So-net無料ブログ作成
検索選択

#2941 『資本論』と経済学(6) : 「マルクス著作の出版年表」 Jan. 29, 2015   [資本論と21世紀の経済学(初版)]


5. <マルクス著作の出版年表>

1843年『ユダヤ人問題に寄せて』25歳
 
本のタイトルにユダヤ人とあるので、マルクスの出自と生年および没年に触れておく。「父はユダヤ教ラビだった弁護士ハインリヒ・マルクスドイツ語版[5][6]。母はオランダ出身のユダヤ教徒ヘンリエッテ(Henriette)(旧姓プレスボルク(Presburg)[5]。マルクスは夫妻の第3子(次男)であり・・・」ウィキペディアより (181855日生まれ、1883314日死亡、64歳)

1844年『経済学・哲学草稿』26
1847年『共産党宣言』29歳 (エンゲルスと共著)
1858
年『経済学批判要綱』401939年に出版された。日本語版初版は1959
1859年『経済学批判』41
1863年『剰余価値学説史』45
1867年『資本論初版』(第一部のみ、第二部は1885年にエンゲルスが、第三部は1894年に出版された)49

「この第2部と第3部の草稿についてマルクスは1866年の段階でエンゲルスに宛てて、「でき上がったとはいえ、原稿は、その現在の形では途方もないもので、僕以外のだれにとっても、君にとってさえも出版できるものではない」と手紙に書いたほどであった。

1872年『資本論フランス語版』54歳:ラシャトル版ともいう。
 「「まったく別個の科学的価値を持つ」と(マルクスが)自分で称するほどに納得できる版となった「フランス語版」が出版されたのはようやく1872 - 1875であった。」
1873年『資本論第2版』
1883年『資本論第3版』(フリードリッヒ・エンゲルス)

 事細かに編集を指示したフランス語版の出版から死ぬまで11年間あったが、マスクスは資本論第2部の編集に手をつけていない。未整理の膨大な草稿が残されたことから考えると、混乱のまま、人生の終わりを迎えたように思える。

 [経済学の研究深化と共産主義イデオロギーの破綻]
 
ヘーゲル弁証法では乗り越えられないところに自分が立っていることにマルクスは気がついていたのではないだろうか。いまさらヘーゲル弁証法ではダメだとは言えない、それを言えば階級闘争史観(唯物史観)も破綻してしまうから、共産主義の理論的な支柱が倒壊するから、マルクスはだんまりを決め込むしかなかったのではないか。晩年のマルクスは著作を書かなくなっていた、そうした空白の期間の理由も、方法論の破綻を考えると当然のことに思える。
 
『経済学批判要綱』(1858年)段階での流通過程分析を通じて、価値形態研究の深化と併行して商品分析によって経済学諸概念の関連の整理がなされていく。マルクスは経済学の基本概念をいじくり回しているうちにしだいに整理がついて、ごく自然に演繹的な順序で経済学を叙述する方向へと舵を切ってしまったのであるが、そのことが学としての経済学の体系構成に混乱と疑義を抱く素(もと)となってしまった。たとえて言うと、ヘーゲル弁証法という水先案内人がいない海に漕ぎ出してしまったのである。水先案内人もいない、羅針盤すらもたずに、未知の海域にマルクス丸は漂流し始めていた。
 
1935年にブルバキの名前ではじまった集合論を基礎にした現代数学の総合化の試みですら、その体系的な叙述はいまだに完成していない。マルクスが個人で一つの経済学体系を完結できなかったのは無理もないことに思える。
 
そのうえに世界市場は資本論初版の時点ではいまだ存在していなかったし、世界市場論はそれだけをとっても個人でできる仕事量ではない。実証研究の深化をまたなければ書けない代物なのである。数えてみたら、『ブルバキ 数学原論』は東京図書から翻訳書で36冊出版されている。現代数学は体系化にこれほど膨大な冊数とそれに見合う仕事量を要求している。


*#2935 『資本論』と経済学(1):「目次」 Jan. 25, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-25

 #2936 『資本論』と経済学(2):「1.経済現象と日本の国益」 Jan. 26, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-26

 #2937 『資本論』と経済学(3):「円安はいいことか?80⇒120円/$の威力」 Jan. 27, 2015 
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27

 #2938 『資本論』と経済学(4) : 「経済学とは?」 Jan. 27, 2015 http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-1

 #2939 『資本論』と経済学(5) : 「『資本論』の章別編成」 Jan. 27, 2015  
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-27-2

 #2941 『資本論』と経済学(6) : 「マルクス著作の出版年表」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-1

 #2942 『資本論』と経済学(7) : 「デカルト/科学の方法四つの規則」 Jan. 29, 2015
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-28-2

 #2943 『資本論』と経済学(8) : 「ユークリッド『原論」 Jan. 29, 2015   
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29

 #2944 『資本論』と経済学(9) : 「何をやりつつあったかは残された文献に聞け」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-1

 #2945 『資本論』と経済学(10) : 「プルードン「系列の弁証法」 Jan. 29, 2015    
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-2

 #2947 『資本論』と経済学(11) : 「労働観を時間座標系においてみる」 Jan. 29, 2015     
http://nimuorojyuku.blog.so-net.ne.jp/2015-01-29-4




にほんブログ村 地域生活(街) 北海道ブログ 根室情報へ
にほんブログ村 

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この記事のトラックバックURL:
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
メッセージを送る