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#3247 East Antiarctica at risk of thaw Feb.28, 2016 [時事英語公開講座]

 2014年5月13日にアップした同じタイトルの#2675の時事英語をテクストにして高校1年生の質問に答えていたら、Wilkes Basin の訳語が適切でないことに気がついた。
 「ウィルクス海盆」と訳していたのだが、読み直したら「海盆」ではなく、内陸側のBasinであることがわかった。
 ネットで「Wilkes Basin」をキーにして検索したら、南極大陸の地図に図示されたものが見つかった。Wilkes Basinは南極大陸の外側ではなく、内陸部にある。
 「海盆」に対して「(氷結)湖盆」という訳語を当てて、高校1年生用に構文解説を加えて書き直した。m(_ _)m
 
(なお、#2675はそのままにしておきます)

======================
Study adds to worries over rising sea levels
East Antarctica at risk of thaw
Reuters

(1)
 OSLO – Part of East Antarctica is more vulnerable than expected to a thaw that could trigger an unstoppable slide of ice into the ocean and raise world sea levels for thousands of years, a study Sunday showed.

(2)  The Wilkes Basin in East Antarctica, stretching more than 1,000 km (600 miles) inland, has enough ice to raise sea levels by 3 to 4 meters (10-13 feet) if it were to melt as an effect of global warming, the report said.

(3)  The Wilkes is vulnerable because it is held in place by a small rim of ice, resting on bedrock below sea level by the coast of the frozen continent. That “ice plug” might melt away in coming centuries if ocean waters warm up.

(4)  “East Antarctica’s Wilkes Basin is like a bottle on a slant. Once uncorked, it empties out,” Matthias Mengel of the Potsdam Institute for Climate Impact Research, lead author of the study in the journal Nature Climate Change, said in a statement.

(5)  Co-author Anders Levermann, also at Potsdam in Germany, said the main finding was that if set in motion, the ice flow would be irreversible. He said there is still time to limit warming to levels to keep the ice plug in place.

(6)  Almost 200 governments have promised to work out a U.N. deal by the end of 2015 to curb increasing emissions of man-made greenhouse gases that a U.N. panel says will cause more droughts, heat waves, downpours and rising sea levels.

(7)  Worries about rising seas that could swamp low-lying areas from Shanghai to Florida focus most on ice in Greenland and West Antarctica, as well as far smaller amounts of ice in mountain ranges from the Himalayas to the Andes.

(8)  Sunday’s study is among the first to gauge risks in East Antarctica, the biggest wedge of the continent and usually considered stable. “I would not be surprised if this (basin) is more vulnerable than West Antarctica,” Levermann said.

(9)  Antarctica, the size of the United States and Mexico combined, holds enough ice to raise sea levels by some 57 meters (188 feet) if it ever all melted.

(10)  The study indicated that it could take 200 years or more to melt the ice plug if ocean temperatures rise. Once removed, it could take between 5,000 and 10,000 years for ice in the Wilkes Basin to empty as gravity pulls the ice seaward.

(11)  “It sounds plausible,” Tony Payne, a professor of glaciology at Bristol University who was not involved in the study, said of the findings. The region is not an immediate threat, he said, but “could contribute meters to sea level rise over thousands of years.”

(12)  The United Nations panel on climate change says it is at least 95 percent probable that human activities such as burning fossil fuels — rather than natural swings in the climate — are the dominant cause of warming since the 1950s.

(13)  Sea levels are likely to rise by between 26 and 82 cm (0.85 to 2.7 feet) by the late 21st century, after a rise of 19 cm (0.6 feet) since 1900, it says. Antarctica remains the biggest uncertainty.

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  解説 
Study adds to worries over rising sea levels
 海面上昇の懸念があるという研究がもう一つ公表された

East Antarctica at risk of thaw
 プラグ・アイスが溶け出しそうな東・南極大陸

 南極:Antarctica, the Antarctic pole, south pole 
 北極:the Arctic pole, north pole

(1)
 OSLO – Part of East Antarctica is more vulnerable than expected to a thaw that could trigger an unstoppable slide of ice into the ocean and raise world sea levels for thousands of years, a study Sunday showed.

 ((ノルウェー)オスロー:南極大陸東部はいままで考えられていた以上にもろく、滑り落ちて海洋へ流れ出す可能性が高い。そういうことが起きれば数千年間にわたって海面上昇が起きるという研究が日曜日に公表された。)

 冒頭の文は構文がこっている。たとえば、「(it has been) expected to do の「do」が省略されている。省略しても読み手が理解できるあたりまえの語は省略されることがある。’(is) expected to (melt / thaw)’カッコ内の語が省略されているのである。文脈で容易に判断がつく。
 ‘a thaw’ 以下は「予測されていること」の補足説明である。
 分のつながり(構造)がよくわかるから、文を三つに切り分けてみよう。

Part of East Antarctica is more vulnerable than expected to (melt)
a thaw that could trigger an unstoppable slide of ice into the ocean raise world sea levels for thousands of years
a study Sunday showed.

 ①は「SVC」の文で、「なにがどんなだ」という文である。意味は「東・南極は今まで考えられてきた以上に脆弱である」
 ②のthatは関係代名詞であるから、関係節を括弧で括ってわかりやすくしておいた。「SVO+T」、Ⅲ文型。Adverbial Phrase(副詞節)をPlaceに関わるものとTimeに関わるものに分けて表示する。元の文を復元すると次のようになる。
-1: a thaw could trigger an unstoppable slide of ice into the oceanSVO
-2: a thaw raise world sea levels for thousands of years.SVO+T

 thawは名詞で「暖かさ、雪解けの季節、雪解け」である。
「②-1:南極の氷河が溶けるような気候変化があれば、海洋に南極の氷河がとめどなく滑り落ちていくきっかけになりうる」「②-2:氷河が溶けるような気候変化は数千年にわたって海面上昇を引き起こす」 南極東部なら'the east part of Antarctica'だろう、どれほどの違いがあるのかわからぬが、本文には「東・南極」と書いてあり、地図を見るとウィルクスランドという表示がある、根室市落石灯台が東経145度付近だが、南へ下って南極大陸にぶつかると、その辺りはウィルクスランドとビクトリアランドの境界付近である。東経170度(日付変更線)付近は南緯85度付近まで大陸が切れ込んでおり、「ロス棚氷ice shelf」のあるロス海に至る、この辺りの氷の厚みは千メートルを超えており南極大陸の陸上に載っている氷河と一体の塊と化している。

 南極の氷の厚さは平均で2450m、最も厚い部分は4776mもある。面積は1204km^2(日本の国土面積の32倍)、氷の体積は陸上部分のみで2938km^3

*http://www.nichirei-ice.com/ice/q3_2.html

 検索していたらおもしろい物を見つけた。南極大陸の断面図である。南北線でカットし左が西、右が東という断面図である。平均標高はわずか16m、西側は平均標高が海面下だ。だが載っている氷がなくなれば、「地殻均衡」作用が働いて、陸地が隆起し600mほどの標高になるという。

*Antarctic School「雪と氷の大陸・南極」
http://polaris.nipr.ac.jp/~academy/jiten/tairiku/04.html

(2)  The Wilkes Basin in East Antarctica, stretching more than 1,000 km (600 miles) inland, has enough ice to raise sea levels by 3 to 4 meters (10-13 feet) if it were to melt as an effect of global warming, the report said.

The Wilkes Basin in East Antarctica, stretching more than 1,000 km (600 miles) inland, has enough ice to raise sea levels by 3 to 4 meters (10-13 feet)SVO
 to raise以下の不定詞句はiceを修飾する形容詞的用法。
if it were to melt as an effect of global warming⇒仮定法過去の文
--------<
参考>----------
If all the Antarctic ice were to melt, the level of the sea would rise to drown most of the seaports of our planet. (
もし南極の氷が全部解けるようなことがあれば、海の水位が上がって地球上の港の大部分は水没するだろう) 江川泰一郎『英文法解説』P.257
--------------------------
 この文ではもう一つ問題がある。「as」の用法・機能である。asは多義的な語で曖昧であるからやっかいだ。江川先生も「butと並んで両横綱と言ってよい」(同書P.397)と書いている。同じところで次のように説明している。
「学習英文法の枠からはみ出したようなasも限定のasと考えれば(品詞の問題は別にして)意味上の説明は一応付けられる」
 ここでは直前の’to melt’を限定しているものと理解したい。ここでも「後ろの句(phrase)は前の語(word)の補足説明」なのである。meltだけでなく条件節全体を限定していると理解したほうが文脈に合う。

(東・南極にあるウィルクス海盆は内陸に1000km以上広がっており、そこには地球温暖化の影響で融けると海水面が34m上昇するだけの量の氷がある。)

 地図を見るとウィルクスランドはあるが、ウィルクス海盆は描かれていない。手元の地図には大きな棚氷はロス棚氷とフィルヒナー棚氷(collins World Atlas mini editionには'Ronne Ice Shelf'と書いてある)の二つだけ。棚氷とは大陸から張り出した部分の氷だが、ウィルクスランド付近の氷は大陸に載っている。グーグル地図で検索してもWilks Basinはヒットしない。

 'stretching more than 1,000 km (600 miles) inland'はウィルクス・ベイスンの説明である。「後ろは前に位置するものの説明」という原則どおり、挿入句あるいは補足説明と理解していい。元のsimple sentenceを復元すると次のようになる。 
 The Wilkes Basin in east Antactica stretches more than 1,000 km inland.
 ウィルクス・ベイスンとは南極大陸の内陸に1000km以上も広がっていると説明しているが、どういう地形なのか具体的なイメージがわかない。どうやら南極の周辺にある海盆ではなさそうである。

 辞書に湾という訳語が載っていても「ウィルクス湾」という訳は適切ではない。次の文(3)で追加説明がなされているが、地質学用語の「海盆」が正しいが、洗面器のような形状をもつ窪みを言い表す語であるから、内陸側にあればそれは凍った湖である。

 教室の壁に貼り付けてある世界地図2枚で確認した。日本で作成されたほうに英語と日本語の両方で次のような海盆名をみつけた。
 South Australia Basin 南オーストラリア海盆
  Australia Antactic Basin
 オーストラリア南極海盆
  Southeast Pacefic Basin
 南東太平洋海盆
  North Pcific Basin
 北太平洋海盆
 どういうわけか、米国で作られた世界地図のほうにはbasinの標記がひとつもなかった。

 「ウィルクス湖盆」は内陸に1000kmを超えて広がっている。日本全土ほどの湖を想像してもらいたい


 次の
(3)に「海面下の大陸棚に載っている小さな氷のリムに支持されている」と書いてある。「ウィルクス湖盆」だとすると内陸にある氷の湖とその上に2000mの氷河が載っているから、大陸棚のリムは湖盆に載っている巨大な氷河が海へ流出するのを止める栓の役割をしている。事情は逆だった。

(3)  The Wilkes is vulnerable because it is held in place by a small rim of ice, resting on bedrock below sea level by the coast of the frozen continent. That “ice plug” might melt away in coming centuries if ocean waters warm up.

(ウィルクス湖盆の氷はもろく、氷の小さな縁凍てついた大陸の海岸付近の水面下にある岩盤(大陸棚)の上に載っているに支持されている。"アイス・プラグ(氷栓)"は海洋の水温が上昇すれば今後数百年間で融けてしまい、氷栓を失ったウィルクス湖盆の巨大な氷河が海へと流れ出す可能性がある。)

 'is held in a place by a small rim of ice'と書いてあるから、東・南極大陸辺縁部にあるウィルクス・ベイスンの氷平原は小さな環状の氷によって繋ぎ止められている。コンセントにプラグが差し込まれてコードがつながっている様子を想像すれば'ice plug'がどのようなものをさしているのかよくわかる。
 keepではなくholdを使っているから、一時的につなぎとめられているということで、接続の脆弱性が表されている。海盆側に突き出た氷河をつなぎとめている部分は「海岸の辺縁部にある小さな環状の氷」とあるから、環状になっている部分は幅が狭いのだろう。具体的なデータが書かれていないが、大陸棚(海面下0200m)がリムにあたる。氷河の下部はウィルクス湖盆にあるが、栓の役割をしているリム部分に温暖化の影響で海水が入り込めば氷河の流速が大きくなり、傾斜の上の方に当たる内陸中心部側からの巨大氷河の質量と圧力で押し出されてしまうリスクがある。始まってしまえば人間には止められない。

------------------------------------
basin
an open round container shaped like bowl with sloping sides, used for holding food or liquid.
 
a shelterd area of deep water where boat are kept.
         -CALD-
「傾斜面をもったボウルのような開いた円い容器、ボウルとは食べ物や液体を入れる容器のこと」
basin: In geography, a basin is particular region of the world where the earth’s surface is lower then in other places.
                      -Colins English Dictionary-
http://dictionary.reverso.net/english-cobuild/basin

海盆は地質学用語だ、『大辞林』で引いてみる。
海盆:円形ないし楕円状などの形をした海底の窪地。 
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 の意味だと思い込んでいたので、はじめは「ウィルクス湾」も「ウィルクス海盆」も文脈に合わない。「ウィルクス(氷結)湖盆」と訳さなければならない。

 南極大陸の一部が洗面器状にへこんでおり、「氷湖」になっている、汽水湖あるいは湾を想像してもらいたい。大陸棚の幅は1030kmぐらいだから、大陸棚の海底の岩盤に内陸側から押し出されてくる高さ2000m超の氷河が固定されて、流速を小さくしている。写真を見ると、矢印のある部分が周りよりも流れる速度が大きい。その幅は記事中にあるように「小さい」。毎年氷河が200m大陸棚へ押し出されると假定する(一番流速の大きいしらせ氷河が1627m/46days、だが氷河の流速については年間数kmのところもあるというNASAの研究もある)と、50km押し出されるのに250年かかる。大陸棚を越えた氷の平原は、海底の支えを失うが、大陸棚の氷山と分厚く接合されているので沈みこまない。氷の下では海水が冷やされて深層海流となって沈み込んでいくから、温かい水が北(オーストラリア)側から流れ込んでくる。その暖かい海水が氷平原の下部をゆっくり絶え間なく溶かしていく。そして百数十キロも沖合いに届く頃には、重さと浮力のバランスが壊れて先端部から崩れて氷山となって流れ出していくのだろう。
*しらせ氷河の流速研究資料
http://www.watanabe-found.or.jp/pdf/gaiyou/S-H19-171.pdf

 湖盆は大陸内部にあり大陸棚から深海へ押し出されて氷山となって流れ出ていく。大陸棚に載っている氷は氷河となって内陸側から海へと順次押し出される。温暖化の影響で、栓の役割を果たしている大陸棚の下部に海水が入り込み滑るようになりつつある。微妙なバランスで南極大陸の2400mの厚さの氷河は、ウィルクス湖盆のリムで速度を落としている。

 大陸棚に載っている氷と湖盆側の氷の接続部に海水が入り込んだら、巨大な氷河の流速が大きくなり湖盆の外側の海へと押し出されるから、海水面が上昇するという理屈である。

 英文を読み、いろいろ調べ、そして考えて一つの推論を組み立てているのだが、関連資料を漁ってみないとわからないことがいくつもある。英文を読むにはテーマについての周辺知識が要求される。読みながら周辺知識を蓄えるということも英文を読むことと同じくらい大事なことなのである。
(社会人となったときに、複数の専門分野に関係する仕事をこなすために、自分の専門外の専門書を読む、そして読んだ分野の知識を使って仕事をして経験をつみ、その分野でも専門家になってしまうというようなことが起きるからだ。会計と原価計算と経営管理の専門家であったが、統合会計システム開発のために1979年から5年間システム開発関係の専門書を20冊ほど読み漁って、システムエンジニアとしての経験を積んだことがある。異質の分野の仕事に関わるたびごとに、専門書を読み、それをすぐに仕事に使ってその分野の「専門家」になった。)


 さて、Wilkes Basinについて文をベースにしてイマジネーションを膨らませてきたが、地図上ではどこにあり、どのような地形なのかについて、ネットを検索して調べてみよう。
Wilkes Basinをキーにしてググってみたら次のURLがヒットした。

*http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2621274/Global-warming-trigger-melting-unstable-ice-plugs-raise-sea-levels-13-FEET-claims-study.html

 2014
516日にアップされたもので、タイトルは「Global warming could trigger melting of 'unstable ice plugs' that would raise sea levels by up to 13 FEET, claims study」、南極大陸の地図が載っており、この中にWilkes Basinが図示されていた。’Wilkes marine ice sheet’と表示されている。内陸の湖盆であるWilkes Basin の上に載っている「海洋水アイス・シート」と表示があるから、氷が無ければ湾になっている。日本の面積ぐらいの巨大なサロマ湖を想像してみたらいいのかもしれない。氷が無ければどうやら汽水湖ではなく、湾というべき。
 
位置は、東経160度、南緯6472度。Ice plugsも図示72度付近の南極大陸の海岸線部分に紐状に赤くマーキングされている。面積は英国とアイルランドを合わせたぐらいある。王冠型をした内陸湖で、湖盆が円形をしていると仮定すると海への開口部は円周の20%ほどある。開口部が広いから、リム部分のice plugs に海水が入り込んでしまえば、ウィルクス湖盆に載っている氷河は難局中央部から4000m級の氷河に押されて十数倍の速度で海へ流れそうである。


 南極大陸に蓄えられた氷の流出の影響もたんに海水面の上昇だけではあるまい。南極大陸辺縁部の大陸棚から突き出た氷河に海水が冷やされて沈み込むことで、安定した深層海流の流れがあるはずだが、100平方㎞を超えるような氷山が比較的短期間にいくつも流出すれば、その流れも影響を受けるに違いない。辺縁部から海盆側へ突き出た氷河がなければ、そこに深層海流は生まれない。南半球の安定した深層海流の流れが変わってしまうことで、生態系にどのような影響があるのだろう。これが北極だったら影響はもっと深刻だ。北極の氷が半分になったら、深層海流の流れが大きく変わり、既存の好漁場(たとえば北方領土付近)は甚大な被害がでるだろうことは推測にかたくない。

 <調べたデータと計算値>
 地球半径: 6371km
 表面積=4πr^2=51006km^2
 海:36106km^2 (70.8%
 海水総量: 134993km^3
 
 の数値を使うと、100kmの正方形で厚さ2400mの氷河が流出したら、海面は6.6cm上昇する。
(海面上昇のメカニズムがわかったので、冒頭と末尾に追記した)

 
南極大陸から押し出された巨大な氷が東・南極大陸の辺縁部、ウィルクス海盆に広がっているのである。大陸との接合部分は大陸棚にどっかりと腰を下ろした千mクラスの氷山、それがウィルクス・ベイスンの氷平原と連続している。理屈はともかくとして、面積数十万km^2、高さ3001000mの巨大な氷の塊がウィルクス海盆に落ちて南極海に流れ出したら、そりゃあ、海水面は上がるだろう。
 34m上がったら、根室の緑町、常磐町、梅ヶ枝町、本町、松ヶ枝町、花咲町、千島町、弁天町などはみな水底である。温根沼大橋も海水で洗われる。橋に接続する道路も水底となる。落石地区の海岸線や花咲港も水の底だ。イーオンの屋上から釣り糸を垂れてチカ釣りができるだろう。
 東京下町も水の底。世界中の海岸部の人口密集地帯が水没することになる。

 海岸付近の低地は人口密集地帯が多いから海岸近くの低地に存在する世界中の大都市が水没ということになる。食糧生産も大打撃を受けるから、人口縮小が世界的な規模で起きる。否応なしに世界中が人口縮小、経済規模縮小の時代へ突入することになる。メカニズムが働けばもう誰にも止めることができないすでにスィッチは押されてしまっている?

(4)  “East Antarctica’s Wilkes Basin is like a bottle on a slant. Once uncorked, it empties out,” Matthias Mengel of the Potsdam Institute for Climate Impact Research, lead author of the study in the journal Nature Climate Change, said in a statement.

 「東・南極にあるウィルクス海盆は斜面に置かれた瓶のようなものだ。一度でも栓が抜けたらナカミが流出して空っぽになる。(気候変動誌に掲載された)この主著者で、ポツダム気候変動研究所のマシアス・メンゲルがステートメントの中でそのように言明している。」

 内陸側から海側へ向かって傾斜しているが、そこに瓶が置かれているのを想像してもらいたい。瓶の栓は海側へ向いているから、栓が抜ければ中身が海へと流れ出る。

East Antarctica’s Wilkes Basin is like a bottle on a slant. SV
Once uncorked, it empties out  
②の文は仮定法である。
(If it is) once uncorked, it empties out.
 主節のitと従属節(if節)のitはどちらも a bottle を指しているから、従属節の方が省略される。

(5)  Co-author Anders Levermann, also at Potsdam in Germany, said the main finding was that if set in motion, the ice flow would be irreversible. He said there is still time to limit warming to levels to keep the ice plug in place.

(論文共著者のアンドレス・リバーマン(ドイツのポツダム研究所)はその氷の平原が一旦動き出したら、もう止めることができないと述べている。アイス・プラグをつなぎとめておくレベルに温暖化を抑制する時間的余裕がまだあるとも述べている。)

the main finding was that if set in motion, the ice flow would be irreversible 
  SVC 
 
この文のthat節は仮定法過去である。If節のsetsがついていないことに注意しよう。過去形である。ここでも主節の主語と従属節(if節)の主語が同一だから、従属節の方が省略される。
if
the ice flow set in motion, the ice flow would be irreversible

finding
:研究成果、結果、結論
keep 
in place: ~を所定の位置に保持する holdin placeと比較

(6)  Almost 200 governments have promised to work out a U.N. deal by the end of 2015 to curb increasing emissions of man-made greenhouse gases that a U.N. panel says will cause more droughts, heat waves, downpours and rising sea levels.

SVO
O+Adv.T+Adverbials.
(約200の国々が2015年末までに人間活動によって作り出される二酸化炭素の排出を抑制するという国連の取り決めを実行すると約束した。二酸化炭素の増加は旱魃、熱波、豪雨、海面上昇を引き起こす。
 
 almost 200 governmentsは、190-200の間の数字を表している。「200前後」ならaboutを使う。意味は190-210と上限と幅が違ってくる。

(7)  Worries about rising seas that could swamp low-lying areas from Shanghai to Florida focus most on ice in Greenland and West Antarctica, as well as far smaller amounts of ice in mountain ranges from the Himalayas to the Andes.

(グリーンランドや西・南極大陸上に存在する氷が融けると、上海からフロリダまでの間にある世界中の海岸近くの低地を水底に沈めてしまう海面上昇が起きるという懸念は、量がはるかに小さいがヒマラヤからアンデスまで世界中の山脈の頂上付近に存在する氷河の量が減少し続けていることへの懸念と同種のものである(要するに陸地に載っている氷が大量に融け続ければ海面上昇が起きるのである)。)Worries about rising seas (that could swamp low-lying areas from Shanghai to Florida) focus most on ice in Greenland and West Antarctica,
 
修飾語を省き、単純化すると、次のようになる。
Worries about rising seas focus most on ice in Greenland and West Antarctica.
「海面上昇の懸念はグリーンランドと西南極の氷に集中している」
 mostは副詞で、focusを強めている。「一番集中している」「とても集中している」だが、訳出しないほうがいい。日本語として滑らかなものに書き換えると、
「グリーンランドと西南極の氷に(世界中の研究者たちの)関心が集まっている」

 いままで東・南極の氷に脆弱性があると言ってきたのに、なぜここは西・南極なのだろう?話が飛んでしまっているように見える。大丈夫、次を読めばわかる。

(8)  Sunday’s study is among the first to gauge risks in East Antarctica, the biggest wedge of the continent and usually considered stable. “I would not be surprised if this (basin) is more vulnerable than West Antarctica,” Levermann said.

 wedgeは「楔」という意味であるが、「the biggest wedge of the continent」は「南極大陸最大の楔」という意味で、南極大陸東部にあるロス棚氷の地域を指している。その形状が南極大陸に楔を打ち込み、V字型に欠けたように見えるから「the biggest wedge of the continent」と書いたのだろう。
 amongは「含まれている」という意味である。GENIUSに次のよう例が載っている。
  Japanese travelers were among the casualties.
   [
犠牲者には日本人が含まれていた]

Sunday’s study is among the first to gauge risks in East Antarctica, the biggest wedge of the continent and usually considered stable.
 SVPrep.Phrase(前置詞句)
the biggest wedge of continent
East Antarctica の補足説明である。後段の文に主語を補ってみる。文脈上、わかりきった主語とbe動詞にはdeletionが働く。この辺りが、高校の教科書に載っている英文と、新聞英語の違いの一つである。
 (East Antarctica was) usually considered stable.

(日曜日に公表された研究論文は東・南極にあるさまざまのリスクを評価が含まれている。東・南極とはすなわち南極大陸がV字型に切れ込んでいる箇所(ロス海沿岸)のことであり、いままでは安定していると考えられていた。"西・南極に比べてこのウィルクス・ベイスンがもろいものであることにわたしは驚かない"とリバーマンは述べている。)

 どうやら、いままでの南極の氷に関する研究は、西・南極に集中していたようだ。西・南極の氷が海洋に流出するリスクが高いと思われていたが、東・南極の氷の研究が進んだ結果、東側の方が今まで考えられていたよりも脆弱であることがわかったということ。

(9)  Antarctica, the size of the United States and Mexico combined, holds enough ice to raise sea levels by some 57 meters (188 feet) if it ever all melted.

the
 size 以下はAntiacticaの補足説明だから、括弧で括る。
Antarctica(, the size of the United States and Mexico combined,) holds enough ice to raise sea levels
Antarctica holds enough ice to raise sea levels
ずいぶんと簡略化された。
「南極には海水面を上昇させるに充分な量の氷が蓄えられている」
hold
を使っているから、一時的に蓄えられているということ。手で握っている状態を想像したらよい。いつまでも握っていられない、いつか掌を開くことになる。holdが出てきたら、keepだったらどういう意味になるか比較対照しながら読むとよい。
by some 57 meters (188 feet) if it ever all melted
程度を表すbyである。この用法は新聞英語では頻出するので覚えてもらいたい。「全部融けてしまったら、おおよそ57mだけ(海面上昇が起きるに充分な量の氷が蓄積されている)」

(米国とメキシコをあわせた大きさの南極大陸に積み重なった氷が全部融けてしまえば、海水面を57mも上昇させてしまう。)

(10)  The study indicated that it could take 200 years or more to melt the ice plug if ocean temperatures rise. Once removed, it could take between 5,000 and 10,000 years for ice in the Wilkes Basin to empty as gravity pulls the ice seaward.

it could take for A to B :A
からBまでかかる
seaward
adv海側へ pull the ice seaward

(公表された研究論文が示していることは、海水温が上昇したとしても、200年かそれ以上の歳月がかかるということ。一度それが動き出したら、急傾斜面で働く重力が(厚さ2400mの)氷河を大陸棚の外側へ引っ張るので、ウィルクス・ベイスンから500010000年間かけて氷がなくなってしまう。)

(11)  “It sounds plausible,” Tony Payne, a professor of glaciology at Bristol University who was not involved in the study, said of the findings. The region is not an immediate threat, he said, but “could contribute meters to sea level rise over thousands of years.”

 plausible:プルーザブル adj もっともらしい、妥当な 発音要注意だね!
(この研究に参加していないブリストル大学のトニー・ペイン教授(専門は氷河学)は調査結果が"妥当"だとのべている。東・南極は現在ある脅威ではないが"数千年間に渡り、数mの海面上昇を引き起こしうる"と述べている。)

 共同執筆者では仲間内の評価になってしまうので、ロイターは外部の研究者にこの研究への客観的な評価を求めたのだろう。

(12)  The United Nations panel on climate change says it is at least 95 percent probable that human activities such as burning fossil fuels — rather than natural swings in the climate — are the dominant cause of warming since the 1950s.

(国連気候変動パネルは化石燃料を燃やすような人間活動自然な気候の揺らぎよりも95%の確率で、1950年代以降引き起こされている地球温暖化の支配的な原因であると述べている。)

 この結論は妥当だろうか?中部大学の武田教授のように太陽の黒点活動が低迷期に入り地球は寒冷化に向かっていると主張している学者もいる。

(13)  Sea levels are likely to rise by between 26 and 82 cm (0.85 to 2.7 feet) by the late 21st century, after a rise of 19 cm (0.6 feet) since 1900, it says. Antarctica remains the biggest uncertainty.

21世紀後半には海面は2682cm上昇しそうだ。1900年から20世紀末まで19cmの上昇だった。南極は最大の不確実性であり続ける。)

 百年間で比較すると、20世紀は19cmの海面上昇にすぎなかったのに、21世紀後半(2050年)までには最低でも26cm、最大で82cmの海面上昇となる。1.5倍から4.3倍の海面上昇が高い確率で起きるようだ。IPCCが予測しているよりも、ずっと深刻だという研究も公表されているから、海面上昇に関する研究は百花繚乱の様相を呈している。こういうことは元の論文を読んで裏付けデータを自分なりに解釈しないと判断ができない。たくさんある研究の中の一つぐらいにとらえておこう。

 問題なのは、一旦溶け出したらその反応は不可逆で、数千年間続くということ。温暖化が地球規模ではっきり確認できたときには「もう遅い」ということがありうる。

************************
  補足 

【海面上昇のメカニズム】5/13 11時追記
 「南極・ニュース」で検索してみたら、NHKが関連ニュースを1時間前に配信していた。
*南極の一部氷河 「温暖化で流失防げず」 513 952分」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140513/k10014403511000.html

 大陸棚にある氷河と岩盤の間に海水が入り込んでしまっているというのだ。そこがリムとなって大陸棚の外側の急斜面を氷河がずり落ちるのをとめていたのだが、その「接着剤」がはがれたということ。あとは重力の仕事だで、接着面が次第に小さくなり、あるとき突然に急斜面を氷河がウィルス海盆へ向かって滑り落ちることになる。
 仮にリム部分(大陸棚の上)の氷河の厚みが1000mで大陸棚の深さが0200m20kmの幅でゆるい傾斜だとしよう。その先はウィルクス海盆で30度の急傾斜になっている。1000mの厚さの氷河がリム部分を越えると、海水の上に出す頭は80mくらいだから、重力で急斜面を下りながら920mも沈み込むことになる

 
まどろっこしいのでNHK記事を引用する。

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NASA=アメリカ航空宇宙局などの研究チームは南極大陸の一部の氷河について、温暖化の影響で、すでに氷河そのものが失われるのを防ぐことができない状態になっているという分析結果を明らかにしました。
NASAやカリフォルニア大学などの研究チームは12日、人工衛星や航空機による観測などから得られた過去40年間のデータを基に、南極大陸の西側にある6つの氷河の状態や地形を分析した結果を発表しました。
それによりますと、これらの氷河では、海水温の上昇などの影響で地面と接する氷河の下の部分に海水が流れ込んで氷が溶けており、氷河と地面が切り離されている地点は、20年前と比べて最大で37キロ内陸側に入り込んでいたということです。
このため氷河が流出しやすくなっていて、氷河が海に向かって移動する速度は年に最大4キロメートルと、40年前と比べて1.7倍の速さになっていたということです。
さらに氷の下の地形の分析で、流出をせき止められるような地形ではないことが分かり、研究チームは「これらの氷河が失われるのを防げる段階はすでに超えた」として、今後数百年以内に6つの氷河はすべて失われ、1.2メートルの海面上昇につながると指摘しています。
また、16日付けのアメリカの科学雑誌「サイエンス」では、別の研究チームも6つの氷河のうちの1つが早ければ200年後にも崩壊するという予測を発表し、温暖化の深刻な影響が浮き彫りになっています。
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Photos

Click to enlarge
 この写真にある部分が氷河の流速の大きい部分を示している。幅は10kmほどだ。2000年の写真では10km×5kmほどの氷山が流れ出している。これが大陸棚に乗っている部分からねこぞぎ南極海へ流出したら、120km×100kmもの面積(四国の7割りのサイズ)の巨大氷山になるだろう。

*
グリーンランドの氷河の流れが加速」 ナショナル・ジオグラフィック・ニュース
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20140205004

*#2675 East Antarctica at risk of thaw : 東・南極辺縁部の巨大氷河が南極海へ落ちる? May 13, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-11-1

 #2681 南極大陸周辺の謎(1)問題提起:思考トレーニング May 21, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-21

*#2683 南極大陸周辺の謎(2):海面上昇値を計算してみる May 23, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-23-1


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#2925 海洋のプラスチック汚染  De. 30, 2014 [時事英語公開講座]

  海洋汚染は漁業の町の根室に関係がある。
 人事ではないので全国の高校生や大学生のみなさんに熟読してもらいたい。プラスチックの海洋汚染は人類の未来がかかった大問題なのである。
 海に流出したプラスチックは海流に載って海洋渦に集まり、紫外線に当たって劣化しながら波の力でぶつかり合い、分解して微粒子になる。その微粒子に汚染物質とくっついた餌を海洋生物が食べる。
 このままでは太平洋の真ん中で取れた魚もブラスチック微粒子で汚染され、食べられなくなる日が来る。いま行動しなければ、わたしたちが未来の子どもたちの食料を奪うことになる。
 この問題は人類の遺伝子を劣化させるという点で、原子力発電所と共通の問題をはらんでいる。
(記事の後に、新聞に載っていた日本語での解説を転載してあります)

12月21日ジャパンタイムスより
http://www.japantimes.co.jp/opinion/2014/12/20/editorials/life-threatening-oceanic-plastic/
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Life-threatening oceanic plastic

A newly released study by scientific researchers finds that the problem of plastic in the ocean is worse than previously believed. The new highly extensive study published last month found that 5.25 trillion pieces of plastic weighing some 269,000 tons have now inundated the oceans, reaching into even the remotest areas.

The ships doing the research traveled far more widely than in past studies, collected more samples and used more advanced computer models to analyze the data. The conclusion confirms what has already been known: that the world’s oceans are full of plastic but that the new research indicates that the plastic has expanded and dispersed to a much greater degree than previously believed.

The study also examined how the plastic bottles, bags, toys and vast amount of other floating plastic gathers at “gyres,” where ocean currents come together into a massive circular eddy that traps the plastic. At those ocean gyres, the garbage is smashed together by wave action after becoming brittle in the sun. Once the plastic is shredded into pieces as small as grains of sand, it can spread widely.

As a result, researchers cannot easily determine where the smallest pieces have gone. One related study found 35,000 tons of plastic in the ocean, but they were expecting to find millions. The plastic didn’t disappear; it just became harder to find as it became more deeply enmeshed in the biosphere. Even more disturbing is the finding that plastic pieces easily become coated with other toxic substances such as PCBs, thereby helping to retain and spread the most poisonous substances. The toxic-coated, poisonous plastic is swept into the ocean’s deepest reaches to be ingested by marine organisms. After ingesting the pollutants and absorbing the toxic substances, the organisms pass them to predators higher in the food chain, where they become increasingly concentrated. Eventually, of course, that plastic reaches humans. Once the plastic enters the food chain, it doesn’t disappear. It works its way up.

The current use of plastic materials is ecologically unsustainable. Most estimates show that the vast majority of plastics used by consumers are not recovered or recycled. Plastic that makes its way into the ocean has little chance of ever being recycled. The increasing invasion of plastic into the food chain is not just a matter of sustainability; it is a matter of poisoning the source of all earthly life.

Solutions are difficult to come by. One suggestion is that fishing vessels reclaim nets and other plastic fishing equipment, since a great deal of the plastic comes from discarded fishing nets and buoys. It is not just the fishing industry that needs to institute better practices; the entire system of production and consumption of plastic in the world needs to be radically reformed. Controlling the level of plastic in the ocean is an urgent issue that must be addressed before humans start questioning each bite of fish they eat.

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新聞の解説欄から
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 ●プラスチックによる海洋汚染
 先月発売された研究結果によると、海には5兆個ものプラスチックごみがあふれており、総量は26万トンにのぼる。海洋渦に集まったプラスチックごみは波で砕かれて微粒子となり、汚染物質を吸着して拡散。それを食べた海洋生物をとおして生態系が汚染される。対策の一つは、漁船がブイや網を徹底回収することだ。さらに、世界中でプラスチックの生産と消費のシステムを見直すことが必要だ。海中のプラスチック量を抑制し、わたしたちが食べるたびに不安を感じることのないようにしたい。
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#2864 Aging nuclear power plants :老朽化する原発 Nov. 10, 2014 [時事英語公開講座]

  書かないとわからないことがある。書いているうちに思索が深まり、わかることがある、弊ブログはそういう作業の場でもある。だから、話があちこちに飛びつ戻りつどんどん冗長になる、辛抱強くお読みいただいている読者の皆さんに感謝申し上げる。2900本近くブログを書いてもいまだにコンパクトな文を書くことができない、いつまでたっても質より量のebisu。(苦笑い)
 
 #2863'Economic realities of old reactors'(9/14 JT紙社説)の続編である。
 原子力発電所の廃炉をめぐる会計処理の問題と廃炉に伴って生じるであろう周辺問題を10月30日付のジャパンタイムズの社説がとりあげている。

 耐用年数は経過していないものの、原子力規制委員会による新安全適合性基準通りに補強工事を行うと巨額の費用が発生し、出力の小さな古い原子炉では採算に合わぬ事態が出来(しゅったい)した。かといって、廃炉にすると、積み立て不足で臨時巨額の損失を一括計上する(report)ことになる。新規制基準導入によって予想外の事例が生じて政府と電力会社は大慌て。
 なりふり構わぬ電気事業法会計規則変更でも間に合わない現実が出現したから、また抜け道を作るのだろう。屋上屋を重ねるとか嘘の上塗りとか、このようなデタラメな会計規則変更に会計学界は意見表明すべきだが、なにも聞こえてこない。日本の会計学会は腰抜けぞろいらしい。何人か集まって共同声明をだすくらいのことはすべきだ。
 企業会計原則に従えば、廃炉にしたときに、原子炉を解体する直接費ばかりでなく、使用済み核燃料の再処理費用(新ウラン燃料買い取り価格の3から5倍)や再処理後の数百年間あるいは数千年間に渡る保管費を一括計上しなければならない。そんなことをしたら電力会社はすべて債務超過となり経営破綻してしまうから、政府は電気事業法に定める会計規則を変更した。廃炉に関わる一切の費用を電気料金に上乗せしてあがなうことを認めたのである。政治家と政府と電力会社が結託して、電力会社はあの粉飾決算事件を起こした会社、ライブドアになった。
 損失の繰り延べは粉飾決算であり、そのような処理は一般の企業には一切認められていない。これほどあからさまなインチキまでして政府は原子力発電を維持したいのには理由がある。予算が巨額だから、政治家にとっても関連の省庁にとっても、原発関連メーカや建設会社にとっても、原子力関連の学者にとっても、金に糸目をつけない原子力発電利権はよほどおいしいもののようだ。
 3年前の福島第一原発事故は原発利権がさらに巨大に膨れ上がる様を見せつけた。総計百キロメートルを超える十数メートルの高さの防潮堤建設や放射能汚染土の除染作業や放射性廃棄物分散処理のための輸送など、十数兆円の復興予算が現実になったのである。
 彼らにとっては、地震や津波による原発災害が30年に一度くらいの割合で起きることが望ましい。だから、48基ある原発再稼動ばかりでなく、全国のいたるところに原発をつくりたい。自分達さえよければ、周辺住民がどうなろうと、日本の国土が放射能で汚染されようと、儲かりさえすればいいということになる。政治家も官僚も企業も学者もはなはだしいモラルハザードを起こしている。
 正気をとりもどそう。
 ■ 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」
 ■ 「小欲知足」
 ■ 「仕事は正直に誠実にそして渾身の力でやり遂げよう」
 
 原発設置市町村に目を向けてみると、廃炉になれば市町村民税である固定資産税収入がなくなるだけではない、原発関連の国からの補助金も消滅してしまう。
 原発設置市町村は原子力発電所にかかる固定資産税や国からの補助金収入を当てにして予算規模を膨らませてしまっているから、原発が廃炉になれば財政がもたない。財政破綻を回避するために、廃炉後も補助金を支出するように画策がなされつつある。
 原発設置市町村は自分のマチだけよければいいらしい。事故が起きたときは原発関連施設にかかる固定資産税収入もない、原発関連の国の補助金ももらっていない隣の町が巻き添えになる。
 大きな原子力災害が起きれば、ふるさとを追われ生きているうちにもどることはかなわない。子供や孫達、若い者達が放射能の影響を心配して戻ってこない。

 廃炉にしたあとでさらに補助金を支払い続ける財政的な余裕が日本にはあるのだろうか?国債の発行残高はすでに1030兆円にもなっている。バブルが起きはじめているから40兆円以上の税収があるだろうが、バブルがはじけたら30兆円に税収が縮小してしまう。来年度は100兆円を超える財政規模になるという。400万円しか収入がないのに1000万円も毎年使う家庭はないだろう、しかし国はそういうことをやり続けて反省の色がない。

 何人もの政治家たちが政権の座に就いたが、プライマリーバランスの回復なんてことはとっくの昔に忘れてしまったようだ。小泉純一郎氏が首相時代に、2011年度にプライマリーバランスを回復すると約束していたが、とっくに2011年は過ぎて政権は小泉氏の何代目かの後継者である安倍晋三氏の手にある。プライマリーバランスの回復どころか、政治的に中立のはずの日銀とグルになって赤字国債の発行額を増やし続けている。中学生の「公民」に日銀が出てくるが、財務省出身の黒田氏が安倍政権べったりの政策をやる続けるのでは日銀の独立性なんてとっくになくなっている。金融政策を見る限り、安倍総理の政治倫理は地に落ちている。

 消費税を上げても財政健全化に使われることはなかった。政権は増えた税収をばら撒くばかりである。消費税を値上げしても財政再建には使われず、浪費ともいえる放漫財政が続くだけだ。

 もう妄言はいらぬ、入ってくる収入(税金)だけで財政運営をすべきで、財政規模を半分に縮小しなければならない。そのために何をなすべきか国民一人一人が考えるべきだ。
 私たちに時間がそれほど残されているようには思えない。日本の破綻がいつ来るのかだれにもわからないが、それはある日突然に日本国民を襲う。

 日本を救う道はある、それは鎖国(強い管理貿易)と職人主義経済をシステムとして創り上げることだ。西欧経済学の労働観から脱却して、職人仕事をベースとする経済システムを創りあげよう。
 国内生産できるものは国内生産し、高くてもそれを購入して消費する、自国で生産できないものだけ輸入する、そうして国内に生産拠点を再構築し技術を次の世代に伝承しよう。そういう仕組みの中で正規雇用を増やすと同時に貿易赤字を激減できる。日本人は創りあげた経済システムを世界中に輸出すればいい。グローバリズムの対極に強い管理貿易を基調とする職人主義経済がある。

 次回は、原発災害が起きたときの避難計画が棚上げになっているという社説をとりあげたい。米国では原子力規制委員会(NRC)が住民の避難計画に責任をもつことになっているが、日本の原子力規制委員会(NRA)は避難計画のチェックは自分達の仕事ではないと放棄している。国も責任をもたないし都道府県も責任をもたない。市町村が責任をもつことになっているようだ。原発が事故を起こせば米国基準では80km圏内の住で避難が必要になる。入院患者や老健施設、療養型病床群の病院、特別養護老人ホームなどから強い懸念がでている。福島第一原発事故では入院患者や老人が置き去りになって死亡例が相次いだ。仮住まいでの体調不良に耐えきれない老人は多い。
 何も対策がなされないまま、九州電力川内原子力発電所が再稼動されようとしている。地域住民の命や国土の放射能汚染などどうでもいいといわんばかり。いまがよければ、子孫がどうなってもよいという傲慢な考えが政治指導者たちの頭を支配している。
 そういう政治家は選挙で落とそう。私たちの子どもや孫やひ孫のために、そしてこの日本列島に住み続ける子々孫々のためにいま自分にできることをやろう、声を上げるだけでもいい。 

 用語の訳は書いておいた。逐語訳したのではまったく意味不明となる7段落目には解説を付した。なるべく自力で読んでみてもらいたい。大学生と高校生諸君の奮闘を期待している。(笑)
 気楽にやってみてほしい。

Aging nuclear power plants | The Japan Times
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Aging nuclear power plants

(1)  The government is weighing measures to aid power companies that decommission aging nuclear power plants and host municipalities that will lose nuclear power-related revenue. To facilitate the moves to scrap aging plants, some steps may be necessary to ease the process. But support should not be extended in ways that perpetuate the reliance of the power firms and the host municipalities on nuclear power.

(2)  Under safety regulations tightened after the March 2011 meltdowns at Tokyo Electric Power Co.’s Fukushima No. 1 nuclear power plant, utilities are not allowed in principle to run nuclear power reactors for longer than 40 years. The operators can seek to extend reactor operations for up to 20 years, but they need to undergo special inspections by the Nuclear Regulation Authority, which would require huge investments to upgrade aging equipment to beef up their safety.

(3)  Of the 48 nuclear power reactors in Japan, four — the No. 1 reactor at Japan Atomic Power Co.’s Tsuruga plant, the Nos. 1 and 2 reactors at Kansai Electric Power Co.’s Mihama plant and the No. 1 reactor at Chugoku Electric Power Co.’s Shimane plant — have already been in operation for more than 40 years, while three others — Nos. 1 and 2 reactors at Kansai Electric’s Takahama plant and the No. 1 reactor at the Genkai plant of Kyushu Electric Power — will reach the 40-year mark in July 2016.

(4)  The power firms need to apply to the NRA by next summer if they want to extend the reactors’ operation. The utilities are said to be considering the choice of decommissioning the aging reactors, which typically have small output capacity and are unlikely to churn out profits that match the massive cost of renovation.

(5)  The government is ready to facilitate the move, apparently on the belief that scrapping aging reactors will help win public support for reactivating other reactors that were put offline after the Fukushima disaster. While urging the power companies to make swift decisions, the government has kicked off discussions on measures to support the moves by the utilities.

(6)  Decommissioning a nuclear power reactor takes 20 to 30 years. In addition to the direct cost of scrapping the reactor, there will be other expenses such as those for disposing of the large amount of radioactive waste.

(7)  While the utilities have set aside reserves to pay for future decommissioning by adding the cost on to electricity bills, moving forward schedules for scrapping reactors due to new safety regulations will require additional expenses. The power companies also need to devalue the reactors once they are decommissioned and report the losses.

(8)  Local governments hosting the nuclear power plants stand to lose national government grants to such municipalities as well as revenue from fixed asset taxes on the reactors to be decommissioned. There are concerns about severe damage to local economies from the cuts of such revenue, along with losses to related businesses.

(9)  Under discussion at a panel of the trade and industry ministry are measures such as changing accounting rules that currently require the power companies to report losses on the reactors immediately after decommissioning them, as well as maintaining government financial support for the host municipalities even after the reactors have been scrapped.

(10)  Also reportedly under consideration is a system that will include in the price of electricity generated by nuclear power the total power generation costs — including the expenses of future decommissioning of reactors and disposal of spent fuel — even after the retail sale of power is fully deregulated.

(11)  The decommissioning of reactors that are aging and more vulnerable to severe accidents or natural disasters should be promoted, and steps will need to be taken to eliminate hurdles, including financial concerns, that deter such moves. But the steps need to be limited to temporary measures that ease the financial burden on the power firms and host municipalities.

(12)  Preferential treatment toward nuclear power that could encourage the utilities to keep relying on it as a source of commercial electricity, as well as policies that keep the local economies depending on the nuclear power industry, will run counter to the government’s pledge in its latest basic energy plan to reduce “as much as possible” the nation’s reliance on nuclear power, and therefore must be avoided.

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― 解説 ― ・・・省略

(1)  The government is weighing measures to aid power companies that decommission aging nuclear power plants and host municipalities that will lose nuclear power-related revenue. To facilitate the moves to scrap aging plants, some steps may be necessary to ease the process. But support should not be extended in ways that perpetuate the reliance of the power firms and the host municipalities on nuclear power.

power companies : the utilities 電力会社
decommission: v 廃炉する
aging nuclear power plants :老朽化が進む原子力発電所
facilitate: v  促進する  ⇔ facility 施設、設備
perpetuate:v 永続させる
the host municipalities on nuclear power:原発を誘致した市町村

(2)  Under safety regulations tightened after the March 2011 meltdowns at Tokyo Electric Power Co.’s Fukushima No. 1 nuclear power plant, utilities are not allowed in principle to run nuclear power reactors for longer than 40 years. The operators can seek to extend reactor operations for up to 20 years, but they need to undergo special inspections by the Nuclear Regulation Authority, which would require huge investments to upgrade aging equipment to beef up their safety.

utilities=the operators:電力会社
the Nuclear Regulation Authority:原子力規制委員会
beef up: 補強する

(3)  Of the 48 nuclear power reactors in Japan, four — the No. 1 reactor at Japan Atomic Power Co.’s Tsuruga plant, the Nos. 1 and 2 reactors at Kansai Electric Power Co.’s Mihama plant and the No. 1 reactor at Chugoku Electric Power Co.’s Shimane plant — have already been in operation for more than 40 years, while three others — Nos. 1 and 2 reactors at Kansai Electric’s Takahama plant and the No. 1 reactor at the Genkai plant of Kyushu Electric Power — will reach the 40-year mark in July 2016.

the Nos. 1 and 2 reactors : Nosがなんだかわからなかった。辞書を引いてもないから、目線を引いたら気がついた。Numbersの略だ。1号機と2号機をandで並べているからNosとなっている。誤植かと勘違いした。小さなところでも読み飛ばさなければ気がつくことがある。

 国内の原子炉が48基と書いてあるが、全部で54基の原子炉があるのだが、福島第一原発にある6基を除外しているから48基。1~3号機がメルトダウンし、4号機は水素爆発を起こした、5号機と6号機は無傷だが、いまさら福島第一原発の2基を稼動するわけには行かない。

 すでに耐用年数の40年を経過してしまった原子力発電所は4箇所でその内訳は次のようになっている。
■ 日本原子力発電(株)福井県敦賀発電所 第1号原子炉
■ 関西電力(株) 美浜原子力発電所 第1号および第2号原子炉
■ 中国電力(株) 島根原子力発電所 第1号原子炉

(4)  The power firms need to apply to the NRA by next summer if they want to extend the reactors’ operation. The utilities are said to be considering the choice of decommissioning the aging reactors, which typically have small output capacity and are unlikely to churn out profits that match the massive cost of renovation.

apply:v 申請する
churn out: 量産する

 耐用年数を経過している原子炉を電力会社が稼動延長するには、原子力規制委員会へ申請を出すことになるが、古い原子炉は総じて出力が小さく、多額のリノベーションコストに見合うだけの利益を産み出してくれない。
(かといって、廃炉も一時的に巨額の廃炉コストがかかり、経営が危うくなる。)

(5)  The government is ready to facilitate the move, apparently on the belief that scrapping aging reactors will help win public support for reactivating other reactors that were put offline after the Fukushima disaster. While urging the power companies to make swift decisions, the government has kicked off discussions on measures to support the moves by the utilities.

on the belief :信念に基いている
to make swift decisions: (電力会社が)すぐに結論をだす
the moves by the utilities:電力会社による廃炉手続き

(6)  Decommissioning a nuclear power reactor takes 20 to 30 years. In addition to the direct cost of scrapping the reactor, there will be other expenses such as those for disposing of the large amount of radioactive waste.

 廃炉には20~30年かかり、廃炉のための直接費の他に、たいへんな量の放射性廃棄物いかかわる処理費用がかかる。
 放射性廃棄物は濃縮して高濃度放射性廃棄物と低濃度放射性廃棄物に分けてなされるが、濃縮コストがウラン燃料を買うのに比べて3倍から5倍もかかる。そのあとプルトニウムを含む高濃度の放射性廃棄物は冷却システムの中で保管しなければならない。プルトニウムの半減期は2.3万年である。地震と火山の多い日本列島に安全に保管できる場所などどこにもない。

(7)  While/ the utilities have set aside reserves/ to pay for future decommissioning/ by adding the cost on to electricity bills/, moving forward schedules for scrapping reactors due to new safety regulations/ will require additional expenses. The power companies/ also need to devalue the reactors/ once they are decommissioned and report the losses.

set aside : 脇にセットする⇒確保しておく
electricity bills:電気料請求書
report: v 報告する この場合は決算報告書に掲載するということ

 スラッシュを入れて逐語訳を試みよう。
「while/ 電力会社は資源を傍らに確保しておく/ 未来の廃炉のための支払に/ 電気料金に追加コストを乗せる/ 新しい安全基準ができたので原子炉のスクラップ化のための計画を前倒しすること/ 追加諸費用を要求することになる// 同時に電力会社は原子炉を減価しなかればならない/ 原子炉が廃炉され、損失が計上されれば」

 文意が少々不明でも、構文がつかめていれば受験英語ではこれで充分だ。この段落は高校生や大学生には内容の理解が難しいだろうから、捕捉しておこう。要点は接続しwhileの訳し方とonceの訳し方にある。そしてadditional costが何を指しているのか考えてもらいたい。

 構文は、
 副詞節+主語+動詞句
 このように単純なのだが、副詞節と主語(動名詞句)がやたらに長いので、そのまま日本語にはしづらい。書き手がこの文で伝えたかったことを解説するから、和訳はそれぞれ考えてもらいたい。日本語のセンスのよい訳文を期待している。遠慮しないでコメント欄に書き込んでくれたら楽しい。

 電気料金に上乗せすることによって将来やることになる廃炉に対する支払資源を確保することをもくろんで政府が会計規則を変更したのだが、そういう仕組みでやると廃炉コストの回収はとても時間のかかることになる。
 新規制基準適合検査を受けるには耐震補修やツナミ対策に数メートルかさ上げした防潮堤で囲む必要があるなど巨額の投資が必要になるので、電力会社は新規制基準導入によって急激に採算の悪化する古くて出力の小さい原子炉を廃棄処理したいのである。
 こういう事情で、電力会社は耐用年数を経過していない出力の小さい原子炉もこの際廃炉したいのだが、廃炉スケジュールの前倒しを行うとすると予定していなかった(廃炉)費用も前倒しで発生する。
 一度、原子炉が廃炉され損失が計上されれば、その原子炉の帳簿価格を減価しなければならない。「追加費用」とは予定を前倒ししたときの未償却分の帳簿残高を固定資産除却損として計上することや、使用済み核燃料の再処理費用や未来永劫にわたって必要となる高濃度放射性廃棄物の保管コストを見積もり、損失として損益計算書に一気に計上しなければならない。そうすれば貸借対照表は債務超過になり純資産はマイナス、経営破綻は必至、これは政府や電力会社にはできない相談だ。

 ここからはebisuの意見を述べたい。企業会計原則どおりに正直に会計処理をして、6電力会社を清算処理し、新たな発電会社と送電会社を立ち上げるべきだと思う
 真実の姿は日本の電力会社はすべて経営破綻しているのだが、それを電気事業法に定める会計規則が捻じ曲げて損失を簿外に隠している、こんな状態は異常だ。一般企業が準拠している企業会計原則通りに会計処理をしたら、簿外負債が帳簿に正式に載り、例外なくどの電力会社も債務超過となるが、それでいい。そうすれば一気に電力事業の改革が可能になる。

 参考訳を提示しておく。
「電力会社は電気料金に廃炉コストを上乗せしているのだが、新安全基準ができて事態が変わった。電力会社は採算のあわない出力の小さな原子炉は新基準適合の補強工事を施すよりも耐用年数を残して廃炉した方が安くつくことに気がついた。ところがスクラップ化の計画を前倒しするとそれもまた(経営破綻を起こすような規模の)臨時巨額の損失計上を要するので困ってしまったのである。」

(8)  Local governments hosting the nuclear power plants/ stand to lose national government grants to such municipalities/ as well as revenue from fixed asset taxes on the reactors to be decommissioned. There are concerns about severe damage/ to local economies from the cuts of such revenue/, along with losses to related businesses.

grants: 補助金交付 複数にすることで、さまざまな形で補助金交付がなされていることを示唆している
Local governments = such municipalities
conserns:「関心」では弱い、文脈から「懸念」と訳した方がよい

「原発のある市町村/ そのような地方自治体への国の補助金を失うことを意味する/ 除却される原子炉にかかる固定資産税のような収入と同じように// 深刻なダメージの懸念がある/ そのような収入の削減によって地元経済への/ 関連ビジネスに対する損失がさらに伴う」

(9)  Under discussion at a panel of the trade and industry ministry/ are measures such as changing accounting rules/ that currently require the power companies to report losses on the reactors/ immediately after decommissioning them/, as well as maintaining government financial support for the host municipalities/ even after the reactors have been scrapped.


「経済産業省のパネルでの議論の下で/ 会計規則変更のような政策がある/ 電力会社に原子炉にかかる損失計上を緊急に必要となる/ 原子炉の廃炉ごただちに/ 原発が設置されている市町村への国の財政支援を維持するのと同様に/ 当該原子炉がスクラップされた後でさえも」

(10)  Also reportedly under consideration/ is a system that will include in the price of electricity generated by nuclear power the total power generation costs/ — including the expenses of future decommissioning of reactors and disposal of spent fuel/ — even after the retail sale of power is fully deregulated.

deregulate:~の規制を撤廃する

「報道によれば、原子炉によって発電される電気の価格を総原価に算入する仕組みが同時に検討されている/ 将来の原子炉廃炉に伴う諸費用と使用済み核燃料処分にかかる諸費用を含む/ 電力の小売が完全に規制解除されたあとですらも」

 長い副詞句が先頭に来て、主語が倒置されている。主語の名詞句を長い関係節が修飾しているから倒置された。
構文: 副詞句+be動詞+主語

(11)  The decommissioning of reactors/ that are aging and more vulnerable to severe accidents or natural disasters/ should be promoted/, and steps will need to be taken to eliminate hurdles/, including financial concerns/, that deter such moves. But the steps need to be limited to temporary measures/ that ease the financial burden on the power firms and host municipalities.

deter:v 阻止する、防止する

「老朽化しつつあり、深刻な原子力災害に脆弱性のより大きな問題を抱えている原子炉の廃炉/ 促進されるのが当たり前である/ 財政的な考慮を含むいくつかの障害を取り除く諸政策が必要になるだろう/ そのような動きを阻止する// しかし、その政策は一時的な手段に制限されるべきである/ 電力会社と原発設置自治体への財政負担を緩和する」

 これではイミのつかめないところが一つある、'that deter such moves'がそれだ。hurdlesを修飾する関係節なのだが、どのようなmovesなのか意味不明。movesには動きの他に戦略という意味もある。
  ああ、そういうことか、老朽化しており、脆弱性の大きな原子炉は大災害を起こす可能性が大きいので、廃炉を促進すべきだが、そのような動き(原発廃炉戦略)を阻止するような障害は取り除かなければならないということ。

(12)  Preferential treatment toward nuclear power/ that could encourage the utilities to keep relying on it as a source of commercial electricity/, as well as policies that keep the local economies depending on the nuclear power industry/, will run counter to the government’s pledge/ in its latest basic energy plan/ to reduce “as much as possible” the nation’s reliance on nuclear power, /and therefore must be avoided.

Preferential treatment : 優遇措置
relying: 「信頼すること」と「依存すること」があるが、ここでは後者の意
it= nuclear power
run counter : 逆行する
reliance:これも「信頼」ではなく「依存」の意

「原子力発電の優遇措置/ 電力会社が商業電力の電源として(原発に)依存し続けることを奨励しうる/ 地元経済が原子力発電産業に依存し続けるのと同じように/ 政府の公約に逆行する/ 最新のエネルギー基本計画の中で/ 原子力への依存をできるだけ減らすという/ それゆえ避けなければならない」

 スラッシュを幾分少なめにしたつもりでも、これでは文意をつかむのは困難だ。スラッシュリーディングの弱点は、少し複雑な文になると文意がつかみにくくなることだ。だから、「適当なだけの小部分に分割」すべきで、むやみにスラッシュを入れると文意がとれなくなることがある。
  主語と動詞を抜き出して並べると文意がとりやすくなる。この主語は述部(動詞句)を二つ持っている。まず「なにがどうした」をつかもう。

Preferential treatment toward nuclear power/ (that could encourage the utilities to keep relying on it as a source of commercial electricity/, as well as policies that keep the local economies depending on the nuclear power industry/,) will run counter to the government’s pledge in its latest basic energy plan/ to reduce “as much as possible” the nation’s reliance on nuclear power, /and therefore must be avoided.

 「原発への優遇措置は政府の公約に逆行する・・・それゆえ避けられなければならない。」

 優遇措置の具体例が(  )で囲んだ部分である。どんな優遇措置かというと、「商業電力の電源として原発に電力会社が依存し続けることを奨励するような優遇措置、同様に原発お膝下の地域経済が原発に依存し続けるような優遇措置」である。
 in以下の前置詞句は政府の公約を限定している。どのような政府公約かというと、「わが国の原発依存をできるだけ早急に減らしていくという最新のエネルギー基本計画の中に書いてある政府公約」である。

 こいう風に、構文を大づかみに捉えることは文意の理解に役に立つ。スラッシュリーディングは便利ではあるが、文意をつかむ上で問題を生じることがあることを承知して、一定の範囲で使うべきだ。簡単な英文だけならスラッシュリーデキングで間に合うが、そうでない複雑な文も英字新聞にはよく出てくる。英字新聞記事は専門書を読む段階のトレーニング・テクストとしても十分な難易度をもっている。この講座である程度英字新聞読解トレーニングを積んだら、専門書を2冊ほど選んで読んでみよう。

 最後まで読んでくれてありがとう。


Economic realities of old reactors | The Japan Times

www.japantimes.co.jp/opinion/2014/.../economic-realities-of-old-reactors/
14 Sep 2014 ... Reported moves by power companies to consider decommissioning their older
nuclear power reactors indicate that they are beginning to selectively evaluate
their nuclear power plants by weighing the costs of meeting safety ...



Aging nuclear power plants | The Japan Times
www.japantimes.co.jp/opinion/2014/10/30/.../aging-nuclear-power-plants/
30 Oct 2014 ... The government is weighing measures to aid power companies that
decommission aging nuclear power plants and host municipalities that will lose
nuclear power-related revenue. To facilitate the moves to scrap aging plants, ...


Too soon for a nuclear restart | The Japan Times
www.japantimes.co.jp/opinion/2014/11/02/.../too-soon-for-a-nuclear-restart/
2 Nov 2014 ... The city assembly and the mayor of Satsumasendai, Kagoshima Prefecture, have
given their nod to the restart of Kyushu Electric Power Co.'s Sendai nuclear
power plant, whose Nos. 1 and 2 pressurized light-water reactors, ...




*#2861 原発をめぐる詐欺的会計基準(1):モラルハザード Nov. 9, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-08-1

 #2862 原発をめぐる詐欺的会計基準(2):不良資産と簿外債務 Nov. 9, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-09

 #2863 Economic realities of old reactors:40年たった原子炉の扱い Nov. 10, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-09-1


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#2857 政治資金収支報告書スキャンダル Nov. 4, 2014 [時事英語公開講座]

 #2856で政治資金収支報告書に公認会計士による外部監査を法律で義務付けるべきだと書いたが、おもしろい表現に出くわしたので、とりあげてみようと思う。

 前回ブログの末尾でとりあげた、神戸学院大学上脇教授に取材した記者がこう書いていた。

 One problem is that journalists have "just checked funds desclosed in Tokyo" without seeing the big picture, Kamiwaki said.

  (一つの問題はthat節以下にある/ジャーナリストが大きな構図に配慮することなく東京で公開されている資金収支をチェックするだけ/と上脇教授が述べた。)

 さて、この'the big picture'とは何かと考えた。
 「アンダーラインを引いた名詞句が何を指しているのか日本語で具体的に説明せよ」という出題がなされたと仮定しよう。後の段落に具体的に書かれているからこの問題を念頭に置きながら読んでもらいたい。

  theがついているから、読み手のわたしたちにが知っていることだ。一つ一つの数字の食い違いを指摘するだけに終わっている報道の仕方に問題があると指摘している。そうではなくて「大きな構図」を読めというのは政治資金収支報告書の杜撰な管理体制や政治家個人が領収書の一つ一つを見て、その妥当性を判断し、使途に責任をもつべきで、秘書任せにしてはいけないということか。わたしには、政党支部を経由した企業献金の流れや使途の方がもっと大きな問題に見えるが、ジャーナリストはその辺りには触れない。取材がたいへんだからだろう、ジャーナリズムの仕事の仕方が薄っぺらになりつつあるのは、危険なことだ。さあ、ここまで考えておいて、段落ごとに読み進みたい。

 次の段落の文をみよう。

  A politician is obliged to operate a single body to manage his or her political funds, which theoretically handles all receips and expenses.
(政治家は政治資金を管理するために一つだけ政治資金管理団体を運営する義務がある。政治資金管理団体はすべての領収書と費用を整然と建前上取り扱うことになっている。)

  能動文にすると文意がよくわかる、主語は政治資金規正法である。義務付けているのは政治資金規正法であることは常識で、そこに書き手の関心はないので受動態にして、誰が義務付けられているのかという点が関心事だと示唆しているように読める。カタチが違えば、イミとキモチも違うというのはHirosuke流英語術の根っこの一つ、こうして具体例で考えるとよくわかる。
The Political Funds Control Law obliges a politician to operate a single body to manage his or her political funds.

 theoretically handlesは「建前上とりあつかうことになっている」と訳した方が文脈にあっている。handlesという動詞にtheoreticallyという副詞をつけたことには意味がある。建前上は当の政治家が自分で資金管理団体を運営・管理しなくてはならない筈なのに、実際には秘書任せでやっていないという含意が込められていると読めるのである。
 ついでだから、theoreticallyという語が出てきたときに、practicallyが頭に浮かんだ人はセンスがよい。反対語と対で考えるとわかりやすいケースが多い。「理屈で言うとそうなのだけど、実際は違うんだよ」というニュアンスがこの二つの語にはある。こういう二つのものを対概念という。
-----------------------------
対概念⇒読み方:ついがいねん

互いに対照的要素持ち一方言及される場合には自ずと他方存在前提されている、といった関係の概念。対をなす二つ一組概念

weblioより引用
http://www.weblio.jp/content/%E5%AF%BE%E6%A6%82%E5%BF%B5

 意外なことに、『大辞林第三版』には収載されていなかった。
 対概念とは神と悪魔、善と悪、白と黒、等々。
-----------------------------

 政治家は資金管理団体をつくって、そこが政治資金の収支を整然と管理するのが当たり前で、そうした「大きな構図」からみると、領収書や費用の使途が整然と管理されていないことが政党を問わず、はたまた大臣であるかただの国会議員であるか地方議会議員であるかを問わず、次々と明るみに出ているのだから、法的な規制を強化すべきだというのが上脇教授の主張の流れだ。

 But anyone can set up support groups that will benefit a particular politician, and the politician can also serve as the head of a local chapter of his or her political party. They often do.

(しかし、後援会組織はだれでも立ち上げることができる/後援会は特定の政治家に便宜を供与し政治家はその所属する政党の支部長として(後援会の)役に立つことができる。政治家も政治家の後援会もしばしばそういうことをしている。)

 chapterが「章」ではなくて、「支部」を指すことは辞書を引かずとも文脈から容易に見当がつくだろう。政党の地方支部長'the head of a localchapterof his or her political party'をすることで脱法行為である政党への企業献金がそのまま政党支部へ流れ、そこから後援会組織へ枝分かれをしていく。企業献金を廃止する替わりに政党助成金の支出を決めたはずが、こんなことを許すなら、政党助成金は即刻廃止すべきだろう。

 The Political Funds Control Law does not prevent cash transfers between a politician's fund management body, affiliated support groups, and the party's local chapeter.

  (政治資金規正法は政治家の資金管理団体、附属後援会、政党支部との間で資金の移動を妨げていない。)

 これら政治家や団体の間での資金移動があることで、第三者機関がその流れを追うことが著しく困難になっている。こういう仕組み全体の問題をジャーナリストが看過していると上脇教授が述べているのである。

 結論部分を前回ブログから再掲しておく。
----------------------------------
"If a party receives a political fund subsidy, which is taxpayers' money, there should be (stronger) reguration of the use of political funds by pokiticians," Kamiwaki said.
"If they don't want regulations, political fund subsidies shold be abolished instead."

「政党助成金を受け取るなら、それは税金であり、政治家によるその使途については規制はより強くあるべき。規制が嫌なら、政党助成金は廃止されるべきだ」

 規制強化は政治資金規正法の抜け道をつぶすことと、公認会計士監査を法律で義務付けることだ。

----------------------------------

  さて、最初の疑問'the big picture'に戻りたい。次の二つのことに集約できるだろう。
①政治資金収支報告書作成の杜撰さとそれを管理できない政治家自身の問題
②地域ごとの政党支部を経由して行われている企業献金は脱法行為であり、そこから後援会組織にお金が流れて、持ちつ持たれつの関係が企業と政治家と後援会組織の間にあること

 これら二つのことがジャーナリストが見逃している「大きな構図」ということになるのだろう。
 小渕優子元経済産業大臣の例でいうと、それを管理できない小渕議員自身の管理能力の問題とどのような企業からいくらの献金が小渕氏が支部長となっている政党支部へなされ、どの後援会へいくら流れてそれがどのように使われたのかをマスコミはしっかり追跡取材して、全体の絵柄を浮き彫りにして見せろということだ。

<余談:読書量が決め手>
 読むことは考えることなのだ。ここでとりあげたように、特定の表現(例えば、受動態)を選んだことによる書き手の意図、ある副詞を選んだことで書き手がイメージしていることなどは考えなければつかめない。英文を読むことはじつは日本語の文章を読むのとなんら変らない作業であることがわかる。
 だから、高校生までに日本語で書かれたたくさんの本を読んでおいて、文章読解の下地をつくっておくべきなのである。それがない者は高校生になって英検準2級どまりになってしまう。英語をいくら勉強しても日本語の言語能力の壁に突き当たって、英語の読解力が伸びなくなるのだ。小学校高学年から大人の読み物を大量に読みこなす濫読期を通過することがその後の学力のノビシロを大きくする。
 中学校を卒業するまでに濫読期を経験した者たちは、高校生になってからさらに大きく学力が伸びだすのだが、それは日本語の言語運用能力という「下地」がしっかりできていてノビシロが大きいからだ。もちろん、大学生や大人になってからも同じことが言える。あらゆる専門書は日本語で書かれており、時代の先端で仕事をする人たちはまだ翻訳されていない、あるいは翻訳される機会の稀な英語で書かれた複合分野の専門書を仕事で読まざるをえなくなる。ネイティブの小中学生がしている日常会話程度の英語力ではお話しにならない。高校の英語の授業がそんな程度の英語運用能力を目標にしているのだから、日本の高校生の学力が低下するのは当然だ。脳を鍛える機会を減らしているようなもの、愚かな文教政策だ。

 英語の読解能力をアップさせておくことは、社会人となってからこそ大きな威力を発揮するのである。
 数学の基礎計算能力にも同じことが言えるのだが別の機会に譲ろう。読解能力と基礎計算能力に秀でたものは、社会人となってから複合分野で他の97%の人たちには不可能な領域の仕事にチャレンジできる。そういう人材は民間会社にも非常に少ないから、ニーズが高い。
 高校生の人は回りを見渡したらいい。数学ができて国語も英語もできる生徒が百人の中に数人いるに違いない。そういう人たちは社会人になってから担う仕事が違ってくる。30年観察を続けたらコレラ三つの分野の科目に秀でることの重要性が理解できるだろうが、それから考えを改めても手遅れだ。高校生は30年後には40代後半になっている。いま、質の高い本を日本語で書かれた本を濫読し、英辞新聞を読み、数学の勉強を一生懸命にやることだ。
 強いアイテムは自分の努力で手に入れられる。チャンスは平等にあるのだから、それを逃がすな。

 日本人が国際的な経済競争力を維持あるいは高めるためには、諸外国に比べて圧倒的に学力が高くなければならない。少子高齢化が同時に進む人口減少社会に突入しているからこそ、教育になおいっそう力を注がなければならない。一国の経済成長を支えるものはその国民の学力の高さなのだ

 
■ 元のJT紙記事
DPJ's Edano admits financial misreporting, promises correction ... 


*#2856 国会議員の収支報告書に公認会計士による外部監査を義務付けよ Nov. 2, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-11-02

 
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#2852 エボラ出血熱3-1 ' Cuba's impressive role on Ebola '   Oct. 27, 2014 [時事英語公開講座]

 三つ目の記事は10月21日付New York Times紙の社説、「エボラ流行の地で胸をうつキューバの役割」を紹介する。

(このエボラ騒ぎは、いくつかおかしなところがあるので、末尾の<余談>に何点か具体的な疑問を呈しておいた。テレビでいろいろな画像が伝えられているが、エボラの症状を呈した患者が一度も映っていない。
  これら3カ国は地下資源が豊かなことで共通している。シエラレオネはダイヤモンドの有力な産地として知られている。他にもボーキサイトや、ルチル、ジルコンなどの鉱物資源が豊富にある。リベリアは歴史的な経緯から米国とのつながりが強いが、ここもシエラレオネと国境を接する辺りでダイヤモンドや金が産出される。鉄鉱石の埋蔵量は10億トンと推計されている。ギニアはボーキサイト、ダイヤモンド、金が主要産業の国である、旧フランスの植民地。
 米国とそして騒ぎが大きくなればなるほど治療薬の儲けが膨らむという巨大製薬メーカの利害の存在、なにやらきな臭い。)

(ネットで検索した記事は日付が19日となっている)
*日本語訳と解説は後半部にあります。

http://www.nytimes.com/2014/10/20/opinion/cubas-impressive-role-on-ebola.html?_r=0#
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 Cuba's impressive role on Ebola
 
OCT. 19, 2014

(1)  Cuba is an impoverished island that remains largely cut off from the world and lies about 4,500 miles from the West African nations where Ebola is spreading at an alarming rate. Yet, having pledged to deploy hundreds of medical professionals to the front lines of the pandemic, Cuba stands to play the most robust role among the nations seeking to contain the virus.

(2)  Cuba’s contribution is doubtlessly meant at least in part to bolster its beleaguered international standing. Nonetheless, it should be lauded and emulated.

(3)  The global panic over Ebola has not brought forth an adequate response from the nations with the most to offer. While the United States and several other wealthy countries have been happy to pledge funds, only Cuba and a few nongovernmental organizations are offering what is most needed: medical professionals in the field.

(4)  Doctors in West Africa desperately need support to establish isolation facilities and mechanisms to detect cases early. More than 400 medical personnel have been infected and about 4,500 patients have died. The virus has shown up in the United States and Europe, raising fears that the epidemic could soon become a global menace.

(5)  It is a shame that Washington, the chief donor in the fight against Ebola, is diplomatically estranged from Havana, the boldest contributor. In this case the schism has life-or-death consequences, because American and Cuban officials are not equipped to coordinate global efforts at a high level. This should serve as an urgent reminder to the Obama administration that the benefits of moving swiftly to restore diplomatic relations with Cuba far outweigh the drawbacks.

(6)  The Cuban health care workers will be among the most exposed foreigners, and some could very well contract the virus. The World Health Organization is directing the team of Cuban doctors, but it remains unclear how it would treat and evacuate Cubans who become sick. Transporting quarantined patients requires sophisticated teams and specially configured aircraft. Most insurance companies that provide medical evacuation services have said they will not be flying Ebola patients.

(7)  Secretary of State John Kerry on Friday praised “the courage of any health care worker who is undertaking this challenge,” and made a brief acknowledgment of Cuba’s response. As a matter of good sense and compassion, the American military, which now has about 550 troops in West Africa, should commit to giving any sick Cuban access to the treatment center the Pentagon built in Monrovia and to assisting with evacuation.

(8)  The work of these Cuban medics benefits the entire global effort and should be recognized for that. But Obama administration officials have callously declined to say what, if any, support they would give them.

(9)  The Cuban health sector is aware of the risks of taking on dangerous missions. Cuban doctors assumed the lead role in treating cholera patients in the aftermath of Haiti’s earthquake in 2010. Some returned home sick, and then the island had its first outbreak of cholera in a century. An outbreak of Ebola on the island could pose a far more dangerous risk and increase the odds of a rapid spread in the Western Hemisphere.

(10)  Cuba has a long tradition of dispatching doctors and nurses to disaster areas abroad. In the aftermath of Hurricane Katrina in 2005, the Cuban government created a quick-reaction medical corps and offered to send doctors to New Orleans. The United States, unsurprisingly, didn’t take Havana up on that offer. Yet officials in Washington seemed thrilled to learn in recent weeks that Cuba had activated the medical teams for missions in Sierra Leone, Liberia and Guinea.

(11)  With technical support from the World Health Organization, the Cuban government trained 460 doctors and nurses on the stringent precautions that must be taken to treat people with the highly contagious virus. The first group of 165 professionals arrived in Sierra Leone in recent days. José Luis Di Fabio, the World Health Organization’s representative in Havana, said Cuban medics were uniquely suited for the mission because many had already worked in Africa. “Cuba has very competent medical professionals,” said Mr. Di Fabio, who is Uruguayan. Mr. Di Fabiosaid Cuba’s efforts to aid in health emergencies abroad are stymied by the embargo the United States imposes on the island, which struggles to acquire modern equipment and keep medical shelves adequately stocked.

(12)  In a column published over the weekend in Cuba’s state-run newspaper, Granma, Fidel Castro argued that the United States and Cuba must put aside their differences, if only temporarily, to combat a deadly scourge. He’s absolutely right.

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<解説編>

 Cuba's impressive role on Ebola


(1)  Cuba is an impoverished island that remains largely cut off from the world and lies about 4,500 miles from the West African nations where Ebola is spreading at an alarming rate. Yet, having pledged to deploy hundreds of medical professionals to the front lines of the pandemic, Cuba stands to play the most robust role among the nations seeking to contain the virus.

「キューバは世界から孤立している貧乏な島国であり、エボラが加速度をまして蔓延しつつある西アフリカから4500マイルへだったっている。にもかかわらず、パンデミックの前線へ数百名の医療専門家を配置すると誓約した。エボラ・ウィルスを封じ込めるために各国がさまざまな試みを申し出る中で最も体力が要求される任務をキューバ(医療部隊)が遂行する。」

robust:adj (of a person or animal) strong and healthy, or (of an object or system) strong and unlikely to break or fail ...CALD
  英和辞典には「頑健な」というような意味が載っているが、文脈にそぐわぬ。

 キューバは世界一人口当たりの医師数が多い国で、医療はただである。同じ共産国でも、救急車で運ばれた患者やその家族がお金を前払いしないと治療を拒むような中国とは天と地ほどの差がある。世界一国民に優しい医療の国は、自国民だけでなく困難な状況下にある西アフリカにも数百人単位の医療専門家の派遣を世界に向かって誓約した。
 日本はリビエラから、医療レベルの高さを評価されて、自衛隊を中心とする防疫専門医療スタッフの派遣を求められたが、お金を出しただけだ。
 いま、エボラが大流行している西アフリカの国々が求めているのは隔離施設の建設と医療専門家の大量派遣である。
 すでに、医療専門家が450人ほどエボラに感染しその半数が死亡している。行く方も命がけなのだ。そういう中で、キューバが数百人単位の医療専門家を西アフリカに展開・配置することを決定した、すごい国だ。
 世界に誇るのは経済力でも政治力でもない、こういう非常時に当たって敢然と正面から挑む勇気を行動をもって示すことだろう。だがほとんどの国にできないことでもある。

 なにか解説らしいことも言わなければならない。(笑)
 impoverishedはpoverty(貧乏)という単語が語幹になって、接頭辞のimと接尾辞rishがついてできた語である。imは否定を表すケースが多いがここでは否定の意味ではなく、in「~の中に」の意味だろう。つまり「貧乏の中にある」だ。

 an impoverished island that remains largely cut off from the world

 remainは「~ままに」である。(アナと雪の女王の「ありのままに」は'Let it go')
 「世界からほとんど切り離されたままの貧乏国」
 ⇒「世界からほとんど孤立している貧乏な島国」
 cut offは「切り離された」という意味だが、その結果世界から「孤立している」のだから、結果の状態を表すのに適切な日本語を選んだ。イメージを適切に浮かべることができたら、それにふさわしい語彙を選択すればいいだけで、英和辞典の訳語にこだわる必要はない、そういうことも学んでもらいたい。書き手が頭の中に描いたイメージを再現するトレーニングを積みながら、高校3年生になったら英和辞典で引いた訳語を貼り付けるだけの和訳はそろそろ卒業しよう。

 もう一点解説しよう。次の文である。
Yet, having pledged to deploy hundreds of medical professionals to the front lines of the pandemic, Cuba stands to play the most robust role among the nations seeking to contain the virus.

①Yet, Cuba have pledged deploy~ (キューバが~を配置すると確約した)
②Cuba stands to play the most robust role ~(キューバが立ち上がる/もっとも頑健な役割を果たすために)
 roleの訳語を「任務」を充てると、playの訳語は「遂行する」の方が日本語としてふさわしい。robustの訳がむずかしいようだ。キューバの医療部隊は、エボラ患者の隔離と治療という任務を遂行するわけだが、「頑健な任務」「屈強な任務」「健康で活発な役割」という訳語では日本語としてピント来ない。医療部隊に要求される資質は「エボラ患者の只中で健康で元気に活動できる」ということ、キューバ部隊の他の国々に比べて抜群に動きがいいのだろう。短い日本語の文にこうしたことをきっちり伝えられる語彙や言い回しが、私にはできない。キレのある日本語使いの永井荷風ならどういう文を綴るのか。

 巧い訳を思いついたら、コメント欄へ投稿して下さい。
-------------------------------------
<robust考>
 アップして30分ほどでさっそく投稿がありましたので紹介します。コンパクトな日本文になっています。
=============

the most robust role ですが、robust なのはrole ですから「過酷な仕事」を引き受ける、位でどうですか?

ご参考までに。
by 後志のおじさん (2014-10-28 10:39)
=============
後志のおじさん

速いレスポンスですね。(笑)
読んでくださってありがとうございます。

to play the most robust role の訳ですが、

>「過酷な仕事を引き受ける」

頑健な体力を有する部隊でない遂行できない「過酷な仕事を引き受ける」でずか、コンパクトでいい日本語です。
本文に追記させてもらいます。
by ebisu (2014-10-28 11:08)
=============

 robustは、G-4には「(見るからに)強健な」とありますが、この訳語は人間や動物にならぴったりですが、roleの修飾語としては適していません。robust単独で考えても行き詰り、'to play the most robust role 'の句をセットで考えないと適訳が出てこない、そこのところが楽しいのです。「過酷な仕事を引き受ける」という日本語は適訳の一つです。読者の皆さんも、どうぞいろいろ考えてみてください、和訳は知的作業、楽しいものです。
-------------------------------------

(2)  Cuba’s contribution is doubtlessly meant at least in part to bolster its beleaguered international standing. Nonetheless, it should be lauded and emulated.

is meant to :
  The criticism was meant to hurt him. (その批評は彼を傷つけるのが目的だった)G-4
at least in part : 少なくともある程度は
bolster:支える、改善する
beleaguered:包囲された、困難な状況にある
lauded:褒め称えられた
emulate:真似る・・・コンピュータ用語でも出てくる。高校生は情報処理という科目があるから、emulatorの説明ぐらいはついでにしてやったらいい。記憶に残る。

「キューバの貢献は、少なくともある程度は孤立した国際的地位を改善するものであることは明らかだ。それでもなおキューバは褒め称えられ真似られるべきだ。」


―意訳―
「 キューバが西アフリカでエボラが蔓延する3カ国に医療専門家を数百人規模で派遣するのは多少の(国家としての)自己顕示欲の表れかもしれないが、それでもその勇気と意気込みは称えられるべきであり、各国が模範とすべきものなのである。」

(3)  The global panic over Ebola has not brought forth an adequate response from the nations with the most to offer. While the United States and several other wealthy countries have been happy to pledge funds, only Cuba and a few nongovernmental organizations are offering what is most needed: medical professionals in the field.

「地球規模でのエボラ・パニックはエボラが蔓延する国々が一番にしてもらいたい援助を、先進国が提供することはなかった。米国及び数カ国の富める国々は資金援助をするだけで満足している、キューバと小数のNGOのみが最も必要とされること(エボラとの戦場へ医療専門家の派遣)を申し出たのである。」

 「一番にしてもらいたい援助」とは医療部隊の派遣であるが、お金は出しても人は出さない、ビビッて派遣しないのが豊かな国々に共通した対応だった。簡易隔離設備と防護服やマスクやグローブなど、必要な物資も一緒に持ち込んでもらいたいというのが現地の本音である。リベリアから日本へ自衛隊の防疫部隊の派遣要請があったが、いまのところお金を出すことだけが決定事項のようだ。そうして考えると、キューバは偉い。

an adequate response:「対応」と辞書には載っているだろうが、ここではエボラが蔓延している3カ国に医療専門家を配置することだから、「援助」という語彙を充てた。adequateは「適切な」
だが、with以下の前置詞句とかぶるので流した。

■the most の後には'adequate response'が省略されている。同じ言葉は省略される、省略されていたら直前のものから探すとすぐに見つかるということ。<注-1>参照
■青字の'happy to pledge funds'はto-不定詞がhappy(形容詞)を修飾するから、副詞的用法。先進国は一番必要とされている医療専門家の派遣を決めずに、資金提供を約束することで無邪気に喜んでいるのである。そんな対応ではエボラはいつまでたっても火種の西アフリカ諸国で蔓延し続けるから、先進国へ次々に飛び火することになる。お金を出すだけで何とかなると考えているとしたら無邪気な自己満足だ。

 日本へ自衛隊の防疫範の派遣を要請してきたリベリア共和国は人口430万人、医師数は50人足らずだ。北海道(550万人)程度の人口でエボラが蔓延しているのに医師数がたったの50人、どれほどひどいことになっているのか想像できる。根室だけで二十人ほど医師がいる。430万人でたった50人の医師数だということは根室の2.5倍の医師数で北海道全域に蔓延しつつあるエボラ患者に対応しなければならないのだから、どれほど深刻なことかねむろっ子にはありありと想像できる。千人のエボラ出血熱患者が市立根室病院に列をなしていることを想像したらいい、それがリベリアの現実。対応は命がけだから、戦争と同じだ。人を殺すための戦争ではなく、命を救うための戦争。

------------------------------------
<注-1>
=============
(3)the nations with the most to offer のthe most は、the 形容詞で、~なこと、もの、人、で読めば、「提供できる、最も多くのものを持つ国」で、次の文のwealthy countries の言い換えとしてぴったりです。

ご参考までに。
by 後志のおじさん (2014-10-28 10:39) 
=============

わたしの間違いですね。ご指摘の通りですから本文を訂正します。

the nations with the most to offer

この文の生成過程を追うと次のようになります。
the nations have the most things to offer
⇒the nations which have the most things to offer
⇒the nations with the most things to offer
= wealty countries
「意味は深層構造にあり」ですから、ご指摘の通りwealth countriesを指しています。

by ebisu (2014-10-28 11:08) 
=============

 高校生や大学生にわかりやすいように、投稿欄の説明にさらにこの句の生成過程を追加しておきました。修辞上の問題が含まれていますから、こういう知識があると英作文がやりやすくなるのではないでしょうか。よく読み、そして読んだ文を参考にして書いてみる、日本語の作文スキルを上げるのと同じことです。
-------------------------------------

(4)  Doctors in West Africa desperately need support to establish isolation facilities and mechanisms to detect cases early. More than 400 medical personnel have been infected and about 4,500 patients have died. The virus has shown up in the United States and Europe, raising fears that the epidemic could soon become a global menace.

menace:脅威


「西アフリカの医師たちは(簡易)隔離施設の設置と早期にエボラ患者を検出するメカニズムの確立するために必至の思いでサポートを必要としている。400人の医療従事者が感染し、4500人の患者がすでに亡くなった。エボラウィルスは米国やヨーロッパに姿を現し、エボラの蔓延がすぐに地球規模の脅威になりうることへ恐怖が増大している。」

 ' rising fear 'の句を主語を補って文に書き換えると次のようになる。
 The virus rises fear that ~.

 エボラの蔓延している3カ国(リベリア、シェラレオーネ、ギニア)で昨年12月から9936人がエボラに罹患、4877人が死亡しているようだ。
 

(5)  It is a shame that Washington, the chief donor in the fight against Ebola, is diplomatically estranged from Havana, the boldest contributor. In this case the schism has life-or-death consequences, because American and Cuban officials are not equipped to coordinate global efforts at a high level. This should serve as an urgent reminder to the Obama administration that the benefits of moving swiftly to restore diplomatic relations with Cuba far outweigh the drawbacks.

estrange:疎遠にする、仲たがいする、遠ざける
schism:分裂
swiftly:迅速に
outweigh:より重い、重要度が優る
drawbacks:障害、不利


「エボラとの戦いを指揮するワシントンが勇気のあるハバナと外交的に疎遠なのは恥ずべきことだ。米国とキューバの政府当局者が高いレベルで国際的な協力体制を整えないと、この二国の分裂が下人で生死の結果を分かつことになる。以上のことは、キューバと外交関係を回復するための迅速に動くことの利益がさまざまある難点よりもずっと重要性が大きく、オバマ政府への緊急の注意喚起として役に立つ。」

 後段の半分がわけのわからぬ日本語になってしまったので、書きなおしてみよう。
「上述のことはオバマ政府にとっての注意喚起として役に立つ。キューバと外交関係を回復するために迅速に動くメリットの方が、キューバとの間で抱えているさまざまな問題よりもずっと重要性が大きい。」

 わかりにくい文かもしれないので、2点捕捉しておきたい。
①serveの目的語がthat節である。目的語が名詞句ならserveの直後に置かなければならないが、that節で長いのでas~の句の後に置かれた。次の文例を見たらハッキリするだろう。
 The stump serves campers as a good table.(その切り株はキャンパーにとってちょうどいいテーブルになる) G-4
② far outweigh the drawbacks の後に(with Cuba )が省略されている。「キューバとの間で抱えている問題よりも重要度が高い」

(6)  The Cuban health care workers will be among the most exposed foreigners, and some could very well contract the virus. The World Health Organization is directing the team of Cuban doctors, but it remains unclear how it would treat and evacuate Cubans who become sick. Transporting quarantined patients requires sophisticated teams and specially configured aircraft. Most insurance companies that provide medical evacuation services have said they will not be flying Ebola patients.

「キューバの医療従事者たちは、もっとも危険な外国人(エボラ患者)の只中にいて、エボラウィルスに感染しないように手際よく仕事するだろう。WHOがキューバ・の医師団を指揮しているが、感染したキューバ人をどのように治療し避難させるかについては何も決まっていないままだ。隔離した患者の移送は熟練したチームと特別につくられた輸送機を必要とする。医療避難サービスを提供している保険会社のほとんどがエボラ患者の空輸には対応しないと述べている。」

 キューバの医療専門家が感染したら、キューバの輸送機で運ぶか、米軍の輸送機で運ぶことになる。米軍機がキューバに着陸するのは外交関係から考えるとできない相談だから、おそらくキューバの軍用輸送機を使うことになる。

(7)  Secretary of State John Kerry on Friday praised “the courage of any health care worker who is undertaking this challenge,” and made a brief acknowledgment of Cuba’s response. As a matter of good sense and compassion, the American military, which now has about 550 troops in West Africa, should commit to giving any sick Cuban access to the treatment center the Pentagon built in Monrovia and to assisting with evacuation.

Secretary of State : 国務長官
good sense: 良識
compassion: 思いやり、慈悲心、共感
commit to doing: 支援を約束する G-4
■ assist with:
   assist him with money (彼に金銭的援助をする) G-4

「金曜日(10/24)に国務長官のジョン・ケリーはエボラ患者の治療に参加する医療従事者たちの勇気を褒め称え、キューバの対応について手短に確認をした。良識と共感の問題として、西アフリカに550人の軍隊をもつ米軍は、罹患したキューバ人が、ペンタゴンがモンロビアに建設した治療センターへのアクセスと現場からの避難を助けることに全力で当たるべきだ。」

■ 構文解析
 should commit
 ①to giving any sick Cuban access to the treatment center the Pentagon built in Monrovia
 ②to assisting with evacuation
 commitが目的語を二つもっている。

(8)  The work of these Cuban medics benefits the entire global effort and should be recognized for that. But Obama administration officials have callously declined to say what, if any, support they would give them.

 callously:[キャルスリィ] 冷淡に

「キューバ医療部隊の仕事はさまざまになされている各国からの援助に益するものであり、そういうものだと認められている。だが、オバマ政権幹部は、キューバの医療部隊へ何が起きたらどのようなサポートをするのか冷淡に言明を避けている。」

 declineは「減少する」では意味が通じないので、ここでは「拒否する」という意味だ。この用例にはお目にかかることが少ないから、文意が通じないときは無理せず辞書を引いた方がいい。

(9)  The Cuban health sector is aware of the risks of taking on dangerous missions. Cuban doctors assumed the lead role in treating cholera patients in the aftermath of Haiti’s earthquake in 2010. Some returned home sick, and then the island had its first outbreak of cholera in a century. An outbreak of Ebola on the island could pose a far more dangerous risk and increase the odds of a rapid spread in the Western Hemisphere.

take on:(仕事を)引き受ける
odds: オッズは懸け金の歩である。何倍になるかということ。
起こりそうもない確率をpとすると、起こる確率は(1-p)で表される。そのとき、オッズは次の計算式で求められる。
 odds=p/(1-p)


「キューバの保健医療部門は危険なミッションを引き受けるリスクを承知している。2010年のハイチ地震の直後に起きたコレラ患者治療のときの指導的な役割をキューバの医師たちは想定している。コレラにかかって帰国した者もいた。そしてその後でキューバは過去百年間で最初のコレラ流行を経験した。キューバ島でのエボラのアウトブレイクは(コレラの流行よりも)はるかに大きな危機的リスクを引き起こし、西半球への急速な流行のオッズを増大させうる。」

(10)  Cuba has a long tradition of dispatching doctors and nurses to disaster areas abroad. In the aftermath of Hurricane Katrina in 2005, the Cuban government created a quick-reaction medical corps and offered to send doctors to New Orleans. The United States, unsurprisingly, didn’t take Havana up on that offer. Yet officials in Washington seemed thrilled to learn in recent weeks that Cuba had activated the medical teams for missions in Sierra Leone, Liberia and Guinea.

「海外の災害へ医師と看護師を派遣する長い伝統がキューバにはある。2005年のハリケーン・カトリーナの後で、キューバ政府は医療部隊を急遽編成して、ニューオリンズへの派遣を申し出た。米国は、驚くことではないが、ハバナのその申し出を受け入れなかった。それにも関わらずワシントンの関係者たちはシオラレオネ、リビエラ、ギニアでのミッションのためにキューバが医療チームを立ち上げたことをこの数週の間に知ってから恐れおののいているようだ。」

(11)  With technical support from the World Health Organization, the Cuban government trained 460 doctors and nurses on the stringent precautions that must be taken to treat people with the highly contagious virus. The first group of 165 professionals arrived in Sierra Leone in recent days. José Luis Di Fabio, the World Health Organization’s representative in Havana, said Cuban medics were uniquely suited for the mission because many had already worked in Africa. “Cuba has very competent medical professionals,” said Mr. Di Fabio, who is Uruguayan. Mr. Di Fabio said Cuba’s efforts to aid in health emergencies abroad are stymied by the embargo the United States imposes on the island, which struggles to acquire modern equipment and keep medical shelves adequately stocked.

「WHOからテクニカルサポートによって、キューバ政府は、460人のドクターと看護師に厳格な感染予防訓練を施した。医師と看護師たちは強力な感染力のあるウィルスを体内に保有する患者治療しなければならない。第一陣165名が数日前にシエラレオーネに到着している。WHOハバナ代表のジョーゼ・ルイス・デ・ファビオは、キューバの医療団がすでにアフリカで活動した経験があるのでミッションに最適だったと述べている。キューバには非常に有能なウルグアイ人の医療専門家達がいる。海外で起きている非常事態下でのキューバの援助努力が困った状態に陥っている、というのは米国がキューバに出入港禁止令を課しているからである。キューバは近代的設備を調達したり、医療用棚(簡易ベッド)を充分な量を揃えることに悪戦苦闘している(のに米国が邪魔をしている)。」

(12)  In a column published over the weekend in Cuba’s state-run newspaper, Granma, Fidel Castro argued that the United States and Cuba must put aside their differences, if only temporarily, to combat a deadly scourge. He’s absolutely right.

「キューバの国営新聞「おばあちゃん」でフィデル・カストロが以下のように主張している。米国とキューバはたとえ一時的にでも、死の災難と戦うために、お互いの相違は脇に置くべきだ。彼(の主張)は正しい。」

 カストロがまで存命なのを知って驚いた、1926年生まれ88歳である。ゲバラは惜しまれつつ早く死んだが、カストロはずいぶん長生きだ。

<余談>
 赤い服のエボラ患者が露店の並ぶ市場らしきところを棒を持って歩いている、ふらつく様子はないし元気だ。病気の人には見えなかった。しばらくすると防護服に身を固めた6~7人の男たちが出てきて、赤い服のエボラ患者の男を取り囲み、暴れる男を無理矢理取り押さえて車の中に押し込んだ。医師や看護師が患者をああいうふうに扱うだろうか?大きな男たちのやり方は、医師や看護師ではなく軍人に見えた。あれを目撃した現地の人々はどう思うだろう?
 他にも女のエボラ患者が出ているビデオが流されたが、どこにも出血はなかった。最初の症状はインフルエンザと区別がつかないが、数日すると血管内で血液が凝固し、血栓ができて多臓器不全で亡くなるが、エボラウィルスで血栓ができだすと、凝固因子が血栓に使われて、血管を流れる血液に凝固因子が足りなくなり、歯茎から出血すると説明されているが、テレビには一度もそういう患者が映し出されていないのはどういうわけだろう?
 気をつけてテレビを見ていると、映像が辻褄の合わないことに気がつく。
 エボラ検査薬はどれぐらいの精度があるのだろう。
 エイズでは米製薬メーカは治療薬を開発して莫大に儲けた。当初は半年から2年以内に亡くなっていたエイズ患者は投薬を続ければ二十年でも三十年でも生きられる。投薬期間が長いほど巨大製薬メーカが儲かるシステムになっている。
 推理小説では誰が得をするのかを調べることが事件解決の近道だ。そういう見方をすると、米国政府と巨大製薬メーカが一体となってこのエボラ騒ぎに関与していても不思議ではない。このシリーズの最初の方でも治療薬を開発する製薬メーカにとって莫大な利益を手にする絶好のチャンスだと書いたが、エボラ騒ぎはなにかきな臭い。


*#2842 エボラ出血熱1-1: 'The worsening ebola crisis' Oct. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17-1

 #2843 エボラ出血熱1-2 :'The worsening ebola crisis' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-18

 #2844 エボラ出血熱2-1 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19

 #2846 エボラ出血熱2-2 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19-2

 #2847 エボラ出血熱2-3 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.21, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-20

 #2848 エボラ出血熱2-4 :国内の体制はどうなっている? Oct.22, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-22-1

 #2852 エボラ出血熱3-1 ' Cuba's impressive role on Ebola '   Oct. 27, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-26



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#2850 'Promoting women at work'1-2 :女性大臣二人辞任 Oct. 22, 2014     [時事英語公開講座]

 今回は#2849'Promoting women at work'、の英文記事を2大臣辞任ニュースと絡めて解説編、これら二つは共通の根っこをもっている。

 女性閣僚5人の内の2人が政治資金規正法違反で辞任した。力量のない者をムリに重い職位につけると人材を損ねることになるし、組織体制や仕事に悪影響が出る。政府は女性管理職30%という目標を達成するために法律案を準備しているが、そんなことをしたら日本中の会社がおかしくなりかねない。
 日本は欧米とは異なる価値観で男女の分業をしてきたし、そういう基礎の上にアジアで最初に近代化を成し遂げた。縄文時代から1.2万年続く「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました・・・」という性差を認めた仕事の分業の底に流れる日本的価値観を棄てる必要はない。
 少子高齢化が急速に進み、生産年齢人口が減少に転じ、数百万人単位で労働力市場が縮小を始め、にわかに人手不足が現出して、外食産業に数百店単位で閉店が出始めた。
 生産年齢人口が縮小に転じてしまってはアベノミクス三本の矢の成長戦略が雲散霧消してしまうから慌てているのだろうが、少子高齢化による人口減少はずいぶん前からわかっていたことでいまさら慌てるところを見ると、先がぜんぜん読めていなかったらしい。こんなテイタラクで大丈夫だろうか?

 経済成長の時代は終わった、粛々と経済縮小を受け入れたらいい。国内に生産拠点を取り戻し、若い人たちに安定した正規雇用の場を提供するために、強い管理貿易に舵を切り、国産できる物資は国内で生産し、消費すればいい。そうすれば、雇用の確保ができるし、輸入も減らせる、貿易収支の赤字も減らせる。いいこと尽くめではないか。
 日本列島に住み生活する日本人が5000万人になれば、いまよりずっと住みよい社会が訪れるだろう。縄文時代以来1.2万年の歴史ではじめての人口縮小を歓迎しよう。


*http://www.japantimes.co.jp/opinion/2014/10/17/editorials/promoting-women-at-work/

  Promoting women at work
    (法律を作り女性管理職を4倍にする・・・安倍首相)

(1)  Draft legislation prepared by the administration of Prime Minister Shinzo Abe requires large companies as well as the national and local governments to set and publicly disclose targets for promoting women in their organizations beginning in fiscal 2016.

「安倍晋三内閣によって準備されている法律草稿は国家公務員や地方公務員のみならず大企業にも2016会計年度当初までに女性登用を決めることとその目標値を公表するよう要求するものである。」

 簡略化すると次のようになる。
① Draft legislation requires A and B to set.
② Draft legislation requires A and B to publicly disclose targets.

 Aは「大企業」、Bは「国家公務員と地方公務員」である。 ①は「法律案はAとBに決定することを要求している」、②は「法律案はAとBに目標値の公表を要求している」、つまり①では女性登用という踏み絵を踏むことを要求し、②でそれをいつまでにどういう具体的数値目標を掲げてやるのか公表させてタガをはめようという魂胆だ。
 これは日本企業の解体論に等しい。管理職の資質に欠ける者を大量に管理職へ登用したら企業業績に悪影響が出る。後で出てくるが、公共事業の発注もこの具体的な目標値如何で優先権を与えることにまで言及しており、ほとんど脅しだ。この法律案が国会で承認されたら日本企業の競争力を大きく削ぐことになる。

(2)  The move follows a goal Abe set in his economic growth strategy of raising the ratio of women in leading positions in society to 30 percent by 2020.

「2020年までに社会の中で指導的地位にある女性の比率を30%にまで増やそうという経済成長戦略で安倍首相が決めた目標に従った法制化の動きである。」

 'the move'は定冠詞がついているので「法制化への動き」のことだ。'in society'は'in household'あるいは'at home'に対応する語である。家庭から女性を引きずり出して労働力市場に投入しようということ。誰のための政治か?

(3)  Members of the business community are said to have resisted setting a uniform target for boosting the ratio of women in management on the grounds that their ability to do so would differ between individual companies and sectors.

「女性の管理能力が会社や業界ごとに異なっているという理由で管理職の女性比率を上げるために統一目標値を設定することに経団連の会員企業が反対していると言われている。」

 受身の文になっているのは、だれがそう言っているのか(agent)に関心がないからだ。reportedlyと付け加えてもいい。そう思って次の文を見たらreportedlyが使われている。これではここで使うわけには行かぬ。なるほど、そういう文かと合点がいく。

the business community:定冠詞がついているから、大企業の経済団体である経団連である。こういう定冠詞を見過ごしてはいけない。membersには定冠詞もsomeという限定詞もないので、特定のメンバー達ではなく、会員企業に広くそうした反対論が存在していることを示唆している。

(4)  But the Abe administration reportedly insisted that the bill, which it hopes to get enacted in the current Diet session, will impose legal obligations on the part of businesses and government organizations to make some commitments on promoting female workers.

「安倍内閣は―その法案を今国会で採決したい―女性労働者を管理職にする約束をさせるために経済界の一部(大企業)と各省庁に法的義務を課すつもりだ。」

 安倍晋三首相は5人の女性を閣僚に起用したのだが、松島みどり、高市早苗、小渕優子、山谷えり子、有村治子の五人の内二人が失脚した。ムリに女性を重職に起用するとこういうことになる。安倍首相は自分ですらうまくやれないのに、法律をつくって強制すれば全国津々浦々で同じことが起きることになる。「女性管理職登用」という毒性の強いウィルスを開発してばら撒き、日本中の大会社に感染爆発させるようなものだ。

■ 従業員数300人超、資本金3億円超の両方を満たすのが製造・運輸・建設業の大企業。サービス業は、資本金5000万円超で従業員数100人超の企業。業種によって定義が異なる。

■ government organizations は「政府組織」「行政機関」「各省庁」などの訳が考えられるが、特殊法人などの外郭団体は法制化の対象外だろうから、ここでは「各省庁」とした。定冠詞がついていないことにも注意しよう。なにかある象徴だけに限定したものではなく、あまねく各省庁に義務化するという含意が込められている。

(5)  Behind Abe’s 30 percent target and the proposed legislation is a sense of crisis that unless it taps more women to join the labor force, Japan could face a serious shortage in the workforce due to its rapidly aging and declining population, casting doubts over the nation’s future economic growth and sustainability of its social security system.

「安倍首相の30%目標値と提出された法案の背後には、もっとたくさんの女性を労働力として市場に参加させて利用しない限り日本は急速な高齢化と人口縮小による深刻な労働力不足に直面し、国の未来の経済成長と社会保障制度の維持に疑問を投げかけることになりうるという危機意識がある。」

 主語が長いので倒置されているのは修辞上の配慮だろう。どこまでが主語かを示してみたい。
 sense of crisis that (unless it taps more women to join the labor force,) Japan could face a serious shortage in the workforce due to its rapidly aging and declining population

 うんざりするぐらい主語が長い、これを先頭にもってきたら重すぎるので作文上の配慮(修辞上の考慮)が働き倒置された。behind以下の副詞句を先頭に持ってくることで文が落ち着く。修飾語を除いて主語と述語を簡単に示すと、

 sense of crisis is behind Abe’s 30 percent target and the proposed legislation 
  (危機意識がある/ 安倍首相の30%目標値と準備されている法律の背後に)

 もう一つ問題がある、casting以下の句がそれ。主語を補い、句を文に書き換えてみたら意味がまぎれなく読みとれる。興味のあるテクストを選びしっかりトレーニングを積めばこういう操作を頭の中でやりながら読めるようになる。

 (a sense of crisis) casts doubts over the nation’s future economic growth and sustainability of its social security system. 
 (危機意識は疑いを投げかけている/ 日本の未来の経済成長と社会保障制度の維持の上に)

its=nation’s
 であることに注意、代名詞は常に何を受けているのかを意識すること。そうしないと精確な意味がつかめない。「その」と訳しているようではダメ。

<
用例> tap resources on the Net  インターネット情報を利用する
  unless it taps more women to join the labor force (提出された法案がもっともっとたくさんの女性を労働力として利用しない限り~)
 it= the proposed legislation

(6)  An estimate by the Health, Labor and Welfare Ministry warns that the number of people with jobs could fall by up to 8.2 million by 2030 if women’s labor participation does not increase as expected. If more women join the workforce as hoped for by the government, the margin of decline would be reduced to about 1.7 million, the ministry says.

「厚労省の試算では、女性労働の(労働市場への)参加が期待しているように増加しなければ就業者数が2030年までに820万人落ち込むことになると警告している。政府が期待するように女性が労働力市場に参入すれば減少幅は170万人に縮小すると言及している。」

 こういうときは計算をして常に確認しておこう。若いお母さんたちを中心に、「820-170=570万人」の女性が専業主婦をやめて労働力市場に投げ込まれることになる。仕事も家事も両方きちんとできる女性は十人に一人もいるのだろうか?男と伍して仕事がしたいと思う女性は30人に1人もいるだろうか?女の幸せはそんなところにあるのだろうか?それは欧米の幻想だ。弱肉強食のジャングルで戦うことに生きがいを見出す女は数十人に一人しかいないだろう。
 大部分の主婦が低賃金の非正規労働に追い込まれ、家事や子育ての手を抜かざるをえなくなる、その結果、味付けの濃いファストフードが増え子どもの味覚障害や肥満が増え、家庭学習を含む躾けが手薄になる。ゲーム機やスマホやパソコンを子どもたちはますますやりたい放題になる。こんなことを奨励するようなことをしていたら30年後の日本はいまよりもずっと悪くなるに違いない。自由放任、味覚障害を持ち、子どもの躾けもできない大人が大量生産されてしまう。その結果、日本人の子ども達の食の環境、教育環境が著しく劣化する。

(7)  There are mixed views as to whether the legislation would in fact result in visible changes to Japan’s male-dominated corporate culture. Skeptics say the bill lacks teeth because it leaves it up to each company to determine what kind of target to set and what level of goal to aim for, making it unlikely that they would self-impose ambitious goals that radically change the status quo. Still, disclosure of the action plans by the companies with numerical targets for promoting more women to senior positions will expose their behavior to public scrutiny, and businesses with unambitious plans may face difficulties recruiting talented workers, including women.

「その法律が実際に、男支配の日本企業文化に目に見える変化をもたらすか否かについては見解が分かれている。どういう種類の目標を設定すべきか、どんなレベルの目標を目指すべきかについて法案は各会社に決定を委ねているから厳しさを欠いたものになっているという懐疑論が浮上している。企業が現状を変更しようという野心的な目標を自ら課すことはありそうもない。女性をシニアポジション(上級管理職)へ昇進させる数値目標を伴うアクションプランの公開は公的な監視に企業行動をさらすことを意図するものである。そして野心的目標を持たぬ企業は女性を含む有能な人材確保に困難をきたすことになる。」

■ 課長職以上が管理職ですから、senior managemetは部長職、執行役員、取締役です。
■ 'There are mixed views as to whether A'
 Aかどうかについてごちゃ混ぜになった複数の意見がある⇒Aかどうかについて見解が分かれている。

■ action plan: 行動計画 いつまでに・だれが・何をどうするのか具体的な数値目標をもった事業計画のことをいう。事業改革を5年の長期計画、3年の実行計画、単年度計画(=予算)と三つに分けると、真ん中の3年の実行計画がアクションプランにあたる。

(8)  Companies with more than 300 employees will be required to make and disclose plans with targets for the promotion of women and specific ways to achieve them. The government will later set examples on what types of targets should be set by the firms, but they may not necessarily be numerical goals for the ratio of women in management ranks. They will likely include such criteria as the proportion of women in overall hiring and the ratio of workers taking child-care leave.

「300人以上を雇用する企業(大企業)は女性の管理職への昇進目標とその実現手段を明記した計画作成と公表を要求される。政府は後でどのようなタイプの目標を企業が設定すべきかについて例を挙げることにしている。しかし、職位ごとの女性登用の数値目標はかならずしも必要とはされないようだ。計画は雇用全体の中での女性比率や子育て中の従業員比率のような基準を含むだろう。」

■ 'Tere are mixed viiews'は「混ぜ合わされた意見がある」では日本語にならない。mixedは辞書の訳語にこだわらず、「意見が分かれている」と訳した方が書き手のイメージを伝えるのに適している。文章は伝えたいものが頭の中にイメージとしてあって、それを頭の外に運び出す入れ物が言葉だ。言葉の奥にある伝えたいイメージがなんなのかを具体的に考えよう。
■ theyはnumerical goals のこと。常に代名詞を具体的な名詞に置き換えながら読み進むこと。トレーニングによってこういう作業を習慣化してしまおう。何を意識して読むかでトレーニング効果が決まる。たとえば、次のようなトレーニング方法がある。
 ○代名詞を意識して通読する
 ○前置詞を意識して通読する
 ○主語と動詞句に注目して通読する
 ○文法工程指数の高い句を含む文に注目して通読する
 ようするにだ、自分の興味にあわせて視点を固定して読めばいい。焦点を合わせない読み方と併行してトレーニングすると面白い。

(9)  While the national and local governments will come under the same obligations, smaller businesses will only be urged to make such efforts voluntarily. The government will recognize “excellent companies” that have ambitious targets and plans to introduce preferential treatment of such firms in terms of opportunities to get public works contracts.

「国と地方自治体は同じ義務を負うことになるが、中小企業は自発的な努力に任される。政府は大胆な目標を掲げる企業を「優良企業」と認め、公共事業請負契約に有利な扱いをするつもりだ。」

 女性管理職を増やさない企業には公共事業をやらせないということのようだ。ずいぶんと強引に見える。公共事業を受託している企業は大胆な女性登用計画案を公表し、それを実現しなければ会社がつぶれるだろう。なんだか社会主義統制経済のようになってきた、安倍首相は右よりだったはずだが・・・

■ whileは意味が広いので、前後関係から訳語を選ぶ。while節と主節の意味を比較するとこの場合は逆接であることがわかる。なんどか紙の辞書を引いてwhileの項を全部読んで見よう。こう言うときは電子辞書は画面が小さくて全体が一覧できないのでお薦めできない。

(10)  Nearly 30 years after the law mandating equal employment opportunities for men and women was introduced in 1986, women account for just 7.5 percent of management positions in Japanese firms, far lower than the 30 to 40 percent in many other advanced economies. Women accounted for a mere 3 percent of national government employees in management positions as of October 2013, compared with 40 percent in Sweden, 33 percent in the United States and 9 percent in South Korea, according to an annual report by the National Personnel Authority. Women accounted for 26.8 percent of newly hired government workers in fiscal 2013.

「男女の雇用機会均等法が1986年に導入されてから30年近く経つが、いまだ日本企業で女性管理職は7.5%を占めるに過ぎず、他の先進国の30~40%には遠くおよばない。人事院の年次報告書によれば、2013年10月現在で国家公務員の管理職に占める女性の割合はたったの3%であり、スェーデンの40%、米国の33%、韓国の9%とは比較にならない。2013年に雇用された国家公務員の内、女性は26.8%である。」

 官の方が民よりも女性雇用事情が厳しいようで、男社会度が高いことを数字をあげて示している。隗より始めよということ。ところが「隗より始め」た安倍首相の女性5閣僚起用は大失敗に終わった。失敗から学べ。

 おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいく国の住民としては、性差に基く男女分業は本来あって然るべきものであって、それが日本人の「男女同権」の根底にある価値観だ。女は子どもを産むようにできているし、子育てするようにできている。子どもができたら育児と家事に専念したいのは自然な女心だ。それをムリに働かせる必要はないし、自然の摂理にも、女の一生の生理にも反している。
 男の役割は外で働いて稼ぎ家計を支える、女が安心して子ども生み、育児と家事に専念できるように家族を守ること、それのどこが悪い?立派なものではないか、これこそ理想とすべき形だろう。

 なんでもかでも欧米と一緒にする必要はないと思う。労働に関する価値観も欧米と日本ではまるっきり異なっているのだ。古代都市国家の末裔であるギリシアでは労働は奴隷に固有のものであって、都市国家の市民は原則、労働をしない。働かないことが彼らの理想なのだ。日本人は刀鍛冶の仕事にみるように、神への捧げものをつくるのが仕事だ。手を抜かず、最高のものを神へ捧げる。だから仕事は神聖なもので嘘とごまかしがあってはいけないものなのである。日本人が仕事の手を抜かず、安心・安全なものをつくるのはこうした価値観が縄文以来1万2千年受け継がれてきたからだ。そういう大切な価値観を放棄する必要はないとebisuは思う。
 男一人が働けば、女は子どもを産み、基礎学力が高く健康な子どもに育て上げることができる社会を創ったらいい。子どもを産み立派に育てなければ経済社会の維持ができない。
 男に正規雇用の職を保証し、嫁と子どもたちをしっかり育てられる給与を支払う立派な企業を増やすことこそ、政府と大企業が一番にやるべきことではないのか。不幸にして離婚した女性たちにも正規雇用の職を保証し、子育てして大学まで行かせられる仕組みを創ることこそ、政府や大企業の役割ではないのか?

○ the law mandating equal employment opportunities for men and women was introduced in 1986:「男女雇用機会均等法」、中学3年生のときに公民で習っている。だから辞書を引く必要すらないだろう。
○ the National Personnel Authority:人事院

(11)  A top-down approach to promoting women to management positions may be necessary to change the situation. But equally important will be more steady bottom-up efforts to remove obstacles that discourage women from maintaining their career path. According to the labor and welfare ministry, women account for roughly 40 percent of Japan’s workforce, but more than half of them are irregular employees, working part-time or as temporary dispatch staff.

「現在の状況に風穴を開けるためには、女性管理職登用の促進にトップダウン・アプローチが必要なようだ。だが、同じように大事なことは昇進経路(キャリアパス)を歩む女性をうんざりさせる障害を取り除くためにボトムアップ努力を着実に行うことである。厚労省によれば、女性は日本の労働力のおおよそ40%を占めているが、そのうちの半数は非正規雇用であり、パートタイマーや派遣スタッフとして働いている。」

 勤労者の40%が女性でそのうちの半分が非正規雇用、その意味をよくよく考えてみるべきだ。女の身体は子どもを産むようにできているし、生んだ後は子育てするように母性がある、それは自然の摂理であり、それを捻じ曲げるような法制化をやってはならない。それが自然にできて、しかも子どもを産み、子育てを終わった30代のお母さんたちを正規雇用あるいは時間制限して正規雇用と同じ時間給で働けるように経済社会の仕組みを変えることこそ政府や経済団体の重要な役割である。

(12)  About 60 percent of women leave their jobs when they have their first child. The ratio of women in regular full-time employment is the highest in the 25-to-29 age bracket. It then declines after that as many women become irregular workers. Many women quit their jobs because they think it’s too tough to work full-time while raising young children and running the household.

「女性の約60%が第一子を産んだときに離職している。正規雇用比率は25-29歳の階層で最大となっている。正規雇用はその後減少し、次いで多くの女性が非正規労働者となる。幼児を育て、家事をしながらではきつすぎてフルタイムの仕事はムリだと若い女性たちは考えている。」

 フルタイムの正規雇用ではなく、時間給換算でフルタイムと同じ条件でのパートタイム労働が実現されなくてはならない。それは非正規雇用割合を増やすことで利益をあげてきた無能な経営者達に退場を迫ることでもある。政府は経団連に正面からこういう厳しい意見を言わなければならないのである。

(13)  The government has spelled out measures to support working mothers, such as increasing the number of day-care centers for children. But also needed are steps to get men to play a greater role in child-rearing and household matters, rather than leaving it up to their wives. One major measure would be to eliminate the chronic problem of long working hours at many firms so employees can go home earlier. To this end, measures will be needed to change the mind-set of managers and employees alike — especially male workers. The government should take steps to support such efforts.

「政府はデイケアセンターのように働くお母さんたちをサポートする政策を詳しく説明している。だが、同時に、妻たちに任せっぱなしにするよりも、子育てや家事にもっと大きな役割を果たす男たちを増やす工夫が必要とされている。大事なことは多くの企業でなされている長時間労働という慢性的な問題を解消することであり、そうすれば従業員は家へ早く帰ることができる。この目的のために、管理職と従業員も同じように、とくに男性労働者がモノの考え方を変える必要がある。政府はそのような努力をサポートする工夫をすべきである。」

leave it to their wives: 妻たちに任せる

end:ユメタンでendを「終わり」としかおぼえていない人はアウトだ。
一つの単語には意味がたくさんある。例えば動詞はどのような目的語や副詞と組み合わさるかで意味が変化するから、その日本語訳をユメタンのようなツールですべて暗記することは不可能である。ユメタン一冊丸ごと暗記できても英文は読めない。だがまるっきりムダとは言わない。一度頭の中を通過させておく必要はある。そこにとどまっていたらいけないということだ、たとえばどこかでwhileをとりあげたが、ユメタンではなく、分厚い辞書でwhileの項をしっかり読んでおく必要がある。こういう作業を繰り返すことで力がつく。
 ここでendを「終わり」と訳したら「一巻の終わり」だ、意味が通じないだろう?
 文脈を読んでいたらそういう間違いはしない、辞書を引く場面である。文脈から意味が通じないときにはその単語に別の意味があるケースが多いから、紙の辞書を毎日引こう。to this endは「この目的のために」と訳す。
 文脈を把握しながら読む人は、辞書を引かずとも大体この辺りの意味だろうと見当がつくようになる。日本語の本をたくさん読んで、文脈を読みなれている人には英語長文読解はやさしい。同じ技を英語に応用すればいいだけで、意味を外さないから高得点が期待できる。

step:「手段」という訳語がどの辞書にも載っているだろうが、この場合はstepが必要とされているのだから、辞書には載っていない「工夫」という日本語を当てた。辞書の訳語にとらわれていると、日本語にならないおかしな文がときどきでてくることになる。

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<余談-1:学習の仕方>
 各英文の後につけた日本語訳はあまりほめられたものではないので、内容理解の参考にしていただけたら幸いです。自分の語彙で立派な日本文をつくり、比較して学習することを薦めます。福沢諭吉が尾形洪庵の適塾塾頭としてオランダ語をそのあと英語を教えるのにやっていた方法です。参考訳を見ないで自分の頭で徹底的に考え抜く、その後に参考訳を見る。

<余談:公開講座のめざすもの>
 カテゴリー「時事英語公開授業」でとりあげるのは英辞新聞記事ですから、テクストのレベルから判断すると大学3年次対象の授業を想定していますが、高校生が読んでも理解できるように解説に配慮してあります。「根室の英語好きな(あるいは嫌いな)」高校生を想定していますが、北海道には根室のように駅のキオスクで英字新聞が手に入らない地域がほとんどです。定期購読以外にはネットで検索するしかありません。そういう意味で情報の質と量で都会に住んでいる高校生と大きな差がありますが、地域格差をいくらか緩和できないかという思いで書いています。2012年度には全国で8万人の大学生が中退しています。経済的な事情から大学進学をあきらめた根室っ子もすくなくありませんから、そういう人たちもこの講座を利用してもらいたい。
 めぐり合わせがよく大学生になったら、ぜひ時事英語の授業を受講してください。この講座で勉強した成果がはっきり出ているはずです。大学院への進学を考えている人もこの講座での学習が有効です。自分の専門分野の専門用語を専門書を数冊読みながら1000~2000覚えてしまえばあとは英文読解力の差がモノを言います。時事英語記事がきちんと読めたら、英語の試験は東大大学院でも大丈夫です。(笑)
  こういう仕事(ボランティア)は東京にいてもふるさと根室へ向けて発信すれば可能だったかもしれませんが、現場(ふるさと)に住まなければわからないことがある、戻ってくる必要はありました。11年間ニムオロ塾で時事英語の勉強をした生徒たち一人一人がいなかったら、この講座はなかったでしょう。どの程度の説明をすべきかは、彼ら・彼女たちが教えてくれました、感謝しています。

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*#2849 'Promoting women at work' :2女性大臣辞任 Oct. 22, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-21

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*#2838 円安評価をめぐる経済界と日銀のズレ:山口義行教授 Oct. 14, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-13-1

 #2775 内閣府「国民経済計算4-6月期」データ解説 Aug. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-13

 #2774 'Bad inflation' shadows Japan (悪性インフレの陰りあり) Aug. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-12

 #2770 「経済成長の天井」:日本総研山田久調査部長の論  Aug. 11, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-11

 #2766 疑問符がついた景気回復の先行き Aug. 9, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-09

 #2759 有効求人倍率1.1倍、19ヶ月連続上昇 Aug. 5, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-08-05

 #2753 上海福喜食品対米国産牛肉:どっちもどっち? july 30, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-30

 #2742 藤原直哉(前編):物価と景気動向⇒二番底が来る July 21, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-20-1

 #2731 10年間で33%農業人口が減少している日本の農業 July 11, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-11

 #2729 年金基金の運用資産が130兆円から210兆円に増える:危うい株式投資 July 9, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-07-08

 #2715 GPIFの株購入と銀行保有リスク資産に関わるBIS規制変更 June 25, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-25

 #2702 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"③:公務員は別扱い June 10, 2014   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-10

 #2701 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"② June 9, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-08

 #2699 残業代をゼロにする"ホワイトカラーエグゼンプション"① June 6, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06

*#2693 鎖国をして国内雇用を確保しよう May 31, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-31

 #2669  成長戦略:規制緩和を考える May 7, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-05-05

 #2660 庶民の物価感覚 : 消費は落ち込む Apr. 27, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-27

  #2643 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(3) Apr. 13, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-13

 
#2634 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(2) Apr.7, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-04-06

 #2631 職人仕事を中心に据えた経済学の創造(1) Mar. 31, 2014 
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 #2561 物価上昇なんて経済政策はありえない話だ:経済アナリスト藤原直哉 Jan. 10, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-10

 #2245  円安はそんなにいいことか? Mar. 17, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-17

 #2627 消費税引き上げ+物価上昇>所得増加:三番目の矢はない  Mar. 22, 2014 
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 #2565 人口減少社会を問ふ(2) Jan. 17, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-17

 #2564 人口減少社会を問ふ(1) Jan. 16, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-16

 #2561 物価上昇なんて経済政策はありえない話だ:経済アナリスト藤原直哉 Jan. 10, 2014 
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 #2554 「日本の経常収支と円を考える」 東洋大教授・中北徹の論 Jan. 3, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-03

 #2549 アベノミクス批判 (2):内橋克人 Dec.31, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-31

 #2543 インフレと自己責任:リスク増大へ対処の方法はあるか? Dec. 27, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-27

 #2540 アベノミクス批判(1):『世界8月号』伊藤光晴論文 Dec. 23, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-23

*#2523 アベノミクスの行く末: 日本総研調査部長の論点 Dec. 9, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-12-09

 #2502 アベノミクスと企業経営 Nov. 18, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-11-17-3

 #2430 手詰まりの安倍首相 ついに消費税引き上げ決意表明 Oct. 2, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-10-02

  #2401 消費税値上げ延期なら国債価格は下落 Failure to raise sales tax 'could hurt bond prices' Sep. 9, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-09-09

  #2388 アベノミクス:雇用規制改革の正体 Aug. 30, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-30

  #2385 TPPは再び植民地化を招く:マハティール元首相 Aug. 28, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-28

  #2376 貿易赤字13ヶ月連続 7月最大の1兆240億円 Aug. 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-08-20

  #2329 アベノミクス:ナカミがないのに財政健全化を約束 Jun. 12, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-13

  #2321 株価暴落はどこまで続くのか?:とりあえずの目安は11,250円 Jun. 4, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-04-1

  #2311 どうにも解せぬこと ミャンマーへ債務免除 : プライマリーバランスの回復はするつもりがない? May 26, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-26-1

  #2309 Nikkei dives 7%, ends below 14,500 : May 25, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-25

  #2298 アベノミクスの罪:日経平均15,096.03円 May 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-16

  #2270 人口減少の衝撃: 2040年の日本の人口は1億727万人:"Japan's depopulation time bomb" : Apr. 21, 2013
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-22

  #2256 マネタリーベース270兆円へ拡大:亡国の決断 Apr. 6, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-06

  #2245  円安はそんなにいいことか? Mar. 17, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-17

  #2185 各論(3):'Abenomics' Jan. 24, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-24

 #2170 各論(2):貿易収支赤字転落⇒? Jan. 3, 2013 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-04

  #2169 各論(1):国債暴落の可能性とその影響 Jan.2, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-01-02

 2168 歴史認識を欠いた安倍新政権の歴史的役割(2):蔵相高橋是清暗殺 Dec. 31, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-31-1

 #2164 歴史認識を欠いた安倍新政権の歴史的役割は何? 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-28

 #2158 自民党圧勝294されど第2の危機民主党惨敗  Dec.17, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

 #2144 成長路線と金融緩和の罠 : 衆院選挙でナイトメアがはじまる 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-11-30

 #1828 ゼロ金利の罠: Fed targets and transparency Feb. 3, 2012
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-02-03

 #829 国家財政破綻の瀬戸際  Dec.12, 2009
 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-12-12

 #346 これから10年間の日本経済のシナリオ
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-10-10 


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#2849 'Promoting women at work' :2女性大臣辞任 Oct. 22, 2014 [時事英語公開講座]

―起―
女性登用目玉商品の小渕優子議員辞職>
 21日の北海道新聞朝刊一面トップに「小渕氏、松島氏 2閣僚辞任」という見出しが載った。参院外交防衛委員会の片山さつき委員長も問題を起こしている。国会と行政のケジメに関する重要な問題だから、小渕、松島両氏の辞任騒ぎがなければ、辞任せざるをえなかっただろう。
 このように分不相応な処遇は人材をつぶすことになる、これらはどれも仕事の重さを考えるとムリな人事だったのではないか?はっきり言うと能力不足。

―承―
 小渕優子(40)は経済産業大臣、明治座への観劇会は一人当たり会費12000円で2000名だが、収入2400万円が計上されていない。費用は交通費を入れると少なくとも1.5倍はかかっただろう。不足分はどうしたのか。他にもいくつか記載漏れや不正流用の疑いがあるようだ。
 小渕優子さんは2000年5月に父親の恵三氏が脳梗塞により急逝してそのあとを継いで政治家になった。後援会組織は父親がつくったものをそのまま引き継いだのだろう。父親が大物だったから、利権がらみのわけのわからぬお金もいろんな企業から入ってきただろう。取り巻きにいいように利用されたのかも知れぬ。
 父親の元を離れて20代30代を働いて過ごしていたら、目配りが違っただろう。2世議員は父親の子飼いの取り巻きを引き継がざるをえない。父親が存命中はいいが、それがなくなると好き勝手に動き出しコントロール不能になる場合がある。きちんとコントロールするのは仕事そのものだが、20歳代で人の2倍働き、30歳代で責任ある立場で仕事をした経験がない者が40歳前後になって急にきちんと仕事ができるわけがない。非凡な者なら話は別だが、凡人にはできない相談だ。大臣にならなければ民主党議員も政治資金の使い方をとりあげなかっただろう。
 父親が急逝した後、利権を温存したい秘書達や強固な後援会組織を引き継ぐ2世議員、「事件」は起こるべくして起きたのだ。

<2世議員特有の問題>
 大物政治家が亡くなると後援会組織や利権につながっていた人々は、お金が流れてくるパイプを失う。だから、その子どもを立てて後を継がせたい。自分達の利権を手放したくないからだ。そうしたお金の流れがシステムとして命をうる。有能な秘書がいて取り仕切ってくれるならいいが、彼女の場合はどうだったのだろう。結果から見るとペケだろう。簡単に突かれるような仕事をしたことになるからだ。明治座の観劇ツアーの一件だけを見ても会費では足りないお金が数百万単位であったようだが、そういうお金がどこから流れてきたのかさっぱり見えない。大物議員ほど資金集めのパイプも太いのだろうが、公開されている資料を見ればわかるだけの政治資金規制法違反よりももっと見えにくい資金の流れがあるように感じるが、捜査が困難なそちらの方にはマスコミの関心も検察の関心も向かない、マスコミや検察の仕事のレベルが落ちている。田中角栄元首相のロッキード事件がなつかしい。

―転-1―
<労働力市場の縮小に慌てふためく安倍政権>
 アベノミクスの三本の矢の最後の一つ、肝心要の成長戦略が労働力人口の急激な縮小で誰の目にも危うくなった。安倍首相は公務員や大企業の管理職の30%に女性を登用したいようだ。そういうことを無理強いする法案がいま準備されている。その目玉として喧伝されたのが小渕議員の閣僚入りだった。みずから女性閣僚を増やして範を示したのだが、結果は散々でやってはいけない範を示したようなものだ。女性管理職3割が無理があるのは今回の女性閣僚2名の辞任で明らかではないか。
 女性管理職がたったの7.5%にすぎないのは理由がある。働く者の40%が女性だが、そのうちの半分は非正規雇用である。半数いる正規雇用の大半が結婚後、出産で大半が退職する。民間中小企業では正社員が産休や育児休暇をとったら、仕事をとめるわけには行かないから代わりの社員を採用する、そうすると産休明けで戻ってきても居場所がないし、余剰人員を抱えておける余裕がない会社も多いのである。だから、出産をきっかけに大半が退職を考える。家事と育児に責任ある立場で仕事をするのはたいへんにきつい。
 こうして出産後の女性正社員という裾野が小さくなるから、女性管理職を30~40%にもっていくのはムリだ。法律で強制したら男よりもずっとぬるい基準で仕事の能力の劣る者を選らばざるを得なくなる。そういうムリをすると今回のようなことがあらゆる企業で起きることになる。日本企業の力を大きく削ぐことになる。成長戦略といいながら、長期的に日本企業を滅亡に導くのが安倍政権の役割なのだろうか?迷惑だ。どうやら安倍首相は日本を米国のようにしたいらしい。

―転-2―
<現実無視の女性管理職3割論>
 私がいた一部上場企業では部長職が20名強、女性部長職は検査部門に3人いたが、わたしが見る限り二人は昇進させたのが失敗だった。逆説的だがご本人が女性を意識しないようになったら部長職はムリだ。女性取締役はゼロ、決して男尊女卑の会社ではなかったが、力を客観的に判断してそういう結果になっていた。経験則から言って課長職ならOKだが、部長職はムリの場合が多いのは女も男も変わりがない。
 いまだって充分に男女公平に処遇がされている、その結果として女性管理職が7.5%なのである。結婚・出産で8割がた退職する、ムリして女性管理職を3倍に増やしたら、実力のないものが管理職に増えることになり、民間企業は経営悪化が避けられない。

 日本では男と競って20代30代を人の2倍あるいは3倍働いてやり抜こうという女子社員はほとんどいない。欧米では普通でも日本では稀だ。ある時期に人の2倍働き、仕事のスキルを磨かないと抜きん出ることはできない。
 日本では女性は結婚して子どもを産むと仕事をやめて子育てと家事に専念するという選択をする者が多い。子を産むことそして育てることも重要な仕事であるからだろう、おそらく多くの日本人が女性も含めて「女は会社で働くよりも家で家事と育児をきちんとやることの方が価値が大きい」と感じている。家事と育児をきちんとやることはとても大切なことだとわたしも思う。結婚生活も破綻が少ない。男は家事や育児を放棄するのではない、女が家事や育児に専念できるように外で働き家計を支えることに責任をもつのである。そのために一生懸命に勉強し働く。
 欧米の価値観に立てば男女平等ということなのだろうが、日本では女はいたわるべきもの。子どもを産み、育児をする者である。それに加えて仕事も男並みにやれというのはずいぶんと女性に過酷な要求に見える。
 男が家事と育児を手伝い、女も家事と育児を分担しながら外に出て働けというのは、日本人のライフスタイルに合わない理不尽な要求に聞こえる。それがいいと思う人はやればいい、政府や法律にに強制され、追い立てられて選択するものではないだろう。

―転-3―
<米国南北戦争との共通点>
 安倍首相のもくろみは、生産年齢人口が急速に減少し、労働力が不足し、成長戦略が描けなくなるからだ。家事と育児に専念している主婦を労働市場に追いたてようとしている。
 まるで南北戦争直前の米国のようだ。北部の工業地帯の急激な成長を支えるために格安な労働力が大量に必要だった。黒人を労働力として労働市場に投入するために南部の奴隷解放が必要だったのである。北部経済界の要求とそれに乗った政府と南部農場主の戦いの結果は、工業力に支えられた北部の勝利、そして北部の工業資本家は「奴隷解放」し安価な労働力を手に入れた。米国は急速な成長を成し遂げ、世界ナンバーワンの工業国への道をひた走った。
 狭隘になってしまった労働力市場を打開するために、労働力供給を増やしたいという点では米国奴隷解放戦争と女性登用の促進策はよく似ている。経済成長を確実にしたいための政策である。
 頭が固すぎるんじゃないのか?バカの一つ覚えじゃあるまいし安倍首相と日銀黒田総裁が声高に円安・成長戦略を叫ぶ一方で、現実はまるで反対のことが起きている。輸出は増えず、円安で輸入だけが増えて貿易収支赤字は半期で5兆円を越し最大値を記録したが、十年後に振り返ってみたら、今年が最小値かも知れぬ。経常収支尻も赤字に転落しそうだ。一時的な変化ではなく、これは少子高齢化による構造的な変化を反映している現象だと理解しなければならぬ。
 日本は少子化と高齢化によって生産年齢人口が急激に縮小し始めている、その穴埋めをするために女性を家事や育児から「解放」して、何が何でも経済成長する必要があるのか?無理をすれば歪が大きくなる、国民の所得格差が拡大するだけだ。たとえば、この20年間で大企業の取締役の年収は2倍になったと言われているが、新入社員の給与や30歳の平均給与、サラリーマン全体の平均年収は同じように2倍になったか?サラリーマンの平均年収は440万円から400万円に低下しているのが実態だ。非正規雇用が増えたからだ。これ以上所得格差を広げてどうする?
 2012年度の大学中退者は1163校で約8万人、休学者は7万人だという。大学入学者の1割強が毎年退学している計算になるが、その最大の原因は経済的理由だ。何が起きているのかよく見たらいい。貧困から抜け出す大きな武器は学力である、それを若者から奪うような経済政策を次々に採用したら日本の未来はない。時間がたってかならず大きなしっぺ返しが起きる。イージーな道をとるべきではない。

―結―
<日本がとるべき道>
 人口縮小、結構ではないか。狭い日本列島には5000万人の日本人が暮らせばいい。人口縮小に伴って経済縮小これも大いに結構、総量は減っても一人当たりの暮らしを豊かにすればいい。
 日本がとるべき道は職人主義経済だ。強い管理貿易に切り替え輸入品には高い関税をかけよう。国内でとれる材料を使って自分たちで生産できるものは国内生産すし、自分たちが消費する。地産地消を日本列島レベルでやり、安心安全なものをつくり消費すればいい。生産と消費を国内で確保できれば、必要な技術の世代間伝承が復活し、雇用は安定する。輸入が少なくなれば円安も貿易収支の赤字も止まる。そう難しいことではなく、考え方を転換し経済システムを変えてしまえば好いだけだ。わたしはそういう経済システムを職人主義経済と呼ぶ。アダム・スミス、ディビット・リカード、カール・マルクスの労働価値説は均一な抽象的人間労働を経済学の根底に置いたが、それが間違っていた。ユークリッド『原論』にたとえると、抽象的人間労働は学の端緒だから公理公準に相当する、それを入れ替えれば別の体系が出来上がることは自明だ。平行線公準を入れ替えるとヒルベルトの球面幾何学が生まれる。抽象的人間労働がいんちきなことは職人仕事を見ればすぐにわかることで、一人前の職人と半端職人では同じ時間の仕事でもまるで出来が違う、労働の質は同じではない。マルクスは工場労働者の労働を想定していた。技術をもたぬ単純労働を前提としていたのである。
 こうして身体を使う仕事をしたことのない者たちが経済学を妄想してきた。世界の経済システムも経済学も変えられるし、すべての国が雇用の安定供給を実現できるのである。強欲の資本主義とはおさらばしよう。新しい経済学とそれに基く経済システム建設は日本から始まる。

<異なる文明の価値観>
 日本には「南北戦争の再来」は必要がない。欧米の過酷な男女平等価値観に迎合する必要はない。堂々と日本的価値観、男女の性差に基く責任の分担を大きな声で主張すればいい。欧米の価値観を無条件に是とする態度はもうやめたほうがよい、日本のためにも世界のためにもならぬ。異なる文明の価値観があることを知らしめよ。
 女は早く結婚して早く子を生み、育て、こどもが中学生になったらまた正社員として働くことができるのがいいあるいは正社員と同じ賃率で時間を短縮して働けるのが理想だろう
 たとえば、18~25歳くらいで結婚して子どもを産み育て、30代半ばで正社員として働くことができるのが理想ではないのか?そういうふうに社会の仕組みを変えたらいい。欧米の物差しに合わせる必要はない、日本は別でいい

 愚かな法律案を国会にかける前に、もっと広い視野で考え、国民的な議論を盛り上げてもらいたい。
 議論の材料になるような社説を10月18日付のジャパンタイムズが掲載しているので紹介しよう。
 稿を改めて解説をするつもりだ。例によって、段落ごとに番号を振っておく。


<10月18日付ジャパンタイムズ記事>
*http://www.japantimes.co.jp/opinion/2014/10/17/editorials/promoting-women-at-work/

 Promoting women at work

(1)  Draft legislation prepared by the administration of Prime Minister Shinzo Abe requires large companies as well as the national and local governments to set and publicly disclose targets for promoting women in their organizations beginning in fiscal 2016.

(2)  The move follows a goal Abe set in his economic growth strategy of raising the ratio of women in leading positions in society to 30 percent by 2020.

(3)  Members of the business community are said to have resisted setting a uniform target for boosting the ratio of women in management on the grounds that their ability to do so would differ between individual companies and sectors.

(4)  But the Abe administration reportedly insisted that the bill, which it hopes to get enacted in the current Diet session, will impose legal obligations on the part of businesses and government organizations to make some commitments on promoting female workers.

(5)  Behind Abe’s 30 percent target and the proposed legislation is a sense of crisis that unless it taps more women to join the labor force, Japan could face a serious shortage in the workforce due to its rapidly aging and declining population, casting doubts over the nation’s future economic growth and sustainability of its social security system.

(6)  An estimate by the Health, Labor and Welfare Ministry warns that the number of people with jobs could fall by up to 8.2 million by 2030 if women’s labor participation does not increase as expected. If more women join the workforce as hoped for by the government, the margin of decline would be reduced to about 1.7 million, the ministry says.

(7)  There are mixed views as to whether the legislation would in fact result in visible changes to Japan’s male-dominated corporate culture. Skeptics say the bill lacks teeth because it leaves it up to each company to determine what kind of target to set and what level of goal to aim for, making it unlikely that they would self-impose ambitious goals that radically change the status quo. Still, disclosure of the action plans by the companies with numerical targets for promoting more women to senior positions will expose their behavior to public scrutiny, and businesses with unambitious plans may face difficulties recruiting talented workers, including women.

(8)  Companies with more than 300 employees will be required to make and disclose plans with targets for the promotion of women and specific ways to achieve them. The government will later set examples on what types of targets should be set by the firms, but they may not necessarily be numerical goals for the ratio of women in management ranks. They will likely include such criteria as the proportion of women in overall hiring and the ratio of workers taking child-care leave.

(9)  While the national and local governments will come under the same obligations, smaller businesses will only be urged to make such efforts voluntarily. The government will recognize “excellent companies” that have ambitious targets and plans to introduce preferential treatment of such firms in terms of opportunities to get public works contracts.

(10)  Nearly 30 years after the law mandating equal employment opportunities for men and women was introduced in 1986, women account for just 7.5 percent of management positions in Japanese firms, far lower than the 30 to 40 percent in many other advanced economies. Women accounted for a mere 3 percent of national government employees in management positions as of October 2013, compared with 40 percent in Sweden, 33 percent in the United States and 9 percent in South Korea, according to an annual report by the National Personnel Authority. Women accounted for 26.8 percent of newly hired government workers in fiscal 2013.

(11)  A top-down approach to promoting women to management positions may be necessary to change the situation. But equally important will be more steady bottom-up efforts to remove obstacles that discourage women from maintaining their career path. According to the labor and welfare ministry, women account for roughly 40 percent of Japan’s workforce, but more thanhalf of them are irregular employees, working part-time or as temporary dispatch staff.

(12)  About 60 percent of women leave their jobs when they have their first child. The ratio of women in regular full-time employment is the highest in the 25-to-29 age bracket. It then declines after that as many women become irregular workers. Many women quit their jobs because they think it’s too tough to work full-time while raising young children and running the household.

(13)  The government has spelled out measures to support working mothers, such as increasing the number of day-care centers for children. But also needed are steps to get men to play a greater role in child-rearing and household matters, rather than leaving it up to their wives. One major measure would be to eliminate the chronic problem of long working hours at many firms so employees can go home earlier. To this end, measures will be needed to change the mind-set of managers and employees alike — especially male workers. The government should take steps to support such efforts.



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#2847 エボラ出血熱2-3 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.21, 2014 [時事英語公開講座]

'Spain case shows holes in plans to treat Ebola'

 < 解説編-2 >

  感染力強度に関する国際標準スケールがないので困る。どの程度の感染力があるのか専門家が集まり、国際標準スケールを作ってほしい。

 エボラ患者が日本で出たらどうなるのだろう?わかっていることは致死率70%、感染力がエイズよりもかなり強いということだけ。感染力の強度を仮にO-157レベルとする。
■患者が10人出たらどうなる?
■患者が100人出たらどうなる?
■患者が1000人出たらどうなる?

 こういうシミュレーションをあらかじめしておかなくてはならない。それぞれに応じて人の手配、資材の手配、隔離病棟の確保などをどのようにやるのかあらかじめ手順を確認しておくべきだ。医師、看護師、看護助手などに防護服を着たり脱いだりするトレーニングも必要になる。防護服の生産体制のチェックもやらなければならないだろう。
 一番の問題は国内に隔離施設がいくつあるのかという問題だ。エボラ患者の隔離にはバイオ・セーフティ・レベル4の施設が要件になっている。道東には1ベッドもないだろう。道内にはたぶん一つもない、そういうレベルの感染症を扱ったことがないからだ。
 私は国内最大手の臨床検査センターで16年間仕事していたことがあるが、1980年代後半にエイズ検査導入にあたって、ウィルス検査部はエイズ専用検査室を要求されるレベル2ではなく、一つ上げてレベル3仕様にした。この会社は要求される基準よりもつねにより厳しい基準をクリアするというのが暗黙の了解だった。バイオ・セーフティ・レベル3は遺伝子操作ができるレベル。 1990年ころのことだったと記憶するが、この会社のラボは世界一厳しい精度管理基準であった米国臨床病理学界のCAPライセンスを取得した。そのために3000項目を超える臨床検査作業手順書を揃え、英文に書き換えた。2年後には電子ファイルに改めている。こういうことにはいくらでもお金を使う面白い会社だった。
 レベル4の隔離施設をもっている病院が国内にいくつあり、ベッド数がいくつなのか、まず現状を知るべきだ。おそらくひとつもないだろう。
 シミュレーションはもとより、それぞれの想定に応じた作業手順を確認し、準備はしておくべきだ。準備が無駄になっても構わない。

 末尾に < 怖い余談 > が載せてある、怖い話で眠れなくなくなる人は読まない方がいい。

*http://www.nytimes.com/2014/10/15/world/europe/spanish-nurse-ebola-health-budget-cuts.html?_r=0#

============================

(10)  Protesters stood outside the Health Ministry on Monday chanting for the resignation of Ana Mato, the national health minister. Facing complaints that the national government had acted too slowly, Prime Minister Mariano Rajoy created a special commission on Friday to oversee readiness and investigate how Ms. Romero became infected.

「月曜日(13日)に抗議する者たちが保健省の回りに集まり、保健大臣のアナ・マト辞職要求が繰り返し声高に叫ばれた。政府の対応が後手に回っているという国民の苛立ちに直面して、マリアノ・ラジョイ首相は金曜日に特別委員会を設置し、看護師ロマノがどのような経緯で感染したのか調査を命じている。」

(11)  “This is an incredibly important moment, not just for Spain but for Europe and the United States,” said Dr. Julián Ezquerra, general secretary of Amyts, a large union of physicians in Madrid. “This is the first case of Ebola that has been generated outside Africa. We need to know what went wrong.”

「"スペインだけでなくヨーロッパや米国にとって、これが途方もなく決定的な時間です"とマドリッド医師会の会長Amptsが述べている。"これ(マドリッドで起きた二次感染)がアフリカの外で発生した最初の症例です。私たちは何が間違っていたのか知る必要があります。"」

 "an incredibly important moment"はまるで神がお与えになった貴重な時間とでも言いたいような表現だ。
「スペインだけでなくヨーロッパや米国にとっても神が与えたもうた貴重な時間です、無駄にしてはいけません、わたしたちはこの時間を使って如何にしてスペインで二次感染が起きたのか詳細に調べ、世界に向かって必要な情報を伝える義務があります。」
 マドリッドの医師会長はそう言いたいのだろう。

(12)  For now, Ms. Romero, 44, remains in critical condition, if showing tentative signs of improvement, housed on the sixth floor of the same hospital, Carlos III, where the two priests were cared for.

tentative:一時的な、仮の
「いままでのところ、ロマノ看護師は重篤な症状を脱していないが、一時的に改善の兆しが見えたら、同じカルロスⅢ世病院の6階に収容する。」

 もう解説の必要がないだろうが、覚えの悪い生徒もいるから念押ししておこう。
if showing tentative signs of improvement
⇒if she shows tentative signs of improvement

housed on the sixth floor of the same hospital
⇒she will be housed on the sixth floor of the same hospital

(13)  Her husband and 14 others are quarantined on a floor below, with none yet showing any symptoms of Ebola. In all, 83 people who came into contact with Ms. Romero are being monitored.

「ロマノの夫とそのほか14人がしたの階に隔離されているが、まだ一人もエボラの症状を呈していない。ロマノに接触した総勢83人が監視下に置かれ、経過観察中である。」

(14)  Beyond the uncertainty over how the infection occurred, much of the public confusion, and anger, is focused on the seemingly loose monitoring of Ms. Romero for more than a week after the death of the second priest. Even as she called in complaining of a low-grade fever and of feeling queasy, she was never told to return to Carlos III.

queasy:吐き気がする

「どうやって感染が生じたのかという不確実な問題を超えて、たくさんの人々の混乱と怒りが二番目に感染した聖職者が亡くなった後の一週間以上に渡って、ロマノの経過観察がルーズであったことに、国民の困惑が集中している。そして怒りも。ロマノ看護師が微熱と吐き気を訴えたにも関わらず、カルロスⅢ世病院へ戻るように話されることはなかった。」

 この文面から、ロマノ看護師は一般病院で診察を受けたことがわかる。外来待合室で他の患者と共に診察待ちをしていたようだが、本来あってはならない事態に批判が集中しても当然だろう。
 看護に当たる看護師や看護助手は今後は一定期間(潜伏期間が3週間あることを考慮すると4週間)厳重な監視下におくべきなのだろう。
 もう一つ読み取れることがある。一般内科医にはエボラは初期症状があっても風や食中毒などと区別がつかないということ。一般外来にエボラの疑いのある患者が並ぶことも問題だが、一般内科医に初期の診断がつけられないというのは問題が深刻である。そういうことを考慮したら、少なくとも直接に治療や看護に当たっているスタッフは全員監視下におくべきだということ。一般病院への通院も熱や吐き気を伴う場合は、エボラの治療センターに来るようにシステムをつくらなければならない。

(15)  “She was considered a low-risk contact,” Dr. Fernando Simón, the Health Ministry official now leading the government investigation, said in an interview.

「"ロマノ看護師はローリスク・コンタクトであるとみなされてしまった"」とドクター・フェルナンド・シモン(保健省の医療技官で現在政府調査を指揮している)が記者会見で述べている。」

(16)  Ms. Romero’s own actions are being closely examined, too, to determine whether she put people at risk as her symptoms began to emerge.

「症状が顕在化し始めたときに彼女が(周りにいた)人々をリスクにさらしたかどうか決定するために、ロマノ自身の行動も詳細に検討が進んでいる。」

 to不定詞のto determineはその前におかれている動詞examinedを修飾するから、例の福祉的用法である。

(17)  Javier Rodríguez, Madrid’s regional health minister, initially blamed Ms. Romero for her infection, saying she also may have lied to doctors, remarks that drew angry criticism. He also later seemed to mock the importance of training workers to remove their protective suits.

mock:あざ笑う、ばかにする、阻止する

「ジャビエール・ロドリゲス氏(マドリッド市の保健責任者)はロマノさんの感染について最初の内はロマノさんを非難していただけでなく、ロマノさんが医師に嘘を言ったかもしれないとも述べていた。そういう発言が怒りの批判を招いた。医療従事者が防護服を取り外す訓練をするほどのことはないとその重要性を彼は後であざ笑ったようだ。」

 致死率70%、エボラ患者を看護するのはきちんとやっていても身の危険がある。とくに汚染された防護服を脱ぐときが一番危ない。だから、防護服を脱ぐ訓練を十分にしなければならないのに、市当局の保健責任者がそういう大事な訓練をばかにしている。地位が上でも、自分が作業するわけではないから好い加減で無責任なことをいう者がいるということだ。これはエボラ患者が発生したら日本でも気をつけなければならない。

(18)  “You don’t need a master’s degree to explain to someone how you should put on or take off” a protective suit, he said on a Madrid television program.

「"防護服をどのように着たり脱いだりする説明に修士号は必要ない"とマドリッドのテレビ番組で語った。」

(19)  On Monday, Ms. Romero’s husband, Javier Limón, had a friend read a statement outside Carlos III in which he demanded Mr. Rodríguez’s resignation and defended his wife, saying she had acted precisely as she had been told to. On Tuesday, Mr. Rodríguez apologized.

「月曜日、ロメロの夫であるジャビール・リモン氏がカルロスⅢ世病院の外で友人に声明文を読み上げさせた。その中で彼はロドリゲスの辞任要求をしている。そして妻を擁護した。彼女は言われたようにきちんと行動していた。火曜日になってロドリゲス氏は謝罪した。」

もう省略された主語は補って読めるだろう。該当箇所の動詞を青に変えておくので、試みたらいい。
高校英文法「had+O+過去分詞原型不定詞」型の文がある、学校文法も役に立つものがある。
------------------------------------
コメント欄に次の指摘がありましたので訂正しました。
(スマホからの投稿で、なんどか試みてくれたようです)

ダメかもしれないけれど?

(19)have a friend readは、
have  目的語  原形不定詞です。

持つ、友人を (そいつは)読む……


by 後志のおじさん (2014-10-23 22:09)
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後志のおじさん

ありがとうございます。
「have+O+原型不定詞」
「have+O+PP」」

前者はOがsomeone、後者はOがsomethingでしたね。
訂正しておきます。

どちらも意味は「使役」ですから訳文には影響しません。

Ms. Romero’s husband had a friend 
He(the friend) read a statement.

「ロメロの夫は友を持った」そして「彼(友)が声明を読み上げた」
by ebisu (2014-10-23 23:55) 
------------------------------------

  ついでだから、江川泰一郎『英文法解説』(1978年改訂新版第47版)から用例を引用し、少し遊んでみたい。
---------------------------
 #209-D. 使役動詞としてのhave 形容詞・副詞を伴う例を中心にあげる。
 We cannot have these machines idle for so long.(遊ばせておけない)
 I cannot have you in just now.(いまははいってもらうわけにはいかない)
  

 Let's have the manager here and talk the matter over.(マネジャーをここへ呼んで、よく話し合おうではないか)
  She had her ears pierced in order to be able to wear ear-rings.(耳輪をつけられるように、耳に穴をあけてもらった) (⇒#180A)
  I wouldn't have you do that.(君にそんなことはさせたくない)
  I won't have you talking indecently before the children.(子どもたちの前で変なことをおっしゃると承知しませんよ)
     ・・・同書P.327

---------------------------
 #180に「have+物+P.P.」、#187-Aに「have+人+原型不定詞」の説明があるので、そちらも参考にされよ。こうして調べてみると江川泰一郎の本のすごさがわかる。こんなに版を重ねた高校英文法参考書はないだろう。この本はその昔東京渋谷のある進学教室で教えていたときに、早稲田大学院英文学研究科のK田さんに「ご推奨の英文法解説書は?」と訊いたら即座に「わたしはこれ一本でやっています」と断言、びっくりして購入したものだ。豪傑だなあと思った、もっと学術的に先端の英文法書を期待していたからだ。「なーんだ高校英文法参考書か・・・」(笑) もちろん、先端の英文法書に眼を通した結果の結論だったのだろう。
 新版が出ているから、そちらを買ったらよい、でも、手持ちの厚い参考書で十分です。

 さて、次のように不定冠詞を付け加えたらどういうことになるでしょう?
  Ms. Romero’s husband⇒a Ms. Romero’s husband
  ロメロには夫が何人かいて、その中の一人が・・・ということになります。不定冠詞があるかないかで意味がまったく違ってしまいます。

 え、なんですか?
  ⇒the Ms. Romero’s husband だったらどうなるかって?
 ロメロの例のあの酒癖の悪い夫とか、腕のよい外科医の夫とか話し手と聞き手の間での了解事項が考えられます。

(20)  In Madrid, unions representing health workers have complained that too little training was provided on how to properly remove the suits, with some people being shown a 20-minute video and others saying they got no instruction.

「防護服の脱ぎ方のトレーニングがほとんどなされていないとマドリッドの医療従事者を代表する組合が不満を述べている。ある者は20分間ビデオを見せられただけであり、他の者たちには説明すらなかった。」


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< 怖い余談 >
 あれれ、とんでもないことに気がついてしまった。国内最大手の臨床検査センターSRLですら、バイオ・セーフティ・レベル3(遺伝子操作が可能)の検査室しかもっていないから、エボラ・ウィルスの臨床検査受託ができない。国立研究機関でもレベル4の検査施設をもっているところがあるのだろうか?自衛隊が細菌兵器の研究あるいは細菌兵器攻撃に対する防御研究でも秘密裡にしていない限り、国内にレベル4の施設はないだろう。国内にエボラウィルスに感染した患者が出ても検査すらできないのが日本の現況のようだ
 バイオセーフティ・レベルは1~4までだから、4が最高水準。


*#2842 エボラ出血熱1-1: 'The worsening ebola crisis' Oct. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17-1

 #2843 エボラ出血熱1-2 :'The worsening ebola crisis' Oct.19, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-18

 #2844 エボラ出血熱2-1 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19

 #2846 エボラ出血熱2-2 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19-2


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#2846 エボラ出血熱2-2 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014 [時事英語公開講座]

 'Spain case shows holes in plans to treat Ebola'

 < 解説編-1 >

 前回までの学習でエボラは飛沫感染リスクのあることがわかった。その感染力はエイズよりもかなり大きく、さらにO-157よりもすこし大きいようだ。
 エイズウィルス<O-157ウィルス<エボラウィルス
 だが、感染力強度にどれだけの差があるのかさっぱりわからない。

 防護服を着用していても、患者の嘔吐物やオシメの処理をした後に、よほど注意して脱がないと感染リスクが大きい。現場の看護師さんや看護助手の人たちはたいへんな苦労をしているようだ。防護服を着ていると体温が上がり、汗びっしょりになる。小便も我慢しているから、脱ぐときにあわてることもあるだろう。
 エイズ・ウィルスはトイレの便座で数時間生きていることが確認されている。O-157は患者の嘔吐物の処理に細心の注意を払わないと感染リスクが大である。致死率70%のO-157ぐらいに考えていた方がよさそうだ。

 台風の藤田スケールのような「感染力強度スケール」の国際標準規格を専門家グループが集まり、作業部会を構成して制定すべきかも知れぬ。大きな区分で「空気感染するもの」「飛沫感染するもの」「接触感染するもの」に分類し、それらをさらに感染力強度に応じて各々三分類くらいしてもらえば一般人の私たちにも理解できるし、看護師や看護助手、ヘルパーさんたちの仕事や安全確保に役に立つ。

 エボラ出血熱の感染拡大は治療薬の市場が大きくなることでもある。いまエボラ出血熱の治療薬を開発中の製薬メーカは感染拡大が続くことを願っているのかもしれない、莫大な利潤を手にするチャンスだ。米国には巨大製薬メーカの本社がいくつかあり、資金力に物を言わせてロビー活動をし政府を動かしている。今回のエボラ・ウィルス騒動でどのような動きをしているのだろう?

 戦争が起きれば当事者双方に武器を売って儲けられる、二人の大統領を出したブッシュ家は第二次世界大戦で米国とナチス双方に武器を売り巨財をなしたという。イラク戦争でも大儲けをしたようだ。
 致死率の高い感染症の拡大という人類に降りかかった災いも大きくなればなるほど治療薬開発に成功した製薬メーカの利潤が巨大化する。特許権が保護されているから安心して巨額の開発投資ができる。だが、そういうシステム自体に問題を感じる人が世の中に増え始めている。欲望を肥大化させる資本主義とグローバリズムは人類にとって危うい経済システムに見える。

 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」と「小欲知足」を旨とする職人経済学はこのような災いが拡大することを喜ばない。自国で生産できる物はコストが高くても自国で生産し、自国で消費するから、グローバリズムの対極にあり、欲望自制を経済学の根底に置く。

 周辺の問題への脱線はこれくらいにして第一回の解説を始めよう。

(1) MADRID - The scene conveyed a First World precision: A 75-year-old Spanish priest, stricken with Ebola in Liberia, arrived in Madrid on a special military jet. A helicopter buzzed overhead as ambulances transported him for treatment. Expressing confidence in the preparations, a Spanish health official said the risk of the virus’s spreading was “virus's spreading was "virtually nil."?



 sceneは英和辞典で見ると「場面・現場・舞台・出来事・状況・事情」などの訳語がある。動詞のconveyとセットで眺めたら、エボラ対応にいま現れている一連の出来事や現況のこと。
-----------------------------------
http://www.ldoceonline.com/dictionary/First-World

First World

the First World

the rich industrial countries of the world [⇒Third World]
―first world adjective [always before noun]
first world economies

  「一流国」というのが原義だろう。「先進国」と訳してよい。では先進国とは何かという問題がある。G-8なのか、拡大したG-20なのか、OECD加盟国なのか、定義は一様ではない。
 G-8を先進8カ国とすることに異議はないだろう。

主要国首脳会議で中心となるのは、以下に示す8つの国である。アジアでは日本のみ。

-----------------------------------

 「エボラをめぐる一連の出来事は先進国(医療)の精度を伝えるものである:リビエラで不運にもエボラに感染した聖職者は軍の特別輸送ジェット機でマドリッドに到着した。救急輸送機となったヘリコプターが頭上を音を立てて飛びその聖職者を治療受けさせるために運んだ。準備段階では自信に満ちた顔をして、スペインの保健省の高官はエボラ・ウィルスが拡散するリスクは"実質上ゼロだ"と述べた。」

 precisionは「精度」を意味するが、ここで話題になっているのはエボラ対策での仕事の精度のことだ。「精密⇔粗雑」と対比するともっと事情が呑みこめるだろう。英語を使う人々はキリスト教の影響で二項対立でモノゴトを考える言語だから、神道の国の国民も二項対立で考えると事情が呑み込みやすい。先進国の隔離医療は精度が粗くて危険だとここで述べているのである。

a Spanish health official :「保健省の高官」としておく。スペインの医療・健康を管轄している省の正式名称が不明なのと、mediccalという用語が入っていないので「厚生省」とはせずに、仮に「保健省」と訳しておいた。

(2) There was just one problem: The city’s infectious disease center had been mostly dismantled as part of a government cost-cutting plan, and a temporary Ebola ward would have to be hurriedly constructed.

「一つだけ問題があった:マドリッド市の感染症センターは政府のコストカット計画が適用されてしまってほとんどの設備が取り外されてしまっていた。だから、仮設のエボラ隔離病棟を急いで作らなければならなかった。」

a temporary Ebola ward: 仮設エボラ専用隔離病棟

 Madridの発音は最後のdの部分は[θ]と発音するようだ。私はスペイン語の発音に知識がないし、スペイン語の辞書ももっていない。ここではスペイン語の発音ではなく英語発音をカタカナにした。「マドリード」という標記が多いようだが、これはどちらでもなく半端に感じた。

(3)  After the priest died on Aug. 12, the unit was closed again, and the same exercise repeated when a second Ebola-infected priest was airlifted from West Africa in September. He died two days later, and last week an auxiliary nurse who changed his diaper and helped clean his bed was found to have the disease.

「8月に発症した聖職者が亡くなった後、感染症センターは再び閉鎖されてしまった。そして二番目に感染した聖職者が9月に西アフリカから運ばれてきたときにまた同じこと(仮設隔離病棟設置)が繰り返されたのである。マドリッドに運ばれて二日後にその聖職者が亡くなった。そして先週、その聖職者のオシメ交換とベッドの清掃をしていた看護助手がエボラ出血熱に罹患していることがわかった。」

dismantle:設備を取り外す、取り壊す
an auxiliary nurse :看護助手

(4) That ad hoc, improvisational response to a deadly virus that has already killed more than 4,000 people in West Africa has underscored holes in the West’s readiness to confront a wider outbreak. The infection of the Spanish nurse, Teresa Romero Ramos, was the first case of the disease’s being transmitted outside Africa ? arising even before a nurse in Dallas was given an Ebola diagnosis after caring for a patient there.?

「西アフリカで4000人の死者を出している致死性の高いウィルスに、その場しのぎで好い加減な対応をしたために、エボラの蔓延に正面から戦いを挑む西欧の用意が不十分にであったことは否めない。スペイン人の看護師、テレサ・ロメロ・ラモスさんはアフリカの外で感染した初症例となった。米国のダラスでエボラ患者を看護したあとでエボラと診断された看護師よりももっと前にアフリカの外で二次感染が起きていた。」

ad hoc:その場しのぎの
improvisational:即興の、臨機応変の
confront:直面する
underscore:下線を引く、強調する
outbreak:(伝染病などの)急激な発生
case:症例、患者

How Many Ebola Patients Are Outside of West Africa?
(何人のエボラ患者が西アフリカの外に出てしまっているのか?)

  At least 17 cases have been treated outside of West Africa. Full Q. and A. »
 (少なくとも17人の患者が西アフリカの外で治療を受けた)

(5)  Together, the cases have raised urgent questions about the risks of the disease’s spreading even in developed countries, particularly among health care workers, and the role that the smallest of human errors may play in subverting elaborate safety measures.
「二人の患者(マドリッドの看護師とダラスの看護助手)は先進国ですらエボラの感染拡大リスクについて緊急に解決すべき問題のあることを明らかにした。とくに看護師や看護助手などの医療従事者に問題がある。そしてごく小さなヒューマンエラーが入り組んだ安全対策を覆す役割を演ずる可能性があるというリスクについて急を要する問題を提起している。」

subvert:破壊する、覆す
elabolate:入り組んだ、複雑な

 これはちょっと複雑な文だから解説が必要だろう。こういう時はデカルト『方法序説』「科学の方法:四つの規則」が有効だ。
----------------------------------------
 ①速断と偏見を避ける
 ②必要なだけの小部分に分割する
 ③単純なものから複雑なものへ順序に従って上向する
 ④落としているものがないが全体を見直す
----------------------------------------
 次のようにやる。
 casesは複数形だからマドリッドとダラスの二人のエボラ患者すなわち二次感染症例のこと。文全体を三つに分解してみたら、意味内容とこの文ができた経緯がよくわかる。意味は深層構造にあるというのがチョムスキー生成変形英文法の立場だが、やりすぎてはいけない。センテンスを理解するのに必要な小部分に分ければいいだけで、「アトム」にまで分解する必要はない。

①the cases have raised urgent questions about the risks of the disease’s spreading even in developed countries

②particularly among health care workers,

③and the role that the smallest of human errors may play in subverting elaborate safety measures.

 ③が問題だから、分解してみよう。

③-1 (the cases have raised urgent questions about the risk of) the role that the smallest of human errors may play in subverting elaborate safety measures.

③-2 the smallest of human errors may play the role in subverting elaborate safety measures

 'about the risk of' の下に並列で名詞句が二つぶら下がっている。講談の方は 'the role' をofの目的語にしたいから関係節変形がなされたと理解できるだろう。

 こうして分解して並べておけば変形過程も構文もはっきりつかめる。高校生や大学生諸君にはこういう技を習得してもらいたい。
 書き言葉にはこうした複雑な文が時々出てくるのだが、翻訳のプロでも文脈だけで判断して好い加減な訳をして済ませている例は少なくない。文法変形工程指数の高い文を文脈だけで判断するのは危険で、読み違いを起こしてしまうことがある。経済学の専門書に限ると、かなりすぐれた翻訳家でもこの種の間違いは文法工程指数の高い文が出てくると誤訳が出やすい。
 (トレーニング次第で)慣れれば大学生だってこういう操作を頭の中で暗算をやるように処理できるから手間はかからない。スピードが大事だ。最初は紙に書いて確認し、慣れてきたら頭の中だけでやってみたらいい。

(6)  Both of the nurses had been wearing protective gear, which can pose extreme risks of infection if removed improperly. Officials are investigating whether the Spanish nurse may have inadvertently touched her face while taking her suit off.

「マドリッドとダラスの二人とも防護服を着用しており、不適切な脱ぎ方をした場合には防護服は大きな感染リスクを伴う。スペイン人の看護師が防護服を脱いでいるときに不注意で顔に触れたかどうかを保健省*が調査中だ。」
*後の段落でhealth ministryが出てくるので、所管官庁名は厚生省ではなく保健省である。
inadvertently: 不注意に


 ここには重大な問題があるようだ。おいおい出てくるから、具体的な言及のあるところで俎板(まないた)に載せてみたい。

(7)  A team of European Union investigators has found fault in the layout of the Ebola ward, while Ms. Romero’s co-workers have said they were forced to remove their gear in a very small space, with limited room to maneuver, even as temperatures rose quickly inside the suit.

「ヨーロッパ連合の調査チームがエボラ隔離病棟のレイアウト上の誤謬に気がついた。防護服を脱ぐ演習用の部屋、つまり非常に狭い部屋で部屋で、防護服を脱がなくてはならなかったとロマノと一緒に作業していた人が証言している。部屋が狭い上に防護服の内側は急速に温度が上がっていた。」

 防護服内部の温度が上昇してきて、防護服を脱ぐ練習用の狭い部屋であせって脱いだようだ。そういう条件下で冷静にどこにも触れずに脱ぐのは至難の業だ。現場はかなり過酷な作業を強いられているようだ。コストを気にしていたら、隔離病棟で防護服を着て作業する看護師や看護助手が危険にさらされる。
 つまり、訓練用に設置された狭い部屋で防護服を脱いではならぬということ。頭と身体をつなぐところに張った首の周りのテープを外し、防護服脱ぐ、それから顔を覆っているフルフェイスタイプのものをとる。その間は身体は防護服をつけていないから、汚染されたグローブがどこかに触れたら感染リスクが生じてしまう。だから広い部屋で落ち着いて脱がなければならない。
 防護服は密閉状態だから、発散する体温が防護服の外側に逃げずらい。防護服内の温度が上昇してくれば気を失いかねない。そうなったら服を脱ぐのは自分ではできない、それでなくても現場は看護の手が足りないから、気持ちが焦る。慌てて脱いでグローブが身体のどこかに接触してしまう。一番危ないのが防護服を脱いだときに露出している顔と首だ。

maneuver:演習する

(8)  “You are sweating more, and you are anxious to get it off,” said Manuel Torres, a nurse who joined Ms. Romero in treating the first priest and is now a member of the team treating her.

「汗がたくさん出てきたら、汗を拭くのが気がかりになる」とマヌエル・トレスが述べた。マヌエルはエボラに感染した最初の聖職者を看護するためにロメロと一緒に働いていた看護師である。いまは、ロメロを治療するチームのメンバーである。」

'get it off' のitは汗だろう。「汗を取り除く」ではおかしいから「汗を拭く」と訳しておいたのだが、実際には防護服を脱いだ後、汗でびっしょり濡れてしまった下着を取り替えるしかない。そうした具体的なことを考えると、マヌエル・トレスは「汗が大量に出ていたら、びっしょり濡れてしまったTシャッツや下着が気になり替えたくなる」というような意味合いで言ったのだろう。和訳はそれをどういう日本語の文章で伝えるかという表現問題あるいは作文にかかわる問題だから、人によって訳が千差万別であるのは当然のこと。

(9)  Recriminations in Spain, like those in the United States, have been loud and swift, with blame aimed variously at cost cuts, inadequate training and safety protocols, government officials, and the nurse herself.

recrimination: [英]逆襲、非難し返すこと [G]非難、けんか
swift: adj 敏速な、即座の、すぐに過ぎ去る

「米国内で起きた非難と同様にスペインでも起きた非難の嵐は即座に生じた。さまざまなコストカットや不適切なトレーニング、そして不適切だった安全作業手順を的に政府や罹患した看護師自身へ非難が殺到したのである。」

(10)  Protesters stood outside the Health Ministry on Monday chanting for the resignation of Ana Mato, the national health minister. Facing complaints that the national government had acted too slowly, Prime Minister Mariano Rajoy created a special commission on Friday to oversee readiness and investigate how Ms. Romero became infected.

chant:スローガンを唱える
resignation:辞職

「月曜日(13日)に抗議する者たちが保健省の回りに集まり、保健大臣のアナ・マト辞職要求が繰り返し声高に叫ばれた。政府の対応が遅いという苛立ちに直面して、マリアノ・ラジョイ首相は金曜日に特別委員会を設置し、看護師のロマノがどのような経緯で感染したのか調査を命じている。」

 同一主語は省略され、動詞は現在分詞に変えられるというのは修辞上の問題である。文頭がそうなっているものを高校英語参考書は分詞構文と説明しているが、文頭ではなく2番目の節に使われるのが普通の書き方である。最初の節(あるいは文)で主語を書いたから、二番目の方は省略が働き、動詞が分詞化するだけのこと。andでつながれた文(重文)でandの後の主語が省略されて動詞が分詞化している例を少し前でみた。気がついただろうか?

 読むときは主語を補って読めばいい。chantingとfacingとchanting以下の文を主語を補って書き換えると、次のようになる。

[Protesters] chanted for the resignation of Ana Mato.

[Prime Minister] faced complaints that the national government had acted too slowly.

 慣れてくると無意識に補いながら読むようになる。

 

*#2842 エボラ出血熱1-1: 'The worsening ebola crisis' Oct. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17-1

 #2843 エボラ出血熱1-2 :'The worsening ebola crisis' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-18

 #2844 エボラ出血熱2-1 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19

 #2846 エボラ出血熱2-2 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19-2

 #2847 エボラ出血熱2-3 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.21, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-20

 #2848 エボラ出血熱2-4 :国内の体制はどうなっている? Oct.22, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-22-1

 #2852 エボラ出血熱3-1 ' Cuba's impressive role on Ebola '   Oct. 27, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-26



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#2844 エボラ出血熱2-1 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014  [時事英語公開講座]

  致死率70%のエボラ出血熱に関するニューヨークタイムズ紙記事の二つ目である。前回は米国の事情を中心にした記事だったが、今回はスペインの国内事情をとりあげている。
 エボラの蔓延している西アフリカ諸国に先進国が協力して援助の手を差し伸べないと、エボラ・ウィルスはまもなく全世界に広がる。ところが前回の記事で見たように先進国は国内対応も怪しい。

 スペインは先進国には入らないが、経済規模は1.3兆ドル(で韓国程度)、人口4651万人、50.6万平方キロの国土を擁し日本の1.3倍ほどもある。南米には旧植民地をもっていたが、エボラが蔓延してしまった北西アフリカに植民地はない。しかし、教会は進出しているようだ。
 マドリッドは人口327万人、バルセロナが160万人で札幌市(190万人)よりも少し小さい。国家元首はフェリペ6世、立憲君主国である。1588年に130隻のスペイン艦隊がイングランド艦隊に敗れてから、凋落したままである。途中にフランコ将軍による独裁政治もあった。スペイン内戦後1936年にフランコは反乱軍の総司令官に任命され独裁政治をおこなった。ヒットラーとの親交が強かったフランコは真珠湾攻撃を聞くと日本へ祝電を打っている。独裁政治は経済発展のブレーキとなるようだ。

 さて、そういうスペインのイメージを頭において、先進国以外の国内医療状況を英文で読み取ってもらいたい。ヨーロッパ諸国にとって西アフリカに蔓延し始めたエボラ・ウィルスはすでに対岸の火ではない。ところがどの国も準備はできていない。飛沫感染するエボラ・ウィルスに先進国や発展途上国はどうのような準備を進めるのだろう?手遅れになれば致死率70%、強い感染力を有するエボラ・ウィルスが世界中に蔓延する。それぞれの国へ飛んだウィルスがその地で二次感染者を増やし爆発感染しないことを祈る。そのときのために日本国民一人一人がエボラに関する正確な知識をあらかじめもっておくことが大事だろう。
 エボラとの戦いの武器は、次の三つだ。
 
 ■エボラに関する正確な知識
 ■医療従事者のトレーニング
 ■資金

 世界中で短期間でこれら三つを揃えれれるはドイツと日本だけかもしれぬ。

 新聞には載っていない段落が10個ほどweb版に追加されている。編集過程でカットされたものだろう。

 高校生のために訳はあとで暇を見つけていくつかに分けて稿を改めてアップするつもりだ、半分くらいやれば充分だろう、残りは自分でトライしてもらいたい。

(高校生や大学生ばかりでなく、経済的な事情などで大学へ進学できなかった人たちも、カテゴリー「時事英語公開講座」で英文を読んで楽しんでもらいたい。)


 読者の利用の便のために段落番号を付した。
*http://www.nytimes.com/2014/10/15/world/europe/spanish-nurse-ebola-health-budget-cuts.html?_r=0#
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   Spain case shows holes in plans to treat Ebola

(1)  MADRID — The scene conveyed a First World precision: A 75-year-old Spanish priest, stricken with Ebola in Liberia, arrived in Madrid on a special military jet. A helicopter buzzed overhead as ambulances transported him for treatment. Expressing confidence in the preparations, a Spanish health official said the risk of the virus’s spreading was “virus’s spreading was “virus's spreading was "virtually nil." 


(2)  There was just one problem: The city’s infectious disease center had been mostly dismantled as part of a government cost-cutting plan, and a temporary Ebola ward would have to be hurriedly constructed.

(3)  After the priest died on Aug. 12, the unit was closed again, and the same exercise repeated when a second Ebola-infected priest was airlifted from West Africa in September. He died two days later, and last week an auxiliary nurse who changed his diaper and helped clean his bed was found to have the disease.

(4)  That ad hoc, improvisational response to a deadly virus that has already killed more than 4,000 people in West Africa has underscored holes in the West’s readiness to confront a wider outbreak. The infection of the Spanish nurse, Teresa Romero Ramos, was the first case of the disease’s being transmitted outside Africa — arising even before a nurse in Dallas was given an Ebola diagnosis after caring for a patient there. 

How Many Ebola Patients Are Outside of West Africa?

  At least 17 cases have been treated outside of West Africa. Full Q. and A. »

(5)  Together, the cases have raised urgent questions about the risks of the disease’s spreading even in developed countries, particularly among health care workers, and the role that the smallest of human errors may play in subverting elaborate safety measures.

(6)  Both of the nurses had been wearing protective gear, which can pose extreme risks of infection if removed improperly. Officials are investigating whether the Spanish nurse may have inadvertently touched her face while taking her suit off.

(7)  A team of European Union investigators has found fault in the layout of the Ebola ward, while Ms. Romero’s co-workers have said they were forced to remove their gear in a very small space, with limited room to maneuver, even as temperatures rose quickly inside the suit.

(8)  “You are sweating more, and you are anxious to get it off,” said Manuel Torres, a nurse who joined Ms. Romero in treating the first priest and is now a member of the team treating her.

(9)  Recriminations in Spain, like those in the United States, have been loud and swift, with blame aimed variously at cost cuts, inadequate training and safety protocols, government officials, and the nurse herself.

(10)  Protesters stood outside the Health Ministry on Monday chanting for the resignation of Ana Mato, the national health minister. Facing complaints that the national government had acted too slowly, Prime Minister Mariano Rajoy created a special commission on Friday to oversee readiness and investigate how Ms. Romero became infected.

(11)  “This is an incredibly important moment, not just for Spain but for Europe and the United States,” said Dr. Julián Ezquerra, general secretary of Amyts, a large union of physicians in Madrid. “This is the first case of Ebola that has been generated outside Africa. We need to know what went wrong.”

(12)  For now, Ms. Romero, 44, remains in critical condition, if showing tentative signs of improvement, housed on the sixth floor of the same hospital, Carlos III, where the two priests were cared for.

(13)  Her husband and 14 others are quarantined on a floor below, with none yet showing any symptoms of Ebola. In all, 83 people who came into contact with Ms. Romero are being monitored.

(14)  Beyond the uncertainty over how the infection occurred, much of the public confusion, and anger, is focused on the seemingly loose monitoring of Ms. Romero for more than a week after the death of the second priest. Even as she called in complaining of a low-grade fever and of feeling queasy, she was never told to return to Carlos III.

(15)  “She was considered a low-risk contact,” Dr. Fernando Simón, the Health Ministry official now leading the government investigation, said in an interview.

(16)  Ms. Romero’s own actions are being closely examined, too, to determine whether she put people at risk as her symptoms began to emerge.

(17)  Javier Rodríguez, Madrid’s regional health minister, initially blamed Ms. Romero for her infection, saying she also may have lied to doctors, remarks that drew angry criticism. He also later seemed to mock the importance of training workers to remove their protective suits.

(18)  “You don’t need a master’s degree to explain to someone how you should put on or take off” a protective suit, he said on a Madrid television program.

(19)  On Monday, Ms. Romero’s husband, Javier Limón, had a friend read a statement outside Carlos III in which he demanded Mr. Rodríguez’s resignation and defended his wife, saying she had acted precisely as she had been told to. On Tuesday, Mr. Rodríguez apologized.

(20)  In Madrid, unions representing health workers have complained that too little training was provided on how to properly remove the suits, with some people being shown a 20-minute video and others saying they got no instruction.

(21)  Without admitting any fault, health officials have sent work crews into Carlos III in recent days to expand the size of the changing areas used by health workers. On Tuesday they also announced that all health care workers would receive training courses from the military and Doctors Without Borders, the international aid group.

(22)  Unquestionably, the Ebola crisis has exposed the deep divide between health workers and Madrid’s government. In December 2012, Madrid officials announced a broad plan to cut costs by restructuring the public health system, privatizing some hospitals and closing two others, including Carlos III.

(23)  Unions vehemently protested the plan. Ultimately, Madrid officials canceled most of the program but still closed the infectious disease center at Carlos III so that the hospital could be converted for geriatric care.

(24)  By late last year, many doctors and nurses were reassigned to the adjacent La Paz Hospital, while the intensive care unit and other departments were dismantled at Carlos III.

(25)  “The building was basically empty,” said Elena Morán, an official with one of the major unions representing health workers. “The people were working in La Paz.” 

(26)  By May, the spread of Ebola in West Africa was raising fears that the virus could reach Europe. Health officials in Madrid designated La Paz as the responsible hospital for any future cases, and staff members and hospital management soon revolted.

(27)  It is unclear when, precisely, Madrid officials backed away from that decision. Dr. Simón, the Health Ministry official, said the decision to take the infected priest, the Rev. Miguel Pajares, to Carlos III had been made in the final days before he arrived in early August. The sixth floor still had quarantine rooms but was otherwise empty, so equipment and furniture were quickly brought in.

(28) That decision alarmed leaders of Amyts, the physicians’ union. Representatives from some other unions say the change was made at the very last moment.

(29) “It was the speed, and how quickly it was being done, the improvisation,” said Dr. Ezquerra, the general secretary. “Carlos III was being dismantled.”

(30) Ms. Romero volunteered for the teams that treated both priests. As an auxiliary nurse, she assisted the nurses and handled some cleaning tasks.

(31) When the Ebola staff disbanded, she left for time off. As a “low-risk” contact, she monitored herself, and was supposed to call in only if her temperature exceeded 38.6 degrees Celsius (101.5 degrees Fahrenheit). She did not initially demonstrate any symptoms and took a civil service exam on Sept. 27.

(32) Three days later, though, she began to feel vaguely ill. According to Dr. Simón, she went to see a local physician on Oct. 2, though she did not mention that she had worked in the Ebola unit. The doctor gave her paracetamol for her low-grade fever.

(33) That same day, Ms. Romero made her first call to the monitoring unit at La Paz, which was tracking the Ebola team. Her temperature remained below the 38.6 threshold, and she was advised to continue self-monitoring.

(34) In the next few days, she called a second time, according to Dr. Simón, but, again, her temperature had not topped the Ebola threshold. Again, no one advised her to report to Carlos III. (Now, Spanish officials have changed the protocol so that lower temperatures will trigger concern.)

(35) Finally, on Oct. 6, Ms. Romero called an ambulance service for the closest hospital, Alcorcón, warning that she had worked on the Ebola team and might be showing symptoms. At Alcorcón, she was quickly quarantined.

(36) After seeing Ebola symptoms, the attending physician, Dr. Juan Manuel Parra, himself now under quarantine, made several requests that she be transferred to Carlos III.

(37) Her transfer was delayed while health officials tried to find one of the special plastic capsules needed to move an Ebola patient, and while a medical team was scrambled to again prepare the once-empty sixth floor of Carlos III.

(38) “You never think it is going to be Ebola,” Ms. Romero said in one of her interviews with the news media at the beginning of her quarantine. “You never think that.”

==========================

 段落番号(7)~(10)、そして(16)~(21)の10段落は新聞記事中にはない、web版に追加されている情報である。web版が元の記事で紙面の都合上編集してカットしたのかもしれない。web版には字数制限がないところが窮屈でなくていい。

*#2842 エボラ出血熱1-1: 'The worsening ebola crisis' Oct. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17-1

 #2843 エボラ出血熱1-2 :'The worsening ebola crisis' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-18

 #2844 エボラ出血熱2-1 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19

 #2846 エボラ出血熱2-2 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19-2

 #2847 エボラ出血熱2-3 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.21, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-20

 #2848 エボラ出血熱2-4 :国内の体制はどうなっている? Oct.22, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-22-1

 #2852 エボラ出血熱3-1 ' Cuba's impressive role on Ebola '   Oct. 27, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-26



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