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#2953 『資本論』と経済学(16):「日本人の仕事観:仕事は楽しい!」 Feb.1, 2015 [資本論と21世紀の経済学(初版)]


14. <日本人の仕事観:仕事は楽しい!> 

 
日教組がお題目のように唱えている「30人学級がいい!」、「仕事量が多すぎる!」は本当のところと悪しき労働観の問題に分けることができそうだ。前者は事実だろうか、民間企業の仕事量や業務改善を引き合いに出して、仕事観の問題を論じてみたい。

 【民間企業の仕事量】
 民間企業の実例を挙げてみたい。 わたしは1979年、20歳代の終わりから30歳代半ばまで軍事用・産業用エレクトロニクス製品の輸入商社で働いていた。中途入社すると社長はすぐに全取締役が参加する財務委員会を立ち上げ、その下にそれぞれ目的を異にする6つの委員会ぶら下げた。その結果、実働部隊はわたしだけというプロジェクトを5つ(長期経営計画委員会、資金投資計画委員会、収益見通し分析委員会、電算化推進委員会、為替対策委員会)抱えることになったから、仕事の終わるのは週に34日はほぼ終電(0時過ぎ)間際、仕事は終わっていないのだが、そこでやめないと終電車に乗れない、そういう楽しい状態が5年間続いた。

[輸入商社入社の経緯]
 新聞で見つけた2社に応募書類を送って、某有名ファッション企業のペーパー試験の後、社長面接をして入社が決まっていた。国内の子会社の経営管理を担当するか、NY支点勤務かどちらかに決めたいので、少し時間が欲しいと言われていた。それでもう一つの会社の採用担当役員へ応募辞退を電話で告げたら、とにかく来て社長に会っていけというので、会社を訪れた。案内されて社内を歩いてみたらマイクロ波計測器やや制御用コンピュータがごろごろしていた。社長室で30分ほど話したら、社長は慶応大大学院経済学研究科で経済史を専攻したという、わたしのいた東経大大学院の入試難易度は当時は慶応大学大学院経済学研究科とほぼ同じだった、話しているうちになんとなく気があってしまった。結局、産業用エレクトロニクス製品の輸入商社へ就職することになり、先に決まっていた会社へは、手紙を書いて辞退した。そういう事情があったからなのか、仕事の任せ方が半端でなかった。役員主体のプロジェクト6つの内、5つを中途入社したばかりのわたしに任せたのである。飛躍のチャンスをもらった、あの五年間がなければその後のわたしはなかった、二代目社長の関周氏に感謝している。18歳くらい年上だった。初代はスタンフォード大学で、ヒューレットやパッカードと一緒に学んだ。あのHP社の創業者である。わたしが入社したときには、初代はとっくになくなっており、2代目ががんばっていた。YHPへの資本参加を断念し、移籍希望の社員を新会社に移籍させ、残った社員で軍事用・産業用エレクトロニクス関係の欧米50社の輸入総代理店として事業を続けていた。その後為替が変動相場制に移行し、業績が嵐の中の船のようにアップダウンを繰り返していた。環境の激変に対応できる人材を求めていたのである。大きな仕事を任せてもらえる絶妙のタイミングで応募した。

HP67HP97を駆使した経営分析に基づく経営改善] 
 仕事を効率的にやるために経営分析で必要な統計量計算を、すぐに科学技術計算用のプログラマブル・キャリュキュレータHP67HP97を使ってプログラミングし、25項目の経営分析指標を計算したり、25項目のレーダチャート用基準ゲージを造るために、データの線形回帰分析を繰り返した。入社早々、すぐに自社の5年間の財務データや人員データをベースに電卓をたたいて経営分析をしいたら、社長の関さんが米国出張のお土産に当時11万円もするHP67をお土産に買ってきてくれた。その2ヶ月後に社長が米国出張から戻ると、朝机の上にプリンタのついた卓上型のHP97があった。社長秘書のH金さんに訊いたら、社長がHP67のキーが小さいので、ブラインドタッチで叩けるHP97を買ってくれたとわかった、うれしかった。当時、22万円もする製品だった。HP97はプリンタがついているだけでどちらも性能は一緒、長さ8cm1cmの磁気カードにプログラムもデータも保存できる。線形回帰分析も曲線回帰分析も自在にできるすぐれもの。理系の大学院でもなかなか買ってもらえない高性能の科学技術用プログラマブル計算機だった。

* HP97
https://www.google.co.jp/images?q=HP97&rls=com.microsoft:ja:IE-SearchBox&oe=UTF-8&rlz=1I7SUNA_jaJP310&gws_rd=ssl&hl=ja&sa=X&oi=image_result_group&ei=ZiDOVIPsO4qM8QW9yYLQCg&ved=0CBQQsAQ
** HP67&HP97(Wikipedia)
http://en.wikipedia.org/wiki/HP-67/-97


 この2台のヒューレットパッカード社の計算機に採用されていたプログラミング言語は逆ポーランド記法の科学技術計算専用のプログラミング言語だった。1週間でそれぞれ400ページある英文の操作マニュアルとプログラミングマニュアルを読み切り、使った。英文がやさしくマニュアルの出来がよかったので読み切れたのだろう。使ってみてその威力の大きさに驚いた。1日かかっていた計算が30分で終わるのである、それだけではない、入力データだけチェックすれば、あとはプログラムがやるからチェックが不要、なんと便利だろう、そう実感した。
 自社の経営管理用に、過去5年の線形回帰データを元にして、アレンジを加え、5ディメンション(収益性×6、成長性×6、財務安定性×6、活動性×3、生産性×6)、27項目の経営分析モデル*(注-3)を作った。27項目の各ゲージを線形回帰分析データやそれが使えない場合は、理想型を想定してゲージを作成した。円定価システムや納期管理システム、外貨決済管理システムと連動してその経営分析システムは自社の財務安定性と収益性改善に絶大な威力を発揮した。

 1979年に開発したそのモデルは、1992年に臨床検査会社で子会社8社の業績評価に利用した。このモデルはMSDI(経営管理用標準偏差指数)を計算して、会社の業績を総合偏差値で評価できる優れもので、開発した1979年当時では日本では最先端のシステムだった。臨床検査会社へ転職してから、EXCELに載せ替えてやった仕事の文書、『平成4年度グループ会社業績報告書』(平成5323日付け)が残っている。会社の買収や取引先臨床検査会社の経営分析にも利用した。

[三つのプログラミング言語の習得]
 1年後には経理業務と給与システムが載っているオフコンのプログラミングをマスターして必要なデータを取り出し編集してプリントアウトするプログラムを作った。新しい技術を覚えてそれをすぐに使えるというのは楽しいものだ。個人で2千万円のオフコンや数千万円の汎用小型機を購入してプログラミングすることなどできるわけがないのだが、それが「会社という共同体」では可能になる。
 二番目に習得した言語はCOOLというダイレクトアドレッシングのオフコン用の面白い言語、12桁の数字を演算子と3個のオペランドに機能を分割した面白い言語だった。納期管理と外貨決済管理用のシステム開発をしてもう一台コンピュータを導入したので、三番目にはコンパイラ系言語Progress-Ⅱもマスターした。
 プログラム言語は一つ覚えると、表記の仕方が違うだけで、アルゴリズムは一緒だから次々にマスターできる、文系でも物怖じせずにアタックすればいいのだ。プログラム言語それぞれに特徴があって比較ができて面白い。わたしの本来のスキルは経理にあるのだが、ついにこの会社では資金計画を担当させてもらっただけで、経理のルーチン業務を担当することがなかった。予算編成の統括業務と予算管理や経営分析、経営管理業務は異動してもずっと担当することになった。社員数が160人程度の会社では属人的な業務がどうしてもできてしまう。
 1979年当時は、経理がわかって経営管理ができて、為替管理の仕組みの考案やそれにマッチした輸入実務フロー・デザインとコンピュータシステム開発とシステム管理のできる人材が必要だった。経営改善というのはそういう専門領域がいくつもぶつかり合ったところで生じ、複数の専門知識と技術があって初めて解決可能になる。
 このころはコンピュータやシステム開発関係の専門書を数十冊読み漁った。自分の仕事の省力化を推し進めると余剰時間が生まれるから、それを利用して他の専門領域の本を読み仕事の幅を広げた。
 会社のさまざまな仕組みを変え、新たに実務デザインしなおしてシステム化し、省力化と仕事の精度の飛躍的な向上を同時に実現した。売上高経常利益率が10%に高め、利益を5倍にして財務安定性を強固なものにするために必要な経営改革だった。4年ほどで目標を超える成果が上がった。「必要は発明の母である」、忙しくない者は永遠に仕事の改善をしない、忙しい者ほど仕事の改善をすることになる、ハードルが高いほうが仕事のしがいがある。仕事は魂をこめて、渾身の力で、とことん、徹底してやるから楽しくなる

[強力なパートナーの存在]
 利益重点営業委員会は会社のナンバーワン営業の(一つ年上の)課長が実務をやっており、円定価システムというシステムがらみの案件だったので、そちらも手伝っていた。3ヶ月移動平均為替レートを使って為替変動を反映すると同時に、受注残ファイルの納期情報から決済月を自動計算して為替予約を行い、受注時のレートと仕入レートと決済レートを連動させて為替リスクを回避する仕組みを作った。
 3ヶ月ごとに円定価表を改訂し自動出力した。それまでは営業マンがそれぞれ電卓を叩いて見積もり表を作っていたから、営業所で見積書作成作業に3分の1ほどの時間がとられていた。同じ電気メーカの横浜工場と府中工場に出す見積もり金額が違うので、しばしばクレームになっていた。理系大卒の営業マンを見積書作成業務から解放し、本来の営業活動に注力させて、一人当たり売上を2倍にしようというのである。円定価表と連動させて為替予約をすることで、為替変動リスクを回避するシステムもつくった。それ以来、円安で業績が悪化することがなくなった。目論見どおり、売上総利益率が10ポイント上がり、高収益会社へ変わった。
 50億円の受注を2年かけて狙って獲得したナンバーワン営業のE藤課長とは馬があった。わたしが出遭った中では最高の営業マンであった。かれが社内の主だった営業マンを次々にわたしの紹介してくれた。朝まで一緒に酒をなんども呑んだ。済ました顔で仕事を始めても、酒臭さはどうしようもないし、気持ちも悪いから、2度ほどトイレに行って吐いてくると楽になる。昼が来たら、日本橋芳町の高次を入ったお店、「よし梅」だたかな、そこのおかゆ定食がありがたい。それを食べたら元気回復、5時を過ぎることには仕事仲間とまた飲みたくなる。
 

[社内のすべての部門へチャンネルをもつべし]
 まだパソコンがおもちゃで、仕事で使えるのはオフコンや汎用小型機の時代の話である。1980年に導入したA4版の書類がCRT(このころはカラーでもなく液晶でもない、まだグリーンディスプレイの時代)三菱製のワープロが200万円もした。業界初のA4の書類をフルに表示できるというのがその商品の売りのポイントだった。
 月に一度は東北大の助教授による、マイクロ波やミリ波の導波管や計測器についての仕組みに関する勉強会があった。対象は営業マン(理系大卒あるいは国立高専卒)である。月に2度ほど輸入元のメーカが新製品の説明にエンジニアを送ってくるから、英語で新製品説明会が開かれる、技術部と営業部が対象である。そのどちらにも5年間全部出席した。講習会が終わると、彼らとお決まりのノミュニケーションである。週に1度は会社のさまざまな部門の人たちと酒を飲むことにしていた、酒の席でないと出ない話しがあるし、異なるセクションの人と話をして相手の業務を具体的に知ることはプロジェクトを円滑に進めるためにも効果が大きい。大きな視野で物事を判断するためには、社内のすべてのセクションの人々と普段からコミュニケーションすべきだし、社内で行われる業務ごとの講習会や勉強会にも積極的に参加したほうが、仕事の幅が広がって面白くなる。


[仕事の幅を広げる:専門領域の拡大]
 具体例を一つ挙げてみたい。経理部門(中途入社の最初の配属部門、経理担当取締役の直属スタッフ、1年後に管理部へ異動し3年半後に統合システム開発を担当)で長期計画、予算編成および予算管理、経営分析業務を担当していると、メインバンクの営業担当者と話をする機会がある。会社がどういう分野に注力して、今後3年間でどれくらいの売り上げ増が見込め、利益にどれぐらい影響がでるのか数字を挙げて説明し、翌年その通りの実績がでると、会社の信用が上がる。利益がきちんとコントロールできていれば無担保でも事業に必要な資金を貸し付けてくれるように変わる。だから、経理部門や経営企画・管理部門だからといって、会社の製品開発動向やそれによって年間の利益額にどれくらいの影響があるのかを推計もできないようではお話にならない。
 土日はどちらか1日は仕事に関係のある専門書かあるいは興味のある分野の専門書と812時間ほど「格闘」、1日は家族サービスに充てていた。
 20歳代や30歳代にインプットをおこたってはならない。民間企業では仕事のできる者に他の者にはできない難易度の高い仕事が集まってくる、複数の専門分野に関わる仕事をやり遂げるのは楽しいもの。チャレンジしているという実感がある。

[みんなが幸せになる]
 その結果、会社の利益は増えるし、社員のボーナスも安定して増えるからみんな生き生き働くようになる。そして社員持株会の株も毎年評価額が上がり、老後の足しになるから女房も喜ぶ。社員とその家族が幸せになれるのだから、給料がそこそこでも仕事のしがいは大いにある。その給料も実績を挙げ続ければいずれ上がってくるのが、民間企業のよいところだ。

[言われてやるのではなく、自分で課題を見つけてチャレンジすれば、仕事は楽しい]
 課題を自ら設定し、その課題解決に必要な技能を身につけるために、必要な専門書を片っ端から読み漁り、必要な高額の機器を買ってもらって渾身の力で仕事をしていたが、産業用エレクトロニクス輸入商社の5年間は一度も仕事することが苦役だと感じたことがなかった。
 マイクロ波やミリ波計測器の社内勉強会に毎月出席し、商品知識も確かなものになっていった。ディテクター、データ処理用のコントローラ(制御用科学技術計算専用パソコン)、GPIB(双方向インターフェイスバス、General Purpose Interface Bus)というのが1980年代はじめのころの計測器の標準的な構成だった。周波数の種類ごとにディテクターがある。
 欧米50社の取引先から新製品がでると、市場の大きい日本にはエンジニアが製品説明に入れ替わり立ち代り毎月のように来て、理系大卒の営業マン対象に新製品説明会を開いていたが、これも5年間一つももらさず出席した。「門前の小僧習わぬ経を読む」を信じて勉強させてもらった。
 マイクロ波計測器、制御用コンピュータ、マルチコントローラー、時間周波数標準機(ルビジウム、水素メーザ)、質量分析器、液体シンチレーションカウンター、ウォータゲート事件で使われたレシーバ、電子戦シミュレータ、戦闘機のアンテナなどなど、世界最先端の機器に関する知識を吸収していくのも楽しかった。20代の終わりから30代は爽快に飛ばして仕事していた。
 
この理化学分析機器に関する知識が国内最大手の臨床検査会社に転職してから物を言うことになる。日本最大の特殊検査ラボの機器担当をひょんな事情から2年間担当することになるのだから、運命のいたずらは楽しい。検査に使われている分析機器はデータ処理部とインターフェイスバスがマイクロは計測器に比べると著しく遅れていた。双方向ではなかったのである。
 本社で予算の統括と統合システム開発をしていた人間がラボの機器購買担当になったわけだから、検査機器については知識がないのが当然だが、そうではなかった、「門前の小僧」は東北大学助教授を招いて毎月開かれていたマイクロ波計測やミリ波計測の勉強会と海外メーカの新製品説明会に毎回出席することで、いつのまにか専門家に育っていたのである。だから、2年間の間に製薬メーカとの間でいくつか共同開発や開発段階の機器の最終インスタレーションもやった。ひとつは半年独占使用を条件にしたから、大型開発品で市場シェアをがっちり握ることができた。1988
年頃、栄研化学のLX3000という酵素系大型自動分析機である。

[業務の棚卸しと優先順位づけによる3割カット]
 臨床検査会社で学術開発本部スタッフとして仕事していたときに業務カット・プロジェクトで経験したことにも触れておきたい。学術開発本部には開発部、学術情報部、精度保証部の三つの部が属していたが、全員の仕事を日次・週次・月次・四半期・半期・年次業務にわけて棚卸しをして、優先順位をつけていき、優先順位の低いものから3割カットした。その結果人員が3割浮いた。こうすると人員を増やさずに、新規の仕事に人員3割を割くことができる。要はやり方だろう。

[働くことは楽しい]
 
働くは「傍(はた)を楽(らく)にすること」だという語呂合わせで説明されることがある。「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」ということも数百年間広く流布している商道徳である。自分だけがよいのではなく、関係する周りの皆さんが幸せになるということが、日本人の暗黙の行動規範として受け継がれてきたように思う。仕事に関する自分の技術を磨いて、渾身の力で仕事をすれば、仕事は確かに歓びと変わり楽しいものになるもの。わたしは規模と業種の異なる4つの会社と1つの医療法人(常務理事)での26年間のサラリーマンや役員生活を通して仕事が歓びであることを繰り返し体験した。
 細かく言うと、それら5つの企業のほかに、2回役員として関係会社と合弁会社への出向も経験している。すべて同じスタンスで仕事をしてきた。だから、仕事をする自分の基本的スタンスや考え方(仕事観)、そして自分の心のあり方が、仕事の印象を異なるものにするのだと思う。

[仕事量が多くても工夫次第で劇的に減らせる
 仕事が苦役であると感じる人は、自分の心や労働観(仕事観)を今一度見直してみたらいいのではないだろうか。そんなに過酷な「労働」をしていますか?
 学校の先生たちは、業務の見直しや業務改善をどの程度やっているのだろう、業務を固定して考え過ぎてはいるということはないだろうか。

 
データを挙げて議論すべき】
 
団塊世代のわたしが通った花咲小学校は1クラス60人で1学年6クラスあった。5年生から担任だったT木先生は算数の授業で少数の乗除算や分数の加減乗除算をやったときには「わからない人は残れ!」って、放課後補習を頻繁に繰り返してくれた。北海道教育大釧路分校を卒業したばかりの若い先生でしたが実に生き生き仕事をしていらっしゃった。学校の校庭でスケート、裏山(丘、現在は住宅地になっている、埋め立てられてしまった海岸線ばかりでなくここでも子供たちの遊び場がなくなっている)でスキーとそり滑り、正月には百人一首といま思い出しても生徒と一緒によく遊んでくれた。昔は相対評価、成績つけるのなんて今に比べたらいい加減でもよかった。確かに絶対評価になって評価項目が細分化されて面倒になっているのは事実だ。しかし、長期的に取り組むなら変えられないものなどない。関係者の理解と納得がいく具体案を作り、組織を挙げて世の中と文科省を説得すればいい。
 中学校は1クラス55人で1学年10クラス、高校は1クラス50人で1学年7クラス350人だった。いまでは高校は50年前に比べて1クラス8割で40人規模だが、小学校は半分以下の規模になっている。花咲小学校の今年の入学児童数は39人で2クラスだから、1クラス当たりの人数は58年前の60人と比べて三分の一の20人、北海道の他の地域も似たり寄ったりではないのか。
 こんなに1クラス当たりの児童数・生徒数が減少したのに、2014年全国学力テストの都道府県別科目別正答率標準偏差データを使って計算すると北海道の小学校の偏差値は37しかないから、こんなに生徒たちの学力が低いのに仕事がきついというなら仕事の優先順位とやり方が間違っている。何がきついのか、仕事の種類とそれに費やされている時間データをあげて先生たち自身が保護者たちに具体的に説明し、関係者の理解と納得のもとに改善を図る必要がある。まだ1クラス当たりの人数が多すぎると一部の人たちが主張しているが、低学力の原因は一クラス当たりの人数が多いからという主張はデータの根拠がみつからないだろう。労働時間が少なければ少ないほどいい、労働強度は小さければ小さいほどいいというだけなら、それは得手勝手な主張であると言われてもしかたがない。
 病院へ行くといろいろ検査をするが、医療現場ではどの医者もデータに基づく診療をしている、それが当たり前のことだからだ。検査データを示されて、身体のどこに異常があるのか説明してもらうと、自分の病状がよくわかるし、どうすればいいのかも説明してもらうと納得がいく。
 教育現場ではどうしてデータに基づく議論をしないのか外部から見ると不思議だ。都道府県別偏差値で北海道の小学校は37、偏差値が正しくないというなら、統計学的に妥当性のある代案を出せばいいだけだが、そういう反論は聞いたことがない。
 偏差値373年で50にもっていくには、今年何をすべきか、そして年度末にはそれを具体的な数値で確認できるように実務を組み立てる。結果を評価して次年度の数値計画を立てて、実績データでチェックする。要するにPDCAを繰り返す。


[PDCA]
  Plan, Do, Check, Act


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*#2935 『資本論』と経済学(1):「目次」 Jan. 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-25

 #2936 『資本論』と経済学(2):「1.経済現象と日本の国益」 Jan. 26, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-26

 #2937 『資本論』と経済学(3):「円安はいいことか?80⇒120円/$の威力」 Jan. 27, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27

 #2938 『資本論』と経済学(4) : 「経済学の定義」 Jan. 27, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-1

 #2939 『資本論』と経済学(5) : 「『資本論』の章別編成」 Jan. 27, 2015  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-2

 #2941 『資本論』と経済学(6) : 「マルクス著作の出版年表」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-1

 #2942 『資本論』と経済学(7) : 「デカルト/科学の方法四つの規則とユークリッド『原論』」 Jan. 29, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-2

 #2943 『資本論』と経済学(8) : 「学の体系構成法の視点から見たユークリッド『原論」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29

 #2944 『資本論』と経済学(9) : 「何をやりつつあったかを読み解く」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-1

 #2945 『資本論』と経済学(10) : 「資本論体系の特異性とプルードン「系列の弁証法」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-2

 #2947 『資本論』と経済学(11) : 「労働観と仕事観:過去⇒現在⇒未来」 Jan. 29, 2015     
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-4

  #2948 『資本論』と経済学(12) : 「公理書き換えによる21世紀の経済学の創造」 Jan. 29, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-30

 #2950 『資本論』と経済学(13) : 「経済学体系構成原理は四つ」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-1

 #2951 『資本論』と経済学(14) : 「第1の公理を巡って:マルクスの労働観と日本人の仕事観」 Jan. 31, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-2

 #2952 『資本論』と経済学(15) : 「対極にあるもの:ヨーロッパ労働観⇔と日本の仕事観」 Feb.1, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-31-3

 #2953 『資本論』と経済学(16):「日本人の仕事観:仕事は楽しい!」 Feb.1, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-01

 #2955 『資本論』と経済学(17):「要領の悪いものほど忙しいとぼやく」 Feb.3, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-03

 #2958 『資本論』と経済学(18):「教育の職人」 Feb. 5, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-04-2

 #2960 『資本論』と経済学(19):「日本経済の未来」 Feb. 6, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-05-1

 #2961 『資本論』と経済学(20):「経済成長の天井 山田久氏の論」 Feb. 7, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07

 #2964 『資本論』と経済学(21):「過剰富裕化論」 Feb. 8, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-07-3

 #2966 『資本論』と経済学(22):「相対的貧困率上昇と富裕層増大」 Feb. 9, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-08-1

 #2967 『資本論』と経済学(23):「ピケティの空想的所得再分配論」 Feb. 10, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-09

 #2968 『資本論』と経済学(24):「浜矩子 予算案と公共性について」 Feb. 11, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-10

 #2971 『資本論』と経済学(25):「村落共同体と税:自由民と農奴について」 Feb. 12, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12

 #2972 『資本論』と経済学(26):「文部科学大臣下村博文「教育再生案」について」 Feb. 13, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-12-1

 #2973 『資本論』と経済学(27):「注-1~5」 Feb. 13, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13

 #2974 『資本論』と経済学(28):「注ー6」と主要文献リスト Feb. 14, 2015
 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-02-13-1

 #3015 『資本論と経済学』(29)人工知能の開発が人類滅亡をもたらす:ホーキング博士(資本論と経済学-補遺1) Apr. 2, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-04-02

 #3082 『資本論』と経済学(30):利便性の追求の果てには何があるのか July 15, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-07-15

  #3087 『資本論』と経済学(31):外国人持ち株比率3割の意味するもの(金子勝慶応大教授) July 21, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-07-20

 #3093 『資本論と経済学(32):』安保法制と軍需産業と成長路線は一体のもの:東野圭吾『禁断の魔術』を読む  July 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-07-25-1



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コメント 2

スナフキン

始めてコメントさせて頂きます。ebisuさんの教育論、共感させて頂いてます。
そして、質問なのですが、最近CRTテストと言う学力テストが出ていますが、私が昔々受けていた学力テストとは全くレベルが違うのでビックリしました。私たちの時は、中間テスト、期末テスト、学力テストとあって一番学力テストが難しかったけど、自分がの実力がわかるテストでした。
今のこのCRTというものはとても容易くて何が意味あるのかと感じます。

これからもたまにコメントさせて頂きます。
お体にお気をつけ下さいね。
by スナフキン (2015-02-01 07:54) 

ebisu

スナフキンさん

こんにちは
初コメント、ありがとうございます。

CRTテストは根室でもやっていますが、どうなんでしょうね。あんなに易しいテストに意味があるのかないのか、ないのでしょうね。
全国偏差値でも出ていればいいのですが、業者テストなのに偏差値が計算されていない珍しいテストなのではないですか。経費の無駄だと思っています。
学校の先生の指導の参考に使うことが主目的のようですが、中学生なら、普段の学力テスト結果を見ていれば十分に様子がわかります。そのデータすら学校では使いきれていません。
1年から3年まで、継続的に生徒のデータを統計処理して追っている学校、他校とデータ交換して比較データでデータ解析している学校なんて聞いたことがありません。
やっているだけで標準統計量すら算出しない、やる気なさ過ぎです。

根室では従来、小学校だけでしたが、最近は中学校でもCRTテストをやり始めたようですね。文協学力テストだって易しすぎるのに、それよりもっとやさしいテストをやって、生徒の勘違いを助長するのはやめにしてもらいたい。定員割れ20%の根室高校普通科へ進学して6月の進研模試で数学と英語の平均点が20点台で驚く、ほとんどの生徒が自分の実力に気がつくのが遅すぎて手遅れになっています。

>今のこのCRTというものはとても容易くて何が意味あるのかと感じます。

テスト増やさなくていいから、全国レベルの偏差値表示の出るテストの導入をしてもらいたいですね。
学年3番で全国偏差値50だったら、生徒はびっくりして勉強しますよ。成績オール3で偏差値40以下(成績下位16%)とかね。
全国平均点も偏差値も出ないテストは無駄、ムダ、むだ、です。
by ebisu (2015-02-01 15:19) 

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