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#3570 中標津町立病院は年間15.2億円の赤字: 根室は? July 22, 2017 [市立根室病院経営改革メモ]

<更新情報>
7/23 朝8時25分 <余談>へ追記
7/24 朝8時35分 <余談>へ追記


  北海道新聞7月22日の根室地域版にお隣の中標津町の町立病院赤字問題が載っていた。
  中標津支局の古谷記者さん、地域医療の現実問題とそれに真正面から取り組む中標津町民を取材したいい記事だね。よい比較材料だから、根室支局の記者さんも市立根室病院の経営問題をとりあげてもらいたい。継続して両方の支局でとりあげ、シリーズ記事になれば中標津町民にも根室市民にも、そして両方の公立病院経営改善にも役に立ちそうだ。
  地域医療がどうなるかは町の未来にとって大きな問題である、関心を失ってはならない。

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  町立病院 利用実態把握へ
    中標津 町民アンケートを実施
      町議会特別委 運営委員と懇談

【中標津】町立中標津病院の財務改善や医療スタッフの安定的確保に向けた調査を行う、「病院の近未来を検討する特別委員会」(鈴木克弘委員長、7人)は21日、町役場で第4回の会合を開き、町の諮問に基づき病院経営に提言する町民らでつくる運営委員会のメンバーと懇談した。
 同病院の経営は厳しく、2016年度には町の一般会計から15億2856万円を繰り入れている。鈴木委員長は6月に西村譲町長や丁子清院長と懇談し、常勤医の不足や病床利用率の低迷など同病院が現在抱える課題を確認したと報告。運営委員会の実施状況などの聞き取りを行った。
 運営委員からは「チェック機関である議会が経営改善に向け、厳しい目を向けることが必要」「病院の悪口をいうだけでなく、問題意識を共有することが大切」との意見が出た。鈴木委員長は「解決には時間がかかる」運営委員会を後押ししながら、町民間に病院を応援するという機運を高めていきたい」と述べた。
 特別委員会では、同病院の利用実態や要望を把握するため、町民向けにアンケートを実施する。アンケート用紙は町内会や商工会、農協などを通じ、随時配布される。8月中に集約し、実態把握や改善策の検討に役立てる。(古谷育世)
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  市立根室病院は建て替え後、年間17億円前後の赤字が出続けているから、毎年一般会計から赤字相当額を繰り入れて補填している。9月に市議選が行われるが、18名の現市議の一人(共産党)が引退、新人一人が立候補の予定だという。このままだと全員無投票当選になる。根室の停滞を打ち破る意志と気力のある若い人が3名ほど立候補してくれたらありがたい。
  求職活動中の若者も市議立候補を考えてみたらいかが?


<余談>
  病院問題をとりあげることがめっきり減ったので、コメント欄で読者の一人から数か月前にお叱りをいただいた。もっともだと思うが、すこし弁解をしておきたい。
  ebisuはふるさとのためにいまできることをやろうと思っている。年間5億円程度の赤字縮小なら、必要な権限があれば可能だったかもしれない。10年で50億円だから長期的に考えれば少なくない。4種類の業種5社の経営改善を経験しているが、その都度やり方が違っていた。現場に入って見れば何をどうすれば経営改善ができるのか自然に具体策が見えくる。仕組みややり方を変えることで赤字会社を高収益会社にできたケースがほとんど。赤字会社は赤字になるような仕組みややり方で仕事をしている。ようするに経営のやり方がまずいのである。ダメな会社に共通するのは具体的なビジョンのないこと。そしてビジョンを実現できる複数の分野に専門知識をもつ仕事人がいないこと。結果を出すのに三年以上かかったことはないから、機会があれば協力しようかと思ったこともあったが、こういう仕事はもう体力的に無理、時間切れである。だから、病院経営問題への興味が薄れそして発言が減った。問題を指摘するときは、その解決の具体策も同時に考えることにしている。故郷に戻って15年目、齢を重ねることで守備範囲が狭くなった、みったくないから無理はしない。
  現在の仕事は塾稼業、地域医療に関しては看護専門学校や薬学部、医学部進学希望の生徒を育てることで故郷における自分の役割を果たすことができたら幸せと考えるようになった。
  安定した収入が得られるから看護専門学校志望の生徒は途切れることがない。看護専門学校へ奨学金制度(根室市条例)の充実(月額10万円×36か月)のお陰で、看護学校への進学を薦めやすくなった。そして運のよいことに、医学部進学希望の生徒を三年半前(2014年1月4日)から指導している。中3の現在も学力は順調に伸びており、最近の定期テストでは五科目合計点493点をとった。初体験だった四月の300点満点の学力テストは270点に少し足りなかったがこんなもので十分だ。難易度の低い北海道の学力テストでこれ以上点数を上げる必要を感じない。学年一番にこだわるなと言い続けてきたが、本人はどうしても気になる様子で、中学校の定期テストと学力テストはずっと学年1位を続けている。田舎の中学校で学年トップをとることにさしたる意味はなく、最難関大学医学部受験に焦点を絞って勉強させたいのだが、頑固な生徒でebisu先生は手こずっている。(笑)
  わたしは首都圏での自分の経験と最適と思う教育戦略にもとづいて指導するが、指導を受ける側の生徒にも自分の考えや意地がある。そういうわけでぶつかるのは仕方がない。摩擦を起こしながらその都度折り合いをつけている。国立難関医学部への進学には小4から勉強をスタートするのが標準的教育戦略である。そういうスケジュールから見るとこの生徒はスタートが2年遅れた。しかし、頑張って遅れを取り戻しつつある。
  現在、数学はセンターレベルの数1問題集をやっており、首都圏の中高一貫進学校とほぼ同じ進捗状況だろう。高校2年生で数Ⅲを終了するスケジュールだ。まだずいぶん先のことだが、高校最後の1年間は難関大学受験用の問題集や視野を広げるためにそれをすこし超える大学教養レベルのテクストで好奇心のままに学習したらいい。
  英語は高校受験用の問題集を夏休み中に終了する予定で、そのあと高校教科書3年分を9-12か月で消化する。並行して中級レベルの英文法問題集「Grammar In Use」をやらせるつもり。そのあとは、ジャパンタイムズの面白そうな記事を選んで一緒に読むことになる。量をこなさなければ読めるようにならない。
 日本語音読トレーニングは13冊目で、レベルを上げて福沢諭吉『福翁自伝』を使用している。それが終われば和辻哲郎『古寺巡礼』『風土』、哲学書である西田幾多郎『善の研究』を読むことになる。自分が中高生ならこういう授業をしてほしいというところに焦点を合わせてやっているから、贅沢な補習授業になっている。読書速度を2倍、読解力を2倍に引き上げることができれば、標準的な受験生の1/4の時間で半分くらいの科目が学習可能になる。だから音読トレーニングで学力全般が上がらないはずがない、当たり前のことをやっている。
 来年高1になって7月の進研模試で国・数・英の三科目でそれぞれ80%超が当面の目標だ。それをクリアできれば、3年次にはセンターレベルの難易度なら三科目とも90%を超えて得点できるだろう。
  最難関の大学医学部へ60%程度の合格率までもっていけたら、どこを受験するかは当人次第。根室の医療の三十年後は、優秀な生徒たちをいまどのように教育するかで決まるのではないか。

  自分が納得のできる仕事をすること、誇りのもてる仕事をすること、生き甲斐をもって仕事に取り組むこと、仕事の手を抜かぬこと、それがプロではないか。そこへ日々近づけたら嬉しいが、理想と現実に大きな距離を感じながらの精進。最近は体力の衰えから脳のスタミナが短時間で切れ、限界を感じている。齢をかさねるとどこかで体力の範囲内で勝負せざるをえなくなるのだ。

(最近2か月間に学習意欲の高い中学生が3人入塾した、どれほど化けるか楽しみだ。6月に入塾した二人は期末テストで苦手だった数学で実績を上げ、数学に自信がついたようす。よかったね。
 先週入塾した生徒はスタミナがありそうだ。12月に入塾した中2の生徒と『語彙力こそが教養である』をテクストに隔週の音読トレーニング授業を受けている。これは1時間半ノンストップだからかなりきつい、気持的には気が抜けないから「格闘技」である。並行して毎週20分ほど『福翁自伝』の音読トレーニングにも参加している。
 基礎学力を上げるにはこのように迂回したほうがいい。「読み・書き・そろばん」の「読み」のスキルを上げるには音読トレーニングの効果が高い。音読スキルがアップすると国語と社会科の点数がはっきり上がる。読書スキルとこれらの間に何か因果関係があるのだろう。
  計算スキルは「読み・書き・そろばん」だから、文字通りそろばんが一番効果が高い。根室高校から東大現役合格を初めて果たしたY田さんは高校時代に商工会議所珠算能力検定1級に合格している。Y田さんのお父さんは根室支庁長から根室市長となった人である。
  ebisuも高校時代に日商珠算能力検定1級に合格しているから、計算は抜群に速いし、数字のセンスもよいほうだ。高校2年の時には半分の時間で合格点をとれた。小学生にはそろばんを習わせたらよい。日商珠算能力検定1級の問題を半分の時間でやれたらおそらく全珠連3段相当だろう。ebisuよりも5歳年下の女の子たちは数人全珠連5段がでている。根室の珠算は曙町の高橋珠算塾塾長が全道トップレベルに育て上げた。わたしはその塾で2番目の日商1級合格者であった。社会人になってから経営管理で暗算スキルがたいへん役に立った。What-if Questionで3ケタの概数で経営シミュレーションを頭のなかで頻繁に繰り返していたのである。都合のよいことに、いつでもどこでもできるのである。あるていどまとまると、ホワイトボードに書きだしてKJ法で相互の関連を確認した。ここまでやっておけば、具体的な実行プランを PERT chart に展開できる。システム化に伴う実務設計もそれによって浮く人員の使い方も、新規事業に必要な投資や人員の手配もこうした数値のシミュレーションに支えられていた。年商1000億円の会社なら億円単位でのコントロールでしっかりした経営管理ができる。事業部別や部門別予算管理も3ケタの精度で必要にして十分である。年商100億円なら1千万円単位でOK、年商10億円なら百万単位のシミュレーションで経営管理ができる。上場会社の経営管理はおおむねそれくらいの精度でなされている。)


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<最近音読トレーニングで読んだ本3冊>

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格 (新潮新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/20
  • メディア: 新書
日本人は何を考えてきたのか――日本の思想1300年を読みなおす

日本人は何を考えてきたのか――日本の思想1300年を読みなおす

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2016/03/01
  • メディア: 単行本
語彙力こそが教養である (角川新書)

語彙力こそが教養である (角川新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/12/10
  • メディア: 新書
  音読授業ではとりあげなかったが、『国家の品格』を読み終わった後に、『世にも美しい数学入門』をあげた。好奇心をくすぐる良書であるから、数学が好きな生徒諸君にぜひ読んでもらいたい。

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

世にも美しい数学入門 (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2005/04/06
  • メディア: 新書
  大数学者岡潔先生の『春宵十話』は中学生にはちとむつかしいが、数学好きな生徒におススメします。

春宵十話 (角川ソフィア文庫)

春宵十話 (角川ソフィア文庫)

  • 作者: 岡 潔
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2014/05/24
  • メディア: 文庫



<これから音読トレーニングで読む予定の本>
  気が変わるかもしれません。
  最初の本だけ、音読トレーニング現在進行中。


新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

新訂 福翁自伝 (岩波文庫)

  • 作者: 福沢 諭吉
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/10
  • メディア: 文庫
古寺巡礼 (岩波文庫)

古寺巡礼 (岩波文庫)

  • 作者: 和辻 哲郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/03/16
  • メディア: 文庫

この辺り(『風土』)から、たぶん普通のレベルの理系大学生の手に負えなくなります。ハイレベルな読解能力を必要とします。

風土―人間学的考察 (岩波文庫)

風土―人間学的考察 (岩波文庫)

  • 作者: 和辻 哲郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/05/16
  • メディア: 文庫

  これは哲学書ですから、西洋哲学の周辺知識が必要です。思考力トレーニングと思えばいい、理系大学受験にはほとんど不要です。読解力のパワーアップ材料です。

善の研究 (1979年) (岩波文庫)

善の研究 (1979年) (岩波文庫)

  • 作者: 西田 幾多郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/10
  • メディア: 文庫

#3569 散歩: 歩幅・速度の計測 July 22, 2017 [サイクリング]

  サイクリングで距離のわかっているコースを歩き、歩数をカウントして時間を測った。大股で歩くことを心掛けたら、片道1060m、時間11分、歩数1080であった。

  1060m÷1080歩=0.981m/歩    (98.1cm/歩)
  1060m÷11分=96.4m/分   (時速5.8km)

  54年前のある日、同級生のY岡と光洋中学校前から競争しながら歩いて帰った。開法寺まで14分だった、これが最高速でおおよそ分速140m、一人で歩いたらあんなに速くは歩けない。友達とはいいものだ。

  光洋中学校から開法寺までは当時3つの経路があった。

バス通りコース:コープサッポロ前を通り、花咲小学校手前の交差点を左折して市立病院前を通って開法寺へ出る道。
②成央小学校付近は牧場と松林だった。湿地に小川が流れており、その小川に沿って歩く道がついていた。車は入ってこれない。「ナカセン」と呼んでいた道である。坂を下るまで住宅はなかった。畑の横に肥溜めがあって、冬でもその上だけは真っ先に雪が融けていた。1mほどの深さの肥溜めは冬の厳寒のなかでも発酵して発熱するから上を覆っている雪はすぐに融ける。
③光洋中学校前の教員住宅の横を通って線路を横断するS字カーブの1車線の砂利道があった。そこから上がって現在のたこ焼き通りに出る。いまある跨線橋がなかったから、成央小学校前の道路は花咲街道から跨線橋手前までしかなかった。「シモセン」と名前がついていた。

  Y岡とよく競走したのは「ナカセン」である。走ったら負け、あいつは歩くのが速いのでいつもしんどい勝負だった(笑)。ほとんど同着かわたしが十数歩遅れた。半分が同着、半分はわたしの負けだっただろう。
  散歩しながら懐かしいシーンを思い出した。


  先々週は143kmサイクリングした。一月で600kmを超えたので疲れがたまった様子。この2週間は3度しか走っていない。2週間の走行距離をメモしておく。

 ロードバイク  29km (累計3037km)


<余談>
 用事があって、お昼ころに友人のY口のところまで行ってきた。先週だったか北大病院へ行ったとある人から聞いていたので、「その後順調か?」と訊いたら、にっこり笑って「順調だよ」と答える。メラノーマで手術をしたのはもう3年前だったか、「トシ、おれもトシと同じ、癌になっちまった」と聞いた時にはショックだった。ありがたくない「癌仲間」、そこまで俺につきあわなくてもいいのに。
  メラノーマは厄介な癌である。道内では北大病院だけがインターフェロン療法をしていたので、3か月に一度札幌まで行って、数日の入院治療をしているようだ。もうインターフェロンは終わったのかもしれない。お互いに相手の健康を確認して安心している。死に損なった同級生二人。(笑)
  どちらが先に逝くかは神のみぞ知る。それまでゆったりと、やるべきことをやり人生を楽しむ、ありがたい。


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#3568 『プロ倫』対話(1) July 12, 2017 [『プロティスタンティズムの倫理と資本主義の精神』]

<更新情報>
7月18日午前11時 <3-S>追記 
7月22日午後11時 <5-E>追記


このところ根室も異常に暑い、今日の最高気温は13時25分28.2度、今夏最高気温を更新しました。一番遅い桜であるアッツ島の小ぶりの桜の花びらが2週間ほど前に散り、ハマナスが10cmほどの大輪をいくつもつけて強い香りを放っています。

  マイスター制度と1800年代後半の時代状況を踏まえて、後志のおじさんから興味ある仮説が提示されました。コメント欄からピックアップして後ほど紹介します。

 『プロテスタンティズムと資本主義の倫理』を取り上げて、それぞれの問題関心から対話をしていきます。後志のおじさんがドイツ語版も並行して読んでいるようですから、英語版を追加します。したがって、取り上げるテクストは以下の三つ。

 ①マックスウェーバー著/大塚久雄訳『プロテスタンティズムと資本主義の精神』岩波文庫
 ②Max Weber Die Protestantische Ethik und der Geist des Kapitalismus  2009 Anaconda Verlag GmbH
 ③Max Weber The Protestant ethic and the spirit of capitalism  Translatedby Talcltt Parsons with a forewordby R.H. Tawney  DoverPublications, INC.  

  読者の便宜のために引用文にはそれぞれのテクストのページ数をつけます。①は日本語訳、②はドイツ語原典、③は英訳です。重要な key words 以外は大塚久雄訳の文庫本で議論します。

仮説-1S
中世末期、プロテスタント成立前に、マイスター制度の元では一人前の業を身に付けるに至った「人材」の受け皿が社会的に存在せず、19世紀型の工業資本主義下での生産過程がそうした人材の受け皿になったに過ぎないのではないか?という、余りに大胆な仮説が思い浮かんでしまい…

*コメント欄からコピーした後、文章の修正や追記をしている場合は、次のようにプライム記号を付けます。 
         <2-E>' 。
 オリジナルはコメント欄にあるので必要に応じて参照してください。

#3535コメント欄からアップ
===============================
<1-S>
Weber を読む前に、前提であるマイスターを再確認しようと、阿部謹也先生の著作を読み返すなかで「中世を旅する人々」を改めて読んでみると昔は気づかなかったWeber の視点に関する仮説が思い浮かんでしまい苦慮しています。

阿部先生は、ご自分の著作の中でも折に触れて「更なる研究が必要」と書かれていますので著作の中の事例が全てではないとします。
が、中世末期、プロテスタント成立前に、マイスター制度の元では一人前の業を身に付けるに至った「人材」の受け皿が社会的に存在せず、19世紀型の工業資本主義下での生産過程がそうした人材の受け皿になったに過ぎないのではないか?という、余りに大胆な仮説が思い浮かんでしまい、身動きが取れなくなりました。

プロ倫ドイツ語版も入手しました。が、しばらくドイツ語から遠ざかっていたのでボロボロですね。「彼の人」が英語を読むレベルよりは遥かにましですが、スピードが全然無くなっています。

自分でもまとめきれないのでとらえどころのない文となりました。ebisu さんの研究の中に何か活かせるもの、或いはテーマの匂いがありましたら指摘して下さい。

泥沼に足を捕られている、そんな感触です。
by 後志のおじさん (2017-07-07 23:19) 
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<2-E>'
史実としてどうであったかは、阿部謹也先生のような西洋経済史家に任せるほかありません。

工場長や幹部職員として、読み書きができて、なんらかの専門スキルがあり、そしてマネジメントのできる人材が工場経営に不可欠であることは『プロ倫』に書いてあります。
そういう人材は当時の経済社会ではマイスター制度でトレーニングを受けた者たちしか存在しなかったか、あるいは圧倒的にマイスター制度で育った者たちだったとうことではないでしょうか。わたしたちの議論はそこから出発していいのではないでしょうか。

親がマイスターなら、それを継承することができますが、多くはそうではなかった。独立起業するのはいまよりずっと困難だったでしょう。他のマイスターのもとで働かざるを得なかった。当然収入面では大きな期待ができません。
工場の幹部職員への採用は収入の面でマイスターとして独立するよりもずっと魅力的だったのでしょう。共同経営者への道も開けるのですから。この辺りも『プロ倫』に書いてありました。

19世紀の米国や日本の状況と比較すると面白いことになります。ドイツの特殊事情が浮かび上がります。それと対比することでたぶん米国の奴隷解放の役割と米国資本主義の特徴も。もちろん、国民の7割以上が「読み書きそろばん」能力のあった日本の特殊性も鮮明になります。

マルクスは熟練労働を捨象していますから、マイスターの理解はマルクス経済学を崩す一つのファクターです。
何らかの専門スキルをもち、マネジメントのできる人材なしには工場経営は不可能です。現実の経営という側面マルクスの視点からは抜け落ちています。
ウェーバーの魅力の一つはマイスター制度に光を当てていることです。

議論していくうちに、いろいろなものが見えてくることになるでしょう。

by ebisu (2017-07-08 09:54) 
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<3-S>

歴史的背景を三回にわけて整理してから「プロ倫」そのものにかかりたい、と考えます。

「プロ倫」は、1920年。ドイツ統一1871年から50年足らず。職業倫理や生活規範を視るには余りに短い。

今回はドイツ、次に中世マイスター、三回目にプロイセンに関して、ざっと(高校世界史程度)確認しておきます。


15世紀までに、中世型の経済の成長頭打ちとなる。

15世紀末以降、大航海時代。財の流入。

1555年Augsburg 宗教和議
     「諸侯」に新旧の選択権。領民は領主の宗派。

1648年ウェストファリア条約
     ドイツ諸侯に完全な主権。→分立
     30年戦争により、人口激減。経済停滞。

18世紀プロイセン勢力を伸ばす。

1834年プロイセン中心のドイツ関税同盟
     プロイセンは既にライン川流域の工業地帯や資源の豊富なシュレジレンを領有。

※南部バイエルンやザクセンはオーストリアの勢力圏。

1866年普墺戦争
→プロイセン中心の北ドイツ連邦。ザクセンは加入。バイエルンはオーストリア勢力圏に留まる。

1870年普仏戦争

1871年 ドイツ帝国成立。

時間ができしだいpostingします。薪ストーブから一歩進み、かまどで炊事をするようにしたので、生活がスローながらやることたくさんとなっていますもので。

by 後志のおじさん (2017-07-17 14:18)
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<4-E>

竈(かまど)をつくったのですか、火の神様が降りて家内安全を守ってくれます。
せっかくですから、少し脱線します。
阿部謹也先生の『中世の窓』に竈についての解説があります。

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 家の中心はいうまでもなく竈でした。ニュルンベルクでは15世紀には表面にタイルを張ったしゃれた竈が一般的になってゆきます。冬の寒さが厳しいヨーロッパでは竈が生活の中心になりましたから、近代にいたるまで竈を単位に家に課税していたのです。・・・
 竈は古来ゲルマン人の火の祭祀の場として重要な場でした。かつては家の外にしつらえてあったのが、都市では家の中におかれ、家長は竈の枠に手を触れながら家内の平和を宣言し、客を迎えたといわれています。一度おこした火は夜も灰のなかに埋めて翌朝まで消えないようにしましたから、竈は家のなかで最も神聖な場所でした。太古の昔には、竈とは地中にあけた穴のことであって、地の女神の秘所とみなされていました。このなかに火をおろし、地の男神の火の精子を燃えあがらせるのだといわれていたのです。・・・
------------------------
  同書28ページ

  いいタイミングで竈をしつらえましたね、長年の構想を実現したのでしょう。
  夢がかなうのはうれしいもの、そしてそういう話を聞くのも楽しい、よかったですね。

by ebisu (2017-07-18 12:19)
===============================
<5-E>

  朝4時ころに目覚めてNHKラジオを聞いていたら、NPO法人「三方よし研究所」の女性が近江商人の商道徳を解説していた。三方よしとは「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」である。売り手には生産者が含まれるが、株主や取締役はもとより、現場で働くものすべてが働くことが楽しく生き甲斐がなくてはならない。もちろん、下請け企業やそこで働く人々もそうである。
 そうしてみると、トヨタ看板方式とはずいぶんと日本の伝統的商道徳から外れたやりかたである。トヨタ本体が巨額の利益を上げて、下請けが青息吐息ではとても「売り手よし、買い手よし」とは言えぬ。村山工場を閉鎖売却して人員整理を断行した日産カルロスゴーンは毎年巨額の報酬を手にしているが、従業員は幸せだろうか?
  企業経営者はもっと小欲知足であるべきではないのか?
  日本では近江商人の商道徳に代表されるようなこうした商道徳が歴史の古い企業に家訓として連綿と受け継がれている。
  どこかでドイツと対比して論じてみたい。

*NPO法人「三方よし」研究所
http://www.sanpo-yoshi.net/study/idea.html

by ebisu (2017-07-22 23:26)
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<ebisuメモ>
  章単位でやると百ページ以上になるので、よろしければ節単位か、節単位でも長すぎるときはそれを30ページぐらいに分割して議論したいと思います。

  仮説や重要な論点はebisuの判断でとりあえず附番していきます。全部を読み終えた後で、それらを整理して議論すると面白いものになりそうです。
  どのような興味を抱いて学生時代に『プロ倫』をお読みになったのか、そして現在の時点でどのような興味と関心を抱いて読むのか、わかりやすい対話になることを願っています。

  プロ倫はカテゴリーを設定してあるので、左側のカテゴリー欄にある『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』をクリックすれば、アップ済みの弊ブログ#3488、#3489、#3491がつながって表示されます。


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プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)

  • 作者: マックス ヴェーバー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1989/01/17
  • メディア: 文庫
Die protestantische Ethik und der Geist des Kapitalismus

Die protestantische Ethik und der Geist des Kapitalismus

  • 作者: Max Weber
  • 出版社/メーカー: Anaconda Verlag
  • 発売日: 2009/03/31
  • メディア: ハードカバー
The Protestant Ethic and the Spirit of Capitalism (Economy Editions)

The Protestant Ethic and the Spirit of Capitalism (Economy Editions)

  • 作者: Max Weber
  • 出版社/メーカー: Dover Publications
  • 発売日: 2003/04/04
  • メディア: ペーパーバック

#3567 今週の走行距離は143㎞ July 9, 2017 [サイクリング]

  昨日は暑すぎて走らなかった。暑すぎといっても昨日の最高気温は25.6度、今日は25.7度なのだが、胃のない私は水分補給が追い付かなくなるので、こういう日はやめたほうが無難である。今日は気温が22度に下がった午後3時半から1時間走ってきた。

 このごろよく走るコースは、

  根室高校生徒玄関前スタート
⇒ [2600m]牧の内左折
⇒ [2300m]オホーツク海へ出て右折
⇒ [2600m]海岸通りを納沙布方向へ走り牧の内へ右折
⇒ [3400m]原野の中を走り右折(昔の女子マラソンコースの折り返し地点、通称「牧の内T字路」)
⇒ [5100m]根室高校生徒玄関前へ


  合計16kmのコースである。風が強い時は平均時速22.0km、無風に近い時は平均時速23.5㎞である。信号がないから軽快に走れる。とくにオホーツク海への2300mは半分が直線、残りも緩いカーブのくだりだから、平均時速40km、最大瞬間速度52kmでは冷たい風がうなり路面から強い振動が伝わって来て生きている実感がする。
  今日もそのコースを走ってきた。航空自衛隊分屯地もL字コースも一周したので合計23㎞である。

 今週の走行距離
  ロードバイク  139km  (累計 3008km)
  MTB                 4km  (累計 1242km)

  6/1から39日間の走行距離はロードバイクが580km、MTBが59km合計639km、2年分くらい走ったかな。上半身も筋肉量がすこし増えたようだ。
  赤いミラーレンズのスポーツ・サングラスをかけ、サイクルパンツで走っている。格好は若作りだが、中身はポンコツ間近の爺。自分の脚力で風を切って走れるうちが花。(笑)   

  サイクリングするなら、信号のない16kmコースのある根室がいいよ、何より涼しくていい。23時の気温は18.9度です、うらやましいでしょ。夜の気温はこれくらいが1年間の最高気温です。全国のサイクリング・ファンのみなさん、夏休みには1週間ほど根室へどうぞ。

(移住促進用住宅が格安で借りられるので、1か月休みの取れる人は根室市役所へ問い合わせて見たらいかが。根室暮らしは新鮮な魚(トキシラズ、紅鮭、サンマ、オヒョウ、マツカワ(鰈)、タラ、コマイ、チカ、カジカ)やカニやホタテやマツブやタコ、イカ、ウニも魅力です。
  歯舞産のオヒョウは刺身にしてもフライにしてもおいしい、癖のない湾中産の牡蠣も絶品。8月からはサンマが獲れだします。朝陸揚げされたサンマを昼食に焼いて食べるときのうまさと言ったら、たとえようもない。産地でしか味わえないでしょう。一生に一度の贅沢をしてはいかがですか。鮮魚店は古い順に並べると、「魚信(緑町)」「茂勝」(梅ヶ枝町)「海鮮市場」(駅前)の三店舗あります、ネットで注文できる店もあるようですから、どうぞごひいきに。)


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#3566 中学校体育祭:生徒数204名 July 9, 2017 [根室の話題]

  根室の市街化地域の3中学校は今日が体育祭。例年は霧が出たり、冷たい北風が強かったりで、冬の防寒着か毛布を体に巻いて観戦する人が多い。今朝は7時から20.0度、今年3度目の記録だ。風がほとんどない、正午には23.8度、暑い暑い暑い、根室人にとってはとっても暑い、好天の体育祭となった。

  光洋中学校の体育祭を見てきた。市街化地域で一番生徒数が多いのが光洋中学校、その全校生徒数は204人である。団塊世代のわたしのときは10クラス550人いたから、全校生徒数は1500人。1/7のサイズに縮小。
*光洋中学校生徒数
http://www.gaccom.jp/schools-38714/students.html

 午後の最後のゲームは生徒たちとPTAの綱引きだった。PTの参加が少ないので女の先生がマイクで参加を何度も呼びかけ、ようやく勝負になりそうな人数が集まった。
  開始の号砲がなったが、綱の中心点は動かない。PTAのほうが波のように息が合いだしたが、それでも綱の中心点は動かない。
  1分ほどたっただろうか、終了の号砲が鳴った。正面テント横から見ていたが、どちらの勝ちかわからないほど接戦だった。判定の男の先生がマイクを握っていた女の先生の所へ駆け寄ってきて、マイクを受け取り、「生徒の勝ち」を宣した。

  いい勝負だった。

<余談>
  午前中に市営墓地までいって墓の掃除をしてきた。女房殿がしばらく留守なので昨日と今日の2日かけて一人で掃除、気持ちはすっきり。
  サイクリングは今週も100km超えた。昨日と今日は暑いのでちょっと休憩。6月から650㎞ほど走った。


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