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#3062 韓国のMERS騒ぎで思い出したこと:日本の役割があるのでは?  Jun. 16, 2015 [感染症および自己免疫疾患]

<更新情情報>
6/16 朝8時10分 1988年ころ世界一厳しい精度管理基準であるCAPライセンスを取得 
    1990年当時の韓国の臨床検査技師たちは学卒ではなかったか?
6/16 11時30分 ウィキペディアより引用、他数箇所追記
6/17 9時 <余談-2:1988年ころエイズ検査室は遺伝子組み換えのできるp3仕様>
6/17 10時 <エボラ出血熱とBSL4>:ジャパンタイムズ記事解説の弊ブログURLを追記 ⇒高校生や大学生は英語の勉強と感染症の勉強が同時にできるから、リストした弊ブログ記事を丹念に読んでみたらよい。
6/17 10時半追記 <HIV関連弊ブログ記事のURL>
6/18 0時15分 <facts>追記 死亡者数20名、感染者数162名、隔離者数6500人
6/18 23時 死亡者数は23人になった。
6/19 9時 日本の貢献⇒京都府大グループがダチョウを使ってMERS抗体の大量精製に成功した。これで予防薬がつくれる。

 MERS(Middle East respiratory syndrome「中東呼吸器症候群」)が韓国でいっこうに終息しない。韓国内では空気感染の可能性まで言われだしている。飛沫感染と空気感染ではまるで対応が異なる。そんな基本的なことすらハッキリしていないのでは医療水準を疑わざるを得ない。
 病原ウィルスはSARSコロナウィルスに似たコロナウィルス(β型)で2012年に発見されたとウィキペディアに載っている。
*https://ja.wikipedia.org/wiki/MERS%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9
「2015年5月30日現在の合計では、1149人感染(韓国12人を含む)、431人死亡[3]。感染地域は2015年5月に韓国、中国に広がった

<facts>
 17日現在のデータを並べておく。
○死亡者数20人 
○感染者数162人
○自宅や医療機関での隔離者数6500人
○致死率は12.3%(SARS重症呼吸器症候群の致死率は9.6%(774死亡数/8098症例数))*データは国立感染症センター
○有効な治療法はまだ公表されていないし、特効薬もない。
○潜伏期間は2~14日間。
○感染者の半数80人は(サムスン電子グループの)サムスンソウル病院で感染
 サムスンソウル病院は韓国最高レベルの医療専門家と設備を備えているが、そこで80人もの2次感染者をだした事実は、韓国の医療レベルがどの程度のものなのかを如実に現しているのではないか?

*国立感染症情報センター SARS致死率
http://idsc.nih.go.jp/disease/sars/QA/QAver2-01b.html
 
<韓国の臨床検査業のレベル>
 もうずいぶん昔のことになる、1990年ころだったから25年ほど前のこと、わたしは国内最大手の臨床検査センターの八王子ラボの学術開発本部で仕事をしていた。そのころ韓国から臨床検査の研修に来ていた人がいた。研修が終わり、帰国してから連絡があった、臨床検査業を立ち上げるので、私のいた会社の名前に「韓国×××」という文字を足して企業名にしてよいかという打診である。まったく資本関係も技術提携もないのに、韓国子会社のような印象を与えるので返事はノー。
 東南アジア諸国でも臨床検査業を立ち上げたいという人はいた。当時はこれらの諸国では平均所得水準が引く過ぎて大衆相手の臨床検査業は成り立たない。数十年間は高所得層に限定した臨床検査業になると予想していた。それゆえ、海外市場は打って出るほどの魅力のあるマーケットではなかったから、現地で臨床検査業をやろうという志の人たちのために研修受け入れをした。

 私企業でも業界ナンバーワン企業はアジア全域を考えて、何をなすべきかという視点で仕事をしているから、昭和初期にも大東亜共栄圏という視点から行動していた経済人や企業がすくなくなかったのではないだろうか。否、業界のリーダ企業の多くがそういう視点から対アジア政策を考えていたのではないかと思う。長期戦略として教育・訓練ということを重視したからこそ、韓国と台湾に帝国大学を設置し、厳しい日本の財政からインフラ整備のために莫大な予算を投じたのだろう。韓国を併合し、韓国を近代化することがロシアの南下を止める術(すべ)だった。韓国自身が独力で近代化を果たすことは当時は不可能だった。

 韓国の臨床検査業は日本よりも20年(特殊検査のSRLは1970年創業)遅れてスタートした。今回のMERS騒ぎを見て、患者が3箇所病院を替わるも、MERSの診断がつかなかった背景には、臨床検査業の未成熟さが関係していたのではないかと、そういう印象を受けた。あれから25年たったが、韓国は1990年の日本の臨床検査業の水準にまだ追いついていないのかもしれない。
 日本では1990年ころ、業界ナンバーワンのSRLが世界で一番厳しい品質管理基準である米国臨床病理学会CAPライセンスを取得した。3000検査項目の標準作業手順書を日本語と英文の両方で作成して審査を受けた。学術開発本部内に精度管理部があって、そこが担当したのだが、手が足りず、学術情報部も本部スタッフの東さん(米国で20年間の臨床検査関係の仕事の経験があった女性で、一回りくらい年上だったのでebisuにとっては「お姉さん」、いろいろ仕事を教えていただいた)とわたしも手伝った。開発部だけこのプロジェクトには参加していなかった。3000項目もあれば、新規項目の追加や検査試薬や機器の変更などに応じて標準作業手順書が頻繁に更新されるから、翌年にすべて電子ファイル化した。こういうところは人材の投入もお金の投入も糸目をつけないハッピーな会社だった。1億円以内ならすぐにOKが出たから、会社は儲けないと嘘だ。高収益会社でないと業界のリーダとして社会貢献できる仕事すら不可能になる。その後、業界の2番目3番目の会社が追随して、CAPライセンスを取得している。トップ企業が走り出したら、2番手3番手はその後を追いかけざるをえないのである。だまっていたら水がどんどんあいてしまう。
 日本の精度管理基準をクリアしていれば何の問題もないのに、SRLはあえて世界一厳しい基準で仕事をしようとした。そういう「蛮勇」に業界2位と3位の会社が追随するというのも楽しい。この辺りにも日本人の職人魂を見る思いがする。仕事をするなら全身全霊、渾身の力でやりきるという職人魂があらゆる分野の職人に宿っている。職人魂は日本人が受け継いできた重要な伝統文化や精神のよりどころのひとつである。日本人はそういうことを当たり前のことだと思っているが、そうではない。世界にまれな文化なのである。韓国や中国は形は真似るが、精神をコピーできない。そこに彼らの仕事の陥穽がある。
 韓国にはもう一つの懸念材料がある。韓国で流行っているのは美容整形である。感染症分野の臨床医が少ないのではないだろうか。だとしたら、韓国のMERS騒ぎはしばらく収まらないのかもしれない。

 しっかりした病院があり、感染症の知識のあるドクターや人工呼吸器を扱える技能の高い看護師が多数いて、診断を助ける精度の高い臨床検査業が存在すること、これら三つが揃って国民の医療を支えうるのである。医療のインフラともいうべきこういう基本的なところが成熟している日本ではあれほどの混乱は起きないのだろう。でも油断は禁物だ。SARS騒ぎのときにも問題になったが、爆発感染した場合に治療に必要な人工呼吸器が日本の病院には十分なだけ揃っていない。しかし、数千人規模の感染拡大なら対応できるだけの設備はある。

 韓国は困っている、日本は韓国に何かしてあげられることがないのだろうか?
 韓国と日本は人の交流が多いから、韓国のMERSの沈静化を助けることは、日本人への感染拡大というリスクを小さくする。「情けは人のためならず」という言葉があるではないか。ギクシャクした関係も、こういうときの対応次第でいくらかは改善できる。

<京都府大グループ MERS抗体大量精製に成功!>19日9時追記
 グッドニュースだ。ダチョウを使ってMERS抗体の大量精製に成功したというニュースが流れている。これで予防薬がつくれる。
*産経ニュース
http://www.sankei.com/life/news/150619/lif1506190009-n1.html

「韓国で感染が拡大している中東呼吸器症候群(MERS(マーズ))コロナウイルスに強く結合する抗体を、京都府立大大学院の塚本康浩教授(動物衛生学)のグループが、ダチョウの卵を使って大量精製することに成功した。共同で研究を進めている米国陸軍感染症医学研究所で検証中だが、すでに韓国、米国に配布、スプレー剤として大量生産を開始した。抗体によって覆われたウイルスは人の細胞に侵入できなくなり、感染予防に大きな効果があるという。・・・
 抗体はMERSの感染が拡大している韓国のほか、米国にも配布治療薬として認可されていないため人体へ直接投与することはできないが、抗体を使ったスプレー剤はマスクやドアノブ、手などに噴射すれば感染予防になるすでに大量生産しており、医療従事者や韓国と日本の空港への配布を考えているという。」


<余談:韓国の病院検査技師さんたちのラボツアー>
 八王子ラボの学術開発本部には開発部、学術情報部、精度管理部で構成されていた。わたしは本部スタッフとして開発部の仕事である製薬メーカとの検査試薬の共同開発案件を2つとPERTを利用した共同開発業務の標準化、米軍から要望のあった出生前診断検査(MoM値)に関するシステム開発案件などを担当していた。それらに加えて学術情報部の仕事であるラボツアーの内、海外からの見学者希望者を担当をしていた。学術情報部は国内顧客のラボツアーを担当し、海外からのラボツアー要請には本部スタッフのわたしが対応するという仕分けになっていた。見学ご案内の後報告書を書くことになっているが、保存している報告書ファイルを見たら、国内の大学病院からの見学希望者も同じくらいの数を消化している。

 そういう行きがかり上韓国からの見学希望者5名のラボツアーをしたことがある。いらっしゃった韓国の臨床検査技師の中で一番年配の人は日本語が堪能だった。ほかにも日本語が話せる人がいた。彼らはラボに着いたとたんに中央線から見た日本の住宅の狭さを日本語で話題にしていた。そんなに狭いかと問うと、韓国の彼らの住居(マンション)は150~200平米あり、それが普通だというのである。普通の水準がずいぶん違う、韓国の臨床検査技師はずいぶんと社会的地位が高く、高給取りなのだと驚いた。
 韓国は儒教社会であり学歴を重視する。中国同様にこの点では欧米の考え方に近い。あのときの印象では一人は院卒、あとは学卒の臨床検査技師ではなかっただろうか。専門学校出では、韓国社会であれほどのプライドはもてない。当時の韓国では民間臨床検査センターはまだ存在せず、臨床検査技師に対する需要も病院内に限定されており臨床検査需要が小さいから、専門学校がなかったのかもしれない。
 このラボツアーには免疫血清部のH山部長が一緒に対応してくれた、韓国語が堪能だったからである。H山さんがアンニョンハシムニカと挨拶したら、とたんに表情が変わった。堅苦しい感じが取れて笑顔になり、日本人の住宅が狭いというような否定的な話題がなくなり、空気ががらりと変わった。そのあとなごやかなラボツアーになったのはありがたかった。2時間半ほど時間をかけて各検査部・課の検査項目や検査機器の説明をしながらラボ内をご案内した。
 初めてお会いする人には、その人の母国語で挨拶するのがいい。

<余談-2:p3レベル実験室仕様のエイズ検査室>
 SRLでは1988年ころに、エイズ検査が急増したので、検査員の安全を考えてp3実験室仕様に改造した。p3実験室とは遺伝子組み換え実験が可能なレベルのもので、当時民間の臨床検査会社では最高の仕様の設備だった。外部に空気を排出しない陰圧仕様の部屋で、定期的に交換するヘパフィルターもハイレベルの高額のものだった。
 p3仕様の検査室は法的な義務があってやったものではなく、検査に従事する社員の安全を考えて自主的に導入を決めたものである。こういう決定は実にすばやい会社だった。検査室ではたらく社員たちの話だが、
「ラボ内でここが一番安全、だって他の検査室にもエイズ患者の検体が混じっている可能性があるから危険だ、ここは全部の検体がその可能性があるという前提で扱っている」
 エイズ(HIV)検査ではない検査に、感染検体が混じる恐れがある、そっちのほうが怖い。当時、毎日1~2例ほど陽性がでていた。厚生省(当時)の公表データと大きく異なる。1988年の厚生省公表データでは、HIV感染者数はたった23人*だけ、AIDS発症新規患者14人とあわせても37人。厚生省のデータは医師からの報告だから、HIVキャリアとAIDS(後天性免疫不全症候群)発症患者を分けて集計している。すでに報告済みのHIVキャリアがAIDSを発症した場合は二重にならないようにカウントから取り除かれている。表の解説を読むと、凝固因子製剤による感染者もこの統計から除外されている。
 わたしが知る限りで、厚生省が国内ナンバーワンの企業にエイズ検査陽性が年間何件あるのかを問い合わせてきたことは一度もない。HIVキャリアとAIDS患者を分けるとか血液凝固製剤を統計から除外するなどさまざまな理由があり、現場の医師からの報告データから集計するという基本方針だったようだから、検査センターに問い合わせを行わなかったのだろう。集計は医師からの報告のものと民間検査センターのものと二本立てでやるべきではなかったのか?医師からの報告ではキャリアの数が実際の数十分の一に過小評価されてしまい、初期対応を誤ることになった。
 SRLではスクリーニング検査で要請となった検体は、すべてウエスタンブロット法で確認検査をしていた。当時ですら陽性検体は年間500件ほどあった。厚生省のHIV対策は著しく遅れ、他の諸国が新規感染者を減らしたのに、日本は感染者を増やし続けた、データを見ていただくとそのことがよく分かる。2008年までHIV感染者が増え続けてしまったのは、塩川委員会が実際のキャリア数とは大きく異なる医師からの報告データのみを公表し続けたからで、初期対策が何年も遅れてしまった、重大な失政であったとわたしは思う。
*厚生省公表データ
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2250.html

 なお、現在はp3レベル仕様とは呼ばない、(バイオセーフティレベル)BSLという用語を使う。
 BSL-4レベルの実験室は国立感染症研究所にあるだけ。もちろん自衛隊がそうした施設をもっているのは常識だが、軍事機密なのであるともないともいわない。エボラ出血熱のような病気が国内でアウトブレイクしたら対応できないということは前に#2848に書いた。
 BSL-3とBSL-4の説明をウィキペディアから以下に引用する。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB
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グループ3
ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こすが、普通ヒトからヒトへの伝染はない。有効な治療法・予防法がある。黄熱ウイルス狂犬病ウイルスなど。

グループ4
ヒトあるいは動物に生死に関わる程度の重篤な病気を起こし、容易にヒトからヒトへ直接・間接の感染を起こす。有効な治療法・予防法は確立されていない。多数存在する病原体の中でも毒性や感染性が最強クラスである。エボラウイルスマールブルグウイルス天然痘ウイルスなど。
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<エボラ出血熱とBSL4>
 BSL4問題はエボラ出血熱のところで以前とりあげている。高校生や大学生は弊ブログで感染症と英字新聞記事読解の勉強をしたらいかが?

*#2842 エボラ出血熱1-1: 'The worsening ebola crisis' Oct. 18, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17-1

 #2843 エボラ出血熱1-2 :'The worsening ebola crisis' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-18

 #2844 エボラ出血熱2-1 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19

 #2846 エボラ出血熱2-2 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.19, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19-2

 #2847 エボラ出血熱2-3 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' Oct.21, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-20

 #2848 エボラ出血熱2-4 :国内の体制はどうなっている? Oct.22, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-22-1

<HIV関連弊ブログ記事>
*#769HIVイベント「高校生の、高校生のための、高校生による」 Oct.25, 2009 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2009-10-25

 #2024 高校生のためのホットな性感染症知識:HIV感染の実態と新薬  July 23, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-23

 #2026 高校生のためのホットな性感染症知識(2):国際エイズ会議 July 25, 2012 
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-07-25
 
 #2584 北海道の高校生や大学生のためだけの(?)HIV知識 Feb. 6, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-02-06




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#2848 エボラ出血熱2-4 :国内の体制はどうなっている? Oct.22, 2014  [感染症および自己免疫疾患]

<民間検査センターにはエボラ検査をする設備がない>
 エボラ出血熱の検査にはBSL4(Biosafty Level 4)の検査施設が必要だが、国内最大手の臨床検査センターSRL社でもBSL3までしかもっていない。エイズ検査室はBSL2が要件だが1987年頃にエイズ検査室を設置するときにレベルを一つ上げてBSL3適合にした。スッペクを一つあげておいた方が安心だからである。エイズ検査室で働く人たちも、「ラボの中でここが一番安全・安心」だと当時言っていた。その理由は、毎日数万の特殊検査検体がラボに運び込まれるのだが、潜伏期のエイズ患者の検体がその中に混ざっている可能性があったからだ。他の検査室でもエイズに罹っている潜伏期の患者の検体を検査する可能性がある。エイズ検査室では搬入される検体は全部エイズウィルスが含まれているものとして取扱うことになっていた。3000項目を超える臨床検査標準作業手順書の中にHIV検査作業手順書があって、そこに具体的な取扱方法が書かれている。

 SRL社は特殊検査ラボとして国内の大学病院から信頼の高いラボだ。そこですらBSL4を満たす検査室がない、今まで必要なかったからである。だから日本にある民間臨床検査センターではエボラ患者の検体は受け付けられない。
 しかしだ、エボラが日本へ上陸して数十人単位で患者が出たら、民間検査センターはたいへんだ。一般検査に潜伏期のエボラ患者の検体が混ざる可能性がある。エボラが上陸しないことを祈りたい、その一方で上陸した場合の対応を民間検査センターでも考えざるをえなくなる。検査に携わる社員の安全確保の点から見過ごすことができない。

<国立感染症研究所にBSL4適合実験室アリ>
 民間検査センターにはBSL4の施設はないが、国立感染症研究所にはBSL4の実験室があるようだ。BSL3で遺伝子操作ができるが、BSL4は致死率の大きい病原体の培養や遺伝子操作が可能だ。そういう施設は目的からして、国立感染症研究所と自衛隊しかない。自衛隊はもっていたとしても軍事機密だから「ない」とも「ある」とも言わないだろう。

<エボラ患者を収容できる隔離施設が国内に45箇所ある>
 患者を収容できる隔離施設は全国の45病院にあるようだ。いま防護服の脱ぎ方について日本独自のマニュアルを作成してトレーニングをしている。一人でやると危ないので二人一組でやるようになっている。たのもしいな、対応がすでに始まっている。

<JT紙には準備の遅れが具体的に指摘されている>
 ところが厳しい見方が10月17日付けのジャパンタイムズ1面の記事に載っていた。見出しは次のようになっている。
*http://www.japantimes.co.jp/news/2014/10/17/national/biohazard-facilities-japan-can-handle-ebola-outbreak/
 ' Japan behind in preperation for local outbreak ' 
  (エボラが飛び火し感染爆発したときの準備が遅れている)
 ' No facilities ready to handle Ebola '
  (エボラを取り扱う施設がない)

 感染症の隔離施設は全国47箇所(45病院+成田空港+関西空港)あるが、エボラを扱えるBSL-4の施設は一つもない。国立感染症研究所と理研の筑波研究所にBSL-4の実験施設があるが、設備が貧弱で現在の基準では不適合でBSL-4施設として使えないと書いてある。G-8でBSL-4施設をもっていない国は日本だけ。G-8に入っていない韓国ですらBSL-4施設をもっているから、日本は感染症対策に相当遅れた国だという印象がある。かなり恥ずかしい状態である。政治家のレベルが低いとこういう失態があちこちに出てくるのだろう。
 日本ではBSL-4施設ではないところで患者の隔離および看護、臨床検査、治療薬の開発をやることになるのだろうか?まるっきり体制整備がなされていないと書いてある。事が重大だから、これも英文記事の解説をする必要がありそうだ。
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No biohazard facilities in Japan can handle Ebola

by Eric Johnston

Despite assurances by the Japanese government that it stands ready to tackle an Ebola outbreak, a lack of facilities to handle the virus suggests such assertions may be overly optimistic.

As of last Sunday, the hemorrhagic virus had killed more than 4,400 people worldwide, and nearly 9,000 were known to be infected, mostly in West Africa, according to the U.S. Centers for Disease Control and Prevention.

With fears growing of an international pandemic, Japan is taking administrative steps to strengthen its response. The government has introduced a bill in the Diet that would give local governments greater power to require patients with infectious diseases to submit samples for Ebola testing.

Forty-seven hospitals and medical facilities nationwide, including facilities near Narita and Kansai airports, are “designated” as infectious disease treatment centers, so Ebola patients would likely be sent there. But Japan does not have any facilities with the required biosafety level to handle the deadly disease, according to CDC guidelines.

Ebola should only be handled in biosafety Level 4 facilities, where protective positive pressure suits must be worn and the rooms are constructed in a way that ensures the virus cannot escape. But there are fewer than 30 Level 4 facilities worldwide, and none in Japan.

In March, the Science Council of Japan called on the government to build Level 4 facilities and to fund the training of personnel who can handle equivalent-level viruses and toxic agents.

In fact, Japan in the 1980s built two facilities with Level 4 operating potential — one in a branch office of the National Center of Infectious Diseases in the western Tokyo city of Higashimurayama, near Tokorozawa, and the other at a facility in the Riken institute in Tsukuba, Ibaraki Prefecture. But, poorly equipped by today’s standards, they remain unable to operate as Level 4 labs because of strong opposition from worried residents.

The council made four recommendations. First, it urged the government to build Level 4 facilities to isolate and examine infectious diseases.

Second, it said Japan should build new facilities to research and develop vaccines, conduct testing on animals and develop antidotes.

It also recommended distributing such facilities around the country to reduce the risk of everything being lost in a natural disaster.

Finally, the council emphasized the importance of public relations and of protecting residents.

Despite the Ebola crisis, the council’s March recommendations have not been adopted yet by the government.

That could now change, given the new bill in the Diet.

“As of October, the members of the group that made those recommendations have changed. But concern about Ebola is very high, so it’s possible the report’s recommendations will be taken up in Diet discussions,” said Takahiro Ito, a spokesman for the council.

Building such facilities is little comfort in the short term. There is no cure or guaranteed effective treatment for the disease, which can have a mortality rate up to 80 percent.

Meanwhile, the Defense Ministry said Thursday that hundreds of Japanese troops engaged in U.N. peacekeeping operations in South Sudan are collecting local data on the Ebola outbreaks.No Ebola cases have been confirmed yet in South Sudan, but the ministry is aware of the separate Ebola outbreak underway in the adjacent Democratic Republic of Congo, noting that the Self-Defense Forces have not taken any special measures yet.

About 400 SDF engineering troops are in Juba, the capital, but it is unknown how much contact they have with local residents.

In the meantime, Avigan, an experimental drug developed by FujiFilm Group company Toyama Chemical Co. Ltd., was recently used on a French nurse with Ebola who then recovered. Avigan has received much attention domestically and overseas, and the company says the governments of France and Guinea are considering conducting clinical trials of it next month. At the same time, the Japanese government says it will provide drugs developed by companies that could prove effective against Ebola.

In the event of an outbreak in Japan, the company says it is ready to assist if asked.

With 30 airports and over 120 ports with customs offices where the disease would most likely enter, dispensing Avigan or any other treatment quickly would be a top priority.

“There are more than 20,000 Avigan tablets in storage,” said FujiFilm spokesman Shinya Hiroshima.

Staff writer Masaaki Kameda contributed to this story.
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バイオセフティ・レベル4(ウィキペディアより)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%AB
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レベル4[編集]

最高度安全実験施設である。レベル3に加えて、レベル4の実験室は他の施設から完全に隔離され、詳細な実験室の運用マニュアルが装備される。

(レベル3に加えて)

  • クラスIII安全キャビネットを使用しなければならない。
  • 通り抜け式オートクレーブを設置する。
  • シャワー室を設置する。
  • 実験室からの排気は高性能フィルターで2段浄化する。
  • 防護服未着用での入室を禁ずる。

このレベルの実験室がある国は限られており、日本では国立感染症研究所理化学研究所筑波研究所にのみ、レベル4実験室が設置されているが、近隣住民の反対[5]によってレベル3での運用のみ行なわれている。しかし、交通網の発達などによって高度にグローバル化が進み、現実にBSL-4生物の非流行地域への輸入が年間数例起こっている現代においては日本もその脅威の例外ではなく、リスクグループ4の病原体などによる感染症が発生した場合の対処の遅れや、感染症の研究不足の視点から、施設を稼動させるべきとの声もある[6]

上記のような事態が現実に日本で起こった例として、1987年に海外渡航者がラッサ熱に感染して帰国し、帰国後発症した事例がある。稼動中のBSL-4施設がないために国内での確定診断・治癒確認が不可能で、検体をアメリカに発送して確認を仰ぐ事態となった。


<リスクグループ>
グループ3
ヒトあるいは動物に通常重篤な病気を起こすが、普通ヒトからヒトへの伝染はない。有効な治療法・予防法がある。黄熱ウイルス狂犬病ウイルスなど。
グループ4
ヒトあるいは動物に通常重篤な病気を起こし、容易にヒトからヒトへ直接・間接の感染を起こす。有効な治療法・予防法は普通得られない。エボラウイルスマールブルグウイルス天然痘ウイルスなど。
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*国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/images/PDF/gaiyou.pdf

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*#2842 エボラ出血熱1-1: 'The worsening ebola crisis'
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-17-1

 #2843 エボラ出血熱1-2 :'The worsening ebola crisis'  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-18

 #2844 エボラ出血熱2-1 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola'  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19

 #2846 エボラ出血熱2-2 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-19-2

 #2847 エボラ出血熱2-3 :'Spain case shows holes in plans to treat Ebola' 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-20

 #2848 エボラ出血熱2-4 :国内の体制はどうなっている?   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-22-1

 #2852 エボラ出血熱3-1 ' Cuba's impressive role on Ebola '  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-10-26



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#1962 市内2高校は前期中間テスト&自己免疫をきっかけに生物科目学習のススメ  June 5, 2012 [感染症および自己免疫疾患]

 小さな庭では赤と黄色と白のチューリップが色鮮やかに咲いている。芝桜が咲き始めた、すずらんも伸びだして蕾をつけている。紫つつじには毎日大きなクマンバチが訪れている、庭は平和だ。
 夜になって気温は8.4度、地上には霧が薄く漂っているが天には満月が煌々と光を放っている、美しい夜だ。

 根室高校と根室西高校は今日(火曜日)から前期中間テストが始まった。金曜日までのスケジュールである。根室高校はそのあと学校祭や球技大会などで「遊びの季節」がはじまる。夏休み中の金比羅さんのお祭りまでほとんどの生徒が浮かれている。全国一涼しい夏なのに、そういう有利な条件を勉強にはちっとも活かしていないのがねむろっ子、その点は中学生や小学生も同じだ。かくして根室のこどもたちの学力は全道最低レベルを低空飛行し続ける。涼しい夏にブカツをほどほどにして勉強すればずいぶん学力は上がるはずなんだ。

 いやみはこれくらいにして、前回のブログ(#1961 プロテオグリカン :難病指定クローン病へ効能はあるのか?潰瘍性大腸炎へは? June 5, 2012 )で高校生に免疫系の勉強をしろと書いたので本をいくつか紹介したい。
 高校生になるとSTD(sexually transmitted disease性感染症)のエイズや毒性の強いインフルエンザのSARS(急性呼吸器不全症候群)、自己免疫疾患のアトピー性皮膚炎など免疫に関連のある疾患は多いから、知的興味もわくはずだ。
 エイズとは生涯無縁でありたいだろうから、"敵"を知っておくべきだ。どういう経路でウィルスが侵入し、どうやって免疫機構をだましてウィルスを増殖し体中にばらまくのかその作用機序を理解しておくぐらいの知性はもちたい。
 生物の授業で免疫がでてきたときに関連する本を読んでみたらいい。新書版が専門書への入り口の役割を果たしてくれる。
 手元にあった新書版と最近のものをamazonで検索して紹介する。

『腸内細菌の話し』光岡知足著 岩波新書
『血液の話し』三輪史朗著 中公新書
『感染症の時代』井上栄著 講談社現代新書
『細胞から生命が見える』柳田充弘著 岩波新書
『ガン遺伝子を追う』高野利也著 岩波新書
『がん遺伝子の発見』黒木登志夫 中公新書

 新書版ではないが面白かった本
『免疫の意味論』多田富雄 青土社 1993年

 最近の本をランダムに検索

免疫学個人授業 (新潮文庫)

免疫学個人授業 (新潮文庫)

  • 作者: 多田 富雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 文庫

免疫革命

免疫革命

  • 作者: 安保 徹
  • 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
  • 発売日: 2003/07/11
  • メディア: 単行本

「免疫を高める」と病気は勝手に治る (マキノ出版ムック)

「免疫を高める」と病気は勝手に治る (マキノ出版ムック)

  • 作者: 安保徹
  • 出版社/メーカー: マキノ出版
  • 発売日: 2010/01/15
  • メディア: ムック

 

 私はスキルし胃癌と巨大胃癌を併発したが、子供のころから胃の辺りが冷たかったのを記憶している。血流が悪くなんとなくもたれる感じのすることが多かった。お酒を飲んでもビールなどの冷たいものなら2時間飲んでいても消化が始まらず酔いが回らない。家に帰って朝方に布団の中で温まったのか酔いが回って、天井がぐるぐる回ったことがある。酒に強いわけではないがなかなか酔いが回らないからいくらでも飲めた。
 お腹の辺りがつめたい人は消化器系のガンに要注意だ。普段からお腹を温める工夫をすることをお薦めしたい。この本はそういう人の癌予防として役に立ちそうだ。
体温免疫力―安保徹の新理論!

  • 作者: 安保 徹
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 単行本
    体温免疫力―安保徹の新理論!

新・現代免疫物語 「抗体医薬」と「自然免疫」の驚異 (ブルーバックス)

新・現代免疫物語 「抗体医薬」と「自然免疫」の驚異 (ブルーバックス)

  • 作者: 岸本 忠三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/03/20
  • メディア: 新書

 

「酵素」が免疫力を上げる!

「酵素」が免疫力を上げる!

  • 作者: 鶴見 隆史
  • 出版社/メーカー: 永岡書店
  • 発売日: 2011/12/19
  • メディア: 文庫






*#1961 プロテオグリカン :難病指定クローン病へ効能はあるのか?潰瘍性大腸炎へは? June 5, 2012 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05

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#1349 大鷲が20羽、白鳥2羽、etc.:浜中町で鳥インフルエンザ Jan. 23, 2011 [感染症および自己免疫疾患]

  ワイフとスワン44へ野鳥を見に行ってきた。汽水域の氷上にはスノーモービルの走った跡が緩やかなカーブを描いている。数箇所氷下網漁のために氷を切った跡があり目印の木の枝が立てられてあり、その周辺に大鷲が20羽ほどいた。
 8倍の双眼鏡でも口ばしが黄色いのと身体に白い部分があるのですぐにわかる。オジロワシは尾っぽの部分だけが白いので遠目にも区別がつく。氷下漁で網を上げたあとにサッパをぶちまけていくのでそれを期待して待っているのだろう。
 春国岱のほうへ下りたら、沿岸氷がたまっていないところに白鳥が2羽水中に嘴を突っ込み魚をついばんでいた。渡り損ねたツガイだろうか。
 戻る途中で、東梅会館の付近に鳶が50羽ほども舞っていた。漁のあとでチカを100匹ほども庭先にまいて鳶に振舞ったようす。人間も鳥も自然の一部、共に生きよう・・・そう考えるやさしい根室人が住んでいる。
 人間と鳥が共生する町根室、バードランド根室。


 となりの浜中町で衰弱したオオハクチョウから強毒性の鳥インフルエンザウィルスが検出されたとテレビ報道があった。宮崎県新富町では養鶏20羽が死に、鳥インフルエンザの感染が確認された。鶏がまた数十万羽あるいは百万羽も殺処分されるようなことにならなければいいが・・・。

 いずれは広がるのだから無益なことだとも思う。ウィルスは変異を繰り返しながら鳥から人へ移り、そして毒性を弱めていく。
 強毒性のままだと宿主がすぐに死んでしまい、広がることができないから、毒性を弱めるように変異しながらウィルスもまた宿主と共存していくのだという。そうして病原性を小さくしながら広がっていく。自らが生き延びるために妥協の仕方を知っているのだ。

 とここまで書いてネットで検索してみたらまったく別の情報を発見。現在の対策はスペイン風邪のデータを基に作られており、スペイン風邪は最近の研究では弱毒性ウィルスだったというのだ。
 だから致死率などの推計値がまるで違ってくるという。そして弱毒型へすぐに変異するかどうかも未知であると書いてあった**。

 オーストラリアでヨーロッパから持ち込んだ動物が何か強毒性のウィルスをばらまき野生動物が死んだが、ウィルスはその後弱毒化したという話しを昔聞いたことがある。あれは何だっただろう?
 ネットで検索したらミクソーマウィルスだった。穴ウサギを駆除するために人為的に持ち込まれた。当初の致死率は99.99%だったが、すぐに50%程度に下がったとある***。

 しかし、SARS騒ぎでも証明されたように、それほど病原毒性が強くないことがはっきりしたのだから、「過剰反応」ではないのだろうか?

 さて、強毒性の鳥インフルエンザは変異を繰り返しいずれは「新種」を生み出し人間に感染を引き起こす。渡り鳥を全部殺すことはできない相談だし、やれてもやるべきことではない。
 人間だけが生き延びればいいという理屈は生態系の連鎖を断ち切り、生物多様性を否定する思想である。そのような論理の行き着く先は人類滅亡である。
 人類は大きな被害を出しながらもそうした強毒性のウィルスを受け入れ、共存していくしかないのだろう。


*NHKニュース「北海道浜中町 野鳥の監視強化」
http://www.nhk.or.jp/news/html/20110123/t10013571971000.html

**『発生は時間の問題、『21世紀のペスト』』
 「強毒型ウィルスと弱毒型ウィルス」
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/bookreview/37/index4.html

***ミクソーマウィルス
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%8E%E7%B2%98%E6%B6%B2%E8%85%AB


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受験シーズン:新型インフルエンザに注意 #889 Feb.9, 2010 [感染症および自己免疫疾患]

 流行のピークは10月だったようだが、高校生に新型インフルエンザ患者が数人(多いクラスで3人)出ているようだから、受験が近い中3年生は注意しよう。
 注意とはいって「もうがい」「手洗い」をまめにすること、夜更かししないで規則正しい生活を心がけるくらいだろう。かかったなと思ったら、病院でタミフルを処方してもらい早めに対処しよう。

 中高生で重症化する例は多くはないから、余り神経質になる必要はない。インフルエンザの流行を完全にとめることはできないし、いずれは人類の大半が罹って免疫を獲得することになる。

 ところで高校生は今月下旬が学年末テスト、中学3年生は3月3日が高校受験、中学1・2年生は3月初旬に学年末テストが予定されている。

 中学や高校時代に適切なやり方でしっかり勉強すれば頭はよくなる。脳は鍛えることができるのだから脳の成長期に怠けさせてはいけない。自分の脳は自分が鍛えるしかない。
 頭のよい大人になるかならぬか、その半分くらいはどういう中高生生活を送るかにかかっているような気がする。残りの半分は社会人となって苦労をする中で体験を通じて智慧を育むのだろう。

新型インフルエンザウィルスが直接肺炎を起こす #874 Jan.22, 2010 [感染症および自己免疫疾患]

 私は朝ベッドの中でラジオを聞いていることが多いが、今朝8時少し前にNHKで8月31日に稚内のホテルで死亡した保健婦さんのことが報じられた。
 肺胞を調べたところ新型インフルエンザウィルスが直接肺炎を起こしていたという。肺炎を発症してから半日で急激に重症化して死亡したと推定されている。
 通常の肺炎はインフルエンザウィルスではなく細菌が起こす。細菌より大きくウィルスより小さいマイコプラズマが原因となる肺炎はマイコプラズマ肺炎といい、異型肺炎と呼ばれている。
 新型インフルエンザウィルスが肺炎を起こしたことが確認された国内初症例とのことだ。

 当初は肺炎が多発するのではないかと心配されたが、流行のピークを過ぎたが肺炎で重症化する例は稀だった。ウィルスが強毒化しなかったのである。
 それにしても、新型インフルエンザの聞き取り調査に従事していた利尻島の保健婦さんが死亡してから4ヵ月半も経ってからの調査結果公表にはどういう事情があるのだろう?
 簡易検査で新型インフル陽性だったのにいままで病理解剖しなかったわけではあるまい。病理標本として冷凍保存してあった肺組織を薄切して肺胞を検査したのかもしれない。それとも影響が大きすぎるから公表を控えていたのだろうか?解せない調査と結果の公表だと思いつつも、9月初旬の時点で患者の聞き取り調査に当たっていた保健婦さんが、肺炎発症後半日で重症化して亡くなったというニュースが流れたらパニックになっていたに違いない。

 保健婦さんは聞き取り調査の際にはマスクを着用していたという。持病は高血圧だけだから、喘息など厚生労働省が注意を呼びかけた基礎疾患に該当する持病はなかった。それでも感染し、死亡した。
 医療従事者として、新型インフルエンザによる国内初の殉職であることが判明したので、改めてご冥福を祈りたい。合掌。

以下は当時配信された毎日新聞のネットニュースである

新型インフル:感染の40代女性保健師死亡

 北海道は31日、新型インフルエンザに感染した稚内保健所利尻支所(利尻町)に勤める40代の女性保健師が死亡したと発表した。
女性は新型インフル患者の聞き取り調査などに従事していた。感染者の死者は全国で8人目で、医療従事者は初。

 道によると、女性には高血圧症の基礎疾患があったが、厚生労働省が注意を呼び掛けていた「重症化しやすい疾病」には含まれていなかった。
女性の感染経路や、新型インフルと死亡との因果関係は不明。

 女性は29日に稚内市内の医療機関でインフルエンザA型と診断された。同日、稚内のホテルに宿泊したが、30日午後2時ごろ、
客室で意識不明の状態で倒れているのをホテル従業員が発見し、医師が死亡を確認した。死因は急性心不全だった。

 女性は21日、利尻町の隣の利尻富士町の公立中学校で新型インフルの集団感染が発生しした際、マスクなどをしたうえで患者から
聞き取り調査をしていた。道は女性の行動範囲や接触状況を調べている。


マイナス4.5度 #832 Dec.15, 2009 [感染症および自己免疫疾患]

マイナス4.5度 #832 Dec.15, 2009

 夜9時過ぎの気温は合同庁舎前の気温表示板でマイナス4.5度だった。今日が一番寒い。

 3時半頃、「ニーノ」へパンを買いに行ったら休みだった。「ヤママン」へ行ったらまた休み、今日は根室パン業界の寄り合いでもあったのかな?3軒めのポスで買ったピザパンが美味しかった。もちろん、温めなおして熱々のところを食べた。

 新型インフルエンザで休んでいる生徒が一人だけいる。10月や11月に比べると感染拡大は収束しつつあるように感じられる。ウィルス毒性も弱毒のままで変化せずだ。呼吸不全を起こして死亡する人も少ない。3月頃に人工呼吸器の配備を急げとブログに書いたが、心配は杞憂に終わった。
 一部にタミフル耐性ウィルスが報告されているが、広がってはいないようだ。通常の季節性インフルエンザと余り変わらない。最近の調査では目立った症状の出ない不顕感染が18%あるという。

 今日と明日は全国的に寒いようだが、旬の果物を食べて、早めに寝よう。蜜柑と林檎が美味しい季節だ。干し柿もいい。


釧路市内で10歳の男児が新型インフルで死亡 #797 Nov.10, 2009 [感染症および自己免疫疾患]

釧路市内で10歳の男児が新型インフルで死亡 #797 Nov.10, 2009
 釧路市内の10歳の男児がインフルエンザで死亡したと先ほどテレビが報じた。簡易検査で新型インフルエンザ陽性だった。基礎疾患はなかったという。季節性インフルエンザの可能性もあるから、確認のために精密検査がこれから行われる。

 小学生や就学前児童がインフルエンザの疑いのある症状を訴えたら、すぐに病院へ連れて行こう。新型インフルエンザは小児が重症化しやすいのがきわだった特徴である肺炎による呼吸不全症状を起こし始めたらタミフルが効かないから治療に人工呼吸器が必要になる。

 夜9時半頃、合同庁舎前の気温表示板は3.9度だった。朝方は零度近くまで冷え込むかもしれない。日増しに寒さが厳しくなる。体調の管理に気を配ろう。

<中学校学力テストへの影響>
 啓雲中は先週学力テストを実施した。答案は明日返却される。今日は歯舞中学が学力テストだった。明日は光洋中と柏陵中が学力テストだ。インフルエンザが流行ったせいで11月5日の3年生「総合C」が延びて、1・2年生と一緒になった。柏陵中は1年生が学年閉鎖で学力テストが来週水曜日に延期された。新型インフルエンザはあちこちに影響を及ぼしている。


修学旅行にタミフル携行は可能だったか? #796 Nov.10, 2009 [感染症および自己免疫疾患]

修学旅行にタミフル携行は法的な問題あり #796 Nov.10, 2009

  看護師さんを親にもつ生徒がいたとしよう。新型インフルエンザ流行のピークの最中(さなか)にあるから、薬をもたせようとドクターにタミフルの処方ができないか相談したとしよう。話しを聞いたドクターは、「修学旅行は親がついていかないのでタミフルは出せない」と断る。
 投薬によって事故があった場合に法的な責任を問われかねないから当然のことだ。副作用のある薬だから、保護者の監視下でないと投薬は認められないと看護師さんに説明する。

 修学旅行で予測される患者発生に備えて、病院に抗インフルエンザ薬タミフルを要請しても、法的な問題があるので、医者は薬を出せなかった可能性が強い。タミフル携行をブログに書いて勧めた私が浅慮だった。

 副作用の強い薬だから、万が一、投薬後に道路へ飛び出すとか、旅館あるいはホテルから飛び降りる可能性がある。医者が法的な問題について顧問弁護士へ相談すれば、顧問弁護士がとめるだろう。

 法的な問題をクリアするためには、ありうべき事態を想定して、学校側が事前に書面で父兄に説明し、覚書を交わしておかなければならない。発熱症状が見られた場合には速やかに投薬すること、先生が「善良なる第三者の注意義務」をもって看護すること、それでもなおかつ事故が起きた場合には免責する旨の覚書が必要だろう。

 そこまでの作業を高校側に要求するのは一般的に見て無理がある。もちろん、やってくれれば、それにこしたことはないが、「特段の配慮」を同行の先生方に強いることになるので、やはり負担が多すぎ、実務的に無理があったと反省せざるをえない。
 他の学校の修学旅行でも同様のことが考えられるので一連の発言を訂正しておく。

新型インフルと根室高校修学旅行顛末記(2) #794 Nov. 9, 2009 [感染症および自己免疫疾患]

新型インフルと根室高校修学旅行顛末記(2) #794 Nov. 9, 2009

 二つ前のブログ#792で顛末記の「速報」を書いた。発熱患者はいただろうという推測はあたっていたが、その後が違っていた。

 昔は別々だったが、普通科・商業科・事務情報科は一緒に修学旅行に行っている。一学年200人だから飛行機1台チャータにちょうどいいサイズだ、昔は350人もいたからね。
 普通科の一人と商業化の一人、計2名が発熱し途中で根室への帰途についたという。一生に一度の修学旅行、さぞかしがっかりしただろう。

 どうやら先生たちは市立病院の医者と交渉してタミフルを携行するという「備え」がなかったようだ。せっかくブログで書いておいたのに残念だ。道教委から旅行途中で発熱した場合はただちに帰すべしという通達でもあったのだろうか、それとも患者は出ないと高をくくったのだろうか。交渉はしたけれど、患者が発生していないのに薬を出すわけにはいかないとでも病院に言われたのだろうか?仔細はわからない。

 仕事は事前の準備が7割、結果の良し悪しはほとんど準備作業の適否で決まると言っても過言ではない。交渉の巧みさも必要条件である。どうすれば相手を納得させられるか、コミュニケーション力が試される。

 高校生諸君は社会人になったら、仕事の重要度に応じた準備を怠らず、このような愚を犯さないようになってもらいたい。
 ちょっときついレッスンになってしまったが、他人の痛みをわが痛みと受け止め、現実の厳しさをしっかり記憶しておこう。こういう体験から学ばないと、中途で帰途についた仲間に申し訳がないというものだ。
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