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#3501 ドイツと日本:発電政策の違い Feb. 8, 2017 [原子力発電]

 原子力発電はコストが安い、再生可能エネルギーは発電コストが高い

 NHKラジオ朝6時43分ころから10分ほどの番組を時々聞いている。昨日(2/7)は「再生可能エネルギーは高いのか?ドイツの政策を検証する」と題して、京都大学大学院経済学研究科教授諸富徹が解説していた。
 要点は三つ。
①再生可能エネルギーは天候に左右される
②再生可能エネルギーは発電コストが高い
③産業経済にとってマイナス

 再生可能エネルギーへの批判はおおよそこの三つに代表される。ところが、この批判はドイツの現状を客観的データで見る限り正しくないと諸富は主張する。
 2015年は30%が再生可能エネルギーで、電力消費量で見ると32.5%を占めている。ドイツで発電に利用されている再生可能エネルギーは太陽光、風力、水力の三つである。ドイツは福島第一原発事故をみて原発廃止を決めて再生可能エネルギーへの切り替えを決め、その後その方針を貫いて比率を増大しつつあるが、3基の原発が同時にメルトダウン事故を起こした日本は6年たっても5-6%が再生可能エネルギーに過ぎない。
 このペースでいくと、ドイツは2025年には40-45%、2035年には55-60%が再生可能エネルギーになる。

 ドイツはフランスから電力を輸入しているからそういう切り替えが可能だという批判があるが、2014年の実績では、
 ドイツからフランスへの電力輸出 13.27テラワット
 フランスからドイツへの電力輸入  3.84テラワット
   差し引き              9.43テラワット

 ドイツの方が10テラワット弱の輸出超過になっている。フランスでは原発部品に不具合が見つかり、1/3が停止している。原発は不安定でリスクが大きいのである。 
 なぜドイツがこれほど電力を輸出できるのか?ドイツは再生可能エネルギーを増やしているので、電力供給の総量が増えているからである。
 ドイツの電力需要は企業が稼動している昼間にピークが来るが、それは太陽光発電がピークになるときでもある。地域によっては風の強いところがあるから、そこは風力発電、雪解け水で水力発電と三種類の発電で全体に安定している。地域間で電力の融通ができるネットワークが強化されているので、問題が生じていない。

 発電コストの問題があるが、電力需要の大きい企業には再生エネルギーに関わる賦課金を免除している。企業を国内にとどまらせることで雇用を維持するためである。家計で賦課金を負担しているが市民は受け入れている。再生可能エネルギーコストのピークは2023年で、それ以降は低下していく。
  再生可能エネルギー全体と石炭・ガス・原子力発電コストを比較するとすでに生成可能エネルギーコストの方が安い。一番高い太陽光は1980年代の登場してから、年率20%弱で低下を続けている。2015年の太陽光発電コストは5-8セント/(kw/h)、っこれが2025年には4-6セントに低下する予定だ。化石燃料と原発のコストが5-10セントだから、太陽光もこれらの発電コストを下回ることになる。産業経済への影響も大きい。

 ドイツのフランホーファ研究所の試算によると、2040年までの40年間のコストでは、原発や化石燃料に依存するよりも300億€も下回るという結果が出ている。その影響で2030年にはGDPが3.1%高くなる
 以上が諸富教授の主張である。


〈余談〉
 日本の原発発電コストには巨額の事故処理費用や事故処理に備える引当金、使用済み核燃料の廃棄コストが算入されていない。これらを入れると、原発の発電コストは数倍になるだろう。
 日本では原発事故処理コストが「賦課金」として国民負担となっている。それだけではない、事故に備える原発事故災害処理引当金計上がいまだになされていない。これを適正に計上すれば、年間数兆円になり、原発コストが数倍に膨らみ、電力各社は債務超過になる。適正な会計処理がなされていない。


*#3499 ドイツと日本:生産性比較 Feb. 6, 2017 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2017-02-06
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