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#3532 統合後の根室高校普通科の学力低下を憂う Apr. 22, 2017 [データに基づく教育論議]

 四月に根室西高校と根室高校が統合された。根室高校普通科の生徒たちの学力はどうなっただろう?
 数学の習熟度別振り分けテスト結果から判断してみたい。

クラス別平均点
 Aクラス           72点
 B~Dクラス 41-43点

  問題の難易度はとても低い。合格書類と一緒に渡されたスタディサポートの数学の問題は30ぺージほどあったはずだが、それを一通りやっていたら80点以上取れる代物。一番最後の問題は、高さ24cm、底面の半径10cmの円錐の表面積を求める問題だった。問題集そのまま。


  Aクラスは「特進コース」であるが、それぞれの事情で特進コースを辞退した生徒数人いる。数学のクラス分けは、合宿研修時のテストと入試の点数から振り分けがなされ、次のようになった。

 ガンマ1       20人
 ガンマ2       15人
 ベータ1       40人
 ベータ2       35人
 アルファ1    25人
 アルファ2    20人
    合計       155人

  特進コースのA組がガンマクラス、BCD組はその下に位置づけられている。

 数年前までは普通科全体の平均点が70-75点であった。平均点から判断すると、A組が数年前の普通科全体の学力分布とほぼ同じと言えそうである。ベータ2以下は根室西高の学力レベルと判断して間違いがない。
 根室高校普通科は今年の新入生から数学の教科書を変更した。2年生と3年生は数研出版の教科書で、新1年生は東京書籍「数1 Standard」とその準拠問題集を使用している。教科書会社は学力レベル別に数種類の教科書とそれに対応する問題集を制作しており、今回採用された教科書はわかりやすく編集されている。準拠問題集の難易度レベルは格段に低下した。最初の因数分解の箇所だけチェックしたが、難易度の高い問題は全く載っていない。中3の生徒に「数1 シリウス」をやらせているが、問題の難易度が比較にならない。
 準拠問題集を数回繰り返しても、進研模試の問題のほとんど(80%)が解けないだろう。

 ベータ1クラスの生徒によれば、問題集をもう一冊購入することに決まったらしい。難易度が低すぎるので、学校ではもう少し難易度の高い問題集で補完するようだ。
 学力差が大きいので、同じ教科書や同じ問題集を使うのは無理だと弊ブログで何度も書いてきたが、高校問題検討委員会はそういう学力差を無視して統合後の高校の姿を決めてしまった。具体的なデータに基づかぬ議論は誤りを犯すと警告したが無駄だった。

 中学校の学力テストで、五科目500点満点で400点を超える生徒が市街化地域の3校で十年前には、それぞれ十数人いた。いま、各校では学年に一人のところが増えている。学力トップ層が激減しているのである。学校の授業は高学力層にまるで対応できていない。授業のレベルは低いところに照準を合わせて、高学力層がスポイルされている。この状況は釧路も同じで、釧路湖陵高校の学力が低下している原因の一つと、釧路の学校教育行政が考えている。

 4月13日に中学校で学力テストが行われた。C中学校の数学の平均点は16点だが、前年4月の同じテストは19点だった。これは釧路市内の14中学校の最底辺校の水準である。60点満点で31点以上は59人中5名のみ。普通に勉強していれば学力が低くても30点以上とれるはず。10点以下が59人中23人、20点以下は40人(67.8%)である。B中も61.8%が20点以下である。この学力層の生徒たちは昨年までの根室高校普通科で採用された問題集は消化できないし、授業内容も理解不能であると言わざるを得ない。
 高学力層は60点満点で51点以上だが、C中学校では学年トップのみ、B中学校はゼロという情けない状況だ。60点満点の学力テストで30点以上の生徒の振り分けテストの平均点は80点を超えただろう。

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新高校1年生の生徒たちの中3の時の数学の平均点を、4月学力テスト・総合ABCの順に並べる。
 光洋中学校 23.9⇒19.2⇒18.4⇒17.6
 柏陵中学校 23.1⇒19.7⇒20.6⇒17.7
 啓雲中学校 19   ⇒  16 ⇒ 16 ⇒ 16

 どの中学校もこの数年間の学力低下が著しいが、釧路の14中学校の最低レベルかそれ以下というのが実態である。釧路の平均値ぐらいはクリアしてもらいたい。5年ほど前はそれくらいだったのだから。
-----------------------------------------------------


 同じ教科書でやるのは無理だから、普通科は2クラスか1クラスで十分で、2-3クラスは科を変えるべきだ。統合によって学力差が拡大してしまったので、普通科に準じた科を併設するしかないのである。
 このままでは、根室高校普通科が「学力崩壊」を起こす。教育行政と学校関係者は、根室の子供たちと町の未来のために、学力データに基づいたあるべき姿をもう一度議論すべきだ。

 地元の経済団体は教育問題にもっと発言したほうがいよ。あなたたちが経営する企業の未来に直接かかわる問題だから。

<余談>
 問題なのは数学よりも国語かもしれない。読書習慣のない生徒が増えている、読書習慣があってもアニメのノベライズもの程度の本にとどまっているものが多い。そういう子供たちが高校現代国語に載っている文章を理解すの野は甚だしく困難である。語彙力が貧弱だから、耳で聞いても頭の中で漢字に変換できない。それができなければ、授業は外国語でなされているのと変わらない。数学も英語も世界史も理解科目も授業は日本語でなされている。普通科の1/4は日本語語彙力が著しく劣り、授業内容が理解できないだろう。C中学校社会担当のN先生がやっていたように、語彙解説をしながら授業をせざるを得なくなる。根室高校の先生たちの戸惑いは始まったばかりだ。

#3519 数学の授業時間数を増やせ!:B中学校とC中学校2年生学力テストデータ比較 Mar.8, 2017 [データに基づく教育論議]

<更新情報>
3月8日午前11時15分 <結論>追記

<修理記録>3月10日午後
 内容:11月28日のC中のテストデータは学力テストではなくて2
学期期末テストです、B中はOKです。削除して数字を出しなおして、本文を書き改めます、少しお待ちください。(3/10午後4時半)
 
午後5時、表は修正済み
 午後5時10分、本文数値修正完了

 今回は#3517「授業進捗管理の陥穽」の続編である。B中とC中の1年間の学力テストデータを比較することで見えてくるものがある。たとえば、B中の学力向上策とその成果や「読み・書き・計算」という基礎学力三要素が学力の伸び代に大きく影響するということなど。
 整理したデータをご覧いただこう。


2016年度2年生学力テスト学年平均点の推移
C中2年
科目4月13日8月26日11月9日2月2日sumaverage
国語47.855.453.059.10 215.353.8
社会41.835.740.736.60 154.838.7
数学30.037.930.336.80 135.033.8
理科49.443.945.838.30 177.444.4
英語56.552.550.047.00 206.051.5
五科目計225.5225.4219.8217.80 888.5222.1
B中2年
科目4月13日8月26日11月9日2月2日sumaverage
国語58.2 62.769.90 190.863.6
社会36.4 51.447.30 135.145.0
数学34.8 43.151.30 129.243.1
理科46.5 42.636.90 126.042.0
英語49.1 46.444.90 140.446.8
五科目計225.0 0246.2250.30 721.5240.5
       

 
 B中とC中は国語の平均点に大きな開きがある「読み・書き」の基本三技能のうち2つがB中の生徒のほうが高いと見ていいのだろう。この2技能は数学の文章題の読解にも関係してくるから数学の点数にも年間平均値で見て4.9点9.3差が出ている。「読み・書き」能力が低ければ、「基礎計算」能力も低くなる傾向がると仮定してデータをみるとうなずける。
 B中の数学の点数が、回を追うごとにアップしている。これは年間105時間の割り当てに対して、15時間増やしたことが関係している。そして毎回授業のときに前回の復習を入れるという工夫の相乗効果と見てよい。何より授業時間数増量という「物量」が決定的に大事な要素だということ。1年間でこれだけ学力テストの平均点を上げる先生は珍しい。15年間データを見ているが数学でははじめてみた。4月の学力テストでは、C中が30点、B中が34.8点で差が4.8点だが、2月の学力テストではそれぞれ36.8点、51.3点、差が14.5へと大きく開いた。

 年度末テスト前に確率の章を半分しかやれなかったことはミスだが、点数アップの工夫と努力は評価すべきだ。B中の来年の課題は2月中に教科書を全部終了し、復習を入れることだろう。

 C中の数学の平均点の低迷は、この学年の生徒たちの「読み・書き・計算」能力が低いことや、工夫が足りなかったことが関係しているように見える。「読み・書き・計算」の基本技能に問題のある生徒が多い場合には、授業時間数を増やすというのは効果のある対策である。「特別活動」35時間、「総合学習」70時間から20時間ほど振り替えたら学力下位層の半数を救えるのではないか?
 2月学力テストデータでみると、C中は30点以下が50人中20人(40%)が30点以下である。B中は56人中9人(16.1%)のみ。高校なら30点以下は赤点、高校統廃合で根室高校1校になるから、そういう生徒が全員根室高校へ合格できる。根室高校の数学の授業レベル低下は避けようがない。12年前には1月21日から1年生は授業で数Ⅱを開始していたが、今年の1年生はまだ数Ⅰをやっている。すでにレベル低下は起きており、それがもう一段後退するということ。

 4月と2月の学力テストデータを比較することで、さらにはっきりするものがある。

 4月13日C中対B中比較
科目C中B中
国語47.858.210.4
社会41.836.4-5.4
数学30.034.84.8
理科49.446.5-2.9
英語56.549.1-7.4
五科目計225.5225.0 -0.5
2月2日C中対B中比較
科目C中B中
国語59.10 69.90 10.8
社会36.60 47.30 10.7
数学36.80 51.30 14.5
理科38.30 36.90 -1.4
英語47.00 44.90 -2.1
五科目計217.80 250.30 32.5
<年平均値比較>
科目C中B中
国語53.83 63.60 9.8
社会38.70 45.03 6.3
数学33.75 43.07 9.3
理科44.35 42.00 -2.4
英語51.50 46.80 -4.7
五科目計222.13 240.50 18.4


 
 4月の学力テストでは、B中のほうが平均点の高かったのは国語と数学だけだった。五科目合計点では差が1点未満だ。ところが2月の学力テストではB中のほうが高い科目が3科目に増えた。理科と英語はB中の追い上げがあり、差が縮まっている。数学の差が4.8点から14.5点に拡大した

 年間平均点比較では、国語の差が13.2 9.8点と大きい

 これらの結果から、「読み・書き・計算」の基礎技能の高い方が学力テストの平均点が高くなると共に、点数の伸び代が大きいことが言えそうだ。そして、数学の配当時間数を年間15時間増やすことは、数学の平均点アップに有効だということも言える。
 「読み・書き・計算」能力が低いというのは、国語指導の力量の差が反映していることのほかに、C中の同じ学区の小学校に問題があることを示唆している。根室市教育長は元花咲小学校長のようだから、このデータをみてマネジメント上の責任を感じるのではないか。校長の仕事には権限と責任が伴っている。今度は教育長としてこのデータを生かす政策を立案して実行に移してもらいたい。
 花咲小学校は道東では歴史が一番古い、わたしの母校でもある。当時は1学年6クラス360人、全校生徒数は約2000人。ここ数年新入生が30人前後のようだ。このような規模の学校では、校長は職員室に机を置いてマネジメントするのが当然だ。「校長室」は「応接室」に変えたらよい。

< 学力上位層の枯渇現象 >
 どちらの学校も五科目合計点で450点超の生徒は一人しかいない。400-450点の階層がゼロである。五科目合計点が400点というのは高学力層には入らない。高校で受ける進研模試で偏差値48相当である。
 どちらの中学校も学力上位層の枯渇現象が起きている

< 結論 >
 データを並べて論じて最後に気がついたが、B中学校は年度当初から学力向上戦略があったと考えられる。初任2年目の教科担当だけで数学の年間配当時間数を15時間も増やせるわけがないから、教頭や校長が一緒になって取り組んだのだろう。
 B中もC中も教頭は数学を教えていた先生、数学の学力向上に取り組むには好都合だ。来年これら2校がどのような学力向上戦略を立案しどれほどの成果を挙げるか注目したい。
 同じ学区の小学校に変化が現れるだろうか?「読み・書き・計算」能力が低いままだと、中学校の先生たちがたいへんだ。国語と算数の時間数増量を含めて具体的な取り組みを望む。


*#3617 授業進捗管理の陥穽 Mar. 4, 2017
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-03-04


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#3508 中学数学授業の進捗管理について Feb. 18, 2017 [データに基づく教育論議]

 中2の生徒に訊いてみた。
T:「第6章確率」に入ったか?
S:まだ「5章三角形と四角形」をやってます。確率は期末テストの範囲に入らないと説明がありました。

 C中学校である。B中学校の生徒にも同じ質問をしたが、まだ確率の章に入っていなかった。A中学校は不明である。

 最後の章である「第6章確率」は2月になって時間数が残り少なくなり、すっ飛ばしされるのが常態にみえる。4月になってからやった学校もあった。
 高校生になってから副作用が出る。高1の数Aで確率を学ぶが、ほとんどの生徒が苦手の分野である。中学校で時間数が足りなくなり、数時間でやったことにしてしまい、理解が浅くわけがわからぬまま通過してしまうからだろう。
 本来なら、2月中旬には教科書の全部の章をやり終わって、復習にはいっているはず。復習せずに新学期に突入したら、四月のお迎えテストの平均点がいいはずがない。

 できれば発展学習でパーミュテーション記号のnPrやコンビネーション記号のnCrを利用した計算法も説明して理解を深めてもらいたい。樹形図と記号による計算を並べて見せてあげたら、理解はずっと深いものになる。

 民間企業で仕事のスケジュールを、続けて2年間守れなければ、賞与の査定は下がるし、昇給にも差し障る。なにより客が離れていくので、そういう社員には叱責が飛ぶし、何度言ってもスケジュール管理ができなければクビにせざるをえない。会社の存続が危うくなるからである。
 学校というのは一般社会とはまったく違う基準と常識で動いているようだ。学校には教頭職と校長職の管理職がいるが、実情から推察すると授業の進捗管理はなかなか難しいようだ。民間企業人から見ると不思議だ。

 最近、授業参観があったようだが、あいかわらず保護者はほとんど来ていないそうだ。子どもが中学生のときに東京郊外の学校で授業参観したが1クラスに20人以上保護者がいた。入りきれなくて廊下から眺めている人もいた。根室は1クラス数人だけだそうだ。異常に見える根室の保護者たちの教育への関心の低さも、こういうルーズな授業進捗管理がはびこる遠因に挙げられる。学校の授業がどういう状態でもクレームを言う保護者はほとんどいない。もちろん塾の先生も。
 自分のふるさと、そして自分の子どもが通う学校をよくしようと思ったら、授業参観はすべきだし、参観のあとでなされる保護者会でも忌憚のない発言をした方がよい。

 授業があまりに騒がしいのでびっくりする保護者がすくなくない。学級崩壊状態を目撃して心配している保護者がいても、学校にはものを言わないケースが多い。揉め事は誰でも嫌なものだし、何か言うことで自分の子どもが不利益を受けることも嫌だ。世のため人のためと思っても、なかなか言いにくいというのが実情ではないだろうか。
 わたしもこのごろはあまりこうしたことを書かなくなっています。何度も何度も書いたので、あきれています。道教委は授業の進捗管理がルーズなことが学力を下げている実情を心配して全道の中学校へ通達を出したことがありますが、笛吹けど根室市教委は踊らず。やはり嫌なんですね、学校の先生たちへモノを言うのが。
 それぞれの人が、自分の仕事をきちんとやれば、子どもたちの学力は大きく上昇します。

 中3なら学力テスト平均点が120点以下(五科目300点満点)、中1と中2なら230点以下(五科目500点満点)の学年には学級崩壊状態があると判断しておおよそ当たっている。時々先生の説明が聞こえなくなるだけで、3年生なら平均点が20-30点下がり、1・2年生なら50点以上も下がる。
 釧路の14中学校で学力テスト総合B(10月実施)で五科目平均点が120点以下なのは鳥取西中学校の116.8点のみ。13位の共栄中学校は127点です。

 根室の市街化地域の3校は、
        総合A 総合B 総合C 模試1 模試2
 A中学校 127.6 130.2点
 B中学校 118.2 129.8 116.0
 C中学校 112   119  109  108  120点

 3校とも釧路の中学校の底辺レベルの平均点です。
 教育こそが町づくりの礎(いしずえ)、ふるさとの町をよくするには教育からではありませんか?

*学力テスト総合B 釧路の中学校の五科目平均点
http://www.kitamon.com/cpek/datas/1609a.shtml


〈 余談:英語授業の進捗管理 〉 2月20日夜10時10分追記
 中2の英語教科書の中の「Program 8」を飛ばした先生がいる。理由は新たな文法事項が出てこないからという。冬休みの宿題にして生徒の自主学習に任せて飛ばした。そして最後の章の「Program 12」はやるつもりがないようだ。もちろん年度末テスト範囲にも入っていない。p116~119まで「Extnsive Reading」があるが、これもやるつもりがない。
 その学校では1年生も「Program 10」までが学年末テスト範囲である。「program 11」はテストが終わってからやるつもりだろうか?
  「Program 8」を飛ばしたことを学校管理職が知らないのは現在の仕組み上仕方がないのでしょうが、学年末テストの範囲表はすでに生徒に配られているので、それを利用して授業の進捗チェックをするのが当たり前のはずですが、外側から見る限りなされていません。なぜやらないのでしょう?学校管理職と教科担当の先生たちが仲良く楽しくやるためですか?
 社会科のある先生のようにちゃんとしている教科もあることは書いておきます。

 2年前の11月に釧路で開かれた教育に関する全国シンポジウムの際に西日本から参加した先生たちと酒を飲みながら歓談する機会があった。何人かに聞いたが、1月末で教科書を全部終了して2月は1年間の既習事項の復習に充てるのがスタンダードだと言っていた。
 どうやら根室は、年度末テストの前までに教科書は全部やらずともかまわないと理解している先生が多いようだ。教頭も校長もチェックしている気配がない。だから毎年同じことが繰り返される。
 考え違いをしているのは担当教員だけではなく、学校管理職もそういう人が多いのだろうか?
 根室スタンダードは日本のスタンダードとかけ離れている、学力向上のためにはこういうところから改める必要がある。


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<進捗状況> 2/26追記
 そのごだいぶ急いだようで、数学は教科書を終了する学年が増えました。英語はプログラム8をはしょった学年がありました。一部の学校学年を除いて、付録のリーダーはやっていません。ちゃんとやるべきです。それでなくても教科書の分量が少なく長文読解問題が苦手の生徒が多いのですから。


#3495 根室高校出願状況 Jan. 27, 2017 [データに基づく教育論議]

 道教委から道立高校の出願状況が公表になった。

 根室高校
         出願数  定員
  普通科    161 (160)
  商業科     35    (40)
  事務情報科 25    (40)
       合計   221  (240)

 普通科が1名定員オーバーなだけ、商業化は5名、事務情報科は15名の定員割れ。
  札幌の私立高校受験者が根室高校も滑り止めに出願するから、実際には普通科も数名定員割れすることになる。

 まったく勉強をする気のない生徒も根室高校へ入学できることになる。そういう生徒は授業を聴く気もないから、授業中の私語が私語が増えて、授業崩壊の頻度を大きくする。まじめに勉強をするつもりで高校進学する生徒たちにとっては迷惑である。
 たびたび弊ブログで述べてきたが、五科目合計点で3割・90点以下は不合格とすべきとわたしは思う。この点数に満たなくてなお高校に入学したい生徒は1年間自宅で勉強してから再受験させるべきだ。
 
*道教委 根室管内出願状況
http://www.dokyoi.pref.hokkaido.lg.jp/hk/kki/h29tousyonemuro.pdf

<余談>
 昨日中3の生徒が一人来た。学年末テストの数学の点数が3年間で最高点、五科目合計点も最高点だったと大喜びしていた。
 サッカー部に入っていて、文武両道はそっちのけ、昨年10月ころにフットサルの練習があるので、週に1日だけ来たいというので、統合される根室高校はほぼ全入になるので実質無試験、文武両道ができないなら、来なくてよいと言い渡した。勉強で困ったときには助けてやるから、そのときに来いと伝えてあった。11月半ばに「数学がやばい」と駆け込んできた。前とは違って一生懸命に勉強するようになっていた。
 この出願状況を見たら、せっかく勉強に熱が入り始めたのにさめてしまいそうだ。(苦笑)


*#3460 根室高校入試倍率はどうなる? Nov. 19,2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-11-19-1




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#3492 基礎計算トレーニング開始:C中学校 Jan. 18, 2017 [データに基づく教育論議]

 C中学校の理科と数学の先生が相談して、基礎計算トレーニング補習を始めた。
  理科の計算問題には、小数や分数が混じる計算が多いが、分数計算や小数の乗除算の位取りが怪しい生徒が少なくない。基礎計算力が脆弱では理科の計算問題をいくら教えてもできるはずがない。分数や小数の基礎計算力がアップできれば理科の計算問題の正解が増える。
 10問中、8問正解できれば合格だそうだ。
 授業前の朝やっているのか放課後やっているのか確認していないが、生徒が教えあえるし、たった10問だから短時間でできる、いい取り組みだと思う。

 そこで、わたしも2題問題をつくり、その日に来た7人の中学生にやらせてみた。
 作成した2題の問題は分数の乗除算と小数乗除算の位取りを理解していれば小6年生でも正解できる簡単なもの、それでも市街化地域の中学校でこの2題の問題で両方正解できるのは2~3割程度だろう。それほどお寒い数学の学力の現実がある。放置しておいたら、根室高校ではこういう基礎計算はいままで教えたことがないので、赤点でもお目こぼしで高校を「形式卒業」させることになる。自分の担当する科目で、生徒が落第あるいは退学するのは大きな心の負担になるから、進級・卒業させてしまうのが常だ。
 しかし、こんな簡単な計算もできないまま高校を卒業してどういう社会人になるのだろう?高校を卒業した時点で就職がおぼつかないから、専門学校へ「進学」することになる。企業では専門学校の成績証明はあてにならないので、高校の成績証明書提出を義務付けているところが増えている。
 職業選択の幅が極端に狭く、きつい人生がまっていることはまちがいない。

 ①1/2÷0.3-0.3÷1/2
 ②2÷0.1-0.3×0.2

 ①は小数を分数に直してから計算すればよいだけ。割り算は除数を逆数にすれば掛け算になる。②は小数位取りの問題だ。2を0.1で割ると、10倍になる。0.3と0.2を掛けると0.06になるが、この計算で躓く生徒が多い。20-0.06も、苦手な生徒が多い。ゼロがいくつも入ると引き算をミスする者が多くなる。小学校2年生の範囲の計算があやしい。[100-15]はできても、[1000-15]やさらにゼロを増やして[10000-15]になると計算を間違える生徒が増える。小学校での計算トレーニングが十分でないからだ。
 3桁×3桁の乗算を加えてもらいたい。小学校でやっていないので、できない生徒が3割くらいいるかもしれない。桁数が増えてもやり方は同じなのだが、違うものに見えてできない生徒がいる。桁数が増えることで計算が複雑になり正解できない者も増える。やったことがなければ、不器用な生徒は案外できない。

 7人の中学生にやらせて、できなかったのは一人だけ、あとの6人は2題とも正解。
 ミスしたのは中3の生徒だが、学力テストの数学の得点は30点前後だから、平均の16点よりはずっとよい。ミスはしたが、すぐにやり方を習得したから、問題なしだ。
 7人中、数学の成績が現在5あるいは5だったことのある者が4人いる。基礎計算力に瑕(きず)があれば5は取れない。
 

 平均点の2倍近くの得点の生徒ですら2題正解はきついのが実情。だから、学校でこの問題を生徒全員にやらせたら、2題正解できるのはC中学校では2割程度だろう。
 7割の生徒が、分数と少数の混合算が不得意だが、何度か計算練習を繰り返せば、7割の生徒はマスターできる。7割の内の7割だから、およそ全体の半分が何度か補習を繰り返すことで、基礎計算力をアップできる。
 願わくば10問全部が正解できるまでやらせてもらいたい。簡単な基礎計算だから、10問全問正解で当たり前。市街化地域の3中学校全部がこういう取り組みをやったら、根室高校の授業のレベル低下を防ぐ効果があるだろう。

  高校数学には分数計算が頻出する。確率、ベクトル、数列、積分など、分数計算を素早く精確にやらなければいけない。高校数学では基礎計算力が問われる。


 C中学校の学力テスト総合Cの数学の得点階層別度数分布表が#3485に載っている。60点満点のテストで、52人中33人が20点以下である。簡単な文章題と計算問題で35点ほどあるから、6割の生徒が基礎計算能力に問題を抱えているとみなしてよい。


*#3485 数学の学力別クラス編成は機能しているか? Dec. 20, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19

 #3484 学校別学力テストデータ比較分析 Dec. 19, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-18

 #3483 学力テスト教科別分析 Dec. 18, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17-1

 #3482 問題消化スピードの差の現実 Dec. 17, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

 #3477 負の相乗効果と学習権の侵害 Dec.9, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09

 #3476 学力崩壊危惧ラインは学力テスト平均点でどの辺りか?
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-06


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#3487 宿題と仕事の責任 Dec. 22, 2016 [データに基づく教育論議]

1. < 宿題と仕事の責任 >
2. < 根室の中学生の数学の学力 >
3. < 変わった教え方 >

  < 余談-1:配慮の足りない教え方の事例 >
   < 余談-2:投稿欄から紹介 >
  < 余談-3:本の紹介>
**********************************

 雪が降っています。真夜中0時で積雪16cmです。北風に乗って雪が流れています。気温は-0.2度、北東の風10.4m/sです。明日午後7時まで吹雪くようですから、積雪量は40cmくらいかもしれません。湿って重い雪です。

1. < 宿題と仕事の責任 >
 根室市内の中学校と高校は21日が終業式で、今日から冬休みに入りました。
 数学の宿題プリントが中高ともに渡されています。高校生は量が少ない、自分で自主的にやるのが当たり前だから、当然です。
 中学生はそこそこ量がありました。宿題を出さないと勉強しないと思っているようですね。そういう生徒が多いことは事実です。宿題がないと、スマホでユーチューブの音楽を聴いたり、ゲームをしたり、ラインをやったり、ツィッターでつぶやいたり、デジタル作画ソフトでお絵かきしたりといくらでも時間がつぶせます。そうはさせじと宿題を出すのでしょう。
 でも、いつまでも宿題を出すと、いつまでたっても自らやるようにはなりません。子どもから大人への成長は、宿題を出されなくても自ら計画を立てて勉強できるようになることも含まれていませんか?そういう機会がほとんどの中学生にないとしたら、深刻な問題ですね。スマホの普及で大人にならないまま、高校を卒業する若者が激増しています。中高の時代にやらなければならないことをすっ飛ばして、スマホに振り回される中高生が増えているのです。

 ある中学校の3年生の数学の宿題を見ました。プリントはA問題とB問題に分かれており、A問題プリントには解答がついていましたがB問題には解答がついていませんでした。
 6割を超える生徒が60点満点の学力テストで20点以下ですから、B問題が文章題だったら、独力で半分やれる生徒は10%を切ります。
 わたしはこういう宿題の出し方が理解できません。生徒の6割が1/3しか正答できなければ、休みを返上して教えるのが仕事の責任と考えるからです。
 おおよそ1/3は分数や少数の四則演算ができないことはテストの採点からわかっているはずですが、どうして冬休みを利用して教えてやらないのでしょう?
 生徒は冬休みでも、教員は休みではなく、毎日出勤しているはずですから、手間を惜しまなければいくらでも冬休みの間の補習は可能です。

 3年生の担任をしている先生は、5教科の教材を作って冬季補習を生徒に宣言しています。EXCELで作成した社会科のプリントがなかなか優れものでした。冬休み明けの学力アップに寄与するでしょう。3年生は学年末試験と模試が冬休み明けに立て続けにあります。
 2年生の理科の先生は、理科の計算問題ができない生徒たちに「算数クリニック」を予定しているようです。それが冬休みに実施されるのか、冬休みが終わってから実施されるのかは知りませんが、意欲的ですね。仕事に対する責任感と情熱がひしひしと伝わってきます。
 小数の分数計算トレーニングをやらなければ、理科の計算問題を授業で教えても、生徒たちの大半がそれを理解できないし、立式ができても、6割の生徒が計算できないか計算でまごつく姿を見たからでしょう。
 こういう現実を踏まえた対応は生徒も保護者も地域住民の皆さんも地元企業の経営者たちも歓迎するでしょう。根室の未来は子どもたちの教育にかかっています。

2. < 根室の中学生の数学の学力 >
 釧路市と釧路町の14中学校の学力テスト総合Bの科目別平均点一覧表が公表されています。14校で数学の点数が一番低かったのは、鳥取西中と景雲中でした。平均点は19.7点です。あとは20点以上です。URLを書いておくのでクリックしてご覧ください。
 わが町の中学校の学力テスト総合Bの数学の平均点は、啓雲中が16点、柏陵中が20.6点でした。光洋中学校の平均点は知りません。根室は釧路市の中学校の最底辺と同じレベルで、じつに厳しい結果です。有効な手立てを講じて、自分が教えている生徒たちの学力をアップして、平均点を上げましょう。
 
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  釧路市と釧路町の中学校14校の学力テスト総合Bの集計が出ています。平均点が20点以下の学校は鳥取西中学校と景雲中学校の2校(19.7点)のみです。あとの12校は20点を超えています。数学に関しては根室市内の3中学校は釧路の最底辺の学校並(B中)かそれよりもさらに低いことがわかります。学力テストの平均点は数学を担当している先生たちの勤務評定とも言われています。
(12/21 追記)
*釧路教育活性化会議
http://www.kitamon.com/cpek/datas/1610b.shtml
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3. < 変わった教え方 >
 数学の素因数分解の指導の仕方で、変わったやり方で指導している例があります。108の素因数分解で説明してみます。
              3
        
×
 108⇒6⇒2
      ×   
    18⇒2
             ×
       9⇒3
         × 
          3

  108=3×2×2×3×3=2^2×3^3

 元の数字を2項の積に分解します、次々に2項の積に分解していくと最後は素数の積になります。「さくらんぼ方式」と称しています。
  二つに分解するところがひとつの枝から分かれて二つ並んださくらんぼに似ているのでそういう名前がついたのでしょう。どなたの作かわかりませんが、面白いやりかたであることは認めます。
 たぶんこんな教え方(変法)をするのは、中高時代に数学が苦手だった人でしょう。こういう指導をする先生は他にも基本を外した指導を無意識にしています。これはいくつか気になったもののひとつ*(<余談-1>で取り上げます)です。

 「普通の教え方」を紹介します。

  2)108
    2) 54
    3) 27
    3) 9
        3

  108=2^2×3^3

 素数の小さいもので順に割っていくのが普通のやり方です。2、3、5、7、11、13、17、・・・、と素数を小さい順から割り算の除数に使っていきます。割り算を機械的に繰り返すことで、素因数が小さい順にちゃんと並びます。このように方法にはそれなりに意味があります。整理整頓されていて気持ちがいいでしょ?
 二つ方法があったら、シンプルで美しい方が断然いいのです。これが数学の価値観です。さまざまな問題を解くことや指導を通して、そういう(シンプルで美しいものが善い)ことを学ぶのが数学という学問です。

 生徒が「さくらんぼ方式」という変法に慣れてしまえば、治すのがたいへんです。癖がついてしまって標準方式が覚えられない生徒が続出します。並びも小汚いし美しくありません。
 中学校では基本に忠実に教えるべきです。そして繰り返しやらせて、基本技をしっかり身につけるべきです。そうすると高校数学に自然につながります。

 高校数学でも素因数分解は出てきますが、もちろん高校の先生は「さくらんぼ方式」で板書はしません。中高の数学指導の継続性ということを考慮に入れて仕事しましょう



< 余談-1:配慮の足りない教え方の事例 >
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*たとえば、この先生は乗法公式の1番目

[(a+b)^2=a^2+2ab+b^2]

を「2乗、2倍、2乗」と教えていますが、生徒たちが混乱を起こすもとになっています。生徒たちは第1項を2倍してしまいます。「(x+2)^2」という問題のときに真ん中の項を「2x」としてしまう生徒が続出します。ただ「2倍」では何を2倍するのかあいまいです。ですが、展開式の真ん中の項(第2項)は第1項の2倍と理解してもこの式なら整合性があります。だから、そういう誤解を防ぐために、わたしは真ん中の項を「中身を掛けて2倍」と教えています。
 あいまいな教え方をすると、生徒の64%が学力テストで20点以下ですから、少なからぬ生徒が誤解してしまいます。こういうことが学年全体の平均点を下げる原因のひとつになります。学校というシステムのまずいところは、こういう教え方をしていてもチェックがなされないということ。学校管理職はノータッチ。市教委には指導主事がいますが、こういうことにはまったく機能していません。無理なんでしょうね。ここには授業の品質管理は誰がするのかという根本的な問題があります
 話を元に戻しますが、なぜ「中身を掛けて2倍」なのかも、数字をいくつか入れ替えて解説しておけば、意味と一緒に憶えてくれます。こういう大事なところを手抜きしてはいけません。何が大事(エッセンシャル)で何がどうでもよい(トリビアルな)ことなのか見分けがつかないのだと思います。教員には担当教科に関わる専門知識と幅の広い教養が必要です。現役の間は研鑽を積みましょう。
 去年よりは今年、今年よりは来年、教える側も少しずつ成長すればいいのですから、それがプロフェッショナルだとわたしは思います。
(生徒に影響が出ているので精進の速度をもっとアップすべきです。管理職に「報連相」してみるのもいいかもしれません。ここまでブログで書かなければならないのは、学校管理職のマネジメントにも小さくはない問題があるからです。そんなにむずかしいですか?目配りがたりません。)
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********************************
 さて、明日は雪掻きに精を出します。雪はやまないようですが、午前中に1回、午後またやります。
 中高生の皆さん、親に言われなくても、雪掻きを手伝いましょう。
 (積雪は24cmでした、ebisuはゆっくり2時間かけて除雪しました)
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*#3485 数学の学力別クラス編成は機能しているか? Dec. 20, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19

 #3480 宿題:「隠れたカリキュラム」  Dec. 15, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14

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  < 余談-2:投稿欄から紹介 >
 ハンドルネーム amandaさんは女子大数学科を卒業した方です。大学へ入学してから数学は苦手でしたと言ってますが、数学科の履修単位には数学の諸分野がひろく含まれています。「数学の教養」という点で、ebisuは敬意を表したいと思います。なお、引用は抜粋です。
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素因数分解=自然数を素数の積の形にあらわすこと
(2以上の自然数はすべて素数の積で表せる)
なので、一番小さい素数(一番簡単な2)から割り算を試していくのは自然な流れだと思っていましたが、その部分すっぽり抜けてたのかな?

by amanda (2016-12-23 15:42) 
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< 余談-3:本の紹介>
 人間の知的活動の土台は国語と数学です。この本を読めば素数(数論)に興味がわきます。受験数学なんて実に狭い世界なんです。そこから広い数学の世界へ羽ばたくために中高生に読んでもらいたい本です。この本が数字に秘められた神秘の世界へ通じる扉の役割を果たしてくれるでしょう。
 数論の専門書を読むのはたいへんです。高校数学が得意ぐらいではとても歯が立たない分野です。この辺りから数学のセンスが必要になります。
 『フェルマーの最終定理』も数論の面白い本ですが、こちらは門外漢でも楽しめます。
  フェルマーの最終定理とは、3以上の自然数について、次の方程式の解が存在しないというものです。

   x^n+y^n=z^n

 シンプル極まりない方程式でしょう。
  「n=2」のときは三平方の定理でおなじみです。「5^2=3^2+4^2」、「13^2=5^2+12^2」がすぐに思い浮かぶでしょう。ところが「n=3」になったとたんに見つからなくなります。見つからないのは「n=3」だけなのか、nが特別な数の場合に解のあるケースがひとつくらいあるのではないか。

  この単純な方程式に解があるのかないのかということを証明するのに360年かかっています。栄誉を手にしたのはアンドリュー・ワイルズという数学者です。
 この本を読んだ塾生はいままで一人だけ。中学生のときに学力テストで英語と数学の両方同時に満点の生徒でした。高校1年生の11月に日商簿記2級(全商簿記1級相当)に合格しています(簿記は特殊数学です)。できのよい生徒でした。去年大学を卒業したはずです。

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

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  • 作者: 藤原 正彦・小川洋子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/04/06
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#3485 数学の学力別クラス編成は機能しているか? Dec. 20, 2016 [データに基づく教育論議]

 根室の市街化地域の3中学校では、数学の授業が学力別クラス編成になっています。どの学校も上下の二つになっており、「発展クラス」「標準クラス」「基礎クラス」など、呼称は学校によって異なっているようです。
 #3484で3校の学力テスト総合Cの数学の平均点を見ましたが、60点満点のテストで16点から17.7点の間に収まっています。3校ともに数学の点数が低いのです。
 根室高校普通科は、学力の高いほうから順に、ガンマー、ベーター1、ベーター2、アルファの4段階の学力別クラス編成をとっています。中学校で40-60点の上位層がほとんど涸渇しかかっており、ガンマークラスの学力劣化が激しい。10年前には1月20日に数1Aを終了し、21日から数Ⅱをやっていたが、何年前からか忘れましたが、2月末までかかるようになりました。当然のことですが、根室高校生の数学の学力も低下傾向がとまりません。来年3月の入試から、根室には高校が1校ですから、定員割れ、実質全入です。根室高校へ入学したい学力下位層は、12月ころから必死に勉強する生徒が少なくありませんでしたが、それも台風シーズンが過ぎ去ったかのようになくなりました。

 中学校の授業参観3校計8回を見た限りでは、上下のクラスで授業内容には差がありません。どの学校でも、どのクラスでも教科書の基本例題を丁寧に教えており、まるで芸がないのです。
 授業の焦点はどこに当たっているのかというと、60点満点の学力テストだと、おおむね20-39点の真ん中のゾーンかそれ以下。先生たちは生徒の2/3くらいに焦点を当てた授業をしているつもりでしょうが大外れ、実際には30%の生徒にしかフィットしていません。これでは生徒たちの学力が上がらないのは当たり前です。
 論より証拠、11月9日に行われた学力テスト総合Cの得点階層別度数分布表をご覧下さい。

総合C 数学
階級 A校  % C校   %A+C  %
41-6056.611.964.7
21-402228.91834.64031.3
0-204964.53363.58264.1
合計76100.052100.0128100.0
平均点17.6 16 17.0  


 市街化地域のA校とC校の得点階層別度数分布を合計で見ると、「41-60点」の上位層が4.7%、「21-40点」の中位層が31.3%、「0-20点」の下位層が64.1%となっています。
 先生たちが焦点を当てているのは、中位層の31.3%だから、下位層の64.1%は勉強になっていません。上位層の6人、4.7%は基本例題のスローな解説に退屈しきっています。
 肝心の中位層の40人の学力が上がらないのはどういうわけでしょう?C校は学力テスト総合ABCで平均点が16点のまま動いていません。B校のデータの推移は「19.7⇒20.6⇒17.7」ですから、低下しているように見えます。どの学校も現実の授業は中位層の学力を上げる効果すらありません。

 10年前に比べて教員の学力が低下しているように見えます。具体的な事例があるから、こんなことをいうのですが、事例を挙げると差し障りがあるので書きません。たまたま異動の偶然でそういう配置になったのか、全体に教員の学力低下が起きているのかは、本稿のテーマではなく、国立の研究機関や北海道教育局が調査すべき仕事です。
 もちろん、生徒たちの基礎計算力や語彙力を含めた国語力の劣化の問題、そして小学校における授業崩壊も見過ごすことができません。

 小学校の先生たちは、生徒を中学校に送り出してしまえばそれで仕事が終わったと考えているのではないでしょうか。小学校の先生たちがやりそこなった基礎学力の欠損が中学校へ大きな問題として引き渡されてしまっています。そしてほとんどがそのまま高校生になります。
 小学校から中学校へそして高校へと「読み・書き・計算」の基礎的技能の欠落が引き渡されるだけで、有効な対策がなされていないことが大きな問題です。
 それでも一部の先生たちの放課後補習の努力は認めたい、効果はまだ小さいが慥(たし)かに出ています。やっている内にやり方の改善や工夫がなされるでしょうから、長い眼で見たらこういう努力が大きな果実を生みます。データを分析して効果の高い補習のやり方を工夫してもらいたい。

 下位層は、分数や小数の計算がままなりません。逆九九がすらすらすら言える生徒は下位層の三人に一人。そういう生徒に、学習指導要領に定められた項目をそのまま授業しても理解できるはずがありません。分数や小数が計算に出てくるたびにお手上げとなっています。逆九九がすらすら言えない生徒は割り算が極端に苦手です。そこからやらなきゃいけない生徒は下位層の三人に一人くらいの割合でいます。

 基礎計算能力に瑕疵があると他の教科に影響してしまいます。たとえば、理科の分野には計算を伴うものがあります。電気回路、地震波、雷(光の速度と音の速度)、化学反応で生成される物質の質量計算、ジュールやワット、高度と気温の変化などが例に挙げられます。こういう分野は女子が苦手で、男子も苦手な生徒が少なくありません。集中的にこれらの分野を授業や放課後補習でやろうとしても、リーディング・スキルが低すぎて文章を読む前にあきらめる者や、基礎計算能力に欠陥があって計算に移った途端に投げ出す者が続出します。理科担当の先生、お手上げ状態でしょうが、あきらめないでください。
 このように小学校で基礎計算トレーニングをおろそかにしてきた生徒たちは、数学で落ちこぼれるだけでなく、理科でも計算が出てくる分野で落ちこぼれます。
 社会・地理にも時差の計算に数学が現れる。地球一周で24時間だから、360度/24時間で15(度/時間)はすぐに計算できます。あとは地球の自転方向と経度の差を計算すれば、簡単に時差や現在時刻を計算できます。基礎計算能力がしっかりしている者たちは難なくこれらの分野をクリアしていきますが、基礎計算に劣る生徒たち(64.1%)はここで確実に躓きます。基礎計算能力に問題のある生徒に時差の計算原理を理解させるのはなかなか困難で、とっても手間がかかります。方向が逆になれば、足し算は引き算となるのですが、それも複雑さの一因です。

 半数以上の生徒たちが、小数や分数計算そして割り算が苦手だからそれらの計算トレーニングをすることからはじめなければなりません。ところが、生真面目な先生たちは目の前にいる生徒たちを見ずに、中学校の学習指導要領に忠実な授業をやっているので、小学校で落ちこぼれた64%の生徒たちが中学校の授業で救われることはほとんどありません。ちっともわからない授業を6割の生徒が我慢して聞いているのだから、辛抱できずに私語をする生徒が数人現れるのはちっとも不思議ではありません。一人が私語すると連鎖反応が起きます。そして授業はどきどき聞こえなくなります。前後の脈絡がつかなければ、内容の理解できません。時々聞こえなくなる授業でも内容を理解できるのは予習している生徒だけですが、予習方式で勉強している生徒は5%程度しかいません。クラスに1-2人です。だから、数人が私語するだけで、クラス全体の学力が顕著に下がってしまいます百点満点で10点くらい平均点が下がります。五科目全部だと50点も下がってしまうのです。実際にいま各学校で起きている現象です
 五科目合計点で230点(500点満点)を切れば授業崩壊があるとみなしてほぼ間違いありません。250点辺りがボーダーラインであることは「#3476 学力崩壊危惧ラインは学力テスト平均点でどの辺りか?」や「#3477 負の相乗効果と学習権の侵害 Dec.9, 2016」で詳述しました。

 64%の下位層は自力では勉強できませんから、教師が救うしかないのですが、学校の数学担当の先生たちはそういう半数を超える学力弱者の生徒たちに適切な救済の手を差し伸べていません。

 学力別クラス編成で基礎クラスに必要なのは、割り算や小数や分数計算を速く正確にできるようにトレーニングすることです。
 中学校へ入学してきたときに、学力テスト数学の点数が50点以下の生徒たちには、「5桁÷2桁」と「5桁÷3桁」の割り算20題(各5題ずつ割り切れるもの10題と割り切れないもの10題)、3桁同士の掛け算5題、小数の乗除算20題、分数の加減乗除算40題、小数と分数の混合算15題、合計100題を1時間でやらせてみたらいい、惨憺たる結果がでます。

 基礎計算能力に劣る生徒は中学入学後2ヶ月間部活停止をして、放課後補習で徹底的に計算練習させましょう。苦手な分野の計算を選んで毎日200題くらいやらせたら、半数くらいの生徒たちは基礎計算能力がしっかりします。
 全分野の混ざった問題百問を30分以内に9割正答した生徒から、順次部活に参加させたらいかがでしょう。時間がちょっと厳しいかもしれないから、やらせて問題数と時間を調整してください。高校数学はそれくらいの計算力のあることが理想です。
 計算速度の差は1時間辺りの学習量に大きな影響があります。速度が標準の3倍の生徒は、1/6の生徒に比べて、1時間当たり18倍の勉強をしていることになります。1クラスの中には上位3人と下位3人を比べたら10倍~20倍もの速度差のあることが普通です。#3482で詳しい解説をしたので、そちらをお読みください。

 適当な市販計算問題集があるでしょうか?先生たちの計算問題作りがたいへんかもしれませんね。3中学校の数学担当教師が集まって、作業分担すれば作業が軽減できます。一度つくってしまえば、毎年使い回しできる。問題の原本に分類番号と制作年月日を入れて、学校間で交換して原本を保存し、学校の資産として引き継いだらどうでしょう。

 学力テスト総合Cの数学で20点以下の得点層は全体の64.1%を占めていますが、その生徒たちに適切な授業や放課後補習体制がとられることを願っています。
 そして涸渇化している成績上位層に配慮した授業がなされることも望みます。先生たちの学力アップと指導力アップなしには実現しえない目標です。生徒の学力劣化と先生たちの指導力劣化いう負のスパイラルを断ち切ってもらいたい。
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  釧路市と釧路町の中学校14校の学力テスト総合Bの集計が出ています。平均点が20点以下の学校は鳥取西中学校と景雲中学校の2校(19.7点)のみです。あとの12校は20点を超えています。数学に関しては根室市内の3中学校は釧路の最底辺の学校並(B中)かそれよりもさらに低いことがわかります。学力テストの平均点は数学を担当している先生たちの勤務評定値です。
(12/21 追記)
*釧路教育活性化会議
http://www.kitamon.com/cpek/datas/1610b.shtml
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 先に行われたプーチンロシア大統領と安部総理の会談は、ロシア側の大勝利に終わりました。領土が戻ってきたら米軍基地を置く可能性があるという総理側近の発言があり、オウンゴールの様相を呈しています。政府予算に依存している領土返還運動関係者たちの歯切れが相変わらず悪いのは残念なことです。
 その後の根室の経済人の発言を見ていると、北方四島の利権がほしいだけの浅ましい発言が北海道新聞根室地域版に載っていました。
 このような体たらくですから、さまざまな経済団体や北方領土返還運動団体をリードしている根室の大人たちに希望はもてません。

 子どもたちが健全な心を育て、学力を身につけて根室の未来を担うようになってもらいたい。そのために小中学校の先生たちには果たすべき大きな役割があります。真正面から取り組むときつい仕事ですが、頑張り抜いて子どもたちに背中で手本を示して下さい。

*ブログ「情熱空間」より
指導する側の学力が低すぎる件」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8687883.html#comments


*#3484 学校別学力テストデータ比較分析 Dec. 19, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-18

 #3483 学力テスト教科別分析 Dec. 18, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17-1

 #3482 問題消化スピードの差の現実 Dec. 17, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

 #3477 負の相乗効果と学習権の侵害 Dec.9, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-09

 #3476 学力崩壊危惧ラインは学力テスト平均点でどの辺りか?
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-06


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#3484 学校別学力テストデータ比較分析 Dec. 19, 2016  [データに基づく教育論議]

<更新情報>
12/19 午後4時 国語力に関する追記、表のミス1箇所訂正


 データ分析の3回目です、全部で4回予定しています。これが一番面白いはずですから、じっくり眺めて楽しんでください。
 最後のところに市街化地域の3校が協同してやりうることについて提案を書いておきます。日本の教育改革を最東端の地からはじめる最後のチャンスかもしれません、その栄誉を根室で仕事をする先生たちが担えるか否かは、先生たち自身の覚悟と決断にかかっています。党派や主張の違いを超えて、仕事を通じて教えている子どもたちのためにチャレンジしてみませんか?
 では、本論をはじめます。

 学校別・教科別に平均値データを比較すると何がわかるでしょう?
 やってみたらわかりますから、表にまとめたデータをご覧ください。

<学力テスト総合C 平均点比較>
科目A中B中C中SD-2av
国語31.735.9293.48   32.2
英語35.522.3286.62   28.6
社会21.422.3191.71   20.9
数学17.617.7160.95   17.1
理科22.717.8173.09 19.2
合計128.911610910.09 118.0
最高 最低  

 3校で最高点をピンクで、最低点をスカイブルーで塗りつぶしました。C中がひとつもピンクがなく、スカイブルーが4つあります。C中が学力が低く、生徒か指導のどちらかあるいは両方に問題を抱えていることは一目瞭然ですね。
 SD(標準偏差)の小さい順に並べてみます。

   数学<社会<理科<国語<英語

 データのばらつきの程度の小さい順に並んでいます。標準偏差が一番小さいのが数学です。これが平均点が高いところにあって標準偏差が小さいなら問題なしですが、どの学校も五科目で数学の平均点が一番低いのですから、3校に共通する問題の存在を示している可能性があります。文章題に焦点を絞って分析したらよさそうです。計算問題でどれくらい点数が取れたのかは、採点した先生たちが知っていますから、原因分析は簡単に済みそうです。問題は対策ですね。B校とC校は数学の平均点が上がってきません。A校は学力テスト総合Aと総合Bの度数分布データがないのでコメントできません。
  「読み・書き・計算」の基礎技能の内、二つを含んでいて、各教科の基礎をなす国語は小4程度の語彙力でも、30点前後の点数が取れるほど、超簡単な問題です。東京都の入試問題と同じものが数年後の道立高校入試に出題されたことがありますが、問がとっても簡単に改作されていました。国語の平均点が一番高いのは、問題が超簡単であるからです。東京都入試並みの難易度の問題を出題したら、平均点は7-12点ほど落ちるでしょう。
 国語のテスト問題の語彙が貧弱であり、小4程度の語彙力でも平均点近い点数が取れることは、#3483で。詳細に論じました。こういう問題に慣らされると、生徒たちは自分の国語力に勘違いを起こします。平均点でも実際には小4程度の語彙力なのですから、まともな本は読めません。だから、読んでいるのは語彙数の少ない最近の小説やアニメのノベライズものが多いでしょう。これでは日本的情緒とか伝統的な価値観、日本の思想を受け継ぐことができません。それらは言葉で伝わっている部分が大きいのです。常用漢字に制限するから、日本的情緒や価値観や思想をあらわす語彙群が理解できないものになるのです。週に1時間でいいから、日本思想や哲学の科目を新設して、名にどの高い語彙に慣れさせる必要があると思います。思いついた本を#3483で9冊リストアップしました。二つ追加して再掲します。

 幸田露伴『五重塔』、九鬼周蔵『「いき」の構造』、和辻哲郎『古寺巡礼』『風土』、福沢諭吉『福翁自伝』、柳宗悦『手仕事の日本』、柳田國男『海上の道』、石田梅岩『都鄙問答』、西田幾多郎『善の研究』、『古事記』、『万葉集』


< A校の分析 >
 A校のデータの特徴は英語の平均点が高いことです。指導の仕方がよいのか、塾通いしている生徒が多いのか、生徒が英語の勉強に熱心なのかはわかりませんが、とにかく英語の平均点が高い。階級値45点のところに20人います。これがA中の得点全体を引き上げた核です。
 45理科の平均点も顕著に高いので、指導の側に理由があるのか生徒の側に理由があるのか、興味がわきます。国語の平均点が真ん中です。教科書を独力で読むのが困難な程度に語彙力に問題のある生徒が、20-25%存在しているように見えます。
 A校の科目別得点分布表をご覧ください。

階級国語英語社会数学理科
51-6009010
41-501120446
31-40301714717
21-303019191516
11-20510272524
0-1001122413
合計7676767676
AV31.735.521.417.622.7
メジアン 最頻値  


 A校は数学の得点20点にかが49人(64.5%)もいます高校は30点で赤点ですから、高校基準で言うと、おおよそ60人が赤点ということになりますC校も60%台に載っています平均点から推しておそらくB校も60%前後、20点以下の生徒がいます数学は3校ともアウトです。
 三人に二人は根室高校普通科へ進学することになりますが、定員160人の内、中学校で数学の学力テスト20点以下が100人前後含まれることになります低学力層に焦点を当てた、もはや高校数学とはいえないような授業になるでしょう


< B校の分析 >
 B校は国語の平均点が一番高い。国語はすべての強化の基礎をなしていますから、国語力が大きいということは、学力全般に影響しているはずです。ところが、国語に関連のある英語が3校中一番低いのはどうしたことでしょう。これも指導側か生徒の側に何らかの理由があるはずですから、B中学校の管理職は原因を分析してはいかがでしょう。英語の平均点をA中並に引き上げられたら、合計点は130点になります。
  国語は国語担当の新任教員が退職して、急遽教頭先生が担当しています。2学期末定期試験問題では抜かりがありましたが、どうやら着実に生徒の学力を伸ばすのに成功しつつあるのかもしれません。短期間で学力を挙げたとしたら、なかなかの腕です、今後が楽しみ。


< C校の分析 >
 さて、問題はC校です。国語の平均点が一番低い。国語は5教科の基礎をなしているので、ここを底上げする必要があります。一朝一夕にはいかないのが国語という科目の特徴です。朝読書をやめて、一斉音読トレーニングをやったらどうでしょう?受験には間に合いませんが、1ヶ月間やるだけでも、音読の習慣づけは可能です。国語力が3校で一番劣っていることが低学力の真因の可能性があります。社会や理科の教科書を独りで読んでも理解できない生徒が25%くらいいると推定しています。国立情報研究所の最近のリーディング・スキルに関する調査でも、教科書を読んで理解できない中学生の割合が20%であるとの結果が出ています。
 数学の文章題も大問の「問1」は簡単な問題なので、小4程度の語彙力でも読みきることができます。18点以下の33人(63.5%)の半数は「問1」狙いで6-9点アップできます。33人中の半分の生徒が6点アップできれば平均点は17.8にアップします。ぎりぎり、3校中でナンバーワンに躍り出ることができます。
 学力アップはどの点数階層にどのような対策を打ち、何点アップするのか、具体的な狙いをもってやれば可能です。数学の階層別度数分布は#3483の表をご覧ください。


< 「問題アリ」はどの学校のどの科目か? >
 平均点20点以下を黄色で塗りつぶしてみると、どこが弱いかはっきりします。でも表面的な数字にだまされて、真の姿を見失います。

<学力テスト総合C 平均点比較>
科目A中B中C中SD-2
国語3236293.48
英語3622286.62
社会2122191.71
数学1818160.95
理科2318173.09
合計128.911610910.09
問題あり    


  偏差値表示で見ると別の姿が現れます。偏差値40以下を赤で塗りつぶしてありまあす。こちらのほうがより真実の姿に近いのです。なお、SD-2(標準偏差)は(n-1)で計算した値を表示してあります。
(標本分散を計算する際に、変数間で計算される平均値を利用しているので、自由度はn-1となります。EXCELの統計関数'STDEVP'を使うと分散の計算の際に、n-1ではなくてnで割り算するので、同じ結果にはなりません。'(STDEVP(引数1:引数2)^2*3/2)^0.5'とすれば計算できます。わたしがやったのは途中結果が確認できるもっと確実で簡単なやりかたです。あとで、チェック用に統計関数を使った計算をしました。いろいろ試行錯誤してみるのが楽しいのです。笑)

<偏差値表示>
科目A中B中C中SD-2
国語48.6 60.6 40.8 3.5
英語60.4 40.5 49.1 6.6
社会52.9 58.2 38.9 1.7
数学55.2 56.3 38.5 1.0
理科61.4 45.6 43.0 3.1
合計60.8 48.1 41.1 10.1
* SDは(n-1)で計算した。
問題あり    



 現在の3年生では五科目平均点が最低であるC校に問題ありの科目が二つあることがわかります。B校の英語が40.5でぎりぎりです、国語の平均点が最高点なので、データは英語に何か問題のあることを示唆しているように見えます。

 偏差値表示も万能ではありません、数学に関しては3校ともに「問題アリ」と見るのが正しいのです。偏差値は相対的な数量関係を見ているに過ぎませんから、その計算原理上、絶対値の高低は評価できないものなのです

 こういう具合に、理論はその限界を知って使わないと、誤った結論へと誘(いざな)うので、取り扱いには注意を要します。統計理論はむずかしくはありませんが、「生兵法は怪我の元」ですからご用心。

 
< C校とA校の五科目合計度数分布表 >
 最後に、C校とA校の五科目合計点の度数分布表を貼り付けるので、じっくりご覧ください。

    A校
C校階級総合C
階級総合C模試1276-3000
271-30000251-2750
241-27000226-2501
211-24003201-2257
181-21075176-2008
151-18044151-1759
121-15084126-15010
91-1201114101-12516
61-90151376-10018
31-6081051-755
0-300126-501
合計(人数)53540-251
AV109108合計(人数)76
AV129
メジアン 
平均 モード 


   
 こんなにくっきり特徴が出るものなのですね。
 100点以下を比べて見ます。C校は100点で区切れないので、91-120点の階層のうち比例計算で4人が100点以下だと仮定して計算すると、27/53=50.9%を占めています。他方、A校は25人/76人=32.9%です。
 C校は100点以下が2人に1人、A校は3人に1人です。成績下位層が膨らんでいるのがC校の特徴だと言えます


< 3校協同でデータ分析し、学力向上へ舵を切る道がある >
 2年生と1年生も学力テストの平均点が低いので、C校の先生たちはこれから2年間は苦労が多いと思います。同じ学区の小学校にも問題があるはずです。やれるところから手を打つのでしょう。
 何をどのようなスケジュールで進めるのか、放課後補習や成績不振の生徒たちの部活制限など保護者の協力が必要な部分があるので、オープンに学力向上を進めたらいいのではないでしょうか。
 3校でデータを持ち寄り、ファイルを結合すれば、生徒一人一人の偏差値も計算できます。それぞれの学校の平均偏差値も計算可能です。
 3校の先生たちがデータを持ち寄って協議すれば、A校の分析で見たように、なぜA校の英語が階級値45点に20人も居るのかも、簡単に判明するでしょう。平均点の高い学校は、指導の仕方か生徒の特性に得点を上げる要因が見つかるのではないでしょうか。
 
 データに基づき、学力向上へ向けて学校のマネジメントをする時代が来ています

 <予告>
 数学は各校で学力別クラス編成をして、授業していますが、なぜ効果が上がらないのか、理由をデータを示して解説します。どうすればいいのかについても、思うところを述べます。

*#3483 学力テスト教科別分析 Dec. 18, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17-1

 #3482 問題消化スピードの差の現実 Dec. 17, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

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#3483 学力テスト教科別分析 Dec. 18, 2016  [データに基づく教育論議]

<更新情報>
12/18 午前9時20分 諸々追記
      午前11時15分更新


 C中学校で行われた総合C(11/9)と模試1(12/2)の教科別階層データを表にまとめてみました。


 国語 英語 社会 数学 理科 
階級総合C模試1総合C模試1総合C模試1総合C模試1総合C模試1
55-600011000000
49-540222000000
43-484631121213
37-428665631244
31-3671494238332
25-3015787682455
19-2413111011687788
13-185691519169111111
7-12014586117109
0-6点00035713141012
合計52535254535352505254
AV29302823191916161818
メジアン モード       



< データ分布の形に見えるそれぞれの特徴 >
 メジアン(中央値)は緑色で示してあります。棒グラフで示すと分布の状況がわかりやすいのですが、グラフの数が増えてメモリーを食うので、表で我慢してください。
 メジアンを横並びにすると、データ分布の特徴が浮かび上がります。メジアンとモードが同じ階級に重なっているところは緑色だけになっています。
 国語と英語が高いところに位置しています。国語は25-36点の階級(階級値でいうと27.5点と33.5点)に、英語は19-30点の階級(階級値は27.5と21.5)にあります。この二つに対して、社会と数学と理科のメジアンは横一線に並んでおり、13-18点の階級(階級値は15.5点)にあります。社会がメジアンと最頻値(モード)が同じ階級にありますが、数学と理科はメジアンとモードが離れています。数学と理科は最上位層が43-48点の階級であり最下段の階級がモードになっているところに注目してください。成績上位層が枯渇していることと、成績下位層が膨らんでいることがデータ分布の形にはっきり出ています

< 国語のデータ分布と語彙に関わる問題 >
 国語はきれいに正規分布して、左右対称になっています。これは日本人だから当たり前のことでしょう。特別な勉強をしなくても、ある程度は点数が取れますから、分布の幅が狭くなるのです。平均値もメジアンも30点付近にあります。
 大きな問題が見つかりました。小4レベルの語彙力の生徒の得点が、平均点に近い(平均偏差の平均値がマイナス3.8点)とうことです。語彙力が貧弱、小4レベルでも中学3年の学力テスト国語では平均点近くが取れるほど、試験問題の語彙が少ないということに驚かざるをえません。
 問題文の日本語に日本語・語彙の大きな問題があります。
 常用漢字の範囲で教科書に採録する作品を探すから、当然語彙が狭くなるのです。このままでは日本人は常用漢字の範囲でしか言語表現ができなくなります。現在の中高生が持っている語彙数の十倍以上を戦後の数年間まで日本人は共有していました。
 わたしの推計では根室市内の中学生のおおよそ1/4が小4レベルの語彙力ですから、教科書を読んで理解することができません。国立情報研究所のリーディングスキルに関する最近の調査でも中学生の20%が教科書を読んで理解できないと判定されています。#3460根室高校入試倍率はどうなる?」に書いておいたので、興味のある人はご覧ください。
========================
 戦後のCIEが全国規模で実施した国語力テストがありますが、当時の日本人の語彙力も文章読解力も現在と比較にならぬほど豊かです。大野晋『日本語の教室』153ページ参照してください。当時行われた国語学力テストの問題文が155ページに載っています。
*#3111 記憶の構造と学力 Aug.21, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-08-20

 こちらにはCIEが実施した国語力テスト問題の一部が掲載されたサイトのURLを載せてます。
*#3460 根室高校入試倍率はどうなる? Nov. 19,2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-11-19-1

  学力テストの問題文を取り上げて、学力テストの作問の品質が劣悪であることに言及しています。作問する側の日本語能力がこれでは、お話になりません。論より証拠。
*#3405 原典のススメ:愛と寛容性概念の混同(中2学力テストから) Sep. 2, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01

 森永卓郎氏や数学者の岡潔先生の国語教育論を紹介しています。小学生に英語教育は不要で国語に力を入れろという主張です。
*#3391 小学生に英語教育は百害あって一利なし(森永卓郎) Aug. 14, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-08-14

 タイトルどおり。読みと書きのトレーニングをどうやればいいのか迷っている方はお読みください。
*#3155 日本語読み・書きトレーニング(2):総論 「読み」と「書き」 Oct. 12, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-12

 国立情報研究所の中学生に対する最新のリーディング・スキル(日本語読解力)調査結果を紹介しています。
*#3460 根室高校入試倍率はどうなる? Nov. 19,2010
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-11-19-1
========================

 点数の分布から想定できる語彙レベルは、「日常会話+アニメのノベライズ小説」程度の語彙です。これでは、日本人が継承してきた文化を伝えることができません。文化は言葉(豊かな語彙)によって支えられています。
 中学生の教科書は使用漢字の制限を外すべきです。DTPに制限があったので、漢字制限の必要のある時代がコンピュータ化の初期にはありましたが、もうそういう制限はありません。常用漢字以外はルビを振ればいいだけです。感情や論理を表現するのに語彙力が小さければ、それだけ伝わる情報が大雑把で味気ないものになります。高校2年の現代国語Bの教科書は純文学、高度な評論、語彙の豊かな随筆など、語彙力レベルが格段に上がっています。
 戦後の小説は語彙が貧弱です。日本人として後世に伝えるべき語彙がたくさんあるはずです。漢字制限を撤廃をして、作家たちの表現の足かせを外してやりましょう。常用漢字以外はルビをふればいいのです。日本人の心は、日本人が使う言葉で継承されますから、語彙が貧弱になることは由々しき問題です。明治期の文学作品レベルの語彙を駆使して作品を書くことのできる作家はすでにいなくなりました。幸田露伴(1867-1947)の世代までです。『五重塔』の冒頭は美しい。

「木理(きめ)美(うるわ)し欅胴(けやきどう)、縁にはわざと赤樫を用いたる岩畳作りの長火鉢に対(むか)いて話敵もなく唯一人、少しは淋しそうに坐り居る三十前後の女、男のように立派な眉を何日掃いしか剃ったる痕の青々と、見る眼も覚むべき雨後の山の色をとゞめて翠(みどり)の匂い一トしお床しく、鼻筋つんと通り眼尻キリヽと上がり、、洗い髪をぐるぐると酷く丸(まろ)めて引裂紙(ひっさきがみ)をあしらいに一本簪(いっぽんざし)でぐいと留めを刺した色気なしの様はつくれど、憎いほど烏黒(まっくろ)にて艶ある髪の毛の・・・」

  宮大工の仕事と意地と生活が切れがよく美しい日本語で書かれています。団塊世代が子どものころはそういうさまざまな職人が身近な生活空間で仕事をしていました。根室では桶職人、船大工、昆布棹職人、ヤンシュウ(出稼ぎ漁師)が代表例でしょう。水産加工場で働く女工さんたちも立派な職人です。魚を開いて並べて包装する、30年選手と3年では腕も速度もできた製品の品質も違うそうです。
 読書量と読んでいる本の語彙数の激減が気になります。語彙が常用漢字に制限されることで、語彙の豊かな作品が読めなくなってしまいました。これは文化の伝承に断絶が起きることで重大なことです。
 もうひとつ普段から気になっていたことを書いておきます。日本人の思想や価値観、そして哲学に関する作品が教科書にはありません。使う語彙がむずかしく、そこで使われている漢字が常用漢字からはみ出しているから、採録されないのだと思われます。しかし、それでは日本人がずっと伝えてきた思想や価値観の断絶が起きてしまいます。いや、すでに起きています。日本思想や哲学に関する作品を漢字制限を外して教科書に採録すべきです。

 九鬼周蔵『「いき」の構造』、和辻哲郎『古寺巡礼』『風土』、福沢諭吉『福翁自伝』、柳宗悦『手仕事の日本』、柳田國男『海上の道』、石田梅岩『都鄙問答』、西田幾多郎『善の研究』

 数ページでもよいのです。中高生があまりにも日本的情緒や日本人の倫理、思想を知らなさ過ぎです。語彙力と文章読解力が大きく、ないと理解できません。これら両方を同時に鍛えるには優れたテクストの採択と音読が最適です。音読によって用例ごと語彙を身体になじませるのがいい。

< 英語のデータ分布 >
 英語の分布が一番国語に近いものになっています。分布が広がっているのがわかります。メジアンが低いほうに崩れているのも読み取れます。国語ではゼロだった「0-12点」の階層に学力テスト総合Cで4人、模試1で8人出現しています。国語がダメな生徒は英語の伸びが止まります。データ分布の形が似ているのは国語と英語の関連が強いからです。

< 社会と数学と理科のデータ分布比較 >
 社会と数学と理科のメジアンが階級値15.5点のラインに並んで似た傾向を示しています。社会は記憶科目ですが、整理して記憶する必要があります。グラフにしてみると数学と理科の分布がよく似ています。山型にならずに高いほうから低いほうへ向かって度数が一直線増大して並びます。社会はメジアンより低いところが減少しているので、高いほうから棒グラフにすると、右側によった山形になります。分布の形状からは数学と理科がそっくりです。

< 数学の文章題と国語の力の関係 >
 国語の下位40%層の3人に2人が小学4年生の語彙レベルであることは#3482で述べました。約13人ですが、数学の文章題も文意の読み取りが困難なので、特別な事情のない限り、数学の下位層と被っていると考えられますが、全部がそうであるとはいえません。計算問題と簡単な文章題だけで35点ほどあります。日本語読解力が小4レベルでも、計算の基礎がしっかりしていれば25-35点は取れるようになっています。

< 数学と理科のデータ分布は似ている >
 数学の分布と理科の分布は、点数の低いほうへ向かって度数が一直線に上がっていますが、理科には計算を伴う問題分野がいくつもあるので、計算スキルや計算の仕組みを論理的に理解できない生徒は点数が低くなりますから、数学に分布が似てくるのでしょう。男女別に分けたら、もっと面白い分析ができます。

< データ分布の形と指導スタイル >
 分布の幅の狭い国語が、教える側からは楽そうです。英語は正規分布が点数の低いほうへ傾いて広がっているので、学力別にクラス編成したほうが、成績上位層の学力を伸ばせます。
 社会は勉強の仕方がわからない生徒が多いような気がします。ただの暗記ではなく、論理的に関連付けながら知識を整理して記憶しなければ高得点できません。地図と関連付けて憶えることや語彙理解が大事です。地図と地形と地政学的な視点、それらと産業と歴史的出来事などを関連付けて憶えてみたらいかがでしょう。
 社会科の勉強の仕方がわからないという生徒が少なくありません。

< 学力別クラス編成が機能していない:部活と放課後補習 >
 数学は40点以上で二つに分けると、成績上位層の学力を飛躍的に伸ばせるのですが、数が少なすぎます。43点以上で見ると1-2人しかいません。40点以上がこんなに少ないのでは話になりません。クラスを学力別に分けても、成績上位層が枯渇してしまっているように見えますから、指導の仕方に問題があると考えざるを得ません。普通にやっていれば、メジアンの13-18点の階層が、上方にシフトするはずです。25-30点の階層へシフトさせ、31-42点の階層を10点アップするにはどうすべきか具体策を考えるべきでしょう。
 現状は、上のクラスも下のクラスも同じ内容の授業ですから、学力別クラス編成が効果を発揮できていません。
 理科も数学と分布が同じなので、計算分野の放課後補習をやるべきなのでしょう。実際におやりになっている先生がいます。
 部活をもっているので、放課後補習がやりにくいのでしょうね。ここは学校管理職とそれに協力するPTAの出番だと思います
 
< 授業崩壊と対策:授業の雰囲気は生徒がつくる >
 授業崩壊を起こしているクラスは、データを示して、具体的な説明を一度おやりになったらいい。他人に迷惑がかかっていること、すなわち、クラスの平均点を1割ほど(500点満点だと50点、300点満点だと30点)下げていることを自覚していません。そこに気がつけば、三人に一人はおとなしくなります。

< 五科目合計点の分布:上位層の枯渇 >
 五科目合計点の階層別データも貼り付けておきます。

階級総合C模試1
271-30000
241-27000
211-24003
181-21075
151-18044
121-15084
91-1201114
61-901513
31-60810
0-3001
合計(人数)5354
AV109108
メジアン  


< 市街化地域の3校のデータを結合してみよう >
 生徒個人名を外して、データを点数の低い順にソートしてから、市街化地域の3校で学年別・クラス別科目別データを交換して、表の結合をやって分析してみたらいかがですか?
 自校の学年毎、クラス毎、科目毎の特徴がよくわかりますよ。偏差値の計算も簡単ですからやって、得点通知表でフィードバックしてあげたらいい。基本統計量を郡部校に公開してあげたら、郡部校のほうでも、市街化地域の3校のデータベースでの偏差値評価ができます。生徒たちが根室市内での相対的な学力を知るためにとっても有益です。とくに郡部校は数が13人とか20人とかとっても少ないので、有益な情報になります。もちろん、郡部校のデータも結合できたらなおすばらしい。
 ほんとうはこんなことは指導主事か市教委がやるべき仕事なんです。学力を上げるための有益なデータベースができあがります。

 
*#3482 問題消化スピードの差の現実 Dec. 17, 2016 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-12-17

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#3482 問題消化スピードの差の現実 Dec. 17, 2016 [データに基づく教育論議]

<更新情報>
12/17午後6時10分 <補遺:下位1/3の語彙力レベル>を追記

 #3480で60点満点の学力テストで、数学の得点18点以下が63.5%もいるデータを挙げました。37点以上はたった2人、49点以上はゼロ、こんなに悪い数学のデータははじめてみました。習熟度別で2クラス編成になっていますが、まったく効果がありません。
-----------------------------------------------
数学の階層ごとの得点分布は次のようになっています。
             累計%
 0-12点  24人  46.2%
 13-18点  9人  63.5%
 19-36点 17人  96.2%
 37-48点  2人  100%
 49-60点  0人
  合計   52人
  平均   16点
-----------------------------------------------

 授業のやり方の問題と、生徒たちの問題消化速度の差が学力に及ぼす影響について先生たちはご存じなさそうなので、データを明らかにします

 学力テスト総合Cのデータを引用しているのですが、この学年の五科目平均点は107点です。6年前の荒れていたころとほぼ同水準に落ちています。他の2校は129点と116点です。

< ケース・スタディ(事例研究) >
 数日前に3年生と2週間前に入塾した1年生が同じ時間帯で勉強していたので、問題消化速度を計測してみました。
 3年生の問題は2次方程式の文章題、1年生は「比例と反比例」の文章題です。
 2次方程式の文章題は、「1500円の原価の品物にx%の利益を見込んで定価をつけたが、売れ残ったので定価のx%引きで売ったら、売値が1440円になりました。xを求めなさい」という問題でした。
 文章を読んでから、つくった指揮を見ると、利益の意味がわかっていません。
 1500+x/100 という式を書いていたので、「利益」の意味を訊いてみました。「定価1000円の品物に50%の利益を見込むと定価はいくら?この式に入れてみるよ」
  1000円+50/100=1000円+0.5

 いくらになるのか訊くと、1000.5円と答えました。「50/100」の意味がわかっていないのです。百分率の意味がわかっていないということ。これは百分率という割合で単位が円ではないのですから足し算ができません。1000円の原価の品物を1000.5円で売るのでは人件費も家賃も出ません、丸っきりの赤字ですが、そういうことが数字を見ても飲み込めないのです。
 簡単な数字に置き換えて、語彙の説明からします。語彙によっては自分で国語辞書を引いてもらいます。なんでも説明してもらうと、辞書を引く習慣が育たないので、家で自分だけで勉強ができるようになることを願って、辞書を引かせます。
  図を描いて、式を示して説明しても理解できないので、いくつかのパーツに分けて簡単な数字で語彙説明を交えながら説明します。節目節目で生徒自身に考える時間を与えるので、時間がかかります。最終的には、次の方程式へ到達することになります。

  1500円×(1+x/100)(1-x/100)=1440円

 この生徒の数学の得点は35点ですから、学年52人中10番目くらいの成績上位層ですが、日本語語彙が貧弱で、文章の読解に頻繁に問題を起こします。本をほとんど読まないので、文章の意味を理解するのが苦手です。人と話すのも好きではありません。本を読まないことや人と話すことが嫌いなことと、一時記憶域が小さいことが関係があるのかないのかわかりませんが、こういう生徒はわたしの感触では15%くらいいます。最近増えてきました。文章題の1行目を読み終わり、2行目を読み終わると、1行目が記憶域にないことがよくあります。10秒間も記憶を保持できません。読むのが遅ければ、時間がたつので、脳のワーキングメモリー領域から消えてしまうようです。国語の問題文を読むときにも、音読するときにも、段落が変わると2つめを読み終わったときには一つ目を忘れています。人の話を聞くときも、話の途中で自分の意見や質問をします。1分間の説明全部を聞いて全体を理解するのが苦手です。ワーキングエリアが小さいと仮定すると、これらの現象の意味に説明がつきます。幼児期のある季節に脳のワーキングメモリーの拡張が起きるのだと思います。そこで何か特別の事情があったと推測します。トレーニングしだいで、ワーキングエリアの拡張はできるはずです。それには読書が一番いいのですが、本を読むのが嫌いなので、良質のテクストを選び音読指導をしても、家でやってこないので、進歩がありません。どこかで本をむさぼり読むようになるまで、またなければならないのでしょう。この生徒には2年やった音読指導をあきらめました。「家でやってこなければ効果がないので音読トレーニングは今日で終わりにします」と宣言しました。反省を求めるためです。
(10年前にはほとんどいませんでした。ゲーム機などの情報機器の高性能化と母親や父親がそれらへの依存が強いと言語を通じたコミュニケーションが極端に少なくなり、言語習得期に必要なインプットがなされないのでしょう。5年ほど前から爆発的に普及し始めたスマホの影響はこれから子どもたちへ出ます。いまはまだ、中高生の「スマホ依存症」の増加だけですんでいます。ちょっと怖い話です。「小学生低学年にプログラミングを習得させよう」なんて、生徒一人一人にタブレットを配布して授業を試みる例が出ているようですが、副作用は大丈夫ですか?生徒たちが実験動物に見えます。)

 結局、「練成問題集」2題の文章題に3時間15分かかりました。計算も標準の5倍くらいかかります。

 もう一人、こちらは1年生ですが、問題集は「シリウス」ですから、「練成問題集」よりも難易度が高い。1時間45分で5ページ半やりました。あとで書きますが、標準速度の3倍、消化速度の大きい生徒ですから、期末テストが60点台での入塾ですが、3ヵ月後の2月の学力テストでは90点台をたたき出し、数学は学年トップに躍り出ます。学校の先生には信じられないでしょうが、感触でわかります。やらせる問題集の難易度と指導方法が適切なら飛躍的に学力が伸びる生徒がいます。一律に同じ問題集を使って学力に大きな差がある生徒たちを指導したら、こういう生徒の学力を伸ばすことができないでしょう。

(学力テスト70点以上の生徒たちだけのクラスなら、わたしは30人の生徒でも同時に個別指導が可能です。学力テストで20点以下の生徒なら1クラス6人ぐらいがわたしにとって個別指導の限界です。スキルス胃癌の手術をしてからは、体力的な問題があり、10人以上のクラスはしんどいので、教室を自宅に移し、最大7人までに制限しています。)

 1時間当たりの問題消化量を計算して見ます。
 3時間15分を時間に換算すると3.25時間、1時間45分を時間に換算すると1.75時間です。単位の換算はこういうところで必要になります。苦手な生徒が多い。
 問題消化速度の計算でした。

  0.5頁÷3.25時間=0.154(頁/時間)
  5.5頁÷1.75時間=3.143(頁/時間)

    0.154:3.143 ≒ 1:20

 問題消化速度に20倍の差があることがわかります。特別な例ではありませんよ。市内の中学校はわたしの知る限りで30人を越える学級はありませんが、各クラスのトップ3人と下位3人の問題消化速度を比べたら、これくらいの差は普通でしょう。根室の中学校ではどこにでもある話です。特別な事例ではありません。
 A君とB君とすると、A君が1題解く間にB君は20題解いてしまいますA君の1時間の勉強量はB君の3分に相当します。現実にはこんなに差があるんです。

< 標準速度の定義と問題消化量等式>
 ここで、文章題を解く標準速度を「1頁/1時間」と規定すると、A君は1/6、B君は3倍となります。

 問題消化量=「読み・書き・計算」基礎技能×集中力×時間
  V=(S×C)×H

 このような等式を頭に置くと、消化速度は[=「読み・書き・計算」基礎技能×集中力]であらわされます。
 B君が標準速度の3倍とすると、A君は標準の1/6ほどの速度です。先生たちはこんなに問題消化速度の差がある生徒たちを教えています。気がついていましたか?
 B君が1時間勉強したとすると、問題消化速度が1/20のA君は20時間勉強しないと追いつかないのです。そしてそれは不可能ですから、速度が上がらなければ時間がたつほど学力の差が大きくなるのは当然です。そうなっています。

< 基礎スキルに問題を抱える生徒の指導 >
 そんなに速度が遅いのに、なぜ学年10番で成績上位層かと疑問がでるでしょう。塾でフォローしてきたからです。訊いたら驚くほどの時間をかけて教えています。1年生のころは、週に5日、4時間教えていました。数英2科目で週当たり20時間です。いつまでもそんなことはしていられませんので、3年生になってから週に6時間に減らしました。数学は半分ですから3時間です。

 授業スキル向上にいそしんでいる先生たちに伝えたい。どんなに上手な教え方をしても、速度が標準の1/6では集団授業ではまったく救えません、別の対応が必要だということ。「読み・書き・計算」の基礎技能速度と集中力は学力向上を左右する大きな要素であることは明らかでしょう。
 もちろん、速度をアップするトレーニングをやってきました。家で継続的に学習しないので効果がありませんでした。いろいろ事情がありますが、ここでは言及しません。

< 学力別2クラス編成は効果があるか? >
 学校でいまやっている、数学授業の学力別2クラス編成授業が効果を挙げているか?否と答えるしかありません。60点満点で平均点が16点、そして高校なら赤点である18点以下が63.5%もいるのですから。学力テスト総合ABCの数学の平均点が16点(60点満点)で動いていません。市街化地域の3校では3回とも一番低いのです。
 複数校で授業参観しましたが、どちらのクラスも内容は同じでした。これは他の学校にも言えます。高校数学に踏み込んだ説明をしている授業を見たことがありません。あれでは成績上位生はあくびが出ます。簡単な問題をだらだらくどい説明をしています。そして授業の進捗管理がないがしろにされ、12月16日でも3年生でまだ「三平方の定理」の章に入っていない学校があります。1月末までには教科書が終われませんから、2月の私立高校の受験に間に合いません。各学校の管理職はチェックしたらいかがですか。進捗管理の悪い教員は言われないとわかりませんよ。
 成績上位生のクラスは「発展クラス」とか名前はそれぞれついていますが、授業では教科書の問題の解説がほとんどです。先生によってはプリント主体の授業をしている方がいます。生徒はどこをやっているのかわからない。先生が教科書を無視するから、生徒もどこを予習すればいいかわからず、予習がやれない。だから授業の理解度が下がります(数学だけの話ではありません)。
 そして宿題は一律に難易度の低い教科書準拠問題集ですから、これでは成績上位層の学力が伸びないのは当然です。上位層の生徒は、難易度の低い問題はばかばかしいから、時間の節約のために答えを丸写しします

 では、12点以下の46.2%はどうか?2割しか得点できないのですから、8割の問題ができません。だから、答えを丸写しします先生たちはテストの採点をして、生徒一人一人の学力を承知していますから、成績上位層のインチキが見抜けないとしても、下位層の生徒から提出された問題集の解答欄が丸写しであることはわかっているはずです
 意図しない教育のことを「隠れたカリキュラム」と教育の専門家たちが言いますが、この場合はカンニング、ズル、卑怯なことを奨励しています
 こんなことを中学校3年間やり続けたら、1年間で習慣となり、3年目には性格にまでなっています、高い確率で不正直でズルイ大人になります


< 教育のありようと町の未来 >
 町の将来にとって実にまずいことになります。真っ当な経営改善をせずに、市政と癒着してズルをする地元企業経営者が少なくないようにわたしには思えるのですが、教育改革からやらなければ根室の町の未来がないような気がします

(教育問題を論じながら、自分の子どもは中学校から都会の進学校へ学力疎開させているような地元企業経営者がいたら、そういう人には地元の中学校を善くしようなんて気持ちがありません。同じふるさとに生まれても、人の価値観はさまざま。どのように生きるのもその人の勝手です。こんなのは一部の例外で、ほとんどの地元企業経営者はまともであると信じます。)

 ズルや卑怯なことはしないというのは、重要な教育目標の一つです。
 根室
の町の未来は、いま何人、仕事でまっとうな努力のできる人間を育てられるかにかかっているとは思いませんか?


< 補遺:下位1/3の語彙力レベル >
 国語のデータ分布は、正規分布している。日本人だから、日本語を使って暮らしているから、きれいな分布になるのだろう。
 A君の日本語語彙力はほぼ小4レベルです。わたしは『中学入試 言葉力ドリル実践編』(学研)の問題で50点未満を小4レベルと判断しています。A君の語彙力は中3の生徒としては例外的なものではありません。
 この学校では、12月2日に行われた模試を含めて、学力テストは5回行われていますが、A君の国語の「平均偏差の平均値*」は-3.8ですから、10階層に区分されたデータで、A君が所属するのは中央値の隣の階層になります。どういうことかというと、毎回の得点が平均よりも-3.8点低いだけですから、A君は国語の点数では下位40-50%層に含まれており、国語力が極端に悪いわけではなく、平均よりも少しだけ低いだけです。平均偏差の最大値は-20点でした。読解に語彙力を要求する問題文が多ければ、極端に点数が下がるのかもしれません。
 このことから次のことが言えます。国語の成績下位45%の内の3人に2人が小4レベルの日本語語彙力と推定すると、根室市内の中3生246人の内の74人が小4レベルの語彙力ということになります。「利益」、「原価」、「仕入原価」、「定価」、「売値」などの用語の意味が解説ナシには理解できません。いま根室高校で使われている教科書を自力で予習することはムリです。

 五科目を教科ごとに見ると、国語が正規分布に一番近い。英語は正規分布が点数の低いほうに崩れた形をしています。数学は点数順に並べると右上がりの直線分布になっています。次回は各教科の分布の特徴の解説を予定しています。

 *平均偏差の平均値=∑(得点-平均点)/5

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 ブログ「情熱空間」とコラボ企画ですので、こちらも併せてお読みいただければ幸甚です。釧路と根室の学校の状況はよく似ています。

*「不正のすすめ(丸写しの奨励)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8686485.html

  「外道である(そこは不正とカンニングを教える場なのか?)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8687018.

 機能していないクラス分け(学力別クラス編成)
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8687627.html

 「指導する側の学力が低すぎる件」
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/8687883.html
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