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#3751 進研模試偏差値と得点の目安 Jun. 7, 2018 [データに基づく教育論議]

 弊ブログ#3750に進研模試偏差値に関するデータの投稿をお寄せいただいたので紹介します。
*#3750 根高前期中間テストの結果 Jun. 6, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-06-06

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進研模試の1科目の平均がおおむね30~35点、標準偏差が14~18なので、70点~80点で偏差値70前半~80前後の偏差値なので、70点~80点で成績中の上の成績だと、学年順位中位で東北大一般学部合格レベルの学力を有している高校では県浦和、都日比谷、都国立、県千葉、湘南クラスです。(湘南高校以外は進研模試を受験してません)
by KK (2018-06-07 19:04)

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 偏差値の計算式は次の通り。 
[(得点-平均点)/標準偏差]×10+50=偏差値

 仮に、全国平均点を33点、標準偏差を16と仮定して、偏差値とそれに対応する得点は次のようになります。

 偏差値80 ⇒ 得点81点 上位0.1%
 偏差値70 ⇒ 得点65点 上位2.3%
 偏差値60 ⇒ 得点49点 上位15.9%
 偏差値55 ⇒ 得点41点 上位30.9%
 偏差値50 ⇒ 得点33点 真ん中50%
 偏差値45 ⇒ 得点25点 下位30.9%
 偏差値40 ⇒ 得点17点   下位15.9%
 偏差値30 ⇒ 得点1点     下位2.3%


 正規分布を前提にすると偏差値60は上位16%です。
  偏差値と百人中の順位表は弊ブログ「#2709 偏差値と「100人(百校)中の順位」対応表 June 22, 2014」をご覧ください。
*http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-22

 おおよその目安を示しました、KKさんの標準偏差データ提供に感謝申し上げます。

 ここで計算した得点と偏差値の対応表は、全国平均点を33点、標準偏差を16点と仮定した場合のものです。毎回行われる進研模試の実際の平均点も科目ごとに標準偏差もこれとは異なりますので、その点にご留意ください。でもだいたいのところ(=目安)としては使えるでしょう。

 根室高校の昨年7月の進研模試数学の平均点は21点でした。21点はこの仮定で計算すると偏差値42.5です。昨年度1年生根室高校普通科の学力レベルが全国標準でどのあたりかを表しています。下位23%くらい,

高校が百校だと仮定すると77番目の学力の高校です。根室高校に合格できたと喜んでいる場合ではないのです。全国レベルでは学力下位層の高校なのです。生徒の学力の偏差の大きいことが特徴です。生徒の学力偏差が大きいということは、別の言葉でいうと、学力格差が大きい高校だということです。どの学力レベルに焦点を当てても、そこから外れる生徒のほうが多いので、先生たちはとっても授業がしづらいのです。だから、生徒たちの学力はますます低下します。

 釧路湖陵の数学の進研模試平均点が60点台だと関係者から2年ほど前に聞いた記憶がありますが、それが事実だとすると普通科ではなくて理数科のほうの平均点のようです。

 国立大は数学だけよくても合格できません。まんべんなくほかの科目でも得点しなければならないので合格がむずかしい。数学と理科だけ得意、英語だけ得意、国語だけ得意、社会科が得意という生徒はいますが、これら全部を偏差値70でそろえることが可能な生徒は滅多に現れません。


<余談:中学学力テストとの関連>
 中学校の5科目500点満点の学力テストで、420点付近が高校1年時の進研模試偏差値50-52付近です。400点だと偏差値50に少し届かないでしょう。だから中学1・2年で学力テストの五科目合計点が420点なら、偏差値50以上の大学合格圏内にいることになります。ところで学力テストで五科目合計点が400点以上というのは昨年のB中とC中では学年トップだけです、10年前は市街化地域の3校にそれぞれ十数人いました。根室の市街化地域の3中学校では学力上位層が枯渇化現象を起こしていますが、根室の未来にとって由々しき問題です。
 中学時代は大学入試の厳しさを知らず、学年順位が5番以内ならなんとなくそこそこの大学へ行けるだろうと思った生徒たちは、高校で全国模試を受験して、偏差値に現れた自分の学力に愕然とします。そしてしばらくは何をどうしていいかわからないまま数か月が過ぎ、木枯らしが吹くころに気を取り直して猛然と勉強を始めることになります。そうしなければ偏差値50以上の大学へは合格できないからです。スタートが遅すぎます。首都圏の子どもたちは小学4年生に受験勉強しはじめ、3割ぐらいが中高一貫校を受験しています。この差は大きい。

 偏差値50の大学でも、就職状況は厳しいものがあります。一部上場企業は偏差値60以上の大学から優先的に採用します。だから、偏差値50程度の大学生は「落穂ひろい」をせざるをえません。偏差値45以下(下位1/3)の大学生の就職状況はさらに厳しい。

 たとえば、わたしのいた臨床検査業界最大手のSRLは東証1部上場してから、1万人が応募してきます。書類選考で200人に絞り、試験と面接をして採用は20人、これを潜り抜けて社員採用されるのは、学力とコミュニケーション能力の高い人材です。競争率500倍の難関をくぐりぬけなければなりません。たいへんさがわかるでしょう。
 わたしはSRLが上場準備をしていたときの中途採用6人の中の一人ですから、上場準備作業で社内の人材では間に合わないスキルと経験があればOKでした。上場準備に必要な経理(予算編成・管理等の管理会計分野と経営管理)と原価計算と統合システム開発の専門知識と実務経験がありました。三つの複合分野を渉猟できる専門家は社員が1000人を超える会社でもいないのです。
 他にコンピュータシステムを使った売上債権管理業務も産業用エレクトロニクス輸入商社で1979年に経験がありました。オフィスコンピュータを使った売上債権管理システム導入後、消込作業が旨く行かず、データがぐちゃぐちゃになり経理課長がお手上げ状態になったので、管理部へその仕事を引き取り、女子社員に担当させ、わたしが面倒を見ることになったからです。たいへんでした。
 SRLでは上場要件を満たした売上債権管理システム導入に失敗し、開発に3年もかかりました。請求基準から納品基準へ売上計上基準の変更もあったので担当グループの手に余ったのでしょう。販売会計部長のKuさんは、稼働延期を宣言し、システム要件の見直しました。2年遅れたかな。担当していたのはN課長でした、販売会計部長は開発グループ責任者である販売会計課長の仕事の能力を見切ったのです。Kuさんは10年後くらいに専務取締役になっています。大手ペンキ会社から転職してきた方で、人望と人柄のよさがありました。SRLの部長では出色の人でした。一番大きな子会社の社長となって10年ほど経営に携わっていました。吸収合併だったので軋轢がありましたから適任でした。わたしが福島県郡山の会社に役員出向するときに的確なサジェッションをしてくれました。「1年間は仕事しながらじっとみていたらいい、いろんな人がすり寄ってくる、1年間は人物を観察させてもらえ、評価はそのあとだ」、すごいでしょ。その通りにしました。
 もうひとり、毛色の違った人物がいました。何をもっているのか見えない人でした。学術営業部長のK田さんです。SRLをやめてから、起業しました。一度目は大失敗でしたが2度目に大成功。社員数は小さな会社ですが、東証1部上場企業に成長しました。ペプチドリームの創業社長です。ベンチャー企業のトップを走っています。わたしの眼についたのは、創業社長の藤田さんと藤田さんの後に社長になった近藤さんのお二人です。このお二人は医師ですが、まったくタイプが異なります。臨床検査会社買収で藤田さんとは2回一緒に仕事しました。話の間(ま)のとり方のうまい名優です。話が途切れると圧力がグーンと上がるのがはっきりわかります。JAFCOと交渉事があって二人だけでJAFCO本社へ出かけたことがあります。(笑)
 近藤さんとも一緒に仕事してます。帝人との合弁会社経営と帝人の臨床検査子会社の買収の件で近藤さんの指示で動きました。仕事をやるときは、大事な仕事なら責任重大ですから、事前に話してフリーハンドでやらせてもらいます。たまたま本社へ別件で行ったときにエレベータの前ですれ違って、「話聞いているか?」「聞いています、要件は3点」「できるか?」「本件に関してはわたしにすべてお任せいただけますか?お任せいただければ3点、期限内(3年)を約束します」「任せた」、たったそれだけ。エレベータの前で1分程度の会話で一部上場会社との合弁会社立ち上げを引き受けました。プロジェクトが暗礁に乗り上げて、新聞発表通りに会社の立ち上げが不可能になっていました。新聞発表通りのスケジュールで立ち上げることも仕事の内でした。暗礁に乗り上げてから、メンバーの一人(W邊)が乗り切れるのはeisuさんしかいないと言ってしまったのです。わたしはSRL東京ラボに出向中で、SRLグループ全体のラボ再編のきっかけとなる数百億円をかけた大型自動化ラボ建設案の最終段階でした。全部詰めてから親会社の近藤社長に相談するつもりで、あと一月ぐらいと思っていました。SRL東京ラボ社長のM輪さんから社長室で話があると呼ばれて行くと、下を向いて「本社社長の近藤さんからの指示だから俺は断れない」と告げられました。否やはなしでした。こうして帝人とSRLの臨床治験合弁会社の役員出向が決まりました。一部上場企業との合弁会社はSRLでは初案件でしたから、日経新聞で公表していました。近藤さんが社長に就任してから、初めての合弁会社、それも帝人の臨床検査会社を買収するという計画を含んだ案件でした。わたしは、八王子ラボで検査機器の購入や開発を担当していた87年ころから英国企業が開発した染色体画像解析装置導入を担当して、その筋から帝人の臨床検査子会社と福島県の臨床検査会社が同じ装置の引き合いがあったことを知っていたので、両方の会社がおそらく赤字で黒字転換を狙って導入したのだろうと分析していました。いずれ呑み込むことになると、考えていました。数年後に福島県の会社への資本参加交渉を担当して役員出向し、そのあとまた3年後に帝人との合弁会社を担当し、帝人の臨床検査子会社を買収することになったのです。わたしには一本の線でつながっていた仕事でした。面白いものです。


<余談-2:中学校で平均点の生徒の全国レベルでの学力>
 根室の市街化地域の3中学校で五科目合計点がその学校の平均点だったとしたら、つまり真ん中の成績だとしたら、全国レベルでどれくらいの学力なのでしょう?
 大まかに言えば、根室高校普通科の平均点の生徒だと考えていい。全国レベルでは偏差値42、下位23%です。百人中77番目ということ。全国レベルでは五段階評価2の成績です。

 五段階相対評価の階層ごとの分布は次のようになっています。
5段階評定の場合、5…7%、4…24%、3…38%、2…24%、1…7%が目安
 下位31%以下が評価2です。


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#3726 日本語音読トレーニングのススメ:低下する学力に抗して Apr. 18,2018 [データに基づく教育論議]

<最終更新日時:4/18朝10時>

<序>
 春は新入生の季節である。
 ニムオロ塾は高校生が増えた、塾生の6割を占めている。なんてことはない、環境が変わったせいである。
 理由は二つ、
 ①高校が1校になり、中学生の塾通いが激減した
 ②根室には高校生対象の塾がたった二つしかない
 こうした変化は根室の中学生の著しい学力低下を招いており、都会へ流出せざるをえない子どもたちの将来を危うくし、他方で長期にわたる人材劣化を引き起こして町の未来に甚大な影響を与えることになる。
 未来は変えられる、大人たちがそれぞれの仕事の責任をまっとうすればいいだけ、いま根室の大人たちが自分に課せられた仕事に向き合わずサボタージュすれば未来は変えようがなくなる。

<「中学卒業=根室高校入学」の影響>
 根室西高校が現3年生が卒業する今年度末でなくなるのですでに募集停止入試は昨年度から根室高校1校体制へと変わった実質的に全入だから入試はないも同然。成績が悪い中学生が根室高校に入学したくて勉強から逃げずに取り組むということがなくなったから、中学生の学習塾への通塾率は3年生で2割程度だろう。1・2年生はもっと低い。その結果、低学力層の膨張と底抜け減少が起きている。
 勉強しなくても根室高校に入学できるという状況が中学生の意識を変えてしまった。根室高校への進学率団塊世代のころは4割以下数年前までは7割いま100%。根室高校への進学に努力する必要がなくなった、成績下位層が勉強しなくなってしまった。まことに嘆かわしい。
 以前のシェーマはa、現在のシェーマはbである。

 a:中学卒業 ⇒ 入試 ⇒ 根室高校or根室西高校入学
 b:中学卒業 = 根室高校入学


<普通科の生徒の学力が著しく低下しつつある>
 13年前の根室高校普通科はFランクで五科目合計点150点だと不合格だった。いま、150点を超えて入学している生徒は20-30人に過ぎない。つまり、「普通科特設コース」35人のうち、数人は13年前なら普通科不合格である。160人の定員のところ定員割れで120人ほどしかいないが、90人は標準的な普通科の教科を消化できな学力ということ。普通科の生徒の半数以上が13年前の根室西高校の生徒の学力と判断してよい。そんなに学力格差が大きいのに、根室高校の先生たちは同じ教科書で教えなければならない、できるわけのないことにチャレンジしなければならない状況が生まれている。だから、右往左往している。数学の問題集の選定にそれがあらわれている。
 進学する生徒たちは、低下した授業レベルで3年間すごしたあと、全国レベルで入試競争を勝ち抜かなければならない。だから、偏差値50前後の大学へ進学する生徒たちや競争倍率の高い専門学校へ進学する生徒たちに塾通いが増え始めた。


<学力低下は本人の貧困化と根室の地域経済の衰退を招く>
 高校を卒業して進学するときや就職するときには、学力の低下していないほかの地域の子どもたちと学力競争になるのだから、そこで負ける者が増える。学力格差から貧困化していく者が増えるのである。都会は大企業が多い、学歴と学力がなければ入社すらできない。優良中小企業も多少条件が緩和されるだけで事情は似たようなものだ。学力の低い者は3Kの職場やブラック企業を転々とすることになる。
 困ったことになるのは本人ばかりではない、学力が劣化した「人材プール」から、成績が悪い高卒でも雇用せざるを得ない地元企業が困まる
 団塊世代は、中の上の優秀な高卒がたくさん地元に残った、それでも根室の町の衰退は避けられなかった。いまでも課題は山積みだが、その山を崩せる人材がいない。
 子どもたちの学力の現状を放っておけば、30年後はどうなるのか想像に難くない、地元企業の大半が人材不足と人材劣化から消えている


<学力テストデータに現れている学力低下現象>
 先週、お迎えテストがあり、昨日全国学力テストが実施された。
 中学3年生のお迎えテストは五科目合計点で300点満点、数学の問題の難易度が低かったようで、昨年より平均点が5点も高くなっている。それでもB中学校の五科目合計平均点は95点前後、C中学校は90点前後だろう。わたしの知る限り、2校が同時に100点を割ったことはない。過去20年間で見ても最低を記録したと思わざるをえない。2校で根室の中学生の半数を占める。あとの半分も似たような状況だとしたら、低学力層の底が抜けたようなもの
 比較のために根室管内の他地域のデータを挙げておく。別海の中学校は一番最後の学力テストの五科目平均点が150点を超えたという。釧路では公立中学校14校で昨年実施された学力テストで五科目平均点が100点を割ったところはない。釧路管内と根室管内全域を見渡しても、お話にならないくらい根室の市街化地域の中学生の学力が低いのである。
 昨日実施された全国学力テストでは根室市内の平均正答率は過去最低を記録しただろう


<仕事の責任放棄:根室市教委、教育長、市議会文教厚生委、そして市長>
 四月のお迎えテストの五科目合計点が史上最低を記録するであろうことは、現3年生が2年生の時に受けた学力テストの平均点と得点分布から推計を行い、何度も警告していた。いくら言っても根室市教委はふだんの学力テストの結果データをモニターすらしない。そして具体的なデータを欠いたまったく効果のない教育政策を繰り返すのみだ。そのせいで根室の子どもたちの学力は下がりっぱなしだ。
 根室市教委は有効な教育政策を立案し実行するために、ふだんの学力テストの結果をモニターすべきだ。長谷川市長も子どもたちの学力低下に危機感をもつべきではないのか?


<仕事の責任:小さな努力の積み重ね>
 教育に携わる大人たちが、忠実に仕事の責任を果たせば、子どもたちの学力は飛躍的に上げることができる
 わたしはニムオロ塾に通う子どもたちを指導することで、自分の仕事の責任をまっとうしたい。

 今日は第3水曜日、中3年生と高1の生徒たちに、90分の日本語音読授業をする日である。授業料はとっていないから、読解力を上げて、国語や数学や社会科や理科の予習ができるようになりたい生徒は来たらいい塾生でなくてもやる気があれば3人だけ受け入れ可能だ。音読トレーニングに参加しても入塾を勧めることはありませんからご心配なく。空いている椅子の数がそれだけなので受け入れ人数に制限があるので悪しからず。第1水曜日と第三水曜日の7時20分に来てもらえばいい、9時までノンストップのハードな音読トレーニングだ。

 学校でやる場合は「同期音読トレーニング」がよい。先生が読むのにかぶせる形で音読する。先生は最初はゆっくり読み、次第に速度を上げていく、最後はまたゆっくりに戻す。これなら1クラス30人でもやれるだろう。輪読と組み合わせればうまく回る。
 日本語音読トレーニングは学力向上に大きな効果があるが、とっても手間がかかるから、根室の中学校でやっている学校はない。部活時間を削ってももやるべきだとわたしは思う。現在の中学生はほんとうに本が読めない者が多い。3割は教科書を読めないか、読んでも理解できない、それほど日本語能力が未発達の生徒が増えている。スマホが中学生に普及し始めた6年前がターニングポイントだった。
 読む速度が2倍となり、精度が向上すれば、人の半分の時間で予習が可能になる。国語も数学も社会も理科も教科書は日本語で書かれている。英語の教科書だって解説は日本語でなされている。日本語読解力、日本語語彙力が学力の土台を為していることはだれでも理解できる単純な事実だ。それはトレーニングすることで鍛えられるわたしは基本に忠実に仕事をするだけ

 四月から使っているテクストは、数学者の藤原正彦が2011年に著した『日本人の誇り』(文春新書)である。本は自分で購入してもらうことになっている。地元の本屋であるリライアブルで注文したらいい。
(矢沢永一の同名の本が青春出版社から出されているので、間違えないように。こちらの本も面白い。)

#3640 心情を表す語彙が課題 Nov. 18, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-11-17


 #3607 同期音読トレーニング Sep. 6, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-09-06

 #3509 数学のセンス(2):「同型性」と「拡張」⇒どのように考えるのか Feb. 19, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-19


〈 音読リスト〉
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< 国語力アップのための音読トレーニング >
 中2のトップクラスのある生徒の国語力を上げるために、いままで音読指導をしてきた。読んだ本のリストを書き出してみると、
○『声に出して読みたい日本語』
○『声に出して読みたい日本語②』
○『声に出して読みたい日本語③』
○『坊ちゃん』夏目漱石

○『羅生門』芥川龍之介
○『走れメロス』太宰治
○『銀河鉄道の夜』宮沢賢治
 『五重塔』幸田露伴
 『山月記』中島敦
●『読書力』斉藤隆
●『国家の品格』藤原正彦
●『すらすら読める風姿花伝・原文対訳』世阿弥著・林望現代語訳
●『日本人は何を考えてきたのか』斉藤隆

『語彙力こそが教養である』斉藤隆
●『日本人の誇り』藤原正彦

◎ 『福翁自伝』福沢諭吉

 14年間で14冊読んでいる、現在進行形が2冊で合計16冊。
 これから読むものをどうしようかいま考えている。だんだんレベルが上がってきた。哲学に踏み込むかどうかは生徒の意欲次第。

◎『善の研究』西田幾多郎
◎『古寺巡礼』和辻哲郎
『風土』和辻哲郎
 『司馬遼太郎対話選集2 日本語の本質』文春文庫
 『伊勢物語』

(○印は、ふつうの学力の小学生と中学生の一部の音読トレーニング教材として使用していた。●印の本はふつうの学力の中学生の音読トレーニング教材として授業で使用した実績がある。◎は大学生レベルのテクストである。音読トレーニング授業はボランティアで実施、ずっと強制だったが2年前から希望者のみに限定している。)
・・・
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日本人の誇り (文春新書)

日本人の誇り (文春新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/04/19
  • メディア: 新書


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#3713 都立進学校「自校作成問題」長文ワード数 Mar. 15, 2018 [データに基づく教育論議]

<更新情報>
3/16 朝11時40分更新

 興味のある論点がいくつも出てきそうなので、随時追記していくつもりである。テーマによっては別稿にするものもでてきそうだ。更新情報は最終更新の日時のみを書いておく。

 K藤さんから3/3日付朝日新聞の切り抜きが今日二つ届いた。都立の進学校は数年前から自校作成問題を入試に使っている。制度が変わったことを私は知らなかった。根室(北海道)にいると日本の動きが見えなくなる。K藤さんはわたしの蒙を啓くために切り抜きを送ってくれたのだろう。m(_ _)m

 送られてきた切り抜きの一つに、東京都立英語入試問題の長文ワード数が載っているので、以下に転載して紹介したい。

<都立高校> 2018年 自校作成問題
  長文語数   英作文① 英作文②
日比谷 2620   20語×3 30語以上
西 3090   40-50語  
国立 2205   15-20語×2  
八王子東 2560   40-50語  
戸山 2645   40-50語  
青山 2320   40-50語  
立川 2330   40-50語  
共通問題 1390   3文  

 長文の総語数だけで見ると、2018年の道立高校入試裁量問題の長文問題は771語である。都立の進学校は軒並み3倍以上の分量である。分量に圧倒的な差がある。
 都立の試験時間はリスニングを入れて50分だから、正味40分で2320~3090語の英文を読み作文問題を解かなければならない。設問の中にも英文が含まれているから、実際には3000~4000語に目を通して理解しなければならないのだろう。道立高校の試験時間は45分間。

 変化したのは長文問題だけではない、英作文もまるで傾向がかわってしまった。この新聞記事によれば、都立八王子東高校の英作文問題はおおよそ次のようになっている。

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将来実現してほしい科学技術を一つ挙げた上で、その理由を40~50語程度の英文で書くように求めた。アイデアそのものは評価の対象としないが、学校側が求める人物像を感じてほしいとの考えから、出題した。受験者の平均点は国語56点、数学55点、英語が69点だった。
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 ふだんから幅の広い読書をして、様々な角度から物事を考えていないとできない種類の英作文問題である。ただ英語ができるだけではむずかしい。
 中高生に人気のあるSAOにはナーブギアというマン・マシン・インターフェイスがでてくるが、そういう技術が確立されたら、膨大な外部記憶を自分の脳に接続できるし、AIによる思考のアシストも可能になるだろう。その反面、AIが人間を支配するツールともなりうるし、AIの脳への侵襲によってアイデンティティ崩壊のリスクも生まれる。こういうことを40-50語の簡単な英作文で答えろということになるのだろう。理系分野に好奇心があって濫読していないととてもできない。文学作品ばかり読んでいたら手も足も出ない。英語長文のトピックスの理系分野へのシフトが近年進みつつある。気がついたところで紹介すると、平成19年度の入試で桐朋高校がAIとロボットのトピックスをとりあげているのが、わたしの知る限りで初出。マーティン・フォード著松本剛史訳『ロボットの脅威』を読んだのは2016年5月(2015年10月初版)だから、それよりもずっと早い。

 都立の進学校が自校作成問題へ方針転換しつつある。都立にはまだ同じ数くらいの進学校が存在するが、順次切り替えをやっていくのだろう。国語の出題は難易度の高い著書からの出題が多くなっている。教科書程度ではとても届かない。たとえば、鷲田清一郎著『哲学の使い方』や長谷川宏著『高校生のための哲学入門』、西田修著『世界史の臨界』、田口茂著『<交差>としての時間』、佐伯啓思著『経済成長主義への訣別』から出題がなされている。レベルを上げて幅広い読書をしていなければ、語彙理解すら追いつかぬ。
 ありていに言えば、出口汪の論理エンジンレベルの読解では到底届かない。あれは2次元読みともいえるもので、虫が文字面を這いずり回るようなもの、そこを離れて3次元空間で鳥瞰するような読みからは程遠い。せいぜいレベルの低い国語教師程度の読解力を育てるだけである。だから、北海道の学力テストで国語が90点台を維持できたら、その生徒の読みが「できの悪い国語教師レベル」で頭打ちになったと理解したほうがいい。ではどういう読みがあるのかというと、林望著『謹訳源氏物語私抄』をお読みいただきたい。高校生なら1年の時に『源氏物語』を古典で読むので、「第二章 女としての当たり前」が参考になる。幅広い教養と人間の心理の観察に支えられた深い読みがどういうものかよくわかる。
 我田引水になるが、ニムオロ塾でやっている音読授業なら教材のレベルも高いからこの程度なら十分対応できるだろう。中2は斉藤孝著『日本人は何を考えてきたのか 日本の思想1300年を読み直す』を先週読了し、中3の生徒には『福翁自伝』の音読トレーニングをしている。次は、今後とり上げるのは和辻哲郎『古寺巡礼』『風土』、京都学派の哲学者西田幾多郎『善の研究』である。根室の中学生で都立進学校が要求するレベルの本を読んでいる生徒は他にはいないだろう。ふつうの公立中学校の国語の先生に哲学入門書や世界史関係の解説書や経済学の本の解説ができるとも思わないから、授業で言及するわけもない、好奇心の及ぶ限りで生徒は独力で読むしかない。そういうレベルの生徒は数年に一人。
 どうやら都立の進学校はお受験勉強のエキスパートではなくて、並外れた才能の生徒を集めたいようだ。

 センター(中央)とペリフェリ(辺縁部)の学力格差がすさまじい勢いで拡大しつつあるようだ

 東京都は都立高校入試にスピーキング導入を検討中で、来年テスト試行が数校を対象になされるようだ。コンピュータでの処理を考えている。首都圏なら試験官はいくらでも確保できるだろう。

 1学年100万人と仮定すれば、英語のエキスパートは1000人もいれば十分である。そのために全部の学生に英語のスピーキングを課すのは学力低下につながらないか?国立情報学研究所の最近の調査でも中学生の四人に一人が、日本語の文の理解が困難である。教科書すら独力で読んで理解できないレベルにある。日本語を置き去りにして、外国語が身につくものだろうか?ほかの科目の教科書はすべて日本語で書かれているから日本語能力の劣化は学力全般の低下に直結することになる

 「英語「話す力」都立高入試でどう問う?」という記事が載っているが、寄稿しているのは瀧沢佳宏・都教委国際教育推進担当課長と根岸雅史・東京外語大教授の二人である。偏ってるね。国家の教育戦略にかかわることだから、英語の専門家だけでは視野が狭いので日本文学者や数学の専門家そして哲学者をいれて議論したらいい。
 Z会進学教室・尾田哲也代表は次のように述べている。
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グローバル化が叫ばれる中、今後もますます英語は重要になるでしょう。英文を音読する、英会話番組を欠かさず聞く、中3の後半は英英辞典を使うなど、中学校の学習以上の日ごろの努力が重要になります
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 こういうトレーニングは毎日1時間程度やらなければ身につくものではない。そんなことを全部の中学生がしなければならなくなったら、英語のトレーニングにしっかり時間を食われてしまうから、読書量も数学の勉強時間も減っていくだろう。国家の教育戦略として本当にこんなことをしていいのか?
 「読み・書き・そろばん」は学校でやるべきだろう。話すのと聴くのは日本語では学校ではやらない。日本語でコミュニケーションしているからそれがそのまま「話すと聴く」トレーニングになる。英語はそうはいかない、日本で暮らしているのに、99%の中学生に英会話は必要がない。
 日本人が優れている分野は第一に文学、そして数学である。文学は『万葉集』と『源氏物語』を数学は和算を挙げておく、これも別稿で敷衍すべきトピックスである。日本的情緒を心に刻印し、数学に強いことが、日本の物理学や化学や生物学を支えている、なんだかその両方が危うくなるような方向転換に感じた。

<余談:論理エンジンについて>
わたしは好奇心から出口汪(ひろし)氏の著作を読み、面白そうなので小学生に2年間『出口汪の新日本語トレーニング』シリーズ6冊を授業で利用させてもらったことがあるが、一度っきりでその後使っていない。理由は受験テクニックとしては優れているが、深い読みとはまるで次元が違う方法論だからである。入試に自校作成問題を課している都立の進学校にはこれからは通用しないように感じた。
 先に紹介したところで「2次元虫瞰読み」と書いた、幅の広い教養と人間観察に支えられた「3次元鳥瞰読み」とあまりにもかけ離れていて、本の読み方がそういう狭いものではないことを指摘したかった。
 中学校では哲学を教科として入れるべきだし、高校では必修科目として哲学をとりあげてもらいたい。
 教科としての国語は教える側に哲学的な素養がないと読みが浅くなると考えるのはわたしだけだろうか?

<できのよい生徒たちを首都圏の少数の高校に集める危うさ>
 レベルアップした入試で選別して生徒を集め、教育する。それはそれで危うさもある。生物の社会は多様性で安定がえられることは生態学の常識である。地方に学力が高く幅の広い教養を有する人材が枯渇し、都会に集中する弊害は、この50年間の大規模な社会的実験で結論が出ている。
 効率よく学力の高い生徒を集めるにはどうしたらよいかではなくて、集まった多様な生徒たちを、その多様性を維持しながら、どうやって学力が高く教養に富んだ人材に育て上げるかという視点が欠落しているのではないか?



#3309 英語長文words数比較:道立高校<都立高校<開成高校 May 31, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-31


 #3707 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 7, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-07

 3707-2 他都府県の公立高校入試英語ワード数情報 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-08-1

 #3707-3 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 8, 2018
http:
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 #3708 英語問題ワード数一覧表:7道都県 Mar.8, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-08-4

============================

*#2784 百年後のコンピュータの性能 Aug. 22, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-22

 #2779 『ソードアートオンライン 9 』:量子コンピュータ・オンラインゲームと心  Aug. 17, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-17-1

 #2804 『ソードアート・オンライン14』  Sep. 12, 2014 
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 #2882 ソードアートオンライン007 マザーズロザリオ Nov. 26, 2014 
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 #3051 『ソードアートオンライン・プログレッシブ』001~003を読む May 31 2015
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 #3105 『ソードアートオンライン16』:アリシゼーション・エクスプローディング Aug.16, 2015 
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#3709 高校入試数学裁量問題の難易度低下を憂う Mar. 8, 2018 [データに基づく教育論議]

 今年(2018年)の裁量問題は難易度が下がっているようにみえる。最後尾の問題である「大問5」の「問3」は基本問題レベルだった。根室高校普通科はこれで2回目の裁量問題である。

 問題文には図が描かれているが、それがなくてもやれるだろうから、問題文を転載してお目にかける。図が見たければ3月7日の北海道新聞をご覧いただきたい。

---------------------------------------------------
大問5:問3 図1のように、1辺の長さが4㎝の正方形ABCDを底面とし、高さが2√2㎝の正四角錐O-ABCDがあります。リグの(1)(2)を求めなさい。 
 (1)辺OBの長さを求めなさい。
 (2)図2は図1の正四角錐O-ABCDを、△OBCが平面P上にくるようにしたもので、す。点Aから平面Pに垂線を引き、平面Pとの交点をHとします。線分AHの長さを求めなさい。
----------------------------------------------------

 (1)は三平方の定理ですぐに出せる。この程度なら計算に堪能な生徒は暗算でやれる。
 (2)は(1)の図から正四角錐の体積を計算し、△OBCの面積を出して、体積を割ればいいだけ。これも基本問題レベルである。

 大問4の「問2」の証明問題が手ごわい。「問1」は中点連結定理に気がつけばすぐに見ただけでACの長さが出るが、「問2」はそれを利用する。問題用紙に条件通りに作図してみた人は正解できただろう。根室高校普通科受験生でこの問題に完全正解できたのはせいぜい0~3人の範囲内だろう、普段の学力テストの得点分布から推し測れる。50点以上の得点は、BC校両校で1人のみ、市内全体でこの2校の2倍の生徒数である。
 問3は2次関数の問題だが、これも「標準問題」レベル。「標準問題」レベルとは、全国標準ではなくて北海道のローカル標準である、神奈川県でいうと定時制高校入試レベルの問題ということかもしれぬ、すでに検討したが英語のワード数がそうだった。(神奈川県の定時制の入試問題は時間が30分で難易度はずっと低いとペトロナスさんから投稿欄に情報提供があった。)


 東京都立の問題を基準にすると北海道は「裁量問題」ですら難易度が極端に落ちる。つまり、数学の「裁量問題」は全国標準よりもはるかに下の難易度ということ。

 ニムオロ塾では数年前まで3年生には都立の数学入試問題をやらせていた。高校統廃合が決まって、根室西高校の募集が停止された時から、東京都立の入試過去問をやらなくなった。
 道立高校入試過去問で50-56点(83-93%の得点)取っている生徒でも都立の入試過去問をやらせると70-80点である。一度だけ95点の生徒がいたが、その生徒は最後の2か月で五科目合計点で60点も伸ばした。学力テスト総合ABCでは170-185点の間だった。高校へ入学してからは数学が1/3は学年トップ、物理はずっとナンバーワンを通した。問題集や参考書の難易度を上げることで潜在的な能力が目覚めたように思える。

 高学力層には難易度の高い問題にチャレンジさせて、その能力を引き出し、全国レベルで勝負させたい。ぬるい環境の中では眠ったままで終わる生徒が多くなる。少ない優良人材を伸ばしきれないのではもったいない。学校で使用している教科書準拠用問題集には大問5の類似問題が載っていない。

<余談:普段の学力テストは「標準問題」の怪>
 根室の中学生は根室から出るものを除き、根室高校を受験する。定員枠は普通科160人、商業科と事務情報科がそれぞれ40人だから、合計240人である。だから裁量問題で受験する生徒が66.6%である。だが、3年生対象に年間5回行われる学力テストはすべて「標準問題」である。授業もそれに合わせて行われているので、難易度の高い問題がとり上げられない。これでは学校で高学力層の学力を伸ばすことはできない。うんざりするほどレベルの低い授業にあくびをかみ殺すことになる。そして難易度の低い教科書準拠問題集の提出を強要される。レベルに合わぬ問題集の消化で大学受験に備えて難易度の高い問題に費やすべき貴重な時間を浪費してしまう。
 なんとかならんかね、市教委と学校と保護者と経済諸団体と市議会文教厚生常任委員会と地域社会で教育に携わっている私どものような者が同じテーブルについて具体的な問題を話し合う必要がありはしませんか?
 教育は町づくりの礎(いしずえ)、そこに関心をもたなければ町は衰退を続けます。9月に市長選挙がありますが、4期16年間根室の子どもたちの学力問題に無関心だった現市長が、またぞろ対立候補なしで五選されるようなことになったら、それは根室に住んでいるわたしたちの意思です。30年後の根室がどうしようもない町になるということ。
 
前回の市長選挙ははじめて対立候補が擁立されたが、元目黒区議会議員だった。どなたか立候補して教育改革を争点にして選挙になってくれたらうれしい。そのうえでの5選なら、それは根室市民の意思ですから、厳粛に受け止めるしかありません。


#3309 英語長文words数比較:道立高校<都立高校<開成高校 May 31, 2016
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 #3707 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 7, 2018
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 3707-2 他都府県の公立高校入試英語ワード数情報 
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 #3707-3 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 8, 2018
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 #3708 英語問題ワード数一覧表:7道都県 Mar.8, 2018
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#3708 英語問題ワード数一覧表:7道都県 Mar.8, 2018 [データに基づく教育論議]

 提供いただいた2018年公立高校英語問題ワード数を一覧表にしましたので、どうぞご覧ください。
  本文 設問 合計 英作文 時間  
神奈川1     1923      ? 50 全日制
東京     1763      ? 50  
沖縄 1122 357 1479    ? 50  
北海道2 952 419 1371 24 45 裁量問題
秋田     1294      ? 60  
三重     1244      ? 45  
高知     752    29    
北海道1 469 105 574      ? 45 標準問題
神奈川2     538      ? 50 定時制


<参考>
筑波大付属駒場   1800 50 45
都立国際   2100 100 50


 最近2年間ほどで、東京都も北海道もワード数が2割ほど増えています。ほかの地域でもそういう傾向があると考えた方がよさそうです。それにしても、道立高校の「英語標準問題」は神奈川県の定時制並、全日制では全国最低レベルということがわかりました。裁量問題ですら77%のワード数です。
 稿を別にして分析するつもりですが、じつは数学の問題も低レベルなんです。「入試難易度が全国最低レベルってことに北海度の人たちは気がついているのかな?」と心配して投稿してくれた方もいます。今年の入試問題で50点以上(60点満点)でとれた生徒は、根室市内でおそらく1-2名です。普段の学力テストで50点超はBC両校で1人しかいませんでした。
 入試問題の難易度が全国一低いと仮定したら、普段の授業はそこに焦点が合っていますから、授業レベルもまた全国最低レベルだということになります。その中から這い上がって、全国偏差値60以上の大学へ進学するのは至難の業です。一般入試でそういうレベルの大学へ進学できるのは、根室高校普通科160人中で8人いるのかな?根室高校は推薦入試割合の公表はしていませんが、おそらく増えているし、これからも偏差値60以上の大学への一般入試合格者は数年間は減少するでしょう。全国模試偏差値60は上位16%です。

 根室だけかと思っていたが、これでは北海道全域が人材難で沈んでいく。道知事は本州から、地元企業は業績不振で本州大手企業に吸収、道産子は低賃金で使われるだけということになりかねない、いやなりつつある。これではまるで植民地だ。
 すべてのもとは教育、そこが崩れていくのを傍観してはいけない、市政も市議会も市教委も学校教育関係者も地元企業経営者も自己改革なくして未来なし。それぞれの職にあるものが仕事の責任を誠実に果たすことで貢献しよう。なあに、やればできるさ。報酬だけ手にしてやる気のない奴は職を辞せ。


#3309 英語長文words数比較:道立高校<都立高校<開成高校 May 31, 2016
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 #3707 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 7, 2018
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 3707-2 他都府県の公立高校入試英語ワード数情報 
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 #3707-3 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 8, 2018
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#3707-3 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 8, 2018  [データに基づく教育論議]

  三分割の最後です。
  なお、道立高校入試問題のリスニング問題への配点は13点(60点満点)、21.7%です。


============================
皆さん情報を出していただいているので神奈川県の公立高校入試の英語の長文量を調べました。

2月14日実施の神奈川県公立高校入試
全日制(リスニング込み50分
大問5(読解と自由英作文) 157語
大問6(長文読解)      700語
大問7(図表を用いた読解問題) (1) 111語 (2) 130語
大問8(会話文)       823語
           合計1923語

定時制(リスニング込み30分)
大問7(手紙文) 224語
大問8(会話文) 314語
      合計538語


上位校は2月15日に特色検査として自校作成問題を用いた学力試験が課され、さらに難度の高い英語の問題を解きます。

by ペトロナス (2018-02-16 07:15)
============================
一昨日実施された三重県公立高校入試の前期試験(三重県の公立高校入試は「前期試験」「後期試験」があり、前期試験はどの学校も全定員の2割程度の定員が振り分けられています)の英語の問題の語数を昨日の新聞を引っ張り出して数えました

大問2 326語 (会話文読解)
大問3 (1) 162語 (2)169語 (3) 183語 (3つの異なる短い長文読解)
大問4  404語 (図表を利用した会話文読解)
合計   1244語

後期試験も語数はほぼ同じ分量です。
試験時間はリスニングを入れて45分です。

by せん (2018-02-10 18:33) 
============================
検索して辿りつきましたので、我が高知県の公立高校入試の英語の問題の状況をお知らせいたします。
高知県の公立高校入試の英語の問題ですが長文問題の配点が40%(50点満点中の20点)、リスニングが28%(50点満点中14点)、自由英作文が20%(50点満点中の10点)、文法・単語の問題が12%(50点満点中6点)です。

英語長文問題の内訳は下記の通りです
大問2   (1)  80語 (手紙文)
     (2)145語 (短文読解)
       (3)115語 (図表を使って英文読解)
            (4)  60語 (英文の並び替え)
大問3 本文   256語 (長文読解)
       要約 58語
大問5 (1)     29語 (会話文を利用した自由英作文)
     合計   752語

例年750語~850語の間で推移しています。

優秀な生徒は中学受験で抜けている影響も大きいのでしょうけど(高知県は6人に1人は中学受験します。全国でも東京都に次ぐ2位の中学受験率です)、もう少し問題の難易度を上げてほしいです同感です(by ebisu)

by shun (2018-01-28 19:03) 
============================
都立高校の入試英語は試験時間リスニングを入れて50分、テーマ型の自由英作文1題以外全てマーク式解答の問題の考慮は必要だと思います。
開成高校はリスニング含めて試験時間が60分です。

参考までに
筑波大附属駒場高校は45分でリスニング、1800語の英語長文、50語の自由英作文
都立国際高校は50分でリスニング、2100語の英語長文、100語の自由威作文


by クロアチア (2017-12-27 20:27) 
============================
道立入試はそんなに語数が減っているのですか?私が最後にみたときは「難しい裁量問題」で1200だったのですが、(1200では、分速60語のレベルです。)

日本では、10年前から「速く、正確に」読みとる力を計る方向に高校入試が転換していて北海道だけが「先生」のレベルにあわせてなのか日本の中学の定期テスト「より下」の入試だったのですが、さらに下がっているのですか!


やはり、北海道の英語指導者には、英文を頭から読む力のない、換言すると「単語を日本語にしてフレーズの意味を日本語で理解して訳文を作ってようやく、せいぜい理解できた、」程度の教師がほとんどなのでしょう。(文末焦点などをしたりがおで話すような。)


英文を頭からから「読む」とは?を教える方法が大切だと思います。
(忙しくて、眠くて、詳細語れません。とりあえず、途中ということで、御容赦下さい。また、時間がとれた時に書かせて頂きます。)

by 後志のおじさん (2016-05-31 23:04)
============================

2017年の高知県の公立高校入試の語数の情報を挙げている方がいらっしゃったので2018年の高知県の公立高校入試の語数をGW中に調査したのでコメントさせて頂きます。(試験時間はリスニング込みで50分で変わらず、出題方針が変わりました。)

大問2  (1) 121語 (手紙文)
    (2) 120語 (短文読解)
      (3) 117語 (短文読解)
           (4) 141語 (会話文読解)
大問3 本文 459語 (長文読解)
大問5       76語 (図表と英文を用いた自由英作文2文1題、4文1題)

本文のみで1034語、問題文も入れて1228語です。文法・単語の問題をなくして長文の語数増加と自由英作文を1題増加に振り分けました。
by くろしお (2018-05-10 18:12)

============================



#3309 英語長文words数比較:道立高校<都立高校<開成高校 May 31, 2016
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 3707-2 他都府県の公立高校入試英語ワード数情報 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-08-1

 #3707 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 7, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-07



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3707-2 他都府県の公立高校入試英語ワード数情報  [データに基づく教育論議]

<更新情報>
3/8 午前11時 裁量問題のワード数訂正(ペトロナスさんから指摘アリ)
        午後11時45分


 道立高校入試問題のワード数内訳表をEXCELでつくり貼り付けると、大きなメモリーを食うようで、投稿欄のデータを貼り付けると、オーバフローを起こします。
 結局、三つに分割せざるをえなくなりましたので、EXCELを使わずにサマリーを書きますので、内訳は#3707を参照してください
#3707 道立高校英語問題ワード数 Mar. 7, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-03-07

 結局、二つに分割せざるをえなくなりましたので、EXCELを使わずにサマリーを書きますので、内訳は#3707を参照してください
 <標準問題
 本文  469
 問題文 105
  合計 
574

 <裁量問題

 本文  952
 問題文 419
  合計 1371

  他に英作文(指定語数:24語以上)があります。

 東京都立高校の入試英語問題(1763ワード)を基準に判断すると、道立高校入試は<標準問題>で32.6% 、<裁量問題>ですら77.8%です。
 <標準問題>は神奈川県の定時制高校レベルの出題ワード数となっていることがわかりました
道内のほとんどの全日制高校が標準問題を採用しています。隣の釧路市内には道立高校が6校ありますが、湖陵と江南の2校のみが裁量問題選択校です。高校入試問題がこれでは学力の地域格差が拡大するわけです。

 全国どこの地域でも、普段の授業は高校入試問題に難易度を合わせますから、高校入試問題の難易度は生徒の学力に大きな影響を与えています。根室の市街化地域の3中学校でも事情は同じです。残念ながら普段の授業は英語も数学も裁量問題ではなく、標準問題のレベルに見合った授業内容です、これでは東京の中学生と英語の学力格差が広がるのはあたりまえです
 根室の中学校で使っている教科書は、開隆堂のサンシャインですが、最後のほうに「Extensive Reading」が3話載っています。ここをやったのは3校のうち1校のみ。13ページあり、その前に配置されている9章とあわせて全体を12章と考えると、25%を消化しないで終了です。1章当たりのワード数はこの3話のほうが1.5倍くらいありそうですから、30%を軽く超えるでしょうね。裁量問題対象の授業をやるなら、この3話は必ずやらなければならないものです。
 授業の進捗管理に手を抜いているからこういうことが起きます。担当の先生がどういう進度で授業をしているか、任せっぱなしにせずに、教頭先生や校長先生が管理すればいいだけです。英語担当は3校とも2人ですから、授業の進捗管理がむずかしいということはないでしょう。根室の中学生の学力をアップするために、改善を希望します
 道教育局は道立高校入試英語問題のワード数を他地域と比較分析して、学力の地域格差がこれ以上拡大しないように標準問題のワード数改善を検討していただけないでしょうか?

 さて、#3309へ数名の方から日本各地域の公立高校英語入試に出題されたワード数を書き込んでいただいてますので、転載してご紹介します。日時の新しいものから並べます。

============================
将棋の藤井聡太六段に関する英語の長文問題を出題した沖縄県の公立高校入試の英語長文の語数です。

本文の語数
大問7(会話文の並び替え問題):111語
大問8(旅行ツアーのツアープランの料金プランの表と英文を読んで簡単な四則計算する問題) :98語
大問9(藤井聡太六段に関する英文):491語
大問10(アカモク研究の佐々木久雄博士関する英文):422語
本文だけで1122語です。
設問まで含めると1479語です。

沖縄県公立高校入試の試験時間は50分です

by はばり (2018-03-08 17:24)
============================
昨日実施の平成30年秋田県公立高校一般入試英語
大問2:  (1)  99(図表を使った英文)
     (2) 107(統計データを使用した会和文)
大問3:         165(短文読解と自由英作文)
大問4:        259(対話文)
    問3      80(対話文の内容を受けた会話文読解)
大問4:        584(長文読解)
                合計 1294

試験時間は60分、リスニングの問題にも自由英作文が出題されてます。大阪府公立高校入試の英語C問題(難関校向け) のリスニング問題に同様の出題があります
by なかがわ in 由利本荘 (2018-03-06 21:44) 
============================
昨日実施の東京都立高校入試(共通問題)
大問2:  (1)  99(図表を使った英文)
     (2)  94(地図案内の英文)
     (3) 290(読解と自由英作文)
大問3:        374(対話文)
    問7    120(対話文の内容の要約)
大問4:        786(長文読解)
                合計 1763


神奈川県の公立高校入試にはプログラミングのアルゴリズムの一種であるバブルソートの会話文、東京と神奈川県の公立高校入試の会話文の問題は将棋のAIソフトに関する英文が出題されました

by ペトロナス (2018-02-24 01:07) 
============================



#3309 英語長文words数比較:道立高校<都立高校<開成高校 May 31, 2016
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#3707 道立高校英語問題ワード数情報 Mar. 7, 2018  [データに基づく教育論議]

<更新情報>
3/8 午前11時 表の数値訂正(ペトロナスさんから指摘アリ)

 今日の新聞に転載された道立高校入試英語問題のワード数をカウントしたので、アップします。
 今回の集計は次の方針でやりました。
  〇標準問題と裁量問題に分けて集計
  〇数字はワード数にカウントしない
  〇本文と設問に分ける

  ●試験時間を別記する
  ●英作文は要求ワード数を別記する

  *試験時間はリスニング込みで45分、道立高校入試問題のリスニング問題への配点は13点(60点満点)、21.7%となっている。

<標準問題> 2018年  
    本文 問題文  
大問3 A 157 38  
  B 24 67 表問題
大問4   288    
合計   469 105 574
         
         
<裁量問題> 2018年  
    本文 問題文  
大問2 A 157 38  
  B 24 67 表問題
大問3   288 57  
大問4   483 257  
合計   952 419 1371



 緑色の部分が合計ワード数です。東京都立高校入試が1400-1500ですから、標準問題は東京の受験生の4割、裁量問題で同程度です。
 今日前期日程の合格者発表がありましたが、北大合格者のうち道内出身者がたったの36%、標準問題の入試の高校が圧倒的多数ですから、高校入試問題が道内の中学生の学力を反映しているとすれば、むべなるかな。

*HBCテレビニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180307-00000002-hbcv-hok


 ●いままで投稿欄へお寄せくださった他都府県のデータはあとで貼り付けます。しばらくお待ちください。
 ●ソネットブログは10万字の制限があります。オーバフローしたので、3つに分割します。EXCELで作成した表や投稿の貼り付けは思った以上にメモリーを食ってしまうようです。

#3309 英語長文words数比較:道立高校<都立高校<開成高校 May 31, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-05-31



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#3704 読み×計算≒学力:3×3マトリックスで考えよう Feb. 27, 2018 [データに基づく教育論議]

<更新情報>
3/1 午前0時 追記

 「読み・書き・そろばん(計算)」スキルが学力の基礎をなすことについてはほとんどの方に了解いただけるだろう。これら三つの技能のうち、読みの速度と計算速度を取り上げて「3×3マトリックス」で学力について分析を試み、根室に戻って小さな塾を開いて15年間の経験から知りうるところをお伝えしたい。頭に描いている対象は、小中高生と保護者のみなさん、そして学校の先生と教育行政、地元企業経営者の皆さんである。

 読みの速度を1:2:3の割合に分け、それぞれa1、a2、a3と番号を振る。たとえば、100mを20秒ならだれでも走れるが、2倍の速度なら10秒である、そんな速度で走れる中学生はいないし、3倍なら6.7秒でゴールインしてしまう。身体機能を使ってやる競争とは違って読みや計算速度の差はとても大きいのである。
 a1は読みの遅い群であり、文章を読むときに読めない漢字や、(初めて見る語彙を知っているほかの語彙に置き換えが起きる)読み違い、「てにをは」の読み違い、先読みができない、そういうことが頻繁に起きる群である。読みの下手なグループで全体の2~3割を占める。話の都合上、読みの精度は速度に比例するものと仮定しておこう。おおむねそういう傾向のあることは事実だが、ばらつきも大きい。速度が小さいが読みは正確な生徒がたまにいる。15年間ではっきりそう言う傾向を示した生徒が一人だけいた。小6の12月に、文章題0点が理由で入塾してきた生徒だったが、急激に学力を伸ばし、法政大学へ推薦合格した。もう時効だから算数0点のことを書いてもいいだろう。丁寧でとてもきれいな字を書く生徒、ノートの字のきれいさではナンバーワンだった。丁寧すぎて速度が遅くなるタイプ。
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<脳のワーキングエリアについて>
 良書を選び、14年間日本語音読指導をしてきた結果、読みの速度を3群に分けると実際にそれくらい(1:2:3)の格差がある。読みの速いグループは読みの遅いグループの3倍速度でちゃんと文意や文脈がつかめる、否、速いからこそ文意・文脈が正確に読み取れるのだ。脳のワーキングエリアはどうやら時間の関数でもあるようで、高速で読むと流れるように文意・文脈がつかめる。速度が遅いとワーキングエリアの記憶は消えていく。たとえば、数学の問題で、「大問1」の文P1があり、次いで「問1」のP2、「問2」のP3が並んでいる。速度が小さいと、「問題1」を読んでいる途中でP1が消えていくのである。「声に出して問題文を5回読んでご覧」というと、P2から読み始める。脳のワーキングエリアからP1はすっかり消えてしまっている。P3を読んでいるときにもP1が消えてしまう生徒がいる。文章題の苦手な生徒は、このように読み込む速度が小さいことや脳のワーキングエリアが小さい(=未発達)ことが関係しているようにみえる。小学校の低学年までにどこかに脳のワーキングエリアの拡張期があるはずだが、旬の時期にワーキングエリアの拡張を経験しなかったと考えられる。暗記が苦手な生徒に多い。英単語を100個暗記するのに1時間しかかからない生徒と3時間かかる生徒を比べると、音読させたときに文意の理解にも大きな差があることがわかる。
 英単語100個を覚えるのに3時間かかるという人はがっかりしなくていい。中学生になってからでも、ワーキングエリアは拡張できる、未発達なのだから発達させるトレーニングをすればいいだけだ。英単語の暗記でもいいし、社会科の暗記でも理科の暗記でもいい。良書を選んで音読トレーニングでもいい。たとえば音読トレーニングでは文意や文脈を追うような読み方を意識してやれば脳のワーキングエリアの容量は拡張できる。最近、社会の暗記が大の苦手だった生徒が急に暗記が楽になったと言い出している。月に2回の音読トレーニングをやっているので、その副次的な効果かもしれぬ。
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 計算速度も1:2:3に分け、それぞれc1、c2、c3とする。c3はc1の3倍速で計算ができる。一度6人の中1のクラスで実測したことがある。一番速い生徒と遅い生徒の速度比は30:1であった。100mを10秒で走ると時速36㎞だが、その30倍は時速1080㎞にもなる。音速は秒速340mだから時速に換算すると1225㎞であるから、計算の速い生徒と遅い生徒では人間が走るのと音速で飛ぶ飛行機が競争をするようなもの。
 珠算で暗算トレーニングを積んだ者は数学の計算分野では抜群の計算速度を発揮する、とくに高校数学で有利だ。小学校1~4年生くらいまでに習わせたらいい。

 読みの読度と計算速度のマトリックスは次のようになっている。

         
c3 (a1, c3) (a2, c3) (a3, c3)  
c2 (a1, c2) (a2, c2) (a3, c2)  
c1 (a1, c1)   (a2, c1) (a1, c3)  
     a1    a2   a3  


 a1とc1はそれぞれ2~3割であり、a3とc3は1割、残りの6~7割がa2とc2である、そういう前提で話を進めたい。
 マトリックスの中で一番学力の高いグループはどこに位置しているだろう?答えは簡単、(a3、c3))である。読みの速度と計算速度が中位の生徒の5割増しだから、圧倒的に学力が高くなる。
(a1、c1)グループは中位の生徒に比べて、読みの速度は半分、計算速度も半分だから、学習効率が半分と考えてよい。つまり、中位の生徒が1時間勉強をやるとしてら、2時間やらないと追いつけない。どの群の生徒も同じ時間勉強すると仮定すると、学力格差は中学3年間で拡大する、おそらく一生の学力の土台がこのあたりで8割がた決まってしまうこれらに加えて読みの精度や計算精度が比例して動くと仮定しているから、実際には3時間勉強しても中位の生徒の1時間に及ばないということになる
 困ったことに、過度な部活とスマホの普及で本を読む習慣を持つ生徒が激減しており、a1グループが増加傾向にある。計算トレーニングも毎日コツコツ、10分単位で時間を計測しながらやらないといけないから、その時間も取れない。
 国立情報学研究所の最近のリーディング・スキルに関する全国調査でも文章読解力に問題のある中学生が増えている*。授業を聞いても理解できないレベルの語彙力の中学生は根室は3割程度いるのではないか。読書習慣がなくても学力に問題なしと思っている保護者が多いのだろうそれは全くの事実誤認である学力の基礎は「読み・書き・そろばん」の三技能によって支えられているのだから、一番大事な「読み」が正確に速くできない生徒は学力全般が低下してしまうのである。表の(a1, c1)と (a3, c3)を眺めていただきたい、後者が圧倒的に学力が高くなることは想像に難くない
*「#3651 中学生の読解力: 国立情報学研究所調査より
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-12-01

 「リーディングスキルテストで測る読解力とは 」国立情報学研究所 社会共有知研究センター センター長・新井紀子
http://www.nii.ac.jp/userimg/press_20160726-1.pdf


<タイプ分け>
(a1, C1):国語も数学も苦手、独力で学習できない、成績全般が不振、500点満点の学力テストで200点以下の層。読書習慣なし。
(a1, c2):国語が苦手だが、数学は普通の成績。読書習慣なし
(a1, c3):国語が苦手だが、数学は好きで学力テストの点数は80点以上。読書習慣なし

(a3, c1):国語は得意で学力テストの点数が80点以上取れるが、数学は苦手で20点以下。読書習慣があり、文庫本の文学作品や小説を百冊以上読み、新書版の本も20冊以上読んでいる。
(a3, c2):国語は得意で学力テストの点数が80点以上取れるが、数学はふつうで20-70点。読書習慣があり、文庫本の文学作品や小説を百冊以上読み、新書版の本も20冊以上読んでいる。
(a3, c3):国語は得意で学力テストの点数が80点以上取れるが、数学は得意で80点以上。読書習慣があり、文庫本の文学作品や小説を百冊以上読み、新書版の本も20冊以上読んでいる。この群の生徒は学力上位5%に入っているだろう。

 学力を高くしたかったら、読みはa3レベルのスキル、計算はc3レベルのスキルを身につければいい。こういうのを「鬼に金棒」という
 数学の文章題は、問題文の読解と計算力を要求するから、両方の力が強くないと解けない問題文を理解してうえでさらに別の能力である思考力が問われる。思考力は脳のワーキングエリアとため込んである知識のインターフェイスの良否が関係するが、これは別稿で扱う。
 数学の問題文と小説は読解力でも異なる部分があるが、そうじて小説や論説文をすらすら読めるa3群の生徒は、数学の問題文も正確に読めている。逆に、a1群の生徒は文意がつかめなかったり、読めない漢字があったり、読めてもその語彙の数学的な定義を覚えていないことが頻発する、その結果、解けない。a1群の生徒たちは、数学の文章題は解くのをあきらめているから問題文すら読まない者が多い。
 語彙の数学的定義とは「素数」「有理数」「整数」「メジアン」「平均値」「仮の平均」「階級値」「等積変形」「ねじれの位置」の類である。問題文にこれらの語彙が含まれていたら、その定義を書けるぐらい正確に知らなければ問題文の理解ができない。そして語彙の定義だけでなく、暗記しておかなければならない事項もあやふやな場合が多い。たとえば、「二等辺三角形の性質」「平行線と角度」「三角形の外角」「正n角形の内角と外角の公式」「平行四辺形の性質」「直角三角形の合同条件」「三平方の定理」「円と円周角」「中心角と弧の長さの関係」「円錐の底面の半径と母線の長さと側面の中心角の関係」の類。これらは正確に覚えておかなければならない。c1群の生徒たちは、こういうことをあいまいなままにしている。問題文に出てきたときに「知っているか?」と訊くと「知っていると応える」が、「じゃあ書いてみろ」と促すと書けない。本人はわかっているつもりなのだから、その都度基本事項をちゃんと押さえるような勉強の仕方をしていない。何度も声に出して暗記し、さらにそれを紙に書いてみたらいいのだ。そういう努力を普段の勉強でしていない。「困ったときには基本(原理原則)に還る」ということを普段の学習でおろそかにしている。

<タイプごとに指導の仕方は異なる>
 a1の生徒をa2にアップするためには読書指導(音読トレーニング)や漢字の書き取りトレーニングが必要だ。普段から国語辞典や漢和辞典を引く習慣をつけさせなくてはいけない。読めなかった漢字を丸で囲みルビを振っておく、そしてあとで辞書を引いて、辞書をよく読む。「新潮社の文庫百冊」というキーで検索すれば、本のリストが出てくるから、興味のあるものを50冊選んで読むこと。
 解けない数学の文章問題は音読を30回やってみる。そして紙に書いてみる。1時間考え続けてわからなかったら、解答を見て、一字一句たがえないように書き写す。そして解答を見ないで100%ちゃんと書けるようになるまで何度も書いてみよう。
 これら二つのことをするには時間がかかる。時間をかけずにこなせるのは(a3, c3)群の生徒で3%しかいない。(a1, c1)の生徒たちは、独力でこうした仕事(=勉強)をこなせない。(a2, c2)の生徒たちは、毎日1~2時間かけなければこなせないだろう。土日のいずれかは読書三昧できるぐらいの余裕が欲しい。そうしてみると部活は週に最大4日までだろう。文武両道、そして文のほうが優先とするとそういうことになる。(a3, c3)の生徒は週に6日部活しても大丈夫だ。短時間で集中して成果を上げられるし、独力で学習できるから。(a2, c2)群の生徒たちにそんなことは無理だ。

 根室市教委が毎年中学1年生に配っている計算問題集「カルク」を使っている生徒は5%もいないと思う。c1とc2群の生徒たちには有効である。問題ごとに目安の時間が書いてあればずいぶん使えるものになっただろう。こういうものを作るときには、私塾の先生の意見も聴いたらいい。素人(根室の先生たち)がつくり、解答集はミスだらけだった。こういう仕事は、校正がポイントだが、外していた。
 教科書準拠問題集は難易度が低いので、c3郡の生徒には適さない。宿題として一律に課してはいけない。難易度の高い問題にチャレンジする時間を奪うだけで、教育的な意味も効果もない。あえてやらせるとしたら、難易度が比較的高い「B問題」だけでいい。

<タイプ別の対策>
 a1群の生徒は読書習慣がない、児童書レベルの本からレベルアップできていない。だから、良質なテクストを選び、放課後30分間音読トレーニングをすべきだ。j児童書から大人の本への橋渡しが必要だ。a2群の生徒たちも7割はアニメのノベライズ程度の本しか読んでいないので、これらも音読補習へ参加を強制すべきだ。人数が多くなるから、同じテクストを使って先生が読んだ後を一斉に同調音読させたらよい。a3群は放っておいても、好奇心に応じて自分で選んで本を読む。干渉する必要なし。
 c1とc2の下のほうの生徒は小学校で習ったはずの、分数や小数の四則演算が満足にできないから、中1の4月に百題の計算問題をやらせて、どの分野の問題ができないかチェックすべきだ。6割の生徒に問題が見つかるだろう。チェックしてあれば、その分野の計算問題を集中的にトレーニングすればよい。放課後30分、毎日やればいい。百点を3回取れたら「無罪放免」。
 C3群の生徒たちは好奇心に任せて、自分の学力に見合った参考書や問題集や数学に関する本で勉強するから干渉する必要なし。自主的に楽しくやるのが一番だ。「これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」である。

<経験の教えるところ>
限界点とそれを超える手段としての音読
 c1群の生徒でも、「レギュラーの授業+補習」で数学を週に4時間教えたら、定期テストで90点のゾーンにはアップできるが、学力テストでは70点前後までしかアップしない。そういう生徒は5%ほどいたが、この限界点を超えたのはたった一人だけだった。数学の補習だけでは限界があるということだろう。だからこそ、良質のテクストを選び、日本語音読指導を並行してやる意味がある。数学の補習だけでは超えられない限界点のさらに向こう側へと生徒の背中を押すために。


#3693 中3テスト比較①:3年生学年末テスト Feb. 14, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-14


 #3695 中3テスト比較②:2/2学力テスト編 Feb. 16, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-15-1


 #3699 四月の学力テストの五科目合計平均点予測:史上最低? Feb. 22, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-21-1

 #3700 四月学力テスト平均点推計のための補足データ① Feb. 23, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-22


 #3701 四月学力テスト平均点推計のための補足データ②:7つの表 Feb. 23, 2018
http:
//nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24-1

 
#3702 四月学力テスト平均点推計のためのデータ補足③:解説 Feb. 23, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24


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#3702 四月学力テスト平均点推計のためのデータ補足③:解説 Feb. 23, 2018 [データに基づく教育論議]

 <#3701の7表の解説編>

 11月と2月の学力テストは百点満点、4月以降は60点満点。
 スタートの2016年11月のデータから見ましょう。
 11月学力テストは国語と社会と数学の三科目に顕著な差が認められます、B校のほうが圧倒的に高いのです。理科と英語は僅差といってよいでしょう。2月に学力テストでも、同様の傾向がはっきり表れています。四月以降から様子が変わります。C中の国語担当の先生が記述式問題の解き方の指導に力を入れたからだと思います。「論トレ」方式で記述式問題攻略演習をおやりになったようだ。
 国語の点差は9.7点と10.8点、平均点で10点の違いは大きい。大学生の時にゼミの市倉宏佑先生(哲学)が、同じ商学部の商業学科と会計学科で一般教養の哲学の試験の平均点に10点の差があるとおっしゃっていたのを思い出しました。この点差が「読み・書き」の両スキルにかかわるものなら、四月以降も点差は縮まらないはず、そうではなく教え方の問題なら、10点差は縮めることができるし、やり方次第で逆転も可能ということになります。実際に国語は僅差ですが、C校のほうが点数が高くなりました。

 数学はどうなっているでしょう?背景色を黄色にしてあるのでご覧いただきたい。例外なくB中の点数がよいが、B中の数学の平均点は釧路市内の13校でと比べると最下位レベル、別海町の中学校よりもかなり低いし、中標津の中学校に比べても同じくらい低い。つまり根室管内のほかの地域の市街化地域の中学校でみても最底辺である。
  その釧路ですら算数・数学教育に危機感を抱いており、市議会で激しい論戦が戦わされている。元市議会議長の月田さんが自身のブログでそのことを取り上げている。彼は「釧路の教育を考える会」副会長であり超党派の釧路市議会基礎学力問題研究議員連盟を結成し、「基礎学力保障条例」を市議会で制定した立役者である。
  金安潤子市議、2013年に「地域に飛び出す公務員アウォード」を受賞した大越拓也議員が教育問題で奮闘している。市議会の丁々発止の論戦は教育問題への釧路の人々の関心の深さをあらわしている。
*「算数・数学が弱い」

第4「131回 研究議いん算数・数学が弱い


http://blog.livedoor.jp/gekko946/archives/51856675.html

 1月に実施された模試の点数が両校ともに大幅にアップ(B中8.4点、C中9.4点)しているが、計算問題と短文章問題の「大問1」に超簡単な問題が多かったからと思われる。最初の問題は「6-7=」である。C中は全員が正解したそうだ。3題だけ難易度の高い問題があった。面積に関する相似比の問題と2次関数と距離・時間・速度の問題だったかな。平行四辺形の中にできる三角形に関する面積の相似比の問題は、比のままで解かずに、底辺をa、高さをhとして文字式で計算すると代数的操作だけでシンプルに解くことができる。この3題の問題にすべて正解した生徒は両校で1名のみ、C中の学年トップである。1題だけ階級値を計算する簡単な問題をミスした。C中は45点が2位、41点超はこの二人だけ、20点以下が半数(31人/58人)を超えている。B中は50点台はゼロで40点台が3名のみ、20点以下が48.2%(27人/56人)。

 20点以下の層は少数や分数の四則演算のチェックをしたほうがいい。半数程度(つまり全体の25%)は問題ありと思う。チェックポイントは、
①計算の仕組みへの理解
②計算の正確度
③計算速度

 
C中の生徒は11月実施の学力テスト総合Cで、平均点が10.9点、最低点を記録してしまった。百点満点では16点が平均点ということ。事態の深刻さが理解できるだろう。影響は理科の計算問題にも及んでいる。理科の先生は生徒に少数や分数計算のやり方から教えなければならない、そしてそうしているから、B中よりもC中の生徒のほうが理科の点数が高い。
 どちらの学校の生徒も、小学校の算数指導に問題があったと考えるしかありません学2年生で「逆九九」の暗唱トレーニングを学校でやっていないとか、少数や分数の四則演算、なかでも除算のトレーニング量が不足しているとか、そういいう類の基本的な欠陥が見つかるはず
 小学校の授業で「逆九九」をやらない先生が多いが、除算の商を立てるときに逆九九ができないと、計算速度が半分程度に落ちる、そして苦手意識が芽生える。小4までは算数が嫌いではなかった生徒たちに苦手意識が生まれる。文章問題でも、そういう計算をしなければならない問題はパスしてしまう。文章題への取り組み意欲が失われるのである。「文章題が苦手」という生徒は多いが、案外こういうところに原因が潜んでいる
 小学校の先生は「読み・書き・そろばん(計算)」トレーニング時間をもっと増やしてもらいたい。保護者も家庭でやらせてほしい。できたら、計算のやり方でわからないところを子どもに教えてもらいたい。少数や分数の四則演算くらいなら、8割のお母さんやお父さんたちが教えられるだろう。小学生への家庭学習の躾は親の責任である
 両校の生徒たちが親になったときに少数や分数の四則演算を子どもに教えることができるのは6割を切るだろう。いまはうろ覚えでなんとかなっても、子どもが小学校に入るころには計算の仕組みを忘れてしまう人も少なくないからだ。
 学校の数学担当の先生たちは、生徒が入学してきたら、「3桁×3桁」の乗算、「3桁÷2桁」の除算、分数や小数の四則計算問題を百題45分間でやらせて記録をつけて、その後の学力テストの点数との相関をみてもらいたい。EXCELで簡単に線形回帰できるからぜひやってみてほしい。計算問題の点数と、学力テストの点数に強い正の相関が現れるはず。短期間の計算トレーニングをやれば、生徒たちの得点は線形回帰の予測した値よりも高いところに出てくるだろう。そういう目的をはっきりした短期特訓の成果を計測することができる。


<生徒たちの計算速度格差はどれくらい?>
 3年前に中1の生徒たちの計算速度を計測したことがある。わずか5人ほどだったが、トップとビリには30:1の差があった。計算速度の遅い生徒は、同じ問題量をこなすのに早い生徒の30倍時間がかかる。実際にはそんなに勉強時間が取れないから、2年生3年生になるにつれて、数学の学力差がお話にならないほど拡大していく。今後の議論のために計算速度をPQRの3群に分けておく。P群を基準速度1、Q群は1/2、R群は1/3。例に出した30:1の生徒をXとYとすると、Xは速度2、Yは速度1/15である。計算速度は読書速度よりも格差が大きい。
 計算の速い生徒ほど精度も高くなる傾向があるから、数学担当の先生は新入生が入学してきたら計算問題を百題ほどやらせてチェックしておいたほうがよい。計算速度と読書速度の3×3マトリックス表でグループ分けして教え方を変えると効果の高い指導ができる。


<生徒たちの音読の速度差はどれくらい?>
 本をよく読む生徒は速度が大きい、慣れるからだろう。音読トレーニングをもう十数年やっているが、3:1くらいの差がある。遅い生徒は、読めない漢字があるとか、見たことのない語彙がでてくるとか、ひらがなが続いてどこで区切ったらよいかわからないくなるとか、縦書きの本なら下まで読み進む前に次の行の先読みができないとか、様々な理由で何度もつっかえ、元に戻って読み直しをするから文意が理解がなかなかできないし、文脈はほとんど読めない。中学生では速く読める生徒ほど正確に読んでいると考えてよい。速度の速い順にABCと3郡に分け、A群を基準速度1と仮定し、B群は1/2、C群を1/3とすると、文意や文脈の理解はB群が1/4、C群は1/9に落ちるだろう。A群の生徒たちはじつに軽快に学習を進めることができるから、本を読んでもテストをしても楽しいだろう。C群は読んでもわからないから、本を読む習慣が育たずいつまでも漫画や「離乳食」程度のレベルの読書にとどまる。
 文章言葉は普段生徒たちが会話で使う語彙群とは量がまるで異なる。ふだんの会話に必要なのは千語たらずだが、大人の本を読むには語彙が2万程度は最低限必要になる。
 本を読む習慣のない生徒は本が読めない、なぜかというと語彙が貧弱だから日本語語彙は本を読むことで蓄積される、そして音と漢字が脳内で結びつかないと意味が理解できない語彙力不足で授業を聞いても理解できない生徒が25%いるというのは、最近の国立情報学研究所の調査であるが、根室の市街化地域の中学生は3割を超えているだろう
 児童書まではお母さんが一緒に読んであげているケースが多い、しかしそこから歯ごたえのある大人の本への橋渡しができるお母さんは1割以下だろう。小学校の学校の先生も中学校の国語の先生も大人の本への橋渡し役を果たしていない。だから、歯ごたえのある大人の本が読める生徒、あるいは読んでいる生徒は本が好きな1割ぐらいだろう多くは児童書レベルで読書習慣が切れている。高校生になってもアニメのノベライズものを読みふけることになる。大人が離乳食を主食にしているようなもの、自力で読書レベルを上げることができない。社会人になったときに、仕事で必要な資格を取るには、専門書を独力で読み、「問題集を説かなくてはならないが、そういうことに大きな困難を感じるようになってしまう。必要な資格が獲れなければ、その企業にとっては要らない人になる。
 また、業務報告書や客先への仕事上の書類、さまざまな社内文書を書くことになるが、児童書レベルの語彙では、教養の程度が疑われる。書いた文書で「仕事のできないやつ」と判断される、ごまかしようがないのである。できなければ、できる人へ仕事が回る。仕事がこなせなければボーナスが人より少なくなり、しまいには会社を辞めざるをえなくなる。たかが「読み書きそろばん」、されどその威力は大きい

 さて、まとめておこう。
①2年生後半から3年卒業まで1年半あるが、生徒の学力は家庭学習習慣の育成、学校の先生の教え方の工夫があれば、各教科10点(60点満点)くらいのアップは可能である。
②数学担当の先生は、ケタの多い乗除算や小数や分数の四則演算百題のテストプリントを作成して、新入生が入学してきたら1か月以内にやらせて記録をつけたらどうだろう?そして、70点以下の生徒には週3回、4週程度の計算教科特訓をしてやれば、小学校での積み残しの大半は解消できる。これだけで数学が苦手の生徒の9割(全体の約25%)が救える。残り1割はてまがかかってたいへんだが、根気よくやるしかない。
③良書を選んで、一斉音読指導を週に1度やることを検討してもらいたい。生徒の自主性に任せたら、アウトだ。読む本のレベルが上がらない。スマホが普及して生活時間を奪われているから、本を全く読まない生徒が増え続ける。
④小テストを繰り返し、記憶の定着をしてほしい。この方法で学力テストの平均点が他校よりも15-20点ほどつねに上回っていた理科の先生がいた。

 先生たちは授業ではそんなに忙しくない。半分は空き時間というのが中学校の実態だろう。だが、放課後や土日、部活で時間を大量に奪われているから、一定期間の計算特訓や放課後音読指導に時間を割くのが困難だろう。
 文武両道、学業優先を明確にして、部活の時間を減らし、効率的にやる工夫をしてもらいたい。これは学校長や市教委、そして保護者の協力がなければ乗り越えられない大きな壁である。
 長い時間だらだら部活をやればそれが習慣となり性格になってしまう。短い時間で効果を上げるのが企業人の常識だが、それを部活に持ち込んでもらいたい。長い時間やって地区大会ぐらいで優勝しても意味がない。ピッチャーなら肩やひじを痛めてしまう。バドならひざを痛める。身体が成長期にあるとき、トレーニングのし過ぎは危険をともなっている。骨の伸びに腱や筋肉が追い付かないのが成長期の特徴だから、特定の関節や腱や筋肉に無理をさせてはいけない。米国で週16時間を超えるトレーニングはケガのリスクを大きくするという学術論文があるそうだ。
 スポーツ庁がに部活のガイドラインが出している。
*https://mainichi.jp/articles/20180117/k00/00m/040/068000c
--------------------------------------------
骨子は「運動を週16時間以上するとけがのリスクが高まる」と指摘した米国の臨床スポーツ医学会の提言などスポーツ医科学の研究を踏まえ、中学校の休養日を平日1日以上、土日1日以上の週2日以上と設定。1日の活動時間は長くとも平日2時間、休日3時間程度とし、短時間で効果が得られる活動内容にするよう求めた。

運動部活動ガイドラインの骨子の概要
・休養日は週2日以上で、平日は1日以上、土日で1日以上
・夏休みなど長期休業中は部活動も長期の休養日を設ける

・1日の活動時間は平日2時間、休日3時間程度

・科学的トレーニングを導入し、短期間で効果が得られる活動にする

・スポーツクラブなどと連携し、地域のスポーツ環境整備を進める

・大会の統廃合を進め、学校が参加する大会数の上限を定める 

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 このガイドラインのうち一部は守られているが、守られていない項目もある。市教委や保護者にも周知徹底しておかないと、せっかく作ったガイドラインも有名無実になる。
 言うは易し、行うは難しだ、やるべきことははっきりしている、あとは職務権限を持ち関係している大人たちが自分の仕事の責任をどのように果たすかである。


 データを並べた、七面倒くさい今回のシリーズ記事を最後までお読みいただき、感謝申し上げます。


#3693 中3テスト比較①:3年生学年末テスト Feb. 14, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-14


 #3695 中3テスト比較②:2/2学力テスト編 Feb. 16, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-15-1


 #3699 四月の学力テストの五科目合計平均点予測:史上最低? Feb. 22, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-21-1

 #3700 四月学力テスト平均点推計のための補足データ① Feb. 23, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-22


 #3701 四月学力テスト平均点推計のための補足データ②:7つの表 Feb. 23, 2018
http:
//nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24-1

 
#3702 四月学力テスト平均点推計のためのデータ補足③:解説 Feb. 23, 2018
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2018-02-24


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