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#2558 基礎学力問題対話(4) : 勉強の躾け方 Jan. 5, 2014  [J&K対話]

 さて、バーチャル対話シリーズ4回目だが、家庭での勉強の躾け方についてジローに語ってもらう。お母さんたちは参考にして、やってみてほしい、勉強好きな子はつくれる。

K:ジローと飲むと酒が旨いな、そろそろ本題に入ろうか。
J:本題?なんだっけ。
Kおいおいジロー、少し酔ったようだな、家庭での勉強の躾け方を聞きたいと前に話しておいたろう?
J:ああ、なんだあの話か、自慢話になりそうで話したくない。
K:そういう謙虚なところはメンコイ、でもジローの成功体験をしゃべってもらうよ。根室管内の子どもたちの学力が都道府県別偏差値で小学6年生が37.0、中学3年生が41.4だ、じつは根室市内は管内よりも低いという情報が入っている、根室市教委はそうした事実を隠している、この低学力という現状はなんとしても変えたい。それには勉強の躾け方も重要な要素のひとつだから、ジローのノウハウを洗いざらいゲロしてもらって、公開したい。
J:そんなにたいそうなことではない、じつは簡単なことなんだ。1年生で習ってきた漢字を10回書かせる。コピー用紙を買ってきて問題を書いてやるんだ。きちんと書けたら「きれいに書けたね」とにこにこ褒めながら赤で大きなマルをつけてやるんだ。最初はひらがなやカタカナの練習でいい。すぐに漢字が出てくるから、出てきたら漢字を書かせればいい。やらせる時間は最初の内は15分とか20分でいい、「生活習慣の一部」にするために毎日やることが大事だからな。
 2年生になったら、習った漢字で短文章を一つ作らせる。こうすると勉強時間が自然に長くなるんだな。少し考えないと1行の短い分が思い浮かばないから。きちんと書けたら「きれいに書けたね」とニコニコ微笑んで大きくマルだ。そして1年生の漢字の復習もさせる。繰り返し書かせることが大事だ。 
 3年になったらまた同じことの繰り返しだ。1年2年3年の漢字を繰り返し書かせる。そして3年生で習った漢字は短文章を二つ作らせる。できたら、ニコニコ微笑んで、「きれいに書けたな」とまた褒めてマルをつける。
 4年生からは1年の漢字の復習はしない。2年からの3ヵ年分の漢字を書かせる。その漢字を使った短文章は二つ、できがよければ三つに拡張してもいい。三つにすると難易度がかなり上がる。でもむずかしいから無理しないように。こういうふうにやると作文が書けるように自然になっている。
 5年生は3・4・5年の3年分の漢字の書き取りトレーニングを続ける、6年生は4・5・6年の3年分だ。ようするに同じことの繰り返しだ、単純なトレーニングを繰り返して習慣にしただけ
K:毎日やることは習慣になり、習慣はいつか性格を形成する。6年かけて、毎日きちんと家で勉強する子ができあがるというわけだ。そうやって国語の素養をしっかり家庭で躾けたのか、たいしたものだが、おまえの方法は北教組の先生たちの指導法とはまったく逆だ。彼ら・彼女たちがお得意にしているのは「問題解決型学習」というやつで、そういう単純なトレーニングを嫌う。「生徒に考えさせる授業」というもので、基礎基本の単純トレーニングの繰り返しを嫌う。それで基礎計算力のない小学生が増えてしまった。
 ジローは北教組のシンパのはずだが、指導論では、問題演習時間をしっかり確保するというTOSSとそっくりだ。北教組大好き人間なのに自分の子どもにやってることは真逆だよ。おまえは好い加減なやつだな、でも立派だよ。自分の子どものことになるとちゃっかり主義主張と別なことを選んでいる。(笑)
J:え、そうなのか?
K:そうだよ、自分の教育法が正しいと思うなら、教育に関しては北教組親派という考えを自信をもって改め、お仲間を説得すべきだな。「読み・書き・そろばん」の基礎学力は単純なトレーニングの繰り返しが有効な指導法だというのは、ジローだけではないぞ、おまえがきらいな基礎学力問題のご本家「釧路の教育を考える会」もジローと同じだ。ようするにジローがやっていることは「釧路の教育を考える会」の主張と同じだよ。つまりだ、北教組支持のおまえと「釧路の教育を考える会」のメンバーのおれの意見は一緒だ。「宗旨」替えしろとはいわんよ、馬の鞍を替えるようなわけにはいかない、もう身体の一部のようなもの、外せっこないだろうからな。
 次は算数だ。
J:算数は足し算を毎日5題から10題、紙に書いて問題をオレがつくってやらせた。足し算の次は引き算。九九を習ったら、九九。そして掛け算と割り算。毎日問題をつくってやらせた。
K:たいした根気だ、おそれいるよ、ところで逆九九はやらせたか?
J:もちろん、いっしょに声に出してやって教えた。9×9=81、9×8=72、9×7=63、・・・、9×1=9、8×9=72、8×8=64、・・・、2×2=4、2×1=2、という下がっていく九九だな。
K:そうだよ、掛け算も割り算も、小数の計算も分数の計算も、毎日毎日問題を書いて教えたのか?
J:そうだ、4年生まではそうしたが、あとは問題集で自分でやっていたよ。
K:これも昔のやり方そのままだ。単純な計算トレーニングの繰り返しだ。学校でやっている問題解決型指導法とは違って、単純で有効な方法だ。こういうトレーニングの積み重ねが威力を発揮するのは高校数学だ。トレーニング不足のものは計算スピードが追いつかないから試験の点数が上がらない。計算力が不足していると、試験問題を全部やることはできない。
 面白いな、学校現場とはまったく違う、むかしからある古い方法でジローは子どもに勉強を躾けた。その結果、ジローの子どもは三人とも国立大学へ進学か、根室ではほとんど例がないな。
 ジローも還暦をとっくに過ぎたんだから、そういうノウハウを若いお母さん達に教えてあげたらどうだ?
J:そんな気はない。第一そういう機会は無いよ。
 小学校低学年で躾けてしまえば、習慣になっているから、あとはほうっておいても自分でしっかり勉強する。それだけで中学校ではトップクラスだ。
K:ようするに、勉強のシツケの急所は小学1年生のときにあるということだ。そこで、母親か父親がしっかり面倒を見てやること。1年生や2年生なら、勉強がきらいだった親でも教えられる
J:やらせるだけではダメで、「よくやったとか」、「上手だねとか」、「きれいに書けたたからマルだ」とニコニコ微笑みかけながらほめることが大事だ。褒めて育てたから、うちの子どもたちはみんなオレよりも字がきれいだ。
K:ありがとう、ほめながらだな、よくわかった。
 ニムオロ塾にもよくいるんだ、「先生、おれほめられて伸びるんだから、たくさんほめてくれ」なんてやつがね。「バカヤロウ、ほめてくれではなくて、ほめてくださいと言えって、叱ってやるんだ」、よし、いいところを見つけていっぱいほめてやろう。

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              ― 補足 ―

 【勉強の躾け方:補足】
 子どもの勉強を躾けるのは案外簡単だ。小学校1年生のときに親が関与して問題をつくり15~30分ほど面倒を見てやるだけでいい。短い時間でいい。毎日やって習慣化することが最優先課題だからね。こどもは紙がいちまい終わったら、褒められて大きなマルをもらい、「もう一回」とせがむようになる。
 勉強は楽しいものだと最初に刷り込みをやっておけばいい。「きれいに書けたね」と褒めてやったら字はどんどんきれいになる。素直に育てればこどもは親よりも字が上手になる物だ。褒められたくて、問題をもう一枚つくってほしいとせがむようになったら、大成功だ。「勉強しろ」なんて小言をいう必要がなくなる。
 ブカツばかりやらせて、家庭での勉強のシツケをしそこなったら、10人中5人はいくら「勉強しろ」といってもしなくなる。習慣になっていればご飯を食べることと同じくらい自然に勉強をするが、やったことがないことはできない。やったことがないという習慣をつけてしまったらたいへんだ。やらないというのも一つの習慣で、習慣を変えるのはたいへんな困難を伴う。タバコや酒やパチンコやゲームをやめるのと同じだ。小学校で家庭学習の習慣を躾けられなかったら、家庭では勉強できない性格になっている。習慣を何年も続けるとそれは性格の一部を形成してしまう。毎日やること、毎日やらないことをおろそかにしてはいけない。それは習慣となり、いつしか性格に化けてしまっている。

 【読書週間のある子は学力が高い】
 本を読む習慣も小学生のうちに育んでほしい。
 読書力は基礎学力の土台だ。「読み・書き・そろばん」の最初が「読み」だ、本を読み毎日国語辞書を引く習慣を小学校4年生になったら躾けてほしい。読む本のレベルを上げていくことも忘れてはならない。レベルの低い本ばかり読んでいると、使われている日本語語彙が貧弱だから語彙拡張が起きない。読む本のレベルを上げると知らない語彙が出てくるから、辞書を引く機会が増える。だから読む本のレベルを上げる必要がある。
 年齢に応じて読む本のレベルを上げていくべきで、どういう本を読むべきかわからなかったら、ニムオロ塾へ来たらいい、塾長が相談に乗るよ。読書相談はビジネスではないからもちろん塾へ入ることも勧めない。学年を聞き、読んだ本をいくつか聞いて、読むべき本を30冊~100冊ほど薦めることになるだろう。そこから選べばいい。3ヶ月に一度くらい報告に来たらいい。様子を聞いて読む本を選んであげる。
 本好きな子どもが増えたらうれしいね。国語が、日本語力がすべての教科の基礎をなしている。「
読み・書き・そろばん」は優先順位の通りに並んでいるから、「読み」が一番大事なんだ。すべての基礎だよ。

 【勉強のシツケには旬がある】
 わたしは、この4回目を書きたくて、前三回を書いた。育て方、家庭勉強のしつけの仕方を間違えてはいけない。シツケには旬の時期があることを忘れないでほしい。

 【人材をつなぎとめるために魅力のある企業に生まれ変われ】
 ジローの子どもたちにかぎらず、東京へ進学した子どもたちはほとんど根室へはもどってこない。地元に魅力のある企業が少ないからだ。これも根室の現実だ。地元企業はオープン経営へ舵を切って経営改革したらいい。
 26年後の2040年には根室の人口は1万8000人だ。社会福祉・人口問題研究所の地域別推計によれば現在よりも1万人も減少する。従業員を大事にしない会社は競争で淘汰されてつぶれていく。地域別人口推計を見たらこんなことは誰にでもわかることだ。
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― 弊ブログ#2269より抜粋引用―

 2010年を100%とすると、2040年は61.3%となる。五年ごとの根室の人口推計値は次のようになっている。

 (1966年 49,892) 根室の人口のピーク

 2010年 29,201
 2015年 27,203
 2020年 25,390
 2025年 23,494
 2030年 21,571
 2035年 19,697
 2040年 17,892
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 退職金規程とか経理規程とか企業規模に合わせて必要な規程類を整備し働き甲斐のある会社に作り変えることができなければ、半数の会社が26年間の間につぶれるよ、それくらい人口減少の現実は厳しい。生き残りたければ、経営改革を推し進めるしかない。
 やり方のわからない地元経営者はebisuのところに相談に来たらいい。会社の上場に3回関係しているから、規程類の整備の仕方や経営改善のやりかたについて"内緒で"教えてあげる。こんなこと、東京から人を呼んでやったら数千万円かかるよ。それくらい値打ちがある。数人揃って来てもいいよ。株式上場しようというくらいの意気込みのある企業があったら根室の町は劇的に変るよ

 教育は国の基(もとい)であり、わがふるさとの基でもある。自分がやった家庭学習の躾け方を公開してくれたジローに感謝。 m(_ _)m

 さあ、お母さんとお父さんたち、今度はあなたたちの番だよ。自分の子どもが可愛くない親なんていないだろうから、小さいうちにたくさん手をかけてやったらいい。
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*#2332 19~29歳対象 根室市アンケート 異常に低い回収率13.2% Jun. 16, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-06-16

 #2359 地元企業への就職:"御社は決算を従業員へ公開してますか?" July 20, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20

 #2272 根室 「57年間の人口推移+27年間の推計一覧表」 Apr. 23, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-23-1

 #2269 衝撃!根室市の人口推計値 :とまらぬ人口減少 Apr. 21, 2013 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2013-04-21

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*#2555 基礎学力問題対話(1) :社会が悪い⇔低学力層は就職が困難 Jan. 4, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-04

 #2556 基礎学力問題対話(2) : 労働時間と仕事時間 Jan. 5, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-05

 #2557 基礎学力問題対話(3) : 教師の仕事とは? Jan. 5, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-05-1

 #2558 基礎学力問題対話(4) : 勉強の躾け方 Jan. 5, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-06
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#2557 基礎学力問題対話(3) : 教師の仕事とは? Jan. 5, 2014 [J&K対話]

 今日は『風とともに去りぬ 五』を読んでいる。南部は民主党の地盤で、北部は共和党、なんとなく逆だと思っていた。あなたはどうか?

 初回は基礎学力問題と就職について議論した。そして前回は労働時間と仕事時間という考え方の差異、そして学校と民間企業の仕事時間の総意についてだった。今回は教員の仕事のナカミについての対話である。


K:考えの違うところは承知しつつ、具体的な論点を取り上げながら、議論を深めたい。それで今回は仕事のナカミをとりあげてみようと思うが、どうか?
J:それではわからない、もっと具体的にいってもらいたい。
K:先生の仕事の中心は授業だろう、そこをとりあげたい。教師の仕事のコア(核)の部分といってよいだろう。
J:なんだ、授業か、取り上げることについては異存はないよ、何が問題なんだ?
K:3校6回のフリー参観授業でわかったことは、中学校の先生たちはあまり勉強していないということ。それは教員免許ともなんとなく関係がありそうに思えるんだ。
J:証拠もなしに「あまり勉強していない」というのは言いがかりだ。
K:では具体的な話しをして見たい、どういうことかというと論点は二つ三つある。一つ目は学習指導要領との関係だ。文科省は一昨年に学習指導要領は教える内容の最低基準だと定義を変更したのだが、現場の先生たちは切り替えができない、あいかわらずこれまでそうだったように、学習指導要領に記載のある事項しか授業で教えていない。そこからはみ出した授業はフリー参観授業でついに一度も「目撃」しなかった。
 一例を挙げると、現在完了の継続用法のところでの文例は現在完了進行形をつかった例文が一つも挙げられていない。学習指導要領にないからか、教師用の本に載っていないからだろうとわたしは推測している。学習指導要領をはみ出しているから以前は教えてはいけないことだったが、いまは教えていいのだよ。でも、長年の授業が癖になって、一歩前に踏み出せない。もっと授業研究していいはずだ。
 生徒のノートをモニタリングしてのことだが、数学の「場合の数」は中2の分野だが、コンビネーション記号nCrやパーミュテーション記号nPrを解説した先生を知らない。中学校で上手に教えていいのだよ。大半の生徒が高校数学Aを苦手としているのは、中学校の授業のやり方に問題があることを示している。中学校の授業は高校の授業とのつながりを意識してメリハリをつけてやるべきだ。ニムオロ塾では成績上位層には教えている。考え方がわかれば、大丈夫だ。
 二次方程式の一般解だって解法手順を教えてやれば、成績上位の生徒30%ていどは理解できるだろう。37年前に東京渋谷の進学教室で教えていたときは自分の担当の生徒には全員教えていたし、自力で一般解を導き出せない生徒はほとんどいなかった。二次関数も数Ⅰの範囲まで拡張して説明していい。頂点の移動と式がリンクするのは楽しいはずだ、要点だけ解説して知的興味をそそってあげたらいい。東京の中高一貫校では中3年生に数Ⅰの二次関数を教えているよ。隣の釧路の武修館中学だってやっているはず。
 塾は元々学習指導要領を超えてやるのがあたりまえの世界だから、授業進度を学習指導要領に縛られることはないから、生徒のニーズに合わせて教えている。中3のトップクラスの生徒には、中級レベルの語学研修所用の問題集"grammar in Use"すら何度も使っている。高校から大学教養課程レベルだろう。
J:学校の全部の授業を見たわけではないだろう、結論が早計ではないのか?
K:それはそうだが、全部を見るなんて不可能な話だから、そんなことを議論しても始まらない。見た限りで物をいうしかない。
 長年の習慣は改められないものだ、癖になっているから、ベテランほど切り換えが困難だろう。いままでの授業パターンが身についてしまっている。「癖」をとるのは案外むずかしい。
J:二つ目はなんだ?
K:教えている科目の素養の問題だ。たとえば英語の授業だ。4年ほど前まで使っていた教科書には'will' と'be going to'の誤用が載っていた。どの学校の英語の先生もその誤用を指摘しなかったよ、不思議だった。高校の英文法の副読本にはきちんと出ているし、NHKラジオ講座でも、テレビ講座でも10年も前からそういう解説をしていたり、使われるシーンの違いを説明していたからね。つまり、自分の教えている科目についての新しい情報を見ていない、あるいは無関心ということだろう?知っていてあえて目をつぶっていたという可能性がないとはいわぬが・・・
 大学の学部時代の知識レベルにとどまっている教員が少なくないのだと思わざるをえない。それにはシステム上の理由もある。
J:二つ目の論点は、教えている科目についての教員の勉強不足、専門知識不足ということか。ところでそのシステム上の理由というのはなに?
K:OJTさ。学校にはOJTがない。On the Job Training は民間会社ならどこでもやっている。新入社員は3年ぐらいOJTで上司から指導され、叱られて一人前になる。学卒の知識なんて基礎の基礎だ。OJTを経なければほとんどが使いものにならない。
J:学校だって研修はやってるぜ。
K:そこが違うのさ、民間企業は毎日の仕事がOJTだ。三年くらいみっちり仕込まれてから仕事を任される。もちろん、OJTがすんだあとも、「ホウレンンソウ」はあたりまえだ。
J:なんだいその「ホウレンソウ」って。
K:報告・連絡・相談だ、それを一文字ずつとって「報連相」というんだ。OJTに話しを戻すと、たとえば英文科を卒業した新入社員が、輸入商社で一人前の仕事ができるようになるには3年ほどかかる。大学でやる程度の勉強では実務はこなせないということだ。学校の先生は教員に採用されたら、OJTなしにすぐに授業をやることになる。OJTなしに三年で一人前になれるものなんて10人にひとりだろう。つまり、必要なトレーニングを積んでいない者たちが、授業をしている。専門知識も足りないし、授業技術の指導もうけていない、これではうまくいくはずがない。だから、教師用指導書の通りの授業になってしまう。同じ科目については同じところをやっていたら滑稽なくらいそっくりな授業になっている。
J:うーん、反論材料のもちあわせがない。
K:教育大の教授たちは具体的な指導技術をもっていないのだろう。やたら屁理屈のような教育論を振り回すだけ。師範学校だったら、授業技術の習得にもっと力を入れていいし、教える指導技術ももっともっと具体的であるべきだ。
J:教員免許の話しがあったね、それが三つ目かい?
K:そうだ、その点はわたしよりもジローのほうが知っているだろう?教員養成大学は単位をとればどの科目でも免許取得可能だということ。一般大学では学部学科で教員免許の種類が限られている。その反面、交付される免許の科目については4年間みっちり勉強する建前になっている。ところが教員養成大学では何単位かそれぞれの科目に必要な単位を修得するだけでいいのだろう?教育大ではないのでわたしはそのあたりのことをよく知らない。
J:そうだ、そうなってたはず。そんな風に聞いた。
K:もともと教える科目について、教育大出身者と一般大学出身者とでは専門知識の量に差がある。そのうえ、OJTがないとなったら、どういうことになるか想像がつくだろう。授業を参観して、どうして専門知識が浅いのか理由がわからなかったのだが、昨年ようやくそのあたりに気がついたという次第だ。
J:大学で不十分なら、卒業してからやればいい。
K:そこが問題なんだ。不勉強な先生が多いというのを事実と假定すると、OJTがないことは致命的だ。おざなりな数日の研修などほとんど効果のあるはずがない。OJTは日常的なトレーニングなんだ。上司は何人かの中からはいあがった管理職あるいは主任・係長クラスだからルーチンワークのスキルはしっかりもっている。毎日の仕事を通してそのスキルを伝えるわけだ。
 学校の教員にはそういうあたりまえのトレーニング・システムがない。
J:もっと何かありそうだな?
K:いい勘している、ピンポーンだ。ここからはわたしの持論だが、「労働」*という考えがいけない。労働能力を時間で切り売りしているという意識こそが癌だ。北教組や日教組の先生たちは、マルクスの賃労働概念をよくご存知だ。時間を切り売りしているという感覚で「労働」したら、どうしたら得すると思う?それはナカミを薄くすることだ。ロシアの農業労働者が雇い主に隠れて作業中に酒を飲んだくれ、仕事の手抜きをするというシーンを見たことがある。NHKの特番だった。マルクスの労働概念を受け入れてしまうとああいうことになる。
 「労働」ではなく「仕事」と思えばまったく態度は違う。仕事は元来神聖なもので、他人に言われなくても手を抜くことが許されない。神々への捧げものをつくるのが仕事の本来の意味だ。どんな職人仕事も神聖な部分を秘めている。教員を知を伝える職人だと定義したら、仕事の手は抜けなくなる。仕事の手を抜くような者は半端職人としてさげすまされる。毎日、己の専門知識を深め、授業技術を磨く、それは教員のあたりまえの義務だ。そういうことを欠いたら、まともな仕事にならない。教員も他の職人たちとなんら変るところはないとわたしは考えている。正面から向き合ったら、教員というのは実にたいへんな仕事なのだろうと思う。一流の職人はどんな分野でもそれなりの厳しいトレーニング、研鑽を積んでいる。
J:学校の先生たちは専門分野について勉強不足、そして学卒者が一人前の教員になるシステム=OJT学校にはないというのがケンの主張か。
K:全部の先生がそうだというのではない、参観した授業の限りではそのとおりだ。だが、授業スキルについてはトレーニングを積み重ねその技倆を高め共有している先生たちがいることを知っている。わたしはそういう先生たちを高く評価しているから、全部否定ではないのだよ。

 さて、そろそろジローの子育て、家庭学習の躾け方についてうかがおうか。次回は小学校に入学するお母さんたちのための講座だ。



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  *【労働と仕事:概念の差異】#2556より抜粋引用
 労働と仕事はまったく異なる概念で、言葉は正しく使うべき。自分の授業が労働だなんてカン違いしている要因はいまからその考え方の誤りを正して仕事に励んでもらいたい。とても大切な概念なので再掲する。

*********
J:労働時間の話か。
K:それがいけない、仕事時間だ、労働時間の「労働」ということばはマルクスや古典派経済学の濃い色がついている。労働の労はワカンムリの上の点は旧字では火が二つ並んでいる、そしてテヘンがあった。白川静『字統』には次のように載っている。
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労:声符は労(ろう)。労はもと聖火をもってスキ(力)を祓い清める意で、農耕儀礼に関する字であるが、のちひろく労働をいう。

働:声符は動(ドウ) 動はもと農耕に従事することを意味する字。重の部分はもと童、すなわち家ドウ(ドウの字はニンベンに重の字)、すなわち召使をいう。働はわが国で作られた字であるが、中国の字書にも入れられており、労働の字に用いる。
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 労働の労の字は火をもってスキを祓い清めるという意味だ、手で掬い取ることを意味する。働の字が意味深だろう、自ら働くのではなく、ご主人様がいて、召し使われるという意味だ。西洋のlaborの訳語としてふさわしい。「汗水流して働く」「苦しむ」「苦役」という意味がlaborにはある。本をただせば、ギリシアの市民社会=奴隷制社会にいきつく。ご主人がいてその命令で汗水流して働くことをいう労働の本来の意味がここにある。
 奴隷制度の存在しない日本には古来「労働」をいう概念はない。あるのは「仕事」だ。「仕」は「学ぶ」「仕える」の意であり、「仕えるために学ぶ」こと。「事」も「つかえる」の意で、「宦学して師に事(ツカ)ふ」という語があり、「仕官のために学ぶことをいう」。
 日本語の仕事は八百万の神々あるいは天照大神に捧げるものをつくることをいう。仕事は神聖なものだ。だから年の仕事始めには禊をして仕事をし、神に捧げる。刀鍛冶の仕事を想起してもらいたい。仕事が神聖なものなら手を抜くことは許されない。一人前の職人はけっして仕事の手を抜かない。抜けばそれは仕事に対する冒涜だから。必要なスキルは日々磨くし、仕事のできばえに直結する道具の手入れも怠らない。それは工場労働者ですら同じだ。工場の機械の手入れ、清掃の手を抜かないのが日本人の工場労働者だ。それは工場の職人という意識があるからだろう。米国の労働者なら5時のチャイムがなった途端に、仕事を放り出してそのまま終業だろう。日本人は片付けの時間を計算して、周りをきちんと片付けて仕事を終える。これは職人仕事の伝統からきている。仕事を始める前よりも終わったときのほうがきれいだと思えるくらい片付けと清掃の手を抜かない。
 製造業の5S運動は職人仕事の文化の上に咲いた花だ。その淵源はおそらく縄文土器の製造にまで遡るから、5000年の文化的背景がある。日本製品の品質を高めている理由の一つは5000年培ってきた職人文化だ。


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Grammar in Use Intermediate Student's Book with Answers and CD-ROM: Self-study Reference and Practice for Students of North American English (Book & CD Rom)

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  • 作者: Raymond Murphy
  • 出版社/メーカー: Cambridge University Press
  • 発売日: 2009/03/09
  • メディア: ペーパーバック


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*#2555 基礎学力問題対話(1) :社会が悪い⇔低学力層は就職が困難 Jan. 4, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-04

 #2556 基礎学力問題対話(2) : 労働時間と仕事時間 Jan. 5, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-05

 #2557 基礎学力問題対話(3) : 教師の仕事とは? Jan. 5, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-05-1

 #2558 基礎学力問題対話(4) : 勉強の躾け方 Jan. 5, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-06
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#2556 基礎学力問題対話(2) : 労働時間と仕事時間 Jan. 5, 2014 [J&K対話]

 基礎学力に関する問題を日本語語彙が小学4年生以下の中学生が25%ほどもいて、そうした低学力層の半数以上が高校を卒業しても働く場所がみつからないことになる。
 北教組シンパのJはそのような低学力層の働くところがない社会が悪いから、社会改革をすべきだと主張し、Kは小・中学校で放課後補習を数ヶ月やれば解決できる問題だと主張する。意見は平行線だった。
 この対話は、お互いの意見がどこで対立しているのか、どこで一致するのかをつまびらかにするためのものだ。正月で酒を飲みながらの話だから、議論がかみ合わなかったり、それたりするところはご寛恕ねがいたい。

K:先生たちが忙しいとJはいうが、それでは仕事している時間を比較してみたい。
J:労働時間の話か。
K:それがいけない、仕事時間だ、労働時間の「労働」ということばはマルクスや古典派経済学の濃い色がついている。労働の労はワカンムリの上の点は旧字では火が二つ並んでいる、そしてテヘンがあった。白川静『字統』には次のように載っている。
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労:声符は労(ろう)。労はもと聖火をもってスキ(力)を祓い清める意で、農耕儀礼に関する字であるが、のちひろく労働をいう。

働:声符は動(ドウ) 動はもと農耕に従事することを意味する字。重の部分はもと童、すなわち家ドウ(ドウの字はニンベンに重の字)、すなわち召使をいう。働はわが国で作られた字であるが、中国の字書にも入れられており、労働の字に用いる。
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 労働の労の字は火をもってスキを祓い清めるという意味だ、手で掬い取ることを意味する。働の字が意味深だろう、自ら働くのではなく、ご主人様がいて、召し使われるという意味だ。西洋のlaborの訳語としてふさわしい。「汗水流して働く」「苦しむ」「苦役」という意味がlaborにはある。本をただせば、ギリシアの市民社会=奴隷制社会にいきつく。ご主人がいてその命令で汗水流して働くことをいう労働の本来の意味がここにある。
 奴隷制度のなかった日本には古来「労働」をいう概念はない。あるのは「仕事」だ。「仕」は「学ぶ」「仕える」の意であり、「仕えるために学ぶ」こと。「事」も「つかえる」の意で、「宦学して師に事(ツカ)ふ」という語があり、「仕官のために学ぶことをいう」。
 日本語の仕事は八百万の神々あるいは天照大神に捧げるものをつくることをいう。神々に仕える、事(つか)えるということだから、仕事は神聖なものだ。だから年の仕事始めには禊をして仕事をし、神に捧げる。刀鍛冶の仕事を想起してもらいたい。仕事が神聖なものなら手を抜くことは許されない。一人前の職人はけっして仕事の手を抜かない。抜けばそれは仕事に対する冒涜だから。必要なスキルは日々磨くし、仕事のできばえに直結する道具の手入れも怠らない。それは工場労働者ですら同じだ。工場の機械の手入れ、清掃の手を抜かないのが日本人の工場労働者だ。それは工場の職人という意識があるからだろう。米国の労働者なら5時のチャイムがなった途端に、仕事を放り出してそのまま終業だろう。日本人は片付けの時間を計算して、周りをきちんと片付けて仕事を終える。これは職人仕事の伝統からきている。仕事を始める前よりも終わったときのほうがきれいだと思えるくらい片付けと清掃の手を抜かない。
 製造業の5S運動は職人仕事の文化の上に咲いた花だ。その淵源はおそらく縄文土器の製造にまだ遡るから、5000年の文化的背景がある。日本製品の品質を高めている理由の一つは5000年培ってきた職人文化だ。
 結論だ、「労働」という言葉で考えることから間違いが生まれる、日本人は「仕事」という言葉を使うべきだ。労働といったとたんにそれは苦役を語っている。
 仕事は神と関係があり、それをすることは歓びだ。
 西洋では退職は苦役からの解放を意味し、日本では仕事からの疎外を意味する。それほど違うということに、日本人なら気を配ってもらいたい。
J:たいそうな定義をもち出したな、おれは「労働」でこの歳までやってきたし、マルクスが好きだし使い慣れた用語だからから労働という用語を使いたい。でもKの論はちょっと気になるな。
K:ではもう一言付け加えよう。マルクスは「生産手段からの疎外」をいう、意味は労働者が生産手段をもたないことだ。ところが、日本人の職人は自分の道具をもっており、手入れも自分でする。道具の良し悪しが仕事のできを左右するからだ。いい仕事はいい道具を使わなければできない。職人仕事とはドイツでいったら、「マイスター」の仕事だ。マルクスの『資本論』にはこういうマイスターの仕事が入っていない。工場労働だけしかその範疇にはない、実に狭い経済学だ。西洋にも職人仕事=マイスター制度はある。おれは職人仕事をベースにした経済学を考えている。工場労働経済学のマルクス『資本論』を超えようというわけだ。
J:たいそうな勢いだな。マルクスを否定するなんてオレには考えられない。Kは「仕事」と言い、おれは「労働」だ、それでいいだろう?
K:では違いがハッキリしたところで、話しを元に戻そう。仕事時間の話だが、昨年学校の先生の投稿をどこかのブログで観た記憶がある。毎日仕事が終わるのが7時で、忙しくて自分の時間がとれないと不平を述べていた。民間企業では20代後半あるいは30代前半で7時に仕事が終わるようなら、仕事に力の入っていない者だろう。仕事をする人間は特定の分野の知識が実務とすり合わせることでどんどん深くなり、境界領域を意識しだすと守備範囲も広がるから、他の専門分野の本を読み勉強しないと目の前の仕事がこなせなくなる。年齢とともに責任も重くなるから当たり前のことだ。どこの会社でも事情は似たようなものだ。7時で帰宅することができて「忙しい」というのは、世間の常識外の発言だろう。
J:俺の知っている首都圏の小学校の先生は毎日のように8時9時まで仕事している。あの仕事はたいへんだ。だから、先生たちにこれ以上負荷をかけるのは酷というものだ。
K:根室管内に毎日8時9時まで学校に残って仕事している先生はほとんどいないだろうな三人に一人くらいの割合でいる*。7 8~9時ころには家についているというのが実態だろう。
 差の大きいところから見ていこう。春休み、夏休み、冬休みがとれる民間会社がどこにある?産休を取った後で、元の職場にもどれる民間会社はどれだけある?官民格差は気にならないのか?
J:それは労働者の権利だから当然のことだ。それに、長期休暇中は生徒は休みでも教職員は休みではない。
K:長期休暇中に授業はないのだから、たまった仕事があればいくらでも片付けられるということだ。教材研究だってまとめてやれるだろう。授業の準備もそうだ。それでも時間がないというのはもう無能としかいいようがない、それが民間企業で働いてきたわたしの実感だ。
 古代ギリシアは市民社会だがそれは奴隷制度を前提とした「特権市民」という意味だ。古代ギリシアの市民社会をいまの日本に見る思いがする。労働組合のある公務員や民間会社の社員は「特権労働者」だ。いまや非正規雇用が「労働者」全体の40%にもなっている。低賃金にあえぎ、内心は雇用不安にふるえている。むかしのジローなら、弱い者の味方だったはずだが、どこでそれを棄ててしまった?
J:非正規雇用労働者も組合をつくればいい、労働者の権利だ。権利は自ら行使しない限り守られないものだ。組合はそうしてできてきた。
K:非正規雇用は不安定ですぐに首を切られるから、組合をつくって自己防衛なんてできるか?現実を見ない観念論に聞こえるよ。むかしは観念論は悪で、唯物論が正しいといって言ってたはずだが、四十数年の歳月はジローを足元の現実を見ない観念論者に変えたのか。
J:バカを言っちゃいけない、おれはいまでも唯物論だ。
K:ここでも話は平行線のようだが、もうすこし具体的な議論をしよう。ブカツの問題だが、これを先生の側からみたら、4時以降は超過労働時間ということになるのだろう。擬似残業手当が中学校の先生には毎月4万円ほど出ているようだ。強いブカツは6時半が「定時」で、土日も練習しているところが多い。親がブカツの指導に横槍をはさむ例が小学校にはよくある話だそうだ。それで地区大会に勝つためには土日の2ブレンをするのは当然だというような圧力をかけるとか、ブカツ指導に直接介入する例まであるようだ。そういうブカツ時間をいれるとたしかに「労働時間」は長いに違いない。
J:たしかに、中学校のブカツには労働時間という点からも問題がありそうだ。先生たちがいそがしい理由の大半はブカツだろう。
K:労働時間ではない仕事時間だろう。それとも学校の先生にはご主人様がいてやらされているのか?ブカツは学校教育の一貫だから、週に4回、一日は放課後補習に当てるとか、時間は5時半までとするとか、土日連続のブカツは禁止とか、ルールを決めるべきだ。本来なら、学校教育の一環ということを意識して、現場の先生が自ら時間制限をやるべきだが、そんなことすら自ら決めて、生徒とその保護者を説得できないことが問題だ。方針を決めて毅然と言い渡す気迫がほしい。
J:無理だよそんなことは。モンスターもいるし、気の弱い先生が多いから。市教委や道教委や文科省が決めればいいことだろう?
K:ジローは変ったな。高校時代はそんなこと言ってたか?「主体性」とか言っていなかったか?相手がどうあろうと、問題は自分だ、そうではなかったのか。イジメの問題だって、弱いものイジメは卑怯な行いで人間として最低だと言い切らなければダメだ。ダメなことはダメとはっきり言うのが教育者だ。
 できない理由を挙げだしたら、できることは一つもなくなる。常にできない理由は10でも20でも挙げることが可能だ。民間企業でそんなことを社員が言い出したら、そいつは一生うだつが上がらない。できない言い訳をするために社員を雇っているわけではない、今日は不可能と思えることを明日は可能にするかもしれないから雇っている。
J:どうやら平行線だな。これくらいにしておこう。

K:仕事のナカミに移ろうか、昨年と一昨年にフリー参観授業を3校、6回見てきた。ちょっと一息入れよう。


***追記*** 5日午後6時半ころ
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*【投稿欄へ寄せられたご意見】(抜粋)

ebisuさんのご意見には頷ける部分も多いのですが、今回の記事の「根室管内に毎日8時9時まで学校に残って仕事している先生はほとんどいないだろうな」というのは事実誤認です。はっきり言って、いくらでもいますよ。それなりの規模の中学校なら、日付が変わるころまで仕事をしている先生も珍しくありません。やり方の巧拙はあるでしょうが、本人がやる気であればあるほど仕事が増えるのがこの職業です。
確かにebisuさんがおっしゃるように部活動の指導をしている影響もありますし、この仕事が他業種に比べて取り立てて忙しいとも思いません。しかし、ebisuさんがおっしゃるほど早々に帰宅できる職業ではありませんよ。早く帰宅している人の中には、授業準備をほとんど持ち帰りでこなしている教員も多いですしね。
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 実情を知らせてくれてありがたい。そんなに忙しいとは知らなかった。自宅近くの母校はそんなに忙しくなさそうだから、例外かもしれない。
 そんなに努力しているのに、根室管内の中学生の学力が都道府県別偏差値で41だということは、大きな問題だ。先生たちの自助努力ではもうこれ以上、学力を上げられないということだろうか。先生たちは自分の担当の生徒の学力向上の具体案をスケジュールつきで示さなければならない。
 何年間もなぜ有効な改革案が出てこないのか、数学にいたっては授業の進捗管理すらまともになされていない。教科書の後半の半分は前半よりも難易度が高いが、端折るように短期間で終わったことにしている。翌年の学力テストの点数が手抜き授業を実証している。なにか本筋とは違うところで余計な仕事をたくさん抱えているのだろうか?
 学力の数値管理を無視したやり方では、いつまでたっても先生たちは「忙しい」と言うのみで、成績下位層の学力向上ができないのではないかと心配になる。
 根室市内の中学校の学力テスト総合ABCの平均点は、前回示したように下がっている。6年前の資料を見て驚いた、8月の同校の学力テストの平均点は160点を超えていた。いま105点前後だ。
 先生たちの四人にひとりでも、毎日8時9時まで仕事をしているとしたら、努力の方向が完全に間違いなのではないだろうか?根室市内の中学生の学力は低下しつつある。

 ebisuのコメントは投稿欄にあるが、さらに付け足しておきたい。
 学校の仕事は授業がメイン、教科内容に毎年毎年そんなに変化があるものではない。その周辺の仕事だって毎年のように改善がなされれば、昨年は10時間かかった事だって30分にできることがあるはず。競争がないから仕事の改善が進まないのか、仕事の要領が悪いからなのか、いまはわからないからこの点は判断を保留するしかない。
 実際に授業をしていて、3年間授業をやったら、授業の準備にそれほど時間がかかるわけはない。サポートしてくれる事務職員もいる。
 ①授業、②ブカツ、③学校行事、④成績評価、仕事時間の大半はこの四項目だろう。
 三年生のクラス担任は面談にもけっこうな時間がとられる。空き時間に処理できる仕事も多いのではないか。

 OJTがないから、自己流で授業準備に時間を掛けすぎているのではないか?仕事の管理上の問題も潜んでいるように感じられる。授業準備はきりがないから、あまりのめりこんだらバランスを失う。専門分野の学習時間とのバランスは大丈夫か?

 わたしは、学校サイドで仕事をしている方々の意見を聞いてみたい。ブログの内容が現場の実情を踏まえてもっと具体的になる。
 異論があれは投稿欄にどんどん書き込んでほしい。学校の先生たちとたくさん意見交換してみたい。

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*#2555 基礎学力問題対話(1) :社会が悪い⇔低学力層は就職が困難 Jan. 4, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-04

 #2556 基礎学力問題対話(2) : 労働時間と仕事時間 Jan. 5, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-05

 #2557 基礎学力問題対話(3) : 教師の仕事とは? Jan. 5, 2014 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-05-1

 #2558 基礎学力問題対話(4) : 勉強の躾け方 Jan. 5, 2014  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2014-01-06
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#2555 基礎学力問題対話(1) :社会が悪い⇔低学力層は就職が困難 Jan. 4, 2014 [J&K対話]

 正月だからJとKに酒を飲みながら、教育問題を議論してもらおう。北教組シンパのJと釧路の教育を考える会のKの二人のバーチャルな議論をお楽しみいただくという趣向だ。
 バーチャルではあっても荒唐無稽な議論ではない。実際に基礎学力について長年の友人と議論した内容がベースにある。Jは自分の子どもの教育を実に上手にやった、どうやったかはこのシリーズの4回目でJが説明することになる。家庭勉強の躾け方についてのJの発言はこれから小学校に入学するお子さんのいるお母さんたちにたいへん役に立つだろう。そこには根室の子どもたちを低学力から救う家庭教育のしつけの仕方のエッセンスが含まれている。勉強好きの子、頭のいい子に育てる秘訣がある。誰にでもできる方法だからありがたい。

K:ジロー、基礎学力の問題について話しをしたい。
J:ケン、なんだい、やぶからぼうに、教育の話か。
K:この数年間ちょっとした変化が中学生にでている、日本語語彙が小学4年生以下というレベルの生徒が中学生の4人に一人くらいの割合に増えてしまった。2002年にふるさと根室に戻ってきた数年間はこういうレベルの生徒は例外に属していた。
J:で、なにかデータがあるかい?
K:市街化地域で一番学力が高かったB中学校の学力テストデータを示そう。

<B中>2013年2012年差異
4月学テ100.7144.7-44.0
総合A110.6122.8-12.2
総合B109.0123.1-14.1
総合C102.8136.3-33.5
ABC合計322.4382.2-59.8
ABC平均105.7127.4-21.6



K:B中学校の昨年の三年生は例年よりもすこし平均点が高かった。今年の三年生は例年よりかなり学力が低い。学力テスト総合ABCの三つのテストで平均21.6点下がっている。300点満点だから平均点が21点ダウンというのは幅が大きすぎる。念のためにいうと、百点満点換算なら、平均点が33点付近だということ。生徒の半数がそういう点数だ。市街化地域のA中学校もC中学校も似たようなものだ。
J:そりゃあひどいな。でも俺達(団塊世代)のときは9教科220点満点だったが、学力テストで半分取れたら根室高校は入れたぜ。300点満点で、B中学校の生徒の平均点は144点(一昨年4月)のこともあるから、優秀だ。でも、それが昨年は100.7点か?この下がり方はいくらなんでもひどいね。
K:いまだって300点の半分の150点取れたら定員オーバでも楽勝に根高普通科に入学できる(7年ほど前だったか、10人定員オーバでFランク150点で二人普通科を落ちたことがあったから、それがこの10年間で唯一の例外だ)。問題なのは、小学4年生以下の日本語語彙の中学生が4人に1人もいるということだ。地元の企業経営者でそういうレベルの人間を社員で雇う者はほとんどいないだろう、会社の経営が危うくなる。成績下位層の半数は高校を卒業しても就職先が見つからない。それどころか、上位10%層でも大学を卒業して数年たってもアルバイトでしのいでいる者たちが毎年何人もいる。
J:昔だって3割くらいは就職組みで、勉強なんかハナからしない生徒がいたぞ。
K:それでも、人の言うことはきちんと理解できてただろう?おれたちの時代は新聞でも本でもルビがふってあったので、だれでも読むことはできたから、知ってる語彙が多かった。いまはルビをふった本がすくないし、北海道新聞だって小学4年生が読めるようなレベルではルビをふっていない。そして常用漢字の範囲に制限しているから、語彙は増えない。ゲームやスマホ、そして過度なブカツがあるから、本を読む時間もなければ、読ませようという親もすくない。
J:なるほど、それで問題は就職できないということか?
K:そうだ、成績下位層には「読み書きそろばん」が満足でない生徒が多い。小数や分数の四則演算ができない中学1年生は4割を越す。放課後補習すべきだと思うが、そういう先生は非常に稀だ。11年間で市街化地域の3校でそういう実例は1人しか知らない。
J:先生達だって忙しい、むりだべ。
K:7時で帰っても「いそがしい、自分の時間がない」と言っているからな。民間企業で20代は9時過ぎまで働いている例が多いだろう、甘えすぎだ。30代前半は仕事をやるやつらは終電車で帰ることが多くても、「いそがしい」とはいわないぞ。どうやったら仕事の質を上げつつ時間短縮ができるか毎日考えながら仕事をしている。1年たったら実務のやり方を改善している。民間企業では「いそがしい」を繰り返すやつは大体仕事ができない者たちと見て差し支えない。必要なスキルを身につけていなかったり、仕事のやり方が悪いから時間がかかる。
J:俺の知っている例では小学校の先生だが8時9時まで仕事してるぞ。
K:根室ではほとんどないだろう、聞いたことがない。放課後補習をしても、基礎学力は義務教育で保障すべきだ。釧路は基礎学力保障条例を定めた。
J:先生達にそんなことを言う前に、就職できないのは社会が悪いのだから、社会改革をしないとダメだ。
K:おいおい、小学4年生の「読み書きそろばん」ができない中学生が高校をを卒業して就職ができないのは社会のせいか?社会改革が実現しないと小4程度の「読み書きそろばん」という基礎学力は棚上げかい?
J:そうだ、みんなが就職できないのは社会が悪い。だから社会改革をすればいいんだ。だいたい、学力や就職の問題を学校の先生たちや授業のせいに、矮小化しちゃいけない。問題は大きい。
K:先生たちは教壇を降りて、革命をすべきなのか?そうすれば小学4年生レベルの学力の生徒でも正規雇用の職につけるというなら、そういう経済社会がこの地球上のどこにあるんだ?ロシアか、中国か?ありゃしない。放課後補習を数ヶ月続ければ救える問題をどうしてそんなに大きくする?
J:基礎学力を問題にするやつらは右翼だからな、きらいだ。
K:やれやれ、感情論か。おれは基礎学力問題を何とかしたいが、お前の知っているオレも右翼か?
J:そうではないがそういうやつらはだいたい右翼だ。
K:昔のお前なら、低学力層の生徒達を集めて放課後補習をして救ってやれといっただろうな。もっとすなおな考え方をしていたよ。
J:社会改革をしないと就職状況は変えれないだろう?俺はそう思う。
K:お前の言うとおりだとしよう。おまえのいう社会改革を実現したはずの中国だってロシアだって、失業者で溢れている。おまえのいう社会改革が実現した社会なんて幻想ではないのか。
 目の前に矢が刺さって瀕死の重傷の人間がいる。応急手当てもしないで、この矢には毒が塗ってあるかどうか、まずそこから調べよう。毒だったらそれがどんな毒なのか、質量分析器で分析して、毒の種類がわかってから手当てをすればいい、そういっているようなものだ。患者は次々に死んでいく。
J:こういうことかな、ケンは学校の先生が放課後補習をしても目の前の生徒の窮状を救ってやるべきだと、おれは先生達は忙しいから無理だ、そして低学力で就職ができないなら、低学力の若者が正規雇用で就職可能な社会改革をするのが先だということ、おれとおまえの意見の対立点がハッキリした。
K:そういうことだ、一区切りついたようだから、久しぶりだ、さあ、もう一杯いこう。

 酒を飲みながら話は続く・・・
 あとは次回へ。

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*#2555 基礎学力問題対話(1) :社会が悪い⇔低学力層は就職が困難 Jan. 4, 2014 
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 #2556 基礎学力問題対話(2) : 労働時間と仕事時間 Jan. 5, 2014 
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 #2557 基礎学力問題対話(3) : 教師の仕事とは? Jan. 5, 2014 
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 #2558 基礎学力問題対話(4) : 勉強の躾け方 Jan. 5, 2014  
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#1953 ネット上で診療科名をあきらかにして医者募集は可能か? May 29, 2012 [J&K対話]

 いつもならKJ対話なのだが、今日は釧路の教育を守る会のSことサブにご登場願う。話題は市立根室病院に医師をどうやったら集められるかという問題である。

K:会のあとの二次会だから、教育問題をはなれて地域医療問題について酒を飲みながらじっくりサブの意見を聞いてみたい。假りに市にホームページ上で医師の足りない診療科と年収額やその他の条件を明示して医師を募集した場合に起きる不都合を推測してもらいたい。
S:そりゃはなからムリだよ、大学病院が医師を引き揚げてしまう。病院はどこかの大学病院にまとめて医師派遣をお願いしなけりゃならない。
K:釧路の市立病院ならそうだろうな、500ベッドを越える大病院だ。
S:23科643ベッドの規模の総合病院だから、院長人事も含めて市政が介入する余地はほとんどない。
K:根室は134ベッドの小規模病院だから市政が介入しやすいのかもしれないな。それで、ホームページ上で診療科を明らかにした上で一般募集をした場合に、大学病院の対応に大きなリスクを抱えることになるというのがサブの意見ということか、なるほどね。
S:どこかにお願いして、そこが責任をもってやってくれたらそれが一番いい。

K:ところで、わたしは地元の専門医の紹介(当時の市立根室病院には消化器外科医がいなかった)で6年前に釧路医師会病院で巨大胃癌とスキルス胃癌で胃の全摘手術を受けたんだが、それから2年してあの病院はついに旭川医大が手を引いて閉院となった。施設も医者も看護師さんたちの対応も地域のお手本となるようなすぐれた病院だった。ホテルなら阿寒の鶴雅のような存在だった。道東の地域医療にとってはたいへんな痛手。医師を確保するのは根室ばかりでなく釧路もたいへんだね。
S:だからまるごと大学病院にお願いするのがいいんだが、撤退されたらそれまでという現実があることも認めざるを得ない。行政サイドとしては医療はまるごと大学病院にお願いしたいというのが基本的なスタンスだ。
K:ところでサブ、釧路の人口は根室の6倍だから予算規模もほぼ6倍とすると170億円×6で1000億円かい?
S:カズ、その通りだよ。
K:根室の市立病院は昨年度13.7億円の赤字をだして一般会計から補填している、来年建て替えが終わると償却負担が増えるから年間赤字額はほぼ市の予算の10%になる。釧路市なら年間100億円の赤字だ、一般会計から補填できる規模を超えていない?
S:カズ、それは大きすぎる。
K:非常勤医の契約は複雑らしい、そしてたいへんコストが高いようだ。だから、常勤医を増やすことができれば病院の赤字額は圧縮できる。
S:それでも公募すると大学病院とトラブルを起こすことになりかねない。だから、やれないね。
K:大学の医局に臨床科名を明らかにしたリストをもって事前に相談するというような根回しをしてもだめかね?
S:そこなんだが、非常勤医を派遣してくれているのは釧路の大病院や大学病院だろう?利害が対立するから、ムリと判断するよ。大学も独立行政法人だから収入確保に走らざるを得ない。非常勤医の常勤医への切り換えに大々的に市のホームページ上で公募するのはうまく回っている静かな池に石を放り込むことになりかねない。
K:なるほどね、ではやれる範囲は大学病院から非常勤医の派遣を受けていない診療科ということになるね。
S:どうだろう、波風たてることになりかねないからやら方が無難だろう。どこかでまるごと引き受けてくれる大学病院あるいは医師を常勤で派遣できる大病院の傘下になることが生き残る道だろうね。
K:臨床研修医制度が変わってから、大学の本院でも医師が不足するような事態が続いており、民間病院でも医師を充足できているのは東京都と一部の大都市のみという状況だから、民間病院でまるごと市立根室病院へ常勤医を回せる病院はほとんどないだろう。
S:地域医療はこれからますますきびいしいな。
K:サブが何気なく言ったが、臨床研修医制度の変更で研修先を都会の大病院を選ぶ医者が増えたことに加えて大学の独立行政法人化が収入重視へ走らせている側面を無視できない。大学病院も非常勤医の派遣で収入を増やすようなことをやらないと維持ができないのかもしれない。そうすると、非常勤医から常勤への切り替えのためのネット上で条件開示をした公募は波紋を起こさざるを得ない。これでは根回しはムリだ。
S:カズのネット上での公募話しを聞いて直感的にムリと判断したんだが、その通りの結論になりそうだね。

K:サブ、それではつまらないからもう少し粘って議論をしてみようと思う。療養病床に話題を転じよう。根室は5年ほど前まで75ベッド療養型の病院があったんだが、閉院してからゼロだ。市立根室病院で療養病床を持つべきだと地方医療協議会も病院職員アンケートでもそういう意見が出されているが市長は無視した。ところが、この分野に限っては大学病院とトラブルを起こさずにネット公募ができるんだ。「痛くない・こわくない・心配ない」で看取りを主体のターミナルケアなら、定年を過ぎた医師で十分だ。積極的な治療の必要はない。こどもの教育問題(自分のこどもを医師にしたい)も年齢からしてクリアしている。たとえば60歳以上に医師に限る、年収2千万円、2年契約でラムサール条約で有名な春国岱(シュンクニタイ)などの自然環境で週末をのんびり過ごしませんかと公募すればどうだろう。山小屋風の医師専用住宅を用意したっていい。
S:そんなにうまくいくかな?
K:スーパーマーケットはたったの3店のみ。電気店も60坪くらいの小さなものしかありません、空港もないので東京までのアクセスは不便です。釧路と中標津の空港までそれぞれ150kmと90kmと遠い。人口18万人の釧路まで120km、中標津まで85km、オホーツク海と太平洋に突き出した根室半島だから冬は雪が少ないが、海風は冷たい。不便な点や厳しい点を正直に書き並べる。
S:そんなこと書いたらますます来る人がいなくなるだろう?
K:正直に悪いところ不便なところをはっきり書いてあれば、それ以上の事はないから、着任してからいいところをたくさん見つけてくれる。案外集まると思うよ。100~150ベッドの療養型病棟を併設すれば市内でヘルパーさんの雇用も生まれる。慢性期の患者さんを扱う療養型と急性期の総合病院では診療方針に大きな違いがあるから、それはそれで病院運営上のことで院長の苦労は多いかもしれない。
S:なるほど、診療分野を個別に具体的に検討していけば何とかなりそうなものもあるんだね。でも新しいことは経験がないし、したがって前例もない、とても面倒そうだから何もしないのが無難。前例踏襲が一番楽だろうな。行政全部がそうだとは言わないが、そういう傾向があることは事実だね。
 ところで、そういう困難なコーディネートをだれがやるの?根室に人材はいるの?
K:痛いところをついてきたね。市民がもっともっと地域医療に関心をもち、市議たちが地域医療のビジョンについて議論を深め、市役所内部にコーディネートできる人材が揃わないとやれない仕事かもしれない。専門能力をもっている市民の協力が必要だ。
 サブ、酒の席で相談に付き合ってくれてありがとう、行政サイドの考え方が少し理解できたかもしれない。
S:どういたしまして。

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改正北方領土問題等解決促進特別措置法ってなんだろう [J&K対話]

改正北方領土問題等解決促進特別措置法ってなんだろう

 7月3日、標記法律が参院本会議で全会一致で可決、成立した。

k:ジロー、よくわからんが、どういう趣旨の法律だい?
j:要点は三つあるんだ。
 ①根室管内の公共事業への国庫補助条件が緩和される
 ②四島周辺で操業する漁業者への財政支援
 ③わが国固有の領土の明記
k:え、北方領土問題を解決する法律じゃあなかったの?だって、法律名がそうなっているじゃないか。「いついつまでに、これこれの方法を講じて四島返還を実現します」「ロシアが要求に応じないときは、多核弾頭ミサイルの開発を宣言し、さらに強い外交交渉をします。それでもノーなら多核弾頭を開発し、組み立て・解体をやってみせます」とかいうなら、国連安全保障理事会が動かざるをえなくなるから、たしかに「北方領土問題等解決促進特別措置法」と言える。ところが、具体的な目標とそれを達成するための手段が明記されていなければ意味がないのに、そのようなことは一言も書かれていない、そしてジローが示してくれたように北方領土返還とは論理的に何の関係もないことばかりが規定されている。そのさいたるものが「根室管内の公共事業への国庫補助条件の緩和」だ。中学生だってこの法律名をみれば何か具体的な方策があると思うだろうさ。
j:うーん、そう言われると困るな。③は当たり前のことが書いてあるだけだし・・・
k:じゃあ、こういうわけかい?解決できないので、根室管内の公共事業へ国庫補助割合でも多くするって言うの?それって、北方領土問題と関係ないじゃないか。公共事業への国庫補助条件を増やしたって根室管内の建築業者が潤うだけだろう?1センチも北方領土が戻るわけではない。
j:みもふたもないけど、そういうことだろう。それで、今回の改正で②が新たに付け加えられた。公共事業を増やすというのはもともと自民党の選挙対策さ。地元へ公共事業を増やせば、選挙で建築業界が後押ししてくれるからね。○○建設とか、はっきりしてる。
k:では2番目はどうなの?②の「四島周辺で操業する漁業者への財政支援」は四島が帰ってきたら当然漁業権を持っている人たちの漁場だから、「四島周辺」の人に権利はないはずだ。これもなんだか理屈に合わないな?ジロー、中学生にもわかるように説明できる?返還運動に何か関係ある?
j:カズは羊頭狗肉と言いたいわけだ、法律名と中身がまるで違うと。でもさ、地元が潤えばそれでいいじゃないか?
k:すごい割り切りだな。戦後64年間そうしてきたわけだろう。それで北方領土問題が解決したかい?いや、少しでも前進したか?俺にはなんだかごまかされているように見えるな。飴玉与えられてうるさいこと言うなってさ、もう少し突っ込んで言えば、北方領土問題をダシにして根室管内の公共事業を増やしてきたというのが実態だ、それも選挙の集票マシーンの道具として建設業者を狙い打ちにだ、違うか?
j:おいおい、興奮するなよ。論理のすり替えが行われているということは俺も気がついている。名目は北方領土問題だが、実態はカズの言うとおりだろうさ。でも、それで千島なんとか連盟とか北方領土返還運動の団体が文句を言ったという話は聞かない、それでいいんだろう?そもそも当事者が論理のすり替えの文句を言ってないから、どっかで持ちつ持たれつなんだろう?
k:だから、北方領土返還運動諸団体もおかしいんだ。引揚者中心に補助金獲得事業化してしまっている。硬いことを言えば北方領土返還運動の矮小化に返還運動諸団体が手を貸している。
j:過激だね、本気で北方領土返還運動する気なら、補助金をもらうのをやめろってか。何十年もそうしてきたものをいまさら手放せない。根室市長はこんなコメント(7月3日道新夕刊1面)を出した。

 「制定以来、27年ぶりの抜本的かつ総合的な改正だ。要請を重ねてきた結果であり、感慨深い」
 「(改正は)地域財源対策の拡充、領土問題に起因する漁業者負担の軽減措置など、多岐にわたる」
 「全国の先頭に立って返還要求運動を推進したい」

k:ようするにだ、根室市の財政が厳しいから「地域財源対策の拡充」大歓迎というわけだ。それと返還要求運動と何の関係がある、ないだろう。補助金をもらうための大義名分が「北方領土返還運動」だ。情けないよな。「野にして粗なれど卑に非ず」、吉田松陰のつめの垢でも煎じて飲ませたいよ。ところで沖縄返還運動と比較したらどうなる?
j:沖縄は条件が違うだろう。米国に統治されていたが住民は追い出されずに住んでいた。北方領土は日本人は全員故郷を追い出された。
k:ジローむずかしいな。誰も住んでいないとなると住民の抵抗運動は組織できない。当時のソ連が一枚上手だったってことか。いや、国民の批判のない一党独裁だったから、滅茶苦茶な選蝋政策を実行できたってことか。沖縄返還運動と単純比較はできないということだ。じゃあ、竹島問題は?尖閣列島は、そもそも日本の領土に対する対外的な主張はどうなっている?
j:カズ、そんなに問題を広げないでくれよ。あまり日本は領土問題に対して強い発言をしてこなかったということは承知しているが、よくわからん。はっきりしないんだ。どう答えていいかわからないからこの話題はまた今度にしよう。
k:・・・おれもお前とおんなじだ、わかんないな。根室で生まれて育ったが、いままでなにしてきたんだか、突き詰めて考えたことがなかったってことだ。ほとんどの根室人がそうだろうな。
 なぜこんなことになっちまった。そこにも北方領土返還運動が矮小化し続けた要因のひとつが隠されているような気がする。いまは気がするだけで、根拠があるわけではない。じゃあ、また今度にしよう。

7月7日追加。コメント蘭に#257への言及があったので・・・
 ロシアの関係者かもしれないと思わせるハンドルネームを使用している。ハンドルネームに冠せられているCCCPはソビエト社会主義共和国の略号だ。
 ネット上だと、「ビザなし交流」が簡単である。ロシアの方なら北方4島に住んでいるロシア住民の本音を聞かせてもらえたらありがたい。「ビザなし交流」ではお互いに本音がでていないように見える。文章からは、きちんとした話のできる人のようにみえるので、期待している。

*2008年8月15日#257『8月15日「終戦記念日」』
 

*2008年6月8日#191『少し過激な北方領土返還論』
    http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2008-06-07


 2009年7月5日 ebisu-blog#638
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市議定数削減 署名総数は4118人分 [J&K対話]

 定数削減
 署名総数は4118人分
  市民グループ 議会に提出
【根室】市民グループ「市議会の定数削減を求める会」(坂下友子代表)じゃ2日、定数削減を求める署名481人分を市議会に提出した。市民グループ4団体の署名総数は4118人となった。
 同事務局の岡村秀子さんは「定数削減への賛否などを市議に聞いたアンケートで、白紙回答だったことを知った市民から、署名したいという声が相次いでいる。これからも集まった分は、提出したい」と話している。(仁科裕章)

 7月3日北海道新聞朝刊22面根室地域版より

k:ずいぶん集まったな。
j:有権者数がおおよそ12000人だからアンケートに署名した人が有権者だと假定すると、三人に一人かい。たしかに多い。
k:根室の市民運動グループのパワーもなかなかだ。だけど、市議は動かないだろうな。欠員のところに新人が一人立つだけだから、無競争当選が決まっている。
j:小さな町だから、誰が立つのか、何人たつのかわかってしまうからな。正月からそういう話は出ていた。
k:それにしても市議の意識は低い。釧路が人口18万人で市議定数を昨年28人にまで減らしたというのに、根室は人口3万人で市議定数が20人。有権者の三分の一の署名を集めても、アンケートにはそろって白紙回答。あきれたな。恥ずかしいよ。
j:地域版でよかった、道新の全道版に出たら根室の恥だからな。これでは副業、アルバイト気分でやっていると言われても抗弁できない。
k:市民のためにとか、根室のためにとかいう気持ちがないのかね?
j:あったら市民グループのアンケートに答えているでしょう。
k:・・・ 
J:こんな計算もある。4000人の票があれば、定数削減に賛成の新人市議が少なくとも10人は当選できる。壺田氏と合わせて過半数を制し、市議定数を削減案を市議会で可決することも理屈の上では可能だ。
k:知り合いの市議がぼやいていたよ。道新の記者がこの話題の追跡取材やめてくれないかなって。
J:ほんとうにいい根性してるよ。担当記者さん、大いに頑張ってくれ。なにしろ戦後64年、変わらなかった根室が変わるかもしれないのだから。

jの予測はこうだ。
 市議選はただ一人アンケートに答えた壺田氏へ票が集まるだろう。前回は1700票でトップ当選だったが、今回は2500票を超えるかもしれない。投票率が60%だと假定すると三分の一が壺田氏か。これは衝撃だろうな。選挙民の意思がどのように現れるか。市議選挙に嫌気がさした市民が棄権して投票率が下がるということもある。棄権しないでそれぞれの意思をそれぞれのやり方で表現して欲しいものだ。根室っ子はどのように投票行動をとるのだろう。
 定数を減らさないことには白紙回答の現市議を落選させることはできないが、現市議らの得票がどこまで落ちるかもみものだ。
 怒って立候補する新人が5人出れば面白くなるのだが、いないだろうな。市民運動グループは異議申し立てをしているだけで、新人候補を擁立するところまではおそらく踏み切れない。しかし、白紙回答に本気で怒っている。「ばかにしてんのか!」そういう声が聞こえてくるから、まだ、どうなるかわからない。理屈の上では、市民運動グループの主張を議会で実現することは可能だ。
 だれか立候補する者はいないか?それともここら辺りが根室人の限界か?そうではないだろう。根室っ子のド根性がみせられるか?

 2009年7月4日 ebisu-blog#637
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根室の小中学校耐震化率31% [J&K対話]

根室の小中学校耐震化率31%

k:6/18の北海道新聞によれば、根室の小中学校の耐震化率は31%だそうだ。全道35市中3番目に低いとある。
j:カズの情報に付け加えると、

「診断を終えているのは99年度に実施した7校8棟だけ。2000~2007年度は財政難で診断を実施しておらず、診断実施率は全国平均を72.8%、全道平均を58.8%下回っている」
「震度6以上の地震でも倒壊しない耐震基準を満たしているのは、診断で基準をクリアしていることがわかった4棟と、82年以降に建設された10棟の計14棟。4棟は基準を満たしていなかった」
「耐震化率は全国平均より35.9ポイント、全道平均より23.3ポイント低い」「市教委は今年1月から、残る27棟のうち、光洋中と華岬小の計4棟の耐震診断に着手。成央小と柏陵中の計6棟は本年土中に実施する。他の17棟については「年に数校ずつ進めていく。」
「根室で今後30年に震度6以上の地震が発生する確率は45.7%、小学生の息子がいる市内の男性(31)は「中国四川省の大地震では学校が倒壊し、多くの子供が生き埋めになった。学校の整備は最優先で行って欲しい」と訴える。」
「耐震基準を満たしていない4棟について、市教委は今後、必要な補修を行う方針だが、A教育総務課長は「老朽化で、補修より建て替えを優先すべきケースもあり、悩ましい。学校の統廃合も考えながら、耐震化のスケジュールを検討したい」と説明している。」

  と、まあこういうわけだ。21世紀になって8年間耐震診断を実施しなかったのは、財政難からだが、年間10億円を超える市立病院赤字が5年間続いた時期と重なっている。
k:厳しいな。ところで、市教委は学校の統廃合もと言っているが、市議会は何年か前に小中学校の統廃合を決めたのではなかったか?なぜ、市教委は学校統廃合に手をつけないのだろう。
j:人員配置の問題があるのだろう。首にするわけにはいかないから統廃合後の人員配置に妙案が浮かばないのだろう。校長や教頭の数も減る。退職後に「校長会」に入れるかどうかなんてことも、校長目前の現場の先生方にとっては重大な関心事だ。結局、結論が出ず先延ばしされてしまう。
k:なるほどね。校長目前の学校の先生方や教育行政側の事情はわかったが、子供たちはどうなるのだろう。
 市街化地域の中学校3校は三分の2が1学年2クラスだ。たとえば柏陵中学は1年生が3クラスあるが、どういうわけか生徒数は75人だ。40人学級だから75人だと二クラスのはずだが、ちゃっかり25人制を先行導入している。要するに、1学年80人以下だ。他(光洋中と啓雲中)もほとんど一緒だ。1学年2クラスでは部活動もたいへんだし、なにより適度な学力競争が薄まってしまう。おれたちのときは光洋中学は10クラス550人だった。まさに隔世の感がある。
j:感慨に浸ってないでさ、どうすればいい?
k:極論だがね、市街化地域の小中学校はそれぞれ2校でいい。郡部の小中学校もマイクロバスでそこに集めるといい。そうすると郡部と市街化地域の学力格差が小さくなると思う。道路網が昔とはぜんぜん違うので厚床地区を除けば可能だろう。耐震改修だって建て替えだってこれなら少ない予算で可能だ。
j:う~ん、理想論だね。それぞれがひとまず自分たちの利害・損得を除外して、根室の子供たちのことを優先して考えるということにならなければできないね。
k:そういう時代になっていると言うことだろう?自分のためではなく他人のためにやる時代に。まず、自分の仕事の手を抜かない、そして自分の都合はひとまず脇に置く。学校ならそこに通う子供を優先して考える、病院なら患者を優先して考える、商売だったらつねにお客様のことを最優先で考えるのが当たり前だろう。学校と自治体病院にはCSという考え方がない。生徒や患者をカスタマーとは考えていない。何も難しいことはない、当たり前のことを当たり前にやるだけだ、しかしそれがやれたらたいしたものだ。
j:仕事の手を抜かないというところは職人みたいだな。自分の都合や利害・損得を脇に置いて考え・行動できる根室人が増えていけば、増えた数だけわが故郷もよくなるんだろうな。

 2009年6月22日 ebisu-blog#620
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