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#2974 『資本論』と経済学(28) :「注ー6」と主要文献リスト Feb. 14, 2015  [資本論と21世紀の経済学(初版)]


 *-6 「繰延税金資産について」
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 繰延税金資産勘定と繰延税金負債勘定は会社法と税法の損失のズレを調整する勘定である。簡単な仮説例が作れないので、日本の三大メガ・バンクの一つである三菱UFJ銀行の決算データの関連部分を並べてみる。

(三菱UFJ銀行「有価証券報告書」から集計)
 
 <三菱UFJ     金額単位:億円 端数切捨て
 (金額単位:億円)H183 H203 H223 H243 

 

  2006.32007.32008.32009.32010.32011.32012.32013.3

 

a繰延税金資産7,0962,4827,47110,3655,6357,1099581,306

 

b繰延税金負債6428187632382772391,5761,550

 

          

 

c経常収益29,31848,79550,83642,40035,15732,09847,63251,761

 

d経常利益6,87537,0107,944-1,0384,5828,49713,44116,948

 

e税金等調整前当期純利益9,65712,3108,5272885,5618,61013,53715,430

 

          

 

f法人税・住民税・事業税7436508136307049931,9763,495

 

g法人税等調整額3,5463,4841,2041,112794-2141,981904

 

 還付法人税等  108     

 

h実効税率 ①h=f/e  (%)7.7%5.3%9.5%218.8%12.7%11.5%14.6%22.7%

 

i実効税率 ②i=(f+g)/e (%)44.4%33.6%23.7%604.9%26.9%9.0%29.2%28.5%

 

j当期純利益4,8417,4445,914-2,1393,6287,1978,5269,848

 



 
 假りに、リーマンショックによる国内金融機関の損失15兆円を、ひとつの銀行の損失とし、実効税率を35%とする。繰延税金試算額は、次の算式で計算される。  15兆円×0.35=5.25兆円 会計上の仕訳は次のようになる。
  繰延税金資産  5.25   法人税等調整額 5.25 

翌期に3兆円の損失が税務上確定すると、次の仕訳が行われる。
  法人税等調整額 1.05   繰延税金資産 1.05 

 5年間にわたり、毎年3兆円ずつ税務上の損失が確定したとすると、毎年上記の振り戻し仕訳が行われる。
 会計上議論になるのは、繰延税金資産勘定に資産性があるのかという点で、BIS規制との関係で問題になる。
 繰越欠損金15兆円は5年間の繰延ができるので、損失発生後5年間の利益と相殺できる。つまり、5年間は繰越欠損金と利益を相殺することで税金支払いを減らすことができる。
 三菱UFJ銀行の実効税率①の8年間の平均値は13.5%である。実効税率を35%とすると、率で21.5%、金額で16673億円も「合法的に節税」できたことになる。三菱UFJ銀行一行だけで8年間で1.6兆円の減税効果あり。
 法人税をさらに下げると安倍首相は叫んでいるが、事実はすでに大幅減税済である。

  簡単な設例で仕組みの説明がされているサイトを見つけましたので、興味のある方はこちらのURLをクリックしてご覧ください。
*銀行員.com 「税務上の欠損金の繰越控除」
http://www.ginkouin.com/rensai/kaikei/10.html 

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<生年と没年メモ>
ルネ・デカル
       1596/3/311650/2/11 53
関孝和            1642/31708/12/5 66歳 
アイザック・ニュートン 1642/12/151727/3/20 84
 1660年代にライプニッツと微分積分学の創始について争い裁判、25年も係争する。
ゴットフリート・ライプニッツ 1646/7/11716/11/14 70
ピエール・ジョセフ・プルードン 1809/1/151865/1/19 56
カール・マルクス       1818/5/51883/3/14 64 


<文献リスト>
『経済学批判要綱』カール・マルクス/高木幸二郎監訳 大月書店 1971年初版第6
『対訳初版資本論第一章』マルクス著 牧野紀之訳 鶏鳴双書1973年刊
『資本論第一巻第一分冊』カール・マルクス/大内兵衛訳 大月書店1968年第2
『フランス語版資本論 上巻』カール・マルクス/江夏千穂、上杉聰彦 法政大学出版局 1979年初版
『フランス語版資本論 下巻』『プルードン研究』佐藤茂行著 木鐸社 1975年初版
『フランス語版資本論の研究』林直道著 大月書店 1976年初版第2
『新資本主義論 視覚転換の経済学』馬場宏治著 名古屋大学出版局 2000年初版第2
『経済学古典探索 批判と好奇心』馬場宏治著 御茶ノ水書房 2008年刊
『過剰富裕化と過剰労働時間』戸塚茂雄著 開成出版 2009年刊
21世紀の資本』トマ・ピケティ著トマ・ピケティ (), 山形浩生 (翻訳), 守岡桜 (翻訳), 森本正史 (翻訳) みすず書房 2014年刊 
『入門税効果会計の実務』 斉藤奏著 税務経理協会 1999年刊

<メモ>
ソニーの外人株主のシェアー:20143月末日 42.3*http://www.kabupro.jp/code/6758.htm
日産自動車 69.58
マツダ   31.25
*「東洋経済」http://toyokeizai.net/articles//7715

****************************************************************************

 <計算式と答え>  131:x=108:60      131(円/㍑)×60$÷108$=72.8(円/㍑)
*原油価格の推移 http://ecodb.net/pcp/imf_group_oil.html

*****************************************************************

<謝意>
 28回にわたる弊ブログ「資本論と経済学」を読んでくれた皆様にこころより感謝の意を申し上げます、ありがとうございました。
 検索の便利のために記事URLを貼り付けておきます。

*****************************************************************

*#2935 『資本論』と経済学(1):「目次」 Jan. 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-25

 #2936 『資本論』と経済学(2):「1.経済現象と日本の国益」 Jan. 26, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-26

 #2937 『資本論』と経済学(3):「円安はいいことか?80⇒120円/$の威力」 Jan. 27, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27

 #2938 『資本論』と経済学(4) : 「経済学とは?」 Jan. 27, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-1

 #2939 『資本論』と経済学(5) : 「『資本論』の章別編成」 Jan. 27, 2015  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-2

 #2941 『資本論』と経済学(6) : 「マルクス著作の出版年表」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-1

 #2942 『資本論』と経済学(7) : 「デカルト/科学の方法四つの規則」 Jan. 29, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-2

 #2943 『資本論』と経済学(8) : 「ユークリッド『原論」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29

 #2944 『資本論』と経済学(9) : 「何をやりつつあったかは残された文献に聞け」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-1

 #2945 『資本論』と経済学(10) : 「プルードン「系列の弁証法」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-2

 #2947 『資本論』と経済学(11) : 「労働観を時間座標系においてみる」 Jan. 29, 2015     
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-4

  #2948 『資本論』と経済学(12) : 「学としての『資本論』体系解説」 Jan. 29, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-30

 #2950 『資本論』と経済学(13) : 「マルクスの経済学体系構成法」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-1

 #2951 『資本論』と経済学(14) : 「マルクスの労働観と日本人の仕事観」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-2

 #2952 『資本論』と経済学(15) : 「ヨーロッパ労働観⇔と日本の仕事観」 Feb.1, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-3

 #2953 『資本論』と経済学(16):「仕事がキツイ!に潜む心(仕事観)の問題」 Feb.1, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-01

 #2955 『資本論』と経済学(17):「要領の悪いものほど忙しいとぼやく」 Feb.3, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-03

 #2958 『資本論』と経済学(18):「教育の職人」 Feb. 5, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-04-2

 #2960 『資本論』と経済学(19):「日本経済の未来」 Feb. 6, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

 #2961 『資本論』と経済学(20):「経済成長の天井 山田久氏の論」 Feb. 7, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07

 #2964 『資本論』と経済学(21):「過剰富裕化論」 Feb. 8, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-3

 #2966 『資本論』と経済学(22):「相対的貧困率上昇と富裕層増大」 Feb. 9, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-08-1

 #2967 『資本論』と経済学(23):「ピケティの空想的所得再分配論」 Feb. 10, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

 #2968 『資本論』と経済学(24):「浜矩子 予算案と公共性について」 Feb. 11, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-10

 #2971 『資本論』と経済学(25):「村落共同体と税:自由民と農奴について」 Feb. 12, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12

 #2972 『資本論』と経済学(26):「文部科学大臣下村博文「教育再生案」について」 Feb. 13, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12-1

 #2973 『資本論』と経済学(27):「注-1~5」 Feb. 13, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13

 #2974 『資本論』と経済学(28):「注ー6」と主要文献リスト Feb. 14, 2015  http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13-1



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コメント 4

後志のおじさん

読みごたえのある論ありがとうございました。

19世紀の流行だった弁証法で、工場(鉱山)労働のみを対象に「労働価値説」を構築したものの未だ成立をみていないグローバル経済で行き詰まり、

書きちらしの草稿を、エンゲルスが、よくわからないまま出版してしまった、というのがマルクス理論の実態なのですね。

勉強になりました。

それにしても、マイスターという匠を重んじる国、ドイツで、労働=単純労働としたマルクスの思考回路は、理解不能です。

マイスターの所産は、労働の成果ではなく、芸術だとでも思っていたのでしょうか。

ebisuさんのお考えは如何?


by 後志のおじさん (2015-02-15 11:15) 

ebisu

後志のおじさん

長いシリーズの論文を読んでいただきありがとうございます。

マイスターの仕事はドイツに在っては資本主義的生産様式の埒外ですから、マルクスは経済学の対象から外したのでしょう。かれの対象は資本主義的生産様式の下で生産された商品と資本の運動です。
ところが、資本主義経済社会にもマイスターは存在しており、商品生産をしています。

エンゲルスはマルクス経済学を理解していたのだろうと思います。ただ自分の問題意識で理解していたから、遺稿の整理もそうした線で行われてしまいました。破たん前の古い計画は聞いていたのでその線での整除をしたのです。

マイスターの労働は社会的平均熟練度をはるかに超えていますから、社会的平均労働を想定するマルクスには都合が悪かったことは事実でしょうね。

修行期間十年で一人前の職人、万日(30年)の仕事を経て、磨いた技術をもつ者がその道のマイスターでしょう。
それは職人に限らない、柔道・剣道・空手も万日の稽古をへて、名人の域の入り口に立つことができます。

そういう職人中心の経済社会は経済学の公理・公準と入れ替えることで実現できる、というのがわたしの論です。分配論を論じるだけのピケティの『21世紀の資本』よりもずっといいでしょう。
生産システムそのものを変えてしまう。
そして働く意欲のある若い人たちに安定した職と安定した生活を保障できます。
その生産システムを日本が実現して、システム全体を輸出すれば、世界中の国々の失業は劇的に減らせます。
(米国やグローバル企業は困ったことになります。かれらは生産の独占することで他人の不幸の上に自分たちの繁栄を築いています。)
by ebisu (2015-02-15 12:02) 

後志のおじさん

会社務めをしていたころ、片言のドイツ語会話はできて仕事の中身はよくわかっている、

そんな立場で、オーストリアから設備設置技術者のアテンドをしたことがありました。


彼らの職人意識はきわめて高く、「職人」意識が極めて高い方々だと。
そして、Ich fragte dass Sie Maister sind ?
に対して、Nein. Ich moechte.

彼らの職人技に対する、敬意と向上心をうかかわされた実体験です。マイスターは、かの地では、大学教授と同等の地位のようです。

マルクスが、論の基本方針を据えた1850ころは、英国や仏国が当時の先端を行き、ドイツには目を向けることはできなかったのでしょうね、マルクスは。

私は、マルクスがドイツの労働者の職業倫理を体感していたなら、

Ebisu さんの論にたどりついていたのではないかと思っているのですが。

by 後志のおじさん (2015-02-15 21:29) 

ebisu

後志のおじさん

マルクスは大学への就職がうまくいかず、そのうちに政治的に立場がまずくなり英国へ亡命。
数年間、働いた経験があれば労働観が違ったでしょうね。
向こうの技術屋さんはたしかに誇り高い。技術の優位性に強い誇りをもっています。染色体画像解析装置と暗号システムで3人の技術者と仕事の接点があったことがありますが、自分たちの技術的優位性に、確固とした誇りをもっていました。

日本では技術者でない単なる工場の工員が現場でいろんな工夫をしています。仕事に誇りをもっているのは技術屋にかぎらないところがすばらしい。
ゼビオのパートのおばちゃんたちも、自分の仕事に自信と誇りをもっている。それだけのことを任され、実績を挙げています。

マルクスにドイツで労働の経験が数年あったら、『資本論』は別物だったかもしれませんね。面白い指摘です。
1850年当時は資本主義の先進地は英国だった、だからドイツには目が向かなかったというのも、その通りです。

「マイスター制度と資本主義」なんて本をマルクスに書いておいてほしかったですね。(笑)
by ebisu (2015-02-15 23:39) 

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