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#2287 「いまいる常勤医を大切にせよ」:市立根室病院の経営改善 May. 7, 2013 [医者と患者のコミュニケーション]

 この数年間の市立根室病院の赤字急拡大、なにがどうなっているのか、具体的な解説をいただいたので、弊ブログコメント欄から本欄へ転載して紹介する。
  常勤医を大切にすれば、採算はかなり改善できる。丹波柏原病院小児科を守る会のような心がつながる支援組織も必要だ。
 市側は日曜日に市民説明会を開いて病院の経営の現状について正直に具体的な説明をすればいい。地域医療維持にどれくらいのお金がかかるのか、どこをどれくらい節約できる余地があるのか、公に議論すればいい。理解と納得に基く市政が必要である。

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うーん、医師数が増えている? そう見えますか・・・。実際には上げ底だと思います。
通常順調な病院では医療収益は医師一人に付き1億円を目標にする処が多いですね。ですがこの数字、実際にはかなり医師にとってはキツい数字です。勿論診療科やそこの医師のcapacityによりこの数字は変わります。勿論ここで言う医師とは常にその地域に住んでいる”常勤医”が前提です。

病院側は医師数=常勤医+常勤医換算の出張医で表しますが、問題は出張医に掛かる経費です。根室の場合、出張医は大体札幌、旭川からやって来ます。先ずその旅費が馬鹿に成りません。往復の航空運賃が4万、中標津空港から根室までのtaxi代が市内3社の持ち回り契約で、片道2万台、往復約5万。何だかんだで一人の医師が根室にやって来るには交通費だけで往復10万ほど経費が飛びます。更にこの世界の慣例上、実際に仕事をしていない移動に掛かる時間も”拘束料”として報酬の対象に成ります。今大体大学からの出張は1日10万は下らないでしょうから、移動日にも同じ金額が加算されます。不味い事に根室の場合は中標津空港から1時間半は掛かりますので、千歳で始発に乗っても病院に着くのは11時と言う中途半端な時間に成ってしまいます。同様に復路は中標津の18時の採集に乗るためには4時には診療を切り上げなければ成りません。つまり札幌や旭川からの出張医は、日帰りの場合実働4時間(昼休みを1時間取ると)で1日分の10万以上の報酬を得る事に成ります。時給換算では2万以上の高収入です。大体常勤医の年収を実働時間で割ると現在は時給1万程度ですから、出張医には交通費を含め如何に経費が穴の開いたざる状態かお分かりになると思います。因みにかって産婦人科が釧路赤十字に集約され根室から常勤医が消えた際に北大産婦人科から間を置かないように出張医が来ていたことが有ります。その時は彼らに年間8000万の経費が掛かっていました。一つの科に医師が一人居る状態を保つのに年間8000万です。これが常勤医であれば精々2500万程度で済みます。ここでお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、出張医に関しては1度の出張が長い期間程無駄な経費の節約に成ります。その分のホテル代などたかが知れています。反対に小刻みに次から次へと出張医が変わるだけ経費は嵩みます。

市立根室はかってもっと医師が多かった時代には、毎日の当直には順番で常勤医が担当していました。しかし根室の場合も当直医は本来の”寝当直”ではなく夜間救急(時に夜間診療に化す)当番ですので、医師にとって非常な負担でした。旭川医大が引き揚げる頃には、外科の女医など月に5~6日も当直を担っていました。その様な事が大学にも知れ渡り医師引き揚げを加速した事は否めません。

旭川医大が引き揚げた後、病院側の反省として同じ過ちを繰り返さないために常勤医の当直は精々月に2回に抑えそれ以外は当直医を雇うことに成りました。それで日替わりで札医大から当直医が根室に来るように成りました。また病院としての医師数が不足していたために内科などは毎日のように札幌から出張医がやって来ます。

現在常勤医以外に手伝いの出張医がやって来る科は、内科、小児科、眼科、産婦人科で、出張医のみで繋いでいる科が耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、脳外科、麻酔科です。出張医が来ない科は外科、整形外科、透析室くらいで、どれだけ根室は非常勤医に莫大な経費を注いでいるかが伺われます

公立病院には収支を度外視した地域の中央病院としての責務があります。それ故収取(収支?)が(ネットで)赤字の科だからと言って辞める訳には行きません。そこに根本の問題が有りますが、取り敢えず文句を並べても始まりません。

病院の収益を引き上げる診療内容は、内科での経皮的手技やや内視鏡手技、循環器の心カテ、整形外科や眼科の手術件数、それに安定した血液透析、お産の取り扱い数などですが、現在の根室はその中の幾つがクリア出来ているでしょうか。心カテが出来る医者が二人とも居なくなり、眼科は手術によっては大学から上級の医師が応援、お産は再開の目途が全く立たず、日常の外来診療でさえ手伝いを頼んでいる有様。これでは医師一人当たり1億円の売り上げなど夢のまた夢でしょう。

書類上で表される医師の数は売り上げに関しては斯様に現実の意味を持ちません。要はその医師が根室に住んでいる常勤医か否かに掛かっています。この意味は、例え常勤医でも単身赴任などで週末に札幌や旭川などに帰省するとなれば、医師一人の科では入院患者が居れば常勤医不在の間の出来事に対応する出張医を呼ばなくてはなりません。

賢い皆さんはもうお気付きの事と思います。以上を考えた時にもっとも賢いのは、現在働いている常勤医を大切にして手放さない事に尽きます。医師が変わらないと言う事だけでも患者さんは安心出来ます。少なくとも自分の健康状態を分かっていてくれるからです

しかし、根室はどうでしょうか。先ず医師が居付きません。その理由に経済的な側面は無いと思います。根室は北海道の公立病院の中では最も恵まれた給料の筈です。ですから金銭的な事以外に医師の熱意を奪い去る”何か”が有る事になります。それが地域住民の病院に対する態度なのか、はたまた病院内に問題が有るのか(医局内の問題か)。そこの所を押さえないで幾ら数字をいじくっても、所詮は”絵に描いた餅”に過ぎないでしょう


by 事情通 (2013-05-07 11:49) 

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 あらてめてコメントを読み、一つ疑問がわいた。根室市政は常勤医を大切にしてきたか、神経を逆なでするようなことを繰り返してこなかったかという疑問である。

 こういう具体的な説明は本来は病院長が日曜日に市民説明会を開いてしてくれるとありがたい。市民の大半は耳を傾け、市立根室病院へ信頼が増すだろう。
 投稿に感謝。

*#2297 地域医療対話(5): 旧弊の再生産とは?
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14

 #2296 地域医療対話(4): 経営の問題点がよくわかる一覧表
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-12-3

 #2295 地域医療対話(3):非常勤医が増える仕組み
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-12-2

  #2291 地域医療対話(2) 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-10-1

  #2290 地域医療対話(1)
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-10

  #2287 「いまいる常勤医を大切にせよ」:市立根室病院の経営改善
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-07-2

  #2286 市立根室病院『改革プラン(改訂版)』と実績対比
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-07-1

  #2285 市立根室病院『改革プラン(当初計画)』と実績対比
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-06

 #2283 市立根室病院損益推計:7年後は年額22億円に赤字拡大か?
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-05-04

 #2269 衝撃!根室市の人口推計値 :とまらぬ人口減少
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-21

 #2272 根室 「57年間の人口推移+27年間の推計一覧表」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-23-1

  #2247 根室市予算案をチェックする(6): 補助9億円「高すぎる」
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-19

 #043初夢でみた医師不足解消
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-01-08

 #37市立病院はほんとうに黒字か?…(2)
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2007-12-29

 #33わが町の医療の現状と展望(1)
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2007-12-27

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#2259 専門医と技術認定医の違い Apr. 9, 2013 [医者と患者のコミュニケーション]

 専門医と技術認定医はどこがどう違うのか、患者の側からみるとさっぱりわからないが、#2257のコメント欄で学会ごとに整理・解説していただいたので、本欄へアップします。
  俎上にあげられたのは4学会のみですが、それだけでも学会ごとにばらばらなのがよくわかります。医学会の数がいくつあるのか存じませんが、技術認定医や専門医に共通のガイドラインをつくって整理するのは難事業なのでしょうね。共通の土俵がない。

 最後から二つ目のコメントでプレミアムモルツさんが触れていますが、日本の「専門医制度」は歴史的経緯もあっていろいろ問題が多いようです。あいまいなところが多いのが欠点でもあり、見ようによっては利点でもある。皆さんはどのように考えますか?

 どのような診療科と専門医が必要なのかというもともとの問題意識にもどって、具体的な論点を二つ提示したいと思います。

 人口2.5万人の町で、135ベッドの病院だと、どのような診療科を揃え、常勤医指数は何人が必要なのかということ。
 収入を20~24億円とすると現実的にどのような「総合病院」が可能なのでしょう?

 大病院が120km離れているところに位置している人口2.5万人の町ではどのような診療科、病棟をそろえるべきなのか。その場合に売上の規模と経費はどれくらいになるのでしょう。

 これらの問は地域医療ビジョンにかかわる問題であると同時に、市財政の問題でもあります。


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認定専門医制度が日本にもあるのですね。

社団法人 日本専門医制評価・認定機構
http://www.japan-senmon-i.jp/


by ebisu (2013-04-08 23:45) 
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【専門医と技術認定医のちがい】

日本循環器学会 http://www.j-circ.or.jp/index.htm
循環器専門医は、心臓・血管系に関する豊富な知識と技能を有し、心筋梗塞、狭心症、高血圧、動脈硬化、弁膜症、心不全、不整脈、などの循環器疾患の適切な診断・治療及び予防ができる能力を有する。

日本心血管インターベンション学会 http://www.cvit.jp
日本心血管インターベンション治療学会では、日本心血管インターベンション学会及び日本心血管カテーテル治療学会が統合したことを機に、医療知識、医療技術の水準を高めそれを社会に還元していくために、専門医認定医制度を導入しました。

今後の専門医方針

現在、学会活動の柱である専門医制度の試験、特に実技評価のあり方について検討をしています。先日開催された学会内の倫理委員会において、専門医実技評価施行の倫理性について議論されました。結論は以下の通りです。
1. 専門医試験において実技評価は必須である。
2. 実技評価の方法として、実際の患者さんの治療を試験の場とすることは、以下の条件を担保することを前提に許容される。
Ⅰ. 患者さんの治療が実技評価として行われることにより不利益が生じる可能性があることも含めたインフォームドコンセントの取得
Ⅱ. 施設の倫理委員会の承認
Ⅲ. より安全な実技評価試験の模索
Ⅳ. 学会として実技評価を行うことの正当性の社会への告知
以上の倫理委員会答申を受け、今後の専門医実技評価をどのような形で行うかについては、引き続き専門医認定医制度審議会での議論を継続していきます。


日本消化器内視鏡学会 http://www.jges.net/index.php/
消化器内視鏡認定医

指導施設での研修(5年以上)について;
卒業年(医師免許取得年)が2007年以前の方で、2013年2月末日をもって5年以上指導施設で研修している必要があります。
消化器内視鏡実績表(診療実績基準:専門医制度規則 別表1)について;
指導施設での研修期間中の検査施行数を報告して頂きます。指導施設認定期間外に施行したものについては診療実績として認められません。



日本内視鏡外科学会 http://www.jses.or.jp/index.html
日本内視鏡外科学会技術認定取得者
以下に掲載するリストは、本学会会員で、その自由意志により、本制度規則の要件を満たし、認定申請を行い、審査手続きを経て認定された医師の一覧です。 内視鏡下手術を安全かつ適切に施行する技術を有し、かつ指導するに足る技量を有していることを認定しております。

ただし、手術をして良い、あるいはしてはならない等の規制をするものではありません。また、非会員や認定申請をされていない医師にも同等の技術を持った方がいることをご承知下さい。なお、本学会事務局では、個別の医師に対する連絡の斡旋や、連絡先の照会などは個人情報保護法に基づき一切行っておりませんのでご了承下さい。

学会専門医は技術認定をおこなっているわけではないのですが、腹腔鏡手術に関しては以前の事故で技術認定医を認定しています。

専門医と技術認定医のちがいがあります。

ほとんどの学会専門医は技術認定は行っていません。
日本心血管インターベンション学会は今後技術試験も入れると明記していますが、はたして今までのようにならなければいいのですが。

ちなみに麻酔科認定医は技術試験は昔から行っています。
by NO NAME (2013-04-09 07:22)
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上記コメント名前未記入でした。

日本の医療の問題でもありますが、なれ合いで専門医を取得、いやあげあっていた時代の遺物です。

by Premium malts (2013-04-09 07:31) 
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最後に一言

研修医のとき教わった言葉です。

専門医とは
疾患の診断、検査、患者教育、治療を全てできること
です

by Premium malts (2013-04-09 07:42)
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#2258 地域医療をめぐって: お二人の方からのコメント Apr. 9, 2013 [医者と患者のコミュニケーション]

#2257「頓珍漢な移住促進事業」へコメントをいただいた。
 
地域医療、臨床研修医制度、認定専門医制度など、地域医療のビジョンについて市民が議論するうえで、有益な情報がたくさん含まれています。
 
少し長いですが、地域医療に興味のある方はお読みいただきたい。


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>中には消化器系や内分泌系が主体の内科出身者にもK医師のように独力で心カテを学んだ者も居ます。

内科は大まかに以下の種類があります。
循環器内科 内分泌代謝内科 腎臓内科 呼吸器内科 消化器内科 神経内科 腫瘍内科 血液内科 自己免疫疾患内科 感染症内科等です。

大学では内科講座で振り分けています。

札幌医科大学では4講座
第1内科 消化器内科 血液内科 自己免疫疾患内科
第2内科 循環器内科 内分泌代謝内科 腎臓内科
第3内科 呼吸器内科
第4内科 腫瘍内科 血液内科 消化器内科

旭川医科大学では3講座
第一内科 循環器内科 腎臓内科 呼吸器内科 神経内科
第二内科 糖尿病 膠原病内科 内分泌内科 消化器内科
第三内科 消化器内科 血液内科 腫瘍内科

北海道大学では6講座
内科I 呼吸器、循環器(とくに肺循環)、代謝
内科II リウマチ膠原病、糖尿病内分泌、腎臓
消化器内科 消化器疾患および、血液疾患の診療
腫瘍内科 がんの診断・治療
血液内科 血液内科、造血細胞移植、HIV感染症
神経内科 脳、脊髄、末梢神経、筋肉の病気
循環器内科 循環器疾患の診療


東京大学附属病院では12の診療科があり、講座は11講座あります。
総合内科
循環器内科
呼吸器内科
消化器内科
腎臓・内分泌内科
糖尿病・代謝内科
血液・腫瘍内科
アレルギー・リウマチ内科
感染症内科
神経内科
老年病科
心療内科

民間の亀田総合病院は講座はなく、内科診療科となり15の診療科があります。
総合診療科
神経内科
糖尿病内分泌内科
消化器内科
消化器診断科
呼吸器内科
循環器内科
血液・腫瘍内科
腫瘍内科
腎臓高血圧内科
リウマチ・膠原病・アレルギー内科
心療内科・精神科
東洋医学診療科
家庭医診療科
感染症・予防接種・旅行外来

by Premium malts (2013-04-07 18:39) 

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>中には消化器系や内分泌系が主体の内科出身者にもK医師のように独力で心カテを学んだ者も居ます。

研修医制度とは
病院独自の研修プログラムを用意している病院で2年間の前期研修を行い、その後進む診療科を決めて後期研修を受ける制度です。
この前期研修で全般的な診療ができるようになります。その後後期研修で専門的な診療科または大学講座を選択します。

民間の研修病院では魅力ある研修プログラムを用意して、多くの前期研修医を集めます。
そこで研修を終え、希望の診療科があり、さらに病院に認められると後期研修医という形で病院に残れます。
今までは大学医局に研修医を要請していたのが、自分たちの基準で研修医を集めることができ、さらに優秀な研修医だけを残すことも出来るようになりました。

大学病院で前期研修した人はその大学の医局に入局(後期研修)することを目的としている人がほとんどです。

ここで研修制度について書いたのは前期研修を終えて、後期研修である診療科に入局するとその診療科の仕事をします。
循環器内科に入局する以外心カテは行いません。
それが民間病院であろうと大学病院であろうとです。
大学の後期研修ではその診療科の全ての班を研修するので、以前のように循環器内科で心カテができない医師はいないはずです。ただ得意、不得意があるのも事実です。

心カテが出来る消化器系や内分泌系の医師はいません。

心カテをしている人は循環器内科医師のみです。
やったことがあると出来るは違います。



研修医制度の問題
ここで研修をした医師は最初からその病院で働くことを希望しているのでほとんどの研修医はその病院に残ります。
ただ希望しても残れない研修医、または途中でドロップアウトする研修医もいます。

今では大学医局に所属しているとドロップアウトしてもその後の面倒を見てくれました。
派遣すると問題になるのでなるべく派遣病院には派遣せず、アルバイトをしてもらいながらです。
いずれある程度の年齢になると臨床講座から基礎講座に移る場合と勧告して辞めてもらうこともありました。

民間病院での研修ではこのドロップアウトしたものがどのように生活しているのか今後みなさんにもわかってくると思います。
研修制度を始めて、この脱落者が現在問題になっています。
把握されている研修医はいいのですが、把握されてない研修医もいます。
良心的な民間病院では研修脱落者を預かってくれる医局または関連病院におさまるようにしています。
ただこのような病院ばかりではないのが実情です。


循環器内科雑記
カテーテル班 
いわゆる心筋梗塞の治療班で以前は循環器内科の花形でしたが、現在は循環器内科の中では一番下の扱い。
不整脈班 
心カテを使用する治療を行っているが出来る人が限られており、一番優秀な人のみ所属出来る班。
なにもしない班 
製薬メーカーの多施設共同研究という役割が出来てからは一躍注目が集まる 一番仕事が楽な班。
京都府立大学の論文取り下げ問題が最近では有名


内科は総合内科と名称変更しましたが、国が要望している医師像は専門の無い内科医師ではなく、専門がありさらに幅広く診れる医師です。
最終的に専門の医師が必要となります。
by Premium malts (2013-04-07 18:42) 

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Premium malts
さんへ


大学や病院の診療科の例示と解説ありがとうございます。

大学病院や民間の大病院はそれぞれ歴史や担当する人の関係で、診療科の区分けのしかたが違うのですね。

次の文が引っ掛かっています。
>心カテをしている人は循環器内科医師のみです。
>やったことがあると出来るは違います。
現実問題として何をもって循環器内科医師と判定するかという問題がありそうです。

臨床研修医制度で「おちこぼれ」てしまった医師についても言及がありました。

>民間病院での研修ではこのドロップアウトしたものがどのように生活しているのか今後みなさんにもわかってくると思います。

優秀な臨床研修医は研修病院に残るということですが、ごく一部なのでしょう。

「循環器内科雑記」が面白かった。
昔花形、いまはなぜか落ち目の「カテーテル班」、現在花形の「不整脈班」、そして臨床治験で製薬メーカとの「多施設共同研究班」。
たしかに臨床治験は製薬メーカがお膳立てしてくれるので、「一番仕事が楽」な班でしょうね。

>内科は総合内科と名称変更しましたが、国が要望している医師像は専門の無い内科医師ではなく、専門がありさらに幅広く診れる医師です。
>最終的に専門の医師が必要となります。

医師が百人いたら、そういうレベルの人はどれくらいの割合なのでしょう?

地域医療の現状は、とにかく常勤医の先生がほしい、医師免許をもっていさえすればいいというのが行政側の本音かもしれません。
一方で医師の都会への集中、他方で地方の医師不足がますます深刻化しているのが日本の医療の現状ですね。

医学部の定員を増やすしかないのでしょう。だから、地方の病院の医師不足は当分解消されない。
by ebisu (2013-04-08 00:21) 
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心カテが出来る消化器系や内分泌系の医師はいません。


心カテをしている人は循環器内科医師のみです。
やったことがあると出来るは違います。


件のK医師は循環器系内科教室の出身ではありません。しかし卒業後勤務した某市立病院で心カテを習得しそれ以後は循環器の内科医として活動しています。
その事実を書いたに過ぎません。

ところで、今回の話題と臨床研修医制度とは何の関係も無いと思いますが。(K医師は制度が始まるずっと以前に医師に成っています)

研修医制度の問題
ここで研修をした医師は最初からその病院で働くことを希望しているのでほとんどの研修医はその病院に残ります。
ただ希望しても残れない研修医、または途中でドロップアウトする研修医もいます。

余談ですが、かって北見赤十字が研修医を募集したところ東大や慶応の連中が押し寄せたことで有名です。それで北見側は「日本でもトップクラスの医師が集まった! その中の一人でも北見に残ってくれれば・・・」とぬか喜び。当時皆で「ありゃあ50万の月給に引き寄せらて集まっただけで、別に北見赤十字が良いと言う訳じゃない。研修期間が終わったらさっさと東京に戻るに決まっている。大体東京の連中が北海道なんか、それも地方の病院なんか相手にもしていないよな」と苦笑したものです。
果たして研修終了後彼らは北見に残ったのでしょうか。彼らが北見での就職を希望したとは思えません。まして彼らがドロップアウトしたとも思えません。
それともこの現象は「特異な1例報告」??




by NO NAME (2013-04-08 09:28) 

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最近の制度を前提にした一般論と根室の地域医療の個別具体論を並べて検討することができます。
これも地域医療の現実を知る上で格好の材料となりえます。

地域医療改革は市民が地域医療の現実を知ることから。そのためにコメント欄の貴重なご意見を本欄へまとめてアップしたいと思います。
こんな議論をうかがう機会はメッタにありませんから。

プレミアムモルツさんと(お名前がありませんがたぶん#2255へコメントいただいた)「紋次郎」さん、ありがとうございます。
by ebisu (2013-04-08 11:52)
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回答になっているかわかりませんが。


次の文が引っ掛かっています。
>心カテをしている人は循環器内科医師のみです。
>やったことがあると出来るは違います。

現実問題として何をもって循環器内科医師と判定するかという問題がありそうです。



医師免許を取得すると全て医師です。
循環器内科、呼吸器内科、消化器内科と判断することはできません。

学会に所属して専門医を取得していると専門が循環器、呼吸器、消化器と分かります。
ただ学会専門医も少し問題があるのですが。

学会に所属していないと専門は不明です。

大学や市中病院でその専門に診療科を続けているということがある程度の身分保障になります。
例えば国立循環器病センターでレジデントを5年間していたとか、国立がんセンターの胆膵グループでレジデントを4年間していた等です。
そしてさらにその後も違う病院でも同じ診療科を続けているということです。

どの病院のどの診療科のレジデントになるかが問題です。

後期研修は3年から5年と言われています。
京都大学医学部附属病院の移植外科を選択すると、周囲の医師はこの研修医は移植外科を選択したんだと判断します。
そこでレジデント、医員、医長と3年から5年でうまくいく医師とレジデントですごす医師もいます。

周囲の医師の評価は大学附属病院、市中病院のどの診療科を選択したかでその医師の専門と考えます。

問題はこの医師がその診療科を続けているかということです。

若い時の選択ミスで違う診療科にレジデントで入り、自分に合わないから途中で変更する医師もいます。
ただその後も同じ診療科で仕事をしている場合はその診療科医師としてかまわないと考えます。

しかしその後も診療科を移動している医師も中にはいます。
医師からみても専門の診療科が不明な医師もいます。

研修制度の話をしたのは前期研修は2年間で内科全般、救急等を行い、後期研修になります。
この制度が始まった時には研修医はほぼふざけていましたね。
おそらく研修制度の全体像が指導する側も指導される側も見えてなかったのも否定出来ません。
給料のいい病院や風光明媚な観光地等の病院を前期研修の地と捉えていました。
しかし給料は風光明媚だけだはその後も研修医を集めることは不可能です。
後期研修を同じ病院で行なったかは不明ですが、大体大学病院に戻ってくるか大手民間病院グループに後期研修を求めて戻ってきていました。現在はほとんどの医師は明確な目標を持って前期研修をとらえていると思いますが、中には研修プログラムの一環で1ヶ月地域医療を選択することで給料を求めている研修医もいます。

前期研修で優秀な医師を確保出来ればさらに後期研修で優秀な医師が確保出来ます。
さらにその病院、診療科が有名で研修しやすい環境であれば他の前期研修を修了したレジデントも集まります。
医師の中にも勘違いしている人もまだいますが、大学が研修医を派遣するのではなく病院とその診療科が魅力が無いと研修医は集まりません。このシステムも問題があると思いますが。

大学でレジデントを指導してきて初めの頃に比べると大分研修医の目標が明確になっていることがわかります

消化器内科のレジデントを途中で変更して循環器内科のレジデントになったという表現なら分かりますが、
消化器内科で心カテをするということはありません。

医師以外の人からみてその医師の専門を見分けるのは難しいでしょう。
医師から見ても循環器内科と言われても心カテ専門なのか、不整脈専門なのか、ただの高血圧だけなのかわかりません。
消化器内科と言われても消化管専門で上部なのか大腸なのか、胆膵専門なのか、肝臓専門なのかわかりません。
呼吸器内科も結核専門なのか、肺がん専門なのか、慢性閉塞性肺疾患専門なのかわかりません。

医師以外で医師の専門を見分ける方法は皆無でしょう。ただ診断をして、検査をして、治療にいく過程で全てその医師が行っている場合はその医師はその道の専門だと考えていいのかなと思います。

生活習慣病の高血圧、脂質異常症はどの医師でもみれますので。
糖尿病だけが少し専門領域になってきますが。

上記で大学の診療科を書きましたが、あれだけある診療科全てみれる医師は存在しません。
さらに循環器内科と言われても心カテ、不整脈両方出来る医師はそんなにいません。
消化器内科でも大腸専門で胆膵の治療が出来る医師はほとんど皆無です。さらに肝臓もできるとなると。
呼吸器内科でも結核は施設が限られてくるので結核病棟のある病院で研修していないとみれないことが多かったです。
血液内科は年齢により疾患が異なりますが急性白血病等の急性期または慢性期血液疾患の急性増悪は本当に大変です。
内分泌代謝内科は東大のように独立した講座であると甲状腺専門、副腎専門、下垂体専門等分かれていますが、講座で循環器、内分泌が重なっているところは何が専門かわかりません。

このように専門が細分化されている状況で自分の専門領域だけしかみないという風潮が出て来たから、専門以外の疾患も診断ぐらい出来るように研修制度がはじまったと理解しています。診断したらあとは専門の医師に紹介することです。

by Premium malts (2013-04-08 19:52) 
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Premium malts
さんへ

ずいぶん細分化されているのですね。
スキルス胃癌を処置してくれた外科医に食道癌の手術のことで質問をしたことがあるのですが、「専門外だが・・・」と仰っていました。消化器外科だから食道癌の手術もやっているのだと思い込んでいましたが、そうではありませんでした。

同じことは循環器内科でも言えるのですね。
私は日本では専門医がどのように理解されているのか知りたかったのです。

米国のように一定のトレーニングを課した認定医制度があればいいのでしょうが、この辺りが日本はなぜかあいまいです。

先月東京で歯科治療をしてきましたが、その折に耳に挟んだ話しを紹介します。
歯科でも補綴をやる医師と根っこの治療をやる歯科医は米国では別、根っこの治療のほうは認定専門医がやるんだそうです。
歯がダメになった場合は、補綴処置が悪かったのか、根っこの治療に問題があったのかが裁判で問題となるという状況があるようです。

司法試験が簡単になり弁護士の数が年々増えていますが、日本も米国のように医療訴訟が増えていけば、防衛上、将来認定専門医制度を導入せざるを得なくなるのかもしれませんね。

3
月に終結した市立根室病院の医療訴訟裁判は「和解」で市側が9千万円を支払っています。実質的には市側の全面敗訴ということなのでしょう。

人口2.8万人の町にの市立病院が網羅すべき診療科はどこからどこまでなのか、そういう疑問がありましたが、不要な診療科などないのですね。
でも、人口が少ない町では市立病院にすべての診療科と専門医をそろえることはできません。

心筋梗塞や脳出血を起こした場合は観念するしかないのが現実です。専門医のいる釧路の病院へ搬送される途中で手遅れになるのもいたしかたなしです。田舎に住むというのはそういうリスクを受け入れることなのでしょう。

急性期でなければ、根室の病院に専門医がいなければ、一次的な診断をつけてもらい、専門医のいる釧路の病院で精密検査や治療を受けるのがベストなのでしょう。
市立根室病院は足りない機能を補完するためにも釧路の大病院と良好な関係を築く必要があります。そのあたりのマネジメントは主として院長の仕事ですが簡単ではないでしょう。

それにしても、出産とターミナルケアの二つは採算度外視てもふるさとで維持したい機能です。そういう機能を財政的に支えるためには市政の無駄遣いは避けなければならない。
年間28億円の市税収入で20億円の市立病院赤字では市財政がもちません。

市民が理解と納得のできる地域医療ビジョンが必要です。地域医療の現実を知らないと議論もできません。市民が医療のことを知るためにこのブログが役に立つことを祈っています。

コメントありがとうございます、勉強になります。
by ebisu (2013-04-08 23:32)

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#2257 頓珍漢な移住促進事業と根室の地域医療の現状 Apr. 7, 2013 [医者と患者のコミュニケーション]

 移住希望者が気にしているのは、次の2点である。
①地域住民とのコミュニケーション
②病気・医療問題

 #2255でとりあげたら、ドクターから根室の地域医療について具体的な解説コメントをいただいたので、本欄であらためて紹介したい。
 地域医療上の問題は移住希望者に限らない、現在住んでいる市民にとっては現実の問題である。解説で心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や脳出血に地元で対応できない地域医療の現状が浮かび上がる。
 産科病棟が再開できないことや医療療養型病床がゼロであり、老人のターミナルケアでも大きな問題があることは、皆さん承知のことである。生まれるのも死ぬのもふるさとでというのが、お母さん達や老人の切実な願いだ。
 市立根室病院の赤字は昨年度は17億円を超えた。藤原前市長時代の2倍である。いったいどこまで赤字が膨らむのだろう。新病院建物や変えなくてもよいX線CTまで更新したから、償却負担やリース料が重くなり、今年度赤字はさらに膨らみ20億円前後になる。すでに市財政へ影響が出ている。長谷川市長になってから異常に単価の高いハコモノが多い。つい最近市議会でも老健施設への補助金が問題になった。厚生労働省基準の15倍もの補助金支出がなぜなされるのか市側の説明は充分ではない。足りない収入を補うために借金を増やし、その返済で予算規模が増えている。
 藤原前市長時代には概ね140~150億円だったが、今年度の根室市の予算規模は170億円だ。人口は年々減少している。財政規模も小さくして当然だろう。

 地域医療の維持には大きな財政負担がかかっているから、市立根室病院がどのような診療科に重点を置くのか市民の合意形成が必要である。

#2255 根室市の移住促進事業 Apr. 5, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-05
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移住促進はどの年齢層や立場をターゲットにするかによってそれぞれニーズが異なると思います。そろそろ次々に定年を迎えている団塊の世代ならば経済的なバックグラウンドよりセカンドライフをのびのびと過ごせる自然環境と並んで自分たちの健康を守ってくれる医療の存在でしょう。

根室には独特の自然環境があります。また新鮮な海産物も豊富でその点では移住先候補としてはまずまず合格点でしょう。しかし彼らの健康の番人たる医療環境は・・・残念ながら中途半端なレベルから一歩も進んでいません。それどころか少しずつ後退している感すらあります。

定年退職組の健康問題で喫緊の課題は、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患と、やはり脳梗塞や脳出血などのいわゆる脳卒中と呼ばれる脳疾患でしょう
残念ながら現在釧路以東には脳外科医は居りません。中標津では釧路孝仁会に医師が外来診療のみ、根室は先頃まで釧路からの出張医が外来をしていた根室脳外科が今度市立病院に入って来ました。しかし毎日ではありません。
一方虚血性心疾患に対する対策ですが、噂では今まで(問題があるにしても)心カテを行って来たK医師が辞めるそうですので、これからは心カテと言う緊急治療は根室では出来なくなりそうです。新しい病院の外来表を見ると週に何回か循環器の医師が出張で来るようですが、循環器系の内科の出身だからと言って全員が心カテが出来る訳ではありません。中には消化器系や内分泌系が主体の内科出身者にもK医師のように独力で心カテを学んだ者も居ます。そんな心カテ専門医の中でも以前根室に在籍していたA医師は、本物の心カテ専門医でその技術も優れたものでした。しかし彼は既に根室を去り、今は道南方面の病院で活躍しているそうです。

脳外科の手術が出来ず、心カテも出来ない根室の地域医療。まあその点では隣町の別海、中標津、標津、羅臼、弟子屈、標茶(、浜中、厚岸)といった広大な釧路以東は皆運命共同体でありますが。

では移住組に取って最大の脅威であるそれらの疾患への対策は・・・残念ながら地産地消とは参りません。釧路の病院(市立釧路や釧路孝仁会etc.)に搬送せざるを得ません。これは救急車で2時間弱、ドクターヘリで40分前後と言う試練の距離です。「なあーに、そのためのドクターヘリだろ!」と思われるかも知れませんが、実際にはドクターヘリの運用には様々な制約があります
先ず夕方以降は赤外線装置が無いドクヘリは飛べません。強風や濃霧も駄目。勿論搬送できる患者は1名だけ。
そしてこれは実際にあった話ですが、先日或る病院から釧路へ搬送するためにドクヘリを呼んだのですが、その患者の体重が何と170キロ! 小さなドクヘリは車で言えば軽自動車のような物。乗員は精々患者を含めて4~5人程度です。ですから2~3人分の体重の患者では重量オーバーとなってしまいます。また実際にご覧に成ればお分かりになりますが、患者を収容するベッドはあのトンボの尻尾のような細い胴体部分に有り丁度CTスキャンの中に入る様な感じで、これも極端に太い方は入れません。その170キロの方は、結局救急車で釧路へ。
ちなみに道東のドクターヘリの基地(ヘリポートや格納庫)は釧路孝仁会病院に有ります。そこにパイロットや搭乗ドクターが待機しています。この搭乗ドクターは釧路を含めた道東の各病院の医師たちのグループで構成され輪番制です。仕事の内容柄か麻酔科医や外科医が目立ちます。では彼らはそんな狭いヘリの機内でどの程度の事が出来るのか。皆さんはTVドラマなどで格好良いイケメンの医師が活躍・・・と思っているかも知れませんが、現実はちょっと違います。まあ、地味なオッサン(一応一目でわかる救命士風の制服はきている)がただ患者の枕元に座っているだけです(笑)。では彼らは何のために登場しているのか。その答えはいわゆる”ABC”要員だからです。つまりAirway Breeze Cardiac=救急蘇生ですね。搬送時に必要な気管挿管や静脈路確保などの措置は殆ど機内では行いません。搬送元の病院を出る前に済ませるか、或いは救急車からヘリに患者を移す際にストレッチャー上で行う事が多いですね。ですからヘリのドクターはいわば搬送先に着くまでの”患者の子守”のような立場です。
このドクターヘリや救急車での搬送で意外と皆さんご存知ない事に、ドクターヘリではヘリ基地から医師が乗って来ますので彼らは帰る訳ですから問題ないのですが、救急車で搬送する場合には搬送元から必ず1名の看護師が同乗します。また患者の状態に依っては医師も同乗します問題は患者を搬送先に下した後、彼らの帰途は? 
本来救急車での搬送業務はこちらから向こうまでの片道切符ですので、医師や看護師などの同乗者は勝手に戻ることに成ってしまいます。もっとも、実際には搬送先の病院に患者を下し先方に申し送りを済ませる間くらいの時間であれば帰りの救急車も待っていてくれますのでそれに乗って戻って来れます。ただ救急車は結構乗り心地は悪く、法律的にも(世間的にも)スピード違反は出来ません。(釧路への道路は規格上80キロ制限とのこと)。救急車の乗り込む患者の家族は大体1名でその他の家族はマイカーで釧路に走りますので、大体肝心の患者を乗せた救急車より家族のマイカーの方が早く釧路の病院に着いていたり(笑)。
もし搬送先で手間取ったり臨時手術に立ち会う必要が有ったりすれば、救急車も待っていてはくれません。自己責任で自分の病院に戻る羽目に成ります。搬送が夜間であればJRもバスも有りません。止む無くタクシーを使う事に成ります。まあタクシーならそのままの格好でも問題ないのですが、JRやバスで帰ると成ると(予想される場合は)帰りの服装も持って行かなくてはなりません。まさか白衣のままで公的な交通機関には乗れませんから。

救急搬送手段にはお馴染みのドクヘリや救急車の他に、ドクタージェットと呼ばれる超小型のプライベートジェットが有ります。ドクターヘリは航続時間が短く札幌までは直行出来ません。(帯広を中継すれば可能)。それでドクタージェットの出番と成ります。しかしその場合どこに搬送するかが問題に成ります。もし札幌に運ぶなら、相手先の空港は丘珠空港か千歳空港に限定されます。ドクタージェットに限らずドクヘリなども札幌側の受け入れ窓口は殆ど丘珠空港に成ります。丘珠ならばジェットや道の防災ヘリ、自衛隊のヘリで運んで来た患者を救急車で札医大などに短時間で搬送出来ます。また近距離から飛んで来たドクヘリならば、札医大や手稲渓仁会病院のヘリポートに直接降りる事が可能です。

先日或る産婦人科医が患者を札幌医大まで搬送することになりました。それで連絡したところ丘珠空港での着陸はOK。早速患者と救急車で中標津空港へ。中標津空港では格納庫内に直接乗り付け小型ジェットにそのまま搭乗。あっと言う間に丘珠空港へ。その後救急車で札医大に向かい患者を下し搬送終了。その後件の産婦人科医は私服に着替えて千歳空港に向かい、何とか最終便で中標津空港に戻って来ました。もし帰りの便が無い時間帯なら、札幌のホテルに一泊する羽目になる所でした

多くの一般の方は「医師なんだから患者に付き合うのが当たり前だ!」と考えていると思います。しかし実際にはその一人の患者を運ぶだけでもこれだけの準備と時間と経費が掛かります。特に搬送後のことなど誰も気にすらしてないと思います。因みにドクターヘリの運用は一回に付き200万の経費が掛かるそうです。

このように医師としての責任の範疇で患者を診る(搬送)だけでもクリアしなくてはならない問題が山積みです。それがまして飛行機や列車内でのドクターコールともなると・・・さっと手を挙げない医師を非難する気にはなれません。もし乗客が心肺停止状態ならば、救急車が空港に来るまで心臓マッサージと言う事に成ります。そして患者を救急車に移してそれでお役御免とは限りません。救急救命士はあくまでも間に合わせの役目です。彼らは医師ではありません。もし乗客の同伴者が居て搬送先までの同乗を懇願されたなら、「いや僕の責任はここまでですから」と冷たく言って飛行機に戻れる医師が果たして居るでしょうか。責任感の有る医師が救急車に乗り込んで外を見れば、自分が乗り込んでいた飛行機がさっさと飛びたって行く・・・。もうその日は地元に帰る便は無い。どこかのホテルに泊まらなくてはならない。職場に連絡を入れて明日の始発の予約の心配もしなくては・・・。

全てが上手く行って患者や患者の家族から感謝されても、その医師が儲かる訳ではありません。あくまでもボランティアとしての行為です。乗客の生命を守って貰った航空会社(本来ならば会社に責任がある)から後日ワインの1本でも届けば御の字でしょう。
しかしもし結果が裏目に出てしまった時には・・・場合によっては訴えられて大変な目に遭う可能性があります昔なら「ご迷惑をお掛け致しました。御親切にどうも!」「いや、力不足で至りませんでした・・・」と言う当たり前の風景は、この世知辛い現代では望むべくもありません

「出る杭は打たれる」
「藪蛇」
「過ぎたるは及ばざるが如し」
「知らぬが仏」

「あっしには関わりがございやせん。失礼いたしやす」

唐辛子紋次郎でした。(笑)
by 紋次郎 (2013-04-06 11:58)

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#2244 医者の「愚痴話」(1):<序>  Mar.15, 2013 [医者と患者のコミュニケーション]

 地域医療を守るための活動としてつとに有名なのは丹波柏原病院小児科を守る会の活動である。小児科を守るためにお母さん達が、夜間救急診療を減らす活動をはじめた。もちろん医療のことはわからないことだらけだから、小児科医との対話も活動の中で育まれていった。
 根室にも「医信伝心ネットワーク」という組織が数年前に立ち上がったが、こちらは丹波柏原病院の小児科を守る会とは趣旨が違って、医師と市民有志によるイベントや飲み会などが主体、根室市から飲み会にも使える補助金も出ているが毎年毎年市議会が承認しているのだから、何をかいわんや。
 コミュニケーションにはいろんなチャンネルがあっていい、そういうわけでこのブログもそうしたユニークなチャンネルのひとつである。

 医師の仕事の実際が私たちにはよくわからない。相互理解が必要だとすると、私たち患者側も医師の仕事がどうであるのかを知る努力をすべきで、そういう努力をちょっとだけしてみようと思う根室市民に読んでもらいたい。

 夜間救急診療の実態や問題点を「愚痴話」として投稿いただいたので、まとめて本欄で紹介したい。釧路医師会病院のわたくしの主治医(消化器外科医)も言っていたが、自分の専門外の重篤な救急患者が運ばれて小ないことを祈りつつ宿直勤務をしている。それでも専門外の患者は運ばれてくるから、状態によっては専門医に連絡がつくまでなんらかの応急措置は必要になる。専門外で何もできない場合もあり、時間が経過し状態が悪化するのを見ているしかないケースも・・・。
 あなたが医者になったつもりで、救急当番勤務の夜の仕事を想像してみよう。けっして他人事と考えてはいけない。
 大きな問題は救急医療そのものにある。分野の異なる専門医が数人そろった救急指定病院はほとんどないというのが現状であり、そうした中で医師が救急車で運ばれてくる患者を処置している。
 その一方で医療訴訟は増えている。規制緩和で司法試験の難易度を下げ、以前の3倍の合格者を出すから、資格を取得しても仕事のない弁護士が増えている。弁護士の数に見合った仕事量を確保しようとすれば訴訟が増えるのはあたりまえだ。日本は米国並みの訴訟社会へ移行する過渡期にあるのだろう。私たちはそういう社会をほんとうに望んでいるのだろうか?
 日本の救急医療が揺れている。

「#2241 新出生前診断(北海道新聞):できない言い訳はしない」への投稿から
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-10
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愚痴話 その1。先ずはネタの提供

どこに書くべきなのか迷いましたが、取り敢えず医療関連のスレッドですのでここにしました。

医師法に依れば、医師には「応召義務」が有ります。以下はウイキペディアに書かれているその内容です。

応招義務とは、医師法第19条で「診療に従事する医師は、診察治療の求があった場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と規定する、医師や医療機関に課せられた患者の診療義務のこと。罰則規定はない。

ただし、厚生労働省(当時の厚生省)は以下のように述べている。
1. 医師法第十九条にいう「正当な事由」のある場合とは、医師の不在又は病気等により事実上診療が不可能な場合に限られるのであって、患者の再三の求めにもかかわらず、単に軽度の疲労の程度をもってこれを拒絶することは、第十九条の義務違反を構成する。
2. 医師が第十九条の義務違反を行った場合には罰則の適用はないが、医師法第七条にいう「医師としての品位を損するような行為のあったとき」にあたるから、義務違反を反覆するが如き場合において同条の規定により医師免許の取消又は停止を命ずる場合もありうる[1]。

また、休診日であっても、急患に対する応招義務を解除されるものではない[2]。

休日夜間診療所、休日夜間当番医制などの方法により地域における急患診療が確保され、かつ、地域住民に十分周知徹底されているような休日夜間診療体制が敷かれている場合において、医師が来院した患者に対し休日夜間診療所、休日夜間当番院などで診療を受けるよう指示することは、医師法第十九条第一項の規定に反しないものと解される。ただし、症状が重篤である等直ちに必要な応急の措置を施さねば患者の生命、身体に重大な影響が及ぶおそれがある場合においては、医師は診療に応ずる義務がある[3]。

この「応召義務」と言う問題、実は医師にとっては非常に頭の痛い、言わば孫悟空の頭のタガみたいなものです。翌日に大事な手術や外来業務が控えているのに、「当直」と称して夜通し夜間診療。昨今マスコミを賑わしている「救急搬送での受け入れ不能」問題。「診療費不払い常習者」の問題。「病院内で暴力に及ぶ」クレーマー。病院外(実際には飛行機内や列車内)でのドクターコールetc.これらの多くの問題の根には「応召義務」の考えが横たわっています。

最初にお断りしておきますが、「応召義務」は医師法に書かれてはいますが、現在では罰則が科せられたものではありません。「まあ出来れば従って欲しい」と言う医師としての倫理規定とされています。つまり、「you must」ではなく、「you’d better」と言ったところ。

続きは次回に。

by 月光仮面 (2013-03-12 17:06) 

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愚痴話 その2 ”医師”とは?

皆さんは医師と言う職業についてどんな理解をなさっているでしょうか。よくドラマなんかで”凄腕”の外科医なんかが出先で緊急を要する患者に遭遇。とっさにカバンから手術器具を取り出してメス捌きも鮮やかに・・・まさにblack jackですが、まあ現実にはそんな事は無いと思います。日常手術道具を持ち運ぶ外科医など聞いたことが有りません。また職場から離れている医師は医師ではありません。
これ、何やら禅問答のようですね(笑)。つまり、確かに”医師”と言う生涯身分ではありますが、実際に医師として機能する(働く)には必ずどこかの医療関係施設(或いは役所、保険会社など)に属していなければなりません。名刺に「医師 Ebisu」では意味が無い。「〇〇病院 医師 Ebisu]でなければ成りません。これは分かり易く言うなら、Ebisu医師が旅先で高熱に見舞われ抗生物質が必要だと判断。最寄りの薬局を探し「俺は医師だ。××を出してくれ」と言っても薬局は相手にしません。何故なら認められた医療機関から発行された処方箋が無いからです。ただ”医師”と言うだけでは糸の切れた凧のようなもので、凧は糸で繋がっていなければなりません。確かに”医師”には他者には無い注射や投薬(麻薬も含む)、直接患者に触れる(手術も含む)、X線などの検査を指示する(直接シャッターを切ることも有る)、死亡診断するなどの特権が認められています。しかしそれはあくまでもその医師が認められた組織の一員としての話であって、風来坊の医師はに何も出来ません。(blackjackなどのように闇の世界で生きるなら話は別ですが)。つまり”医師”と言う身分はそれなりの環境を与えられて初めて”お医者さん(このニュアンス、妥当かな)”に成れるわけです。

何故ここまでしつこく”医師”と言う言葉に拘ったのか。勘の鋭い方はもうお気付きかも知れませんね。そうです。医師法の「応召義務」の所には「どんな環境ならば医師は・・・」と言う具体的な記載が無いのです。
「その医師が属する正規の医療機関などで、その医師が勤務する正規の時間に訪れる患者が医師と認識して診療を希望するなら」と言う一番重要な前提がわざと書かれていません。書かない理由はもう皆さんお分かりだと思います。「医師なんだから当たり前だ」? いや、小生はそうは思いません。”医師”が医師として機能する環境を明記することは、基本的に医師不足の我が国が労働基準法すら考慮して貰えない医師たちの”犠牲”の上に辛うじて成り立って事実に根底から問題提起をすることになり、責任官庁である厚労省の無能振りを曝け出すことに成るからです。

続く


by NO NAME (2013-03-13 09:47) 
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愚痴話 その3 ”医師”には自由が無い?

先ずはお詫びです。「愚痴話 その2」のハンドルを書き忘れておりました(汗)。それと付け足し。

通常持ち歩くような医師の公的な身分証明書は有りません。強いて言えば医籍登録の際の「医師免許証」が唯一の証明書でしょう。しかしそこには写真などは載っていません。また最近ではそれぞれの科に専門医制度が普及し「〇〇専門医」「××認定医」などの肩書が急増していますが、これはあくまでその科の学会が独自に決めた制度ですので当然それを明記した国の証明書も有りません。日本では名刺が或る程度信用されている様ですが、あんな物は誰でも作れるので証明書では有りません。勿論所属組織が「〇〇病院の職員である」と言う身分証明書を発行する事は有り得ますが。実際には小生も職場の身分証明書を持ったことは有りません。ここの所を押さえておけば、いわゆるニセ医者に騙されなくて済みます。

さて、医師法の「応召義務」が生じる環境が曖昧であることがお上にとっては全く好都合だと書きました。国の制度の不備を現場の医師個人の責任にすり替える目論みが見え見えです。この曖昧さが漠然とした医師像(有るべきと言う期待)を民衆に植え付け、それを更にマスゴミが一定の方向へと世論操作でバックアップ。そして極めつけは、最近急増中の医療訴訟。アメリカ並みのロースクールで粗製乱造された弁護士どもが食い扶持を漁って病院に刺さり患者を扇動。それを裁判所の判事が判決でお墨付きを与える始末。この日本はつくづく嫌な国に成り果てました。

ではいよいよ「応召義務」への切り込みです。もし「応召義務」が医師の金科玉条ならば、「医師は自分を殺しに来る人間をも助けなければならない」と言う馬鹿げたシチュエーションも有り得ます。実際過去に根室の病院で起きた話だそうですが、病院の医師を自動車事故で殺した人間が自分も怪我を負い根室病院の整形外科に「治してくれ」と転がり込んだそうです。多分その時の整形外科の医師たちは断腸の思いだったでしょう。

これは一見蛇足に見えますが、日本の法制度や医療を理解する一助になると思います。小生は以前札幌の精神科の大病院でアルバイトをしたことが有ります。御存知のように精神科には以前から多くの男性看護師が居ますが、彼らが暴れる患者を制止する際には柔道や空手、或いは剣道などの武道や格闘技の技を使うことは許されていない。例え患者が刃物などを持って向かって来ても、だそうです。理由は至って簡単。法律上過剰防衛に当たるのだとか。蹴りを入れても投げ飛ばしても駄目。箒(ほうき)などで刃物を持っている手を叩いても駄目。ではどうするの? ひたすら患者の体にしがみ付き動きを止める・・・だけなんだそうです。では不幸にも患者の刃物で刺されて命を落としたら・・・「もって瞑すべし」ですね。

「応召義務」は、かって少ない医師が患者を選り好む傾向が有ったのでそれを防ぐために考えられた指針とも聞いています。昔は今ほど問題のある患者は多くは無かったでしょう。ですから善良な患者(弱者)を見捨てる医師(強者)にはお灸を据えますよ・・・と言うお上からの指導だったわけですね。ですから現在のように「弱者でお客様である患者様は偉いんだ」とばかりに病院の業務を停滞させるようなクレーマー患者が居ない”良き時代”の遺物とも言えるのですが・・・とにかく今も厳然としてお上に取って都合の良いには違いありません。

そこで最近の救急患者搬送の各病院の受け入れ困難(小生も一応は医師ですので、”たらい回し”とか”受け入れ拒否”とかの言葉は使いません)の問題です。先日も20以上の施設で30回以上の救急隊の要請を断ったようです。その原因として、「満床だから」「他の患者の手術中で医師の手が足りないから」「専門医が居ないから」etcと報道されています。では受け入れを断った病院は「応召義務」に違反していないのか。
そこで医師側は”正当な理由”と言う水戸黄門の印籠を翳します。上に揚げた三つ程の理由を押し通せば一応は受け入れを何とか躱せます。先ず、実際にはその病院のベッド数を越えて患者を収容するのは無理でしょう。その患者の管理をどこのセクションが担当するのか。病棟が満員なので外来患者として受け入れるのか。満床を承知で無理に入院させるのだから廊下にベッドでも設置するのか。それとも救急患者なのだから優先して入院させるためベッドの確保で状態の良い誰かを無理やり退院させるのか・・・。
二つ目は、これも他の患者の手術を中断して救急患者を優先するわけには行きません。
第三の理由は一見逃げ口上のようにも見えるでしょう。何故ならば「専門分野が違っても医師は皆全科目を学んでいるのだから何でも診れる筈だ!」? しかし現実を見ましょう。貴方が急性腹症で救急搬送された病院で内科医や外科医が出払っていて眼科医だけが手が空いているからと言って、「眼科医も医者だから仕方ない。見て貰う」と成りますか。やはり「それなりの医者を出せ!」と言う事に成るでしょう。実際ににはあまりにも特殊分野である眼科医が救急当番医として駆り出される病院はあまり有りません。あまり救急当番医として役に立たないからです。しかし全く無いわけではありません。実際市立根室病院でも過去に夜間救急で眼科医を当番に出していたと聞いています。それも旭川医大の撤退の煽りで医師数が激減し残留している医師数で救急当番回数を割り出しので、その眼科医も月に3回ほど当たり、ノイローゼ気味(無理も有りません!)で大学の教授(旭川医大の吉田学長)に泣き付いたそうです。その結果本来最低1年は居る筈の眼科医は半年で勤務先が変わったとか。これは実例ですが、内地の病院で喧嘩で頭を殴られた患者が夜間に来院。当番医はたまたま眼科医でしたが大した症状も無いのでそのまま帰宅させたところ、その患者が後で脳出血で倒れ大騒ぎに。その件は当然裁判沙汰に成り、「頭を殴られたのに夜間と言えどもCTも取らなかったのは医師の過失である」との判決。その患者を殴った相手こそ責められるべきなのに、まるで当直の眼科医がその患者を殺したような成り行き。裁判所は「凡そ救急病院の看板を掲げている以上、それなりの環境(設備、専門の医師など)を整えている筈である」と敢えて現実を無視して建前論で判決を出します。そして更に悪い事に、「自動車事故は貴方にも車に乗っている以上多少の責任は有る」と同様、「死亡した患者に関わったのだから、お前にも何らかの責任が有る」と言う態度を採ります。つまり・・・”関わらないのが吉”(木枯らし紋次郎風)な訳ですね。
以上の事柄を考えた時に、救急車で運ばれて受け入れを打診される病院が敢えて断る気持ちが医師としては理解出来ます。勿論患者さん側は釈然としない、納得出来ないでしょうが・・・。
本来救急指定は、それなりの医師を充足させた(日中勤務の医師を使わずに夜間専用に各科の医師を揃えた)病院のみに限るべきですが、残念ながら日本にはそんな病院は有りません。日勤の医師ですら不足しています。しかしどこでも国や地方自治体からの救急医療肩代わり費と「救急病院」の看板だけは欲しがります。(うちは立派な病院なのだ!)。実際根室市の医師会にも自治体からそれなりの援助金が出ています。救急の肩代わりを打診された段階で引き受けてしまう病院側にも問題が有ります。もとも全ての病院が「出来ないものは出来ない」「無い袖は振れぬ」と正直にやった日には日本の医療は土台から崩れます。しかしその不十分な状態を何とかしようとする努力(敢えて救急医療を引き受けるような)や善意の行為が、結果が裏目に出た時にはお上からバケツの水を浴びせられる・・・正に”触らぬ神に祟りなし””出る杭は打たれる”です。

続く

by 月光仮面 (2013-03-13 13:24) 
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愚痴話 その4 ドクターコール

 前回(その3)で医師の自由について言及するつもりが、ついつい脱線してしまいました。今日も先程自分の現場でスタッフと交わした雑談の中で、「〇〇病院の××室は毎日仕事をやっていない。月・水・金だけですね」と言う話が出ました。「火・木・土まで手を広げると、一人しかいないスタッフが週休2日でなくなり病院として問題と成るから」との事でした。斯様に医療現場でも労働基準法には注意を払っています。しかし何故か医師の話と成ると、誰もがその話を持ち出しません。まるで「言っても仕方がない。これが現実なんだから」と避けているようにすら見えます。或いは、「あんなに高い給料を貰っているんだから、毎日9時まで程度の残業や休日出勤は当たり前」だと敵意を持っているのか・・・。考えてみると、40年近くの医師としての生活の中で、小生は病院の外の喫茶店などでコーヒー片手にランチを食べるような当たり前の昼休みを過ごしたことが殆どありません。「入院患者が居るんだから病院内で待機しているのが当たり前だろう」? 「えっ、なら昼休みも拘束されるの?」「そうだ、当たり前だ。だって医者なんだから何時でも患者に対応できる体勢を整えておくのが当然だろうが」「じゃあ酒なんか飲めないな」「ま、そういう事だな」「大好きなニラ餃子も食べられない」「当たり前だ。医療はサービス業だからな」「じゃあ医師には人並みの自由も生活も許されないんだ。労働基準法を無視して働いている上に、憲法で保障されている最低現の生活さえも駄目なんだ」「仕方がないだろう、医師と言う職業を選んだんだから」

斯様に医師には本当の自由が有りません。もっともこれは一般の世間の現場の臨床医に関してですが。同じ医師でも大学の教室の研究者や保険会社の嘱託医にはそのような人権を無視した生活への強要は有りません。勿論臨床医より多少は収入が落ちるかも知れませんが、逆に金銭には代えられない人間らしい生活が得られます。結局この世の中はどちらを選ぶのか・・・「高収入だが非人間的な生活」を選ぶのか。或いは「収入は食って行けるだけでも自由な暮らし」を優先させるか。まあ、どだい経済性と自由度の両者を上手く融合させるのは凡人には難しい技には違いありません。

さてここで例題です。皆さんで答えを考えてください。

そんなヤクザな稼業の医師である貴方が、やっとの思いで貯めた年休を使って旅行に出掛けます。国際線ならば直ぐにビールやシャンパンなどのアルコールサービスが有るでしょう。「うほーっ、シャンパンだ!」。しかしシャンパンですっかり寛いだ貴方の耳に死んでも聞きたくないCAのアナウンスが飛び込んで来ました。
「御搭乗のお客様にお願い致します。ただ今機内で体調の優れぬお客様がいらっしゃいます。何方かお医者様はいらっしゃいませんでしょうか」
おお,何と悪魔の囁き!すっかり旅行モードだった貴方の脳に現実と言う稲妻が煌めきます。
「あれっ、スチュワーデスが医者を探しているぞ。一体どうしたんだ。誰が具合悪いんだ。考えてみれば俺も医者だ。やっぱりここで手を挙げるべきだな。いや、待て。その乗客がどんな具合か分からないぞ。俺も救急のABC(救急蘇生)くらいは出来るが、AED位しか積んでない機内では何も出来ないぞ。ましてここは太平洋の真ん中だ。もしER(緊急治療室)やICU(集中治療室)に収容が必要で最寄りの飛行場に進路を変更するようにでも成れば俺の今回の旅行のスケデュールは滅茶苦茶だ。第一その空港まで俺にずっと心マ(心臓マッサージ)してろってか。冗談じゃない。もし老人が誤嚥して窒息気味ならお前はどうするんだ。気管挿管の道具なんて積んでないぞ。じゃあ気管切開か。あれはさすがにやった事無い。でも注射針でも有れば輪状軟骨部位に刺せば取り敢えず軌道は確保出来るか・・・そう言えばさっき出たランチに小さいフォークが付いてたな。あれで刺してみるのも手か・・・。
でも何だな。迂闊に手を出して悪い結果に終わったら訴えられるかもな。外国ではこんな時の医療行為は{善きサマリア人法}と言って緊急避難的に認められているから良いが、日本の法律では医師の免責は認められていないからな。やはり手は出さない方が良いな。第一医師と患者の間の契約もこの場合には成り立たない。こちらが医師だとは誰も分かっていないし、第一ここは病院では無い。応召義務に言うそれなりの場所(病院など)とそれなりの服装(白衣など)じゃあないし、CAのアナウンスも俺を指名している訳じゃなく乗客全員に言っているんだから、俺が患者の診療を求められているわけでは無いよな。なら俺には申し出には応じない権利が有る」

機内などでのドクターコールに対して法律的な義務(意味)を貴方の心理状態と言う舞台上で展開してみました。大体この中に尽くされていると思います。

因みに医師だけが参加出来る(建前上)専用の掲示板のM3がソネットに有りますが、そこのアンケートにもこの問題が問題提起されています。
「もしあなたがドクターコールに出会ったら、あなたならどうする? 応える(yes)? シカトする(no)?」
医師の回答の多くはやはりnoです。Noと答えた多くの医師の言い分は、「そもそもその他大勢で個人が特定されていない機内のドクターコールには応召義務はない」「もし関わって拙い結果に終わった(死んだ)なら、後日家族から訴えられる可能性が有る。そんな事で一生抱える傷を負いたくない」
「医師に結果で訴追されない免責があるなら考えないでもないが、現状では手を出さない方が賢明だ」etc。傑作なのは家族と一緒の時の医師の反応です。「自分は嫌だったのだが、息子が得意げに”うちのお父さん、お医者さんです!”と手を挙げてしまった」「自分一人ならシカトしたものを、隣の女房の手前格好を付けて渋々手を挙げた」「自分は捲き込まれるのが嫌なので、搭乗したら直ぐにアルコールを注文して酔っぱらってしまう。或いは酔っぱらった振りをする」「手を挙げようとしない自分に不思議がっている息子に、全て本当の事を教える。”こんな時に後先の事を考えずに自慢げに手を挙げて恥をかくよりは、さっさと酔っぱらって嵐が過ぎるのを待つ事が利口だ。だからお父さんは酔っぱらっているんだよ”と社会勉強させる」(笑)
by 月光仮面 (2013-03-13 17:26)

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「#2242 市議会の質疑:市立根室病院経営赤字問題」投稿欄より
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-03-13
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愚痴話 その5 当直

”応召義務”にも関連する問題に”当直”が有ります。これが何故問題なのか、一般の方には分かりにくいかも知れませんので、ウイキベディアに載っている「当直医」を参考にしてください。言いたい事は大体この中に集約されていると思います。

当直医(とうちょくい)とは、病院や診療所において、通常の診療時間外(主として夜間や休祝日等)に勤務する医師のことである。業務内容としては、入院患者と外来患者のいずれか、もしくは両方の診療に責任を負う。

当直医のうち、夜間勤務する者を「宿直医」、休祝日等の日中に勤務する者を「日直医」と呼び分けたり、またこれらのひと括りから「宿日直医」「日当直医」などという呼称が使われることもある。日本の労働基準法では当直医の業務を「宿日直業務」としているが、多くの実態はその定義に合致せず、事実上の同法違反状態が放置されることとなっている。

背景

日本の医療法制では、入院設備を持つ病院では医師が必ず宿直しなければならないという規定がある(医療法第16条)。各病院においては、この法律の規定などに基づき、医師が交代で宿直医・日直医として勤務し、入院患者の急変への対応や外来・救急患者の診察などの業務を行っている。

勤務の実態

夜間・休日の医師の勤務形態としては、交代制勤務や、昼間に勤務した医師が夜まで残って当直業務を行う勤務形態が考えられる。医療関係者によると、入院施設を持つ病院の中で医師の交代制を敷く病院の数は少なく、多くの病院では日勤勤務医師が当直を行い、次の日勤勤務までを継続して行うという勤務形態が常態化している。 日勤で勤務し、そのまま夜間の当直勤務(ほぼ不眠)を行い、その翌日も普段どおりの勤務を行い(昼で終了できる場合もあるが多くはそのまま夕方以降まで)、さらにその日の夜に患者の容態が悪化すればまた病院へ出向く必要がある日もある。病院を利用する一般の人間がこの事情をどこまで理解しているのかは定かではない。

厚生労働省の通達

厚生労働省労働基準局は2002年3月、「医療機関における休日及び夜間勤務の適正化について」[1]という通達を出した。これによると、
労働基準法における宿日直勤務は、夜間休日において、電話対応、火災予防などのための巡視、非常事態が発生した時の連絡などにあたることをさす。
医療機関において、労働基準法における宿日直勤務として許可される業務は、常態としてほとんど労働する必要がない業務のみであり、病室の定時巡回や少数の要注意患者の検脈、検温等の軽度または短時間の業務に限る。
夜間に十分な睡眠時間が確保されなければならない。
宿直勤務は、週1回、日直勤務は月1回を限度とすること。
宿日直勤務中に通常の労働が頻繁に行われる場合は、宿日直勤務で対応することはできず、交代制を導入するなど体制を見直す必要がある。

と通知されている。

当直医業務に関する問題点

前述のように、日本の病院での勤務実態は、多くが日勤勤務医師が夜間にも続けて勤務する形態である。これは救急指定病院においても例外でなく、地域によっても異なるが、夜間に来院する患者の多い病院では夜中に医師が一睡もできずに次の日勤帯の勤務に入るという事例もよくみられる(これは前項の、労働基準法に定められた宿日直業務の範囲を超えたものである)。これが医師の過重労働、また過労死、医療事故の一因ともなっている。

救急指定を受けていない病院でも、入院患者の急変の可能性はあり、また、たとえ診察時間外であっても来院した救急患者を拒むことは応召義務によりできないと解釈されている。

長時間連続勤務を防ぐため、交代制勤務の導入が望まれているが、病院開設者の立場からは、医療費抑制政策の影響や医師不足の顕在化もあり、交代制勤務が可能となるほどの医師の確保は難しい。そのため、夜間・休日の医師業務は医師の献身的努力に依存しているのが現状である。

これをご覧になられて「ええーっ?」「あれっ?」と思われる方は案外多いのでは。多分「病院はコンビニと同じサービス業だから夜中も開いて当たり前だ」と思っている方に、「いかにあなた方の考えが全く間違っていたか反省しなさい」と言わんばかりの内容です。この内容、当事者の医師には極当たり前ですが、では何故一般の方には新鮮に映るのでしょう。

それは建前をそのまま実行すると医師不足の日本ではどこの病院でも夜間救急診療が成りたたくなるので厚労省が知っていながら放置して来たこと。病院や医師に敵意を持つマスコミ(医療側を叩くと読者である大衆が喜んで販売部数が増える)などが意図的にこの問題を隠そうとして来たからです。また当事者(或る意味被害者)である医師たちも外に向かっては「お前ら、それでも医者かよ」と言われるのが嫌で(言い訳が面倒臭くて?)実態の説明もしない傾向が有ります。しかし彼らの専用掲示板(?)であるソネットのM3を見るといつでもこの問題に対して意見が喧々諤々状態。

この”当直医”の問題が根深いのは、上の厚労省の”当直医”の定義と実際に現場で動いている当直医の実態があまりに掛け離れていて、しかも一方の患者さん側(世間側)がその事を全く認識していない事です。その結果現場ではしばしばボタンの掛け違いが生じ、それが時に患者死亡と言うような不幸な事態まで発展します。

色々な角度からこの”当直医”を考えてみます。先ず試しに”当直医”から医を取って”当直”にしてみます。これは大きな現場なら何処にでもあるシステムですね。「日勤帯の従業員が帰宅して空っぽの職場で仕事上で何か起きた時のための待機当番」と言う所でしょうか。これとは別にセキュリティーが主な守衛室も有ります。ではこのシステムをそのまま病院にオーバーラップさせてみましょう。
”当直者”=”当直医”ですね。「仕事上で何か起きた時」は病院では「入院患者に何か起きた時」に相当します。会社などの当直者は先ず自分で処理を試み難しいと判断した時にはその部署の担当者に連絡するでしょう。それで場合によっては(仕事上穴を開けておけない場合)待機の担当者が出て来る事に成ります。病院の場合はその患者さんの受け持ち医に連絡して対処の方針を確認します。その場合も必要が有れば受け持ち医はやはり病院に顔を出す筈です。

ここまでは世間の会社の当直と病院の当直医は全く同じですね。その限りにおいては当直医は法律的にも妥当な正真正銘の当直医です。ところがです。問題は通常の病院の当直医には更に厄介な仕事が科せられている点です。
大抵の大手の病院は救急指定を受けているため、日勤帯はそれなりの担当医が対処しますが夜間帯には院内にただ一人残っている医師、すなわち当直医が担当するが殆どです。
この時点で既に深刻な問題が生じています。
もし会社の当直のように何か起きた時のためだけの当直ならば気楽です。何故なら深刻な事はそう滅多に起きないものだからです。つまり当直室で寝ていれば良い事に成ります。たまには家から離れて自分一人で過ごすのも悪くはないでしょう。勿論当直室にはTVや冷蔵庫も有るでしょうから、ホテルの気分です。
もし病院の当直も本来の”当直医”であるならば、のんびり風呂にでも入って日頃の疲れを取るのに絶好の時間でしょう。また在ってもその程度の仕事ならば殆どの科の医師が使えますので、病院の当直割り当て係りも苦労しないで済みます。正に平穏無事な天国です。
しかし救急もやるとなると、途端に天国が地獄に様変わりします。と言いますか、救急(本物ならば)は時に病院を修羅場に化します。そひて結局は多くの科の医師や検査科、レントゲン科を巻き込みます。そうなるともはや夜間とて日勤帯と何ら変わりません。そして当直医も各科の医師が現れるまでは頑張らなければ成りません。勿論様々な疾患での急患がやって来ますので、その受け皿(窓口)たる当直医は取り敢えず浅くても広い知識と経験が要求されます。しかしどこの病院にもその様に使える都合の良い医師が沢山居る訳では有りません。更に産婦人科などの科は分娩待機の関係で独自に当直制を敷いているところが多く、その場合は病院としての当直は免除されることが多いようです。また眼科医もそのような当直医には不向きです。
上に救急と言う地獄と書きましたが未だ1丁目です。更にその先に2丁目が待っています。「2丁目?何だそれ」
それは救急に名を借りた夜間診療です。結局救急に対応して夜間病院を開けている訳ですから、それを知った”普通”の患者が診察を受けにやって来ます。「3日前から38度だったのが、夕方から39度に成り心配だから来た」「日中は仕事が有るから夜来て何故悪い」「何時もは向かいのクリニックに掛かっているんだが、丁度薬が切れてしまって電話しても起きてくれない」etc.
医師が考える救急とは放置すると命にも関わる様な病態に限ります。ですからその名前を冠した”救急車”も同じ病態でのみ使われるべきです。しかし実際には・・・救急車の使用も出鱈目、救急患者も??ばかり。

何故かちょっとしたサービス精神の発揮である筈の”当直”と言う羊が、現実の世の中ではとんでもない恐ろしい狼に豹変してしまっている訳です。この事は勿論どこの病院でも分かっていながら中々改善しようとはしません。建前論では適正な認識を取りながら実際には現場を放置し続けている厚労省の責任も問題ですが、各現場の病院の事務サイドも元凶の一人です。何処の病院の事務方に取っても、自分の病院が救急指定であれば自治体からの救急肩代わりの謝礼として結構な額の援助金が手に入ります。また”救急指定”と言う看板は世間体も良く病院としての格も上がります。事務サイドは救急に際しても一人窓口に張り付けておけば良い訳ですから、収入が増える(場合によっては急患が入院するのでベッドが埋まる=そこしか空いてないので患者には選択肢が無い)ので万々歳!嘘と思われる方は「北海道地域医療振興委員会*のHPをご覧ください。そこに全道の医師を探している病院のリストが有ります。それを覗いてみれば分かります。病院の条件提示の欄に必ず「日当直」と言う項目が有り、大抵「月に1~2度の当直」などとシレっと記載されています。その上にもし救急指定と書いて有れば、それは地獄の2丁目を意味しています。中には「救急指定」と書いてない場合も有りますが、その地域の中央(中心)病院なら先ず間違いなく救急指定病院でしょう。=地獄へまっしぐらです。では何故各病院のHPなどには「夜間救急あり」とか「夜間診療あり」とか書いてないのでしょうか。仮に募集時に隠しても就職の面談時にばれる話ですから敢えて隠すメリットは何も有りません。勿論「こっちの水は甘いぞ!」と誘って置いて高額な収入を提示。相手が涎を垂らし始めたところで「実は月に何度か救急の当直が・・・」とやれば、中にはリスクに目を瞑り札束をひったくる医師も居ないとは限りませんが・・・もしかすると事務サイドは本当に当直=夜間救急・夜間診療だと信じて疑わないのかも知れません。もしそうならば、現状で行われている”当直”は労働同基準法にも違反したシステムである事を喧伝しないマスコミ、そして知らん顔(向こうを向いて、シメシメ)の厚労省、そして一番の原因は、仲間内では不平たらたらなのに外に向かっては発信しない医師当人かも知れません。
もし本当に夜間救急をやろうとするなら、先ず日本の現状では無理でしょう。何故なら昨今の医療情勢では、「夜間だからこの程度の検査で明日まで様子を見る」「大した症状でないから明日の朝出直して来なさい」などとやってもし状態が急変してその患者が死にでもすれば、もう大変な騒ぎに成ってしまいます。家族からは「あの時〇〇の検査をしていたら病気が分って死なずに住んだ筈だ」と訴えられ、裁判でも「夜間と言えども、当直医がその疾患に専門外でも直ぐに関係の科の医師を呼べば助かる可能性が在った」との判決を食らいます。
それでは地獄の元凶である「救急指定」と言う道標を引っこ抜いて放り投げたらどうでしょう。それは現実的には不可能です。皆さんのお住まいのそれぞれの地域をお考えください。大抵は地元医師会に自治体から「救急医療に対する協力金」が下りている筈です。そして地域にも依りますが一応輪番制で開業医が休日当番とか場所によっては夜間診療をしているでしょう。しかし多くの地域では開業医は夜はビールでも飲んでぐっすり。中には一々断るのが面倒だとばかりに受話器を外している所さえ有ります。また留守電に「何かあれば〇〇病院にご相談ください」と自分の患者でもセンター病院に丸投げする開業医も。つまり机の上で考えた理屈は現場では通らないと言う事です。
*北海道地域医療振興財団
http://www.iryozaidan.or.jp/

ならば「救急指定」の看板に誇りを感じて頑張る!?
理論的には、もし夜間も日勤帯と同様のレベルの診療を要求されるなら病院内の全ての人的資材を24時間÷8時間=3で3倍に増やさなくては成りません。しかし日勤帯の医師ですら不足している日本では所詮夢物語でしょう。
従って次善の策かも知れませんが、取り敢えずはせめて毎日の当直医は大学などの外部から総合内科や救急部などの急患を扱い慣れた医師を呼ぶ事位しか思い当りません。勿論その場合でも、救急現場で懸命に働く医師の援護射撃に是非とも”善きサマリア人法”を適応して貰いたいものです。

by NO NAME (2013-03-14 18:20)
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おばんです。

長い愚痴でしたね。

医師の宿日直勤務と労働基準法
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/s0425-6a.html

奈良県産科医時間外労働訴訟

をみれば医師の労働についてわかると思います。

業務の時間外手当で解決する問題です。



善きサマリア人法
医療器具のない閉鎖空間で病人が出た場合
医師であろうと一般人であろうとできることは同じです。
一次救命処置を行うことしかできません。

この一次救命処置と搬送時間が左右すると思います。
乗車していて搬送時間が長くなれば生存する可能性は低くなります。ただそれだけです。

搬送することが最善の策だと考えます。

しかしここで医師を要求した人物がおかしい対応をしていると感じませんか?医師を要求して何をさせるつもりだったのかわかりません。医療器具がある状態でないのに医療行為をさせようとしたのでしょうか?

ただしここで医師が医療行為をしたらそれは行った医師の責任が問われると思います。代替品で医療行為をした場合、その行為に対して説明責任が生じます。

医療器具が無い状況で医療行為はできません。医療行為と一次救命処置は違います。
by Premium malts (2013-03-14 21:27) 
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結論です

医療器具のないところでは一次救命処置をして医療行為ができる場所に搬送すること
この状態では医師であろうと医師でなかろうと一次救命処置をするだけです。医師であることを名乗ることもないと思います。医師を要求した人物が本来なら一次救命処置をすることが義務ですから。

医療器具のあるところ、これは病院ですが、ここでは一次救命処置ではなく二次救命処置をして、診断をして、治療することです。治療が出来ない病院であれば出来る病院に搬送する。



救急医療と夜間診療
この言葉の意味は違います。
救急医療は24時間体制ですが、夜間診療は夜間行う診療です。夜間診療はほとんどの病院で行っていません。

by NO NAME (2013-03-14 18:20)
by プレモルが好きな月光仮面 (2013-03-14 10:02)
の回答になれば幸いです。
by Premium malts (2013-03-14 22:08)
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>業務の時間外手当で解決する問題です。

業務の時間外手当の相場は? 多分2~5万の範囲でしょう。勤務時間は5時~翌日7時頃までだとすると14時間ですか。
少なくとも北海道の田舎では医師の報酬は日勤帯の通常勤務で1時間につき1万程度でしょう。ならば一晩中眠れない可能性が有る夜間救急に従事して納得出来る時間外は幾らでしょうね。更に金なんか要らないから休みたいと言う医師ばかりだったら当直医の割り振り係は困りますね。それでも「時間外手当で解決」ですか。
ちょっと気に成ることが有ります。かって根室に関わった或る方(Ebisuさんが時折話題に出される)が、「僻地の医師不足問題は自分が提唱する”医師通勤ヘリ”で解決する」と簡単に仰っていますが、その経費たるや半端な額ではありません。軍用は別として一般の民間ヘリは夜間は飛べません。また風速が5m程度でもう使用は?です。勿論ガスって視界不良ならばNG!それを考えると荒唐無稽な話にも思えてしまいます。
現場を知っている医師ならば「5万程度の時間外手当で救急当直問題が解決するなんて思っても居ません。幸か不幸か医師は収入だけには割と恵まれていますので、多少の金なら自分の方が払っても休みが欲しい・・・と言うのが本音でしょう。

プレモルさんの語り口が「医師通勤ヘリ」の方に似ていましたので、ちょっと脱線しました。

>医療器具のない閉鎖空間で病人が出た場合
>医師であろうと一般人であろうとできることは同じです。
>一次救命処置を行うことしかできません。

どうでしょうかね。乗客の虚血性心疾患などの内科的なものならAEDしか道具のない機内や車内で出来ることは限られているでしょう。それでも(まともな)医師と一般の方ではAEDの使用にしても心マッサージにしても要領は違うでしょう。
更に言えば、食事中に誤嚥して呼吸困難が生じたりした場合、確かにちゃんとした医療器具(気管挿管セットや気管切開セット)は無くても取り敢えず代用出来る物(ナイフやフォーク類、ボールペンなど)は探せばあるかも知れません。勿論きちんとした医療器具が有っても苦しがって暴れる人間に挿管したり気管切開したりは困難なのは当たり前です。取り敢えずハイムリッヒ(後ろから組んだ拳で心下部を内上方に突き上げて遺物の排出を促す)を何回か試みて無効なら後は搬送先にいち早く辿り着く事を祈る?

>この一次救命処置と搬送時間が左右すると思います。
>乗車していて搬送時間が長くなれば生存する可能性は低くなります。ただそれだけです。
>搬送することが最善の策だと考えます。

それはそうでしょう。しかしこの手の話は「搬送が出来ない状態」だからドクターコールが成され、「医師である貴方ならどうする?」なんですがね。
飛行機ならば緊急着陸出来る最寄りの飛行場を探している間に、列車ならば救急車に連絡して待たせた最寄りの駅のホームに滑り込んだ時には、全てが終わっているいるでしょうね・・・。
それでもちゃんとした医療器具が無ければ一時救命しか行わない!? 「ちゃんとした器具が無いのに余計な手だしたら責任を問われる」から? それならちゃんとした器具が有ってそれを使っても結果が悪ければ同じでしょう。ん、「きちんとした医療器具が有れば確実に成功する自信が有る。しかし無ければ上手く行かない」から?
どうもプレモルさんのお話は、例えが心筋梗塞などの内科的疾患が中心で気道閉塞などの外科的なトラブルでは無いようですね。

>しかしここで医師を要求した人物がおかしい対応をしていると感じませんか?
>医師を要求して何をさせるつもりだったのかわかりません。
>医療器具がある状態でないのに医療行為をさせようとしたのでしょうか?

機内のCAやJRの車掌も最近では一通りのABCの訓練は受けているでしょう。それでも彼らは医療の素人です。もし医療のプロの医師が居たなら任せたいと思うでしょう。患者が出たらその交通手段の中では彼らは乗客の管理責任が有ります。「もし死ぬようなことに成ったら・・・」と心細いのは当たり前です。勿論医師とてその技量や知識は千差万別ですから、彼らの期待を裏切るレベルの医師は確かに居ます。しかしそれはここでは別次元の話だと思いますが。

>ただしここで医師が医療行為をしたらそれは行った医師の責>任が問われると思います。代替品で医療行為をした場合、そ>の行為に対して説明責任が生じます。

だから少しでも医師として手助けが出来るように、せめて「善きサマリア人法」のように免責を認めるべきだと言っているのですが。

>救急医療と夜間診療
>この言葉の意味は違います。
>救急医療は24時間体制ですが、夜間診療は夜間行う診療です。
>夜間診療はほとんどの病院で行っていません。

これも空しい机上の総論です。夜間の救急で開けている病院の玄関に夜間診療と勘違いした急患でもない人々が押し掛けてくるから問題なんでしょう。医師であればリースナブルな急患(変てこな表現ですが)を診ることに吝かではありません。「応召義務」云々ではなく、それも大事な仕事の柱の1本なんですから。しかし現実には”招かれざる客”も多い。そのために時には仮眠すら出来ない。そして翌日にはまた忙しい日常が待っている。医医師である以上出来れば診てあげたい。しかし何事にも限度がある。それでも緊急事態ならば眠い目をさすっても患者に向かう。しかしそうでもない人間に振り回された挙句に翌日の自分の仕事のリズムは壊され、何か手術でロらブルでも起きようものなら訴えられかねない。こんな状況を誰も外には言わない。だから厚労省も知らん振りで一方足元の病院はにやっと笑って両腕を組んで「お手並み拝見」。
こんな事情を少しでも知ったら、”夜間診療”で当然だと思っている人や「サービス業なんだから客に合わせろ」なんて輩が少しは減るかもとの期待を込めて愚痴を書いていたわけです。Ebisuさんもそのための掲示板だと仰っています。

今回のプレモルさんの書き込みは医師である小生に向けたものと思います。ですから小生にはあまり肉の付いてない骨ばった文章(解説が無い)で理解できますが、多分一般の方にも理解させたければ、多少はまわりくどくても一つ一つ説明を加えられては如何でしょう。

結論です。

うーん、さすがPremium malts !
現場で全く悩んだことが無いような見事にクールに割り切ったご説明ですね。建前が強くまるで厚労省の役人を思わせます。(笑)


by 月光仮面 (2013-03-15 01:48) 
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序ですので、お時間の有る時にでもウイキペディアの「一次救命」を是非ご覧ください。

身の回りの誰かが具合が悪くなった時の対処法、CPA(心肺停止)時のAEDの使用法や今回の話題の「ドクターコール」に纏わる話、「善きサマリア人法」の実際などについて分かり易く表現されています。

今回の書き込みが、皆様の少しでも救急時対処法に目を向ける一助と成れば、長々と駄文をしたためた甲斐も有ろうと言うものです。
by 月光仮面 (2013-03-15 13:13) 
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*一時救命措置(ウィキペディアへ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%AC%A1%E6%95%91%E5%91%BD%E5%87%A6%E7%BD%AE


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