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#3277 進路選択と就活のために: 『夢こそ生きる力』 Apr. 29, 2016 [本を読む]

<更新情報>
5月1日朝8:40 「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」に関わるエピソードを<余談>のところに追記

 ゴールデンウィーク初日ですが、根室は朝から大粒の雪が降っています。真っ黒いアスファルトに雪が触れると融けていますが、裏通りはシャーベット状になってきました。気温が0-1度の間なので、日中は凍結の心配ななさそうです。
 数年前にも五月の連休に大雪が振りました。夏タイヤに換えていましたが、国道は大丈夫だろうと釧路までいきました。遠方へお出かけの方は、安全運転を心がけてください。無事がないよりです。

 さて、今日は本の紹介をします。原著は企業人である小寺次夫さん、企業人で富士通やシャープでシステム開発やマーケティングの仕事をしていた人です。そういう視点から進路選択と就活についてガイドブック(具体的な戦略マニュアル)を書いています。システム開発を伴う経営企画・経営管理畑の仕事が多かったわたしにはとっても興味深い「作品」です。
 高校1年生がイラストを描いて、高校の先生である鈴木朗さんが編集しています。もう一人中村洋四郎さん(元富士通工業専門学校長)、四人の方のコラボレーションによる出版です。

 故事成語やシステム関係の専門用語が出てきますが、これらは同じページの下段に説明書きが載っているので、辞書を引かずに高校生にも読めます。
 どういう人間になりたいのか、どういう職業に就きたいのか(「要求分析」のための小論文作成)、目標を設定するのは中高生の時期でですね。だから中高生にも読めるものでなくてはなりません。そういうところにフォーカスを絞って編集された本です。イラストを担当した高校1年生と編集担当の鈴木さんは高校生と大学生の読者に焦点を絞って小寺さんの旧著を若い人たちに受け容れやすいようにチェックを入れたようです。それが下段に設定された用語解説によく出ています。解説なしでは難しい本ですよ。マーケティングやシステム関係の専門知識がなければ意味のわからないところが頻繁に出てくることになったでしょう。小寺さんはプロ、仕事人だから説明にはどうしても専門用語が混じってしまいます。そのほうが物事を精確に書けるからです。そういう専門的な内容と高校1年生のイラストと下段の用語解説の按配がじつにバランスがよくて、群を抜いています。なんということでしょう、こんなに読者フレンドリーな本があるでしょうか、ビックリポンです。
 昨日、編集者の鈴木朗さんから贈っていただき、さっそく全部読みました。高校生と大学生は進路選択や就活のために手元に一冊置いておきたい本です

 以下に目次を並べるので、内容は本をごらん戴きたい。
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 高校生が絵を担当
  総合力アップのためのガイドブック
    
夢こそ生きる力
   
企業人の教えが生きカエル
 (バドミントンラケットをもったカエルのイラストが描いてあります)

第1章 あなたの未来を考えるための準備
     ~仕事を考えて自分の特徴を学ぼう~
第2章 自分を売り込むノウハウを学ぼう
     ~潜在顧客への働きかけ「パーミッション・マーケティング」~
     就職活動で営業のノウハウを学んでみよう
第3章 企業志望動機の焦点の絞り方
     ~就職活動は志望理由から始める~
      第1節 志望理由作成のポイント
      第2節 学生生活の目標を小論文にまとめる
      第3節 志望理由がうまく書ける会社は、自分に適している
      第4節 自分のビジョンを明確にする

第4章 会社訪問ワンポイント・レッスン
     ~マーケティングを通して会社を見る目を養おう~
      第1節 会社訪問における質問のポイント
      第2節 正面受付に隠れたメッセージを読み取ろう
      第3節 会社の内部をチェック
      第4節 先輩との面接時のポイント

第5章 就職試験における実践テクニック
     ~シナリオ・プランニング的発送で小論文を乗り切ろう~
      第1節 小論文は点数を稼げる
      第2節 ペーパー試験は最後まで粘れ
      第3節 面接では正直に個性を出すことを心がけよ

付録1 就職活動を行うためのチェックポイント・フローチャート
付録2 小論文のやさしいチェック項目
付録3 本書の利用の仕方           

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 目次を見ただけで読みたくなったでしょう。
 ほとんどのページにカラーの図やイラスト、そして用語解説が載っています。若い人たちに読んでもらいたいという想いが高校1年生の参加で見事な形になった。年代を超えたコラボレーションがすばらしい作品を生み出す力であることを思い知らされました。
 進路選択に迷っている高校生、就活はまだ先のことだと思っている大学1・2年生、就活をはじめた大学3・4年生、たくさんの人に読んで参考にしてもらいたい本です。

『総合力アップのためのガイドブック 夢こそ生きる力』
 原作小寺次夫、編集鈴木朗、イラスト鈴木萌花(高校1年生)、2016年4月15日発行、
 出版社「星奈のお店」、本体1200円+消費税
   ISBN978-4-9908905-0-6
*http://www.seina-shop.com/
 
http://www.seina-shop.com/service/book.html

 この二つのURLに本の画像が載っています。下段のURLに本の大きな画像と注文票のボタンがあります。本屋さんで注文するときはISBNコードを控えていって注文してください。

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<用語解説>
permission marketing: one to one marketingの進化型。

*IT用語辞典より
http://e-words.jp/w/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0.html

 パーミッションマーケティングとは、顧客や消費者の許可を得て行うマーケティング活動。あらかじめ承認を受けた顧客や消費者に対してのみ勧誘や販売をするため、レスポンス率が高く強引さを感じさせないという特徴がある。企業と顧客の間に長期的な友好関係を築くのに有効な手法である。

ポータルサイト世界最大手のYahoo!社の副社長をつとめていたSeth Godin氏が提唱した概念で、個々の消費者や顧客の嗜好やニーズなどに合わせて一人一人個別に展開される「One to Oneマーケティング」をさらに進化させた形態ということができる。

現在、最も一般的なパーミッションマーケティングとして、消費者があらかじめ自分の趣味や嗜好を登録し、それに関連した企業からのメッセージを受け取ることを許可した上で配信される「オプトインメール」と呼ばれるダイレクトメール広告が挙げられる。
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<余談:続編への期待>
 この本は主として、大学生向けに、そして大企業へ就活する人たちを対象とした就活戦略マニュアルのようですが、どんな就活にも共通することがふんだんに載っているので、高校生や専門学校生のみなさんの就活の役にも立つことでしょう。

 ところで、いったん就職してもそれが非正規雇用である場合が半数を占めているというのが昨今の就職事情です。
 あきらめずに再チャレンジし続けている人たちがたくさんいます。だから、一度就職に失敗した人たちのための就活マニュアルへのニーズが大きいのだと感じています。
 就職に一度失敗して、就活に再チャレンジする人たちのためにもこの本は役に立ちますが、再就職の就活に焦点を絞ってこの本の続編が出版されたらいいなと思いました。

 わたしは、SRLにいたときに、業界3位の会社に"proposal marketing"を考えていたことがあります。生産システムと利益志向の原価計算システムを組み合わせた業界の順位を入れ替える攻撃的で魅力的な長期戦略提案でした。業界3位を1位にする「戦略提案売り込み型」の転職です、実現するためには自分が指揮する必要がありました。それまで同じ業界では転職しないという原則を貫いてきたので悩みました。結局のところ構想だけにとどめて実行はしませんでした。業界3位が1位になるのはそんなに難しいことではありません。具体的なビジョンとやりきる意志、そして経営能力があれば可能です。そうですね、生産や経営の仕組みそして社員の意識を根底から変えてしまいますから、おおよそ、10年かかります。創造的なプロの技ですから、書いたものでは伝わりません。ビリヤードのプロの技と同じです。利益志向のシミュレーションシステムを包含したまったく新しいアイデアの原価計算システムの部分だけは50年後の人工知能が創造できるようになるでしょう。
 社員がこの会社でずっと働いていたい、働いていると自分のスキルがぐんぐん上がっていく、社員の処遇が業界No.1、この会社はお客様のためにとっても役立っている、仕入先のために役立っている、会社に関係するすべての人々を幸福にする、そういう風に社員が信じられる会社が業界ナンバーワンであるような経済社会を造りたいものです。これとは反対に、儲けることが至上命題になっているような会社経営者は下種(ゲス)の極みです。そういう会社はよく見えてもどこかで高転びに転びます。言いたいことは、企業経営は「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」を貫けということです。創業200年以上の会社の多くがそういう経営を貫いています。念のために書いておきますが、「世間」の中には非正規雇用や外注先も入ります。

 原著者の小寺さんは、昨年根室を訪れ、啓雲中学校でバドミントンのトレーニング法を教えてくれました。バド部みなさんたち、目を輝かせてトレーニング法を真似てました。
 弊ブログのコメント欄にときどき投稿してくださっています。


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コメント 6

tsuguo-kodera

 びっくりしたのは私の方です。ありがとうございます。本年度、寒くなる前に釧路の皆さんにじかに話をしたいと思っています。
 根室まで頑張っても良いかもしれません。その中にあるプレゼン資料、セイナのお店で検索できるのは真面目版だけです。笑えるプレゼン資料は掲載できません。差別もあるのかも。(笑)いいえ、あくまで真面目路線ですので、バドミントンがすきになり、東大に行きたくなるストーリーです。(笑)
 なお、私に残されているのはもう少ない時間でしょうが、できるだけ温泉旅行を兼ねて全国行脚をしたいと思っています。経費は私もち、ただし空港または温泉と講演会場の往復送迎だけはお願いするつもりです。
 なお、鈴木さんと仲間の人は管理人さんのドキュメンタリー制作に意気込んでいます。鈴木さんが今回の100部を販売できなければ、私は下りると脅かしています。
 彼の鼻の先にニンジンがぶら下がっているために、今日も群馬のボタン祭りに売り込みに行っています。なお、この情報はセイナのお店の牡丹のアイコンからジャンプできます。
 なおこのお寺は私の義理の兄が住職です。真言宗豊山派ではかなり上の立場の人のようです。彼は東洋大学の教授でしたが、もう大学との縁は切れたようです。円了の本を私に勧めたのは彼です。これから真似をしたいわけですが、月と鼈です。(笑)
 娘さんが非常勤で努める3つの学校の関係者に話ができると思っています。本音はこちらが狙い、これが意地悪な私の営業を動かす秘訣なのです。(笑)
 再度、ありがとうございます。
by tsuguo-kodera (2016-04-29 13:32) 

ebisu

koderaさん、おばんです。

釧路での講演会というのはわたしは根室在住ですからセッティングは無理だとお考えください。
釧路の教育を考える会の例会が年に何度かありますが、3週間ほど前にならないと日程が決まりません。例会の後は懇親会(飲み会)をしていますが、そちらへの参加ならメンバーにお引き合わせはできるでしょう。わたしにできるのはその程度です。
北海道教育文化研究所の方も理事会のあとの懇親会をしていますが、理事会は少人数で運営しているのでkoderaさんの期待されるような人数はいません。

ところで、本のできはとってもいい。このような本にはめったにお目にかかれません。
企画が斬新だし、中身は専門的でありながら、ふんだんにイラストと解説が入っているので高校生や大学生にとってもフレンドリーなものになっています。
知ってもらい、手にとってもらえたらたくさん売れる本だと思います。
口コミで評判が伝わってたくさんの人に読まれることを祈っています。
by ebisu (2016-04-29 22:26) 

tsuguo-kodera

 易しいコメントで十分です。物を売るのは大変です。無名の本はまず売れません。書いた本人に文才はないからです。娘にも酷いことを言われています。(笑)
 ゆっくりとやりますので売れなくても良いのです。売り方を思い出しボケ防止にもなるからです。繰り返します。本当に半分やせ我慢かもしれませんが、管理人さんの温かいコメントで十分です。
 在庫は半減しもう50冊程度なのです。増刷は私はしません。もう満足したのです。鈴木さんはしたいようですが、私は今は止めています。彼が在庫を抱え損をするからです。昔、本を販売した大変な実務がありましたので、売れないのは分かっています、ですから自費出版でやめるつもりです。
 鈴木さんは介護実録の本を出したいようです。彼の現実の生活に直結しているからでしょう。だから今彼に今回の本で売り方の練習していてもらっています。売れないと言うことを認識してもらっているのです。実践練習です。
 ありがとうございます。
by tsuguo-kodera (2016-04-30 05:01) 

ebisu

koderaさんへ

おはようございます。
この本は、斬新な企画の名著ですよ。若い人たちが進路選択や就活のときにたいへん役に立ちますから、潜在顧客の数も多い。
しかし、本の卸の販売ルートに載せられなければ、大量に売ることは困難です。宣伝も必要になりますから、コストやリスクも大きくなります。
もう50冊しか残っていないのですか、きっと幻の名著になります。出版業界と本の物流業界に一矢報いること、どうやらそれが望みなのですね。(笑)

同じ企画で数冊積み重ねられたら、状況が変わるでしょうね。こういうときは無理せず、できる範囲のことを坦々とやり続けることが大切なのでしょう。
世のため人のためにはなることをビジネスに乗せるのはなかなか難しい。
小欲知足、積み重ねる努力をしているうちに、道は自ずと拓けるのでしょう。

天があなたや鈴木さんにどういうシナリオを用意しているのか、わたしにはそちらに興味があります。わたしのような凡人には、いくら考えたってわかりっこない、だから考えない。

面白い人たちと縁ができたとあらためて気がつきました。
by ebisu (2016-04-30 08:47) 

Suzuki Akira

「星奈のお店」のSuzukiです。

本の素晴らしいご評価と詳細までご紹介いただき、誠にありがとうございました。
関東一高在籍時では、制作したホームページや、精を尽くしたビデオはほとんど評価されず終わりました。それを悩んだ事もありました。さらに発刊までいろいろな事が重なりました。
管理人様から、このように言っていただけると次への意欲が湧いてきます。

koderaさんはこの本を宣伝できるなら、わずか1クラスの集まりでも行くと言っていました。1クラスといえば20人~40人です。
本への自信と愛着と学生に対する思いを見ると、その姿から多くのことを学びます。私はkoderaさんの姿を近くで見られる幸運な学生でもあります。講演会により、本はその価値をさらに膨らませると私は思っています。

近々、koderaさんが講演者として入社式に呼ばれた時のビデオを公開する予定です。難関を突破した学生が集まる会社で、koderaさんが何を話したのか気になるところだと思います。
このビデオは本を買ってくださった方への特典になります。準備が整い次第、すぐにご連絡させていただきます。

今後、koderaさんが発刊を予定している本はたくさんあります。制作意欲はありますが、まず販路を確保する事が必要だと思いました。私はホームページ制作と印刷関係の仕事が主です。教育、高齢者の生活、雇用をテーマとして行いたいと思います。続編のためにも、販路拡大は急務だと思っています。

どうぞよろしくお願いいたします。
by Suzuki Akira (2016-05-02 13:28) 

ebisu

Suzuki Akira さん

おはようございます。なかなかすばらしい編集の本でした。世代の違う人のコラボレーションというのはまったく新しい試みです。わたしは高く評価しています。

数日前のNHKラジオでマーケティングについての話を耳にしました。韓国のサムスン電子はマーケテイング要員を世界中に260人抱えているのだそうです。日本の家電メーカはゼロ。

インド向けの冷蔵庫開発の話が例に出ていました。鍵が付けられて、バッテリー搭載型のものをサムソン電子が販売しているそうです。どちらも現地のニーズに応じたものです。停電が頻繁に起きるので、バッテリーがあると数時間停電しても中の物を腐らせないですみます。
日本の開発要員は日本にいて、いい物を作れば売れると「神話」を信じて製品を開発し、世界市場を相手にしているのにマーケティング要員を販売先の各国においていない。だから、現地のニーズがわかるはずがありません。

世界市場ではサムスンの冷蔵庫がドンドン売れて、インドでは日本製冷蔵庫は販売店で埃をかぶってだれも見向きもしません。

物がいいだけでは売れるとは限らないということです。販売には販売のための戦略、つまりマーケティングが必要だということ。これがなかなかむずかしい。
山はまだ半分も登っていません。ほんとうの難所はこれから現れます。
でも、ちゃんと観察しながら、身の丈にあったやりかたで坦々とやっていけば、どこかで頂上が見えてきます。
ご成功を祈ります。
by ebisu (2016-05-03 09:10) 

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