものである。

*ブログ「情熱空間」:「やっとスタートラインに立ったか?」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7999166.html#comments

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 中学生は明後日(18日)から期末テスト。
 中2の生徒が、時差の問題をやっていた。質問が出たので、緯線と経線、緯度と経度をきちんと理解しているかどうかをチェックしてみる。

 小学校高学年で本を読まない子は、国語辞典も引かないし、ましてや漢和辞典など引くはずもない。経緯と書いて「けいい」「いきさつ」と読むことも教えておきたい。ものごとの経過やこれまでのなりゆきを現す言葉だ。白川静『字統』で「緯」を引くと、もともとは城郭の上下を左右に巡る形」とある。
 熟語は基本漢字でできているものがほとんどだから、2000字ほどの基本漢字を漢和辞典で引いた子どもは、本を読むのに苦労しない。組み合わされている漢字を見ただけでおおよその意味が了解できる。どの分野の専門用語も基本漢字でできているところが日本語の優れている点である。基本漢字を理解していれば、どんな分野の本でも読めるのである。英語はそれぞれの専門分野の専門用語を1000~2000語程度は知っていなければ専門書を読むことができない。ラテン語やギリシア語の接頭辞・語幹・接尾辞で専門用語ができているからだ。

 ところで時差の問題は、緯度と経度の区別がつかないと位置が定まらないから計算できない。経度には東経と西経の区別があり、緯度に北緯と南緯の区別がある。ロンドン(グリニッジ天文台)を基点に、東側と西側それぞれ180度に経線が引かれている。日本でつくられたメルカトル図法の世界地図は日本が中心なので、時差の説明の時には、英語表記の世界地図を使うことにしている。黒板にマグネットでとめてグリニッジがロンドンにあることを確認する。この地図だとロンドンが世界地図の真ん中に来ているので、時差の説明がしやすい。地図を見ながら、頭の中に世界地図を描く訓練、イメージ造形トレーニングは女生徒は苦手で、男子は得意な者が多い。脳の大きさ(男女差がある)が関係しているのだろう。だから、女の生徒と男の生徒には空間イメージに関連する事項は説明の仕方をそれぞれ工夫しないといけない。

 最近は児童書以降は本を読まない生徒が増えており、日本語の基本語彙を知らない生徒が多いので、緯線の緯は「よこいと」、経線の経は「たていと」の意味とこのあたりから説明しないといけない。
 地球儀だと縦糸は赤道付近では平行線だが、北極と南極で交わる。球を平面図で表現すること自体に無理があり、メルカトル図法の地図では経線は平行線となっているが、地球儀では平行線が北極と南極の二点で交わるという不思議な現象に気がついてくれたら楽しい。
 平行線が交わらないというのは平面幾何学の話で、球面幾何学では平面幾何学の平行線公準が覆るのである。ヒルベルト『幾何学基礎論』で非ユークリッド幾何学では平行線公準が成り立たないことに言及している。興味があればリーマン『幾何学の基礎をなす仮説について』も読んでみたらよい。後者はわたしにはさっぱり分からなかった。

 英語表記の世界地図には経線が15度単位で引かれているから、時差を考えるときにはカウントがしやすい。地球を北極上空から眺めると、赤道で円が描かれている。「360度÷24時間=15度/時間」となり、15度で1時間時差が生じることがわかる。地理にも数学が役に立つ。
 たとえば、「ロンドンと日本の時差は何時間か?」という問題にはこの世界地図を見ながら経線の数を数えるだけでいい。9本目にロンドンがあるから時差は9時間。
 ニューヨークは西経75度だが、経線の本数は14本目にあるから、時差は14時間。それを確認してから、計算に入る。東京とロンドンが135度あり、ロンドンとニューヨークが75度あるので、東京-ニューヨークは「135+75=210度」離れている。「210度÷15度/時間=14時間」、単位も計算に入っていることを理解させたい。
 「度÷(度/時間)=度×(時間/度)=時間」
 
 それに、地球の中心から赤道を零度として半球上に角度を取れば、横糸の緯度が360度ぐるりと円を描くことになると説明すれば、空間イメージを頭の中に描くことのできる男子生徒のごく一部が理解できる。

 日本語の分からない生徒に、緯度や経度を教えるのも、時差を教えるのも、きちんとやろうとしたらなかなかたいへん。
 学校の先生も苦労しているのだろう、日本語の分からない生徒が増えているからね。漢和辞典くらいは小学校高学年で引く癖をつけよう。学校と家庭で協力してこういう課題に取り組まないといけない。もっとも、本を読まなければ知らない漢字に出会うこともないから、辞書を引くはずがないね。
(社会人になったときに困るよ、上司の話が理解できない、仕事で必要な本が読めなかったら、きちんとした社員の仕事は任せることができないから一生アルバイトになりかねない。学力の低い者が増えれば地域経済はがたがたになる。)

 地球儀をイメージして、北極-ロンドン-南極を通る面で割った円を描くと、地球の中心から0度が赤道で、日本の明石市が北緯35度のところにあることが分かる。根室の落石岬は北緯40度付近にあるから、地図帳を広げてみたらいい。
 北極上空から見ると、平面の円に見える地球は同心円状に緯度の円が並んでいる。北極を中心にロンドンを通る経線を0度とすると、左(東)側135度に兵庫県明石市があり、落石岬はぴったり145度。180度は太平洋上にあることが分かる。日付変更線は180度付近にジグザグに引かれており、「極東」の日本付近からはじまっている。なぜ日付変更線がジグザグに引かれているのかもチェックポイントの一つだ。東の端っこにある日本は、世界時間で見ると一番早く夜が明けることがわかる。
 日本が夜明けの5時には、東経75度のインドのデリーはまだ真夜中の1時、8~9時間の時差のあるヨーロッパ諸国は午後9時か10時である。西経75度のニューヨークは14時間の時差で午後3時。

 ここまでしっかり理解しておけば、時差の基点を東京からロンドンやニューヨークに移してもプラスにするかマイナスにするかは簡単に判断がつくだろう。


 本を何冊か紹介しておきたい。
 『百万人の数学』(上下2巻・筑摩書房)はたいへん楽しい本だ。地球や天体を数学的に眺めたらどうなるのか。円周率は?などいろんな疑問に答えてくれる本だ。中学数学がわかれば上巻のほうは読めるが、下巻は高校数学が前提だ、中高生はトライしてみたらどうだろう。紹介する本は全部ニムオロ塾の本棚にあるから、塾生は手にとって見たらいい。
 ハイキングが趣味だったから、関東周辺の地形図が数十枚ある。


百万人の数学〈上〉 (1969年) (筑摩叢書)

百万人の数学〈上〉 (1969年) (筑摩叢書)

  • 作者: L.ホグベン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1969
  • メディア: 単行本
百万人の数学〈下〉 (1971年) (筑摩叢書)

百万人の数学〈下〉 (1971年) (筑摩叢書)

  • 作者: L.ホグベン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1971
  • メディア: -

 学の体系としてのマルクス『資本論』を研究するために必要があり読んだ本である。学の体系としては数学が唯一2400年前に成功している。
 わたしがもっているのは1977年版のもの、当時の定価8500円。

ユークリッド原論 追補版

ユークリッド原論 追補版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 共立出版
  • 発売日: 2011/05/25
  • メディア: 単行本

 ユークリッド幾何学の公理・公準の特殊性は非ユークリッド幾何学の公理・公準と対比して明確になる。学の方法論としてはユークリッド幾何学が普遍的なものだが、公理・公準は対象が何かで変わるもの、この点が経済学研究にとっても重要なファクターとなる。マルクス『資本論』に対していかなる経済学を対置するのかがわたしの経済学研究のライフテーマ。それはすでにカテゴリー「資本論と21世紀の経済学」にシリーズ論文としての体裁で、四百字詰め原稿用紙300枚分をアップしてある。ピケティの『21世紀の資本』は分配論で現状の資本主義の矛盾を緩和するだけのもの。古典派経済学以来の経済学体系を根本から問い直したものではない。ヒルベルトの『幾何学基礎論』は経済学研究にとって、読むべき重要な文献。

幾何学基礎論 (1969年)

幾何学基礎論 (1969年)

  • 作者: ヒルベルト
  • 出版社/メーカー: 清水弘文堂書房
  • 発売日: 1969
  • メディア: -

 絶版になっているので、筑摩学芸文庫のほうを紹介する。
幾何学基礎論 (ちくま学芸文庫)

幾何学基礎論 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: D. ヒルベルト
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 文庫
幾何学の基礎をなす仮説について (1970年)

幾何学の基礎をなす仮説について (1970年)

  • 作者: リーマン
  • 出版社/メーカー: 清水弘文堂書房
  • 発売日: 1970
  • メディア: -
幾何学の基礎をなす仮説について (ちくま学芸文庫)

幾何学の基礎をなす仮説について (ちくま学芸文庫)

  • 作者: ベルンハルト リーマン
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/11/06
  • メディア: 文庫



 地図は楽しい。日本地図センターから地形図の取り寄せ方法。5万分の一や2.5万分の一の地形図には番号が振られている。地形図の読み方は山登りやハイキングをする人たちは必ず身につけておきたい技だ。慣れてくると地形図の各地点から景色を眺めたときの三次元イメージを頭に思い浮かべることができるようになる。
 世界各国には用途にあわせてさまざまな種類の楽しい地図や美しい地図がある。海外の製薬メーカで美しい地図をつかったカレンダーを出しているところがあった。一時もっていたが、それらは棄ててしまった。

地図を歩く手帳 (1980年)

地図を歩く手帳 (1980年)

  • 作者: 伊藤 幸司
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 1980/08
  • メディア: -
地図から旅へ (講談社文庫)

地図から旅へ (講談社文庫)

  • 作者: 堀 淳一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1985/05
  • メディア: 文庫
地図-「遊び」からの発想 (講談社現代新書 (671))

地図-「遊び」からの発想 (講談社現代新書 (671))

  • 作者: 堀 淳一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1982/10
  • メディア: 新書

 山登りやハイキングを趣味にしたい人は、ぜひ読んで欲しい。

入門講座 2万5000分の1地図の読み方 (Be‐pal books)

入門講座 2万5000分の1地図の読み方 (Be‐pal books)

  • 作者: 平塚 晶人
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 単行本

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#2949 吹雪のため休塾にします Jan.31, 2015 [授業風景]

 予報どおりに午前中から吹雪いているので、ニムオロ塾は休塾にします。月曜日まで吹雪が続くと天気予報ですが、月曜日は様子を見て決めます。


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#2930 高3受験ですごいパワー :2週間で数ⅠAの問題集を2冊 やりきる Jan. 10, 2015 [授業風景]

 普段はのんびりしていた高3の生徒が、冬休みが始まって、暮れの1週間と正月の1週間で、センター試験用の数ⅠA問題集を2冊やりきった。一日12~14時間ほど勉強したのではないか。
 根高で進学講習のあった3日間だけは4時間、あとは毎日5時間、塾で問題集をやっていた。個別授業だから、他のレギュラーの生徒の質問に答えている合間に、生徒が学校で使っているセンターレベルの問題集から投げてくる質問を捌く。ときに基本に戻ったり、確率や場合の数は計算式の意味がわからないところは具体例を例示したりと、忙しかったが、教えるほうも充実感があって楽しかった。生徒の気迫にシンクロしたのだろう。
 3回に2回はセンター形式の問題文の終わりのほうにある問題だから、順を追って行かないと手がかりが見えない。式や条件を黒板に書き写しながら図を描き、その間に解き方の方向を探っておく。書き終わると同時に解説スタートだ。正解が出ても生徒が納得できなければ、説明の方向を変えることになる。具体例で納得がいくまで手を変え品を変えて解説する。
 問題文から変数の範囲に関する条件析出にてこずった問題もいくつかあった。解答は簡素に書かれているので、書かれている条件がどういういきさつで出てくるのかを説明する必要がある。昨日やった問題には、数Ⅲの関数の極限の知識があったほうが条件の一つを適切に析出できるようなものがあったから、普段から範囲を限定しないで勉強しておいたほうがいい。数Ⅰでも難問になると数Ⅲの知識があったほうがずっと有利になってしまう問題がある。

 半年間でいいからこれくらいのペースで勉強したら、ランクが二つくらい上の学校だっただろうから、本来の馬力を引き出せなかったのが残念だ。たったの2週間ではあるが、それでもその間にセンター試験レベルの問題集を2冊やりきった。将来何か困難に遭遇したときに、この2週間のがんばりを思い出してもらいたい、たいていの困難は乗り切れる。
 17日がセンター試験だから、このまま突っ走って見事合格してほしい。



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#2889 遊びながら書くトレーニング:小説仕立て  Nov. 29,2014 [授業風景]

 根室の子どもたちの基礎学力がこの8年間ほど低下し続けていることを実際の学力テストデータの平均点と得点分布を例に挙げながら何度も何度も弊ブログでとりあげた。学力上位層が1/3以下になり低学力層が膨張している。
 機会をとらえて「読み書きそろばん(計算)」の読みと書きのスキルを上げるいろいろな試みをすべきだろう。

 根室市内の中学生は昨日2学期の期末テストが終わった。休み時間になって生徒がホワイトボードに絵を描いてもいいかと聞くので許可したら、真っ赤な林檎をかじる直前の若い女性の姿を描きあげた。柔らかい線のなかなかいい表情の絵である。
 消すのがもったいないくらいの絵のできばえに見とれているうちに中3の生徒が来たので、200字詰め原稿用紙を渡して、次のように伝えた。
「この絵を見て浮かんだイメージでストーリを200字にまとめよ」

 漫画の本をよく読む生徒が喜んで書き始めた。『テラフォーマーズ』や『東京グール』が好きな生徒で、小説はほとんど読まない。奇想天外なストーリを書き始めてとまらない。4枚書いた。漫画の本も奇想天外なドラマを書くのに肥やしになっていたらしい。
 もう一人はミステリー仕立てだった。恋人を自殺に追い込んだ男に復讐するストーリだった。復讐を果たした後でどんでん返しが書かれる。そんなことを恋人が望んだはずはないと気がつき、無益なことをしたと後悔しながら大好きな林檎を食べ終わって自殺してしまう。

 絵を描いた本人は、時空が変異して異世界へ若い女性が運ばれる、天地創造の話しをそれが始まる前から400字で描いた発想がいい。ストーリの最後のところでイブがいま真っ赤な林檎を食べようとしているシーンだと気づかされる・・・、なかなかやるなと感じた。この生徒がもの書きになったらどのような小説を書くのだろう。

 それぞれがなかなか秀逸なストーリを書いた。この粗筋を肉付けをするために細かい部分を書き足せば400字詰め原稿用紙50枚くらいは書けそうだ。ミステリ仕立ての生徒は恋人を自殺に追い込んだ男の勤務する会社へ入社して意地悪をするのだが、そのシーンをいくつか書き込むだけですぐに50枚くらいになりそうだ。
 読み書きの書くスキルを上げるにはとにかくたくさん書くことだ。400字詰め原稿用紙で50枚くらいを何度か書けば、誰がやっても文章はしっかりしたストーリをもった説得力のあるものになる。それには何かきっかけをみつけたらいい。

 塾ができるのはきっかけをつくってやることだろう。なにか書いてきたら読んであげようと思っている。

 最近、推薦入試を受けた生徒が、小論で過去問とは傾向の違う題が出されたので慌てたと言っていたが、こういう遊びを何度か経験し、400字詰め原稿用紙で50枚くらいのものを数点書いていたら予想が外れても慌てることなく、しっかりした小論が書けるだろう。
 遊びは遊び心でやるから「動力」が大きい。その大きな動力を利用して、作文能力を高めたらいいのである。
 売れる売れないは別にして、誰でも小説を数本は書けるものだ、そして創作は楽しいのである。原稿用紙に字を埋めてそれぞれの文を読みあっているときのどの顔もふだん見せないようないい顔していた。書くことは楽しい、だれでも小説は書ける、そういうことに気がついてもらいたかった。

 夏に小樽商科大へ在学している生徒からメールをもらって驚いた。メールの文章が立派なビジネス文書の趣を備えていたからである。メール本文は大企業の標準的な管理職並みのスキルの書き手という印象があった。この生徒は4年生になったばかりの4月に就職が決まった、精神的にもずいぶん大人になった。幼馴染の評によると、小さいときから「本の虫」で、とにかく暇があれば本を読んでいたそうだ。幼馴染の方は就職が決まったのかな。

(幼馴染だった彼女の希望する業種の道内企業はリサーチの結果、給料が13万程度でとても生活ができない、道外も含めて百社以上応募してみると8月に言っていたが、まだ就活戦線で戦っているのだろう。
 偏差値55以上(上位1/3)の大学の学生は別にして、それ以下の大学の学生は正規雇用で独立で生活できる職に就くのはなかなかたいへんだ。
 アベノミクスで失業率が下がったと当のご本人(安倍総理)は解散総選挙公表後にテレビ出演して自画自賛していたが、実態は建設業や介護業界で人手不足で、ミスマッチ。正規雇用の職は20万人分減り、非正規雇用の不安定な職が百万人分増えただけのこと。
 大学生でも条件のよい安定した企業に正規雇用で就職できるのは上位1/3の大学生で、それ以下の大部分は正規雇用の職に就きたくて百社以上も繰り返し応募して戦い続けている。少なくとも1/3は非正規雇用が現実である。彼ら彼女達は一時的に非正規雇用の職に就くことを余儀なくされており、正規雇用の職を求めているが、失業者数には含まれない。就職をあきらめてバイトで食いつないでいる者たちも、引きこもりでゲーム中毒になっている者たちも失業者には含まれていない。いまや失業率は実態を表していないのである。40%にも達する非正規雇用の増大こそが問題で、日本は鎖国(強い管理貿易)に舵を切り、国内に生産拠点を再構築して、若者の正規雇用を増やすべきだ。)

 根室高校普通科では教育大札幌校へ進学したN君と、模試の国語の一番を何度か争っていたが、彼女の方が歩がよかった。やはり、本を濫読してたくさん入力している生徒は大人になればしっかりしたビジネス文書が書ける。あまり読まない生徒でも書くトレーニングをすればそれなりの文書を書くことができるようになる。
 企業で働くときに文書能力は案外大きな武器になる。大きな会社ほど文書での仕事が増える。業務報告書はもちろんのこと企画書、各種協議書、稟議書など重要なことは文書に残して行われるからだ。意味不明な業務報告書や企画書を提出していたら、無能力を証明するようなものだ。
 読み書きの能力が高い生徒は学力全般が高くなる傾向があることはこの二人の例から明らかだ。
 本はたくさん読め、そして書け、書き続けろ、そうすればスキルは格段に上がっていく。


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*#2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18

 #2873 根室の中学生の学力の現状(5):C中学校1年 Nov. 19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18-1

 #2875 根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年 Nov. 20, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-20

*#2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13


 
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#2883 今週期末テスト、中3数学質問あり:先生13題解説お願いします!  Nov. 26, 2014 [授業風景]

 昨日は中3の授業だった。黙々と問題を解いていた生徒が8時40分頃に口を開いた。

「先生質問ある・・・全部で13題ある、ちょっと後5分待っていまやっているの片付けるから、そのあとで全部解説してほしい」 

 生徒は学校の教科書準拠の問題集をやっている。この生徒はいつも学年十番以内である。やっていたのは2次関数と相似な図形のところだ、授業は9時までだが、今週金曜日が期末テストだから付き合うことに覚悟を決める、9時半ぐらいを目安に解説してみよう。
 全部が文章題だ、準拠問題集を読みながら黒板に図を書かないといけないので、前の席に移動してもらって、解説していく。30秒くらいで文章を読みきってすぐに黒板に図を書き解説を始める。30秒で最後まで見通せる問題もあるが、そうでない問題は条件を入れた図を書きながら解法の糸口を見つけ戦略を組み立てる。これが結構楽しい。いくつか片付けたところで、他の2人からやはり文章題5題ほど矢継ぎ早に質問が飛んできた。それも生徒Aにヒントを与えている間や解法を書き写している間に一緒に居残り勉強を希望した生徒Bや生徒Cの質問も順次処理していく。
 9時25分までかかって2題位残した。ここまで解説したら残りの問題は自力で解けるはず。解説を聞いているうちに力が上がっていくから、全部の問題を解説する必要がなくなる。安心は必要なので、「親が迎えに来てまっている、家でやってわからなければ明日来い」と伝えて終わりにした。

 教科書準拠の問題集は市販の問題集に比べると難易度が低い。基本問題のA問題はもちろんのこと、発展問題であるはずのB問題も難易度が低い。このような問題集しかやらなかったら、道立高校はともかく、標準レベルであるはずの東京都立高入試問題ですら難問題になってしまう。さらに上の、本物の難問題が並ぶ有名私立高校レベルの難問なら、学年5番程度の生徒に理解できるような解説は40分の時間では1/4もできない、ものによっては1題か2題だ。

 根室の中学校で教えている先生たちは、東京の有名私立高校の入試問題をネットで注文して自分で解いて見たらいい。生徒に教えているのだから、全国レベルを知っておくことはもちろんのこと、本物の難問題のレベルも身をもって知っておくべきだ、そうしたら教科書準拠問題集が成績上位層の生徒の学力に見合っていないことがよくわかる。標準レベルや難易度の高いレベルをしっかり把握してふだんの授業や定期テスト問題作りを考える、それがプロというもの。

 久しぶりにフル回転で気持ちがいい、意欲的な生徒たちに感謝。


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 学校ごとの入試問題集が発売されているので、知っている有名大学附属高校の名前で検索すればamazonnで見つかるだろう。有名大学附属ではないが桐朋高校の入試問題が素晴らしかった。
頭のよい生徒を選抜したいという先生たちの願いと熱意がこもった問題が毎年並んでいた。しかしもう38年ほども前の話なので、そうした伝統が今でも受け継がれているかどうかは知らない。


ハイクラス徹底問題集:高校入試編 数学 (国立・難関私立高校制覇)

ハイクラス徹底問題集:高校入試編 数学 (国立・難関私立高校制覇)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 文 理
  • 発売日: 2013/03/18
  • メディア: 単行本

慶應義塾高等学校 26年度用―高校過去問シリーズ (9年間スーパー過去問K8)

慶應義塾高等学校 26年度用―高校過去問シリーズ (9年間スーパー過去問K8)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 声の教育社
  • 発売日: 2013/06
  • メディア: 単行本

早稲田大学高等学院―最近6年間 (18年度用) (高校別入試問題集シリーズ (A7))

早稲田大学高等学院―最近6年間 (18年度用) (高校別入試問題集シリーズ (A7))

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京学参
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 単行本

 

#2797 高校前期期末試験&道教委が高校統廃合発表 数B  Sep. 2, 2014 [授業風景]

 今日から根室高校は前期期末試験だ。
 高校2年生が4時から7時までベクトルのプリントをやっていた。明日試験というのににわかに復習だ。けっこう忘れていた。もう一人が5時過ぎに来た。明日試験だというのになかなか集中できない。スマホが気になる様子。LINEは中毒性がある。しかし、さすがに明日試験だから途中から教科書を出して例題と練習問題を次々に片付け始めた。9時少し前にテスト範囲を終了した。後半はいい集中力だった。

 これが1週間前なら、90点獲れるのに・・・あ~・・・。根室の高校生はじつにのんびりしているのである。欠点でもありいいところでもあるが、進学という一点からは肯けない。(笑)
 高校三年間だけでもきちんとやれば偏差値50前後の志望大学へ進学できる生徒が希望とは異なる42くらいの学校へ進学することになるので、根室の高校生の通例。こういう現状を変えたいとはどこの塾の先生も思っているはず。

 二人ともあと1年半で高校生活が終わり、それぞれの道を歩むことになる、なんと速く時が過ぎ去るのだろう。
 悔いのないようにふだんの勉強にもっと熱を入れよう。

<余談>
 北海道新聞夕刊に根室高校と根室西高校の統廃合記事が載っていた。道内で統廃合は根室のみ。予定は2017年度となっているから、2018年3月の入試から根室西高校の入試はなくなる。現在小学校6年生からだ。
 成績下位層だが根室高校に入学したくて勉強していた生徒が毎年数十人単位でいたようだが、全入になれば勉強しなくなる。競争がなくなるのは考えものだ。
 1校体制にするなら、合格最低点を明示することぐらいしか入学者の学力を保障する手段はない。普通科150点、商業科120点で足切りをするくらいの強引な手段を講じないと、とめどなく根室の高校生のレベルが下がるだろう。根室高校普通科は全道偏差値で42~44(百校中72~78位)の間を行ったり来たりしているが、統合後は38~40(百校中84~88位)くらいに低下するのだろう。
 7年前にB中学校でたった三人の生徒が騒ぎ始めて授業がときどき聞こえなくなっただけで、学力テストの平均点がガクンと下がった。翌年クラス替えをしたら今度は他のクラスもそうなった。学力はがた落ち、昨年までそういう状態が続いていた。
 そういうことが今度は統合後の高校で起きる。義務教育ではないのだから、やる気のない者、高校の標準的な授業についてこれる学力のない生徒は入学させる必要はないという意見もありうる。
 入りたかったら、普通科なら五科目150点、商業科なら120点をクリアできる学力をつけてから、入学試験を受けなおせばいい。学力の高いフィンランドはそういう厳しい制度で動いている。成績不良の生徒たちは自宅で1年間勉強してから再び入学試験を受ける。

 それくらいの厳しさをもたないと、ひどいことになることはB中学校の先例が示している。
 数学も英語も国語も同じ教科書が使えないほど学力差がある。どのようなレベルの教科書を使い、どういう編成で授業をやるのか、そういう具体的なことがまったく決まっていないようにみえる。
 統合後の学校の授業レベルに危惧を抱かざるを得ない。

 町に未来にとっても、地元経済にとっても甚大な影響があるのだが、どこからも具体的な意見が出てこない。のんびりしているというか、反応がないというか、これも根室だ。市長選挙でも両候補共に(低学力問題や地域医療、地元企業活性化への)具体的な政策がないので政策論争すらない。これら二つの別々に見えるものは同じコインの裏表だろう。
 「そのこころ」は、「先のことは考えていない」、行き当たりばったり。
 ケセラセラ、なるようになる。夕張市が先例、かの市の住民もわかっちゃいるけどとめられなかったので、いま塗炭の苦しみをなめている。歴史は時と場所と少しばかり装いを変えて繰り返されるもののようだから、このごろ夕張市民に親近感がもてるようになって来た、わがふるさとも似たようなことになりつつありもう他人事ではない。


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#2623 春が来た 自覚の差が人生を変える しっかり歩め  Mar. 21, 2014 [授業風景]

 転勤の季節、今日が最後の授業となった塾生がいる。2年10ヶ月よく勉強した。お迎えテストだけ学年一位を取れなかったが、そのあとは全部の定期テストと学力テストで学年一位をとり続けた。
 一番にこだわったわけではない。本人の希望に沿うように、学習戦略を策定して1.5倍の速度で勉強していたら、結果が出ただけの話だ。希望の大学へ進学するために、大学入試の時点で確実に偏差値75をクリアしていることが目標であった。
 中1だが中3の数学を40%ほどやり終えたところで時間切れとなった。高校からは札幌の公立高校へ進学すると決めて、中3終了までに数ⅠAと数ⅡBをやりきる予定で教えていた。英語は小学生の内は教えなかったので、堰を切ったかのように1年間勉強していた。中3になったら語学研修所用の中級レベルの問題集をやりさらにジャパンタイムズの記事を読むつもりとスケジュールを話してその通りに進めていた。
 転校は仕方がない、運命のようなもので人生には仕方のないことがある、めげずにしっかり歩んでほしい。


 もうじき高校新入生となる生徒たちのことも書いておきたい。
 根室高校の合格発表のあった17日に、宿題として渡された25ページほどの数学の問題集を今日やり終えた者がいる一方で、今日始めた者もいる。
 根室高校に合格したら、一生懸命に勉強すると言ってその通りにやっている者がいれば、口先だけの者もいるということ。変われる者がいるとなりに変われない者がいる。

 中学生の三年間は叱咤激励した、あと2週間で高校生だからこれからは本人の自覚に俟(ま)つしかないが、先生は俟つことができても天はもう俟ってはくれない、そろそろ時間切れだ。
 打順が回ってきてバッターボックスに立っているのだからバットを振らないとダメ、見送り三振となるのか? バットを振れなければそれ相応の苦労がこれから先の人生にまちうけている。

 小学生のときから過度なブカツで家庭学習をちっともしてこなければ、それは習慣となり、中学生になるころには性格の一部にまでなってしまう。怠惰な性格を直すことは長い時間と強い意志がなければなしえないことだ。3年と数ヶ月教えて、残念ながら変われない塾生も一人か二人でてしまったようだ。人を変えようと思うこと事態が不遜な(おごり高ぶる)ことなのかもしれない、非力を痛感する。
 自分を変えよう、変わろうと強く思えばそこからが君たちのスタートだ。強い意志をもつことができたら、人は(若いうちは)いつでも変われるものだ。
 いまはまだ変われない人に短い文を送ろう。日本語で20回、そして意味を思い浮かべながら英文のほうも20回腹から声を出し朗誦してほしい。やる気がおきるその日までこの文をそれぞれ毎日20回読み続けてほしい。君たちは若い、若い者は変われる、「今日こそ変わろう」という意志をもち続けてほしい。

 Heaven helps those who help themselves.
 (天は自ら助くる者を助く)

 問題を先送りする根室の大人たちの真似をするかのように、あいかわらず学業に打ち込めない若者たちがいる。希望は、目覚め、内面の成長を果たす者たちの中にある。30年後にどこかの企業で、あるいは生まれ育ったふるさとの町を担うにたる人材に自分を鍛え上げられるかどうかは、高校三年間の過ごし方にかかっている。

 あっという間に過ぎ去る短い季節を無駄にすごしてはならぬ。
 まず3ヶ月間、仕事(学業)に渾身の力で打ち込むこと、それができる者は次の3ヶ月も努力を継続しているだろう。そして高校三年間がじつに実りの多い季節となり、卒業後の飛躍的な成長を保障してくれるだろう。
 高校の三年間は天が用意した成長と選別の季節である、内面の成長に期待したい
 そしていまの根室の大人たちとはまったく違うタイプの大人へと成長してもらいたい。ニムオロ塾がそういう若者の役に立つことができたら、根室高校卒業後35年目にふるさとに戻って塾を開いた甲斐があろうというものだ。


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