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#3347 セルフコントロール(自己抑制)とテストの成績の関係  June 28, 2016 [家庭のしつけ]





 ニムオロ塾には中2の生徒が4人いて、先週と先々週終わった期末テストで、1人が過去最高の得点だった。1人は2点届かなかったが学年(60人)順位を一番よかったときよりも5番上げた。
 1学期期末テストはテスト範囲が狭いことと、数学のテスト範囲が数量のところで計算問題が多いという二つの理由で、五科目平均点が年間を通して1番高い。
 残り二人のうち一人は4月から来た生徒で、1年生のときのデータがないので過去最高かどうかわからない。しかし、4月の学力テスト結果から見ると、4月の学力テストよりも95点アップしているから、学力テストよりも定期テストの難易度がかなり低いとしても、学年順位はやはり最高を記録したようだ。
 最高点の生徒は3月の学年末テストが最高点だったが、それを20点更新した。目標値は10点アップの470点だったからよくがんばった。五科目480点超は全学年でトップと言える点数である。

< できのよい生徒 >
 この生徒は、ほうっておいても自分でちゃんと勉強するから塾に来てもこなくても大丈夫である。次の目標は学力テストで470点超え。
(高校で受ける進研模試で全国偏差値65ぐらい、駿台模試や河合塾の模試なら偏差値60付近だろう)。
 やらなければいけないこと、やるべきことに優先順位を自分でつけることができるのは、小学校低学年での家庭学習や言葉の躾がちゃんとできていたからだろう。
 それでも課題がないわけではない、土日は事情があって勉強時間が確保できない点が悩みだ。勉強量は「集中力と時間の関数」だから、このままでは長期的には大きなハンディ(handicap)となることは、首都圏の中学受験生(6年生)の週当たり平均勉学習時間数33時間を例にとって伝えてあるから、自分で解決するだろう。田舎にいたら都会の一流私立中高一貫校の生徒たちがどのようなレベルの勉強をしているか想像できないから、実態を伝えることは塾の先生の役割である。幸いなことにずいぶん昔だが、東京渋谷の個人指導の進学教室での指導経験があるから、「手応え」はわかる。

(難関大学の競争相手は(根室では)同級生にあらず、首都圏で有名私立の中高一貫校で勉強している生徒たちなのである。同級生や同学年の生徒と競って、学年一番を喜ぶのは、「お山の大将」「井の中の蛙」を絵に描いたようなものになりかねないから、学年1位にこだわるなと繰り返し伝えている。2位でも3位でもよい、大事なことは高校1年終了までに数Ⅲを終わっておくこと、英語は新聞英語が読める程度の力を高校1年の終わりまでに獲得しておくことなのである。読解力と思考力を鍛えるために哲学の本も読んでおきたい。日本語の良質の本を選んで音読トレーニングを併行してやっている。国語は一朝一夕には学力が上がらないからだ。受験問題を使ったトレーニングも点数アップには効果があるが、そうしたやりかたは高校3年生になってからで十分だ。国語力アップは中学生と高校2年までの時期は、じっくり時間をかけて基本に忠実にやるのが一番よい。こういうことをクリアして首都圏の有名私立中高一貫校で学ぶ生徒と対等の勝負ができる。)

 テストの成績はこれにセンスという変数が加わる。勉強量が少なくてもセンスで問題の解ける生徒は成績が抜群によいことがある。社会人になってからでもセンスは大事だ。
 
 勉強量 = 「読み・書き・そろばん(計算)」速度×集中力×勉強時間
 テストの成果 = 勉強量×センス×気力

 速度は勉強量に大きく影響する。三つの基礎技能の速度が標準の2倍(「書き」は1.3倍)あればその生徒の学力は学年トップクラスだろう

 この生徒は学年順位はどうでもよいと伝えてあるが、どうしても気になるようだ。(苦笑)
 数学は昨日から中3の問題集に入った。予定よりも1ヶ月遅れているが、まあいいだろう。中3を終わるまでに数Ⅱを終わっておきたい、できれば数Ⅲに手をつけておきたい。いまの速度では無理だが、「化ける」可能性はありそうだ。
 英語も塾用教材をやり終えたらEnglish Grammar in Useをやりたい。受験英文法参考書や問題集はJapanTimes紙を読むためにはは向いていない。夏休みの1ヶ月間で塾用英語問題集を1冊やり終えることができる。英語は一気呵成にやれば力がぐんとアップする。後は毎日淡々と音読教材を使って短時間のトレーニングに励んだらよい。

(ほんとうに頭のよい者は例外なしにセンスがよいのだが、そういう生徒は百人に一人以下、千人に3人程度しかいない。センスがよいと3を聞いて10理解できてしまうから、努力のできない性格になって実力を発揮できない傾向が強くなるのも事実だから、指導上は要注意だ。
センスがよくて、知的好奇心から夢中になって自らやる生徒が学力の点では一番強い、夢中になってご飯を食べることすら忘れてしまうような生徒は稀だがたしかにいる。世の中は広い。大好きな遊びが集中力を飛躍的にあげる、よくできる子はよく遊んでいる例が少なくない。)


< 成長中の生徒 >
 最高点に2点届かなかった生徒は「青春してる!」とうれしそうな顔で言った。家でも勉強するようになったし、塾では予習方式だから学校の授業がわかるし、成績も上がるからうれしいというのだ。「とっても充実している」とも言った。こんなに変わったことにこちらのほうが驚いている。
 この生徒は昨年9月から入塾した生徒であるが、スマホ漬け、テレビ漬けで1時、2時まで起きていて生活習慣に問題があった。そこで入塾時に、「3ヶ月だけ様子を見るけど、スマホを漬けのままだったり、テレビを1時過ぎまで見る習慣をやめられなければ成績は上がらないから、4ヶ月目はありません」と言っておいた。
 生活習慣を改めるのは難しいことだ、大人が酒やタバコをやめるのと同じこと。スマホは1時間勉強してから触るように約束した。ときどき約束違反があったようだが、おおむね切り替えに成功したから無事「4ヶ月目」を通過できた。(笑)
 英語の音読トレーニングを毎日「5分×3回」課している。そして勉強の方式を予習方式に切り替えたことで学校の授業が聞いているだけで理解できるので楽しくなった。ちんぷんかんぷんな授業を聞いているのは辛いだけだから、この点でも学習意欲は見違えるほど改善できた。
 この生徒は優先順位を変えることで、生活習慣を変えることができた例である。スマホをやってから勉強は実際には勉強しないことになるから、それを逆にしただけ。大事な勉強を先にしてから、余った時間でスマホやテレビという風に優先順位を変えた。


< 横ばいの生徒 >
 一人だけ、成績が上がったり下がったりの生徒がいる。少しずつ上がってきてはいるが、顕著な変化が見られないのは、生活習慣を変えられないからだ。変えなければいけないと自覚が芽生えてきていることは事実だが、悪戦苦闘中でなかなか勝利できない。運動部と水泳の掛け持ちはよほど体力のある子でないと、家庭学習時間に影響する。疲れ切ってしまう子もいる。このあたりは自分の子どもの体力をしっかり見極めなくてはいけない。
 4月にあるきっかけがあったので、自分の力でなんとかできたら、一皮向けるだろう、じっと成長をまってみたい。


< 学力は健全な生活習慣と躾に支えられている >
 ここまで書いたら、書いた理由がお分かりいただけたのではないか。ひとつは小学校低学年での家庭の躾、家庭学習習慣と大人に対する言葉遣いとちゃんとすることに成功したら、中学生になったら子どもは親が何も言わずとも自ら勉強し、成績もよいということ
 そして、小学校低学年でこれら二つのことに失敗しても、中学校で優先順位を意識して生活習慣を変えられたら、成績はぐんぐん伸び、学年順位は上がっていくということ。これら二つのことが言いたかった。


< 実績データから言えること >
 大概の生徒は学年60人なら、40番でも10番以内に入る潜在的な力がある。10-15番の生徒なら3番以内に食い込める。そのことを知ってもらいたくて書いた。
 実績データが示しているのだが、入塾時にそんなことを言っても生徒は信じない。過去の悪しき実績が思考を縛っているからである。それを外すことも塾先生の役割だ。
 先生との相性の問題もあるから全員がうまくいくわけがない。いろんな経営方針の塾があり、タイプの異なる先生がいたほうがよい。生徒のタイプもさまざまだから。


< 言い訳無用:真剣勝負で得たもの >
 初めて480点を越えた生徒は、風邪気味だった。試験前日に「具合が悪いことは言い訳にはならない、こういう時こそ最高点を更新して来い」、そう言い渡した。試験のプレッシャーで体調が狂う生徒は少なからずいるが、大学入試は年に一度だから、そのときに体調が悪くても全力で戦わなくてはならない。そうなったときに今回のことを思い出せば自信につながる、よい経験をした。テストの後で38.5度の熱がでたという。


< 余談 >
 塾の先生の指導技術も大切だが、塾に来ている時間はすくない、週2回でたった3時間である。
 生徒の生活時間の大半は学校であり、家庭だ。だからそこをおろそかにしたらもったいない。基本はそこにあるから、成績が上がらなければ両方をチェックしてみることだ。①家庭が自ら変えることのできるのは子どもの生活習慣である。②何を最優先してやるべきかは躾の問題で、親がやらずに誰がやるかと思う。③1日10分間でいいから、なにか話題を見つけて子どもと話す機会をつくってもらいたい。そのときに大人に対する言葉の躾をしよう。話題がなければ、国語辞書か漢和辞典をパッと開いて、そこに出ている漢字を話題にしよう。十字形に枡を作って、上下左右に漢字を入れて一緒に熟語を作って遊んでみてもよい。
 本を読まない子は、ボキャ貧である。中学生の15%くらいは「極端なボキャ貧」で先生が授業で使う言葉が理解できない発話を頭の中で適切な漢字に置き換えができないのできなければ、授業が理解できるはずがないゲームとスマホの影響力は恐ろしい、ほうっておいてはいけません、家庭での躾の問題です。

 昨日、高校2年生に教科書『Vivid Ⅱ』を教えていたら、ボキャブラリーの問題が出てきたので、次の稿で説明したい。
 Including the Bonin flying fox, 57 endangered species live on the island

  この文の'live'はボキャ貧だと適切な日本語に置き換えられない。日本語語彙がある程度なければ高校英語の攻略は無理。辞書を引いて、訳語を並べても、意味の通じる日本語にはならないケースは多い。
 会話重視&読解軽視が文科省の方針のようだから、日本語ボキャ貧でも入試英語の攻略にはセンター試験レベルまでは困らないようにできている。

 次回のアップまで、適訳を考えてください。もちろん、投稿欄へ書き込んでくれていい。
 この文は、英語の先生は日本語のボキャブラリーがしっかりしていないといけないという好例かもしれません。適切な日本語語彙を使ってペケにされたらたまりません。生徒の中にはとっても語彙のセンスのよい者がたまにですがいますから、ご油断めさるな。そういう場合はペケにするのではなく花丸をつけて、加点してあげましょう。(笑)

*#3348 英文和訳にはたしかな日本語ボキャブラリが必要  June 29, 2016
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2016-06-28-1

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#3195 家庭学習習慣の躾は小学1・2年生のうちにやるべし Dec. 4, 2015 [家庭のしつけ]

12/5 朝 編集&追記

 数日前にあるところで、「ニムオロ塾は小学生を教えていますか」と訊かれました。「現在小学生はいませんが、生徒がいないだけで昨年まで小6生を教えていました。どうしてですか」と理由を聞いたら、小学1年生のお子さんがいて、勉強のさせかたに不安があるので通塾を考えているとのこと。「そういうことなら、通塾の必要はありません、家庭学習のやり方を教えてあげます」とやりかたの概要をお話しました。小学校低学年は塾よりもお母さんかお父さんが教えたほうがいいのです。理由は読んでいただければ自然にわかります。

(新入学児童の家庭学習習慣の躾け方で不明な点があれば、ebisuへ連絡ください、手の空いているときに教育相談に応じます。その際に塾へ勧誘することは一切ありませんので、安心してご相談ください。何人かで誘い合わせてきていただいても結構です。(小学校低学年を弊塾で教える用意はこれからもありません))

 採血と注射(フェジンとVB12)をしてもらっている間の会話ですから、たぶん説明が不十分だった思います。続きを具体例をあげて説明しておけば、他のお母さんたちにも役に立つでしょう。今回はブログ上の公開教育相談のようなものです。
 わたしは東京の進学塾ではたったの3年間小4の有名私立中学受験生から高校生までを教えていただけですから、小学生低学年の指導経験がありません(やってきた仕事の大半は経営分析、経営管理、経営改善、企業買収、赤字子会社の経営建て直し、統合システム開発、産学共同プロジェクトなどです)。そういうわけで子ども3人を国立大学へ進学させた根室高校時代の大切な友人の一人であるA野さんから教えてもらった方法を、以下ebisu流にアレンジして解説します。

 新しい漢字を習ってきたら、その漢字を使って、簡単な文を一つ作る問題を出してあげます。1年生の漢字表には、

「一、二、三、・・・十、百、千、山、川、石、上、下、月、火、水、木、金、土、日、春、夏、秋、冬・・・」

 など80字が並んでいます。

*小学校学年別漢字一覧表
http://www001.upp.so-net.ne.jp/NYAO/db/kanji/


 たとえば、「月」をつかって文あるいは句を書かせます。

 「そらに月がみえる」
 「月がきれいだ」
 「まんまるお月さま」

  次のお題は「一」。
 
 「おかしが一つ」
 「こどもが一人」
 「山が一つ」
 「さかなが一ぴき」
 「ことりが一わ」
 ・・・

 簡単すぎたら、
 "では、「おいしい」をつけてみましょう"

 「そらにおいしい月がみえる」・・・食いしん坊め
 「おいしい月がきれいだ」・・・???
 「まんまるおいしいお月さま」・・・仙台銘菓「萩の月」かな、むしゃむしゃ

 「おいしいおかしが一つ」・・・◎ごち!
 「おいしいこどもが一人」・・・こわい!赤頭巾ちゃんのおばあさんの登場
 「おいしい山が一つ」・・・なんのこっちゃ!
 「おいしいさかなが一ぴき」・・・◎いただきます♪
 「おいしいことりが一わ」・・・きゃあ、食べちゃうの!

 "こんどは「きれいな」をつけてみましょう"

 「そらにきれいな月がみえる」・・・◎
 「きれいな月がきれいだ」・・・ペケ
 「まんまるきれいなお月さま」・・・◎
 ・・・

 遊べますね、いくらでも。遊んでいるうちにしだいに非文と正しい文の区別がつくようになります。メタファー(隠喩)もすんなり理解してしまうかもしれませんよ。子どもの好奇心が育つように、品詞の種類も無理せずすこしずつ説明しましょう。
 勉強は遊び、遊びが勉強、そういう体験を積み重ねながら育ってくれたらしめたものです

 細かいことは気にしない、なんでもいいのです、書けたら大きく花マルをつけて、ほめましょう。字がきれいに書けていたらそれもしっかりほめます。どんどん書ける子は練習する漢字を1年生で出てくる漢字に制限する必要はありません。どんどん上の学年の漢字を使っていいのです。使用文字を制限するのはやめましょう。

 2年生では1年生の2倍、160字の漢字が出てきます。3年と4年生では各々200字です。5年生が185字、6年生が181字で、小学校では合計1006字習います。
 これは2年生で習う漢字です。

引 羽 雲 園 遠 何 科 夏 家 歌 画 回 会 海 絵 外 角 楽 活 間 丸 岩 顔 汽 記 帰 弓 牛 魚 京 強 教 近 兄 形 計 元 言 原 戸 古 午 後 語 工 公 広 交 光 考 行 高 黄 合 谷 国 黒 今 才 細 作 算 止 市 矢 姉 思 紙 寺 自 時 室 社 弱 首 秋 週 春 書 少 場 色 食 心 新 親 図 数 西 声 星 晴 切 雪 船 線 前 組 走 多 太 体 台 地 池 知 茶 昼 長 鳥 朝 直 通 弟 店 点 電 刀 冬 当 東 答 頭 同 道 読 内 南 肉 馬 売 買 麦 半 番 父 風 分 聞 米 歩 母 方 北 毎 妹 万 明 鳴 毛 門 夜 野 友 用 曜 来 里 理 話

 ずいぶんたくさんの文が書けそうです。

 慣れてきたら、主語と述語のある文を書かせてください。
 例を挙げます。

 「何が⇒どうする」: 花が咲く
 「何が⇒どんなだ」: 天気がよい
 「何が⇒何だ」: わたしは小学生だ
 「何が⇒ある(いる・ない)」: 公園がある

 「おかしが一つあそこにある」
 「こどもが一人あそんでる」
 「山が一つみえた」
 「さかなが一ぴきおよいでいる」
 「ことりが一わとまってる」
 ・・・
 
 "国語辞典を引き、傍線を引いた部分を漢字にしてみたら"と線を入れます。

 「おかしが一つあそこにある」
 「どもが一人あそんでる」
 「山が一つえた」
 「さかなが一ぴき およいでいる」
 「ことりが一わまってる」


 楽しいでしょ。主語や述語を欠いた会話をする子どもたちが増えています。そういう子どもはコミュニケーション能力が劣ります。国語の学力にも差がつくので、作文を通じて国文法の基礎をの基礎を教えてしまいます。

 やわらかく品のよい言葉を覚えさせたかったら、「です・ます」調で書かせましょう。

 家庭学習をさせるときにはふだんよりも品のよい言葉をつかいます。まちがっても、「ほらこれやってみろ」なんて言わないでください。家庭学習を通して躾をする、それは話す言葉も含めてです。育ちのよさは、使う言葉や挙措に表れます。鉛筆や箸の持ち方、姿勢、挨拶をするときの動作や声の調子、ご飯を食べるとき、おやつをいただくとき、正式な場に出たときの立ち居振る舞いなど。ふだんをおろそかにしてはいけません。
 そうですね、勉強を始めるときに「それではこれから勉強を始めます」「よろしくお願いします」とちゃんと挨拶をしてからやるのもいいですね。「儀式」をとりいれて、開始と終わりを意識させるのはとてもよいことです。

 1文だけで簡単すぎる場合は、2文、3文と増やしてください。

 読書好きの子どもはたくさん語彙を知っているので、つぎのような十字形のマスを使って、熟語を書かせてみます。

    吸
  引   ⇒ 強 引 卒
  力 

 3つのマスはすぐに埋まりますが、最後の一つを埋めるのは案外たいへんです。そこで数分、あるいは十数分、頭の中を検索することが頭をよくします。
 十分間考えたら、辞書を使ってもよいことにします。国語辞典と漢和辞典を用意して、最初はそのつど辞書の引き方を教えます。

 質問のあったお母さんから、「漢字を使った作文(短文)は宿題になっています」と聞いてびっくりでした。そういう先生がどんどん増えてくれたらいいですね。

 算数は足し算からはじめましょう。専用ノートをを用意して問題を手書きしておきます。
 足し算で桁上がりのあるものをしっかり練習させます。足し算の次は引き算。桁下がりのある問題ができない生徒が少なくありませんから、たくさん問題をやらせます。
 できれば、低学年のうちに2年間ほど珠算塾に通わせたらいいのです。

 こどもが問題の「お替り」を言うようになればしめたものです、家で勉強することが楽しくなっています。勉強がたのしいものだということを体験させるのが家庭学習の躾の要点です。


 大数学者の岡潔先生が『情緒と日本人』の中で次のように書いています。
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 孔子の『論語』に、最初は学をつとめ、次に学を好み、最後に学を楽しむという境地の進み方を述べたことばがあるが、この「たのしむ」というのが学問の中心からの春風の吹く所に住むことに他ならない。 『春宵十話』   同書p.34
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 最初は努力が必要です。やっているうちに家庭での勉強が好きになります。お母さんやお父さんに花マルをもらってほめられたらたのしくなります。夢中でやるので集中力が上がります。
 ついでに、鉛筆の正しい持ち方、正しい姿勢も躾けましょう

 岡潔先生の「学をつとめ、学を好み、学を楽しむ」のもとだねは『論語』です。

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「子曰、知之者不如好之者、好之者不如樂之者」 
「子の曰く、これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好むものはこれを楽しむものに如かず」
   『論語』「雍也第六の20」 p.117(岩波文庫)
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【家庭学習の躾けの必要な理由】
 勉強が楽しいものだと刷り込む、小学校に入学したらすぐに始めてください。自我が育ってしまってからではとてもむずかしくなります。
 さて、冒頭部分で「小学校低学年は塾よりもお母さんかお父さんが教えたほうがいいのです」と書きましたが、その理由はもう明らかですね。家庭学習を通じて躾けるべきことが多いのです。勉強の楽しさ、歓び、興味の広げ方、勉強の仕方を体験させるばかりでなく、姿勢や鉛筆の持ち方、品のよい言葉遣い、粘り強さや集中力、家庭で体験させるべきことや躾けるべきことがびっしり詰まっています。
 低学年から通塾させてしまったら、どこでそれを躾けるんですか?コア(核)の部分が育つ小学校1~3年までは他人任せにしてはいけません、基本的な事柄(コア部分)の躾けは家庭でやるのが当たり前、当たり前のことは当たり前にやりましょう、それが大人というものです。しっかり躾けてコアの部分を作り上げておけば、あとは学校の先生がやってくれます。
 1クラスに先生の制止を聞けない生徒が数人いるだけで簡単に学級崩壊が起きます。学級崩壊がそのクラスの生徒たちの学力を著しく低下させることは学力テストの平均点を挙げて何度も書きました。小学校で学級崩壊を起こした学年の生徒が中3年になったときに、五科目300点満点で30~50点も平均点が下がってしまいます。自我が育ってしまっているので、中学校で躾けのし直しがはなはだ困難になります。親にも先生にもできません、わがままが性格になり、自己抑制できないから大人の言うことを聞けなくなっています。
 家庭学習を通じて、基本的な事柄(コア部分)の躾をちゃんとしておけば、学級崩壊の大半がなくなるとebisuは考えています。


*#3194 学を努め、学を好み、学を楽しむ:岡潔(数学者) Dec. 3, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-12-02


*#3154 日本語読み・書きトレーニング(1) Oct. 11, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-11-1

 #3155 日本語読み・書きトレーニング(2):総論 「読み」と「書き」 Oct. 12, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-12

 #3156 日本語読み・書きトレーニング(3):先読みの技 Oct. 14, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-14

 #3157 日本語読み・書きトレーニング(4):「書き」の「守・破・離」」 Oct. 15, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-14-1

 #3158 日本語読み・書きトレーニング(5):数学と「読み」のスキル Oct. 16, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-15

 #3159 日本語読み・書きトレーニング(6):数学と「読み」のスキル-2 Oct. 19, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-10-19

 #3195 家庭学習習慣の躾は小学1・2年生のうちにやるべし Dec. 4, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-12-04




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#2901 家庭の躾と学力:家庭内での言葉づかいに気をつけよう Dec. 11, 2014 [家庭のしつけ]

 #2900に<余談>で追記した躾についての部分を加筆してこちらへアップします。

<家庭の躾>
 父さん母さん、爺さん婆さん、つまり家庭の躾も学力にとっては重要な項目だ。背筋を伸ばして坐ること、注意されたときにふてくされないこと、挨拶がきちんとできること、先生の制止に従うこと、目上の人への言葉づかい、嫌なことでも必要なことは我慢してやること・・・などなど。

<姿勢と挙措:中学時代の思い出>
 背ズジを伸ばして坐ることのできる児童は、集中力が途切れないし、疲れが少ない。背骨がまっすぐになって身体を支えているから、上半身の筋肉に負荷が小さくなっている。姿勢の悪い生徒は背骨がまっすぐになっていないから、身体を支えるために歪みに応じてからだの筋肉のどこかが引っ張られている。数分するとその筋肉の緊張を緩和しようと身体は自然に動くから、そのときに集中が切れてしまう。しょっちゅう姿勢がぐらぐらすることになる。授業参観のときに後ろから見て、背筋が伸びていない生徒がしょっちゅう身体を動かしているのが目に付くはずだ。集中力が数分と続かないからそういう生徒の大半は低学力層だと判断して間違いがない。

 剣道習わせたら姿勢はよくなる。2年上に剣道5段か6段の根室高校の先輩がいる、もちろんいまでも姿勢がいい。柔道と剣道は練習場が同じだから受身の稽古をしている横で竹刀を振っていた。その先輩の弟と中学時代からの親友なのだが、A中学校のブラスバンド部の指揮者だった彼は兄貴同様に姿勢がよかった。お母さんがなかなか躾に厳しい人だった。お邪魔するたびにebisuは畳に両手を突いてきちんと挨拶してから遊んだから、たぶん「お行儀のよい友人」の一人ということになっていた。(笑)
 もう一人、中学時代の友人がいる。C中学校の校長先生と同姓同名、名前の漢字が違うだけ。遊びに来ると、かならず両手を畳について母に「お邪魔します」と挨拶をしてから遊ぶ、夕方の新聞配達のバイトをしていたので時間になると、遊びをやめて「お邪魔しました」と両手を突いて挨拶をしてから帰る。お袋がべたホメだった。「○○君、きちんとしているねえ」とあいつが帰るたびに言っていた。いまは釧路の在住のようで何年も会っていない、いい奴だ。
 挙措は大事だね。あ、畳の部屋がない家が増えているんだ。躾は畳の部屋と関係のあるものが少なくないから、躾が難しくなっているのかな。畳の部屋で正座して座を改めると心もしゃんとする。
 信じられないだろうが、ebisuは小学生の低学年までは、寝るときに着ているものを枕元にきちんとたたんでから、両手を突いて「お父さん、お母さんおやすみなさい」と言ってから寝ていたんだ。
(当時は柾(まさ)屋根の木造家屋が大半で、火事が多かったからだ。近所が火事だとすぐに起きて服を着て避難しなければならない。実際にすぐ裏手で夜に火事があって真っ赤に炎が上がり、火の粉が飛んできたことがあった。造船所をしていた同級生の家が火事になったときは、道路の向かい側でみているのに熱かった。)

 親の躾はありがたいもの。
--------------------------------------------
挙措:立ち居振る舞い。おこない
 『大辞林』より
--------------------------------------------

<辛抱力を育てる>
 子どもや孫をだめにしたい父さん母さんそして爺さん婆さんは子供や孫のほしがるものをなんでも買い与えたらいい。ゲームが好きなら毎年誕生日に新しいゲーム機やソフトを買い与え、好きなだけ使わせてやったらいい。ねっころがってやったり、悪い姿勢で何時間もやり続けてもほうっておいたらいい。辛抱力ゼロの子どもが出来上がり、その子は大人になっても仕事で辛抱できない大人になる。辛抱できないからしばらくの間はどこに勤めてもきっとすぐにやめちゃうだろう。痛い目に何度も会いながら勉強していくことになる。
 好い子に育てようと思ったら、好き勝手にさせないことだ、辛抱させる、我慢させる。ゲーム機やスマホの使用はルールを設けて辛抱させる。夜9時になったらゲーム機もスマホもパソコンも親に預けて朝まで触らない。学校から帰ってきたら、どんなにお腹をすかしていてもまず30分は勉強させる。食事はその後だ。勉強が重要だということを身体で教える。すかせたお腹の食欲を制御して勉強するとわずか30分間でも辛抱力は育つし、勉強の重要性が身にしみて理解できる。
 小学校に入学する前は、親の言うことを聞かなければ容赦なくビンタしよう。体罰の際には怪我をさせない配慮は必要だ。

 今川義元が幼少期の徳川家康を人質として預っていたときに、養育係の部下にこう命令したという。
  「わかっているな、・・・、ほしがるものはなんでも与えよ」
 義元は家康の資質を見抜いていた。だからほしがるものを何でも与えてワガママ心を育てて、潰しておこうと考えたのである。

<言葉づかい>
 家庭内での言葉づかいも躾の一環でとっても大事な一つだ。家庭で乱暴な言葉で話していると、こどもはそのまんま外でも乱暴な言葉を使うようになる。言葉使いが乱暴だと、言葉は毎日使うものだから、使う人の精神形成に影響を及ぼしてしまう。乱暴な言葉づかいをする人は、毎日毎日すこしずつ粗暴な性格になっていくものだ。家庭内では品のよい言葉づかいを心がけよう。話す言葉に品が出てくると、人格にも品が出てくる。

<いつ躾けるべきか?>
 基本的な躾のいくつかは学校へ上がる前にしておかなくてはならない自我が育ってしまう小学校高学年ではすでに手遅れ小学校低学年が終わるまでにこれらを一つも躾けられないと、先生の制止を聞かずに授業中に立って歩いたり、声を出したりするようになっている。そういう児童・生徒が一つのクラスに3人いたら、ほとんどの先生の手に余り学級崩壊を起こす。教頭先生が交代してもそれまでの躾の問題があるから一筋縄ではいかぬ。

<団塊世代が小学生の頃の先生たちは容赦なくビンタした>
 昔の小学校の先生たちは殴って(ビンタで)制止していたから、家庭の躾の悪い児童・生徒がいても学校での躾が可能だった。いまはそんな先生はいないから、大人をなめきっている子どもたちの躾は学校では困難である。
 塾では何度制止しても言うことを利かないと、本気で叱ってゲンコツかビンタをはることになる。嫌だが言うことを聞かぬ中学生はそうするしかない。塾で躾をするなどということは東京で教えた3年間ではまったく経験がない。
 小学校5年と6年を受け持ってくれたT先生は、北海道教育大釧路分校を卒業したての熱血先生だった。若くて元気で、放課後補習もよくしてくれたが、花咲小学校グランドの裏側が原野になっていてスキーやそりすべりのコースだった。一緒に遊んでくれたものだ。T先生が生徒にビンタするのをみたことがない、そんなによい子ばかりではなかったはずだし、他のクラスには生徒が悪いことをすると容赦なくビンタする先生がいた。ebisuも一度なにか悪さをしたことがあって、職員室へ呼ばれたのだが、こってり叱られるかと思いきや、シェークスピアの『リア王』(児童書版)を渡され、「これ読んでみろ」と、叱られずにすんでほっとしたことがあった。T先生は曙町にお住まいで元気なようだ、うれしいことだ。
 理不尽なビンタで子供心が傷つくケースもあるから、体罰はなかなかむずかしいものだ、これも一つの技かもしれない。
 中学生のときに担任をしてくれたY本先生は根室の老舗のパン屋さんの長女だった。6年位前に心臓にペースメーカを入れてから1年も経たぬうちに亡くなった。いい先生だった。新卒で副担任になったO岩(旧姓)先生は数年前に癌で亡くなった。癌の手術をした後、食事療法に切り換え抗癌剤の服用はやめたとご本人から聞いた。私が癌を患ったことを知っていた。「○○君元気だね、一緒にがんばろうね」、この言葉が励みになった、ヤママンでよく出くわした。やさしい人だった。
 三人ともいつまでたってもebisuの先生である。あ、珠算塾のT橋先生を忘れるところだった。四人の内すでに3人が亡くなった。大学のゼミで3年間指導してくれた哲学者市倉宏祐先生は若い頃ゼロ戦の教官だった、オヤジと同じ歳の生まれだが2年前に亡くなった。恩師が全部亡くなったら今度は自分の番なのだろう。
 感謝を込めて先生たちに合掌。

<小学校でのビンタの奨励>
 私見だが、小学校4年生までは先生の制止を聞かぬ児童はビンタを奨励したらいいと思う。この段階で痛い思いをしたら、わがまま一杯でガマンの経験のない子どもたちにやっていいこととやってはいけないことの区別をはっきり教えることができる。これと放課後補習を組み合わせたら低学力層の半数近くが救えるのではないだろうか

<まず家庭内でいい言葉づかいをしよう>
 漁師町は農業の町よりも概して言葉づかいが乱暴だが、それは学力にも少しは影響があるのではないか?
 品のある言葉づかいと挙措は意識してやれば誰にでもできる、毎年少しずつレベルを上げていったらいい。

<開塾当時の思い出>
 2002年の12月に塾を開いた。なんとも半端な時期だったのだが、小学校6年生の女の子が三人来た。塾に通っているが算数の文章題が零点だったのですぐに塾を変わりたいとの申し出だった。そのときは小学生は教えるつもりがなかった、根室には私立中学がないので不要だと考えていたからだ。お母さんの強い要望で3人受け入れたのだが、この生徒三人は同じ学校で仲もよさそうなのに、授業中の私語がほとんどなかった。一度も注意した記憶がない。根室の親はいい躾しているなとひどく感心したことを覚えている。
 零点だった生徒は中学校に入学してからは数学はいつも80点以上、学力テストで五科目430点ほどの点数で学年90人のなかでつねに上位クラスだったし、他の二人も380-410点だった。それぞれ東京の有名私大、北海学園大、看護専門学校へ進学した。姿勢がよく集中力が大きかっただけでなく、お母さんの躾にいたく感心した。
 その後いろんな生徒に出会ったが、この三人が特別だったことを知った。でも、根室で生まれて育っても都会のお母さんたちに負けない躾をしっかりできるのだから、自信をもってよい。
 20歳代後半の頃、渋谷駅前にあった個人指導の進学塾に3年間いたが、個人面談のときに、子どもに家庭学習習慣を躾けるために9時までテレビをつけないと話したお母さんが数人いた。もちろん大学附属の有名私立中学受験生の親たちである。
 子どもの躾はむずかしい、お母さんの辛抱力が半端ではない。
 がんばれ!根室のお母さんたち


 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16

 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-1

 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-16-2

 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18

 #2873 根室の中学生の学力の現状(5):C中学校1年 Nov. 19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-18-1

 #2875 根室の中学生の学力の現状(6):B中対C中学校1年 Nov. 20, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-20

 #2881 根室の中学生の学力の現状(7):連携と協働  Nov. 25, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-25


*#2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-13

  #2895 H26全国学力テストデータ分析(5):3×3マトリックス分析 Dec 3, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-12-03

 #2896 学校通信が学力向上の旗を振るC中学校 Dec. 5, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-12-04

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#2869 根室の中学生の学力の現状(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 [家庭のしつけ]

 11月7日にあった中学3年生学力テスト総合Cの結果が出てきた。
 B中学校の五科目平均点は134.6点(300点満点)、C中学校が136.7点であった。数年前には学校崩壊状態だったC中学校が文武両道を繰り返し生徒に伝え放課後補習を繰り返して低学力層の底上げに成功している。2014年度の全国学力テストでC中学校の3年生はほぼ全国平均値を達成している。C中学校の分析は次回にまわし、今回はB中学校の推移をみて分析してみたい。


  2014年2013年2012年2011年2010年2007年
4月学テ139.7100.7144.7120.0126.5151.2
総合A123.9110.6122.80.0107.4167.9
総合B129.7109.0123.1114.0112.1150.5
総合C134.6102.8136.3118.0106.2167.9
合計527.9423.1526.9352452.2637.5
平均132.0105.8131.7117.3113.1159.4



 B中学校は市街化地域の3中学校のうちで一番学力が高かった。2007年度の学力テストデータがそれを証明している。この年だけが高かったのではなく2006年度以前は概ね130点から150点の間にあった。
 なぜ2010年度の3年生からガクンと平均点が低くなったかは原因がハッキリしている。3クラスの内の1クラスに3人ほど授業中に騒ぐ生徒がいて、先生の説明がときどき聞こえないと生徒たちから聞いていた。2年になってクラス替えをしてその生徒たちが他のクラスにばらけ、増殖した。その結果学力テストの平均点はそれ以前よりも30~40点下がってしまった。
 授業中に普通の声を出してお喋りが始まると先生の説明がときどき聞こえなくなる。すると話の脈絡が読めなくなり、内容を理解できなくなる。学校の授業は生徒たちの勉強の「ご飯と味噌汁」のようなもので、ここがしっかりしていないと生徒たちの学力が下がる。
 数人の生徒が授業中に先生の制止を聞かずにおしゃべりを始めたり、歩き回ったりするだけでこんなに学校全体の平均点が低下するのである。

(B中学校の急激な学力低下を起こした学年は今年の春に高校を卒業した。今年高校へ入学した学年が、過去7年間で学力が一番低かった。おそらく過去20年間で最低だっただろう。小学校からブカツに没頭していて、家庭学習習慣のない生徒の割合が多かった。中3でも小学校4年程度の漢字の読み書きしかできない生徒が2割ほどもいた。小学校5年生程度の「読み・書き・そろばん(計算)」の基本技能が身についていない生徒が四人に一人の割合でいた。)

 小学校でも同じだっただろうから、小学校の段階で学級崩壊を起こしていたはずだ。小学校の低学年はシツケをきちんとやるべきだ。鉛筆のもち方、授業中の姿勢など大事な型をきちんと身につけないと、中学生になったら習慣となり癖となっているから治すのがたいへんだ。

 授業中に先生の制止をきかない生徒は親の言うこともきかない。家庭のシツケができていないのである。親にため口を聞くようになったら危ない。目上の者に対する言葉づかいは躾けの基本の一つだが、これができていない子どもの割合は三人に二人くらいもいるだろう。ブカツでも上級生にため口を許しているのが普通になっている。先生たち、生徒がため口をきいたら叱ろう。
 小学生低学年のうちに殴ってでもシツケを厳しくするべきだ。学校の先生たちが殴ってシツケをしたら問題になるから殴らない。昔の先生は生徒が悪いことをすると平気で殴ったし、親も「子どもが悪いことをしたら殴って構いません」と言い切る人が多かった。

 さて、こどもをダメにする育て方13箇条を書きとめておく。こどもをダメにしたい保護者がいらっしゃったらこの通りにやってください。え、もう6年間やっている?じゃあそろそろやめましょう。

■ ほしいものは何でも買い与える
■ やらなければならないこを後回しにしても叱らない
■ 鉛筆のもち方が悪くても治さないでほうっておく
■ 勉強するときの姿勢が悪くても注意しない
■ テレビを見ながら勉強しても叱らない
■ ゲームが好きだから誕生日のたびに買ってあげる
■ 本を読まなくても気にしない
■ 漫画の本だけ買い与える
■ 家庭で勉強しなくても叱らない
■ スマホを買い与え、夜10時以降もとりあげない
■ 親や年長者にため口をきいても叱らない
■ 好きなブカツを土日もやらせる
■ 読み・書き・計算速度が遅くてもほうっておく

 子どもをダメにしたくなければこれと逆のことをすればいい。
 親のやるべきことは子どもの躾け、とくに小学校低学年の内に厳しく子どもを躾けよう。自我が芽生えてからではそれまでの悪習慣が性格にまでなっているから、なかなか治らない。小学校6年間で悪習慣に染まったものは、中学生になってから何とか治せるのは三人に一人だ。数年間にわたって途方もない根気と努力がいる。
 どこの塾にもそういう生徒が増えているのではないか。ハンドルネーム「後志のおじさん」がブログ「情熱空間」の記事へのコメントでそういうことを書いていた。釧路のZAPPERさんもそういう傾向があることを心配している。

 学校の先生がやるべきことは低学力の生徒へ組織的に放課後補習をすること、そして文武両道を繰り返し生徒に伝え、土日連続のブカツは慎むこと。保護者が要求してきても学校の方針として断固拒否し、土日いずれかの一日は家で勉強すべきはっきり言い切る。学校通信にもブカツは教育の一環なので、土日連続のブカツは原則禁止と方針を書こう。

 次回は低学力層の底上げに成功したC中学校の事例を分析してみたい。

*#1307 教育再考 根室の未来 第2部 低学力④:荒れる中学校 Dec.19, 2010 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2010-12-19-1

 #1935 フリー授業参観に行こう:啓雲中学校  May 14, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-05-14

 #2606 根室の中学校の過去6年間の学力低下を検証する  Feb. 28, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-27-1

 #2672 急激な学力低下はなぜ起きているのか?:假説 May 10, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-09ある

 #2806 高校数学面白い問題 :小中学校の先生たちへ Sep. 14, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-09-13-2

 #2865 マルクスの労働観と日本人の仕事観:学校の先生必読 Nov. 13, 2014 
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 #2869 根室の中学生の学力の現況(1):B中学校の例 Nov. 16. 2014 
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 #2870 根室の中学生の学力の現状(2):C中学校  Nov. 16, 2014 
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 #2871 根室の中学生の学力の現状(3):学級崩壊  Nov. 16, 2014
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 #2872 根室の中学生の学力の現状(4):B中学校2年生も問題あり Nov. 18, 2014 
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#2867 生徒たちが決めたSNS使用の心得三箇条 Nov. 15, 2014 [家庭のしつけ]

 C中学校で標記の三箇条を生徒たちが決めた。

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   SNS使用の心得三箇条

壱 夜10時以降の使用は控えよう

弐 見知らぬ相手とのつながりに気をつけよう

参 「自分にとって」でなく「相手にとって」を考えて言葉を伝えよう
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 生徒たち自身が決めたということがポイントだろう。10時になったら親にスマホを預けているのは三人に一人ほどのようだが、夜中まで熱中して授業中に居眠りをする者が減るのはいいことだ。
 何かきっかけがないとなかなかやめられない生徒が少なからずいる。

 小樽市教委がスマホ使用について「親子の誓約書」という誓約書のサンプルをホームページで紹介している。こちらはもっと条件が多く、スマホの使用について親の監視やシツケの重要性を強調するものとなっている。生活習慣の健全性を確保することは学力向上に資するところが大きい。

<余談>
 理科のN(ニュートン)やpa(パスカル)の計算が苦手な生徒が多いが、そうした苦手分野を克服するためにプリントを使って集中的に計算問題をやらせる試みがはじまっている。苦手だからと避けていてはいつまでたっても解決できないが、こうした集中トレーニングは計算問題へのアレルギーを取り除き、得意分野へ変えるのに役に立つ。それぞれの教科担当の先生たちがこういう工夫をして試すのはいいことだ。計算問題をたくさんこなすとその分野の理解が一気に進む。がんばれ、C中学校の先生たち。


*#2833 スマホ使用に関する「親子の誓約書」:小樽市教委 Oct. 10, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-10


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#2833 スマホ使用に関する「親子の誓約書」:小樽市教委 Oct. 10, 2014  [家庭のしつけ]

 中高生の三人に一人は「スマホ依存症」に罹っているようだ。家で勉強しているときでもラインやツイッター画面をときどき確認しながらでないと勉強もできない。スマホに常時注意がいっていると勉強は上の空、3時間勉強しても30分しかできない。そして集中していないから覚え切れない。学力障害を引き起こしている。いつも手の届くところにおいて確認しないと落ち着かないようならそれはもう、心療内科の領域で「スマホ中毒患者」。精神化のある病院は「スマホ中毒外来」を新設して、そういう中高生の治療にあたってもらいたい。

 小樽では子どもにスマホをもたせる際に「親子の誓約書」を交わすことを推奨している。根室の親子の皆さんにもぜひ勧めたい。

 「誓約書」をクリックすると別画面に全面が展開されます。
ブログ「情熱空間」より
http://blog.livedoor.jp/jounetsu_kuukan/archives/7567490.html
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2014年10月09日

青写真の差(釧路と小樽)

学力向上に向けた青写真、設計図。塾人から見たならば、正直、疑問符がつく個所がいくつかあるものの、それはつまりは立場の違いとか目指す方向性の違いとかでしょうから、そうした部分を差し引いて考えたならば、これははっきり言ってグッド!ですね。というわけで、小樽市教育委員会による設計図、青写真です。当然ながら、市の平均点も、隠すことなくすべて公表しています。

●小樽市教育委員会
平成25年度 全国学力・学習状況調査
調査結果と指導改善のポイント
http://www.city.otaru.lg.jp/simin/kyoiku/gakko_kyoiku/kenkyusyo/tyosa_kekka.data/h25houkokusyo.pdf

例えば、学校改善プラン。我が市にも同じ名称のものがあるようですが、小樽市のそれはまったく違うもの。「目標は数値で計測できるものであること」「方策は実効性のあるものに限ること」「「誰が・いつまで・どのように実施するのかを明確にすること」と、実にまっとうなものです。我が市のそれが、実に実に情けなくなります。

無題



































携10運動なるものを取り入れているそうで、~携帯電話やインターネットは、10時まで(携10運動)とし、就寝時は、自分の部屋に持ち込ませない取組をします~とあります。さらにはこうしたものまで。携帯電話やスマートフォンを持つにあたっての親子の誓約書!すばらしいですね、家庭における生活習慣にまで一歩踏み込んで論じています。

無題
























対する我が市。議会で潤子議員の指摘を受け、今になってやっとこさ携帯電話・スマートフォンの動向調査を開始するということですから、こうした取り組みが公表されるのは早くても年明けになりそうです。嗚呼、よーどん!で一番先に飛び出したものの、どんどんどんどん、抜かれていくんだなぁ…。

さて、小樽市教委。学力向上に向け、5つの柱を置いているんですね。そして、その中に学校改善プランが組み込まれているんです。以下、5つの柱です。

 1.学力の定着状況の把握
 2.教職員の指導力の向上
 3.確かな学力をはぐくむ教育課程及び授業の改善
 4.学習習慣をはぐくむ家庭学習の充実
 5.学校と家庭が一体となった生活習慣の改善


対する我が市。学校改善プランの3つの方向性というものがあるらしく、それは以下の通りです。しかし、そもそも学校改善プランというものの位置づけからして曖昧。小樽市との差は歴然。そもそもの始まり、「学力の定着状況の把握」からして無いのですから。

 1.授業づくり
 2.環境づくり
 3.習慣づくり

こういうことです。小樽市はまず、学力向上に向け5つの柱を定め、その中に学校改善プランを置いています。有用なツールとしての位置づけなのでしょう。ところが我が市は、それが別個のものになっているんです。良し悪しは別にして(笑)、釧路市教育推進基本計画があるわけですから、そこにPDCAサイクルを組み込んで連動させるべきが、そうはなっていないんです。ぶっちゃ言うと、こう。学校に丸投げ。検証など、なし。

多分、我が市においての学校改善プランとは、全国学テの結果分析に特化した計画との位置づけなのでしょうけれど、それより上位施策である釧路市教育推進基本計画と、なぜか連動していないんですね。ここ、ものすごくおかしいって思いますね。(釧路市教育推進基本計画を制定するということになった際、そこに従来からあった学校改善プランを当然に組み込むべき。そう考える事務方が、残念ながらどなたもいらっしゃらなかったというのが実際のところでしょうか)

青写真の精度の差。設計図の精度の差。これは実に大きいですね。十中八九、我が市はまた「後発組」に抜かれることになるでしょう。小樽市教委、いい仕事をしていますね!嗚呼、羨ましい。
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